JP2006218501A - 突合せ溶接金属板のプレス成型金型および成型方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
従来のテーラードブランク材のプレス成形性の欠点を解決し、優れたプレス成形性能を有するテーラードブランク材プレス用金型およびプレス方法を提供すること。
【解決手段】
板厚乃至強度の異なる金属板を突合せ溶接した板材をプレス成型する金型において、少なくとも母材の板厚と引張強度の掛けた値の大きい方の材料の一部を、カウンターパンチ若しくは磁性体若しくはサンクション装置の少なくともいずれか一つにより、パンチに押し付けることを特徴としたプレス成型金型および成型方法。
【選択図】 図3
従来のテーラードブランク材のプレス成形性の欠点を解決し、優れたプレス成形性能を有するテーラードブランク材プレス用金型およびプレス方法を提供すること。
【解決手段】
板厚乃至強度の異なる金属板を突合せ溶接した板材をプレス成型する金型において、少なくとも母材の板厚と引張強度の掛けた値の大きい方の材料の一部を、カウンターパンチ若しくは磁性体若しくはサンクション装置の少なくともいずれか一つにより、パンチに押し付けることを特徴としたプレス成型金型および成型方法。
【選択図】 図3
Description
本発明は複数の金属板をつき合わせ溶接し、プレス加工に供される金属板に関するものであり、更に詳しくは、板厚及び強度の一方又は双方が異なる金属板を接合して製造される金属板のうち、プレス等の塑性加工に供されるためのものであり所謂テーラードブランク材を成型するためのプレス成型金型およびプレス成型方法に関するものである。
自動車用プレス部品は、工程簡素化、金型数削減などのため、2種以上の部品を一体成形する技術が広く取り入れられている。しかし、一体成形部品を素板から生産する場合にはスクラップとなる部分が多くなることから、素板歩留まり向上のために同一・同材質の薄板類をレーザー溶接やマッシュシーム溶接、電子ビーム溶接、TIG溶接、アーク溶接などで連続溶接し、一体プレス成形を行う手法が開発された。さらに、最近では衝突安全性の観点から、部品の一部に必要な材料強度や板厚を変えた素板を連続溶接して用いる、所謂異材質テーラードブランク材が多く用いられるようになっている。
図1はテーラードブランク材のレーザー突合せ溶接プロセスの俯瞰図である。
テーラードブランク材は、鋼板同士をレーザー突合せ溶接することによって製造されている。例えば、図1に示すように、突合せた鋼板1、鋼板2同士のギャップ部分にレーザートーチ3からレーザービーム5を溶接ゾーン7に照射し、レーザートーチを突合せ線に沿って溶接進行方向6に移動もしくは、固定されたレーザートーチに対し鋼板を溶接進行方向6に移動しながら、溶接ビード4を形成してテーラードブランク材とするものである。
これら溶接により結合されたテーラードブランク材は、先に列記した経済的効果を有するが、連続溶接部分の材質劣化などにより、プレス成形時の成形不良が問題となっている。プレス成形時の破断としては、溶接ビード部と平行に素板が延ばされたとき、材質劣化した溶接ビード部が破断に至る「延性律速モード」と、溶接ビードを挟んで素板が引き延ばされたとき、低強度側の素板の母材破断に至る「応力律速モード」に分けられる。
このような事態に対し、例えば、 異厚・異材質テーラードブランク材のプレス成形において,強度律速に起因する低強度(もしくは低板厚)材側での破断を回避することを目的として、高引張強さ側材料の加工硬化特性値(n1)と低引張強さ側材料の加工硬化特性値(n2)の比(n1/n2)を0.75以上3.8以下とすることを特徴とする成形性に優れたプレス成形用テーラードブランク材(例えば、特許文献1参照)や、レーザービーム、電子ビーム、プラズマアークなどの高密度エネルギービームによる溶接後にプレス成形を行なう場合に良好な成形性を示す極低炭素冷延鋼板として、2.6<f(C、Si、Mn、P、B)<12.5を満足する鋼板(但し、B≦0.0005%の場合は、f(C、Si、Mn、P、B)=100[%C]+[%Si]+2[%Mn]+50[%P]+9000[%B]、そして、B>0.0005%の場合は、f(C、Si、Mn、P、B)=100[%C]+[%Si]+2[%Mn]+50[%P]+1000([%B]−0.0005)+4.5)のが発明されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、このような材料の発明だけではプレス金型成型時の材料の破断を効果的に防止するには十分でない。例えば、極低炭素鋼板では昨今の高強度が要望される部材に必要な強度を満足できない場合があることと、溶接ビード部の特性向上により「延性律速モード」の破断に対しては効果が認められるが、「応力律速モード」の破断に対しては効果が低いことが判明した。
この点について、応力律速モードの破断時のひずみ分布については従来知見(例えば、非特許文献1参照)により素板の強度比で2種以上の素板に加わるひずみ比が初等解析で求まることが知られている。即ち、2種類の材料の応力−ひずみ関係式を添字1:高強度材、添字2:低高強度材とすると、σ1=K1ε1 n1、σ2=K2ε2 n2で表せられる。接合部では力が釣り合っているために、σ1t1=σ2t2が成り立つ。よってこれらの式を解くと、低強度材側が破断限界に達したときの高強度材側のひずみ(ε1max)は、TS1、TS2の値から求めると下記(1)で与えられる。
ε1max=n1{(t2/t1)(TS2/TS1)}1/n1・・・・(1)
ここで、σ:引張応力[MPa]、K:塑性係数[MPa]、ε:対数塑性ひずみ、n:加工硬化指数、TS:最大引張強度[MPa]を意味する。
ε1max=n1{(t2/t1)(TS2/TS1)}1/n1・・・・(1)
ここで、σ:引張応力[MPa]、K:塑性係数[MPa]、ε:対数塑性ひずみ、n:加工硬化指数、TS:最大引張強度[MPa]を意味する。
しかし、高強度材側の最大ひずみは計算できても「応力律速モード」でのプレス成型時の破断を改善する方法については記されていなかった。従ってプレス現場では、異材質テーラードブランク材での「応力律速モード」が生じた場合には、素板強度比を下げるために板厚比を低減するか、強度比を下げざるをえなかった。
例えば、板厚の異なるテーラードブランク材のプレス成型方法を、図2および図3にテーラードブランク材のハットプレス成型時の断面図として示す。図2に示すように、板厚の異なるテーラードブランク材をハットプレス成型するには、パンチ8、ダイ9と板押え10とを備えたハットプレス成型装置を用いて、パンチ8上の中央部にテーラードブランク材12の溶接位置11が合うように板押え10でセットし、パンチ8を矢印方向に上昇させて成型を行う。成型時には、図3に示すように、溶接ビード方向と直角方向の引っ張りによる歪が成型の律速となってしまう。このため、高加工量のハットプレス成型では、引っ張り強度の低い板厚の薄い鋼板部分が、引っ張り強度の高い板厚の厚い鋼板よりも伸びることとなり、溶接位置11近傍の薄い鋼板部分に亀裂発生が生じる。即ち、プレス中所謂「応力律速モード」の破断に至り、成型性を阻害するため、従来は低加工量の製品にしかテーラードブランク材を適用することが出来なかった。
本発明は、上記した従来のテーラードブランク材のプレス成型性についての欠点を解決し、優れたプレス成形性能を有するテーラードブランク材プレス用金型およびプレス成型方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、テーラードブランク材に関するプレス成形不良、とりわけ今まで有効な対策をたてることができなかった「応力律速モード」の破断に対して、プレス金型との摩擦を利用して成型限界の向上を図ることが「応力律速モード」の破断に対して有効であることを見出して、本発明を完成した。
本発明の要旨は、次の通りである。
(1) 板厚及び強度の一方又は双方が異なる金属板を突合せ溶接した板材をプレス成型する金型において、カウンターパンチをもつことを特徴とする、プレス成型金型。
(2) 板厚及び強度の一方又は双方が異なる鋼板を突合せ溶接した板材をプレス成型する金型において、成型金型の一部に磁性体を設けたことを特徴とする、プレス成型金型。
(3) 板厚及び強度の一方又は双方が異なる金属板を突合せ溶接した板材をプレス成型する金型において、成型金型の一部にサクション装置を設けたことを特徴とする、プレス成型金型。
(4) 板厚及び強度の一方又は双方が異なる金属板を突合せ溶接した板材のプレス成型方法において、少なくとも母材の板厚と引張り強度を掛けた値の大きいほうの材料の一部を、カウンターパンチ若しくは磁性体若しくはサクション装置の少なくともいずれか一つにより、パンチに押し付けることを特徴としたプレス成型方法。
本発明によれば、テーラードブランク材のプレス加工時において、板厚及び強度を掛け合わせた値が大きいほうの材料の一部を金型に押し付け、その際に生じる摩擦を利用して、プレス加工時に溶接線が、板厚及び強度を掛け合わせた値が大きいほうの材料の方向に移動することを減少させることができるので、プレス加工時に材料に破断を生じることなく、成型性を高めることが可能となる。テーラードブランク材を金型に押し付ける手段としては、カウンターパンチを設けるか、電磁石などの磁性体を金型に埋め込むことや、パンチ表面に設けた空気穴からのサクションによって材料と金型の摩擦を高める手段を採用することが出来る。
以下図を参酌して本発明を説明する。
図3はテーラードブランク材のハットプレス成型時の断面図である。板厚の異なるテーラードブランク材をハットプレス成型するには、パンチ8、ダイ9と板押え10とを備えたハットプレス成型装置を用いて、パンチ8上の中央部にテーラードブランク材12の溶接位置11が合うように板押え10でセットし、パンチ8を矢印方向に上昇させて成型を行う。成型時には、図3に示すように、溶接ビード方向と直角方向の引っ張りによる歪が成型の律速となってしまう。このため、高加工量のハットプレス成型では、引っ張り強度の低い板厚の薄い鋼板部分が、引っ張り強度の高い板厚の厚い鋼板よりも伸び、溶接線が板厚もしくは強度の高い方の材料の方向に移動することとなり、溶接位置11近傍の薄い鋼板部分に亀裂発生が生じる。即ち、プレス中所謂「応力律速モード」の破断に至り、成型性を阻害するため、従来は低加工量の製品にしかテーラードブランク材を適用することが出来なかった。
図3はテーラードブランク材のハットプレス成型時の断面図である。板厚の異なるテーラードブランク材をハットプレス成型するには、パンチ8、ダイ9と板押え10とを備えたハットプレス成型装置を用いて、パンチ8上の中央部にテーラードブランク材12の溶接位置11が合うように板押え10でセットし、パンチ8を矢印方向に上昇させて成型を行う。成型時には、図3に示すように、溶接ビード方向と直角方向の引っ張りによる歪が成型の律速となってしまう。このため、高加工量のハットプレス成型では、引っ張り強度の低い板厚の薄い鋼板部分が、引っ張り強度の高い板厚の厚い鋼板よりも伸び、溶接線が板厚もしくは強度の高い方の材料の方向に移動することとなり、溶接位置11近傍の薄い鋼板部分に亀裂発生が生じる。即ち、プレス中所謂「応力律速モード」の破断に至り、成型性を阻害するため、従来は低加工量の製品にしかテーラードブランク材を適用することが出来なかった。
例えば、板厚1.4mm、n値(硬化特性値)0.25、最大引張強度400MPaの鋼板をプレス加工したときには、この材料は概ね25%の伸びを許容する。例えば金型との摩擦が無視できるとして鋼板の両端を300mmの幅で拘束した状態でハット曲げプレスをした場合、300mmの幅は25%伸び75mmになるので、38mm程度の高さまでプレスすることが出来る。次に、板厚は1.0mmであるが、同じn値、最大引張強度の鋼板をプレス加工したときも、この材料は概ね25%の伸びを許容するため、例えば金型との摩擦が無視できるとして幅300mmの鋼板の両端を拘束した状態でハット曲げプレスをした場合には、38mm程度の高さまでプレスすることが出来る。
しかし、このような材料を突合せ溶接し、溶接線を中心に両側に幅150mmの場所を拘束した状態でハット曲げプレスを実施した場合には、板厚1.0mmの材料が、限界の25%まで伸びたときに、板厚1.4mmの材料は6〜7%しか伸びておらず、トータルでの鋼板の幅300mmの幅は、厚み1.0mmで幅150mmの鋼板の37.5mmと、厚み1.4mmで幅150mmの鋼板の9.5mmでトータル47mmの伸びとなり、プレス高さは23.5mmまでしかプレスすることが出来ない。
このとき板厚1.4mmの材料は未だ変形する余地を残すものの、すでに板厚1.0mmの材料は伸びの限界にまで達しており、これ以上プレスすると板厚1.0mmの材料でワレが発生する。このように板厚及び強度の一方又は双方が異なる材料により構成されたテーラードブランク材は、その母材単体に比して著しく成型性が悪化する。
本発明はその成型限界付近でも、板厚若しくは強度の高い方の材料が未だ変形する余地を残していることに着目し、板厚若しくは強度の高い方の材料の変形を簡単な方法で促すことにより、成型性を高めるものである。
具体的にはプレス加工時に溶接線が板厚もしくは強度の高い方の材料の方向に移動することをカウンターパンチにて減少させることを特徴とする。
図4は、カウンターパンチを設けたハットプレス成型断面図である。図4に示すように、ハットプレス成型装置には、パンチ8と向かい合う位置にカウンターパンチ14を設けある。テーラードブランク材をハットプレス成型するときには、成型の間テーラードブランク材12をカウンターパンチ14でパンチ8に押し付けて、パンチ8とカウンターパンチ14とでテーラードブランク材を挟持するようにする。図4の例では、板厚の厚い鋼板部分をパンチ8とカウンターパンチ14とで挟持している。このように挟持することで、テーラードブランク材とパンチおよびカウンターパンチとの間で摩擦が発生するので、プレス加工時に溶接線が板厚もしくは強度の高い方の材料の方向に移動することを減少させることが可能となる。
すなわち、テーラードブランク材をパンチとカウンターパンチとで挟持しない従来例では、板厚1.0mmの材料は板幅150mmの25%すなわち37mm伸びるのに対し、板厚1.4mmの材料は幅150mmの6%すなわち9mmしかのびない。したがって上記プレス加工時には、溶接線は、パンチの中心から1.4mmの材料側に29mm移動する。
これに対して、本発明によるカウンターパンチを適用し、その溶接ビード単位長手方向の単位長さ辺りの押さえ力をF、金属板とパンチおよびカウンターパンチとの摩擦係数μとすれば、接合部では力が釣り合っているために、σ1t1=σ2t2+2μFが成り立つ。ここで、σは引張り応力、tは板厚をあらわす。
よってこれらの式を解くと、低強度材側が破断限界に達したときの高強度材側のひずみ(ε1max)は、最大引張り強さTS1、TS2の値から求めると下記(2)で与えられる。
ε1max=n1{(t2×TS2+2μF)/(t1×TS1)}1/n1・・・・(2)
ここで、ε:対数塑性歪、t:板厚、TS:最大引張り強さ(MPa)、n:加工硬化指数を意味する。
例えば、上記テーラードブランク材のプレス加工時、摩擦係数0.3カウンターパンチ反力200N/mmのとき、板厚1.0mmの材料が25%伸びて成型限界に達したとき、板厚1.4mmの材料の延びは、従来例の6%から11%に増加し、成型高さは従来例での23.5mmから27mmに改善することが可能となった。
ε1max=n1{(t2×TS2+2μF)/(t1×TS1)}1/n1・・・・(2)
ここで、ε:対数塑性歪、t:板厚、TS:最大引張り強さ(MPa)、n:加工硬化指数を意味する。
例えば、上記テーラードブランク材のプレス加工時、摩擦係数0.3カウンターパンチ反力200N/mmのとき、板厚1.0mmの材料が25%伸びて成型限界に達したとき、板厚1.4mmの材料の延びは、従来例の6%から11%に増加し、成型高さは従来例での23.5mmから27mmに改善することが可能となった。
本発明の効果は、上記のように、テーラードブランク材のプレス加工時において、板厚及び強度を掛け合わせた値が大きいほうの材料の一部を金型に押し付け、その摩擦を利用して成型性を高めることにより発揮されるものであり、同様に材料を金型に押し付ける手段として、電磁石などの磁性体を金型に埋め込むことや、パンチ表面に設けた空気穴からのサクションによって材料と金型の摩擦を高めることが出来る。
図5は、電磁石をパンチに設けたハットプレス成型の断面図である。図5に示すように、少なくとも1個以上の電磁石15をパンチ8の表面部に埋め込み、テーラードブランク材のプレス加工時において、溶接線が板厚もしくは強度の高い方の材料(板厚及び強度を掛け合わせた値が大きいほうの材料)の方向に移動することを減少させるようにパンチ8に磁力によりテーラードブランク材を引きつけ、その磁力を利用して成型性を高めるようにしたものである。
図6は、サクションをパンチに設けたハットプレス成型の断面図である。図6に示すように、少なくとも1個以上のサクション管16をパンチ8に設けている。このサクション管を設けた例では、テーラードブランク材のプレス加工時において、溶接線が板厚もしくは強度の高い方の材料(板厚及び強度を掛け合わせた値が大きいほうの材料)の方向に移動することを減少させるようにサクションによりテーラードブランク材をパンチ8に引きつけて、成型性を高めているものである。
このようなカウンターパンチ・磁性体・サクションは、パンチに複数設けプレス成型の過程において、そのプレス加工進展に応じて予めその強さや作動のON/OFFをプログラムしておけば、更なる成型性向上も望める。
板厚が1mmと同じで、引っ張り強度が600MPaと400MPaの材料を組み合わせて突合せレーザー溶接したテーラードブランク材、および、板厚が1.4mmで引張り強度が400MPaの材料と板厚が1.0mmで引っ張り強度が400MPaの材料とを組み合わせて突合せレーザー溶接したテーラードブランク材を、供試材として用いハットプレス成型試験を実施した。ハットプレス成型試験では、本発明例は、図4に示すカウンターパンチを設けたハットプレス成型装置を用い、そして、比較例は、カウンターパンチのない従来のハットプレス成型装置を用いて試験を行った。その試験に供した材料、ハット曲げプレス成型高さ、および、成型性の判定を表1に併せて記載した。
カウンターパンチのない比較例1では、ハット曲げプレス成型高さ(限界成型高さ)が23.5mm、比較例2では、ハット曲げプレス成型高さ(限界成型高さ)が23.5mmであった。そして、これ以上成型高さを大きくすると、比較例1では板厚1.0mmの材料の方で、比較例2では400MPaの材料の方で亀裂が発生した。
これに対して、カウンターパンチを用いた本発明例では、カウンターパンチの押し付け力を200N/mmとしたとき、発明例1(比較例1と同じ材料を用いている)の成型高さは27mmに向上させることができ、発明例2(比較例2と同じ材料を用いている)の成型高さは24.2mmに向上させることができた。
発明例1および2に対する比較例1および2についてのハット曲げ成型高さ(mm)の関係を図7に示す。図7に示すように、本発明によれば成型性が大幅に向上することが分かる。
以上の試験結果から明らかなように、カウンターパンチを用いた本発明例では、テーラードブランク材の成型性を大幅に向上させることが可能となった。
1 鋼板
2 鋼板
3 レーザートーチ
4 溶接ビード
5 レーザービーム
6 溶接進行方向
7 溶接ゾーン
8 パンチ
9 ダイ
10 板押え
11 溶接位置
12 テーラードブランク材
13 亀裂発生
14 カウンターパンチ
15 電磁石
16 サクション管
2 鋼板
3 レーザートーチ
4 溶接ビード
5 レーザービーム
6 溶接進行方向
7 溶接ゾーン
8 パンチ
9 ダイ
10 板押え
11 溶接位置
12 テーラードブランク材
13 亀裂発生
14 カウンターパンチ
15 電磁石
16 サクション管
Claims (4)
- 板厚及び強度の一方又は双方が異なる金属板を突合せ溶接した板材をプレス成型する金型において、カウンターパンチをもつことを特徴とする、プレス成型金型。
- 板厚及び強度の一方又は双方が異なる鋼板を突合せ溶接した板材をプレス成型する金型において、成型金型の一部に磁性体を設けたことを特徴とする、プレス成型金型。
- 板厚及び強度の一方又は双方が異なる金属板を突合せ溶接した板材をプレス成型する金型において、成型金型の一部にサクション装置を設けたことを特徴とする、プレス成型金型。
- 板厚及び強度の一方又は双方が異なる金属板を突合せ溶接した板材のプレス成型方法において、少なくとも母材の板厚と引張り強度を掛けた値の大きいほうの材料の一部を、カウンターパンチ若しくは磁性体若しくはサクション装置の少なくともいずれか一つにより、パンチに押し付けることを特徴としたプレス成型方法。
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