JP2006219551A - 接着剤用水性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ポリオレフィン系樹脂などの難密着性の基材に対し、高い密着性を有し、耐水性などの密着特性に優れた接着を与えることのできる接着剤用水性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)単位を有するアクリル系重合体(A)の粒子が水に分散されたエマルション組成物を含む接着剤用水性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 (メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)単位を有するアクリル系重合体(A)の粒子が水に分散されたエマルション組成物を含む接着剤用水性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、接着剤用水性樹脂組成物に関する。本発明は、特に、印刷およびエンボスの施されたポリオレフィン系樹脂成形製品の製造の際に使用される接着剤に有用であり、ポリオレフィン系樹脂成形体を接着する際に高い接着強度を有し、耐水性などの密着性能に優れる接着剤を与える接着剤用水性樹脂組成物に関する。
オレフィン系単量体の重合体であるポリオレフィン系樹脂は、機械的性質、耐薬品性に優れる上に、低コストで成形加工が容易であることから、多種の用途に幅広く利用されている。さらに、ポリオレフィン系樹脂は、リサイクル性にも優れることから、近年の地球環境問題を背景としてその用途はさらに拡大しつつある。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は、非極性であることから、ポリオレフィン系樹脂成形物等の基材表面への接着が困難であることが知られている。
ポリオレフィン系樹脂を接着する方法としては、ポリオレフィン系樹脂に対して強い付着力を有する塩素化ポリオレフィンを使用することが知られている。例えば、塩素化ポリオレフィンに(メタ)アクリル酸エステルおよび不飽和カルボン酸をグラフト重合させたグラフト共重合体を含む塗料用樹脂組成物を用いることが開示されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、含塩素化合物は、環境問題への関心の高まりから、その使用が回避される傾向にある。そのため、近年では、塩素を含まないプライマーに対する要求が急速に高まっている。
塩素を含まないプライマー組成物としては、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂をはじめとする種々の酸変性ポリオレフィン樹脂からなるプライマー組成物が提案されている。例えば、ポリオレフィン樹脂にアクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸をグラフト共重合させた後、さらにポリエステルまたはアルコールなどを反応させた変性共重合体を含むプライマー組成物が開示されている(例えば、特許文献2)。また、ポリオレフィン樹脂を不飽和カルボン酸および特定の(メタ)アクリレートでグラフト変性した変性ポリオレフィン樹脂を含むプライマーも開示されている(例えば、特許文献3)。しかしながら、前述したこれらの組成物においては、有機溶剤が使用されており、近年の環境負荷の問題や残留溶剤臭の問題から水性の非塩素系塗料組成物が要望されている。
かかる水性組成物については、カルボキシル基含有塩素化ポリオレフィンを強制乳化により水に分散させた後、単量体をグラフト重合させることにより製造する方法が開示されている(例えば、特許文献4)。また、ポリオレフィン樹脂を強制乳化により水に分散させた後、単量体をグラフト重合させることにより製造する方法が開示されている(例えば、特許文献5)。しかし、これらの製造法では、強制乳化による分散を利用するものであるため、分散させる重合体に対して10〜20質量%程度の多量の界面活性剤が必要となる。すなわち、これらの製造方法で得られる水系プライマーは、多量の界面活性剤を含んでいるため、耐水性などの密着性能が大きく低下するという問題点を有している。
よって、本発明の目的は、ポリオレフィン系樹脂などの難密着性の基材およびアクリル系樹脂などを含む極性樹脂に対し、高い密着性を有し、耐水性などの密着特性に優れた接着を与えることのできる接着剤用水性樹脂組成物を提供することにある。
すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)単位を有するアクリル系重合体(A)の粒子が水に分散されたエマルション組成物を含む接着剤用水性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、上記接着剤用水性樹脂組成物において、接着される基材の少なくとも1つがポリオレフィン系樹脂からなる接着剤用水性樹脂組成物を提供する。
本発明の接着剤用水性樹脂組成物によれば、含塩素化合物や酸変性ポリオレフィン樹脂を使用することなく、ポリオレフィン系樹脂に対して密着性が良好で、耐水性などの密着特性に優れる接着を得ることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの態様のみに限られるものではなく、その精神と思想の範囲内において様々な変形がなされ得るものであることを理解されたい。
<(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)>
本発明において、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルは、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル、すなわちアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルまたはメタクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルを意味する。
本発明において、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルは、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル、すなわちアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルまたはメタクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルを意味する。
(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)は、それぞれ単独で、または2種を組み合わせて用いることができる。
<アクリル系重合体(A)>
アクリル系重合体(A)は、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)単位を有するものであり、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)単位と他の単量体(b)単位とを有する共重合体であってもよい。
アクリル系重合体(A)は、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)単位を有するものであり、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)単位と他の単量体(b)単位とを有する共重合体であってもよい。
アクリル系重合体(A)が共重合体である場合は、密着性の点から、共重合体中の(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)単位の含有量は50質量%以上100質量%未満であることが好ましく、80質量%以上100質量%未満であることがより好ましい。また、共重合体の構造は特に限定されず、例えば、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体等の構造をとることができる。このような共重合体は、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)と、これと共重合可能な他の単量体(b)とを共重合することにより得られる。
アクリル系重合体(A)の数平均分子量は、オレフィン系樹脂からなる基材への密着性の点から、5,000〜500,000であるのが好ましく、10,000〜300,000がより好ましい。
<他の単量体(b)>
アクリル系重合体(A)が共重合体である場合、他の単量体(b)は(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)以外の単量体である。
アクリル系重合体(A)が共重合体である場合、他の単量体(b)は(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)以外の単量体である。
他の単量体(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、プラクセルFMもしくはFA(ダイセル化学(株)製カプロラクトン付加単量体)等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等のα,β−不飽和カルボン酸類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等のマレイミド類;カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル類;ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン等のジエン類;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン等のモノもしくはポリアルキルスチレン等の芳香族ビニル化合物;メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ブトキシメタクリルアミド、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ブトキシアクリルアミド等の重合性アミド類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等の不飽和有機シラン化合物等が挙げられる。
これらのうちでは、入手のし易さ、密着性の面から、(メタ)アクリル酸エステル類、α,β−不飽和カルボン酸類が好ましい。さらに、これらのうちでも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、プラクセルFM、プラクセルFA、メタクリル酸およびアクリル酸がより好ましい。
<エマルション組成物>
アクリル系重合体(A)粒子が水に分散されたエマルション組成物は、界面活性剤を使用して水中にアクリル系重合体(A)粒子を乳化させることにより得ることができ、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)をまたは(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)と単量体(b)とを水中で乳化重合し、あるいはアクリル系重合体(A)を水中に強制乳化することにより製造することができる。界面活性剤の使用量の観点からは乳化重合による製造法が好ましい。
アクリル系重合体(A)粒子が水に分散されたエマルション組成物は、界面活性剤を使用して水中にアクリル系重合体(A)粒子を乳化させることにより得ることができ、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)をまたは(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)と単量体(b)とを水中で乳化重合し、あるいはアクリル系重合体(A)を水中に強制乳化することにより製造することができる。界面活性剤の使用量の観点からは乳化重合による製造法が好ましい。
また、アクリル系重合体(A)粒子の平均粒子径は、組成物を塗布した時の塗料固形分の向上および塗膜の外観向上の観点から、20〜1000nmの範囲であるのが好ましく、より好ましくは50〜300nmの範囲である。
また、アクリル系重合体(A)の割合は、エマルションの安定性および組成物の塗布効率の観点から、全質量(アクリル系重合体(A)と水の合計)に対して5〜60質量%であることが好ましく、10〜40質量%となることがより好ましい。
乳化重合時に使用される開始剤は、特に限定されるものではなく、一般に乳化重合に使用されるものであれば全て使用することができる。代表的なものとしては、過酸化水素;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;あるいはこれらと鉄イオン等の金属イオンおよびナトリウムスルホキシレート、ホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤との組み合わせによるレドックス開始剤等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、必要に応じて、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸およびそれらのナトリウム塩等のアリル化合物などを分子量調節剤として使用することも可能である。
また、粒子の安定性を向上させるため、通常の乳化重合に使用される界面活性剤を用いることが好ましい。かかる界面活性剤の具体例としては、例えば、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤やその他の反応性界面活性剤などが挙げられ、これらの1種を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の使用量は、特に制限されないが、使用量が多くなると得られる組成物の耐水性などの密着特性が低下することがあるため、アクリル系重合体に対して10質量%以下であることが好ましい。
重合に際しては、前記した単量体を一括して、もしくは分割して、あるいは連続的に滴下しながら加え、前記した如き開始剤の存在下に、例えば0〜200℃、実用的には30〜150℃の温度で重合される。
また、本発明の接着剤用水性樹脂組成物においては、エマルションを中性〜弱アルカリ性とする、すなわち、pHを6.5〜10.0の範囲とすることによって、エマルション安定性を高めることができる。pHの調整は、例えば、乳化重合後に塩基性化合物を添加することによって行うことができる。ここで使用することのできる塩基性化合物としては、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
また、エマルション組成物には、各種の添加剤、例えば、硬化剤、架橋剤、造膜助剤、消泡剤、ハジキ防止剤、レベリング剤、粘着付与剤、硬度付与剤、防腐剤、増粘剤、凍結防止剤、分散剤などや、無機顔料、有機顔料などの各種顔料を添加することもできる。
<接着剤用水性樹脂組成物>
次に、本発明の接着剤用水性樹脂組成物について説明する。
次に、本発明の接着剤用水性樹脂組成物について説明する。
本発明の接着剤用水性樹脂組成物は、アクリル系重合体(A)粒子が水に分散されたエマルション組成物を含んでなる。
本発明の接着剤用水性樹脂組成物には、これを基材に均一に塗布することを可能にするため、造膜助剤、消泡剤、顔料分散剤、増粘剤、ワックス、界面活性剤、防腐剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
本発明の接着剤用水性樹脂組成物は、従来公知の種々の方法で基材に塗布することができる。例えば、基材への塗布後、60〜130℃程度の温度条件で、30〜120分間加熱することによって、密着性に優れた塗膜を形成することができる。
本発明の接着剤用水性樹脂組成物は、種々の樹脂からなる基材のための接着剤として有用であるが、例えばポリオレフィン系樹脂などの難密着性の基材やアクリル樹脂などの極性樹脂の基材に特に有用であり、特にアクリル樹脂からなる基材やポリオレフィン系樹脂からなる基材に有用である。
かかるオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、環状オレフィン樹脂、エチレン系ランダム共重合体、エチレン系ブロック共重合体、プロピレン系ランダム共重合体、プロピレン系ブロック共重合体等が挙げられる。それらのうちでも、ポリプロピレン、プロピレン系ランダム共重合体およびプロピレン系ブロック共重合体は、オレフィン系樹脂として特に好ましい。
エチレン系ランダム共重合体、エチレン系ブロック共重合体、プロピレン系ランダム共重合体およびプロピレン系ブロック共重合体は、例えば、エチレンまたはプロピレン以外のα−オレフィンから誘導される単量体単位、あるいはジエン化合物から誘導される単量体単位を含む。そのような単量体単位の具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等のα-オレフィンから誘導される単量体単位;1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエンから誘導される単量体単位;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン等の環状非共役ジエンから誘導される単量体単位;および2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等から誘導される単量体単位が挙げられる。このような単量体単位の含有量は、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜15質量%である。
また、本発明の接着剤用水性樹脂組成物が適用されるポリオレフィン系樹脂からなる基材は、上記の各種重合体もしくは樹脂を射出成形、圧縮成形、中空成形、押し出し成形、回転成形等の公知の成形方法のいずれによって成形したものであってもよい。
以上に説明した本発明の接着剤用水性樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)単位を有するアクリル系重合体(A)を含有しているので、含塩素化合物や酸変性ポリオレフィン樹脂を用いていないにもかかわらず、ポリオレフィン系樹脂からなる基材に対する密着性が良好であり、また界面活性剤の含有量が低減されているので、耐水性などの密着特性に優れている。
以下に合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
なお、合成例において合成した重合体の組成および平均粒子径は、以下の方法により評価した。
重合体の組成
1H-NMR(日本電子(株)製、JNM−EX270)により求めた。
1H-NMR(日本電子(株)製、JNM−EX270)により求めた。
重合体の数平均分子量
GPC(Waters社製、GPC150−C)を用い、ポリメタクリル酸メチルをスタンダードとして測定した。
GPC(Waters社製、GPC150−C)を用い、ポリメタクリル酸メチルをスタンダードとして測定した。
平均粒子径
動的光散乱粒子計DLS−600(大塚電子(株)製)にてエマルション組成物中の重合体粒子径(重量平均粒子径)を測定した。
動的光散乱粒子計DLS−600(大塚電子(株)製)にてエマルション組成物中の重合体粒子径(重量平均粒子径)を測定した。
合成例1
温度計、サーモスタット、攪拌器および還流冷却器を備えた反応容器に、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100質量部からなる単量体(a)、脱イオン水400質量部、界面活性剤(花王(株)製、ペレックスSS−L)1質量部、クメンハイドロパーオキサイド0.3質量部およびn−オクチルメルカプタン0.2質量部を仕込み、窒素バブリングにより系内を窒素置換した。この溶液を攪拌しながら液温を70℃に昇温した後、硫酸第一鉄0.0004質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0012質量部、ロンガリット 0.4質量部および脱イオン水10部からなる還元剤系水溶液を投入し、70℃で3時間保持した。
温度計、サーモスタット、攪拌器および還流冷却器を備えた反応容器に、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100質量部からなる単量体(a)、脱イオン水400質量部、界面活性剤(花王(株)製、ペレックスSS−L)1質量部、クメンハイドロパーオキサイド0.3質量部およびn−オクチルメルカプタン0.2質量部を仕込み、窒素バブリングにより系内を窒素置換した。この溶液を攪拌しながら液温を70℃に昇温した後、硫酸第一鉄0.0004質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0012質量部、ロンガリット 0.4質量部および脱イオン水10部からなる還元剤系水溶液を投入し、70℃で3時間保持した。
次いで、液温を40℃まで冷却し、300メッシュのナイロンクロスでろ過することにより、平均粒子径100nm、数平均分子量85,000であるエマルション組成物を得た。
合成例2
単量体(a)としてアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100質量部を用いるかわりに、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル80質量部とメタクリル酸メチル20質量部の混合物を用いた以外は合成例1と同様にして、平均粒子径92nm、数平均分子量82,000であるエマルション組成物を得た。
単量体(a)としてアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100質量部を用いるかわりに、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル80質量部とメタクリル酸メチル20質量部の混合物を用いた以外は合成例1と同様にして、平均粒子径92nm、数平均分子量82,000であるエマルション組成物を得た。
合成例3
単量体(a)としてアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100質量部を用いるかわりに、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル80質量部とアクリル酸ブチル20質量部の混合物を用いた以外は合成例1と同様にして、平均粒子径95nm、数平均分子量83,000であるエマルション組成物を得た。
単量体(a)としてアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100質量部を用いるかわりに、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル80質量部とアクリル酸ブチル20質量部の混合物を用いた以外は合成例1と同様にして、平均粒子径95nm、数平均分子量83,000であるエマルション組成物を得た。
合成例4
単量体(a)としてアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100質量部を用いるかわりに、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル90質量部とアクリル酸4−ヒドロキシブチル10質量部の混合物を用いた以外は合成例1と同様にして、平均粒子径125nm、数平均分子量88,000であるエマルション組成物を得た。
単量体(a)としてアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100質量部を用いるかわりに、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル90質量部とアクリル酸4−ヒドロキシブチル10質量部の混合物を用いた以外は合成例1と同様にして、平均粒子径125nm、数平均分子量88,000であるエマルション組成物を得た。
合成例5
単量体(a)としてアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100質量部を用いるかわりに、メタクリル酸メチルを100質量部用いた以外は合成例1と同様にして、平均粒子径110nm、数平均分子量86,000であるエマルション組成物を得た。
単量体(a)としてアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100質量部を用いるかわりに、メタクリル酸メチルを100質量部用いた以外は合成例1と同様にして、平均粒子径110nm、数平均分子量86,000であるエマルション組成物を得た。
実施例1〜4
合成例1〜4において得られた各エマルション組成物100質量部に、濡れ剤(日信化学工業(株)製、サーフィノール440)4質量部および成膜助剤(N−メチルピロリドン50%水溶液)1質量部を混合した溶液を、ポリプロピレン製基材(日本ポリケム(株)製、ノバテックFA3DA、ISO棒64×12.6×6mm)の中央部分に、20μlの量で塗布し、図1に示すように、ポリプロピレン製基材1同士を十字になるよう重ね合わせた(接着面2のサイズ:1.26cm×1.26cm)。500gの荷重下に室温で15分間放置後、120℃に設定した乾燥機で2時間乾燥させ、ポリプロピレン製基材からなる接着試験片を作製した。
合成例1〜4において得られた各エマルション組成物100質量部に、濡れ剤(日信化学工業(株)製、サーフィノール440)4質量部および成膜助剤(N−メチルピロリドン50%水溶液)1質量部を混合した溶液を、ポリプロピレン製基材(日本ポリケム(株)製、ノバテックFA3DA、ISO棒64×12.6×6mm)の中央部分に、20μlの量で塗布し、図1に示すように、ポリプロピレン製基材1同士を十字になるよう重ね合わせた(接着面2のサイズ:1.26cm×1.26cm)。500gの荷重下に室温で15分間放置後、120℃に設定した乾燥機で2時間乾燥させ、ポリプロピレン製基材からなる接着試験片を作製した。
実施例5
合成例2において得られたエマルション組成物を用いて、ポリプロピレン製基材のうち一方をPMMA製基材(三菱レイヨン(株)製、アクリペットVH、ISO棒64×12.6×6mm)に代え、乾燥を100℃に設定した乾燥機で3時間乾燥させた以外は実施例1〜4と同様にして接着試験片を作製した。
合成例2において得られたエマルション組成物を用いて、ポリプロピレン製基材のうち一方をPMMA製基材(三菱レイヨン(株)製、アクリペットVH、ISO棒64×12.6×6mm)に代え、乾燥を100℃に設定した乾燥機で3時間乾燥させた以外は実施例1〜4と同様にして接着試験片を作製した。
上記試験片の接着強度をテンシロンUTM−1−2500(東洋ホールディング(株)製)を用いて測定した。具体的には、図2に示すように、接着試験片の上側の基材の両端を固定治具3,3上に載せ、下側の基材の2箇所に力を加え、剥離速度を2mm/minとして試験片を剥離させ、その際の応力を接着剥離強度として測定した。結果を以下の表1に示す。
比較例1
合成例5において得られたエマルション組成物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、接着試験片を作製し、接着剥離強度を測定した。結果を以下の表1に示す。
比較例2
合成例5において得られたエマルション組成物を用いて、実施例5と同様の操作を行って、接着試験片を作製し、接着剥離強度を測定した。結果を以下の表1に示す。
合成例5において得られたエマルション組成物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、接着試験片を作製し、接着剥離強度を測定した。結果を以下の表1に示す。
比較例2
合成例5において得られたエマルション組成物を用いて、実施例5と同様の操作を行って、接着試験片を作製し、接着剥離強度を測定した。結果を以下の表1に示す。
実施例および比較例から明らかなように、本発明の接着剤用水性樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂からなる基材への密着性に優れている。
本発明の接着剤用水性樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂からなる基材やアクリル樹脂などの極性樹脂に高い密着性を示し、耐水性などの密着性能に優れる。従って、家電製品や自動車部材などの樹脂間の接着を必要とする場合の接着剤として、様々な用途に使用することが可能である。
1 接着試験片
2 接着面
3 固定治具
2 接着面
3 固定治具
Claims (3)
- (メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体(a)単位を有するアクリル系重合体(A)の粒子が水に分散されたエマルション組成物を含む接着剤用水性樹脂組成物。
- 接着される基材の少なくとも1つがポリオレフィン系樹脂からなる請求項1に記載の接着剤用水性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載した接着剤用水性樹脂組成物からなる接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005032813A JP2006219551A (ja) | 2005-02-09 | 2005-02-09 | 接着剤用水性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=36982077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005032813A Pending JP2006219551A (ja) | 2005-02-09 | 2005-02-09 | 接着剤用水性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006219551A (ja) |
-
2005
- 2005-02-09 JP JP2005032813A patent/JP2006219551A/ja active Pending
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