JP2006218952A - スプライン嵌合による回転軸体の組み付け方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エンジン2の出力軸5に対面して進退自在に保持されたトランスミッション4を第1のエアシリンダ8によって前進させ、出力軸5とトランスミッション4の主軸6とをスプライン嵌合により組み付ける方法であって、主軸6の位置を検出する位置センサ10を設け、主軸6がスプライン嵌合の成功を示す所定の嵌合位置を通過することなく、トランスミッション4の前進が停止した場合には、第1のエアシリンダ8の推力を切断する推力切断工程と、出力軸5をドライブユニット15によってスプラインの1ピッチの整数倍からずれた所定の角度だけ回転させる回転工程と、第1のエアシリンダ8に再び推力を投入して、スプライン嵌合を試みる再接合工程とを備え、推力切断工程と、回転工程と、再接合工程とを所定の回数繰り返すことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
かかる技術は、エンジン側の出力軸を緩速度で回転させながらトランスミッションの主軸を嵌合し、嵌合させる出力軸と主軸との位相をずらしながら押し込んで、スプライン嵌合を行うものである。
これにより、後記する回転工程に移行した場合に一の回転軸体と他の回転軸体との共回りを防止することができる。
よって、本発明によれば、格別な制御機構を設けて予め出力軸と主軸との位相を合わせておかなくとも、所定の回数繰り返してスプライン嵌合を試みることで、迅速かつ円滑にスプライン嵌合の成功まで導くことができる。
なお、再接合工程を所定の回数繰り返しても、スプライン嵌合が成功しない場合には、別ラインに移送して検査すればよい。
このように、前記第1の流体シリンダのロッドの位置を位置センサで検出し、第1の流体シリンダのロッドを他の回転軸体の後部に当接することで、シリンダのロッドと他の回転軸体とを一体化して、シリンダのロッドの位置(突き出し量)から間接的に他の回転軸体の主軸の位置を計測することができる。
したがって、シリンダのロッドの突き出し量を計測することで、一の回転軸体と他の回転軸体とのスプライン嵌合の成功または不成功を把握することができる。
このように、他の回転軸体を後退させ、前記一の回転軸体から他の回転軸体を積極的に離間させることで、確実に回転軸体同士の共回りを防止でき、より好適である。
このように構成すれば、第1の流体シリンダと第2の流体シリンダとの2段階の推力を設定することで、嵌合の導入段階と、嵌合の成功後のシリンダの推力をより適切に設定することが可能となり、嵌合の終了まで円滑かつ確実に導くことができる。
なお、第2の流体シリンダを他の回転軸体の位置決め等の他の用途に使用することもできる。
このように構成すれば、簡素な構成で、円滑かつ効率よくエンジンとトランスミッションの組み付け工程の自動化に寄与することができる。
なお、図2におけるスプラインの構造は、説明の便宜のために、1段スプラインとした簡略な構成のものを示したが、多段スプラインや内外径にスプラインが切ってある場合においても同様に本発明を実施することができる。
なお、説明の便宜上、トランスミッション4から見てエンジン2側を前(図1における左側)、その反対側を後(図1における右側)と表現する。
前記第1のエアシリンダ8に再び推力を与えて、トランスミッション4を前進させ、スプライン嵌合を試みる再接合工程と、前記推力切断工程から前記再接合工程までをスプライン嵌合が成功するまでの所定の回数を繰り返す工程とを備えている(図1参照)。
図1は、組み付けステージ1において、エンジン2とトランスミッション4が所定の原点位置に位置決めされた状態を示している。すなわち、この原点位置では、エンジン2の出力軸5(スプライン穴)と、この出力軸5にスプライン嵌合されるトランスミッション4の主軸6(スプライン軸)とが予め設定された距離を隔てて、同軸上に対面して配置されている(図2を併せて参照)。
この原点位置にエンジン2が位置決めされることによって、車種およびエンジン形式ごとにエンジン2の出力軸5も所定の原点位置に収まり、この原点位置を基準として、トランスミッション4が位置決めされる。
そして、図示しない制御部でロボット20を制御して、ロボット20の先端部に固着されたフィンガー23をトランスミッション4のボルト穴に挿入して保持した状態で、トランスミッション4は所定の原点位置に位置決めされる。
なお、第2のエアシリンダ9は、図示しない制御部による図示しないエアバルブの切り替えによって、前進、後退、および開放状態を制御することができる。
第1のエアシリンダ8は、図1に示すように、トランスミッション4の後部(図1における右側)に設置され、図示しない制御部で図示しないエアバルブを切り替えて、トランスミッション4を前進させたり、エアを開放して推力を切断したりすることができる。
なお、本実施形態においては、第1のエアシリンダ8とトランスミッション4とを固着させていないが、これらを固着させて、第1のエアシリンダ8によりトランスミッション4を後退できるように構成してもよい。
これにより、第1のエアシリンダ8を動作させ、この第1のエアシリンダ8のロッド8aを突き出した場合には、このロッド8aの突き出し量から間接的に、ロッド8aの先端に当接されたトランスミッション4の移動量、ひいてはトランスミッション4の主軸6の移動量を計測することができる。
したがって、エンジン2の出力軸5に対するトランスミッション4の主軸6の位置関係を検知することができ、トランスミッション4の主軸6が嵌合の成功を示す所定の嵌合位置を通過したどうかを判定して、嵌合の成功または不成功を把握することができる。
なお、トランスミッション4の主軸6の位置を直接、光センサ等の位置センサによって計測してもよい。
ドライブユニット15は、エンジン2の原点位置におけるエンジン2よりもさらに前側(図1における左側)に設置され、駆動源として回転角度を指定して動作させることができるサーボモータ16を使用し、このサーボモータ16をスライドテーブル18に設置することで回転軸16aの軸方向に進退自在に構成されている。このサーボモータ16の回転軸16aの先端には回転軸同士を連結切断できるソケット16bが備えられている。
したがって、1ピッチからどれだけ位相をずらすかは、スプラインの径や形状等により適宜定められるものである。もっとも、スプライン嵌合の際には、位相が完全に一致しなくとも、導入部に面取りが施されていれば、スプラインの軸径にもよるが、所定の許容範囲内に位相のずれを抑えることにより嵌合を成功させることができる。
ここでは、静止したトランスミッション4の主軸6に形成された1つのスプライン歯W6を基準として(その位置をP0とする)、エンジン2の出力軸5に形成された1つのスプライン溝W5の位置(P1、P2、P3)に対する位相のずれδを観察する。
図1に示した原点位置においては、エンジン2の出力軸5とトランスミッション4の主軸6とが予め設定された距離を隔てて、同軸上に対面して位置決めされている。そして、第2のエアシリンダ9のエアは開放されて、トランスミッション4は進退自在に保持されている(S1)。
前記のように、トランスミッション4を前進させ、エンジン2の出力軸5にトランスミッション4の主軸6を押圧しながら接合させるが(図1参照)、出力軸5と主軸6の位相が合っていない場合には、エンジン2の出力軸5の端面5a(面取り部5b)とトランスミッション4の主軸6の端面6a(面取り部6b)とが当接してしまい嵌合が成功しない場合がある(図4(b))。このときの主軸6の端面6aの位置は、B点である。
なお、本実施形態においては、スプライン嵌合の成功を示す点を図3(c)のC点としたが、必ずしもこのようにする必要はなく、このC点の位置は、スプラインの形状等を考慮して適宜決定される。
以下、前記したそれぞれの場合について、再び図5のS3に戻って説明する。
これにより、トランスミッション4の主軸6の端面6a(図2参照)をエンジン2の出力軸5の端面5a(図2参照)に押圧する押圧力を切断して、トランスミッション4の主軸6を第1のエアシリンダ8による押圧力(推力)から開放する。
このように、押圧力を遮断すれば、エンジン2の出力軸5の端面5aとトランスミッション4の主軸6の端面6aとの間の摩擦力が発生することがなく、さらに、押圧力に対する反発力でエンジン2の出力軸5の端面5aとトランスミッション4の主軸6の端面6aとがわずかに離間されて、エンジン2の出力軸5とトランスミッション4の主軸6との共回りが防止できる。
例えば、本実施形態においては、前進手段として、エアシリンダ8,9を使用しているが、これに限定するものではなく、油圧シリンダであってもよい。また、サーボモータ等を動力源として、リンク機構や送りねじ機構、歯車等を利用して前進手段を構成してもよい。
さらに、本実施形態においては、回転工程において、ドライブユニット15によりエンジン2の出力軸5を所定のピッチで回転させているが、これに限定されるものではなく、トランスミッション4の主軸6を回転させてもよい。
2 エンジン
3 トルクコンバータ
4 トランスミッション
5 出力軸
6 主軸
8 第1のエアシリンダ
9 第2のエアシリンダ
10 位置センサ
15 ドライブユニット
Claims (5)
- 一の回転軸体の出力軸に対面して前記出力軸方向に進退自在に保持された他の回転軸体の主軸を前進手段によって前進させ、前記出力軸と前記主軸とをスプライン嵌合により組み付ける回転軸体と他の回転軸体との組み付け方法であって、
前記他の回転軸体の主軸の位置を直接または間接的に検出する位置センサを設け、
前記他の回転軸体の主軸が予め設定された前記スプライン嵌合の成功を示す所定の嵌合位置を通過することなく、前記出力軸と前記主軸の端面が当接して前記他の回転軸体の前進が停止した場合には、前記前進手段の推力を切断する推力切断工程と、
前記一の回転軸体の出力軸または他の回転軸体の主軸のうちいずれか一方をドライブユニットによって前記スプラインの1ピッチの整数倍からずれた所定の角度だけ回転させる回転工程と、
前記前進手段に再び推力を与えて、前記他の回転軸体を前進させ、前記スプライン嵌合を試みる再接合工程とを備え、
前記推力切断工程と、前記回転工程と、前記再接合工程とを前記スプライン嵌合が成功するまでの所定の回数繰り返すことを特徴とするスプライン嵌合による回転軸体の組み付け方法。 - 前記前進手段として第1の流体シリンダを使用し、前記他の回転軸体の後部に前記第1の流体シリンダのロッドを当接させるとともに、
前記位置センサで前記第1の流体シリンダのロッドの位置を検出することを特徴とする請求項1に記載のスプライン嵌合による回転軸体の組み付け方法。 - 前記他の回転軸体を、前記一の回転軸体の出力軸の方向に進退可能な第2の流体シリンダを設け、
前記推力切断工程の後、前記第2の流体シリンダにより、前記他の回転軸体を後退させ、前記一の回転軸体から離間させる離間工程を設けたことを特徴とする請求項2に記載のスプライン嵌合による回転軸体の組み付け方法。 - 前記主軸が前記所定の嵌合位置を通過した場合には、前記第1の流体シリンダの推力に付加して前記第2の流体シリンダにも前進推力を与えることを特徴とする請求項3に記載のスプライン嵌合による回転軸体の組み付け方法。
- 前記一の回転軸体をエンジンとし、前記他の回転軸体をトランスミッションとしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスプライン嵌合による回転軸体の組み付け方法。
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2005
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