JP2006219325A - 酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体の製造方法 - Google Patents

酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体の製造方法 Download PDF

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雅博 菅
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修 山西
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Abstract

【課題】 機械的強度を損なうことなく、より大きな細孔容積を示す酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体を製造しうる方法を提供する。
【解決手段】 本発明の製造方法は、酸化アルミニウム粉末および粉末X線回折法による002面のピーク強度(I002)と200面のピーク強度(I200)との比(I002/I200)が2以下である酸化チタン粉末を、前記酸化アルミニウム粉末および前記酸化チタン粉末の合計量100質量部あたり5質量部以上の細孔付与剤と混合し、成形したのち、焼成することを特徴とする。例えば細孔付与剤は、メタクリル樹脂、オレフィン樹脂および結晶性セルロースから選ばれる樹脂の粉末である。耐圧強度が0.40daN/mm2以上であり、細孔容積が0.2cm3/g以上である成形体が得られ、これに酸化ルテニウムが担持されてなる塩化水素酸化用触媒は、その存在下に塩化水素を酸素と反応させて塩素を製造しうる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体の製造方法に関する。
酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体は、例えば触媒担体として有用であり、その製造方法としては、酸化アルミニウム粉末および酸化チタン粉末を混合し、成形したのち、焼成する方法が知られている〔特許文献1:特開2004−182557号公報の段落番号0019〕。
しかし、従来の製造方法により得られた酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体は、機械的強度が必ずしも十分であるとは言えなかった。この傾向は、より大きな細孔容積の成形体を得ようとして、比較的多くの細孔付与剤と共に酸化アルミニウム粉末および酸化チタン粉末を混合し、成形し、焼成して製造された成形体に顕著である。
特開2004−182557号公報の段落番号0019 特開2002−79093号公報
そこで本発明者は、高い機械的強度を示し、より大きな細孔容積を示す酸化アルミニウムー酸化チタン混合成形体を製造しうる方法を開発するべく、鋭意検討した結果、従来用いていた酸化チタン粉末は、粉末X線回折法による002面のピーク強度(I002)と200面のピーク強度(I200)との比(I002/I200)が2を超えるものであるのに対して、この比(I002/I200)が2以下のものを用いることにより、機械的強度に優れた成形体が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、酸化アルミニウム粉末および粉末X線回折法による002面のピーク強度(I002)と200面のピーク強度(I200)との比(I002/I200)が2以下である酸化チタン粉末を、前記酸化アルミニウム粉末および前記酸化チタン粉末の合計量100質量部あたり5質量部以上の細孔付与剤と混合し、成形したのち、焼成することを特徴とする酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体の製造方法を提供するものである。
本発明により得られる酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形は、より大きな細孔容積を示しつつ、機械的強度に優れている。
本発明の製造方法に用いられる酸化アルミニウム粉末としては通常、結晶型がα相、θ相、γ相、χ相、η相、κ相、δ相、不定形であるものが用いられ、2以上の結晶型を含むものであってもよい。酸化アルミニウム粉末のBET比表面積は通常1m2/g〜100m2/g、好ましくは5m2/g〜10m2/gであり、その粒子径は通常0.1μm〜50μmであり、中心粒子径が通常0.2μm〜3μm、好ましくは0.3μm〜0.8μm程度のものが用いられる。
酸化チタン粉末としては通常、結晶型がルチル型のものが用いられる。酸化チタン粉末のBET比表面積は通常30m2/g〜70m2/g、好ましくは35m2/g〜60m2/gであり、その粒子径は通常0.1μm〜50μmであり、中心粒子径が通常1μm〜10μm、好ましくは2μm〜5μm程度のものが用いられる。
本発明の製造方法に用いられる酸化チタン粉末は、粉末X線回折法により測定される002面のピーク強度(I002)と200面のピーク強度(I200)との比(I002/I200)が2以下、好ましくは1.8以下である。この比(I002/I200)が2を超えると、十分な強度の酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体が得られない。なお、この比(I002/I200)は通常1以上である。
酸化アルミニウム粉末と酸化チタン粉末との使用量比は、質量比で通常20:80〜80:20、好ましくは30:70〜70:30程度の範囲である。
細孔付与剤としては、例えばメタクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、結晶性セルロースなどの樹脂の粉末が挙げられる。このような樹脂粉末としては、市販のものを用いることができ、例えばメタクリル樹脂の粉末としては、「スミペックス XC」シリーズ(住友化学(株))、「ケミスノーMR」シリーズ(綜研化学(株))、「テクノポリマーMB」シリーズ(積水化成品工業(株))などが、ポリエチレン樹脂の粉末としては、例えば「フローセン UF」シリーズ(住友精化(株))、「ミペロンXM」シリーズ(三井化学(株))などが、結晶性セルロースの粉末としては、例えば「アビセルTG」シリーズ(旭化成ケミカルズ(株))などが、それぞれ挙げらる。細孔付与剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
細孔付与剤の粒子径は、通常0.1μm〜1mm程度のものが用いられ、入手したものをそのまま本発明の製造方法に用いてもよいし、粉砕してから用いてもよいし、分級して用いてもよい。
細孔付与剤の使用量は、酸化アルミニウム粒子および酸化チタン粒子の合計量100質量部に対して通常5質量部以上であり、通常は20質量部以下、好ましくは15質量部以下である。
酸化アルミニウム粉末および酸化チタン粉末を細孔付与剤と混合し、成形する方法は特に限定されるものではなく、例えば酸化アルミニウム粉末および酸化チタン粉末を細孔付与剤および水と混合し混練して混練物とし、ダイから押し出す押出成形法、混練物をプレスするプレス成形法などが挙げられる。また、水の使用量は混練の程度、成形条件などにより異なるが、通常は酸化アルミニウム粉末および酸化チタン粉末を混合した粉末混合物の組成限界相当水分量に対して通常は0.7倍〜1倍、好ましくは0.9倍以下程度である。
酸化アルミニウム粉末および酸化チタン粉末は、細孔付与剤および水と共にバインダーと混合してもよい。バインダーとしては、例えばグリセリン、水溶性セルロース、酸化チタンゾルなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。バインダーを用いる場合、その使用量は、通常、酸化アルミニウム粉末および酸化チタン粉末の合計量100質量部に対して0.1質量部〜15質量部程度である。
酸化アルミニウム粉末および酸化チタン粉末は、細孔付与剤および水と共に添加剤と混合してもよい。添加剤としては、例えば硝酸、塩酸、硫酸などの酸が挙げられる。
焼成は、例えば大気中で行われ、焼成温度は通常500℃〜1000℃、好ましくは600℃〜900℃である。焼成に要する時間は、酸化アルミニウム粉末および酸化チタン粉末が焼結するに十分な時間であればよく、通常は0.5時間〜12時間程度である。
かくして得られる酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体の形状は特に限定されるものではないが、例えば円柱形状、球状、円盤状などが挙げられ、内部に空間を形成することなく成形された中実状であってもよいし、中空状であってもよい。
酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体は、酸化アルミニウム粉末および上記の酸化チタン粉末を本発明で規定する量の細孔付与剤と混合し、成形したのち、焼成してなるものであるが、この成形体は、耐圧強度が通常0.40daN/mm2以上、好ましくは0.45daN/mm2以上、通常は0.70daN/mm2以下という、高い機械的強度を示して取り扱いが容易であるにも拘らず、通常0.2cm3/g以上、0.3cm3/g以下、好ましくは0.25cm3/g以下という、より大きな細孔容積を示すし、さらには10m2/g〜25m2/g、好ましくは13m2/g〜16m2/gという、比較的大きなBET比表面積を示すので、例えば触媒成分を担持するための触媒担体として有用である。
ここで耐圧強度は、混合成形体に押圧力を加えて破壊したときの押圧力から、混合成形体の断面積あたりの押圧力として求めることができる。混合成形体が中空状である場合、この断面積としては、中空部分を除いた実断面積が用いられる。
触媒成分としては、例えば特許文献1〔特願2004−182557号公報〕、特許文献2〔特開2002−79093号公報〕などに開示されるような、酸化ルテニウムが挙げられ、これを本発明の成形体に担持させた触媒は、塩化水素〔HCl〕を酸素〔O2〕と反応させて塩素〔Cl2〕を得るための塩化水素酸化用触媒として有用である。
このような塩酸酸化用触媒の製造方法としては、例えば水溶性のルテニウム化合物を水に溶解させた水溶液を、本発明の製造方法により得られた酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体に含浸させ、次いで乾燥後、焼成すればよい。
ルテニウム化合物としては、例えばRuCl3、RuCl3水和物などのルテニウム塩化物、
3RuCl6などの〔RuCl63-の塩、K2RuCl6などのクロロルテニウム酸塩、
〔RuCl5(H2O)42-の塩、〔RuCl2(H2O)4+の塩などのクロロルテニウム酸塩水和物、
2RuO2などのルテニウム酸の塩、Ru2OCl4、Ru2OCl5、Ru2OCl6などのルテニウムオキシ塩化物、
2Ru2OCl10、Cs2Ru2OCl4などのルテニウムオキシ塩化物の塩、
〔Ru(NH3)62+の塩、〔Ru(NH3)63+の塩、〔Ru(NH3)52O〕2+の塩などのルテニウムアンミン錯体、
〔Ru(NH3)5Cl〕2+の塩、〔Ru(NH3)6〕Cl2、〔Ru(NH3)6〕Cl3などのルテニウムアンミン錯体の塩化物、
〔Ru(NH3)6〕Br3などのルテニウムアンミン錯体の臭化物、
RuBr3、RuBr3水和物などのルテニウム臭化物、
ルテニウム有機アミン錯体、ルテニウムアセチルアセトナート錯体、Ru(CO)5、Ru3(CO)12などのルテニウムカルボニル錯体、
[Ru3O(OCOCH3)6(H2O)3]などのカルボニル錯体水和物、
Ru2(RCOO)4Cl(Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す)などのルテニウム有機酸塩、
2〔RuCl5NO〕、〔Ru(NH3)5(NO)〕Cl3、〔Ru(OH)(NH3)4(NO)〕(NO3)2、Ru(NO)(NO3)3などのルテニウムニトロシル錯体、
ルテニウムホスフィン錯体などの化合物などが挙げられる。好ましいルテニウム化合物としては、例えばRuCl3、RuCl3水和物などのルテニウム塩化物、RuBr3、RuBr3水和物などのルテニウム臭化物などハロゲン化ルテニウム化合物が挙げられ、更に好ましくは塩化ルテニウム水和物が挙げられる。
含浸温度は、水溶液が凍結せず、ルテニウム化合物が分解等しない温度であればよく、例えば0℃〜50℃程度である。含浸後の乾燥方法としては、例えば風乾、加熱乾燥、凍結乾燥などが挙げられ、乾燥温度は通常−10℃〜80℃程度であり、乾燥時間は、通常0.1時間〜200時間である。
焼成温度は、ルテニウム化合物が酸化ルテニウムに遷移するに十分な温度であればよく、通常100℃〜600℃程度である。焼成は、例えば酸化性ガス雰囲気下で行われる。酸化性ガスとしては、通常、酸素を含むガスが用いられ、その酸素濃度は通常1容積%以上であり、酸素濃度100容積%の純酸素ガス中で焼成してもよいが、通常は大気中で焼成する。酸素を含む雰囲気中で焼成することにより、含浸されたルテニウム化合物が酸化されて酸化ルテニウムとなり、酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体に酸化ルテニウムが担持されてなる塩酸酸化用触媒を得ることができる。
また、例えばルテニウム化合物として焼成により自ら分解して酸化ルテニウムを生成するものを用いた場合には、不活性ガス雰囲気下に焼成を行ってもよい。かかるルテニウム化合物は、不活性ガス雰囲気下に焼成することによっても、酸化ルテニウムとなり、酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体に酸化ルテニウムが担持されてなる塩酸酸化用触媒を得ることができる。
塩化水素酸化用触媒における酸化ルテニウムの担持量は、触媒を基準として通常0.1質量%〜30質量%程度であり、例えばルテニウム化合物の水溶液における濃度を高くすると、酸化ルテニウムの担持量を高くすることができる。
この塩化水素酸化用触媒を用いて塩素を得るには、例えば、この塩化水素酸化用触媒の存在下に塩化水素を酸素と反応させればよい。具体的には、この塩化水素酸化用触媒を充填した反応管に、ガス状の塩化水素をガス状の酸素と混合して通過させればよく、塩化水素や、酸素は、予め混合されていてもよいし、窒素ガスなどの不活性ガスで希釈されていてもよい。反応温度は通常100℃〜500℃、反応圧力は絶対圧力で通常大気圧(0.1MPa)〜5MPa程度である。酸素の使用量は、塩化水素に対して通常0.02モル倍〜3モル倍程度である。
本発明の製造方法により得られる酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体は、比較的大きな細孔容積を示すので、これに酸化ルテニウムを担持させた触媒は、高い転化率で塩化水素から塩素を得ることができ、また比較的大きな機械的強度を示すので、触媒を反応管へ充填する際や、反応中に破壊されて微粉末を生ずることがないので、好ましく用いられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例により限定されるものではない。
なお、用いた酸化アルミニウム粉末および酸化チタン粉末並びに得られた成形体の評価方法は以下のとおりである。
(1)粒子径
レーザー散乱式粒度分布計〔リード アンド ノースラップ社製、「マイクロトラックHRA」〕にて粒子径分布を求めて測定した。
(2)中心粒子径
上記で求めた粒子径分布から、質量(重量)基準で累積質量%ヒストグラムを求め、質量百分率50%に相当する径〔D50〕として求めた。
(3)粉末X線回折
粉末X線回折装置〔(株)リガク製、「RAD−II」〕により測定して得たX線回折スペクトルから、2θ=62.7°におけるピーク強度(cps)を002面のピーク強度(I002)とし、2θ=39.2°におけるピーク強度(cps)を200面のピーク強度(I200)として、これらの比(I002/I200)を求めた。
(4)BET比表面積
比表面積測定装置〔マウンテック社製、「Macsorb Model−1201」〕を用いて窒素吸着法により求めた。
(5)細孔容積
細孔容積測定装置〔MICROMERITICS社製、「オートポアIII 9420」〕を用いて水銀圧入法により、細孔半径1.8nm(0.0018μm)〜100μmの範囲の細孔分布を測定して、求めた。
(6)耐圧強度
成形体10個を任意に選び出し、その長さと直径をマイクロメーターで測定した後、個々の成形体について、側面から荷重を加えたときに、成形体が破壊されるときの断面積当たりの荷重(荷重/断面積)の平均値として求めた。
(7)組成限界相当水分量
JIS K6221(1992)「ゴム用カーボンブラック試験方法」に記載の吸油量の試験方法(B法)に準拠して、カーボンブラックに代えて水硬性アルミナ粉末を、DBP(フタル酸ジブチル)に代えて純水を用いて測定した。
実施例1
酸化アルミニウム粉末〔住友化学(株)製、「AES−12」、αアルミナ、粒子径0.1μm〜5μm、中心粒子径0.5μm、BET比表面積7m2/g〕66.7質量部、酸化チタン粉末〔テイカ(株)製、「MT−500BW」、ルチル型、粒子径0.1μm〜30μm、中心粒子径2.08μm、I002/I200は1.67、BET比表面積40.1m2/g〕33.3質量部に、水溶性セルロース〔信越化学工業(株)製、「65SH−400」〕0.2質量部、酸化チタンゾル〔堺化学工業(株)製、「CSB」〕13質量部、グリセリン〔和光純薬工業(株)製〕0.1質量部、63%硝酸〔和光純薬工業(株)製〕0.13質量部および純水14.0質量部に、メタクリル樹脂ビーズ〔「スミペックス XC−1A」(住友化学(株)製)、粒子径は約10μm〜120μm、中心粒子径29μm〕10質量部を加えて混合し、ニーダー〔宮崎鉄工(株)製、「MP−30」〕にて混練したのち、強度試験機〔ミネビア社製、「TCM−1000」〕にてダイから押し出して、円柱状に成形した。次いで110℃にて4時間、乾燥したのち、焼成温度680℃にて3時間焼成して、直径3mm、長さ5mmの中実状で円柱状の酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体を得た。この成形体の細孔容積は0.23cm3/gであり、BET比表面積は13.7m2/gであり、耐圧強度を測定したところ0.51daN/mm2であった。また、用いた酸化チタン粉末〔MT−500BW〕のX線回折スペクトルを図1に示す。また、得られた成形体の細孔分布曲線を図2に示す。
なお、上記で用いた酸化アルミニウム粉末〔AES−12〕66.7質量部と酸化チタン粉末〔MT−500BW〕33.3質量部との混合物の組成限界相当水分量は、混合物1gあたりの純水の吸水量(cm3)で0.314cm3/gである。
上記で得た成形体20gに、室温(約25℃)で、塩化ルテニウム水和物〔NEケムキャット(株)製、RuCl3・nH2O、Ru含有量(金属換算)40質量%〕0.78gを純水3.0gに溶解させた水溶液を全量含浸させ、次いで同温度で15時間放置して乾燥したのち、室温から250℃まで空気流通下に1.3時間かけて昇温し、空気流通下に250℃で2時間保持して焼成して、塩化水素酸化触媒を得た。この触媒の酸化ルテニウム担持量は、2質量%であった。
上記で得た塩化水素酸化触媒1gと、αアルミナ球〔直径2mm、ニッカトー(株)製、「SSA995」〕12gと混合て希釈し、内径14mmのニッケル製反応管の出口側に充填した。反応管の入口側には、上記と同じαアルミナ球〔SSA995〕12gを単独で充填した。この反応管の入口から、大気圧(0.1MPa)下に、流量80mL/分(供給速度0.00357モル/分)の塩化水素ガスと、流量40m/分の酸素ガスとを混合して供給すると共に、281℃〜282℃の範囲に加熱し、反応後の反応ガスを出口側から取り出し、1.5時間後の塩素生成速度(モル/分)を求めた。塩素生成速度は、出口側から取り出した反応ガスを30質量%ヨウ化カリウム水溶液中に導き、流通させてサンプリングを行い、ヨウ素滴定法にて測定して得た塩素濃度から求めた。この塩素生成速度から、式(1)
Figure 2006219325
により、塩化水素の転化率を算出したところ、10.6%であった。
実施例2
メタクリル樹脂ビーズ〔スミペックス XC−1A〕に代えて、ポリエチレン粉末〔「フローセンUF−1.5」(住友精化(株)製)、粒子径約1μm〜60μm、中心粒子径13μm〕7.5質量部を用い、焼成温度を630℃とした以外は実施例1と同様に操作して、成形体を得た。この成形体の細孔容積は0.25cm3/gであり、BET比表面積は14.2m2/gであり、耐圧強度を測定したところ0.47daN/mm2であった。得られた成形体の細孔分布曲線を図3に示す。
上記で得た成形体20gに、室温(約25℃)で、塩化ルテニウム水和物〔NEケムキャット(株)製、RuCl3・nH2O、金属換算のRu含有量40質量%〕0.77gを純水3.3gに溶解させた水溶液を全量含浸させ、次いで同温度で15時間放置して乾燥させたのち、室温から250℃まで空気流通下に1.3時間かけて昇温し、空気流通下に250℃で2時間保持して焼成して、塩化水素酸化用触媒を得た。この触媒の酸化ルテニウム担持量は、2質量%であった。
実施例1で得た塩化水素酸化用触媒に代えて、上記で得た触媒を用いた以外は実施例1と同様に操作して、塩化水素の転化率を算出したところ、11.0%であった。
実施例3
メタクリル樹脂ビーズ〔スミペックス XC−1A〕に代えて、結晶性セルロースの粉末〔「アビセルTG−F05」(旭化成ケミカルズ(株)製)、粒子径約1μm〜15μm、中心粒子径5μm〕7.9質量部を用い、水の使用量を22.3質量部とし、焼成温度を720℃とした以外は実施例1と同様に操作して、成形体を得た。この成形体の細孔容積は0.24cm3/gであり、BET比表面積は13.3m2/gであり、耐圧強度を測定したところ0.51daN/mm2であった。得られた成形体の細孔分布曲線を図4に示す。
比較例1
メタクリル樹脂ビーズ〔スミペックス XC−1A〕を用いず、水の使用量を14.7質量部とし、焼成温度を720℃とした以外は実施例1と同様に操作して、成形体を得た。この成形体の細孔容積は0.16cm3/gであり、BET比表面積は13.3m2/gであり、耐圧強度は0.45daN/mm2であった。得られた成形体の細孔分布曲線を図5に示す。
上記で得た成形体20gに、室温(約25℃)で、塩化ルテニウム水和物〔NEケムキャット(株)製、RuCl3・nH2O、Ru含有量(金属換算)40質量%〕0.78gを純水3.2gに溶解させた水溶液を全量含浸させ、次いで同温度で15時間放置して乾燥したのち、室温から250℃まで空気流通下に1.3時間かけて昇温し、空気流通下に250℃で2時間保持して焼成して、塩化水素酸化触媒を得た。この触媒の酸化ルテニウム担持量は、2質量%であった。
実施例1で得た塩化水素酸化用触媒に代えて、上記で得た触媒を用いた以外は実施例1と同様に操作して、塩化水素の転化率を算出したところ、9.2%であった。
実施例1で用いた酸化チタン粉末のX線回折スペクトルであり、横軸は2θ(°)を、縦軸はピーク強度(cps)である。 実施例1で得た成形体の細孔分布曲線であり、横軸は細孔半径(μm)を、縦軸は細孔半径100μmまでの累積細孔容積をそれぞれ示す。 実施例2で得た成形体の細孔分布曲線であり、横軸は細孔半径(μm)を、縦軸は細孔半径100μmまでの累積細孔容積をそれぞれ示す。 実施例3で得た成形体の細孔分布曲線であり、横軸は細孔半径(μm)を、縦軸は細孔半径100μmまでの累積細孔容積をそれぞれ示す。 実施例1で得た成形体の細孔分布曲線であり、横軸は細孔半径(μm)を、縦軸は細孔半径100μmまでの累積細孔容積をそれぞれ示す。

Claims (7)

  1. 酸化アルミニウム粉末および粉末X線回折法による002面のピーク強度(I002)と200面のピーク強度(I200)との比(I002/I200)が2以下である酸化チタン粉末を、前記酸化アルミニウム粉末および前記酸化チタン粉末の合計量100質量部あたり5質量部以上の細孔付与剤と混合し、成形したのち、焼成することを特徴とする酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体の製造方法。
  2. 酸化チタン粉末の結晶型がルチル型、BET比表面積が30m2/g〜70m2/g、粒子径が0.1μm〜50μm、中心粒子径が1μm〜10μmであり、
    酸化アルミニウム粉末のBET比表面積が1m2/g〜100m2/g、粒子径が0.1μm〜50μm、中心粒子径が0.2μm〜3μmである請求項1に記載の製造方法。
  3. 酸化アルミニウム粉末と酸化チタン粉末との使用量比が、質量比で20:80〜80:20である請求項1に記載の製造方法。
  4. 細孔付与剤が、メタクリル樹脂、オレフィン樹脂および結晶性セルロースから選ばれる樹脂の粉末である請求項1に記載の製造方法。
  5. 耐圧強度が0.40daN/mm2以上であり、細孔容積が0.2cm3/g以上である酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体。
  6. 請求項5に記載の酸化アルミニウム−酸化チタン混合成形体に酸化ルテニウムが担持されてなることを特徴とする塩化水素酸化用触媒。
  7. 請求項6に記載の塩化水素酸化用触媒の存在下に塩化水素を酸素と反応させることを特徴とする塩素の製造方法。
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