JP2006212980A - 光学部品成形装置および光学部品成形方法 - Google Patents

光学部品成形装置および光学部品成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 各部分間の温度差に起因する軸ずれを防止することにより,光学部品の成形にも使用できるほど高い成形精度を持つ光学部品成形装置およびその方法を提供すること。【解決手段】 固定金型7を取り付ける固定プラテン1と,後部プラテン3と,固定プラテン1と後部プラテン3との間に設けられ互いに平行な上方および下方タイバー4,9と,上方および下方タイバー4,9に対して摺動可能に設けられ,可動金型8を取り付ける可動プラテン5とを有する光学部品成形装置において,固定プラテン1,後部プラテン3,可動プラテン5,上方タイバー4,および下方タイバー9にそれぞれ温度調整機を設け,各部分を個別に温度調整して成形を行うようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は,金型を用いて光学部品を成形する光学部品成形装置およびその方法に関する。さらに詳細には,成形装置の各部分間の温度差もしくはその変動に起因する軸ずれを防止して成形精度の向上を図った光学部品成形装置およびその方法に関するものである。
従来から,金型を用いて射出成形により種々の成形品を製造することが行われている。例えば特許文献1には,情報記録媒体用のディスクを成形するための方法およびその成形機が開示されている。この文献に記載されている成形機は概略,図7に示すように構成されている。すなわちこの成形機は固定プラテン101と,シリンダ103とを有しており,これらの間に4本のタイバー104が架設されている。そしてタイバー104には可動プラテン105が摺動可能に支持されている。可動プラテン105はシリンダ103により駆動されるようになっている。固定プラテン101,可動プラテン105にはそれぞれ固定金型107,可動金型108が取り付けられている。
そして,シリンダ103により可動金型108を固定金型107に対して型締めした状態で,射出ユニット111から樹脂材料を供給してディスクを成形するのである。ここにおいて,固定プラテン101,可動プラテン105は温度調整を受けている。固定金型107および可動金型108を樹脂の成形温度に加熱するためである。
特開平10−323872号公報
しかしながら,前記した従来の成形機を,レンズその他の光学部品の成形に利用しようとすると,以下のような問題点があった。すなわち,従来の成形機では,固定プラテン101および可動プラテン105のみが温度調整を受けている。このような温度調整では,成形の軸ずれを防止するには不十分なのである。このため,成形機全体としては各部分間に相当に温度不均一があるままで成形が行われることになる。例えば,4本のタイバー104のうち下のものより上のものの方が高温になりがちである。温度調整により昇温した空気が上方へ向かうからである。これは,固定プラテン101と可動プラテン105との平行性を害する要因となる。また,連続成形する際に各部分間の温度差が変動することもある。これは,連続成形される個々の製品間でのばらつきの要因となる。
また,シリンダ103は温度調整を受けていないので,固定プラテン101や可動プラテン105程には昇温しない。これは,タイバー104同士の平行性を害し,さらに個々のタイバー104の直線性をも害する。このような状況で可動プラテン105がスムーズに動くためには,可動プラテン105とタイバー104との間のクリアランスを10μm以上取る必要がある。しかしこれは,成形品の表裏面間の軸合わせ精度に跳ね返る。このことにより,光学部品のように極度に高い形状精度が求められるものの成形には不都合なのである。特に,携帯機器に搭載されるレンズや光ディスクの読み取り装置に用いられるピックアップレンズのような微小な光学部品の成形においては致命的であった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,各部分間の温度差あるいはその変動に起因する軸ずれを防止することにより,光学部品の成形にも使用できるほど高い成形精度を持つ光学部品成形装置およびその方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の光学部品成形装置は,固定金型を取り付ける固定プラテンと,固定プラテンに設けられ互いに平行な複数本のタイバーと,複数本のタイバーに対して摺動可能に設けられ,可動金型を取り付ける可動プラテンとを有し,固定金型と可動金型とで光学部品を成形する装置であって,固定プラテンと,複数本のタイバーとを所定温度に温度調整する温度調整機を有している。あるいは本発明の光学部品成形装置は,後部プラテンをさらに有し,複数本のタイバーが固定プラテンと後部プラテンとの間に設けられた装置であって,温度調整機が固定プラテンと後部プラテンとを所定温度に温度調整するものである。なお,可動プラテンをも温度調整機の温度調整の対象に含まれていればさらによい。
また,本発明の光学部品成形方法は,固定金型を取り付ける固定プラテンと,固定プラテンに設けられ互いに平行な複数本のタイバーと,複数本のタイバーに対して摺動可能に設けられ,可動金型を取り付ける可動プラテンとを用い,固定金型と可動金型とで光学部品を成形するに際し,固定プラテンと,複数本のタイバーとを所定温度に温度調整しつつ成形を行う方法である。あるいは,後部プラテンをさらに用い,複数本のタイバーが固定プラテンと後部プラテンとの間に設けられた構成とし,固定プラテンと後部プラテンとを所定温度に温度調整しつつ成形を行う方法である。なお,可動プラテンをも温度調整機の温度調整の対象に含めればさらによい。
本発明においては,固定プラテンばかりでなく,タイバーと後部プラテンとの少なくとも一方も温度調整の対象となっている。このため,各部分間の温度差あるいはその変動が小さい状態で成形を行うことができる。このため成形品の形状精度がよく,微小な光学部品の成形にも好適である。
本発明においては,各温度調整対象の温度を個別に調整することが望ましい。温度調整対象たる構成要素ごとに,熱容量や放熱性,受熱性に差があり,昇温しやすさが違うからである。これらを個別に温度調整することにより,全体としての温度不均衡を最小限に押さえ込むことができる。特にタイバーについては,上方のタイバーと下方のタイバーとを別々に温度調整することが望ましい。上方のタイバーは,金型の周囲で加熱された空気の上昇により,下方のタイバーより熱を多く受けるからである。これにより,各温度調整対象間の温度差が最大でも5.5K(より好ましくは1K)を超えないようにして成形を行うのがよい。あるいは,各温度調整対象間の温度差の変動が1Kを超えないようにして成形を行うこととするのもよい。こうすれば,光学部品の成形にも十分な精度が得られる。
本発明によれば,各部分間の温度差もしくはその変動に起因する軸ずれを防止することにより,微小光学部品の成形にも使用できるほど高い成形精度を持つ光学部品成形装置およびその方法が提供されている。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,携帯端末搭載カメラ用のレンズを製造するためのレンズ成形装置として本発明を具体化したものである。
本形態のレンズ形成装置は,図1に示すように構成されている。すなわち,フレーム2上に,固定プラテン1と後部プラテン3とが配置されている。これらのプラテンは,フレーム2に対して固定して設けられている。これらのプラテンを図1中側方から見ると,ほぼ正方形である。そして,固定プラテン1と後部プラテン3との間には,上方タイバー4と,下方タイバー9とが架設されている。上方タイバー4および下方タイバー9はいずれも実際には2本ずつあり,固定プラテン1および後部プラテン3の四隅に配置されている。上方タイバー4および下方タイバー9は,固定プラテン1および後部プラテン3に対して固定して設けられており,互いに平行である。
固定プラテン1と後部プラテン3との間に,可動プラテン5が配置されている。可動プラテン5は,図1中側方から見てほぼ正方形であり,その四隅付近を上方タイバー4および下方タイバー9が貫通している。可動プラテン5における各タイバーの貫通箇所には,ガイドブッシュ51が設けられている。ガイドブッシュ51と各タイバーとの間のクリアランスは3μmに設定されている。可動プラテン5は,上方タイバー4および下方タイバー9に対して摺動可能である。可動プラテン5は,フレーム2から浮いた状態で上方タイバー4および下方タイバー9に支持されている。後部プラテン3には,油圧プレス6が設けられている。油圧プレス6と可動プラテン5は,タイロッド61により接続されている。すなわち,油圧プレス6の駆動により油圧プレス6を図1中左右に移動させることができるようになっている。
固定プラテン1における可動プラテン5側の面には,固定金型7が取り付けられている。固定プラテン1におけるその裏側には,射出ユニット11が設けられている。固定プラテン1における可動プラテン5側の面には,可動金型8が取り付けられている。さらに,後部プラテン3の温度調整をする温度調整機12,可動プラテン5および可動金型8の温度調整をする温度調整機13,固定プラテン1および固定金型7の温度調整をする温度調整機14,下方タイバー9の温度調整をする温度調整機15,上方タイバー4の温度調整をする温度調整機16が設けられている。温度調整機12〜16は,オイルヒータであり,各々独立に調整対象の温度を調整するようになっている。温度調整機15,16はそれぞれ,2本のタイバーの温度調整を併せて担当する。
なお使用する溶融樹脂の種類は,例えば,特開2004−144951号公報,特開2004−144953号公報,特開2004−144954号公報に記載されているものであればよい。
上記のように構成された本形態のレンズ形成装置は,温度調整機12〜16で各部を所定温度(110〜130℃程度)に昇温させ,その状態で成形を行う。すなわち,昇温した状態で図2に示すように型締めする。その状態で射出ユニット11から両金型間のキャビティに溶融樹脂を供給してレンズを成形するのである。ここで,固定プラテン1および可動プラテン5ばかりでなく,後部プラテン3,上方タイバー4および下方タイバー9も温度調整されている。このため本形態のレンズ形成装置では,全体の温度差を5.5K以内に維持し,さらに温度差の変動が1Kを超えないようにして成形を行うようにしている。その詳細は後述する。このため,全体の熱膨張が均一であり,昇温状態でも,固定プラテン1と可動プラテン5との軸合わせ精度および平行度が良好に維持されている。各タイバー間の平行度も同様である。したがって,クリアランスが僅少に設定されているにもかかわらず,可動プラテン5の摺動はスムーズである。また,成形されるレンズの形状精度(面精度や表裏面の偏芯精度)は非常に高く,携帯端末搭載カメラ用やピックアップ用等の小径のレンズにも対応できる。
以下,このことをさらに詳細に説明する。
まず,後部プラテン3が温度調整されていることによる効果を説明する。もし,後部プラテン3が温度調整されていないと,後部プラテン3の温度は,上方タイバー4および下方タイバー9からの熱伝導により上昇することになる。このため,後部プラテン3の温度上昇は,固定プラテン1や可動プラテン5の温度上昇より遅れ,到達温度も低いこととなる。したがって,後部プラテン3の熱膨張が,固定プラテン1や可動プラテン5の熱膨張より小さい状態で成形が行われることとなる。このため,成形時の各部分の状況は,図3に模式的に示す状況となる。すなわち,後部プラテン3と固定プラテン1との熱膨張の差のために,タイバー間隔がプラテン間で違ってしまう。このため,上方タイバー4および下方タイバー9が撓んでしまい,平行性も害されている。また,上から見た図4で分かるように,上方タイバー4同士の平行性も害されている。下方タイバー9同士の平行性も同様に害されている。むろん図3および図4は,各部の変形を相当に誇張して描いたものである。
なお,後部プラテン3と他のプラテンとの温度差がある決まった値である状況を基準として,その状況下でタイバー間の平行性が出るように設計することも,一応可能ではある。しかし,後部プラテン3が温度調整されていないと,後部プラテン3と他のプラテンとの温度差は一定せず変動してしまう。このため結局,実際にはタイバー間の平行性は担保されないのである。
これらのような状態では,上方タイバー4および下方タイバー9に対する可動プラテン5の摺動性にも当然影響する。このような状況下でも可動プラテン5がスムーズに動くためには,ガイドブッシュ51のクリアランスが10μm以上必要である。しかしそれでは,可動プラテン5の位置精度がその分悪い。
これに対し,後部プラテン3が温度調整されている本実施の形態ではこのような弊害はない。すなわち,ガイドブッシュ51のクリアランスが3μmと小さくても可動プラテン5がスムーズに動く。このため,光学性能のよいレンズを成形することができるのである。
次に,上方タイバー4および下方タイバー9が別々に温度調整されていることによる効果を説明する。もし,上方タイバー4および下方タイバー9が温度調整されていないと,上方タイバー4および下方タイバー9の温度は,固定プラテン1,後部プラテン3,および可動プラテン5からの熱伝導により上昇することになる。このため,上方タイバー4および下方タイバー9の温度上昇は,固定プラテン1等の温度上昇より遅れ,到達温度も低いこととなる。したがって,上方タイバー4および下方タイバー9の径方向の熱膨張が可動プラテン5の熱膨張と異なり,歪みが生じてしまう。このためやはり,ガイドブッシュ51のクリアランスを大きくしておかないと可動プラテン5がスムーズには動かない。
さらに,上方タイバー4については,固定金型7や可動金型8の周囲で加熱された空気の上昇気流による加熱をも受ける。下方タイバー9がこの上昇気流による加熱を受けることはない。このため,上方タイバー4と下方タイバー9との間に温度差が生じ,上方タイバー4の方がより高温となる。したがって,上方タイバー4の熱膨張が下方タイバー9の熱膨張より大きい状態で成形が行われることとなる。このため,成形時の各部分の状況は,図5に模式的に示す状況となる。すなわち,上方タイバー4と下方タイバー9との熱膨張差のために,固定プラテン1および後部プラテン3が少し傾いてしまっている。むろん図5は,各部の変形を相当に誇張して描いたものである。
なお,タイバー間の温度差等がある決まった値である状況を基準として,その状況下で可動プラテン5がスムーズに動きプラテン間の平行性が出るように設計することも,一応可能ではある。しかし,各タイバーが温度調整されていないと,各部分間の温度差は一定せず変動してしまう。このため結局,実際にはうまくいかないのである。
これらのような状態では,可動プラテン5の位置精度および角度精度が不十分である。また,可動プラテン5と固定プラテン1との平行性が害されている。この状態でレンズを成形すると当然ながら,固定金型7と可動金型8との軸ずれが発生する。このために,得られるレンズの光学性能が悪いのである。成形されるレンズの表裏面間に偏芯があるからである。
これに対し,上方タイバー4および下方タイバー9を温度調整することにより,このような弊害を緩和することができる。特に本実施の形態では,上方タイバー4および下方タイバー9が別々に温度調整されているので,上方タイバー4と下方タイバー9との温度差が微小な状態で成形を行うことができる。このため,形状精度のよいレンズが得られるのである。
以下,各部の温度と変形状況の測定例(比較例を含む)を説明する。まず,本測定例においては,各タイバーの測温箇所は,固定プラテン1と可動プラテン5の中間位置とした。また,上方タイバー4のうち操作側(操作部が設置される側,通常は図4中下側)のものについては,この他に後部プラテン3付近の位置をも測定した(以下,「X」で示す。)。1本のタイバー内の長さ方向での温度不均一を把握するためである。
表1(比較例1)は,温度調整しない場合の測定結果である。温度の単位はいずれも「℃」である(表2以下においても同じ)。なお試験中を通して,室温は26℃であった。成形中の金型温度(固定金型7および可動金型8)は115℃,射出ユニット11中の樹脂温度は260℃であった。「昇温直後」とは,固定金型7および可動金型8が成形温度115℃に達した直後のことである。表1に「成形開始3時間後」の欄が設けられているのは,固定金型7および可動金型8が成形温度に達してから,各部分の温度が概ね安定するのに3時間程度かかるからである。これより,成形開始後3時間経過までを「成形初期」といい,その後を「成形安定後」ということがある。
Figure 2006212980
これより,各部分間の昇温直後の温度差(絶対値)が,表2に示すように算出される。表中,「可動P」,「固定P」,「後部P」とあるのはそれぞれ,可動プラテン5,固定プラテン1,後部プラテン3を示す。また,「タイバー間」とあるのは,上方タイバー4および下方タイバー5の計4本間での最大の温度差を示す。また,「タイバー長」とあるのは,操作側の上方タイバー4についての2箇所の測温箇所間の温度差を示す。表2から,固定プラテン1および可動プラテン5と,後部プラテン3との間にはかなりの温度差があることがわかる。同様に,タイバーの長手方向での温度差もかなりある。また,固定プラテン1と可動プラテン5との間にもある程度の温度差がある。これは,後部プラテン3との間の距離の違いによるものと考えられる。また,上下のタイバー間にもある程度の温度差がある。
Figure 2006212980
固定金型7および可動金型8を昇温すると各プラテン間に表2のような温度差が生じる。その結果,可動プラテン5と固定プラテン1との間に17μmの軸ずれが発生した。
表2中の「軸ずれ」の欄は,プラテン間の温度差に起因する固定金型7と可動金型8との間の軸ずれ量である。「必要C」の欄は,各々の部分の熱膨張差に対し,可動プラテン5がスムーズに動くために必要なクリアランスであり,実験的に求めると50μm必要であった。「平行度」の欄は,固定プラテン1と後部プラテン3との平行度の低下の程度を示す。タイバー間の温度差により,平行度35μmのずれが発生した。「軸ずれ」,「必要C」,「平行度」の単位はいずれも「μm」である(表3以下においても同じ)。表2中ではいずれも,かなり大きい(悪い)数値となっている。
Figure 2006212980
Figure 2006212980
表3および表4は,固定プラテン1および可動プラテン5のみ温度調整した場合の測定結果を示している。この場合でも後部プラテン3は,固定プラテン1および可動プラテン5に対して大きな温度差を有している。このためやはり,軸ずれ量が大きい値となっている。
Figure 2006212980
成形開始から各部の温度が安定する3時間後,レンズ形成装置の各部の温度差は,表5に示す結果となった。表5の「成形初期の温度差」の欄は,表1中の「成形開始3時間後」の欄の数値から各部分間の温度差(絶対値)を求めたものである。表5の「軸ずれ」の欄は,昇温直後(成形開始時)とその3時間後との間で,固定金型7と可動金型8との間の軸ずれ量に2μmの違いがあることを示している。これは各プラテン間の温度差によるものである。同様に上下のタイバー間に9.6℃の温度差が生じ,平行度9μmのずれが発生したことを示している。各プラテン間の温度差によりタイバー間隔にずれが生じる。また,各タイバーはその温度上昇により径方向へ膨張する。そのため,可動プラテン5がスムーズに動くためには,ある程度以上のクリアランスが必要である。表5の「必要C」の欄は,可動プラテン5がスムーズに動くために必要なクリアランスを示している。これを実験的に求めると,11μm以上であった。
Figure 2006212980
表6は,成形安定後の連続成形中であっても,可動プラテン5の周期的な動き等の原因により,各部の温度差に2℃程度の変動があることを示している。成形安定後の連続成形中に各プラテン間の温度差が2℃変動することで,1μmの軸ずれが発生した。
次に,固定プラテン1,可動プラテン5の他,後部プラテン3,上方タイバー4,下方タイバー9をも温度調整した場合(実施例1)について説明する。この場合の結果を表7〜表9に示す。表7に示すように昇温直後の各部分の温度差を5.5℃以下に抑えることで,昇温による軸ずれをわずか3μmに抑えることができた。昇温直後の温度差が1℃以内となるようなさらに厳密な温度調整をすれば,軸ずれを0.5μm程度にまで抑えることも可能であった(表10)。
このことにより,あらかじめ可動プラテン5と固定プラテン1との軸を合わせておけば,昇温による軸ずれを防止でき,成形開始後直ちに良品を得ることができた。また,表8に示すように,連続成形を開始することにより発生する温度差(成形初期の温度差)を1℃以内とすることで,この間に発生する軸ずれを0.5μm以下に抑えることができた。そしてさらには表9に示すように,連続成形中の温度差を1℃以内にすることで,連続成形中に発生する軸ずれをも0.5μm以下に抑えることができた。その結果,歩留まりが著しく向上した。
また,表8〜表10に示すように,昇温から連続成形かけて上下のタイバー間の温度差を1℃以内とすることで,プラテン間の平行度のずれをわずか4μmに抑えることができた。このようにレンズ形成装置の各部の温度調整を行うことで,可動プラテン5がスムーズに動くためのクリアランスを5μmとすることができた。また軸ずれを0.5μmに抑えることができた。
Figure 2006212980
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次に,可動プラテン5を,図6に示すようにフレーム2上を摺動するものとしたフレーム支持方式の場合の測定例(比較例2および実施例2)を示す。この場合の可動プラテン5は,必ずしも,上方タイバー4および下方タイバー9のすべてに貫通されるものでなくてもよい。また,可動プラテン5のクリアランス自体,問題とならない。各部の温度差やその変動の値自体は,表1に示したものと同じであった。表11および表12は,固定プラテン1と可動プラテン5のみ温度調整した比較例2の場合である。表13および表14は,固定プラテン1,可動プラテン5の他,後部プラテン3,上方タイバー4,下方タイバー9をも温度調整し,各要素間の温度差が1Kを超えず,その変動も1Kを超えないように制御した場合である。この場合にも,各要素をすべて温度調整することにより,軸ずれや平行度低下を著しく低減できていることがわかる。
以上詳細に説明したように本実施の形態のレンズ成形装置では,固定プラテン1および可動プラテン5を温度調整するのみならず,後部プラテン3も温度調整することとしている。また,上方タイバー4および下方タイバー9も温度調整することとしている。ここにおいて,後部プラテン3,上方タイバー4,および下方タイバー9の温度調整はそれぞれ,他の温度調整から独立して行われるようになっている。このため,成形温度に昇温した状態でも,各部分が個別に目標温度に維持される。したがって本実施の形態のレンズ成形装置では,各部分間の温度差が5.5K(より好ましくは1K)を超えないように温度調整された状態で成形を行うことができる。このため成形時にも,各タイバーの平行性,固定プラテン1と可動プラテン5との平行性とも良好である。
また,各部分間の温度差が1Kを超えて変動しないように温度調整された状態で成形を行うことができる。このため成形時において,各タイバーの平行性,固定プラテン1と可動プラテン5との平行性が一定に維持される。かくして,携帯機器用等の小径のレンズにも対応できるレンズ成形装置が実現されている。むろんその対象は光学部品に限られるものではなく,表裏の位置ずれへの要求精度の厳しいあらゆる部品の成形に対応できる。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,図6に示したフレーム支持方式の場合,さらにLMガイド等のサポート付の構成であってもよい。また,フレーム2をも温度調整することとしてもよい。また,可動プラテン5を駆動する手段は,油圧プレスに限られない。電動トグル機その他何でもよい。また,可動プラテン5と固定プラテン1とは,温度調整機を共用してもよい。上方タイバー4や下方タイバー9については,個々の1本1本がそれぞれ専用の温度調整機を持つようにしてもよい。温度調整機は,オイルヒータに限らず,水循環式や電熱交換素子方式のものでもよい。タイバーの総本数は,「4」に限定されるわけではない。さらに,縦型成形機でもよい。
実施の形態に係るレンズ成形装置の構成を示す正面図である。 成形時の状況を示す正面図である。 後部プラテンの温度調整がない状態での各部の状況を示す模式図(正面図)である。 後部プラテンの温度調整がない状態での各部の状況を示す模式図(平面図)である。 タイバーの温度調整がない状態での各部の状況を示す模式図(正面図)である。 実施の形態の変形例に係るレンズ成形装置の構成を示す正面図である。 従来の射出成形機の概念図である。
符号の説明
1 固定プラテン
3 後部プラテン
4 上方タイバー
5 可動プラテン
9 下方タイバー
12 温度調整機
13 温度調整機
14 温度調整機
15 温度調整機
16 温度調整機

Claims (10)

  1. 固定金型を取り付ける固定プラテンと,前記固定プラテンに設けられ互いに平行な複数本のタイバーと,前記複数本のタイバーに対して摺動可能に設けられ,可動金型を取り付ける可動プラテンとを有し,固定金型と可動金型とで光学部品を成形する光学部品成形装置において,
    前記固定プラテンと,前記複数本のタイバーとを所定温度に温度調整する温度調整機を有することを特徴とする光学部品成形装置。
  2. 固定金型を取り付ける固定プラテンと,後部プラテンと,前記固定プラテンと前記後部プラテンとの間に設けられ互いに平行な複数本のタイバーと,前記複数本のタイバーに対して摺動可能に設けられ,可動金型を取り付ける可動プラテンとを有し,固定金型と可動金型とで光学部品を成形する光学部品成形装置において,
    前記固定プラテンと,前記後部プラテンとを所定温度に温度調整する温度調整機を有することを特徴とする光学部品成形装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学部品成形装置において,
    前記温度調整機の温度調整の対象に前記可動プラテンが含まれることを特徴とする光学部品成形装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の光学部品成形装置において,
    前記温度調整機は,各温度調整対象の温度を個別に調整するものであり,各温度調整対象間の温度差が5.5K以内となるように温度調整することを特徴とする光学部品成形装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の光学部品成形装置において,
    前記温度調整機は,各温度調整対象の温度を個別に調整するものであり,各温度調整対象間の温度差の変動が1K以内となるように温度調整することを特徴とする光学部品成形装置。
  6. 固定金型を取り付ける固定プラテンと,前記固定プラテンに設けられ互いに平行な複数本のタイバーと,前記複数本のタイバーに対して摺動可能に設けられ,可動金型を取り付ける可動プラテンとを用い,固定金型と可動金型とで光学部品を成形する光学部品成形方法において,
    前記固定プラテンと,前記複数本のタイバーとを所定温度に温度調整しつつ成形を行うことを特徴とする光学部品成形方法。
  7. 固定金型を取り付ける固定プラテンと,後部プラテンと,前記固定プラテンと前記後部プラテンとの間に設けられ互いに平行な複数本のタイバーと,前記複数本のタイバーに対して摺動可能に設けられ,可動金型を取り付ける可動プラテンとを用い,固定金型と可動金型とで光学部品を成形する光学部品成形方法において,
    前記固定プラテンと,前記後部プラテンとを所定温度に温度調整しつつ成形を行うことを特徴とする光学部品成形方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載の光学部品成形方法において,
    温度調整の対象に前記可動プラテンが含まれることを特徴とする光学部品成形方法。
  9. 請求項6から請求項8までのいずれか1つに記載の光学部品成形方法において,
    各温度調整対象の温度を個別に調整し,各温度調整対象間の温度差が5.5K以内となるように温度調整しつつ成形を行うことを特徴とする光学部品成形方法。
  10. 請求項6から請求項9までのいずれか1つに記載の光学部品成形方法において,
    各温度調整対象の温度を個別に調整し,各温度調整対象間の温度差の変動が1K以内となるように温度調整しつつ成形を行うことを特徴とする光学部品成形方法。
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