JP2006214621A - 熱交換器用アルミニウム製フィン、このフィンを用いた熱交換器及びこの熱交換器を用いた空気調和装置又は冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルミニウム製フィン材の切断端面からの腐食を抑制した熱交換器用アルミニウム製フィン、このアルミニウム製フィンを用いた熱交換器、この熱交換器を用いた空気調和機又は冷凍装置を提供すること。
【解決手段】 有機系親水性塗膜を含む塗膜をプレコートしたアルミニウム製フィン材をプレス加工して形成した熱交換器用アルミニウム製フィン、又は、このフィンを用いた熱交換器、空気調和装置又は冷凍装置であって、プレス加工時にアルミニウム製フィン材表面の塗膜を引き伸し、引き伸ばした塗膜によりアルミニウム製フィンの切断端面を被覆する。アルミニウム製フィン材の表面には無機系耐食皮膜が形成され、この皮膜の上に有機系の親水性塗膜、又は、有機系耐食塗膜と有機系親水性塗膜とを形成してもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱交換表面に塗膜を形成したアルミニウム又はアルミニウム合金(以下単にアルミニウムという)製の熱交換器用フィン(以下アルミニウム製フィンという)、該アルミニウム製フィンを用いた熱交換器及び該熱交換器を用いた空気調和装置又は冷凍装置に関する。
近年空気調和装置、冷凍装置等の熱交換器、特に蒸発器として作用する熱交換器には、熱交換効率の向上及び小型化を目的としてスリットフィンやルーバーフィンなどのアルミニウム製フィンが多用されている。また、これらアルミニウム製フィンは、蒸発器に使用される場合には、空気中の水分がフィン表面上で凝縮液化して水滴となってフィン表面上に付着する。また、このフィン表面上の水滴が多くなると、通風抵抗が大きくなり、水滴が飛散しやすくなるという問題を発生するとともに、アルミニウム製フィン材の腐食も起こり易くなるという問題がある。このようなことから、スリットフィンやルーバーフィンなどのアルミニウム製フィンは、付着した水滴を速やかに降下させるために表裏両面に有機系親水性塗膜を形成したものが多く用いられるようになってきている。なお、このような塗膜は、アルミニウム製フィンの腐食を抑制する上でも有効である。
ところで、アルミニウム製フィン材を用いてスリットフィンやルーバーフィンなどのアルミニウム製フィンを製造する場合、以前はアルミニウム製フィン材からアルミニウム製フィンをプレス加工し、プレス加工後に下地耐食処理や塗膜を形成する方式、すなわちポストコート方式が行われていた。しかし、最近は主として生産性向上の観点から、プレス加工前のアルミニウム製フィン材の表面に予め下地耐食処理及び塗膜を形成しておき、このように塗膜を形成したアルミニウム製フィン材からアルミニウム製フィンをプレス加工して製作する方式、すなわちプレコート方式が行われている。このようなアルミニウム製フィンとしては、例えば、特許文献1、特許文献2などがある。
特開平7−195032号公報(第2頁、第4頁) 特開2000−32825号公報(第2頁、第3頁)
ところが、プレコート方式により製作された従来のアルミニウム製フィンは、アルミニウム製フィン材の切断端面に耐食処理が施されず、切断端面においてアルミニウム素地が露出した状態となっていた。このため、従来のアルミニウム製フィンは、フィン形状を形成する外周などの切断端面から腐食し易いという問題があった。
図3〜図6に、プレコート方式により製造されたアルミニウム製フィンの一例としてのスリットフィンの構造を示す。図3は従来のスリットフィンの平面図であり、図4は図3におけるIV−IV断面図であり、図5は図3におけるV−V断面図であり、図6はスリット部の拡大断面図である。これら図に示されるように、従来のスリットフィン20は、アルミニウム製フィン材21の表裏両面に、下地処理としてクロメート処理やベイマイト処理などによる無機系耐食性皮膜を形成し、その上に有機系親水性塗膜22、23(図6参照)が形成されたアルミニウム製フィン材21をプレス加工する方式、すなわちプレコート方式により製作されたものである。また、この従来のスリットフィン20は、図4及び図5に示すように橋梁状切り起こし片部24と切り起こし片部24の後に形成された孔部25とからなる多数のスリット部26が形成されているが、切り起こし片部24及び孔部25の切断端面27、28は、できるだけ鋭利にプレス切断する通常の切断のためのカット(以下ファインカットという)されたものであって耐食処理が施されていなかった。したがって、この従来のスリットフィン20は、スリット部26の切断端面27、28にはアルミニウム製フィン材のアルミニウム素地が露出しており、この切断端面27、28から腐食し易いという問題があった。上記のようにスリットフィン、ルーバーフィンでは、上記のようにフィンの外周形状を形成するための切断端面以外に、切断端面が各スリット部やルーバ部に形成されるので、特に切断端面からの腐食が問題になっていた。
また、フィン表面に有機系親水性塗膜を施した従来のアルミニウム製フィン、例えば上述のスリットフィン20では、外周を形成する切断端面やスリット部の切断端面からの腐食が進行することにより、有機系親水性塗膜22、23の親水性機能が劣化することが本発明者により解明された。これをより詳細に説明する。空気調和装置や冷凍装置の設置される最近の建物内は、気密性、断熱性が向上し、かつ、油分、ホルムアルデヒド、揮発性有機化合物(VOC)等様々な化学物質が浮遊する環境となっている。このため、上記のようなスリットフィン20が蒸発器に用いられると、上記浮遊する化学物質が有機系親水性塗膜22、23の表面に付着堆積し、この付着堆積した浮遊物により親水性が損なわれる。また、水の存在下、付着堆積した浮遊物がアルミニウム製フィン材と接触すると、化学反応を起こしてカルボン酸アルミが生成され、このカルボン酸アルミが有機系親水性塗膜22、23の親水性機能を劣化させていることが分かった。また、このカルボン酸アルミは、アルミニウム製フィン材の腐食によっても生成されることが分かった。したがって、表面に有機系親水性塗膜を施したアルミニウム製フィンでは、アルミニウム製フィン材が腐食されやすいほど、有機系親水性塗膜の親水性機能の劣化が促進されることが分かった。
このように、従来のプレコート方式で製造されたスリットフィンやルーバーフィンなどのアルミニウム製フィンは、外周を形成する切断部、スリット部、ルーバー部などのアルミニウム製フィン材の切断端面から腐食し得るという問題があった。また、従来のプレコート方式で製造されたアルミニウム製フィンでは、アルミニウム製フィン材の切断端面からの腐食によりカルボン酸アルミが生成され、生成されたカルボン酸アルミにより有機系親水性塗膜の親水性機能の劣化が促進されていた。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑み成されたものであって、プレコート方式により製造されるアルミニウム製フィンにおいて、プレコートされた塗膜を引き伸ばしてアルミニウム製フィン材の切断端面を被覆することにより、アルミニウム製フィン材の腐食を防止する熱交換器用アルミニウム製フィンを提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、このようなアルミニウム製フィンを用いた熱交換器を提供することにある。また、本発明の更なる他の目的は、このような熱交換器を蒸発器とした空気調和機又は冷凍装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アルミニウム製フィンにおいては、上下のプレス金型の間隙を従来のファインカット時より大きくすることにより、アルミニウム製フィン材にプレコートされた塗膜により外周を形成する切断部、スリット部、ルーバー部などの切断端面を被覆することができることを知見し、ここに本発明を成したものである。
すなわち、本発明に係る熱交換器用アルミニウム製フィンは、有機系親水性塗膜を含む塗膜をプレコートしたアルミニウム製フィン材をプレス加工して形成する熱交換器用アルミニウム製フィンであって、プレス加工における切断加工時にアルミニウム製フィン材表面の塗膜を引き伸ばし、引き伸ばした塗膜によりアルミニウム製フィンの切断端面が被覆されてなることを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、外周を形成する切断部、スリット部、ルーバー部などのプレス加工における切断加工時にアルミニウム製フィン材にプレコートされた塗膜を引き伸ばし、この引き伸ばした塗膜により外周を形成する切断部、スリット部、ルーバー部などにおける切断端面を被覆しているので、ポストコートの必要性がなく、アルミニウム製フィンの高い生産性を保持することができる。この結果、外周を形成する切断部、スリット部、ルーバー部などにおける切断端面からのフィンの腐食が抑制される。なお、外周を形成する切断部、スリット部、ルーバー部などのプレス加工における切断加工時にアルミニウム製フィン材にプレコートされた塗膜を引き伸ばして切断端面を被覆するためには、上下のプレス金型の噛み合わせ時における上下の切断刃の平面方向のクリアランスをファインカット時より大きくするように調整すれば良い。また、切断刃の切れ味をファインカット時より鈍化させれば、切断部の切断端面をより容易に被覆することができる。また、塗膜の厚さを大きくし、延展性の大きい材料を使用すれば更に容易に切断部の切断端面を被覆することができる。
また、本発明に係る熱交換器用アルミニウム製フィンにおいては、アルミニウム製フィン材の表面に無機系耐食皮膜を形成し、この無機系耐食性皮膜の上に熱可塑性の有機系親水性塗膜を形成するように構成することができる。このように構成すれば、フィン表面において、接触角が小さくなり、空気中の水分が結露した水滴が速やかに流下する。したがって、このような構成のアルミニウム製フィンを蒸発器に用いた場合には、通風抵抗が小さくなり、水滴の飛散を防止することができるばかりでなく、フィン表面での水滴の滞留時間を短くすることができ、アルミニウム製フィン材の耐食性をより一層向上させることができる。また、有機系親水性塗膜が熱可塑性であるので、プレコートされた塗膜を引き伸ばして切断端面を被覆するプレス切断加工を行うことが容易になる。さらに、ルーバー部又はスリット部における切断端面が塗膜により被覆されることにより、フィンの腐食が抑制されるので、有機系親水性塗膜の親水性機能を劣化させるカルボン酸アルミの生成が抑制され、有機系親水性塗膜の耐久性を向上させることができる。
また、本発明に係る熱交換器用アルミニウム製フィンにおいて、アルミニウム製フィン材の表面に無機系耐食性皮膜を形成し、この無機系耐食性皮膜の上に熱可塑性の有機系耐食性塗膜を形成し、さらに、この有機系耐食性塗膜の上に熱可塑性の有機系親水性塗膜を形成するように構成してもよい。このように構成すると、下地皮膜としての耐食性を向上させることができ、かつ、アルミニウム製フィン材の切断断面における腐食抑制効果をより一層向上させることができる。
また、本発明に係る熱交換器は、上記アルミニウム製フィンを用いたことを特徴とする。さらに、本発明に係る空気調和装置又は冷凍装置は、このような熱交換器を蒸発器としたことを特徴とする。
本発明によれば、アルミニウム製フィン材にプレコートされた塗膜により外周を形成する切断部、スリット部、ルーバー部などの切断端面が被覆されているので、高い生産性を保持しながら、アルミニウム製フィン材の腐食を抑制することができる。
図1に本発明を具体化したアルミニウム製フィンの一例としてのスリットフィン1におけるスリット部2の拡大断面図を示す。図1は、前述の従来のスリットフィンに関する図5に対応する図面である。この実施の形態に係るスリットフィン1は、表裏両面に下地処理としてクロメート処理やベイマイト処理などにより無機系耐食性皮膜(下地皮膜)が形成され、さらに、この無機系耐食性皮膜の上に熱可塑性の有機系親水性塗膜4、5が形成されたアルミニウム製フィン材3からプレス加工により製作されたもの、すなわち、プレコート方式により製作されたものである。なお、図1においてはこの無機系耐食性皮膜の図示を省略している。また、スリットフィン1は、図示しないが、平面形状が図3と同一であり、スリット部2の配置が図3に示す従来のものと同一である。また、図1に示すように、スリット部2は、従来のものと同様、橋梁状の切り起こし片部6とこの切り起こし片部6が切り起こされた後に残る孔部7とから形成されている。ただし従来のものとは異なり、スリット部2のプレス加工における切断加工時に、切断部においてアルミニウム製フィン材3が引き千切られたかのような状態となって、アルミニウム製フィン材3が切断される。このとき、アルミニウム製フィン材3の表裏両面の有機系親水性塗膜4、5が引き伸ばされ、この引き伸ばされた有機系親水性塗膜4、5がアルミニウム製フィン材3の切断端面8、9を被覆するようにしたものである。
このように、スリットフィン1のスリット部2のプレス加工における切断加工時にアルミニウム製フィン材3にプレコートされた塗膜を引き伸ばして切断端面8、9を被覆するためには、図2に示すように、上下のプレス金型10、11の噛み合わせ時における上下の切断刃10a、11a間の平面方向のクリアランスY(図2参照)をファインカット時より大きくする。また、切断刃10a、11aの切れ味をファインカット用よりも鈍化したものとするのがより好ましい。このようにすると、スリット部2におけるアルミニウム製フィン材3の切断部において、アルミニウム製フィン材3が引き千切られるように切断される。そして、このとき、アルミニウム製フィン材3の切断エネルギーにより有機系親水性塗膜4、5が部分的に加熱され、同時に上下のプレス金型10、11により引き伸ばされ、引き伸ばされた上下面の有機系親水性塗膜4、5がアルミニウム製フィン材3の切断端面8、9を被覆するように形成される。なお、引き伸ばされた上下面の有機系親水性塗膜4、5が切断端面8、9を被覆することをより容易にするためには、有機系親水性塗膜4、5の厚さを厚くすることが好ましい。
この実施の形態においては、図示しないが、スリットフィン1の外周形状を形成する切断端部のプレス切断加工も、上記スリット部におけるプレス加工と同様に、上下のプレス金型も上下の切断刃間の平面方向のクリアランスをファインカット時より大きくするとともに、上下切断刃の切れ味をそれぞれファインカット用よりも鈍化したものとすることにより、プレコートされた塗膜4、5を引き伸ばして切断端面を被覆するようにしている。
また、この実施の形態における有機系親水性塗膜4、5の材料としては、例えば、熱可塑性の親水性有機樹脂を主成分とする親水性有機樹脂系塗膜A、親水性有機樹脂とコロイダルシリカを主成分とする親水性有機樹脂・コロイダルシリカ系塗膜Bを掲げることができる。
また、熱可塑性の親水性有機樹脂を主成分とする親水性有機樹脂系塗膜Aとしては、分子内に水酸基、カルボキシル基又はアミノ基を含有し、そのままで又は官能基に応じて酸又は塩基で中和することにより、水溶化ないしは水分散化可能な樹脂を掲げることができる。更に、このような樹脂の具体例として、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール(例えばアクリルアミド、不飽和カルボン酸、スルホン酸基含有モノマー、カチオン性モノマー、不飽和シランモノマー等との共重合物)等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリル酸、カルボキシル基含有アクリル樹脂、エチレンとアクリル酸との共重合体(アイオノマー)等のポリアクリル酸系樹脂、ポリエチレングリコール、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂等の合成親水性樹脂等を掲げることができる。また、ポリビニルアルコール系樹脂とポリアクリル酸系樹脂との混合物のような前記樹脂のうちの2種以上からなる樹脂混合物を用いることもできる。
また、親水性有機樹脂とコロイダルシリカを主成分とする親水性有機樹脂・コロイダルシリカ系塗膜Bの形成に用いる親水性有機樹脂としては、熱可塑性の親水性有機樹脂を主成分とする親水性有機樹脂系塗膜Aの形成に用いる親水性有機樹脂と同様のものを使用することができる。また、親水性有機樹脂とコロイダルシリカを主成分とする親水性有機樹脂・コロイダルシリカ系塗膜Bの形成に用いるコロイダルシリカとしては、所謂シリカゾル又は微粉状シリカであって、粒子径が5nm〜10μm、好ましくは5nm〜1μmを水に分散させたもの、又は、コロイダルシリカをアルコキシシランと反応させて複合化したものを掲げることができる。
以上説明した本実施の形態に係るスリットフィン1は、表裏両面に有機系親水性塗膜4、5が形成されているので、空気中の水分が結露してこのスリットフィン1に水滴となって付着した場合、この水滴を速やかに流下させることができる。したがって、このスリットフィン1を用いた熱交換器は、通風抵抗の増大や水滴の飛散を抑制しながら熱交換効率を向上することができる。また、このスリットフィン1を用いた熱交換器は、スリットフィン1表面の水滴滞留時間が短くなり、耐食性が向上する。また、スリットフィン1は、スリット部2のプレス加工における切断加工時にアルミニウム製フィン材3にプレコートされた表裏両面の有機系親水性塗膜4、5を引き伸ばし、引き伸ばされた有機系親水性塗膜4、5によりスリット部2の切断端部の切断端面8、9及び外周を形成する切断部の切断端面を被覆しているので、高い生産性を保持しながら、アルミニウム製フィン材3の腐食を抑制することができる。また、このスリットフィン1は、上記のように有機系親水性塗膜4、5の親水性機能を劣化するカルボン酸アルミの生成が抑制されるので、有機系親水性塗膜4、5の耐久性が向上する。
以上の説明では、橋梁状の切り起こし片部6と切り起こし片部6が切り起こされた後に残る孔部7とからなるスリット部2を多数備えたスリットフィン1について説明したが、切り起こし片部がルーバー状に形成されるルーバー部を多数備えた所謂ルーバーフィンや、ルーバ部やスリット部を有しない所謂フラットフィンにおいても同様に構成することができる。ルーバーフィンやフラットフィンをこのように構成すると、このルーバーフィンは、表裏両面に熱可塑性の有機系親水性塗膜が形成されているので、通風抵抗の増大や水滴の飛散を抑制しながら熱交換効率を向上することができる。また、このようなルーバーフィン及びフラットフィンは、表面の水滴滞留時間が短くなり耐食性が向上する。また、このようなルーバーフィン及びフラットフィンは、上下のプレス金型の噛み合わせ時における上下切断刃の平面方向のクリアランスをファインカット時より大きくするように調整するとともに、切断刃の切れ味をファインカット時より鈍化させることにより、外周を形成する切断部及びルーバー部の切断部において、アルミニウム製フィン材が引き千切られたように切断され、同時にアルミニウム製フィン材の表裏両面にプレコートされた熱可塑性の有機系親水性塗膜が引き伸ばされ、アルミニウム製フィン材の切断端面を被覆するようにすることができる。このように構成されたルーバーフィン及びフラットフィンは、前述のスリットフィン1の場合と同様に、高い生産性を保持しながら、親水性塗膜表面の撥水化を抑制するとともに、アルミニウム製フィン材の腐食を抑制することができる。
上述のスリットフィン及びルーバーフィンにおいて、上下のプレス金型の噛み合わせ時における上下の切断刃の平面方向のクリアランス及び切断刃の切れ味は、塗膜の延展性、塗膜の厚さ、アルミニウム製フィン材の板圧などの物理的特性により適正値が変化するものであって、実験的にこの適正値を見出すことができる。
上記実施の形態において、スリットフィン1及びフラットフィンの耐食性を向上させるために下地処理として無機系の耐食性皮膜の上に、すなわち、有機系親水性塗膜の下に、さらに撥水性の有機系耐食性塗膜を形成してもよい。このようにすると、平面及び切断端面において有機系耐食性塗膜が有機系親水性塗膜の下に形成されるので、より一層耐食性を向上させることができる。また、無機系耐食性皮膜を形成するための化成処理に使用されるクロムなどの公害物質の使用量を軽減することができる。
上記における撥水性の有機系耐食性塗膜の材料としては、例えば、熱可塑性の疎水性樹脂を主成分とする耐食性塗膜を掲げることができる。また、この疎水性樹脂としては、アクリルシリコーン樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルスチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、又は、これら樹脂のうちの2種以上の樹脂からなる混合物等を掲げることができる。
上述のスリットフィン及びルーバーフィンを用いた熱交換器は、使用中における熱交換器からの水滴の飛散を防止するとともに耐食性に優れた熱交換器とすることができる。また、このような熱交換器を蒸発器とした空気調和装置又は冷凍装置は、運転中に水滴が機外に飛散するのを防止するとともに、耐久性に優れた性能を発揮することができる。
本発明のアルミニウム製フィンは、アルミニウム製フィン材からプレス加工により製作される全てのアルミニウム製フィンに適用される。また、本発明のアルミニウム製フィンは、多数のプレートフィンを小さい間隔を置いて多数のフィンを積み重ねるクロスフィンコイル等に利用される。
本発明の実施の形態に係るスリットフィンスリット部の拡大断面図である。 同スリットフィンの製造時用に使用される上下のプレス金型の噛み合わせ時における上下切断刃の平面方向のクリアランス説明図である。 従来のスリットフィンの平面図である。 図3におけるIV−IV断面図である。 図3におけるV−V断面図である。 同スリットフィンにおけるスリット部の拡大断面図である。
符号の説明
Y クリアランス
1 スリットフィン
2 スリット部
3 アルミニウム製フィン材
4 有機系親水性塗膜
5 有機系親水性塗膜
6 切り起こし片部
7 孔部
8 切断端面
9 切断端面
10、11 プレス金型
10a、11a 切断刃

Claims (5)

  1. 有機系親水性塗膜を含む塗膜をプレコートしたアルミニウム製フィン材をプレス加工して形成する熱交換器用アルミニウム製フィンであって、プレス加工時にアルミニウム製フィン材表面の塗膜を引き伸ばし、引き伸ばした塗膜によりアルミニウム製フィンの切断端面が被覆されてなることを特徴とする熱交換器用アルミニウム製フィン。
  2. 請求項1記載の熱交換器用アルミニウム製フィンにおいて、アルミニウム製フィン材の表面に無機系耐食皮膜が形成され、この無機系耐食性皮膜の上に熱可塑性の有機系親水性塗膜が形成されてなることを特徴とする熱交換器用アルミニウム製フィン。
  3. 請求項1記載の熱交換器用アルミニウム製フィンにおいて、アルミニウム製フィン材の表面に無機系耐食性皮膜が形成され、この無機系耐食性皮膜の上に熱可塑性の有機系耐食性塗膜が形成され、さらに、この有機系耐食性塗膜の上に熱可塑性の有機系親水性塗膜が形成されてなることを特徴とする熱交換器用アルミニウム製フィン。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の熱交換器用アルミニウム製フィンを用いたことを特徴とする熱交換器。
  5. 請求項4記載の熱交換器を蒸発器としたことを特徴とする空気調和装置又は冷凍装置。
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