JP6909405B2 - メタン化触媒、その製造方法、及びそれを用いたメタンの製造方法 - Google Patents

メタン化触媒、その製造方法、及びそれを用いたメタンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、メタン化触媒、その製造方法、及びそれを用いたメタンの製造方法に関する。
従来のメタン化反応はCOを原料とした反応であり、石油由来のCOからメタンを製造する方法等として実用化されている。これに対して、COを原料としたメタン化反応は、近年の地球温暖化対策におけるCOの有効利用の観点から注目されているが、未だ実用化には至っておらず、貴金属であるRuやベースメタル元素であるNiが、COを原料としたメタン化反応において高い活性を示す触媒として検討されている。
例えば、特開2009−131835号公報(特許文献1)には、チタニア、ジルコニア等の粉末状の担体にNi、Ru等の金属ナノ粒子が分散担持されており、前記金属ナノ粒子のうちの90%以上は粒径が10nm未満の粒子である二酸化炭素の水素還元用触媒が記載されている。また、特表2016−523182号公報(特許文献2)には、セリア系複合酸化物からなる担体にNi、Ru等の触媒活性元素が担持されているメタン化反応用触媒が記載されている。
しかしながら、Ni等のベースメタル元素は低温での触媒活性が低く、メタン収率が必ずしも十分に高いものではなかった。また、Ru等の貴金属は高コストであり、その使用量を少なくする必要があるため、十分に高い触媒活性が得られず、メタン収率が必ずしも十分に高いものではなかった。
特開2009−131835号公報 特表2016−523182号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、低温(例えば、250℃以下)であっても高い触媒活性を示すメタン化触媒、その製造方法、及びそれを用いたメタンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、チタニア等の金属酸化物からなる担体に微粒子状のセリアとルテニウムとを担持させることによって、セリア粒子とルテニウム粒子の担持量が少ない場合であっても、低温(例えば、250℃以下)において高い触媒活性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のメタン化触媒は、チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物からなる担体と、前記担体に担持されたセリア粒子と、前記担体に担持されたルテニウム粒子とを含有し、
前記セリア粒子の平均粒子径が8nm以下であり、前記セリア粒子の担持量が前記担体100質量部に対して0.3〜10質量部であり、
前記ルテニウム粒子の平均粒子径が8nm以下であり、前記ルテニウム粒子の担持量が前記担体100質量部に対して0.5〜5質量部である、
ことを特徴とするものである。
本発明のメタン化触媒においては、下記式:
Figure 0006909405
〔前記式中、セリア及びルテニウムの担持量は担体100質量部に対する担持量(質量部)である。〕
で求められる担体表面の被覆率が1〜80%であることが好ましい。
また、本発明のメタン化触媒の製造方法は、チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物からなる担体に、セリア粒子の担持量が前記担体100質量部に対して0.3〜10質量部となるように、有機酸セリウム錯体を付着させる工程と、
前記担体に、ルテニウム粒子の担持量が前記担体100質量部に対して0.5〜5質量部となるように、ルテニウム有機錯体を付着させる工程と、
前記有機酸セリウム錯体をセリア粒子に変換せしめる工程と、
前記ルテニウム有機錯体をルテニウム粒子に変換せしめる工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明のメタン化触媒の製造方法においては、前記担体に有機酸セリウム錯体を付着させた後、前記有機酸セリウム錯体をセリアに変換せしめて、セリア粒子が担持された前記担体を得る工程と、
前記セリア粒子が担持された担体にルテニウム有機錯体を付着させた後、前記ルテニウム有機錯体をルテニウムに変換せしめて、前記担体にセリア粒子とルテニウム粒子とが担持された触媒を得る工程と、
を含むことが好ましい。
さらに、本発明のメタンの製造方法は、前記本発明のメタン化触媒に、二酸化炭素と水素との混合ガスを接触せしめることを特徴とする。
なお、本発明のメタン化触媒が低温(例えば、250℃以下)であっても高い触媒活性を示す理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明のメタン化触媒においては、二酸化炭素の吸着点として作用するセリア粒子が担持されている。このセリア粒子は微粒子状で担持されているため、吸着活性に優れており、二酸化炭素の吸着が促進されると推察される。また、本発明のメタン化触媒においては、二酸化炭素と水素との反応において活性点として作用するルテニウム粒子が担持されている。このルテニウム粒子も微粒子状で担持されているため、触媒活性に優れており、二酸化炭素と水素との反応を促進させると推察される。さらに、本発明のメタン化触媒においては、ルテニウム粒子を微粒子状で安定化させる作用を有するチタニア等の金属酸化物が表面に露出しており、かつ、還元雰囲気において部分還元されたチタニア等の金属酸化物が二酸化炭素のC=O結合へ影響を与えると考えられることから、これら金属酸化物のルテニウム粒子への相互作用及び二酸化炭素への相互作用がともに二酸化炭素と水素との反応を促進させると推察される。
さらに、本発明のメタン化触媒においては、このようなセリア粒子及びルテニウム粒子が近接した状態で、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物からなる担体の表面に微細担持されており、セリア−ルテニウム−担体金属からなる三層界面が多く存在するため、セリア粒子による前記作用、ルテニウム粒子による前記作用、及びチタニア等の金属酸化物による前記作用が効果的に発揮され、低温(例えば、250℃以下)であっても高い触媒活性が得られると推察される。
本発明によれば、低温(例えば、250℃以下)であっても高い触媒活性を示すメタン化触媒を得ることができる。また、このような本発明のメタン化触媒を用いることによって、低温(例えば、250℃以下)であっても二酸化炭素から高収率でメタンを製造することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
〔メタン化触媒〕
先ず、本発明のメタン化触媒について説明する。本発明のメタン化触媒は、チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物からなる担体と、前記担体に担持されたセリア粒子と、前記担体に担持されたルテニウム粒子とを含有するものである。
本発明のメタン化触媒に用いられる担体は、チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物からなるものである、このような金属酸化物からなる担体を用いることによって、低温(例えば、250℃以下)であっても高い触媒活性を示すメタン化触媒を得ることができる。これらの金属酸化物の中でも、より高い触媒活性を得ることができるという観点から、チタニア、ジルコニアが好ましく、チタニアが特に好ましい。
このような担体の平均粒子径としては特に制限はないが、0.02〜10μmが好ましく、0.03〜1μmがより好ましい。また、比表面積についても特に制限はないが、1〜250m/gが好ましく、3〜200m/gがより好ましい。なお、このような担体の平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡観察やX線回折測定におけるScherrer法等によって、また、比表面積は、例えば、BET法等によって、測定することができる。
本発明のメタン化触媒においては、このような担体に、平均粒子径が8nm以下のセリア粒子が担持されている。セリア粒子の平均粒子径が前記上限を超えると、触媒活性が低下する。このようなセリア粒子の平均粒子径としては、より高い触媒活性が得られるという観点から、6nm以下が好ましく、4nm以下がより好ましい。また、セリア粒子の平均粒子径の下限としては特に制限はないが、0.5nm以上が好ましい。なお、このようなセリア粒子の平均粒子径は、Scherrer法により求めることができ、Scherrer法により求めることが困難な場合には、電子顕微鏡観察により求めてもよい。
また、本発明のメタン化触媒においては、前記担体100質量部に対して、0.3〜10質量部のセリア粒子が担持されている。セリア粒子の担持量が前記下限未満になると、二酸化炭素の吸着点が少なくなるため、触媒活性が低下する。他方、セリア粒子の担持量が前記上限を超えると、担体表面の被覆率が大きくなりすぎ、二酸化炭素のメタン化反応に有効なセリア−ルテニウム−担体金属からなる三層界面の量が少なくなるため、触媒活性が低下する。このようなセリア粒子の担持量としては、より高い触媒活性が得られるという観点から、前記担体100質量部に対して、0.5〜8質量部が好ましく、1〜6質量部がより好ましい。なお、セリア粒子の担持量は蛍光X線分析により求めることができる。
さらに、本発明のメタン化触媒においては、前記担体に、平均粒子径が8nm以下のルテニウム粒子が担持されている。ルテニウム粒子の平均粒子径が前記上限を超えると、触媒活性が低下する。このようなルテニウム粒子の平均粒子径としては、より高い触媒活性が得られるという観点から、7nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。また、ルテニウム粒子の平均粒子径の下限としては特に制限はないが、0.5nm以上が好ましい。なお、このようなルテニウム粒子の平均粒子径は、COパルス吸着法により求めることができる。
また、本発明のメタン化触媒においては、前記担体100質量部に対して、0.5〜5質量部のルテニウム粒子が担持されている。ルテニウム粒子の担持量が前記下限未満になると、二酸化炭素のメタン化反応における活性点が少なくなるため、触媒活性が低下する。他方、ルテニウム粒子の担持量が前記上限を超えると、担体表面の被覆率が大きくなりすぎ、二酸化炭素のメタン化反応に有効なセリア−ルテニウム−担体金属からなる三層界面の量が少なくなるため、触媒活性が低下する。このようなルテニウム粒子の担持量としては、より高い触媒活性が得られるという観点から、前記担体100質量部に対して、0.7〜4質量部が好ましく、1〜3質量部がより好ましい。なお、ルテニウム粒子の担持量は蛍光X線分析により求めることができる。
このような本発明のメタン化触媒においては、下記式:
Figure 0006909405
〔前記式中、セリア及びルテニウムの担持量は担体100質量部に対する担持量(質量部)である。〕
で求められる担体表面の被覆率が1〜80%であることが好ましい。担体表面の被覆率が前記下限未満になると、セリア粒子及びルテニウム粒子の担持量が少なく、触媒活性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、二酸化炭素のメタン化反応に有効なセリア−ルテニウム−担体金属からなる三層界面の量が少なくなり、触媒活性が低下する傾向にある。このような担体表面の被覆率としては、より高い触媒活性が得られるという観点から、3〜75%が好ましく、5〜70%がより好ましい。
〔メタン化触媒の製造方法〕
次に、本発明のメタン化触媒の製造方法について説明する。本発明のメタン化触媒の製造方法は、チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物からなる担体に、得られる触媒におけるセリア粒子の担持量が上述した担持量となるように、有機酸セリウム錯体を付着させる工程と、
前記担体に、得られる触媒におけるルテニウム粒子の担持量が上述した担持量となるように、ルテニウム有機錯体を付着させる工程と、
前記有機酸セリウム錯体をセリアに変換せしめる工程と、
前記ルテニウム有機錯体をルテニウムに変換せしめる工程と、
を含んでいる。
本発明のメタン化触媒の製造方法においては、前記担体に有機酸セリウム錯体及びルテニウム有機錯体を付着させた後、それぞれセリア粒子及びルテニウム粒子に変換せしめてもよいし、前記担体に有機酸セリウム錯体を付着させた後、この有機酸セリウム錯体をセリア粒子に変換し、次に、このセリア粒子が担持された担体にルテニウム有機錯体を付着させた後、このルテニウム有機錯体をルテニウム粒子に変換してもよい。
このような本発明のメタン化触媒の製造方法に用いられる担体は、前記本発明のメタン化触媒に用いられる担体として説明した金属酸化物からなる担体である。
前記有機酸セリウム錯体としては、クエン酸セリウム、酢酸セリウム(III)一水和物、シュウ酸セリウム(III)九水和物、2−エチルヘキサン酸セリウム等が挙げられる。このような有機酸セリウム錯体を用いることによって、微細なセリア粒子を前記担体に担持することができる。一方、硝酸セリウム等のセリウムの無機酸塩を用いた場合には、セリア粒子の平均粒子径が大きくなり、触媒活性が低下する。
また、前記ルテニウム有機錯体としては、ドデカカルボニル三ルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム(III)、ジクロロトリカルボニルルテニウム(II)、ペンタカルボニルルテニウム、2−エチルヘキサン酸ルテニウム、ナフテン酸ルテニウム、酢酸ルテニウム等が挙げられる。このようなルテニウム有機錯体を用いることによって、微細なルテニウム粒子を前記担体に担持することができる。一方、硝酸ルテニウム等のルテニウムの無機酸塩を用いた場合には、ルテニウム粒子の平均粒子径が大きくなり、触媒活性が低下する。
前記担体に有機酸セリウム錯体及びルテニウム有機錯体を付着させる方法としては特に制限はないが、操作が簡便であるという観点から、前記担体に、有機酸セリウム錯体を含む溶液やルテニウム有機錯体を含む溶液を含浸させた後、乾燥等により溶媒を除去する方法(含浸法)が好ましい。
また、前記有機酸セリウム錯体及びルテニウム有機錯体をそれぞれセリア粒子及びルテニウム粒子に変換する方法としては特に制限はなく、前記有機酸セリウム錯体は、例えば、大気雰囲気下、400〜600℃で2〜5時間加熱することによってセリア粒子に変換することができ、また、ルテニウム有機錯体は、例えば、大気雰囲気下、120〜150℃で5〜24時間加熱することによってルテニウム粒子に変換することができる。
〔メタンの製造方法〕
次に、本発明のメタンの製造方法について説明する。本発明のメタンの製造方法は、前記本発明のメタン化触媒に、二酸化炭素と水素との混合ガスを接触せしめることによって、メタンを製造する方法である。本発明のメタン化触媒を用いることによって、低温(例えば250℃以下、好ましくは200℃以下)であっても二酸化炭素からメタンを高収率で製造することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、クエン酸(和光純薬工業株式会社製)119.7g及び酢酸セリウム(III)一水和物(和光純薬工業株式会社製)53.6gをイオン交換水250mlに溶解し、さらに、25%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製)73gを添加し、3時間攪拌してクエン酸セリウム水溶液を得た。
次に、チタニア(石原産業株式会社製「CR−EL」、平均粒子径:0.25μm、比表面積:6.8m/g)10gをイオン交換水150mlに分散させ、さらに、前記クエン酸セリウム水溶液1.8gを添加し、得られた分散液を蒸発乾固させ、チタニア担体にクエン酸セリウムが付着した粉末を得た。この粉末を110℃で一晩乾燥させた後、大気雰囲気下、500℃で2時間焼成して、有機酸錯体由来のセリア粒子が担持されたチタニア担体(以下、単に「セリア担持チタニア担体」ともいう)を得た。
次に、ドデカカルボニル三ルテニウム(和光純薬工業株式会社製)0.11gをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、さらに、前記セリア担持チタニア担体2.5gを添加し、得られた分散液を30分間攪拌した。その後、攪拌しながら前記分散液の温度を0〜25℃に保持して減圧乾燥を行い、テトラヒドロフランを除去し、前記セリア担持チタニア担体にドデカカルボニル三ルテニウムが付着した粉末を得た。この粉末を大気雰囲気下、150℃で15時間加熱して、チタニア担体に有機酸錯体由来のセリア粒子と有機錯体由来のルテニウム粒子とが担持された触媒を得た。
(実施例2)
前記クエン酸セリウム水溶液の添加量を3.7gに変更した以外は実施例1と同様にしてチタニア担体に有機酸錯体由来のセリア粒子と有機錯体由来のルテニウム粒子とが担持された触媒を得た。
(実施例3)
前記クエン酸セリウム水溶液の添加量を9.6gに変更した以外は実施例1と同様にしてチタニア担体に有機酸錯体由来のセリア粒子と有機錯体由来のルテニウム粒子とが担持された触媒を得た。
(比較例1)
ドデカカルボニル三ルテニウム(和光純薬工業株式会社製)0.11gをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、さらに、セリア(阿南化成株式会社製「SCH−2」、平均粒子径:0.26μm、比表面積:27m/g)2.5gを添加し、得られた分散液を30分間攪拌した。その後、攪拌しながら前記分散液の温度を0〜25℃に保持して減圧乾燥を行い、テトラヒドロフランを除去し、セリア担体にドデカカルボニル三ルテニウムが付着した粉末を得た。この粉末を大気雰囲気下、150℃で15時間加熱して、セリア担体に有機錯体由来のルテニウム粒子が担持された触媒を得た。
(比較例2)
セリアの代わりにチタニア(石原産業株式会社製「CR−EL」)2.5gを用いた以外は比較例1と同様にしてチタニア担体に有機錯体由来のルテニウム粒子が担持された触媒を得た。
(比較例3)
硝酸ルテニウム溶液(田中貴金属工業株式会社製、濃度:50g/L)4.08mlをイオン交換水100mlに添加して混合し、さらに、チタニア(石原産業株式会社製「CR−EL」)10gを添加し、得られた分散液をホットスターラー上で蒸発乾固させ、チタニア担体に硝酸ルテニウムが付着した粉末を得た。この粉末を大気雰囲気下、400℃で5時間加熱して、チタニア担体に硝酸塩由来のルテニウム粒子が担持された触媒を得た。
(比較例4)
先ず、チタニア(石原産業株式会社製「CR−EL」)10gをイオン交換水150mlに分散させ、硝酸セリウム(III)六水和物(和光純薬工業株式会社製)1.33gを添加し、得られた分散液を蒸発乾固させ、チタニア担体に硝酸セリウムが付着した粉末を得た。この粉末を110℃で一晩乾燥させた後、大気雰囲気下、500℃で2時間焼成して、硝酸塩由来のセリア粒子が担持されたチタニア担体を得た。
次に、有機酸錯体由来のセリア粒子が担持されたチタニア担体の代わりに硝酸塩由来のセリア粒子が担持されたチタニア担体2.5gを用いた以外は実施例1と同様にしてチタニア担体に硝酸塩由来のセリア粒子と有機錯体由来のルテニウム粒子とが担持された触媒を得た。
(比較例5)
前記クエン酸セリウム水溶液の量を20.2gに変更した以外は実施例1と同様にして、チタニア担体に有機酸錯体由来のセリア粒子と有機錯体由来のルテニウム粒子とが担持された触媒を得た。
(実施例4)
先ず、チタニアの代わりにジルコニア(第一稀元素化学工業株式会社製「RC−100」、平均粒子径:約3μm、比表面積:85m/g)10gを用い、前記クエン酸セリウム水溶液の添加量を9.6gに変更した以外は実施例1と同様にして、有機酸錯体由来のセリア粒子が担持されたジルコニア担体(以下、単に「セリア担持ジルコニア担体」ともいう)を得た。
次に、前記セリア担持チタニア担体の代わりに前記セリア担持ジルコニア担体2.5gを用いた以外は実施例1と同様にして、ジルコニア担体に有機酸錯体由来のセリア粒子と有機錯体由来のルテニウム粒子とが担持された触媒を得た。
(比較例6)
セリアの代わりにジルコニア(第一稀元素化学工業株式会社製「RC−100」)2.5gを用いた以外は比較例1と同様にしてジルコニア担体に有機錯体由来のルテニウム粒子が担持された触媒を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜6で得られた触媒について、セリア粒子及びルテニウム粒子の平均粒子径、セリア粒子及びルテニウム粒子の担持量、担体表面の被覆率、並びに触媒活性を以下の方法により測定した。
<セリア粒子の平均粒子径>
チタニア担体に担持されたセリア粒子については、Scherrer法により平均粒子径を測定した。すなわち、試料水平型多目的X線回折装置(株式会社リガク製「UltimaIV」)を用い、CuKαをX線源として使用し、2θ=10°〜80°の範囲について、各触媒のX線回折パターンを測定した。得られたX線回折パターンに基づいて、Scherrerの式によりセリア粒子の平均粒子径を算出した。その結果を表1に示す。
また、ジルコニア担体に担持されたセリア粒子については、電子顕微鏡観察により平均粒子径を測定した。すなわち、走査透過型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「HD−2700」)を用いて、ジルコニア担体に担持されたセリア粒子を観察した。得られたSEM像において、無作為に50個のセリア粒子を抽出して、それらの粒子径(粒子が真球状でない場合には外接円の直径)を測定し、それらを平均してセリア粒子の平均粒子径を求めた。その結果を表2に示す。
<ルテニウム粒子の平均粒子径>
COパルス吸着法によりルテニウム粒子の平均粒子径を測定した。先ず、触媒200mgを反応管に充填し、Hガス(100%)を流量30ml/分で導入しながら400℃で15分間の還元前処理を行なった。次に、Heガスを流量30ml/分で導入しながら触媒を−78℃まで冷却して安定させた後、−78℃の温度下でCOガス(100%)を反応管に0.082ml/パルスの条件でパルス状に導入して触媒にCOを吸着させた。このときのCOの導入量と排出量とからCOの吸着量を求めた。得られたCO吸着量からルテニウム粒子の平均粒子径を算出した。その結果を表1〜2に示す。
<セリア粒子及びルテニウム粒子の担持量>
先ず、走査型蛍光X線分析装置(株式会社リガク製「ZSX PRIMUS II」)を用いて触媒の組成分析を行い、得られた結果に基づいて、担体100質量部に対するセリア粒子及びルテニウム粒子の担持量をそれぞれ求めた。その結果を表1〜2に示す。
<担体表面の被覆率>
セリア粒子及びルテニウム粒子の平均粒子径、セリア粒子及びルテニウム粒子の担持量、及び担体の比表面積を用いて、下記式:
Figure 0006909405
に従って、担体表面のセリア粒子及びルテニウム粒子による被覆率を求めた。その結果を表1〜2に示す。
<触媒活性>
得られた触媒を粒径0.5〜1.0mmのペレット状に成形した後、この触媒ペレット0.5g及び予熱材としてSiC(粒径約5mm)20粒を反応管に充填し、H(21%)+N(79%)の混合ガスを流量475ml/分で導入しながら300℃で30分間の還元前処理を行なった。次に、触媒を100℃まで降温した後、CO(5%)+H(20%)+N(75%)の原料混合ガスを流量500ml/分で反応管に供給しながら、150℃から250℃までの範囲において、3分間かけて25℃昇温させた後、その温度で20分間保持する操作を繰り返した。保持した温度において、温度保持開始から12分後及び19分後の触媒出ガス中の二酸化炭素量及びメタン量を、ガスクロマトグラフを用いて測定し、メタンの収率を求めた。その結果を表1〜2に示す。なお、担体がチタニア又はセリアの場合(実施例1〜3及び比較例1〜5)には、200℃におけるメタンの収率、ジルコニアの場合(実施例4及び比較例6)には、225℃におけるメタンの収率を示した。
Figure 0006909405
Figure 0006909405
表1に示した結果から明らかなように、チタニア担体にセリア粒子とルテニウム粒子とが担持されている触媒(実施例1〜3)は、セリア担体又はチタニア担体にルテニウム粒子のみが担持されている触媒(比較例1〜2)に比べて触媒活性が高くなった。このことから、高いメタン化活性を得るためには、チタニア担体上でセリア粒子とルテニウム粒子とが共存する必要があることがわかった。また、硝酸ルテニウムを用いてチタニア担体にルテニウム粒子を担持した場合(比較例3)には、ルテニウム有機錯体を用いてチタニア担体にルテニウム粒子を担持した場合(実施例1〜3及び比較例2)に比べて、ルテニウム粒子の平均粒子径が大きくなり、触媒活性が低くなった。このことから、高いメタン化活性を得るためには、チタニア担体上にルテニウムが微粒子として存在する必要があることがわかった。さらに、硝酸セリウムを用いてチタニア担体にセリア粒子を担持した場合(比較例4)には、有機酸セリウム錯体を用いてチタニア担体にセリア粒子を担持した場合(実施例1〜3)に比べて、セリア粒子の平均粒子径が大きくなり、触媒活性が低くなった。このことから、高いメタン化活性を得るためには、セリアも微粒子として存在する必要があることがわかった。また、チタニア担体上にセリア及びルテニウムが微粒子として共存している触媒であっても、セリア粒子の担持量が多く、担体表面の被覆率が大きすぎる場合(比較例5)には、所定量のセリア粒子及びルテニウム粒子が担持され、担体表面の被覆率が所定の範囲にある場合(実施例1〜3)に比べて、触媒活性が低くなった。このことから、高いメタン化活性を得るためには、チタニア担体の表面にはセリア粒子及びルテニウム粒子で覆われていない領域、すなわち、チタニアが露出している領域が必要であることがわかった。
また、表2に示した結果から明らかなように、ジルコニア担体に微粒子状のセリア粒子とルテニウム粒子とが担持されている触媒(実施例4)は、ジルコニア担体に微粒子状のルテニウムのみが担持されている触媒(比較例6)に比べて触媒活性が高くなった。このことから、担体としてジルコニア担体を用いた場合にも、高いメタン化活性を得るためには、微粒子状のセリアとルテニウムとが共存する必要があることがわかった。
以上説明したように、本発明によれば、低温(例えば、250℃以下)であっても高い触媒活性を示すメタン化触媒を得ることが可能となる。したがって、本発明のメタンの製造方法は、このようなメタン化触媒を用いているため、低温(例えば、250℃以下)においても二酸化炭素から高収率でメタンを製造することができる方法として有用である。

Claims (5)

  1. チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物からなる担体と、前記担体に担持されたセリア粒子と、前記担体に担持されたルテニウム粒子とを含有し、
    前記セリア粒子の平均粒子径が8nm以下であり、前記セリア粒子の担持量が前記担体100質量部に対して0.3〜10質量部であり、
    前記ルテニウム粒子の平均粒子径が8nm以下であり、前記ルテニウム粒子の担持量が前記担体100質量部に対して0.5〜5質量部である、
    ことを特徴とするメタン化触媒。
  2. 下記式:
    Figure 0006909405
    〔前記式中、セリア及びルテニウムの担持量は担体100質量部に対する担持量(質量部)である。〕
    で求められる担体表面の被覆率が1〜80%であることを特徴とする請求項1に記載のメタン化触媒。
  3. チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物からなる担体に、セリア粒子の担持量が前記担体100質量部に対して0.3〜10質量部となるように、有機酸セリウム錯体を付着させる工程と、
    前記担体に、ルテニウム粒子の担持量が前記担体100質量部に対して0.5〜5質量部となるように、ルテニウム有機錯体を付着させる工程と、
    前記有機酸セリウム錯体をセリア粒子に変換せしめる工程と、
    前記ルテニウム有機錯体をルテニウム粒子に変換せしめる工程と、
    を含むことを特徴とするメタン化触媒の製造方法。
  4. 前記担体に有機酸セリウム錯体を付着させた後、前記有機酸セリウム錯体をセリアに変換せしめて、セリア粒子が担持された前記担体を得る工程と、
    前記セリア粒子が担持された担体にルテニウム有機錯体を付着させた後、前記ルテニウム有機錯体をルテニウムに変換せしめて、前記担体にセリア粒子とルテニウム粒子とが担持された触媒を得る工程と、
    を含むことを特徴とする請求項3に記載のメタン化触媒の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載のメタン化触媒に、二酸化炭素と水素との混合ガスを接触せしめることを特徴とするメタンの製造方法。
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