JP2006210962A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】単一の素子で、動作電圧が低く、発光効率の高い白色発光が可能な発光素子を得ることを目的とする。
【解決手段】少なくともInとGaとを含む窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層4を含む積層構造を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、発光層4は面内でIn比率の比較的小さい領域とIn比率の比較的大きい領域とを有する構成とし、それぞれの領域で青色と黄色の光を発光させ、これらの混合により発光層4の全体から白色光を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード等の光デバイスに利用される窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に係り、特に白色発光が可能な発光素子に関する。
窒化ガリウム系化合物半導体は、直接遷移型であることから高い発光効率が期待できる。また、光の三原色の一つである青色の発光が得られるので、可視光発光デバイス用の半導体材料として多用されるようになり、特に青色発光ダイオード用の発光素子の分野での展開が進んでいる。
青色発光素子の製造においては、有機金属気相成長法によって窒化ガリウム系化合物半導体薄膜を形成するのが近来では主流である。この方法は、基板を設置した反応管内にIII族元素の原料ガスとして有機金属化合物ガス(トリメチルガリウム(以下、「TMG」と略称する。)、トリメチルアルミニウム(以下、「TMA」と略称する。)、トリメチルインジウム(以下、「TMI」と略称する。)等)と、V族元素の原料ガスとしてアンモニアやヒドラジン等を供給し、基板温度をおよそ900℃〜1100℃の高温で保持して、基板の上に窒化ガリウム系化合物半導体からなるn型層とp型層(またはi型層)とを成長させて、これらを積層形成するというものである。そして、この成長形成の後、p型層(またはi型層)の一部の領域をエッチングにより除去してn型層を露出させ、露出した部分のn型層の表面およびp型層(またはi型層)の表面のそれぞれに電極を、例えば蒸着法によって接合形成したものとして発光素子を得ることができる。
ところで、このような窒化ガリウム系化合物半導体を用いた青色発光素子と、従来知られている砒化ガリウム(GaAs)系化合物半導体を用いた赤色発光素子とリン化ガリウム(GaP)系化合物半導体を用いた緑色発光素子とを組み合わせ、各素子からの発光を混合すると、白色の発光が得られることは周知のとおりである。ここで、単一の白色発光素子が実現できれば、白色電球や蛍光ランプなどに換えて用いることにより、小型で消費電力の低い白色光源を作ることができる。しかしながら、青色、赤色、緑色の発光素子を組み合わせて白色発光を得る場合、複数の素子が必要となるため、製造コストが高くなるという問題があった。
一方、青色発光が可能な窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を用いた白色発光ダイオードが最近になって開発され、非特許文献1で紹介されている。この発光ダイオードは、青色発光素子の素子表面を覆うように蛍光体をコーティングした構成とすることにより、蛍光体の外部に放出された青色光と、蛍光体で吸収され励起されて放出された黄色光とが得られ、これらの青色光と黄色光の混色により人間の目に白色として見えるというものである。
また、従来から、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた白色発光が可能な発光素子として、図4に示すようなMIS(金属−絶縁層−n型半導体層接合)構造を用いた発光素子が知られている。このような発光素子は、例えば、特許文献1や特許文献2及び特許文献3において開示されている。
図4において、サファイアからなる基板51の上にAlNからなるバッファ層52を介して、n型窒化ガリウム系化合物半導体からなる高キャリア濃度n型層53と、低キャリア濃度n型層54と、ドーピング元素として亜鉛(Zn)とシリコン(Si)を用いたi型の窒化ガリウム系化合物半導体からなるi型層55とが形成されている。そして、i型層55と高キャリア濃度n型層53のそれぞれに接続された電極57と電極58が形成されている。
このような構成によれば、i型層55において亜鉛に対してシリコンのドーピングの割合を適切に変化させることにより、i型層55から白色の発光が得られるので、単一の素子で白色の発光が可能となる。
赤崎勇編著、「青色発光デバイスの魅力」、株式会社工業調査会、1997年5月発行、151頁〜154頁 特開平4−10665号公報 特開平4−10666号公報 特開平4−10667号公報
先に例示した青色発光素子と蛍光体との組み合わせを用いた白色発光ダイオードは、青色発光素子からの青色光と、青色光の一部によって蛍光体が励起されて放出された黄色光との混色によって白色の発光を得るというものである。このため、青色発光素子と蛍光体の組み合わせによってのみ、その効果を有するものである。したがって、コーティングなどによって発光素子の表面に蛍光体を設ける必要があり、製造工程が煩雑であり、単一の素子として白色発光を得ることは困難であるという問題がある。
これに対し、上記のMIS構造を用いた発光素子は、単一の素子で白色の発光が可能である。しかしながら、この発光素子はi型層にドープされたZnとSiの作用により白色を得るものであり、かつMIS構造を用いたものであるため、白色の発光効率が低く、発光強度を十分高くすることができないという問題がある。また、MIS構造を用いた発光素子は動作電圧が10数V程度と非常に高いため、消費電力が高くなるという問題もある。
本発明において解決すべき課題は、単一の素子で、消費電力が低く、かつ発光強度の高い白色発光が可能な窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を提供することにある。
本発明は、少なくともInとGaとを含む窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層を含んだ積層構造を持つ窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、前記発光層は、面内でIn比率の比較的小さい領域とIn比率の比較的大きい領域とを有し、それぞれの領域からの発光の混合により、前記発光層からの発光が白色となるようにしたことを特徴とする。
この構成により、単一の素子で、動作電圧が低く、高効率の白色発光が可能な窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を提供することが可能となる。
少なくともInとGaとを含む窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層から青色と黄色の発光が得られるので、単一の素子で発光効率の高い白色発光が得られる。
また、一層発光効率が向上するとともに、動作電圧が低減されるので、消費電力を削減することが可能となる。
さらに、黄色みや青色みを帯びることなくより一層良好な白色光が得られる。
請求項1に記載の発明は、少なくともInとGaとを含む窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層を含んだ積層構造を気相成長法によって形成した窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、前記発光層は、気相成長時に供給されるGaの有機金属原料ガスとInの有機金属原料ガスとを含むIII族元素原料ガス中において、Inの原料ガスのInのモル比を0.6以上とし、面内でIn比率の比較的小さい領域とIn比率の比較的大きい領域とを形成し、それぞれの領域からの発光の混合により、前記発光層からの発光が白色となるようにしたものであり、ほぼ青色の短波長側の発光とほぼ黄緑色の長波長側の発光とが得られることにより、人間の目で視認される色を白色とすることができ、かつ単一の発光層から高効率の発光が得られるという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、前記発光層の気相成長時の基板温度を700℃以下とすることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であり、ほぼ青色の短波長側の発光とほぼ黄緑色の長波長側の発光とが得られることにより、人間の目で視認される色を白色とすることができ、かつ単一の発光層から高効率の発光が得られるという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、前記発光層からの発光は、420nm〜480nmの範囲に第1の発光ピークを有し、550nm〜580nmの範囲に第2の発光ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であり、黄色みや青色みを帯びることなく良好な白色光が得られるという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、前記第1の発光ピークの発光強度I1に対する前記第2の発光ピークの発光強度I2の比I2/I1は、0.4≦I2/I1≦2.2の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であり、発光色が青または紫の色みを帯びたり、また黄色みを帯びることなく良好な白色光が得られるという作用を有する。
以下に、本発明の実施の形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す断面図である。
図1において、基板1の上にバッファ層2が形成されている。基板1にはサファイアやSiC等を用いることができ、バッファ層2にはGaNやGaAlN、AlN、AlInN等を用いることができる。そして、バッファ層2の上には、順にn型クラッド層3、発光層4、p型クラッド層5、p型コンタクト層6が順次積層されている。これらの層は、有機金属気相成長法により成長形成されるものである。
発光層4は少なくともInとGaとを含む窒化ガリウム系化合物半導体からなり、好ましくはInGaNである。そして、発光層4は面内でIn比率の比較的小さい領域とIn比率の比較的大きい領域とを有する。
n型クラッド層3は発光層4よりも大きいバンドギャップを有する窒化ガリウム系化合物半導体からなり、GaNやAlGaN、InGaN等を用いることができる。これらはSiやGe等のn型不純物をドープしてn型の伝導型とすることが好ましいが、窒化ガリウム系化合物半導体においては、n型不純物をドープせずにアンドープとしてもn型の伝導型となる性質があるので、n型クラッド層3はアンドープとすることも可能である。なお、アンドープとは成長形成時にp型不純物、n型不純物がドープされていないということである。
p型クラッド層5は発光層4よりも大きいバンドギャップを有する窒化ガリウム系化合物半導体からなり、AlGaNやGaN、AlGaInN等を用いることができる。p型コンタクト層6にはGaNやInGaN等を用いることができる。また、p型クラッド層5及びp型コンタクト層6にドープされるp型不純物としてはマグネシウム(Mg)が用いられる。
さらに、p型コンタクト層6の上にはp側電極7を設け、n型クラッド層3の上にはn側電極8を設けている。p側電極7にはニッケル(Ni)や金(Au)等の金属を用いることができ、n側電極8にはアルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の金属を用いることができる。
ここで、従来の白色発光が可能な発光素子は、MIS構造を用いた発光素子であり、これは発光層となるi型層にドープされたZnとSiの作用により白色を得るものであり、かつMIS構造を用いているため、白色の発光強度を十分高くできないことは既に説明した。
これに対して、本発明では、発光層4の面内でIn比率の比較的小さい領域とIn比率の比較的大きい領域とを有する面内構成とし、それぞれの領域で発光させるようにしたことにより、高効率な白色発光を得ることを可能とした。以下、このことを説明する。
図1に示した本実施の形態の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、発光層4が少なくともInとGaとを含む窒化ガリウム系化合物半導体からなり、面内でIn比率の比較的小さい領域とIn比率の比較的大きい領域とを有する構成とし、それぞれの領域で発光させるようにしたものである。
ここで、面内でIn比率の異なる領域を有する発光層4の形成は、発光層4の気相成長形成時に供給されるIII族元素原料ガスにおけるIn原料ガスのInのモル比を非常に大きくする操作によって実現される。より具体的には、例えば、発光層4をInGaNからなる構成とする場合、気相成長時に供給されるGaの有機金属原料ガスとInの有機金属原料ガスとを含むIII族元素原料ガス中において、Inの原料ガスのInのモル比を0.6以上とすればよい。さらに好ましくは、成長形成時の基板温度を700℃以下とすることが望ましい。このようにすることで、発光層4の面内ではInGaNのIn比率が均一となりにくく、In比率の大きい領域とIn比率の小さい領域とが形成されやすくなる。
このようにして発光層4の面内でIn比率の異なる領域を設け、それぞれの領域で発光させることにより、In比率の比較的小さい領域からは黄緑色や黄色等の長波長側の発光が得られ、In比率の比較的大きい領域からは青色や青紫色等の短波長側の発光が得られる。これらのIn比率の異なる領域の大きさは、通常、発光層4の大きさに対して非常に小さく、発光層4の面内で混在しているので、In比率の異なるそれぞれの領域からの発光は十分混色されて、人間の目に白色として認識される。
図2に本発明の一実施の形態の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の発光スペクトルを示す図である。この図からわかるように、発光層4からは440nm付近にピークを有する青色の発光と560nm付近にピークを有する黄緑色の発光とが得られる。ここで、青色の発光は発光層4のIn比率の比較的大きい領域からの発光に、また、黄緑色の発光はIn比率の比較的小さい領域からの発光に相当する。これらの青色と黄緑色の光の混色により、人間の目には白色として認識される。なお、発光スペクトルのx−y色度図座標を用いたときの座標は(0.29,0.29)である。
本発明の発光素子は、従来のMIS構造を用いた発光素子とは異なって、ZnやSi等の不純物の関与による作用を用いるものではなく、発光層4を構成する窒化ガリウム系化合物半導体のバンド間遷移による発光を利用したものであるため、高効率の発光が得られる。しかも、長波長側の発光と短波長側の発光が共にバンド間遷移によるものであるため、動作電流による発光色の変化が小さいという利点がある。
さらに、発光層4をこれよりもバンドギャップの大きいn型クラッド層3とp型クラッド層5とで挟んだダブルヘテロ構造を含む構成とすることにより、さらに高効率の発光が得られる。また、p型クラッド層5にはp型不純物としてMgがドープされてp型の伝導型とされているので、p型クラッド層5の抵抗率を小さくすることができ、素子の動作電圧を低減することができる。
発光層4のIn比率の比較的小さい領域からの発光の発光ピークは、420nm〜480nmの範囲とすることが望ましい。420nmよりも短いと人間の目に見える発光の強度が弱くなるとともに白色が黄みを強く帯びるようになり、480nmよりも長いとIn比率の比較的大きい領域からの発光とのバランスが悪くなり白色が青みを帯びるようになるからである。
また、発光層4のIn比率の比較的大きい領域からの発光の発光ピークは、550nm〜580nmの範囲とすることが望ましい。550nmよりも短いと白色が緑みを強く帯びるようになり、580nmよりも長いと白色が黄みを強く帯びるようになるからである。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、短波長側の発光ピークと長波長側の発光ピークを有するため、これらの発光ピークの発光強度の比率やバランスにより、発光色が変化する。図3に本実施の形態の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の発光色の色度図上の色度座標を示す図である。
図3において、A点、B点、C点及びD点は、短波長側の発光ピークの発光強度I1に対する長波長側の発光ピークの発光強度I2の比I2/I1を、それぞれ0.4、0.75、1.5及び2.2とした発光素子の色度座標である。また、破線で囲まれる領域は、一般的に白色とされる色度範囲を示している。
この図からわかるように、発光強度の比I2/I1を0.4≦I2/I1≦2.2の範囲としたときに白色の発光が得られる。I2/I1が0.4よりも小さくなると、発光色は青み又は紫みを強く帯びるようになり、もはや白色とは言えなくなる。また、I2/I1が2.2よりも大きくなると、発光色は黄みを強く帯びるようになり、もはや白色とは言えなくなる。
本発明のさらに望ましい態様として、発光層4にはZn等の不純物をドープせず、アンドープとすることが好ましい。例えば、不純物としてZnをドープすると、Znは発光層4の中で深い準位を形成しやすいので、不純物準位に関与した発光が顕著になる傾向にあり、純粋な白色を得ることが困難になるからである。なお、バンド間遷移による発光が得られ、かつ不純物が関与した発光が顕著とならない濃度の範囲内であれば、深い不純物準位を形成しにくいMgやSi等の不純物を発光層4にドープしてもよい。
また、発光層4の層厚は0.5nm以上で50nm以下、好ましくは1nm以上で20nm以下に調整することが好ましい。層厚を0.5nmよりも薄く形成すると、発光層4の面内でIn比率の異なる領域を形成することが困難になる傾向があり、層厚を50nmよりも厚く形成すると、発光層4の結晶性が悪くなり、白色の発光強度が低下する傾向があるからである。
(実施例1)
以下、本発明の半導体発光素子の具体的な製造方法に基づいて説明する。
以下の実施例は、有機金属気相成長法を用いた窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法を示すものであり、先に示した図1を参照しながら説明する。
まず、表面を鏡面に仕上げられたサファイアの基板1を反応管内の基板ホルダーに載置した後、基板1の表面温度を1100℃に10分間保ち、水素ガスを流しながら基板を加熱することにより、基板1の表面に付着している有機物等の汚れや水分を取り除くためのクリーニングを行う。
次に、基板1の表面温度を600℃にまで降下させ、主キャリアガスとしての窒素ガスを10リットル/分、アンモニアを5リットル/分、TMAを含むTMA用のキャリアガスを20cc/分で流しながら、AlNからなるバッファ層2を25nmの厚さで成長させる。
次に、TMAのキャリアガスのみを止めて1050℃まで昇温させた後、主キャリアガスとして、窒素ガスを9リットル/分、水素ガスを0.95リットル/分で流しながら、新たにTMG用のキャリアガスを4cc/分、Si源である10ppmのSiH4(モノシラン)ガスを20cc/分で流しながら60分間成長させて、SiをドープしたGaNからなるn型クラッド層3を2μmの厚さで成長させる。
n型クラッド層3を成長形成後、TMG用のキャリアガスとSiH4ガスを止め、基板表面温度を600℃まで降下させ、新たに主キャリアガスとして窒素ガスを10リットル/分、TMG用のキャリアガスを2cc/分、TMI用のキャリアガスを200cc/分で流しながら50秒間成長させて、アンドープのInGaNからなる発光層4を50nmの厚さで成長させる。発光層4の成長形成時のGaとInとを含むIII族元素原料ガス中におけるIn原料ガスのInのモル比は0.7であった。
発光層4を成膜後、TMI用のキャリアガスとTMG用のキャリアガスを止め、基板表面温度を1050℃まで上昇させ、新たに主キャリアガスとして窒素ガスを9リットル/分、水素ガスを0.90リットル/分、TMG用のキャリアガスを4cc/分、TMA用のキャリアガスを6cc/分、Mg源であるビスシクロペンタジエニルマグネシウム(以下、「Cp2Mg」と記す)用のキャリアガスを50cc/分で流しながら4分間成長させて、MgをドープしたAlGaNからなるp型クラッド層5を0.1μmの厚さで成長させる。
引き続き、TMA用のキャリアガスのみを止め、1050℃にて、新たに主キャリアガスとして窒素ガスを9リットル/分、水素ガスを0.90リットル/分と、TMG用のキャリアガスを4cc/分、Cp2Mg用のキャリアガスを100cc/分で流しながら3分間成長させ、MgをドープしたGaNからなるp型コンタクト層6を0.1μmの厚さで成長させる。
成長後、原料ガスであるTMG用のキャリアガスとアンモニアを止め、窒素ガスと水素ガスをそのままの流量で流しながら室温まで冷却した後、ウェハーを反応管から取り出す。
このようにして形成した窒化ガリウム系化合物半導体からなる量子井戸構造を含む積層構造に対して、その表面上にCVD法によりSiO2膜を堆積させた後、フォトリソグラフィーにより所定の形状にパターンニングしてエッチング用のマスクを形成する。そして、反応性イオンエッチング法により、p型コンタクト層6とp型クラッド層5と発光層4の一部を約0.25μmの深さで除去して、n型クラッド層3の表面を露出させる。更に、フォトリソグラフィーと蒸着法により露出させたn型クラッド層3の表面上にAlからなるn側電極8を蒸着形成する。そして更に、同様にしてp型コンタクト層6の表面上にNiとAuとからなるp側電極7を蒸着形成する。
この後、サファイアの基板1の裏面を研磨して100μm程度にまで薄くし、スクライブによりチップ状に分離して、素子化する。この素子を電極形成面側を上向きにしてステムの接着した後、素子のn側電極8とp側電極7をそれぞれステム上の電極にワイヤで結線し、その後樹脂モールドして発光ダイオードを作製した。この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、白色に発光し、このときの発光強度は180mcdで、順方向動作電圧は3.6Vであった。
これに対し、比較例として、図4に示すような従来構造の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。具体的には、実施例1と同様にして、まず、サファイアの基板51を反応管内の基板ホルダーに載置した後、基板51の表面温度を1100℃に10分間保ち、水素ガスを流しながら基板を加熱することにより、基板1の表面に付着している有機物等の汚れや水分を取り除くためのクリーニングを行う。
次に、基板51の表面温度を600℃にまで降下させ、主キャリアガスとしての窒素ガスを10リットル/分、アンモニアを5リットル/分、TMAを含むTMA用のキャリアガスを20cc/分で流しながら、AlNからなるバッファ層52を25nmの厚さで成長させる。
次に、TMAのキャリアガスのみを止めて1050℃まで昇温させた後、主キャリアガスとして、窒素ガスを9リットル/分、水素ガスを0.95リットル/分で流しながら、新たにTMG用のキャリアガスを4cc/分、Si源である10ppmのSiH4(モノシラン)ガスを20cc/分で流しながら60分間成長させて、SiをドープしたGaNからなる高キャリア濃度n型層53を2μmの厚さで成長させる。
高キャリア濃度n型層53を成長形成後、引き続き主キャリアガスとTMG用のガスとをそのままの流量で流し、SiH4ガスを0.1cc/分で流しながら45分間成長させて、SiをドープしたGaNからなる低キャリア濃度n型層54を1.5μmの厚さで成長させる。
低キャリア濃度n型層54を成長形成後、TMG用のキャリアガスとSiHガスを止め、基板表面温度を900℃まで降下させ、新たに主キャリアガスとして水素ガスを10リットル/分、TMG用のキャリアガスを4cc/分、SiHガスを10cc/分、DEZ(ジメチル亜鉛)用のキャリアガスを500cc/分で流しながら3分間成長させて、Siと亜鉛をドープさせたGaNからなるi型層55を0.1μmの厚さで成長させる。成長後、原料ガスであるTMG用のキャリアガスとSiHガスとDEZガスとアンモニアを止め、水素ガスをそのままの流量で流しながら室温まで冷却した後、ウェハーを反応管から取り出す。
このようにして形成した窒化ガリウム系化合物半導体からなるMIS構造に対して、その表面上にCVD法によりSiO2膜を堆積させた後、フォトリソグラフィーにより所定の形状にパターンニングしてエッチング用のマスクを形成する。そして、反応性イオンエッチング法により、i型層55及び低キャリア濃度n型層54の一部を約1.7μmの深さで除去して、高キャリア濃度n型層54の表面を露出させる。そして、フォトリソグラフィーと蒸着法により、i型層55及び露出させた高キャリア濃度n型層54の表面に接続するAlからなる電極57及び電極58を形成する。
この後、本発明によるものと同様にして発光ダイオードを作製した。このようにして作製されたMIS構造の発光素子を用いた発光ダイオードを順方向電流20mAで駆動したところ、発光強度は0.3mcdであり、実施例1の発光ダイオードの約1/600であった。また、順方向動作電圧は11.8Vであり、実施例の発光ダイオードよりも約8V高かった。
なお、本実施例において示した基板温度やキャリアガス及び原料ガスの流量等は、これらに限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲内で適宜調整することが望ましい。
発光ダイオード等の光デバイスに利用される窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に係り、特に白色発光が可能な発光素子に有用である。
本発明の一実施の形態に係る窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す断面図 本発明の一実施の形態の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の発光スペクトルを示す図 本実施の形態の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の発光色の色度図上の色度座標を示す図 従来の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す断面図
符号の説明
1 基板
2 バッファ層
3 n型クラッド層
4 発光層
5 p型クラッド層
6 p型コンタクト層
7 p側電極
8 n側電極

Claims (4)

  1. 少なくともInとGaとを含む窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層を含んだ積層構造を気相成長法によって形成した窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、前記発光層は、気相成長時に供給されるGaの有機金属原料ガスとInの有機金属原料ガスとを含むIII族元素原料ガス中において、Inの原料ガスのInのモル比を0.6以上とし、面内でIn比率の比較的小さい領域とIn比率の比較的大きい領域とを形成し、それぞれの領域からの発光の混合により、前記発光層からの発光が白色となるようにしたことを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  2. 前記発光層の気相成長時の基板温度を700℃以下とすることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  3. 前記発光層からの発光は、420nm〜480nmの範囲に第1の発光ピークを有し、550nm〜580nmの範囲に第2の発光ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  4. 前記第1の発光ピークの発光強度I1に対する前記第2の発光ピークの発光強度I2の比I2/I1は、0.4≦I2/I1≦2.2の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
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