JP2006219061A - 鉄道車両における車室内騒音の低減方法および低減構造 - Google Patents

鉄道車両における車室内騒音の低減方法および低減構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 車室内騒音の低減を図り、乗客の快適性を向上させる。
【解決手段】 低減しようとする固有振動数で共鳴するサイドブランチa1、a2、a3、a4、b1、b2の開端が車室内に配置されている。サイドブランチの透過損失効果によって、低減しようとする固有振動数の音圧を低減することができる。また、サイドブランチの共鳴作用によって、低減しようとする固有振動数をその前後の振動数へと分割することが可能となり、低減しようとする固有振動数の消音効果をより一層高めることができる。また、サイドブランチの開端が、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に配置されていることで、消音効果を最も高めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄道車両における車室内騒音の低減技術に関するものである。
鉄道車両の車室内騒音の低減は、乗客の快適性の向上を図るために、必要不可欠な要素の一つである。そこで、従来から、車体の各所に吸音材、振動吸収部材を配置することで、車内に侵入する騒音を遮断する手法が用いられていた。例えば、座席の張り地やクッション材、日除け等の車内装備品に吸音性の高い素材を用い、車内の適切な位置に吸音部材を配置することによって、車室内騒音を低減する手法が一般的である。また、空調ダクトに吸音材を使用した例もある(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
特開2001−322544号公報(〔請求項1〕、〔図1〕) 特開平8−2410号公報(〔請求項1〕、〔図1〕)
本発明は、従来の騒音を遮断することによる車室内騒音の低減手法に代え、若しくはこれと併用することで、車室内騒音のさらなる低減を図り、乗客の快適性を向上させることを目的とするものである。
上記課題を解決するための、本発明に係る鉄道車両における車室内騒音の低減方法は、車室内騒音のうち低減しようとする固有振動数に係る車室内音場の音響モードを求め、当該音響モードの、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に、低減しようとする固有振動数で共鳴する固有振動数を有する一端閉塞管の開端を配置することを特徴とするものである。
本発明によれば、低減しようとする固有振動数で共鳴する一端閉塞管の開端を車室内に配置することで、当該一端閉塞管の透過損失効果によって、低減しようとする固有振動数の音圧を低減することができる。また、当該一端閉塞管の共鳴作用によって、低減しようとする固有振動数をその前後の振動数へと分割することが可能となり、低減しようとする固有振動数の消音効果をより一層高めることができる。また、当該一端閉塞管の開端を、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に配置することで、消音効果を最も高めることができる。なお、本説明において、「音響モード」とは、車室内の音場が共鳴する際の固有振動数における音圧分布を意味する。
また、この一端閉塞管の消音効果は、あくまでも受動的に生じるものであることから、複雑な制御ロジックが不用であり、消音効果に経時的変化も無く、効果的に車室内騒音を低減することが可能となる。
また、本発明においては、前記一端閉塞管を一次元音響管とみなし、前記一端閉塞管の固有振動数が前記低減しようとする固有振動数と一致するための、前記一端閉塞管の直径および長さを決定することが望ましい。
一端閉塞管は、細長いものであることから、その内部における音圧分布は、長手方向は異なるが直径方向は中心部も外側端部も同じとなる。従って、音圧分布は一次元として考えられることから、一端閉塞管を一次元音響管とみなすことで、簡単な透過音損失式を用いて、一端閉塞管の固有振動数が前記低減しようとする固有振動数と一致するための、一端閉塞管の直径および長さを決定することが可能となる。
また、本発明において、異なる固有振動数に夫々対応する固有振動数を有する、複数の一端閉塞管を用いることとすれば、夫々の固有振動数の騒音に対して、各一端閉塞管による上記作用を得ることができるので、低減可能な周波数に任意の幅を持たせることが可能となる。
また、前記一端閉塞管の固有振動数を、乗り心地を悪化させる周波数に設定することにより、車室内騒音を選択的かつ効果的に低減することが可能となる。
なお、前記一端閉塞管の、少なくとも開端を車室内に設けることにより、上記所定の作用効果を得ることが可能である。
また、前記車室内に開口する一端閉塞管の開端を、通気性カバーで覆うことによって、一端閉塞管の音圧低減効果に悪影響を及ぼすことなく、必要な車室内装飾処理を行うことが可能となる。
さらに、前記一端閉塞管の機能を、鉄道車両の車体を構成するパネルの中空構造部に担持させることにより、十分な消音効果を発揮する一端閉塞管を車体構造内に効率良くレイアウトすることが可能となる。
また、上記課題を解決するための、本発明に係る鉄道車両における車室内騒音の低減構造は、車室内騒音のうち低減しようとする固有振動数に係る車室内音場の音響モードの、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に、低減しようとする固有振動数で共鳴する固有振動数を有する一端閉塞管の開端が配置されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、低減しようとする固有振動数で共鳴する一端閉塞管の開端が車室内に配置されていることにより、当該一端閉塞管の透過損失効果によって、低減しようとする固有振動数の音圧を低減することができる。また、当該一端閉塞管の共鳴作用によって、低減しようとする固有振動数をその前後の振動数へと分割することが可能となり、低減しようとする固有振動数の消音効果をより一層高めることができる。また、当該一端閉塞管の開端が、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に配置されていることで、消音効果を最も高めることができる。
なお、この一端閉塞管の消音効果は、あくまでも受動的に生じるものであることから、複雑な制御ロジックが不用であり、消音効果に経時的変化も無く、効果的に車室内騒音を低減することが可能となる。
また、本発明においては、前記一端閉塞管は一次元音響管とみなされて、その固有振動数が前記低減しようとする固有振動数と一致するための、前記一端閉塞管の直径および長さが決定されていることが望ましい。
一端閉塞管は、細長いものであることから、その内部における音圧分布は、長手方向は異なるが直径方向は中心部も外側端部も同じとなる。従って、音圧分布は一次元として考えられることから、一端閉塞管を一次元音響管とみなすことで、簡単な透過音損失式を用いて、一端閉塞管の固有振動数が前記低減しようとする固有振動数と一致するための、一端閉塞管の直径および長さを決定することが可能となる。
また、本発明において、異なる固有振動数に夫々対応する固有振動数を有する、複数の一端閉塞管が用いられていることとすれば、夫々の固有振動数の騒音に対して、各一端閉塞管による上記作用を得ることができるので、低減可能な周波数に任意の幅を持たせることが可能となる。
また、前記一端閉塞管の固有振動数が、乗り心地を悪化させる周波数に設定されていることにより、車室内騒音を選択的かつ効果的に低減することが可能となる。
なお、前記一端閉塞管の、少なくとも開端が車室内に設けられていることで、上記所定の作用効果を得ることが可能である。
また、前記車室内に開口する一端閉塞管の開端が、通気性カバーで覆われていることによって、一端閉塞管の音圧低減効果に悪影響を及ぼすことなく、必要な車室内装飾処理を行うことが可能となる。
さらに、前記一端閉塞管の機能が、鉄道車両の車体を構成するパネルの中空構造部によって担持されていることにより、十分な消音効果を発揮する一端閉塞管が車体構造内に効率良くレイアウトされることとなる。
本発明はこのように構成したので、従来の騒音を遮断することによる車室内騒音の低減手法に代え、若しくはこれと併用することで、車室内騒音のさらなる低減を図り、乗客の快適性を向上させることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の実施の形態に係る、鉄道車両における車室内騒音の低減構造は、図1に模式的に示すように、車室10の内面に開口を設け、当該開口から、低減しようとする固有振動数で共鳴する固有振動数を有する一端閉塞管を車室外へと延設したものである。図示の例では、車室10の前後端部に、4本のI型一端閉塞管a1、a2、a3、a4が設けられており、車室10の側壁面には、2本のL型一端閉塞管b1、b2が設けられている。
これらの一端閉塞管(本説明では、一端閉塞管を「サイドブランチ」ともいう。)の設置場所および管形状は、次のようにして決定される。
まず、図示の例では、サイドブランチの設置場所は、その開端が、車室内騒音のうち低減しようとする固有振動数に係る車室内音場の音響モードの、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に位置するように、車室内面に開口が設けられ、当該開口に開端が接続される。
また、前述のように、「音響モード」とは、車室内の音場が共鳴する際の固有振動数における音圧分布を意味する。図2は、本発明の実施の形態に係る鉄道車両の車室10を、幅方向に輪切りにした場合に、その断面に現れる音響モード(これを「横断面音響モード」という。)を示しており、(a)は固有振動数246.2Hzの音響モード、(b)は固有振動数247.6Hzの音響モード、(c)は固有振動数255.9Hzの音響モードを例示している。なお、図中の符号Hは音圧レベルが高い位置(腹)を示している。これらの音響モードは計算によって求めることが可能である。
また、図3は、本発明の実施の形態に係る鉄道車両の車室10を、長手方向に切断した場合に、その断面に現れる音響モード(これを「縦断面音響モード」という。)を示しており、(a)は固有振動数247.6Hzの音響モード、(b)は固有振動数255.9Hzの音響モードを表している。図3においても、図中の符号Hは音圧レベルが高い位置(腹)を示している。
なお、固有振動数の音圧分布は、車室内騒音の音源位置の如何にかかわらす常に一定となるが、固有振動数以外の振動数の音圧分布は、音源位置を変更することによって変化する。
一方、サイドブランチの管形状は、低減しようとする固有振動数で共鳴する固有振動数を有するように形成されたものであり、円形断面を例に挙げれば、直径および長さは、サイドブランチを一次元音響管とみなすことによって、簡単な一次元音響管の透過音損失式を用いて決定される。その式は、以下の通りである。
TL=10log10[1+1/4・tan2K(L+0.82a)] ‥‥(1)
ここで、TLは透過損失を、Lはサイドブランチの長さを、aはサイドブランチの直径を示している。また、K=2πF/c(Fは固有振動数、cは音速)で表される。
また、上記のサイドブランチ形状の決定方法はサイドブランチの固有振動数を所定の値に調整することを目的とするものであり、サイドブランチの内部音響モードの次数(例えば、サイドブランチの長手方向の音圧変化が1回現れるものは一次内部音響モード、当該変化が2回現れるものは二次内部音響モードとなる。)については、各サイドブランチ毎に異なるものとなり得る。
なお、図4には、4本のI型サイドブランチa1、a2、a3、a4の寸法および設置場所の具体例を、図表にまとめて示している。一方、図5には、2本のL型サイドブランチb1、b2の寸法および設置場所の具体例を、図表にまとめて示している。また、図4、図5における各寸法の基準点は、図2、図3に符号Oで示している。
以上のように設置した各サイドブランチによる、車室内騒音の低減効果は、図6に示すように、車室を、長手方向に複数の測定断面へと分割して(図示の例では20分割)、各分割部断面毎に、図7に示すように複数音測定点(図示の例では19点)を設けてマイクを設置し、二つのスピーカー音源(図6の音源I、音源II)から流される騒音を測定することで確認することができる。図6、図7に符号30で示す部分は座席であり、各測定点の設置場所は、乗客の耳の位置も考慮して決定されている。
かかる測定によると、図8に示すような効果が観測される。図8において、点線で示す曲線は、サイドブランチを設置しない状態で観測される固有振動数の音圧を示しており、実線で示す曲線は、サイドブランチを設置した状態で観測される固有振動数の音圧を示している。第1の効果は、符号e1で示されるものであり、サイドブランチの、透過損失効果により、低減しようとする固有振動数の音圧が低減されるものである。また、第2の効果は、符号e2で示されるものであり、サイドブランチの共鳴作用によって、低減しようとする固有振動数をその前後の振動数へと分割することで、低減しようとする固有振動数の音圧が低減されるものである。
なお、サイドブランチの設置方法としては、必ずしも、図示の例のごとくサイドブランチが車室外へと延設されている必要はなく、少なくとも、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍にサイドブランチの開端が配置されていれば、サイドブランチの一部若しくは全部が車室内に設置されていても、所望の効果を得ることができる。例えば、レイアウトを工夫してサイドブランチの全体を車室内面に沿わせたり、床面に載置することとしても良く、座席30の腰掛け部や背ずり、ロングシートの場合には、その端部または中間部に位置する袖仕切りにサイドブランチを内蔵させたり、手摺りを構成するパイプや、荷物棚を構成する部材に、サイドブランチの機能を持たせ、若しくは内蔵させることも可能である。
図9には、図1に示すサイドブランチの開端を、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に配置し、かつ、サイドブランチの全体を車室内に配置した場合に、乗客の耳の位置で観測される、固有振動数の変化の様子を示している。図中、矢印f1は246Hzを、f2は248Hzを、f3は256Hzを示しており、何れの固有振動数においても、音圧低減効果が確認されている。
さらに、図10〜図12には、本発明の実施の形態に係るサイドブランチを、実際の鉄道車両へと適用するための具体的構造を示している。
図10は、鉄道車両の側構体40、41の構造例を示しており、窓枠パネル42、吹寄せパネル44、幕パネル46、腰パネル48、ドアパネル50等により構成されている。なお、側構体40、41は、各パネルの分割形状に違いを有するものであり、必要に応じて選択される。また、吹寄せパネル44、幕パネル46、腰パネル48が全て一体のパネルとなった構造を採用することも可能である。図11には、吹寄せパネル44の構造例を示している。図示の例では、吹寄せパネル44は、外板52に波状断面形状を有する補強材54が溶接されて構成されている。そして、外板52と補強材54とによって、中空構造部56が形成される。この中空構造部56を隔壁によって所定の長さに区切ることで、所定の固有振動数を有するサイドブランチを構成することが可能となる。また、他のパネルについても同様の構造とすることにより、必要な場所に必要な固有振動数を有するサイドブランチを構成することが可能である。この場合、サイドブランチ形状は、車体構造に倣って複雑な形状となり得るが、かかる形状も全て考慮して、固有振動数を調整することとする。
また、図12(a)に示すように、T字状断面の部材58を組み合わせてパネルを構成した場合、図12(b)に示すように、ロ字状断面の部材60を組み合わせてパネルを構成した場合、図12(c)に示すように、三角形断面の部材62を組み合わせてパネルを構成した場合、図12(d)に示すように、外板52と三角形断面の部材62を組み合わせた場合等、何れもパネル内部に中空構造部56が形成されるので、これをサイドブランチとして利用することができる。さらに、アルミニウム合金の中空押出し成形でパネルを構成した場合も、その中空構造部をサイドブランチとして利用することが可能となる。
なお、何れの場合にも、車室内面には、サイドブランチの開端となる開口を設ける必要があるが、この開口については、メッシュカバーで覆うことによって、サイドランチの音圧低減効果に悪影響を及ぼすことなく、安全上または視覚上必要となる車室内装飾処理を行うことが可能となる。
上記構成を有する本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。
まず、低減しようとする固有振動数で共鳴するサイドブランチa1、a2、a3、a4、b1、b2の開端が車室内に配置されていることにより、当該サイドブランチの透過損失効果e1(図8参照)によって、低減しようとする固有振動数の音圧を低減することができる。また、当該サイドブランチの共鳴作用e2(図8参照)によって、低減しようとする固有振動数をその前後の振動数へと分割することが可能となり、低減しようとする固有振動数の消音効果をより一層高めることができる。また、当該サイドブランチの開端が、車室内における音圧の腹となっている場所(図2、図3の符号H参照)の近傍に配置されていることで、消音効果を最も高めることができる。
また、サイドブランチは、細長いものであることから、その内部における音圧分布は、長手方向は異なるが直径方向は中心部も外側端部も同じとなる。従って、音圧分布は一次元として考えられることから、サイドブランチを一次元音響管とみなすことで、簡単な透過音損失式(1)を用いて、サイドブランチの固有振動数が低減しようとする固有振動数と一致するための、サイドブランチの直径および長さを決定することが可能となる。
また、異なる固有振動数に夫々対応する固有振動数を有する、複数のサイドブランチa1、a2、a3、a4、b1、b2が用いられているから、夫々の固有振動数の騒音に対して、各サイドブランチによる上記作用を得ることができる。よって、低減可能な周波数に任意の幅を持たせることが可能となる。
また、各サイドブランチa1、a2、a3、a4、b1、b2の固有振動数は、サイドブランチの形状を変更することにより自由に設定することが可能である。よって、その固有振動数を乗り心地を悪化させる周波数、例えば240Hz〜260Hzの間に設定することで、このような低周波数の車室内騒音を、選択的かつ効果的に低減することも可能となる。なお、乗り心地を悪化させる周波数の騒音としては、走行音(転動音、空力音、暗騒音等の成分が含まれる。)、駆動音(主回路機器音、主電動機音、歯車音等の成分が含まれる。)、空調音が挙げられ、一例として、125Hz近辺の車内騒音のピークは主に走行音成分であり、250Hz近辺の車内騒音のピークは主に駆動音成分であり、1kHz近辺の車内騒音のピークは主に走行音成分と空調音成分であることが確認されている。本発明の実施の形態によれば、これらの任意の周波数を、選択的かつ効果的に低減することが可能となる。
また、I型サイドブランチa1、a2、a3、a4は、より単純な形状であることから、その効果を得るための管形状の決定が容易となる。これらのI型サイドブランチは、車室の前後に独立した乗降デッキを備える特急型の鉄道車両の乗降デッキ部分に採用することが可能である。また、L型サイドブランチb1、b2は、図10〜図12に例示した構造を採用することによって、乗降デッキを備えない通勤型の鉄道車両の構造体にも、容易にレイアウトすることが可能となる。実際に鉄道車両の構造体へと適用する場合には、さらに複雑な任意の曲線形状を採用することも必要となるが、何れの場合であっても、サイドブランチの開端が、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に配置されていることで、同様の作用効果を得ることが可能となる。
また、図示の例のごとく、車室10の内面に開口を設け、当該開口から、低減しようとする固有振動数で共鳴する固有振動数を有するサイドブランチを車室外へと延設した場合には、これらのサイドブランチの開端が接続される室内側開口は、天井面、壁面(側面、妻面、客室と乗降デッキとの仕切り面等、)および床面の何れにも設けることが可能である。そして、車室内面に開口するサイドブランチの開端を、例えば、パンチングメタル、スリット、ルーバー、メッシュカバー等の通気性カバーで覆うことによって、サイドブランチの音圧低減効果に悪影響を及ぼすことなく、必要な車室内装飾処理を行うことが可能となる。
さらに、図10〜図12において説明したように、サイドブランチの機能が、鉄道車両の車体を構成するパネルの中空構造部56によって担持されていることにより、十分な消音効果を発揮するサイドブランチが車体構造内に効率良くレイアウトされることとなる。
また、図示は省略するが、車両限界を越えないことを条件として、車体の外板パネルにサイドブランチを内蔵するための凸形状を構成したり、外板パネルの外側(特に、天井部、床部)に、サイドブランチを設置することとしても良い。
なお、本発明の実施の形態では、説明の便宜上、4本のI型サイドブランチa1、a2、a3、a4と、2本のL型サイドブランチb1、b2を採用した例を示したが、サイドブランチの数は、車室内に表れる音響モードの音圧の腹の数に応じて設置することが好ましい。
本発明の実施の形態に係る、鉄道車両における車室内騒音の低減構造を示す模式図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。 本発明の実施の形態に係る、鉄道車両の車室を幅方向に輪切りにした場合に、その断面に現れる音響モード(横断面音響モード)を示しており、(a)は固有振動数246.2Hzの音響モード、(b)は固有振動数247.6Hzの音響モード、(c)は固有振動数255.9Hzの音響モードを表している。 本発明の実施の形態に係る、鉄道車両の車室を長手方向に切断した場合に、その断面に現れる音響モード(縦断面音響モード)を示しており、(a)は固有振動数247.6Hzの音響モード、(b)は固有振動数255.9Hzの音響モードを表している。 本発明の実施の形態に係るI型サイドブランチの寸法および設置場所の具体例を示す図表である。 本発明の実施の形態に係るL型サイドブランチの寸法および設置場所の具体例を示す図表である。 車室内騒音の低減効果を把握するための、騒音の測定断面を模式的に示したものである。 車室内騒音の低減効果を把握するための、騒音の各測定断面におけるマイクの設置場所を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る、サイドブランチの有無による固有振動数の音圧差を示すグラフである。 図1に示すサイドブランチの開端を、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に配置し、かつ、サイドブランチの全体を車室内に配置した場合に、乗客の耳の位置で観測される、固有振動数の変化の様子を示している。 (a)、(b)共に、本発明の実施の形態に係る、鉄道車両の側構体の構造例を示す正面図である。 図10に示す鉄道車両の側構体の吹寄せパネルの構造例であり、(a)は裏面図、(b)は側面図である。 (a)〜(d)は、図10に示す鉄道車両の側構体の吹寄せパネルの、他の構造例を示す断面図である。
符号の説明
a1、a2、a3、a4:I型サイドブランチ、 b1、b2:L型サイドブランチ、 10:車室、30:座席、 40、41:鉄道車両の側構体 44:吹寄せパネル、52:外板、54:補強材、56:中空構造部、58:断面T字状の部材、60:断面ロ字状の部材、62:三角形断面の部材

Claims (14)

  1. 車室内騒音のうち低減しようとする固有振動数に係る車室内音場の音響モードを求め、当該音響モードの、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に、低減しようとする固有振動数で共鳴する固有振動数を有する一端閉塞管の開端を配置することを特徴とする鉄道車両における車室内騒音の低減方法。
  2. 前記一端閉塞管を一次元音響管とみなし、前記一端閉塞管の固有振動数が前記低減しようとする固有振動数と一致するための、前記一端閉塞管の直径および長さを決定することを特徴とする請求項1記載の鉄道車両における車室内騒音の低減方法。
  3. 異なる固有振動数に夫々対応する固有振動数を有する、複数の一端閉塞管を用いることを特徴とする請求項1または2記載の鉄道車両における車室内騒音の低減方法。
  4. 前記一端閉塞管の固有振動数を、乗り心地を悪化させる周波数に設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の鉄道車両における車室内騒音の低減方法。
  5. 前記一端閉塞管の、少なくとも開端を車室内に設けることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の鉄道車両における車室内騒音の低減方法。
  6. 前記車室に開口する一端閉塞管の開端を、通気性カバーで覆うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の鉄道車両における車室内騒音の低減方法。
  7. 前記一端閉塞管の機能を、鉄道車両の車体を構成するパネルの中空構造部に担持させることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の鉄道車両における車室内騒音の低減方法。
  8. 車室内騒音のうち低減しようとする固有振動数に係る車室内音場の音響モードの、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に、低減しようとする固有振動数で共鳴する固有振動数を有する一端閉塞管の開端が配置されていることを特徴とする鉄道車両における車室内騒音の低減構造。
  9. 前記一端閉塞管は一次元音響管とみなされて、その固有振動数が前記低減しようとする固有振動数と一致するための、前記一端閉塞管の直径および長さが決定されていることを特徴とする請求項8記載の鉄道車両における車室内騒音の低減構造。
  10. 異なる固有振動数に夫々対応する固有振動数を有する、複数の一端閉塞管が用いられていることを特徴とする請求項8または9記載の鉄道車両における車室内騒音の低減構造。
  11. 前記一端閉塞管の固有振動数が、乗り心地を悪化させる周波数に設定されていることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項記載の鉄道車両における車室内騒音の低減構造。
  12. 前記一端閉塞管の、少なくとも開端が車室内に設けられていることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項記載の鉄道車両における車室内騒音の低減方法。
  13. 前記車室に開口する一端閉塞管の開端が、通気性カバーで覆われていることを特徴とする請求項8から12のいずれか1項記載の鉄道車両における車室内騒音の低減構造。
  14. 前記一端閉塞管の機能が、鉄道車両の車体を構成するパネルの中空構造部によって担持されていることを特徴とする請求項8から13のいずれか1項記載の鉄道車両における車室内騒音の低減構造。
JP2005035950A 2005-02-14 2005-02-14 鉄道車両における車室内騒音の低減方法および低減構造 Pending JP2006219061A (ja)

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