JP2006218796A - 印鑑付筆記具 - Google Patents

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Abstract

【目的】
本発明の印鑑付筆記具は、軸筒の先方に複数の筆記体を搭載して軸先から選択的に筆記体の先端部を出没可能となると共に、軸筒の後端に硬質印鑑が配設されてなり、従来の浸透印鑑を使用した印鑑付筆記具と比べても使い勝手に遜色がない。
【構成】
後軸の後端に印鑑が止着されると共に、後軸の外周部に長いキャップが着脱可能に固定されてなる印鑑付筆記具に於いて、後軸の後端に印面を後端側にして硬質印鑑が止着され、後軸の外周部にキャップが固定されて、前面に朱肉を保持したノック筒がキャップ内孔部後端に固定された天冠に対してバネ力によって常時後方に附勢されると共に、朱肉の前面が印面に小間隔で対面する状態となされ、また、ノック筒をバネ力に抗して小間隔より適宜大きな間隔で前進可能となして印面に朱肉が適性に付着可能となり、またさらに、天冠がキャップ後端に着脱可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の筆記体の先端を先軸先端口から出没自在とし、且つ後軸の後端に硬質印鑑を取付けた印鑑付筆記具の改良に関する。
特開平07−242096 登録実用新案第3004178号 特開平11−34463 特開2000−229466
特許文献1には、先軸と中軸の先方を互いに回転不能且つ抜け止め状態に嵌着する係合部をそれぞれ設けて両者を固定し、中軸に一体化したガイド筒とガイド筒の複数の案内溝に、それぞれ筆記体をガイド筒と摺動コマとの間にリターンスプリングを附勢して前後動自在に嵌装し、軸方向に変位するカム斜面を前端部に円周状に設けた円筒カムをガイド筒または中軸に対し回転可能に抜け止めし、各摺動コマをカム斜面に当接させることにより先軸または中軸に対する円筒カムの回転によって交互に前後動させて、各筆記体の先端を先軸の先端口から選択的に出没可能とした複式筆記具に於いて、円筒カムの後方外周に一体的に後軸が設けられ、後軸の後端に無数の連続気孔を有した多孔性ゴム材料よりなる印判を使用した所謂、浸透印鑑が止着されて、後軸の外周部に万年筆形の長いキャップが印鑑の外周に非接触状態で着脱可能に固定された印鑑付筆記具が示されている。
また、ガイド筒の複数の案内溝に、少なくとも一本をシャープペンシル筆記体として、それぞれ筆記体をガイド筒と摺動コマとの間にリターンスプリングを附勢して前後動自在に嵌装し、シャープペンシル筆記体の先端部が先軸の先端口から突出した状態に於いて、先軸及び中軸に対するキャップの前後動でシャープ芯が繰り出されるように構成された印鑑付筆記具も知られている。
特許文献2には、印鑑を挿嵌する筒状ケースの上端に、印鑑の印面を突出させた状態で支持する固定環を設け、印面にかぶせるキャップの内面に、朱肉又はインキ浸透スポンジ等の朱肉を収容した受皿を摺動可能に嵌挿した嵌合枠を固定して受皿にコイルバネを作用させ、嵌合枠の受皿停止段部の先の円周部に施した複数の切込みを介して複数の弾性止片を突設し、かつ該弾性止片の先端部に固定環の周面に形成した環状溝に係止する係止突起を突出させたことを特徴とするケース入り印鑑が示されている。
特許文献3には、その請求項1において、「ケースと該ケースに被蓋するキャップとから成る印鑑ケースにおいて、キャップがキャップ本体の上方内部に、皿本体凹部を逆凹状に設けるとともに、該凹部に朱肉を盛り、その上端を該キャップ本体の頂面より上方に突出した朱肉皿を出入自在に案内するとともに、弾発力による突出端を位置決め保持して成る印鑑ケース。」と記載されている。
特許文献4には、「印鑑ケースは、公用印、訂正印等の印判体を着脱可能に収めるカバー胴体と、このカバー胴体に装着することにより、前記印判体の蓋の役割をするキャップ体とからなる印鑑ケースであって、前記キャップ体の外向側に開口を設け、この開口に前記キャップ体内に収まる印肉と一体にしてあるボタンを設け、このボタンを押すことにより印肉が移動し、この印肉が前記カバー胴体に収めてある前記印判体の印面に接触するように構成してあることを特徴とする。また、前記カバー胴体内に、前記印判体を挟持する挟持体を設けてあることを特徴とする。」と記載されている。
従来の印鑑付筆記具に用いられる印鑑は、無数の連続気孔を有した多孔性ゴム材料よりなる印判を使用した所謂、浸透印鑑であって、公用印として認められない場合が多く、今一利便性に不満がある。
公用印として認められるのは、朱肉等を使用する硬質印鑑である。硬質印鑑とは、柘植や象牙等に代表される印材に印面が彫刻されてなるものである。
硬質印鑑は捺印前に印面に朱肉を付着させることが必要となり、そのため、使い勝手が悪くなる問題がある。
また、浸透印鑑に使用するインキに対して、硬質印鑑に使用する朱肉は粘度が高い。従って、朱肉を補充可能とした場合、朱肉パッドに粘度の高い朱肉用インキを滴下した後、満遍なくのばすように塗る必要がある。
本発明の印鑑付筆記具は、軸筒の先方に複数の筆記体を搭載して、軸先から選択的に筆記体の先端部を出没可能とし、筆記体の一つをシャープペンシル筆記体とした場合に、その先端部を軸先から突出したときに、後端をノックして芯の繰り出しが可能であり、さらに、軸筒の後端に硬質印鑑が配設されており、従来の浸透印鑑を使用した印鑑付筆記具と比べても使い勝手が遜色ないことを課題とする。
本発明は、上記課題を達成する為に以下の構成を有する。
請求項1に記載の発明に係る印鑑付筆記具は、軸筒の先方にシャープペンシル、ボールペン等の複数の筆記体を搭載して、軸先から選択的に筆記体の先端部を出没可能とし、シャープペンシル筆記体としてその先端部を軸先から突出したときに、軸筒の後端に設けた後軸を前後動して芯の繰出しが可能となり、さらに、後軸の後端に印鑑が止着されると共に、後軸の外周部に万年筆形の長いキャップが着脱可能に固定されてなる印鑑付筆記具に於いて、前記後軸の後端に印面を後端側にして硬質印鑑が止着され、後軸の外周部にキャップが固定されて、前面に朱肉を保持したノック筒がキャップ内孔部後端に固定された天冠に対してバネ力によって常時後方に附勢されると共に、朱肉の前面が前記印面に小間隔で対面する状態となされ、また、ノック筒をバネ力に抗して前記小間隔より適宜大きな間隔で前進可能となして印面に朱肉が適性に付着可能となり、またさらに、前記天冠がキャップ後端に着脱可能となるように設けられてなる。
請求項2に記載の発明に係る印鑑付筆記具は、軸筒の先方にシャープペンシル、ボールペン等の複数の筆記体を搭載して、軸先から選択的に筆記体の先端部を出没可能とし、シャープペンシル筆記体としてその先端部を軸先から突出したときに、軸筒の後端に設けた後軸を前後動して芯の繰出しが可能となり、さらに、後軸の後端に印鑑が止着されると共に、後軸の外周部に万年筆形の長いキャップが着脱可能に固定されてなる印鑑付筆記具に於いて、前記後軸の後端に印面を後端側にして硬質印鑑が止着され、後軸の外周部にキャップが固定されて、前面に朱肉を保持したノック筒がキャップ内孔部後端に固定された天冠に対してバネ力によって常時前方に附勢されると共に、朱肉の前面が前記印面に適宜食込み状態となされて、印面に朱肉が適性に付着可能となり、またさらに、前記天冠がキャップ後端に着脱可能となるように設けられてなる。
請求項3に記載の発明に係る印鑑付筆記具は、請求項1または2に記載の印鑑付筆記具に於いて、軸筒は先軸と中軸からなり、先軸と中軸の先方を互いに回転不能且つ抜け止め状態に嵌着する係合部を夫々設けて両者を固定し、中軸に一体化したガイド筒とガイド筒の複数の案内溝に、それぞれ筆記体をガイド筒と摺動コマとの間にリターンスプリングを附勢して前後動自在に嵌装し、軸方向に変位するカム斜面を前端部に円周状に設けた円筒カムをガイド筒または中軸に対し回転且つ軸推移可能に抜け止めし、各摺動コマをカム斜面に当接させることにより先軸または中軸に対する円筒カムの回転によって交互に前後動させて、各筆記体の先端を先軸の先端口から選択的に出没可能とした筆記具であって、前記円筒カムの後方外周に一体的に後軸が設けられてなる。
以上のように、本発明の印鑑付筆記具は、軸筒の先方に複数の筆記体を搭載して、軸先から選択的に筆記体の先端部を出没可能とし、筆記体の一つをシャープペンシル筆記体とした場合に、その先端部を軸先から突出したときに、軸筒の後端をノックして芯の繰り出しが可能であり、さらに、後軸の後端に硬質印鑑が止着されると共に、後軸の外周部に万年筆形の長いキャップが着脱可能に固定され、
その印面に小間隔で対面する状態で前面に朱肉を保持したノック筒が前記キャップ内孔部後端にバネ力によってキャップに対して常時後方に附勢されると共に、バネ力に抗して前記小間隔より適宜大きな間隔で前進可能となされ、または、前面に朱肉を保持したノック筒がキャップ内孔部後端に固定された天冠に対してバネ力によって常時前方に附勢されると共に、朱肉の前面が前記印面に適宜食込み状態となされて、
印面に朱肉が適性に付着可能となる。
また、上述したように、浸透印鑑に使用するインキに対して、硬質印鑑に使用する朱肉は粘度が高い。従って、朱肉を補充可能とした場合、朱肉パッドに粘度の高い朱肉用インキを滴下した後、満遍なくのばすように塗る必要がある。本発明の印鑑付筆記具は、後軸に長いキャップを嵌着することで筆記具としての見栄えを良くするものであるが、朱肉がキャップの奥に位置するために朱肉を補充する点において欠点となる。
それに対して、本発明では、天冠をキャップ後端に着脱可能とすることによって、天冠を外したときに朱肉パッドが取り出せるので容易に補充可能となる。
以上により、本発明の印鑑付筆記具は従来の浸透印鑑を使用した印鑑付筆記具と比べても使い勝手に遜色がなく提供できる。
先ず、図1及び図4は本発明の第1の実施形態を示している。
本発明の印鑑付筆記具はガイド筒2を一体に備えた中軸1、先軸3、円筒カム5を一体に備えた後軸4、一対の摺動コマ6a、6b、ボールペン筆記体7a、7b、印鑑29、キャップ31を主な構成要素とする。先ず、中軸1は樹脂製で、図1に示すように、略中央部から後端まで側面に開口した軸方向に長い案内溝8aとそれと反対側の側面に同様の案内溝8bを有したガイド筒2が設けられている。ガイド筒2の前半部には各案内溝8a、8bと連通して孔24a、24bを有した仕切り部14を備えて前端を開口した筒部9が設けられ、筒部9の後端に段部23を有して前方の外周部に膨出状の係合部11が形成されている。
また、中軸1の後方側面には図2に示すように縦溝16が先方の傾斜面16aを介して巾狭部16bが周溝17に接続されて略逆Tの字状の窓部が穿設されている。また、後述するが、円筒カム5の突起15は縦溝16より挿入され、突起15が傾斜面16aを弾性的に拡開して巾狭部16bを通過して周溝17内に入る。円筒カム5は、突起15が周溝17の周方向の後壁17bに当接しながら回転して、ボールペン筆記体7aまたはボールペン筆記体7bの筆記先端部が先軸先端口から交互に出没することになる。ところで、突起15の前端が周溝17の前壁17aで前進阻止されるので円筒カム5は中軸1に対し軸推移しない。また、後端側からの落下衝撃で突起15が破損する危険がある場合には、前壁17aと突起15の前端との間に隙間を設けて中軸1の後端に後軸4の壁18が当接する状態で突起15の前端が前壁17aに当接しないように成せばよい。
先軸3は、前方が先細状で、内孔部先端には筆記先端部が出没する先端口が設けられている。また、後端孔には、前記ガイド筒前方の筒部9の外周部に設けられた係合部11と迎合して筒部9と抜け止め且つ回転止めされる係合溝10が設けられている。尚、筒部9と先軸3は適宜な力で着脱可能に固定される。
尚、ボールペン筆記体7a、7bを交換する際には、中軸1に対し先軸3を引き抜くが、後述する後軸4とキャップ31の着脱との関係から操作を単純化する為に筒部9と先軸3の後端孔との接合は螺子とするのが望ましい。
後軸4は樹脂製で、先端に円筒カム5を一体に有している。円筒カム5は筒状を成し、前端縁に円周状に前後に変位するカム斜面12を有し、カム斜面12の最前端部には切欠13が形成されている。また、円筒カム5の側面には前記中軸1の縦溝16に挿入して弾性的に周溝17に嵌入して一定範囲(略180度)で回転且つ抜け止めする突起15が形成されている。
また、後軸4は前記円筒カム5の後方に壁18で接続されて一体となった前側の外筒部25と後側の外筒部26が設けられ、外筒部25の前端には後述するキャップ31の前端を当接する鍔部27が形成され、また外周部にはキャップ31の内周部と係合する係合部28が形成されている。
尚、キャップ31を樹脂製とすれば前記係合部28は凹凸状の係合部、リブ等の摩擦係合、螺子等が選択可能である。キャップ31を金属製とすれば外筒部25の外周に金属製の筒体を固着して、その筒体の周面にリブ状の係合部を設けるか、キャップ31の内周部に係合部を有したカツラを設置する等種々の手段が選択できる。
また、キャップ31の後端孔内周には螺子部が形成されている。
印鑑29は、硬質印鑑で、柘植や象牙等に代表される印材に印面が彫刻されてなり、朱肉を付着して捺印する印面30を有している。
印鑑29は、前記後軸の外筒部26の内面に印面30を後端側にして着脱可能に嵌着される。
ノック筒32は、前端に朱肉収容部33を有し、その後方に軸部34aと後端部34cの適宜前方に鍔部34bが一体に設けられてなる。また、朱肉収容部33には朱肉36が取付けられる。
また固定具35は筒体で、後端の軸部35cの前方に外段部とその外段部の前方外周に螺子部35bが形成され、内孔部に貫通孔を有した段部35aが一体に設けられてなる。 また天冠38は、後端に貫通孔を有した内段部38aが設けられ、前端が前記固定具35の外段部に当接すると共に軸部35cに嵌着される。
その際、固定具の段部35aとノック筒の鍔部34bとの間にスプリング37が敷設され、ノック筒32は固定具35に対し後端側に附勢されると共に後端部34cが天冠38の後端から適宜突出した状態に設けられる。
尚、上述した構成は具体的な組立て構造を示すものではなく、具体的な構造は作業性やコストを考慮して部品形状など設定される。
以上により、固定具35の螺子部35bをキャップ31後端孔の螺子部に螺合し、天冠38の前端をキャップ31の後端に当接させた状態で固定して、キャップ31の内孔部後方に朱肉36がセットされる。
また、後軸の外筒部25の外周にキャップ31が嵌挿され、キャップ31の前端が鍔部27に当接し、外筒部25に設けた係合部28でキャップ31は着脱可能に固定される。 この状態で、印鑑29の印面30と朱肉36の前面との間が小間隔で対面し、後端部34cを押圧してノック筒32が前進したときに朱肉36が印面30に所定量食い込み、適量の朱肉が印面に付着する。また、必要以上に朱肉36が印面30に食い込まないように天冠38の後端に対して後端部34cの突出量が制限されている。
また、摺動コマ6a、6bは、外面に突起20a、20bを有し、突起20a、20bの後端面には中央部が突出してその両側が前述した円筒カム5のカム斜面12と略同勾配のカム斜面を有している。また、先端にはボールペン筆記体7a、7bの後端を止着する係止部21a、21bが設けられている。尚、係止部はパイプ状に成して筆記体の後端を嵌着することも可能である。
次に、組立順序で説明すると、ボールペン筆記体7a、7bは後端にそれぞれの摺動コマ6a、6bを接続させて、前述の中軸のガイド筒2の各案内溝8a、8bに移動自在に嵌装され、各摺動コマ6a、6bの前端面と案内溝8a、8b前面の仕切り部14との間に介装したリターンスプリング22a、22bにより後方へ附勢される。
後軸4は円筒カム5を中軸1の後端孔に挿入して突起15を周溝17に弾性的に嵌入させて、中軸1に対して円周方向に略180度で回転自在且つ抜け止めして止着される。
また、各摺動コマ6a、6bは常時リターンスプリング22a、22bによって後方へ附勢されているので、常にその突起20a、20bのカム斜面を円筒カム5のカム斜面12に接触した状態を保っている。
尚、実施例とは別に、円筒カムの内孔に鍔状の突部を設け、ガイド筒の後端外周に周溝を設けて、周溝に突部を弾性的に嵌入させて、円筒カムをガイド筒に対し回転自在で抜け止めするように構成することも可能である。
また、中軸1の段部23の前面に先軸3の後端面が当接状態で、筒部9の係合部11が先軸3の係合溝10に弾性的に嵌着して、先軸3と中軸1が回転止め且つ抜け止め状態に固定される。尚、先軸3は適宜な力で着脱可能になっている。
後軸4の外筒部25にキャップ31が固定される。この状態で、先軸3または中軸1に対してキャップ31を一方に回転すると、摺動コマ6aが前進して円筒カム5のカム斜面12の最前端の切欠13が一方のボールペン筆記体7aの摺動コマ6aの突起20aに係止して筆記先端部が先軸先端口から突出状態になる。また、先軸3または中軸1に対してキャップ31を他方に回転すると、摺動コマ6aが後退してボールペン筆記体7aの筆記先端部が先軸先端口から没入すると共に、摺動コマ6bが前進して他方のボールペン筆記体7bの筆記先端部が先軸先端口から突出する。
また、図3及び図4は円筒カムの突起15と中軸1aの係合状態を示す他の実施形態を示している。この場合には、周溝40に突起15を嵌装する手段として、中軸1aの後端から突起15を嵌装するガイド溝43の上壁に傾斜面42を有した仕切り壁41を設けている。仕切り壁41を設けた理由は、上記係合部に於ける中軸1aの剛性を強化するためである。
(作用)
先軸3または中軸1に対してキャップ31すなわち後軸4を一方に回転すると、図1に示すように円筒カム5のカム斜面12の先端に設けた切欠13が一方のボールペン筆記体7aの摺動コマ6aと係合してその筆記先端部を先軸先端口から突出する。このとき、円筒カム5の突起15は中軸1の周溝17で図2に示す左端に位置している。
また、先軸3または中軸1に対して後軸4を他方に回転するとボールペン筆記体7aが後退し、代わりにボールペン筆記体7bの筆記先端部が先軸先端口から突出する。このとき、円筒カム5の突起15は中軸1の図2に示す周溝17で右端に位置する。
次に、後軸4からキャップ31を外すと印鑑29の印面30が露出するので、後軸4の外周部を掴んで印面30を下に向けて捺印する。
また、図5は本発明の第2の実施形態を示している。
基本的には上述した第1の実施形態と同じなので、相違点について説明する。
ノック筒45は、前端に朱肉収容部を有し、その後方に軸部45aと後方に鍔部45bが一体に設けられてなり、朱肉収容部には朱肉36が取付けられている。
また固定具44は、筒体で、後端の軸部の前方に外段部とその外段部の前方外周に螺子部が形成され、内孔部に貫通孔を有した段部44aが一体に設けられてなる。
また天冠46は、後端が閉塞状となされ、前端が前記固定具44の外段部に当接すると共に軸部に嵌着される。
その際、ノック筒の鍔部45bの前端が固定具の段部44aに当接し、天冠46の内孔部後端とノック筒の鍔部45bの後端との間にスプリング47が敷設され、ノック筒45は固定具44の前端側に附勢される。
尚、上述した構成は具体的な組立て構造を示すものではなく、具体的な構造は作業性やコストを考慮して部品形状など設定される。
以上により、固定具44の螺子部をキャップ31後端孔の螺子部に螺合し、天冠46の前端をキャップ31の後端に当接させた状態で固定して、キャップ31の内孔部後方に朱肉36がセットされる。
また、後軸4の外筒部の外周にキャップ31が嵌挿され、キャップ31の前端が鍔部に当接し、外筒部に設けた係合部でキャップ31は着脱可能に固定される。この状態で、朱肉36が印鑑29の印面30に所定量食い込み、適量の朱肉が印面に付着する。
また、図6は本発明の印鑑付筆記具において、筆記体にボールペン筆記体とシャープペンシル筆記体を設けた場合について説明している。
図に示すように、中軸1bの後方側面には縦溝50が先方の傾斜面51を介して巾狭部53が周溝54に接続されて略Lの字状の窓部が穿設されている。また後述するが、円筒カム5の突起15は縦溝50より挿入され、突起15が傾斜面51を弾性的に拡開して巾狭部53を通過して周溝54内に入る。円筒カム5は突起15が周溝54の周方向の後壁に当接しながら回転して、シャープペンシル筆記体またはボールペン筆記体の筆記部が先軸先端口から交互に出没することになる。
周溝54はシャープペンシル筆記体が突出するときの突起15の位置で円筒カム5が前後動可能なように巾広溝55が設けられ、筆記体の収納時またはボールペン筆記体が突出するときの突起15の位置で円筒カム5がほぼ前後動不可となるように周溝54の後壁52と後壁58との間に傾斜面57が接続されて巾狭溝59が設けられている。
(その他の実施形態)
キャップに対するノック筒の取付け構造や前進阻止の為の当接構造は上述した実施形態に限定されず設けることが可能である。
また、複数の筆記体を搭載して、軸先から選択的に筆記体の先端部を出没可能とする機構は、上述した円筒カムを回転する構造に限らず、スライダー式、ノック式、振り子式など従来の複式筆記具に使用される構造が適用可能である。
本発明の第1の実施形態を示す印鑑付筆記具の全体の縦断面図で、一部非断面となっている。 円筒カムの突起と中軸の周溝との係合状態を示す説明図である。 円筒カムの突起と中軸の周溝との係合状態の他の実施形態を示す説明図である。 図3に於ける係合部の要部断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す印鑑付筆記具の全体の縦断面図で、一部非断面となっている。 円筒カムの突起と中軸の周溝との係合状態の更に他の実施形態を示す説明図である。
符号の説明
1 中軸
1a 中軸
1b 中軸
2 ガイド筒
3 先軸
4 後軸
5 円筒カム
6a 摺動コマ
6b 摺動コマ
7a ボールペン筆記体
7b ボールペン筆記体
8a 案内溝
8b 案内溝
9 筒部
10 係合溝
11 係合部
12 カム斜面
13 切欠
14 仕切り部
15 突起
16 縦溝
16a 傾斜面
16b 巾狭部
17 周溝
17a 前壁
17b 後壁
18 壁
19 クリップ
20a 突起
20b 突起
21a 係止部
21b 係止部
22a リターンスプリング
22b リターンスプリング
23 段部
24a 孔
24b 孔
25 外筒部
26 外筒部
27 鍔部
28 係合部
29 印鑑
30 印面
31 キャップ
32 ノック筒
33 朱肉収容部
34a 軸部
34b 鍔部
34c 後端部
35 固定具
35a 段部
35b 螺子部
35c 軸部
36 朱肉
37 スプリング
38 天冠
38a 内団部
40 周溝
40a 前壁
40b 後壁
41 仕切り壁
42 傾斜面
43 ガイド溝
44 固定具
44a 段部
45 ノック筒
45a 軸部
45b 鍔部
46 天冠
47 スプリング
50 縦溝
51 傾斜面
52 後壁
53 巾狭部
54 周溝
55 巾広溝
56 前壁
57 傾斜面
58 後壁
59 巾狭溝


















Claims (3)

  1. 軸筒の先方にシャープペンシル、ボールペン等の複数の筆記体を搭載して、軸先から選択的に筆記体の先端部を出没可能とし、シャープペンシル筆記体としてその先端部を軸先から突出したときに、軸筒の後端に設けた後軸を前後動して芯の繰出しが可能となり、さらに、後軸の後端に印鑑が止着されると共に、後軸の外周部に万年筆形の長いキャップが着脱可能に固定されてなる印鑑付筆記具に於いて、
    前記後軸の後端に印面を後端側にして硬質印鑑が止着され、後軸の外周部にキャップが固定されて、前面に朱肉を保持したノック筒がキャップ内孔部後端に固定された天冠に対してバネ力によって常時後方に附勢されると共に、朱肉の前面が前記印面に小間隔で対面する状態となされ、また、ノック筒をバネ力に抗して前記小間隔より適宜大きな間隔で前進可能となして印面に朱肉が適性に付着可能となり、またさらに、前記天冠がキャップ後端に着脱可能となるように設けられたことを特徴とする印鑑付筆記具。
  2. 軸筒の先方にシャープペンシル、ボールペン等の複数の筆記体を搭載して、軸先から選択的に筆記体の先端部を出没可能とし、シャープペンシル筆記体としてその先端部を軸先から突出したときに、軸筒の後端に設けた後軸を前後動して芯の繰出しが可能となり、さらに、後軸の後端に印鑑が止着されると共に、後軸の外周部に万年筆形の長いキャップが着脱可能に固定されてなる印鑑付筆記具に於いて、
    前記後軸の後端に印面を後端側にして硬質印鑑が止着され、後軸の外周部にキャップが固定されて、前面に朱肉を保持したノック筒がキャップ内孔部後端に固定された天冠に対してバネ力によって常時前方に附勢されると共に、朱肉の前面が前記印面に適宜食込み状態となされて、印面に朱肉が適性に付着可能となり、またさらに、前記天冠がキャップ後端に着脱可能となるように設けられたことを特徴とする印鑑付筆記具。
  3. 軸筒は先軸と中軸からなり、先軸と中軸の先方を互いに回転不能且つ抜け止め状態に嵌着する係合部を夫々設けて両者を固定し、中軸に一体化したガイド筒とガイド筒の複数の案内溝に、それぞれ筆記体をガイド筒と摺動コマとの間にリターンスプリングを附勢して前後動自在に嵌装し、軸方向に変位するカム斜面を前端部に円周状に設けた円筒カムをガイド筒または中軸に対し回転且つ軸推移可能に抜け止めし、各摺動コマをカム斜面に当接させることにより先軸または中軸に対する円筒カムの回転によって交互に前後動させて、各筆記体の先端を先軸の先端口から選択的に出没可能とした筆記具であって、前記円筒カムの後方外周に一体的に後軸が設けられてなる請求項1または2に記載の印鑑付筆記具。












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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017039259A (ja) * 2015-08-19 2017-02-23 三菱鉛筆株式会社 熱変色性筆記具

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