JP2005008661A - 塗料用水性プライマー組成物 - Google Patents

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Toru Tokimitsu
亨 時光
Tetsuya Noda
哲也 野田
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Abstract

【課題】塩素系化合物を含むことなく、ポリオレフィン系樹脂などの難密着性の基材およびアクリル系樹脂などを含む極性塗料に対する密着性が良好な塗料用水性プライマー組成物を提供する。
【解決手段】重合体粒子が水に分散したエマルション組成物を含有する塗料用水性プライマー組成物において、重合体として、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が2級炭素原子または3級炭素原子に結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)単位を有するアクリル系重合体(A)を用いる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にポリオレフィン系樹脂からなる基材に塗装を行う際に、塗料の下地として用いられる塗料用水性プライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン系単量体の重合体であるポリオレフィン系樹脂は、機械的性質、耐薬品性に優れる上に、低コストで成形加工が容易であることから、多種の用途に幅広く利用されている。さらに、ポリオレフィン系樹脂は、リサイクル性にも優れることから、近年の地球環境問題を背景としてその用途はさらに拡大しつつある。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は非極性であることから、ポリオレフィン系樹脂成形物等の基材表面への塗装や接着が困難であることが知られている。
【0003】
よって、ポリオレフィン系樹脂成形物の表面に塗装や接着を行う場合には、該樹脂成形物の表面にプラズマ処理、火炎処理、紫外線照射処理、クロム酸処理などの表面処理を施して、ポリオレフィン系樹脂成形物の表面を活性化させて、その付着性を改良する方法が一般に採用されている。
しかしながら、このような表面処理を行うことは、その付加的な処理のため、塗装工程が複雑で多大な設備費や時間的なロスを伴い、また、成形物の形や大きさ、樹脂中に含まれる顔料や添加物の影響により、表面処理効果にバラつきが生じやすいという欠点を有していた。
【0004】
無処理のポリオレフィン系樹脂に塗装する方法としては、ポリオレフィン系樹脂に対して強い付着力を有する塩素化ポリオレフィンをプライマー(塗装の下側の層)として用い、トップコート(塗装の上側の層)としてアクリル系樹脂などを使用する方法も知られている。例えば、塩素化ポリオレフィンに(メタ)アクリル酸エステルおよび不飽和カルボン酸をグラフト重合させたグラフト共重合体を含む塗料用樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、含塩素化合物は、環境問題への関心の高まりから、その使用が回避される傾向にある。そのため、近年では、塩素を含まないプライマーに対する要求が急速に高まっている。
【0005】
塩素を含まないプライマー組成物としては、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂をはじめとする種々の酸変性ポリオレフィン樹脂からなるプライマー組成物が提案されている。例えば、ポリオレフィン樹脂にアクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸をグラフト共重合させた後、さらにポリエステルまたはアルコールなどを反応させた変性共重合体を含むプライマー組成物が開示されている(例えば、特許文献2)。また、ポリオレフィン樹脂が不飽和カルボン酸および特定の(メタ)アクリル酸エステル単量体でグラフト変性された変性ポリオレフィン樹脂を含むプライマー組成物も開示されている(例えば、特許文献3)。
しかしながら、これらプライマー組成物においては、有機溶剤が使用されており、近年の環境負荷の問題や残留溶剤臭の問題から水性の非塩素系プライマー組成物が要望されている。
【0006】
水性組成物としては、カルボキシル基含有塩素化ポリオレフィンを強制乳化により水に分散させた後、単量体をグラフト重合させて得られる重合体を含有する水性分散液が開示されている(例えば、特許文献4)。また、ポリオレフィン樹脂を強制乳化により水に分散させた後、単量体をグラフト重合させて得られるエマルション組成物を含有する塗料組成物が開示されている(例えば、特許文献5)。
しかし、これら水性組成物は、重合体を強制乳化によって分散させて製造されているため、分散させる重合体に対し10〜20質量%程度の多量の界面活性剤が必要となる。すなわち、これら水性組成物からなる水性プライマー組成物は多量の界面活性剤を含んでいるため、塗膜性能、密着性が大きく低下するという問題点を有していた。
【0007】
【特許文献1】
特公昭63−24628号公報(第1−5頁)
【特許文献2】
特開平11−217537号公報(第2−8頁)
【特許文献3】
特開2002−173514号公報(第2−12頁)
【特許文献4】
特開2002−308921号公報
【特許文献5】
特開2000−281960号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明の目的は、塩素系化合物を含むことなく、ポリオレフィン系樹脂などの難密着性の基材およびアクリル系樹脂などを含む極性塗料に対する密着性が良好な塗料用水性プライマー組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の塗料用水性プライマー組成物は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が2級炭素原子または3級炭素原子に結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)単位(以下、単に「単量体(a)」とも記す)を有するアクリル系重合体(A)粒子が水に分散したエマルション組成物を含有することを特徴とするものである。
【0010】
ここで、前記アクリル系重合体(A)は、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)単位と、これ以外の他の単量体(b)単位とを有する共重合体であってもよい。
また、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)は、脂環式炭化水素基を有するものであることが望ましい。
また、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)は、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルであることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
<(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)>
本発明における(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)は、アクリロイルオキシ基(CH =CHCOO−)またはメタクリロイルオキシ基(CH =C(CH )COO−)が、2級炭素原子または3級炭素原子に結合したものである。ここで、2級炭素原子または3級炭素原子とは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を除く、水素原子以外の任意の基を2つまたは3つ有する炭素原子であり、これら任意の基は互いに結合して環を形成していてもよいものである。
また、本発明において(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを意味する。
【0012】
(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸シクロオクチル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸シクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸ジプロピルメチル、(メタ)アクリル酸トリプロピルメチル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルメチル、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルメチル、(メタ)アクリル酸ジブチルメチル、(メタ)アクリル酸トリブチルメチル、(メタ)アクリル酸ジイソブチルメチル、(メタ)アクリル酸トリイソブチルメチル、(メタ)アクリル酸ジt−ブチルメチル、(メタ)アクリル酸トリt−ブチルメチル等の分岐状炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体などを用いることができる。
【0013】
これらの中でも、密着性が特に優れている点で、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体が、好ましい。
また、耐熱性、基材(ポリオレフィン)に対する密着性の面から、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸シクロオクチル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸シクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましい。
【0014】
さらに、これらの中でも、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルがより好ましい。
これら(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)は、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0015】
<他の単量体(b)>
他の単量体(b)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)以外の単量体である。
他の単量体(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、プラクセルFM,FA(ダイセル化学(株);カプロラクトン付加単量体)等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等のα,β−不飽和カルボン酸類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等のマレイミド類;カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル類;ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン等のジエン類;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン等のモノもしくはポリアルキルスチレン等の芳香族ビニル化合物;メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ブトキシメタクリルアミド、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ブトキシアクリルアミド等重合性アミド類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等の不飽和有機シラン化合物等が挙げられる。
【0016】
これらの中でも、入手のし易さ、密着性の面から、(メタ)アクリル酸エステル類、α,β−不飽和カルボン酸類が好ましい。さらに、これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、プラクセルFM、プラクセルFA、メタクリル酸、アクリル酸がより好ましい。
これら他の単量体(b)は、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0017】
<アクリル系重合体(A)>
アクリル系重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)単位を有するものであり、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)単位と他の単量体(b)単位とを有する共重合体であってもよい。
アクリル系重合体(A)が共重合体である場合は、密着性の点から、共重合体中の(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)単位の含有量は30〜99質量%であることが好ましく、50〜95質量%であることがより好ましい。他の単量体(b)単位の含有量は、1〜70質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。
【0018】
また、共重合体の構造は特に限定されず、例えば、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体等の構造をとることができる。
このような共重合体は、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)と、これと共重合可能な他の単量体(b)とを共重合することにより得られる。
アクリル系重合体(A)の数平均分子量は、ポリオレフィン系樹脂からなる基材への密着性の点から、5000〜500000が好ましく、10000〜300000がより好ましい。
【0019】
<エマルション組成物>
アクリル系重合体(A)粒子が水に分散したエマルション組成物は、界面活性剤によって水中にアクリル系重合体(A)粒子が乳化しているものである。エマルション組成物は、(i)(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)、あるいは(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)および他の単量体(b)を水中で乳化重合することによって、あるいは(ii)アクリル系重合体(A)を水中に強制乳化することによって製造することができる。本発明においては、界面活性剤使用量の点から乳化重合による製造法が好ましい。
【0020】
また、アクリル系重合体(A)粒子の平均粒子径は、塗装化時の塗料固形分向上、塗膜の外観向上の点から20〜1000nmの範囲であることが好ましい。より好ましくは50〜300nmの範囲である。
また、アクリル系重合体(A)の割合は、エマルションの安定性、塗装効率の点から全質量(アクリル系重合体(A)と水の合計)に対して5〜60質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
【0021】
エマルション組成物は、乳化重合による場合、水に、上述の単量体を一括して、もしくは分割して、あるいは連続的に滴下して加えて、開始剤存在下に0〜200℃、実用的には30〜150℃の温度で重合することによって製造される。
【0022】
乳化重合時に使用される開始剤は、特に限定されるものではなく一般に乳化重合に使用されるものであれば全て使用することができる。代表的なものを挙げると、過酸化水素;過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;あるいはこれらと鉄イオン等の金属イオン及びナトリウムスルホキシレート、ホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤との組み合わせによるレドックス開始剤等が挙げられる。これら開始剤は、1種類を単独で、もしくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、必要に応じてt−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸およびこれらのソーダ塩等のアリル化合物などを分子量調節剤として使用することも可能である。
【0023】
また、粒子の安定性を向上させるため、通常の乳化重合に使用される界面活性剤を用いる方が好ましい。かかる界面活性剤の具体例としては、例えば、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、その他反応性界面活性剤などが挙げられる。これら界面活性剤は、1種を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の使用量は、特に制限されないが、使用量が多くなると塗装外観、密着性が低下することがあるため、アクリル系重合体(A)100質量部に対して10質量部未満となることが好ましい。
【0024】
また、本発明におけるエマルション組成物は、中性〜弱アルカリ性とする、すなわちpHを6.5〜10.0の範囲とすることによって、エマルション安定性を高めることができる。pHは、例えば乳化重合後に塩基性化合物を添加することによって調整することができる。ここで使用できる塩基性化合物としては、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。
【0025】
また、エマルション組成物には、各種添加剤、例えば硬化剤、架橋剤、造膜助剤、消泡剤、ハジキ防止剤、レベリング剤、粘着付与剤、硬度付与剤、防腐剤、増粘剤、凍結防止剤、分散剤など、また無機顔料、有機顔料などの各種顔料を添加することも可能である。
【0026】
<塗料用水性プライマー組成物>
次に、本発明の塗料用水性プライマー組成物について説明する。
本発明の塗料用水性プライマー組成物は、アクリル系重合体(A)粒子が水に分散したエマルション組成物を含有するものである。
本発明の塗料用水性プライマー組成物を基材に均一に塗布するためには、塗料用水性プライマー組成物に、造膜助剤、消泡剤、顔料分散剤、増粘剤、ワックス、界面活性剤、防腐剤等の添加剤を必要に応じて添加することが可能である。
【0027】
本発明の塗料用水性プライマー組成物は、従来公知の種々の塗装方法で、ポリオレフィン系樹脂をはじめとする難塗装性プラスチック等の基材に塗布することができる。例えば、基材への塗布後、60〜90℃程度での温度条件で、10分〜30分間加熱することによって、密着性に優れた塗膜を形成することができる。塗膜の厚みは使用用途、要求性能等によって最適な厚みを選択できるが、密着性、塗膜強度の点から、5μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
【0028】
このような塗料用水性プライマー組成物は、ポリオレフィン系樹脂などの難密着性低極性樹脂からなる成形品の表面への極性塗料の密着性を改善するのに有効である。例えば、高圧法ポリエチレン、中低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリスチレン等のポリオレフィン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン系樹脂からなる自動車部品用成形品、家電製品用成形品などに好適に用いることができる。
また、本発明の塗料用水性プライマー組成物が適用される成形品は、上記の各種重合体あるいは樹脂が、射出成形、圧縮成形、中空成形、押し出し成形、回転成形等の公知の成形法のいずれの方法によって成形されたものであってもよい。
【0029】
以上説明した塗料用水性プライマー組成物にあっては、組成物中に、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が2級炭素原子または3級炭素原子に結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)単位を有するアクリル系重合体(A)を含有しているので、含塩素化合物や酸変性ポリオレフィン樹脂を使用することなく、ポリオレフィン系樹脂からなる基材に対する密着性が良好である。
【0030】
【実施例】
本発明を実施例により詳細に説明する。実施例中の「部」及び「%」は、いずれも質量基準である。実施例および比較例における物性および性能の評価は、以下に示す方法を用いて行った。
【0031】
(1)重合体の数平均分子量
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)(Waters社製、GPC150−C)を用い、ポリメタクリル酸メチルをスタンダードとして測定した。
(2)平均粒子径
動的光散乱粒子径DLS−600(大塚電子(株)製)にてエマルション組成物中の重合体粒子径(質量平均粒子径)を測定した。
【0032】
(3)基材密着性試験
塗料用水性プライマー組成物を日本ポリケム(株)製ポリプロピレン樹脂(TX−1810A)から成形した厚さ3mmの板、および三菱レイヨン(株)製ポリメタクリル酸メチル(アクリペットVH)から成形した厚さ3mmの板に、乾燥膜厚20μmとなるようにスプレー塗布し、80℃の雰囲気中で30分間乾燥させて塗膜を形成させ、試験片を得た。
【0033】
次いで、試験片の塗膜面に、基材に達するように縦横1mm間隔で各11本の切り込みを入れ100個の碁盤目を作り、この上にセロハンテープ(登録商標)を貼りつけた後、該テープを急激に剥がした後の塗膜の状態を観察し、基材密着性を下記の評価基準で評価した。
○:碁盤目の剥がれがない。
△:碁盤目の一部が剥がれている。
×:全ての碁盤目が剥がれている。
【0034】
(実施例1)
温度計、サーモスタット、攪拌器、還流冷却器、滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水200部を加え、ついで反応性界面活性剤(旭電化(株)社製、アデカリアソープ SR−10)0.5部を加え、これらを窒素気流中で混合攪拌しながら60℃に昇温した。反応容器に、硫酸第一鉄0.004部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0011部、ロンガリット 0.5部、および脱イオン水3.2部からなる還元剤系水溶液を投入した。反応容器内の温度を60℃に維持しながら、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100部からなるモノマーと、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.2部、n−オクチルメルカプタン0.5部、アデカリアソープSR−10 1部からなる開始剤溶液とを2時間かけて定量ポンプを用いて反応容器内に滴下した。滴下終了後1時間同温度で熟成を行った。
【0035】
ついで、反応容器内を40℃まで冷却し、生成物を300メッシュのナイロンクロスでろ過し、平均粒子径が100nmであり、アクリル系重合体の数平均分子量が38000であり、アクリル系重合体の割合が全質量(アクリル系重合体と水の合計)に対して33質量%であるエマルション組成物を得た。
得られたエマルション組成物39.4g(固形分基準)に2−ジメチルアミノエタノールを添加して、そのpHを8.0に調整した。さらに、造膜助剤としてN−メチルピロリドン9.9gを添加した後、ディスパーで攪拌し、塗料用水性プライマー組成物を製造した。
この塗料用水性プライマー組成物の基材密着性の評価結果を表1に示す。
【0036】
(実施例2)
アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100部を、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル90部およびメタクリル酸メチル10部に変更した以外は、実施例1と同様な方法で、平均粒子径が95nmであり、アクリル系重合体の数平均分子量が45000であり、アクリル系重合体の単量体単位組成が表1に示すものであり、アクリル系重合体の割合が全質量(アクリル系重合体と水の合計)に対して33質量%であるエマルション組成物を得た。実施例1と同様にして塗料用水性プライマー組成物を得て、これについて、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0037】
(実施例3)
アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100部を、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル90部、メタクリル酸メチル6部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3部、およびメタクリル酸1部に変更した以外は、実施例1と同様な方法で、平均粒子径が110nmであり、アクリル系重合体の数平均分子量が59000であり、アクリル系重合体の単量体単位組成が表1に示すものであり、アクリル系重合体の割合が全質量(アクリル系重合体と水の合計)に対して33質量%であるエマルション組成物を得た。実施例1と同様にして塗料用水性プライマー組成物を得て、これについて、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0038】
(実施例4)
アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100部を、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル90部、メタクリル酸メチル6部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル3部、およびメタクリル酸1部に変更した以外は、実施例1と同様な方法で、平均粒子径が120nmであり、アクリル系重合体の数平均分子量が51000であり、アクリル系重合体の単量体単位組成が表1に示すものであり、アクリル系重合体の割合が全質量(アクリル系重合体と水の合計)に対して33質量%であるエマルション組成物を得た。実施例1と同様にして塗料用水性プライマー組成物を得て、これについて、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0039】
(比較例1)
アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル100部を、メタクリル酸メチル100部に変更した以外は、実施例1と同様な方法で、平均粒子径が100nmであり、アクリル系重合体の数平均分子量が44000であり、アクリル系重合体の割合が全質量(アクリル系重合体と水の合計)に対して33質量%であるエマルション組成物を得た。実施例1と同様にして塗料用水性プライマー組成物を得て、これについて、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 2005008661
【0041】
表1に示す実施例の結果から明らかなように、本発明の塗料用水性プライマー組成物は、ポリプロピレン基材、ポリメタクリル酸メチル基材、両者への密着性に優れていた。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の塗料用水性プライマー組成物は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が2級炭素原子または3級炭素原子に結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)単位を有するアクリル系重合体(A)を含有するものであるので、含塩素化合物を使用することなく、ポリオレフィン系樹脂などの難密着性の基材およびアクリル系樹脂などを含む極性塗料に対する密着性に優れる。
【0043】
また、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)が、脂環式炭化水素基を有するものであれば、ポリオレフィン樹脂からなる基材に対する密着性がさらに向上する。
また、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)が(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルであれば、ポリオレフィン樹脂からなる基材に対する密着性がさらに向上する。

Claims (5)

  1. アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が2級炭素原子または3級炭素原子に結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)単位を有するアクリル系重合体(A)粒子が水に分散したエマルション組成物を含有する塗料用水性プライマー組成物。
  2. 前記アクリル系重合体(A)が、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)単位と、これ以外の他の単量体(b)単位とを有する共重合体である請求項1記載の塗料用水性プライマー組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)が、脂環式炭化水素基を有するものである請求項1または請求項2記載の塗料用水性プライマー組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)が、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルである請求項1または請求項2記載の塗料用水性プライマー組成物。
  5. 塗装される基材が、ポリオレフィン系樹脂からなる基材である請求項1ないし4いずれか一項に記載の塗料用水性プライマー組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011026460A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Yokohama Rubber Co Ltd:The 水系硬化性組成物と水系プライマー組成物とのセット、およびこれを用いる封止体

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