JP2006215054A - 光ビーム同期式イメージセンサ及びこれを用いる共焦点顕微鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】CMOSイメージセンサを用いて、高感度かつ低雑音で読み出すとともに、ビーム光のピーク位置に対応する画素の信号を外部に読み出す時間を有効に活用して、ビーム光が1つの画素に照射される時間をできるだけ長くして感度を向上するための装置を提供する。
【解決手段】ビーム光に同期してCMOSイメージセンサの画素から信号を読み出すとともに、画素のリセット信号レベルと画像信号レベルとの差分を得る回路を設けてリセットノイズの軽減を図る。また、ビーム光のあたっていない状態での画像信号を捨て去るために、画像信号を読み出す直前にリセット信号を各画素に印加する。さらにビーム光をマルチビーム化することにより感度の向上を図る。
【選択図】 図1

Description

この発明は、共焦点顕微鏡や光切断法による3次元イメージ装置に用いられるイメージセンサに関する。
共焦点顕微鏡とは、レーザビームにより試料を走査し、受光側においてレーザビームの照射された部分の反射光(透過光)のみを選択して再画像化することにより、従来の結像型顕微鏡よりも面内分解能や焦点深度の向上が図れるものである。
共焦点顕微鏡には、走査系を備えたレーザビームにニポー円盤を組み合わせたものが実用化されている。また、最近レーザの走査系として、DMD(Digital Mirror Device)を用いたものが開発されてきている。撮像側にニポー円盤を用いる代わりに、アドレシング機能を備えたイメージセンサを用いて実現する方法を、本発明者らが既に特許出願している(特許文献1参照)。また、ニコンから、類似のアイデアが出願されている(特許文献2参照)。
特願2003−186768号 特開2004−219537号公報
ビーム光に同期して撮像することができるイメージセンサは、共焦点顕微鏡や光切断法による3次元イメージセンサ等に有用である。
特に、共焦点顕微鏡に応用する場合、光源を1次元または、2次元のマルチビームとし、それを試料面に照射して、反射または透過した光を、ビームの当たっている位置のピークの情報だけを取り出して、映像信号とすることで、ニポー円盤のような機械的な機構を用いることなく共焦点顕微鏡が実現できるとともに、従来は極めて困難とされている透過型の共焦点顕微鏡が実現できる。
これまでは、1次元または2次元のマルチビーム光に対して常にピーク位置の情報だけを取り出すようにしたもの、即ち、光ビームの動きに同期してイメージセンサを同期させたものはなかった。
この発明では、1次元または2次元のマルチビーム光を、試料に照射し、試料からの反射または透過光のビームのピーク位置の信号だけを選択して読み出し、これをCMOSイメージセンサを用いて、高感度かつ低雑音で読み出す装置、及び、ビーム光のピーク位置に対応する画素の信号を外部に読み出す時間を、有効に活用して、ビーム光が1つの画素に照射される時間をできるだけ長くして感度を向上するための装置を提供するものである。
この発明は、ビーム光に同期してCMOSイメージセンサの画素から信号を読み出すとともに、画素のリセット信号レベルと画像信号レベルとの差分を得る回路を設けてリセットノイズの軽減を図る。また、ビーム光のあたっていない状態での画像信号を捨て去るために、画像信号を読み出す直前にリセット信号を各画素に印加する。さらにビーム光をマルチビーム化することにより感度の向上を図る。
まず、1次元アレイのビーム光を検出するCMOSイメージセンサについて説明する。図1にそのブロック図を示す。1次元アレイのビーム光は、図1に示すように、上方に走査され、最上部に達したのちは、右の列の最下部に移動し、上方に走査することを繰り返す。
図1の場合は、9行、9列の場合で、ビームを3つ用いる場合を示しており、それぞれのビーム光は3列ずつ画素を走査する。各ビーム光が3列目の最上部に達したら、最初の列の最下部に戻る。これですべての画素上を走査したことになり、1枚の共焦点像が得られる。共焦点像を得るためには、あるビームのピーク輝度部がある画素に照射されているとき、その画素の信号だけを外部によみだし、それ以外の信号は捨て去ることが必要である。図1は、これを低雑音でかつ高感度に読み出すように構成されている。
その動作を以下に説明する。図1に、光を電気信号に変換する画素部(1)が示されている。その1画素部を構成する画素回路の例を図2に示す。画素回路は、フォトダイオード(3)の電圧をリセットするnチャネルMOSトランジスタ(4)と、信号の読み出しのためのアンプ(5)と選択スイッチ(6)を構成するpチャネルMOSトランジスタからなる。縦方向の共通の信号線には、電流源(7)となるpチャネルMOSトランジスタが接続されている。電流源(7)のMOSトランジスタのゲートには、適当なバイアス電圧Vbを与える。信号線のインバースS(INV_S)に0Vを与えると、選択スイッチ(6)が導通し、アンプ(5)を構成するMOSトランジスタと、電流源(7)とによりソースフォロワ回路が構成され、フォトダイオードの電圧が、出力(Output)に読み出される。なお、アンプ(5)と選択スイッチ(6)、電流源(7)には、nチャネルMOSトランジスタを用いた回路も考えられる。出力は、図1のノイズキャンセル・水平読み出し回路(2)に接続される。その内部の単位回路(8)と、最終出力段(13)の例を図3に示す。ノイズキャンセル回路は、ビームの数だけ、単位回路(8)を持っている。
また、タイミング制御信号発生回路から供給される制御信号による、信号の蓄積と読み出しのタイミング図を図4に示す。要点は、信号の読み出し時間を有効に利用して、画素での信号の蓄積を行うことと、ビーム光を、読み出そうとしている画素に照射する前のリセットレベルを先に記憶しておいて、その後、ビーム光を照射し、信号レベルを読み出して差分を求めることで、画素部のリセットノイズをキャンセルすることができることである。例えば、イメージセンサの一番下の行の信号を読み出す場合を考える。まずR1を与えてフォトダイオードの電圧を初期化した後の電圧を、φR1を与えて、第1の信号記憶手段であるサンプルホールド容量(9)に記憶する。次いで光を一定期間(L1の期間)照射し、その後の信号φSを与えて、第2の信号記憶手段である別のサンプルホールド容量(10)に記憶する。それらを順番に水平読み出しによってイメージセンサ外部に読み出す。なお、所望により増幅器(12)が最終出力段(13)の入力側に設けられる。
これは、水平シフトレジスタの出力と、偶数行か奇数行かを示す信号O/Eと、パルス信号φH1とが、図3の中に示した論理回路で演算され、その信号でスイッチを制御し、共通の水平信号線に、サンプルホールドされたキャパシタを接続することによって行う。この水平読み出しの期間を使って、次の行の画素での信号蓄積を行う。すなわち図4では、L2の期間である。これを行う前に、2行目の画素部をリセットし、そのリセットレベルをノイズキャンセル回路に読み出し、制御信号φR2を与えて、サンプルホールド容量(11)にサンプルホールドする。ここで、リセットレベル記憶用のキャパシタであるサンプルホールド容量(9)は、読み出すための1つ前の信号を記憶しているので、同じものは使用できない。そこで、ノイズキャンセル回路には、リセット記憶用のキャパシタとしてサンプルホールド容量(11)がもう1つ必要になる。2つのリセットレベル用キャパシタを第1の信号記憶手段であるサンプルホールド容量(9,11)として、偶数行と奇数行で交互に役割分担を切り替えて使用する。なお、L1の期間の信号読み出しは、1つの前の期間に蓄積した信号の読み出しを意味している。
このような読み出し方法により、イメージセンサのリセットノイズがキャンセルされ、さらに、ビーム光が、各画素に照射される時間は、短時間であるため、暗電流も問題になりにくい。読み出し回路は、説明の簡単化のため、図3のような容量を用いたサンプルホールド回路の例を示したが、この部分に増幅型のノイズキャンセル回路を用いれば、読み出し回路のノイズも低減することができる。これらにより、非常に低雑音な読み出しが行える。
なお、V1,V2,V3は、各ビームごとの画素部の列を選択する信号であり、これらと、画素部の制御信号S1〜S9と、O/Eの信号の対応関係を図5に示す。
次に、2次元ビームのピーク輝度の信号だけを選択的に読み出すイメージセンサの実施例を説明する。そのブロック図を図6に示す。2次元ビームは、画素アレイをビームの数に相当する領域ごとのブロックに分け、そのブロックの中をそれぞれ走査する。各ビーム光は、図6に示すように、ブロック内で、その左端の列の最下部から上方に走査し、最上部に達したのちは、右の列の最下部に移動し、上方に走査することを繰り返す。図6の場合は、ブロック内は3行、3列であり、それぞれのビーム光は垂直方法に3画素、水平方向には3列ずつ走査される。各ビーム光が3列目の最上部に達したら、最初の列の最下部に戻る。これですべての画素上を走査したことになり、1枚の共焦点像が得られる。
2次元ビームにすることにより、1次元ビームの場合に比べて、同じフレーム周期に対して各画素ごとの滞在時間が長くなり、信号の蓄積時間を長くできるので感度向上が期待できる。この利点を有効に活用するために、信号の読み出し期間を有効に利用する信号の蓄積を行うようにする。また、1次元ビームの場合と同様、画素部のリセットノイズを除去できるタイミングとすることが必要である。そのタイミング図を図7に示す。1次元ビームの場合、信号を水平読み出しするための期間を利用して信号蓄積を行っているが、2次元ビームでは、図7に示すように、縦方向のブロックの垂直方向の読み出し期間の一部と、それらを水平走査する期間の両方の期間を利用して信号の蓄積を行うことで、十分な蓄積時間を得られるようにし、感度向上を図っている。リセットノイズをキャンセルするための読み出し動作は、2次元ビームの場合は、やや複雑であるものの、基本的な動作は、1次元ビームの場合と同様であるので、説明は割愛する。
以上、マルチビームにおける実施例を示したが、シングルビームにおいても同様の技術が採用できるものであり、シングルビームにおける採用を排除するものではない。
なお、ここで述べた光ビームの走査方法、ノイズキャンセルの回路方式、画素回路は、あくまで一例であり、本発明の基本的要素、すなわち信号の読み出し期間の一部を使って画素部での信号蓄積を行い、ノイズの主要因であるリセットノイズを除去しながらビーム光による蓄積された信号を読みだすことを満たせば、種々の変形が可能であり、それらを除外するものではない。また、1次元、2次元ビームともに、説明の簡単化のため、9×9画素と、ビーム数が3及び3×3の場合で説明したが、任意の画素数のイメージセンサにと、任意のビーム数の場合に関して、ここで説明した動作が可能であることは自明である。
ここで述べたイメージセンサを共焦点顕微鏡の撮像素子として用いれば、試料からの反射または透過光のビームのピーク位置の信号だけを選択して読み出すことができる。また、CMOSイメージセンサから高感度かつ低雑音で読み出すこと、および、ビーム光のピーク位置に対応する画素の信号を外部に読み出す時間を有効に活用して、ビーム光が1つの画素に照射される時間をできるだけ長くして感度を向上することができる。
1次元マルチビームを用いたビーム光検出用イメージセンサを示す図 画素回路の一例を示す図 ノイズキャンセル回路と、水平読み出し回路を示す図 1次元ビーム検出用イメージセンサの動作タイミングを示す図 1次元ビーム検出用イメージセンサの全体のタイミングを示す図 2次元ビーム光を用いたビーム光検出用イメージセンサを示す図 2次元ビームの信号蓄積と読み出しのタイミングを示す図
符号の説明
1 画素部
2 ノイズキャンセル・水平読み出し回路
3 フォトダイオード
4 MOSトランジスタ
5 アンプ
6 選択スイッチ
7 電流源

Claims (6)

  1. ビーム光による対象物の走査手段と、前記ビーム光による走査と同期して前記ビーム光によるピーク輝度位置の画素の蓄積信号のみを選択的に読み出す手段とを有する光ビーム同期式イメージセンサ。
  2. 前記ビーム光は1次元のアレイ状に対象物を走査するものであり、かつ、画素のアレイから蓄積信号を水平走査により外部に読み出す期間を用いて、次のピーク輝度位置の信号を蓄積するものである請求項1記載の光ビーム同期式イメージセンサ。
  3. 前記ビーム光は分割された複数の画素ブロックに同時に照射され、かつ2次元のアレイ状に対象物を走査するものであり、画素のアレイから各ブロックのビーム光のピーク輝度位置の直前の蓄積信号を垂直方向に走査し、さらに、全ブロックから信号を水平走査により外部に読み出す期間を用いて、次のピーク輝度位置の信号の蓄積を行うものである請求項1記載の光ビーム同期式イメージセンサ。
  4. さらに画素のアレイの周辺にビーム光の数と同じ数の信号記憶手段をアレイ状に並べて設けるとともに、前記画素からの信号を読み出して記憶させ、記憶した信号を1回の水平走査により読み出す手段を設けてなる請求項1記載の光ビーム同期式イメージセンサ。
  5. 前記信号記憶手段は第1及び第2の記憶手段からなり、ビーム光を照射する前のリセットレベルを、画素の周辺に設けた前記第1の信号記憶手段に読み出し、ビーム光を照射後のピーク輝度位置の信号を、周辺部に別に設けた前記第2の信号記憶手段に読み出して、さらに、それらの信号の差を最終出力で求める手段を設けることにより、画素部のリセットノイズと、固定パターンノイズを低減することを特徴とする請求項4記載の光ビーム同期式イメージセンサ。
  6. 請求項1乃至請求項5記載の光ビーム同期式イメージセンサを用いてなる共焦点顕微鏡装置。
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