JP2006215433A - プラスチック光ファイバの連続被覆方法及び装置 - Google Patents

プラスチック光ファイバの連続被覆方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プラスチック光ファイバを、伝送損失を悪化させることなく連続被覆する。
【解決手段】延伸機52によりPOF11を被覆材料68で被覆する。搬送手段57の上流側には第1張力測定機62を設け、被覆されて得られたPOF心線17は張力Tを第1張力機62の測定結果に基づいてダンサプーリ72で制御されながら搬送手段57で搬送される。張力Tは、POF11の直径をD1(単位;mm)とするとき、0.5×(D1)2 〜6.0×(D1)2 に制御される。これにより、被覆時におけるPOF11の伸び率は1.0以下に抑制される。得られるPOF心線17は、被覆される前のPOF11に比べて伝送損失が大きくなることがない。
【選択図】 図5

Description

本発明は、プラスチック光ファイバを連続的に被覆する被覆方法及び装置に関するものである。
プラスチック光ファイバ(POF)には、その断面円形の径方向において屈折率が中央に向けて高くなる屈折率分布型POFがあり、この屈折率分布型POFは主にSI(ステップインデックス)型とGI(グレーデッドインデックス)型とに分類される。前者は屈折率が中央に向けて段階的に高くなるPOFであり、後者は連続的に高くなるものであってモード分散を抑える点で前者よりも優れている。
GI型POFの製造方法は主にふたつに分類される。ひとつは円柱形状であるプリフォームを作ってからこれを長手方向に加熱延伸してPOFとする方法であり、他のひとつはPOF原料である重合体を溶融押出により繊維状に押出成形してPOFとする方法である。溶融押出による方法は、プリフォームを経て製造する方法に比べて、製造設備が小型かつ簡易であり、連続製造が容易である点で優れている。
そして、このGI型POFは、被覆層を設けられてプラスチック光ケーブルとなるが、プラスチック光ケーブルとして最も重要視されるのは伝送損失である。そこで、伝送損失を向上させるために種々の提案がされている。例えば、特許文献1では、物理的及び化学的特性を向上させるために、芯材をポリメチルメタクリレート(PMMA)、鞘材をフッ素ポリマーとし、紡糸条件や延伸条件を制御して、これにより熱収縮率や分子配向率を制御することを提案している。また、特許文献2では、伝送損失を低減するために、プラスチック光ファイバの線引方法において、プラスチック光ファイバを巻き取るまでの線引張力を100g以下とし、これにより熱劣化後(熱履歴後)におけるプラスチック光ファイバの収縮を抑える方法が提案されている。
特開平5−224033号公報 特開平7−234033号公報
本発明者らの検討によると、POFは被覆条件によりプラスチック光ケーブルとしたときの伝送損失が異なり、特に溶融押出により製造されたPOFに関してはその傾向が顕著に現れることがわかった。上記の特許文献1及び特許文献2をはじめとする従来の方法では、伝送損失を小さくするために、POFそのものの製造工程に関しての提案はあるものの、被覆により伝送損失が低下する問題については解決するものではない。
そこで、本発明は、上記のような問題に鑑み、POFの伝送損失を低下させることなく連続被覆する方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、熱可塑性樹脂を含む被覆材を被覆手段によりプラスチック光ファイバに連続して被覆する方法において、前記プラスチック光ファイバの被覆前の長さをL1とし、被覆後の長さをL2とするときに、{(L2−L1)/L1}×100で表される長さ変化率(単位;%)が±1以内となるように前記プラスチック光ファイバを前記被覆材で被覆することを特徴として構成されている。
被覆後のプラスチック光ファイバに付与されている張力を張力検知手段により検知し、、前記被覆手段に搬送されるプラスチック光ファイバの張力を前記検知の結果に基づき張力制御手段で制御することにより、前記長さ変化率を制御することが好ましく、被覆後のプラスチック光ファイバに付与されている張力T(単位;N)と、前記プラスチック光ファイバの外径D1(単位;mm)とが、T=α×(D1)2 (ただし、0.5≦α(単位;N/mm2 )≦6.0)を満たすことが好ましい。さらに、前記張力制御手段は、前記張力検知手段による検知結果に基づいて前記プラスチック光ファイバの張力を制御するダンサプーリであることが好ましい。また、前記プラスチック光ファイバは、断面円形の中央部から外周に向けて屈折率が低くなるように変化する屈折率分布型プラスチック光ファイバであることが好ましい。また、被覆手段により、前記被覆材を加圧した状態で被覆することが好ましい。
また、本発明では、熱可塑性樹脂を含む被覆材をプラスチック光ファイバに連続被覆する被覆手段と、被覆された前記プラスチック光ファイバを次工程に搬送する搬送手段とを備えるプラスチック光ファイバ連続被覆装置において、前記被覆手段と前記搬送手段との間の搬送路に備えられ、前記プラスチック光ファイバの張力を検知する張力測定手段と、
前記プラスチック光ファイバの被覆時における長さ変化率が所定の範囲内となるように、前記被覆手段に搬送される前記プラスチック光ファイバの張力を制御する張力制御手段とを備えることを特徴として含んで構成されている。そして、張力制御手段は、プラスチック光ファイバの張力を張力測定手段の検知結果に応じて制御することが好ましい。また、被覆手段が、加熱により溶融された被覆材を加圧しながらプラスチック光ファイバに被覆する加圧式ダイスを有することが好ましい。
本発明の連続被覆方法及び装置によると、POFの伝送損失を低下させることなく被覆することができる。
本発明は、POFに熱可塑性のポリマーを被覆する方法ならびに装置に関するものであるが、ポリマーからなる線状体に熱可塑性ポリマーを被覆するいずれの場合にも適用することができ、特に、被覆する工程で伸びてしまうことにより線状体の光学特性等の物性が変化して各用途における特性が悪化してしまう場合に好適である。以下に本発明について、その一様態を例に挙げて詳細を説明する。
図1は、本発明を実施した一様態としてのプラスチック光ケーブルを製造するフロー図である。プラスチック光ケーブルの製造工程は、POF11の3層を形成する3種類の各重合体を溶融して同心円状の3層構造を有するプラスチック光ファイバ原糸(以下、POF原糸と称する。)12として共に押し出す溶融押出工程13と、POF原糸12を加熱して所定倍率に延伸することによりPOF11とする加熱延伸工程16と、POF11に第1の被覆材を設けてプラスチック光ファイバ心線(以下POF心線と称する。)17、すなわちプラスチック光ファイバコード(plastic optical code)とする第1被覆工程18と、このPOF心線17を1本のままで、あるいはテンションメンバ等とともに複数本のプラスチック光ファイバ心線17が組み合わされた状態で、第2の被覆材を設けられてプラスチック光ケーブル(plastic optical cable)21とされる第2被覆工程22とを有する。なお、POF心線17が1本のままで被覆されたプラスチック光ケーブル21をここではシングルファイバケーブル、複数本組み合わされたプラスチック光ケーブル21をマルチファイバケーブルと称する。なお、第2被覆工程を経ずに、POF心線をそのままシングルファイバケーブルとして用いる場合もある。
図1では、POFの製造方法として、POF原糸12を溶融押出により作製して、このPOF原糸12を延伸する方法を示しているが、本発明は、POFの製造方法に依存するものではなく、他の周知の方法により作製されたPOFにも適用することができる。例えば、周知の方法によりPOF母材(プリフォーム)を所定の方法により作製し、このプリフォームを延伸して得られるPOFに本発明を適用してもよい。
上記の第1及び第2の被覆工程18,22で被覆される層については、1層とは限らず、それぞれ複数層とされる場合もある。そして、複数層とする場合には、複数層を同時にPOF11またはPOF心線17の外周に形成する場合もあるし、1層ずつ順に形成する場合等もある。本実施形態では、第1被覆工程18で1層の被覆層をPOF11の外周に形成する場合を例として説明するが、本発明は、第2被覆工程22でも適用することができるとともに、形成する被覆層の層数に依存するものではない。
ここで、POF心線17の構造とその光学特性について図2及び図3を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明では、POF11の構造は限定されないが、ここでは3層構造のPOFを製造する場合を例示する。図2は、得られたPOF心線の断面図、図3はPOFの断面径方向における屈折率を示すグラフである。なお、図3において、横軸はPOFの断面径方向を示し、縦軸は屈折率を示す。屈折率は、上にいくほど高い値であることを意味している。
本発明の一様態として得られるPOF心線17は、図2に示すように、このPOF11の外周に被覆層30が形成されたものである。そして、POF11は、光を通すコア31と、外殻部であるクラッド32とを有し、このクラッド32は、外径d3及び内径d2が長手方向にそれぞれ一定で、厚みが均一の管形状となっている。コア31は、クラッド32の内面に接するアウターコア部34とアウターコア部34の内側のインナーコア部35とを有している。したがって、アウターコア部34の外径はクラッド32の内径に等しく、インナーコア部35の直径はアウターコア部34の内径に等しいものとなっている。
なお、クラッド32の外径、つまりPOF11の外径D1は200〜1500μmとされており、被覆層の厚みtは100〜1000μmとされている。
図3において、横軸の符号(A)で示される範囲は、図2におけるクラッド32の屈折率であり、符号(B)で示される範囲は図1におけるアウターコア部34の屈折率であり、符号(C)で示される範囲はインナーコア部35の屈折率である。
インナーコア部35は、図3に示されるように、アウターコア部34との境界から中心に向けて屈折率が連続的に高くなっている。クラッド32はアウターコア部34よりも屈折率が低く、アウターコア部34はインナーコア部35よりも屈折率が低くなっている。なお、断面円形の径方向において、屈折率の最大値と最小値との差が0.001以上0.3以下であることが好ましい。上記のような構造によりPOF11は、GI型光伝送体としての機能を発現する。なお、POF原糸12のクラッド、アウターコア部、インナーコア部の各外径は、POF11のそれぞれよりも大きいが、基本的構造はPOF11と同じであるので図示は略す。また、図2ではアウターコア部34とインナーコア部35との境界を、説明の便宜のために示してはいるが、製造の条件等により境界の明確さは異なり必ずしも確認できるものでなくともよい。
また、本実施形態のアウターコア部34は、図3に示すように屈折率が概ね一定となっているが、インナーコア部35に近づくほど屈折率が大きくなっていてもよく、この屈折率の変化はインナーコア部35に近づくほど段階的に大きくなってもよいし連続的に大きくなってもよい。
また、コア31が本実施形態のようなアウターコア部34とインナーコア部35との2層のみの構造ではなく、他の構造とされていても本発明は適用される。コア31の他の構造としては、例えば、アウターコア部とインナーコア部との境界が存在せずに、クラッド32の内周からコア31の中央に向かって屈折率が連続的もしくは段階的に高くなる構造や、あるいは、3層以上の構造を挙げることができる。また、本実施形態ではクラッド32が単層構造とされているが、本発明はこれに限定されず、例えば必要に応じ2層以上の複層構造とされてもよい。なお、本実施形態におけるPOFでは、光はアウターコア部34とクラッド32との界面で反射してアウターコア部34とインナーコア部35との両方を通過することもあるが、また、インナーコア部35のみを通過することもある。本発明は、製造するPOFについて、シングルモード、マルチモード、そして、SI型、GI型のいずれのタイプであっても適用することができるが、以上のようなGI型POFとすることで、SI型よりも光伝送特性に優れたPOFを得ることができる。
コア31及びクラッド32は、ポリマーをその主たる成分としており、必要に応じて各種の物質が添加される。コア31とクラッド32とを形成するためのポリマーとしては、POFとして好ましい周知のものを用いることができる。特に好ましく用いられるものとしては、有機材料として光透過性が高いものである。ただし、コア31を伝送する光がコア31とクラッド32との界面で全反射するように、クラッド32の材料は、コア31の屈折よりも低い屈折率を有するようなポリマーとする。また、クラッド32及びコア31
の材料は、光散乱を生じないように、非晶性のポリマーとすることが好ましく、互いに密着性に優れるポリマーとし、これらがタフネス等に示される機械的特性に優れ、耐湿熱性にも優れていることがより好ましい。さらにまた、水分がコアに侵入することをできるだけ防ぐことが好ましいので、クラッド32の材料を吸水率が低いものとするとよい。例えば、クラッド32が、飽和吸水率が1.8%未満のポリマーを主たる成分とすることが好ましい。そして、より好ましくは、アウターコア部34が1.5%未満の飽和吸水率、さらに好ましくは1.0%未満の飽和吸水率であるポリマーにより形成されることである。なお、ここでの飽和吸水率は、ASTMによるD570により基づく値であり、具体的には、23℃の水中にサンプルを1週間浸漬したときの吸水率を測定した値である。
コア31の材料例としては、(メタ)アクリル酸エステル類(フッ素不含(メタ)アクリル酸エステル(a),含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(b)),スチレン系化合物(c),ビニルエステル類(d)、ポリカーボネート類の原料であるビスフェノールA等を重合性化合物として用いて重合させたものとすることができる。そして、クラッド形成ポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)も好ましい。これらを原料として、各々を重合させたホモポリマー、あるいはこれらのうち2種以上を組み合わせて重合させた共重合体、および上記のホモポリマーや共重合体の各種組み合わせによる混合物も例として挙げることができる。そして、これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル類または含フッ素ポリマーを成分として含むものが光伝送体を構成する上でより好ましい。
また、コア、クラッドには、光伝送性能を低下させない範囲で、その他の添加剤を添加することができる。例えば、コアもしくはその一部に耐候性や耐久性などを向上させる目的で、安定剤を添加することができる。また、光伝送性能の向上を目的として、光信号増幅用の誘導放出機能化合物を添加することもできる。該化合物を添加することにより、減衰した信号光を励起光により増幅することができ、伝送距離が向上するので、例えば、光伝送リンクの一部にファイバ増幅器として使用することができる。これらの添加剤も、前記原料となる各種重合性化合物に添加した後、重合することによって、コア、クラッドに含有させることができる。
上記屈折率分布、すなわち、径方向において屈折率が変化するために、本実施形態のPOFでは、アウターコア部34とインナーコア部35とを形成する各ポリマーのうち少なくともいずれか一方に、屈折率調整剤(ドーパント)を各所定量混合する。このドーパントとしては、非重合性の化合物が好ましい。インナーコア部35のみにドーパントを添加する場合には、この添加率は、インナーコア部35の主成分となるポリマーに対して0.01重量%以上25重量%以下とすることが好ましく、1重量%以上20重量%以下とすることがより好ましい。これにより、断面円形の径方向における屈折率分布係数を上記のような好ましい範囲により制御しやすくなる。
本実施形態においては、ドーパントとしては高屈折率で分子体積が大きく、重合性がなく、溶融状態のポリマー中で所定の拡散速度を有する低分子化合物を用い、これを添加することによりコアの径方向における屈折率を変化させている。ドーパントは、モノマーに限定されず、オリゴマー(ダイマー、トリマー等含む)であってもよい。したがって、モノマーの状態ではインナーコア用重合性化合物やインナーコアとの重合反応性を有していても、これがオリゴマーとなったときにはこれらと重合しないものであればこのようなオリゴマーをドーパントとすることができる。
被覆層30は、曲げ、耐候性の向上,吸湿による性能低下抑制,引張強度の向上,耐踏付け性付与,難燃性付与,薬品による損傷からの保護,外部光線によるノイズ防止,着色などによる商品価値の向上などを目的としてPOF11の外周に設けられる。ここでは被覆層30を1層として図示しているが、前述のとおり、1層とは限らない。
被覆層30には、上記のような各目的に応じてその材料が選択される。材料として好ましいものは、エチレン、プロピレン、あるいはα−オレフィン等の各ホモポリマーやこれらの共重合体で代表される熱可塑性ポリマーである。そして、熱可塑性ポリマーの分子量や分子量分布は限定されるものではないが、例えば溶融温度が130℃以下であるとともにメルトフローレート(メルトフローインデックスともいう。以下、MFRと称する。)が20〜150(g/10分)である熱可塑性ポリマーが好ましく、溶融温度が125℃以下であるとともに、MFRが20〜90(g/10分)であるものがより好ましい。なお、被覆層30及び第2被覆工程で形成される被覆層に対する添加剤については、後で詳細に説明する。
次に、本発明の被覆装置及び被覆方法について説明する。まず、本発明者らは、POF11のときに比べてPOF心線17の伝送損失が大きくなってしまうことが、POF11の被覆における伸びに起因することを見いだした。ここで、図4を参照しながら、POFの伸びと伝送損失との関係について説明する。なお、POFをPOF心線とする第1被覆工程と、POF心線をプラスチック光ケーブルとする第2被覆工程とでは、同じ現象が見られることから、第1被覆工程に関してのみ説明するものとする。図4では、被覆前のPOFに対してPOF心線中のPOFがどれだけ伸びたかを長さ変化率(以降、伸び率と称する。)(%)として横軸に示すとともに、縦軸にはPOFとPOF心線との伝送損失の差を伝送損失の変動幅(dB/km)として示している。図4によると、伸び率が大きくなるにつれて、伝送損失の変動幅が大きくなることがわかる。
これは、POFが伸びると、POFを構成する分子が配向し、光の導波路が構造的な不整を起こすためと推測される。そして、POFのこの伸びは被覆時における加熱温度が加熱延伸工程16における加熱温度よりも低く、このような低い温度下でPOFに張力がかけられることにより、結晶相とアモルファス相とが混在して、導波路の構成分子が配向してしまうと考えられる。
また、プラスチック光ケーブルとしての伝送損失は小さいほど好ましく、したがって、伸び率は小さいほど好ましい、しかし、POF11に張力をまったくかけずに良好に被覆することは困難である。そこで、実際の使用に問題ないと考えられるPOF心線17の伝送損失値とPOF11そのものの伝送損失とから、伝送損失の許容されうる変動幅を求めてみると約20dB/kmであった。よって、図4により、許容できる伸び率の上限は約1%ということになる。以上のことをふまえ、本発明では以下の被覆装置及び被覆方法とする。
図5は、第1被覆工程で用いた被覆設備を示す概略図である。被覆設備51は、被覆機52と、コイル状に巻かれたPOF11をこの被覆機52に送り出す送出機53と、巻取機56と、POF心線17を巻取機56に搬送するための搬送機57とを備える。搬送機57には、モータ(図示せず)により回転駆動される搬送手段58が備えられ、そのモータにはトルク及び回転数を制御するためのコントローラ(図示せず)が備えられる。搬送手段58としては、POF心線17をスリップさせずに安定して支持しながら傷等を付けることなく次工程に搬送するものが好ましく、駆動プーリや駆動ローラ、ゴデットロール等の周知の搬送手段を用いることができる。さらに、被覆設備51は、被覆機52から出てきたPOF心線17を冷却するための冷却機61を複数備え、また、POF心線17の張力を測定する第1張力測定装置62を冷却機61と搬送機57との間に備える。
この第1張力測定装置62は、被覆時におけるPOF11の張力を測定するために備えられる。しかし、被覆と同時にPOF11の張力を測定することは困難であり、また、被覆直後は被覆層の温度が高くて張力を測定することができないため、本発明では張力測定可能な程度にまで冷却されたPOF心線17の張力を測定して、その測定値を被覆時における張力とみなしている。ただし、第1張力測定装置62を被覆機52の直前に配することができるときには、被覆機52の直前で検知されるPOF11の張力を被覆時の張力とみなしてもよい。
送出機53は、POF11を被覆機52に送り出すための送出装置71と、被覆機52へ送り出すPOF11の張力を制御するためのダンサプーリ72とを備えるが、この張力制御は、ダンサプーリ72に代えて他の周知の張力制御手段を用いることができる。他の張力制御手段としては、例えばダンサローラ等が挙げられる。ダンサプーリ72には、第1張力測定装置62の検知結果に基づきダンサプーリを変位させるコントローラ73が備えられる。なお、送出機53と搬送機57とは、独立して駆動可能としている。
被覆設備51には、さらに、巻取機56における巻取張力を測定するための第2張力測定装置66が、備えられている。なお、第2張力測定手段66は、巻取機56に備えられた巻取装置64の上流側のダンサプーリ65に備えられるが、巻取張力を測定できるもの及び様態であれば本実施形態に限定されるものではない。
図5の被覆設備51の搬送路には、POF心線17の支持手段67が複数図示されているが、この数は適宜増減され、またPOF11を支持するための支持手段を適宜設けてもよい。そして、この支持手段としてはガイドプーリやガイドローラ、ゴデットロール等が用いられる。
この被覆設備51は、前工程である加熱延伸工程16や後工程の第2被覆工程22の各装置と連続させることができる。加熱延伸工程16の装置と連続させるときには、送出装置71は、加熱延伸工程16に設けられた搬送手段等に代えることができるし、また、第2被覆工程22と連続させるときには、巻取装置64は、第2被覆工程22に設けられた搬送手段等に代えることができる。
上記の被覆設備51では、被覆機52は、送出機53から送り出されたPOF11に、所定の被覆材料68で被覆層30(図2参照)を形成しPOF心線17とする。被覆機52は、送り込まれてきた被覆材料68を加熱溶融することによりPOF11を被覆する。そこで、被覆機52から出た直後のPOF心線17は高温となっていることがあるので、通常は、搬送手段58等への接着等を防止するために冷却機61を使用してPOF心線17を冷却する。また、支持手段67が設けられているPOF心線17の搬送路では、POF心線17の内部応力歪みが搬送中に緩和される。
搬送機57により冷却機61を出たPOF心線17は、第1張力測定装置62により搬送方向における張力を測定される。この測定結果はコントローラ73に送られる。コントローラ73は、第1張力測定装置62の検知結果が入力されると、その検知結果に基づきダンサプーリ72の変位量を求め、その変位量分だけダンサプーリ72を変位させる。変位量は、POF心線17の張力と変位量との関係について、予め求められているデータに基づいて決められる。本実施形態では、このようにして被覆時におけるPOF11の張力がフィードバック制御され、所定の張力が常にPOF11及びPOF心線17に付与される。
搬送機57により搬送されるPOF心線17は、第2張力測定装置66により巻取張力を測定されながら、巻取機56により巻き取られる。
次に、上記のような被覆設備51によりPOF11に被覆する方法を説明する。まず、所定の被覆材料68を被覆機52に供給し、加熱溶融する。また、POF11を送出機53により被覆機52に送り込む。なお、この被覆機52における被覆機構については、別の図を用いて後で詳細に説明する。被覆機52から出たPOF心線17を、所定の温度となるように冷却し、冷却後のPOF心線17を搬送機57により搬送する。搬送機57によりPOF心線17に付与される張力と、送出機53によりPOF11と被覆機52により付与される張力とは必ずしも一致するものではないので、本実施形態では、ダンサプーリ72での張力制御が可能な範囲となるように、搬送機57の稼働条件と送出装置71の稼働条件とを設定する。そして、ダンサプーリ72の変位によりPOF11の被覆時おける張力を制御することにより、被覆によるPOF11の伸び率(長さ変化率)が±1%以内となるように制御する。伸び率を上記範囲とすることにより、第1被覆工程によるPOF心線17及び第2被覆工程を経た後のプラスチック光ケーブル21としての伝送損失悪化を抑制することができる。
本実施形態においては、第1張力測定装置62は被覆機52の下流に、また、ダンサプーリ72は被覆機52の上流に備えられており、これは以下の考え方に基づく。図6は伸び率と第1張力測定装置62による張力測定結果との関係を示すものであって、前者を縦軸、後者を横軸としている。また、図7は、ダンサプーリ72に別の張力測定装置を備えてこのダンサプーリを変位させることなく被覆をした場合のグラフであり、その省力測定装置による測定値を被覆前における張力として横軸に、第1張力測定装置62による張力測定結果を縦軸に示すものである。
図6によると、被覆されたPOF11、つまりPOF心線の張力が大きくなるほど伸び率が大きいことがわかる。このようにグラフは単調増加を示しながら、かつ、3次関数に似た形状となっており増加率が急激に小さくなる点と急激に大きくなる点との各伸び率は−1.0と1.0付近である。このことからも伸び率の許容されうる範囲は略±1%程度以内とみることができる。そして、伸び率がこの範囲となる被覆後の張力は36〜50(×9.8mN)であることがわかる。しかし、被覆されているPOF心線17の張力を制御することは、被覆材料の分子挙動等にも影響を与えてしまって良好な被覆層を形成できない場合がある。そこで、図7からは被覆前の張力が大きくなるほど被覆後の張力が大きくなることがわかるので、本実施形態では、被覆時における張力制御を、被覆機の上流側で実施している。
ここで、前記伸び率とは、被覆前のPOFの長さをL1とし、被覆機を出たPOF心線の長さをL2とするとき、{(L2−L1)/L1}×100で表される値である。ただし、被覆前のPOF11の全長とPOF心線の全長とを実際に正確に測定する必要はなく、例えば、以下の方法により伸び率を求めることができる。以下の例によると、被覆中であっても容易に伸び率を求めることができるので、被覆中で張力を効率的に制御して製造ロスを減らすことができる。まず、被覆前のPOFに対し、所定間隔でマーキングを予め施しておく。マーキングを施された箇所をマーキング部と称し、隣り合うマーキング部の間隔をL1とする。このとき、被覆材料は、POFに施されたマーキング部が被覆後も確認することができる程度の透明度を有しているものが好ましいが、必ずしも透明度の高いもので有る必要はない。ただし、第1被覆工程終了後にそのままシングル光ケーブルとして用いる場合には、外部からの光をクラッドよりもPOF内部に送りこまないような素材とすることが好ましい。そして、被覆材料が透明度の高いものであるときには、被覆機52からでてきたPOF心線17を、被覆前のPOFに施した間隔L1と同じ長さ毎(間隔)L2でマーキングする。そして、L1とL2との各マーキング部の位置のズレを確認することによりL1がどれくらい変化したかを知ることができる。また、被覆材料が透明度の小さいものであるときには、例えばPOF上にアルミニウム等の金属を含んだマーキング材で予め、あるいは被覆直前等にマーキングし、被覆後のPOF心線17についてマーキングを検知することができる検知手段によりマーキングを検知してマーキング間の距離を求める方法等がある。なお、本発明では、伸び率を求める方法には依存するものではない。
本発明では、被覆時におけるPOF11に付与されている張力T(単位;N)が、以下の式(1)を満たすことが好ましい。なお、式(1)において、αはN/mm2 の単位をもつ比例定数であり、D1は図2の場合と同様にPOF11の外径(単位;mm)を表す。
T=α×(D1)2 (0.5≦α≦6.0)・・・(1)
張力Tが0.5×(D1)2 よりも小さいと、搬送方向とは逆向きに樹脂応力がかかり、このためにPOF11が収縮してしまったり、POF11がたるんでしまうことがある。一方、張力Tが6.0×(D1)2 よりも大きいとPOF11が1%以上の伸び率で伸びてしまい、伝送損失が大きくなってしまう。
上記の式(1)では、張力TがDの関数として表されているので、これにより、POF11の外径Dに応じて、被覆によるPOFの伸び率を上記範囲に制御することができる。そして、伸び率が上記範囲となっているか否かについて、上記の例に示したような方法により被覆中に常に測定していなくても、第1張力測定装置62による張力測定結果が式(1)で求められる範囲にあるか否かを監視することにより、被覆時におけるPOF11の張力異常及びそれに起因する伸び率の上昇を即座に検知して、製造中のPOFの欠陥部を迅速に見つけ出すことができる。
式(1)は、縦弾性係数(ヤング率)Eを求める周知の式としてのE=(T1/A)/(λ/L3)に基づき求めたものである。この式においては、周知のように、T1は測定軸方向にかかる力(単位;N)、E(N/mm2 )は縦弾性係数(ヤング率)を示し、Aは被測定物の断面積(πD2 /4で求められる値;単位はmm2 )、(λ/L3)は被測定物の伸び率を示す。つまり、ここでもT1を上記式での張力Tに対応させ、AをPOF11の径D1の2乗に対応させるとともに、POF11の外径D1により変化するヤング率Eを考慮することにより式(1)を得ている。このようにして得られた式(1)の有効性は、素材及び外径が異なる各種のPOFにおいて確認される。
次に、被覆機52及びこの被覆機による被覆方法について詳細に説明する。被覆機52は、被覆材料68を加熱溶融する溶融部と、内部に送り込まれてきたPOF11に溶融された被覆材料68を被覆する被覆部とを有しており、この被覆部について、図8を参照しながら以下に詳しく説明する。図8は、被覆部の要部を示す概略図である。被覆部81は、被覆ダイス82とニップル83とが一体的に組み立てられており、これらによって形成される隙間が、溶融された被覆材料68の流路86となる。そしてニップル83には、POF11の第1走路87が形成されており、第1走路87に流路86が接続して、その接続箇所から下流側は、POF11が被覆材料68で被覆されて走行する第2走路とされている。また、被覆材料68を所定の温度に制御して所望の流動性をもたせる温度コントローラ91が、被覆ダイス82及びニップル83に備えられる。なお、この被覆機52には、溶融された被覆材料68を被覆部81に送り込む管94が、前記溶融部から流路86に接続するように設けられている。
上記の被覆部81において、POF心線17の出口をダイス出口82a、被覆材料68が第2走路に達する位置を被覆材料供給口86a、この被覆材料供給口86aの最もダイス出口82a側の端をランド開始位置82bと称する。また、第2走路88のうち、ランド開始位置82bより下流はランド部90であって、ランド部の走行方向における長さ、つまり、ランド開始位置82bからダイス出口82aまでの長さをランド長さL(μm)とする。そして、被覆材料供給口86aのPOF進行方向に沿った長さを供給長さd(μm)、ダイス出口82aの径を出口径Ta(μm)、ランド開始位置82bにおけるニップル83の外径、つまりニップル83の下流端における外径をニップル外径Tb1(μm)、第1走路87の径を第1走路径Tb2(μm)と称する。
この被覆部81では、POF11が第1走路87、第2走路88を通過してダイス出口82aから出る。第1走路径Tb2はPOF11の外径D1よりも若干大きめとされており、POFの外周面へ傷をできるだけ発生させないようにしている。管94から流路86に案内された被覆材料86は、流路86から第2走路88に達し、この第2走路88でPOF11の外周を覆う。そして、POF11は、被覆材料82に被覆されたPOF心線17として外部に出される。
このような被覆部81を有する被覆機により被覆する方法では例として以下の方法をあげることができる。まず、POF11を被覆部81の内部で搬送させる速度については、10m/分〜100m/分の範囲であることが好ましい。搬送速度が10m/分未満であると生産効率が低すぎるし、また、加熱されている第1走路87におけるPOFの通過時間が長すぎてニップル83からの熱によりPOF11が伸びることがある。一方、搬送速度を100m/分より速くすると、被覆材料68が、限界剪断速度に達する流速となってしまい樹脂構造破壊(メルトフラクチャ)を引き起こす、あるいは、冷却機61による冷却時間が不足することになり被覆時の熱エネルギーがPOF心線17中のPOF部分に伝わって伝送損失が大きくなるおそれがある。被覆材料68とPOF11との密着性が悪くなったり、あるいは被覆材料68の結晶化による機械的特性の変化などの問題が生じるおそれがある。
そして、被覆ダイス82とニップル83との各形態及び相対位置を調整することによりPOF11の熱劣化による伝送損失の悪化をより効果的に防止することができる。
被覆材料68の被覆時における温度(以下、被覆温度と称する。)TD(単位;℃)は、POF11に与える熱量を低減するためにも可能な程度に低くすることが好ましい。したがって、被覆温度TDは、POF11の素材の熱伝導度や比熱を考慮して決めるとよい。例えば、ポリエチレンを被覆材料68として用いる場合には140℃以下とすることが好ましく、より好ましくは130℃以下とすることである。なお、このときの被覆材料68は、流動性を示していなければならず、例えば融点Tm(℃)をもつ物質であるときには、Tm≦TD≦(Tm+30)℃とすることが好ましく、より好ましくはTm≦TD≦(Tm+20)℃であり、最も好ましくはTm≦TD≦(Tm+10)℃である。例えば、被覆材料68が融点120℃の低密度ポリエチレンである場合には、120℃〜130℃の被覆温度TDとすることが好ましい。
出口径Taは、D2≦Ta(μm)≦1.3×D2の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.05×D2≦Ta(μm)≦1.25×D2であり、最も好ましくは1.1×D2≦Ta(μm)≦1.2×D2である。
ランド長さLは、Ta≦L≦4×Taの範囲とすることが好ましく、より好ましくはTa≦L≦3.5×Taであり、最も好ましくはTa≦L(μm)≦3×Taである。
ニップル外径Tb1は、0.7×Ta≦Tb1≦1.2×Taの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.8×Ta≦Tb1≦1.2×Taであり、最も好ましくは0.9×Ta≦Tb≦1.1×Taである。
第1走路径Tb2は、(D2+10)μm≦Tb2≦(D2+300)μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは(D2+20)μm≦Tb2≦(D2+50)μmであり、最も好ましくは(D2+30)μm≦Tb2≦(D2+50)μmである。
供給長さd(μm)は、Ta≦d≦2×Taの範囲とすることが好ましく、より好ましくは1.1×Ta≦d≦1.8×Taであり、最も好ましくは1.2×Ta≦d≦1.6×Taである。
上記のダイス出口径Ta、ランド長さL、第1走路径Tb2、供給長さdは、張力Tに影響を与える因子であり、これらのパラメータを制御することにより張力Tを所定範囲内により精度よく調整することができる。例えば、一般には、供給長さdが大きすぎると伸び率は大きくなる傾向があり、一方、供給長さdが小さすぎると伸び率が小さくなる、つまり収縮する傾向があるので、ダンサプーリ62での張力制御が可能な範囲内で供給長さdを大まかにでも設定しておくことが好ましい。
なお、第2被覆工程22(図1参照)による被覆の形態としては、一本の前記POF心線と被覆材との界面、あるいは複数本束ねた状態のPOF心線の外周と被覆材との界面が、すべて接するように被覆されている密着型の被覆と、被覆材とPOF心線との界面に空隙を有するルース型被覆とがある。ルース型被覆では、たとえばコネクタとの接続部において被覆層を剥離した場合、その端面の空隙から水分が浸入して長手方向に拡散されるおそれがあるため、通常は密着型が好ましい。密着型の被覆は、上述の様態、つまり、溶融された被覆材料を加圧した状態としながら、この被覆材料がプラスチック光ファイバを覆うようなダイス、いわゆる加圧型ダイスで行うことが好ましい。したがって、ここでの加圧ダイスとは、プラスチック光ファイバがダイス先端から外部に出る前、つまりダイス内部で、被覆材料がプラスチック光ファイバを覆うことができるものを意味する。
しかし、ルース型被覆では、被覆材と光ファイバ心線とが密着していないので、光ケーブルにかかる応力や熱等のダメージの多くが緩和されるという利点を有する。そのため、ルース型の被覆は、使用目的によっては好ましく用いることができる。ルース型被覆の場合のコネクタ接続部からの水分の伝播については、POF心線と被覆材との界面の空隙部に流動性を有するゲル状の半固体や粉粒体を充填することにより、防止することができる。さらに、これらの半固体や粉粒体に対して耐熱性や機械的機能の向上などの他の異なる機能を付与させることにより、多機能な被覆層を形成した光ファイバケーブルを製造することができる。なお、ルース型の被覆とするには、クロスヘッドダイのニップルの位置を調整し減圧装置による減圧度を加減することにより、前記空隙を有する層を形成することができる。この空隙層の厚みは前述のニップル厚みと空隙層とを加圧/減圧することにより調整することができる。
第1、第2の被覆工程で設けられる被覆材には、難燃剤や、紫外線吸収剤、酸化防止剤、昇光剤、滑材等を、光伝送特性に影響を及ぼさない条件範囲で添加してもよい。
なお、前記難燃剤としては、臭素を始めとするハロゲン含有の樹脂や添加剤、リン含有のものがあるが、燃焼時における毒性ガス低減等の安全性の観点では、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物が主流となりつつある。ただし、このような金属水酸化物は、その内部に水分を結晶水として有している。この水分は、これら金属水酸化物の製法過程における付着水に起因するものであり完全除去は不可能とされる。したがって、金属水酸化物による難燃性付与は、POFに接する被覆層には含有させず、ケーブルとしての外表となる被覆層に対してのみ行うことが望ましい。
また、光ケーブルに複数の他の機能を付与させるために、適宜機能性層としての被覆層をさらに積層させてもよい。例えば、前述の難燃化層以外に、POFの吸湿を抑制するためのバリア層や、POFに含有された水分を除去するための吸湿材料層等がある。このような吸湿材料層の付与方法としては、例えば、吸湿テープや吸湿ジェルを、所定の被覆層内や被覆層間に設ける方法がある。他の機能性層としては、可撓時の応力緩和のための柔軟性素材層、外部からの応力を緩衝するための緩衝材としての発泡材料層、剛性を向上させるための強化層などがある。プラスチック光ケーブルの被覆材としては、樹脂以外にも、高い弾性率を有する繊維(いわゆる抗張力繊維)および/または剛性の高い金属線等の線材を熱可塑性樹脂に含有させたものが例示され、このような材料を用いると、得られるケーブルの力学的強度を補強することができることから好ましい。
前記抗張力繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が挙げられ、前記金属線としてはステンレス線、亜鉛合金線、銅線などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。その他に保護のための金属管の外装、架空用の支持線や、配線時の作業性を向上させるための機構を、プラスチック光ケーブルの外周部に組み込むことができる。
また、光ケーブルの形状は使用形態によって、POF心線を同心円上にまとめた集合型のものや、一列に並べたテープ型のもの、さらにそれらを押え巻やラップシースなどでまとめたものなど用途に応じてその形態が選ばれる。
本発明のPOFから得られる光ケーブルは、従来の光ケーブルに比べて、軸ずれに対する許容度が高いために、突き合せにより接合しても用いることができるが、より好ましくは、光ケーブルの端部に接続用光コネクタを備えて、互いの接続部を確実に固定することが好ましい。コネクタとしては一般に知られている、PN型、SMA型、SMI型などの市販の各種コネクタを利用することが可能である。
本発明のPOFから得られる光ケーブルは、種々の発光素子や受光素子、光スイッチ、光アイソレータ、光集積回路、光送受信モジュールなどの光部品を含む光信号処理装置等が組み合わされて好適に用いられる。この際には、必要に応じて他の光ファイバ等と組合わせてもよい。それらに関連する技術としてはいかなる公知の技術も適用でき、例えば、プラスティックオプティカルファイバの基礎と実際(エヌ・ティー・エス社発行)、日経エレクトロニクス2001.12.3号110頁〜127頁「プリント配線基板に光部品が載る,今度こそ」などを参考にすることができる。前記文献に記載の種々の技術と組み合わせることによって、コンピュータや各種デジタル機器内の装置内配線、車両や船舶などの内部配線、光端末とデジタル機器、デジタル機器同士の光リンクや一般家庭や集合住宅・工場・オフィス・病院・学校などの屋内や域内の光LAN等をはじめとする、高速大容量のデータ通信や電磁波の影響を受けない制御用途などの短距離に適した光伝送システムに好適に用いることができる。
さらに、IEICE TRANS. ELECTRON.,VOL.E84−C,No.3,MARCH 2001,p.339−344 「High−Uniformity Star Coupler Using Diffused Light Transmission」,エレクトロニクス実装学会誌 Vol.3,No.6,2000 476頁〜480頁「光シートバス技術によるインタコネクション」の記載されているものや、特開2003−152284号公報に記載の導波路面に対する発光素子の配置;特開平10−123350号、特開2002−90571号、特開2001−290055号等の各公報に記載の光バス;特開2001−74971号、特開2000−329962号、特開2001−74966号、特開2001−74968号、特開2001−318263号、特開2001−311840号等の各公報に記載の光分岐結合装置;特開2000−241655号等の公報に記載の光スターカプラ;特開2002−62457号、特開2002−101044号、特開2001−305395号等の各公報に記載の光信号伝達装置や光データバスシステム;特開2002−23011号等に記載の光信号処理装置;特開2001−86537号等に記載の光信号クロスコネクトシステム;特開2002−26815号等に記載の光伝送システム;特開2001−339554号、特開2001−339555号等の各公報に記載のマルチファンクションシステム;や各種の光導波路、光分岐器、光結合器、光合波器、光分波器などと組み合わせることで、多重化した送受信などを使用した、より高度な光伝送システムを構築することができる。以上の光伝送用途以外にも照明(導光)、エネルギー伝送、イルミネーション、センサ分野にも用いることができる。
上記の被覆装置及び方法によりPOF心線17を製造するとともに、得られたPOF心線17の伝送損失を測定した。以下に、POFの製造を含めて実施例を説明する。
インナーコア部35がPMMA+DPS(20重量%)、アウターコア部34がPMMA、クラッド32がPVDFであるPOF11を溶融押出法により製造した。用いた溶融押出機本体53には3つのスクリュー混練押出部が備えられており、各混練部の径はφ16mmである。各混練押出部は、クラッド用の原料の温度が210℃、アウターコア部用の原料の温度が240℃、インナーコア部用原料の温度が230℃となるように各温度コントローラで温度制御されるようになっている。そして、外径が1mmのPOF原糸12となるように3つの原料を押出ダイ54から共に押し出した。押出ダイは、内径が1mm内径のものである。押し出されたPOF原糸12においては、アウターコア部34の外径D2が952μmであって、インナーコア部35の外径が580μmである。
押し出されたPOF原糸12を15℃に温度調整された水槽で冷却し、搬送手段としての駆動プーリ(ゴデットロール)により5m/分の速度で引き取った。そして、150℃に温度設定した加熱機でPOF原糸12を加熱しながら、搬送手段としての駆動プーリにおける搬送速度を9m/分とすることにより、POF原糸12を延伸してPOF11とした。そして得られたPOF11を巻取装置48により巻き取った。POF11は、その外径が約316μmである。巻き取ったPOF11を、コイル状のままで190℃の恒温により5分間加熱した後、室温で自然冷却した。
得られたPOF11を以下の条件で被覆した。まず、POF11に対し、300m毎にマーキングを施しておいた。出口径Taが1300μm、ランド長さLが3000μmの被覆ダイス82に、ニップル外径Tb1が1250μm、第1走路径Tb2が600μmのニップル83を、供給長さdが2000μmとなるように被覆部81を組み立てて、これをスクリュー径が30mmである溶融部に取り付けた。このような被覆機52に被覆材料68としての低密度ポリエチレン(商品名;ニポロンL、MFR;50g/10分、東ソー(株)製)を供給して130℃で溶融した。そして、第1走路87を20m/分の速度で搬送させているPOF11に対し被覆材料68により被覆して、外径D2が1200μmのPOF心線17とした。なお、POF11の最初のマーキング部から1500mまでを被覆するに際し、第1張力測定装置62により検知された張力が(40×9.8)±(5×9.8)mNとなるようにダンサプーリ72で張力を制御した。冷却機61の下流に設置したマーキングセンサにより、マーキングを検知し、マーキング間の距離を測ることにより被覆によるPOF11の伸び率を求めた。
本実施例1の結果、POF11の最初のマーキング部から1500mのマーキング部までの、POF11の伸び率は−0.5〜0.5%であった。また、POF11の各マーキング部でPOF心線17を切断して、POF心線17の各サンプルの伝送損失を測定した結果、予め300mに切断して伝送損失を測定しておいたPOF11と比べると、いずれも0〜+1dBであった。
本実施例1の結果によると、POF11は、第1被覆工程18で伸びが1%以下に抑制されており、伝送損失の悪化を招くことがなかったことがわかる。
本実施例2は実施例1に対する比較実験として実施したものである。第1張力測定装置62による張力を40×9.8mNとしてPOF11の被覆を開始した。張力制御を特に実施せず、そのまま被覆を続けた。POF11の最初のマーキング部から300mのマーキング部までの第1区間の被覆では張力は40gに維持されたが、この300m位置のマーキング部がダイス出口82aを出てきたところで張力が70×9.8mNに上昇した。そしてそのまま、次の第2区間の300mを被覆して、さらに次の300mを被覆した。そして第3の300m区間を被覆し終わり、900m位置のマーキング部がダイス出口82aからでたところで、張力は90×9.8mNとなった。その後もそのまま被覆を続けた。その他の条件は実施例1と同様にして実施した。
本実施例の結果については図9及び図10に示す。上記に記した張力Tの変動については、図9に示している。なお、第2の300m区間におけるPOF11の伸び率は4%であり、第4の300m区間である900〜1200mの範囲での伸び率は8%であった。そして、図10は、POF11に付した各マーキング部でPOF心線17を切断して得たサンプルに伝送損失を測定し、300mのPOF11の伝送損失との差を伝送損失変動として表したグラフである。なお、図10の伝送損失変動値は、1km当たりに換算して示している。図10に示すように、張力T=40×9.8(mN)の場合にはPOF11のサンプルとPOF心線サンプルとの伝送損失が同じ値であるが、張力T=70×9.8(mN)の場合には、POF心線サンプルの伝送損失がPOF11のサンプルよりも20dB/km高く、また、張力T=90×9.8(mN)の場合には、POF心線サンプルの伝送損失がPOF11のサンプルよりも40dB/km高くなった。
本実施例2の結果、POFを被覆したときにPOFが伸びて、伸び率が1%よりも大きいとPOF心線の伝送損失がPOFのときよりも大きくなってしまうことがわかる。そして、本実施例2と実施例1とを比べると、伸び率を調整するために、被覆時における張力制御が有効であることがわかる。
以上のように、本発明により、POFの伝送損失を低下させることなく連続的に被覆してPOF心線を得ることができる。
プラスチック光ケーブルを製造するフロー図である。 POF心線の断面図である。 POFの断面径方向における屈折率を示すグラフである。 POFの伸び率と伝送損失の変動幅との関係を示すグラフである。 被覆装置を示す概略図である。 伸び率と被覆後のPOFの張力を示すグラフである。 被覆後と被覆前とのPOFの各張力の関係を示すグラフである。 被覆部の要部を示す概略図である。 従来の被覆方法における被覆時の張力変化を示すグラフである。 従来の被覆方法によるPOF心線の伝送損失変動を示すグラフである。
符号の説明
11 プラスチック光ファイバ(POF)
17 POF心線
30 被覆層
51 被覆設備
52 被覆機
57 搬送機
58 搬送手段
62 第1張力測定装置
68 被覆材料
72 ダンサプーリ
D1 POFの外径

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂を含む被覆材を被覆手段によりプラスチック光ファイバに連続して被覆する方法において、
    前記プラスチック光ファイバの被覆前の長さをL1とし、被覆後の長さをL2とするときに、{(L2−L1)/L1}×100で表される長さ変化率(単位;%)が±1以内となるように前記プラスチック光ファイバを前記被覆材で被覆することを特徴とする連続被覆方法。
  2. 被覆後の前記プラスチック光ファイバに付与されている張力を張力検知手段により検知し、前記被覆手段に搬送される前記プラスチック光ファイバの張力を前記検知の結果に基づき張力制御手段で制御することにより、前記長さ変化率を制御することを特徴とする請求項1記載の連続被覆方法。
  3. 被覆後の前記プラスチック光ファイバに付与されている張力T(単位;N)と、前記プラスチック光ファイバの外径D1(単位;mm)とが、
    T=α×(D1)2 (ただし、0.5≦α(単位;N/mm2 )≦6.0)
    を満たすことを特徴とする請求項2記載の連続被覆方法。
  4. 前記張力制御手段は、前記張力検知手段による検知結果に基づいて前記プラスチック光ファイバの張力を制御するダンサプーリであることを特徴とする請求項2または3記載の連続被覆方法。
  5. 前記プラスチック光ファイバは、断面円形の中央部から外周に向けて屈折率が低くなるように変化する屈折率分布型プラスチック光ファイバであることを特徴とする請求項1ないし4いずれかひとつ記載の連続被覆方法。
  6. 前記被覆手段により、前記被覆材を加圧した状態で被覆することを特徴とする請求項1ないし5いずれかひとつ記載の連続被覆方法。
  7. 熱可塑性樹脂を含む被覆材をプラスチック光ファイバに連続被覆する被覆手段と、被覆された前記プラスチック光ファイバを次工程に搬送する搬送手段とを備えるプラスチック光ファイバ連続被覆装置において、
    前記被覆手段と前記搬送手段との間の搬送路に備えられ、前記プラスチック光ファイバの張力を検知する張力測定手段と、
    前記プラスチック光ファイバの被覆時における長さ変化率が所定の範囲内となるように、前記被覆手段に搬送される前記プラスチック光ファイバの張力を制御する張力制御手段と、
    を備えることを特徴とするプラスチック光ファイバ連続被覆装置。
  8. 前記張力制御手段は、前記プラスチック光ファイバの張力を前記張力測定手段の検知結果に応じて制御することを特徴とする請求項7記載のプラスチック光ファイバ連続被覆装置。
  9. 前記被覆手段は、加熱により溶融された前記被覆材を加圧しながら前記プラスチック光ファイバに被覆する加圧式ダイスを有することを特徴とする請求項7または8いずれかひとつ記載のプラスチック光ファイバ連続被覆装置。
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WO1995000868A1 (fr) * 1993-06-18 1995-01-05 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Procede et appareil de production de matiere plastique de base pour fibres optiques
JPH11174242A (ja) * 1997-12-15 1999-07-02 Kurabe Ind Co Ltd プラスチック光ファイバ

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