JP2006210961A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 Download PDF

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保成 奥
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英徳 亀井
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Abstract

【課題】光透過性電極を形成した面を主光取り出し面側とし、発光効率を向上させた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板1上にそれぞれ窒化ガリウム系化合物半導体からなるバッファ層2とn型コンタクト層3と発光層4とp型クラッド層5とp型コンタクト層6とが順に積層され、さらにp型コンタクト層6上に光透過性電極7が形成され、光透過性電極7上にはp側電極8が、n型コンタクト層3上にはn側電極9がそれぞれ形成された窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に対し、p型コンタクト層6に光透過性電極7側から窪む凹部11を複数個形成することにより、発光層4から発せられ、発光素子内部を横方向に伝播する光が凹部11より発光素子外部へ取り出されやすくなり、全体として発光効率が改善される。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード等の光デバイスに利用される窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に関する。
窒化ガリウム系化合物半導体は、可視光発光デバイスや高温動作電子デバイス用の半導体材料として多用されており、青色や緑色の発光ダイオードの分野での実用化や青紫色のレーザダイオードの分野での展開が進んでいる。
この窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光素子の製造においては、有機金属気相成長法によって窒化ガリウム系半導体薄膜結晶を成長させるのが近来では主流である。この方法は、窒化ガリウム系半導体としてのサファイアやSiC、GaN等からなる基板を設置した反応管内に、3族元素の原料ガスとして有機金属化合物ガス(トリメチルガリウム(以下、「TMG」と称す)、トリメチルアルミニウム(以下、「TMA」と称す)、トリメチルインジウム(以下、「TMI」と称す)等)と、5族元素の原料ガスとしてアンモニアやヒドラジン等とを供給し、基板温度をおよそ700℃〜1100℃の高温で保持して、基板上にn型層と発光層とp型層とを成長させてこれらを積層形成するというものである。n型層の成長時にはn型不純物原料ガスとしてモノシラン(SiH4)やゲルマン(GeH4)等を、p型層の成長時にはp型不純物原料ガスとしてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)等を3族元素の原料ガスと同時に流しながら成長させる。
この成長形成の後、n型層の表面およびp型層の表面にそれぞれn側電極およびp側電極を形成し、チップ状に分離することによって、発光素子を得ることができる。そして、これらの発光素子をリードフレーム等に固定し、最後にエポキシ樹脂等で封止することにより、発光ダイオードとして完成させる。
最近の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子においては、p型層の表面からp型層、発光層およびn型層の一部をエッチングにより除去して露出させたn型層の表面にn側電極を、p型層の表面にp側電極として発光層からの光を透過することができる程度の肉薄の光透過性電極をそれぞれ形成し、この光透過性電極の側を主光取り出し面側とする素子構造が主流である。このような構成によれば、素子の同一面側にp側電極及びn側電極を設ける場合においてもp側電極及びn側電極間における短絡を防止することができるとともに、素子サイズを小さくすることができる。
しかし、上記のようにサファイア基板上に窒化ガリウム系化合物半導体を積層させた素子構造においては、次のような問題がある。すなわち、結晶成長用の基板と窒化ガリウム系化合物半導体との屈折率の違い、および窒化ガリウム系化合物半導体発光素子とそれを封止する樹脂等との屈折率の違いにより、窒化ガリウム系化合物半導体の発光がそれらの界面で多重反射されて干渉したり、反射光が窒化ガリウム系化合物半導体内部で吸収され発光を効率良く外部に取り出せないという問題がある。
このような問題を解決するものとして、特許文献1において、サファイア基板上に窒化ガリウム系化合物半導体が積層されてなる発光素子において、前記窒化ガリウム系化合物半導体の最上層の表面が非鏡面とされていることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が提案されている。この発光素子によれば、サファイア基板と窒化ガリウム系化合物半導体層との界面で反射した光が非鏡面とされた最上層で散乱するため、窒化ガリウム系化合物半導体内部での多重反射が抑制され、光の干渉が少なくなり発光効率が向上するとされている。
特開平6−291368号公報
しかしながら、上記のように窒化ガリウム系化合物半導体の最上層を非鏡面とする構成においても、以下のような問題がある。すなわち、この最上層の側を発光素子の主光取り出し面側とする場合、この最上層の上に発光層からの光を透過させる程度に肉薄の光透過性電極を形成することとなるが、非鏡面の最上層に極薄の電極を膜厚均一に形成することは非常に困難となり、当該電極から窒化ガリウム系化合物半導体に均一に電流を供給することができず、かえって発光効率を低下させる原因となるという問題がある。
本発明において解決すべき課題は、光透過性電極を形成した面を主光取り出し面側とし、発光効率を向上させた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を提供することである。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、光透過性電極が形成されるコンタクト層に光透過性電極側から窪む凹部が複数個形成されることを特徴とする。
このような構成によれば、発光層から発せられ、発光素子内部をコンタクト層に平行な方向(横方向)に伝播する光が、凹部より発光素子の外部に取り出されやすくなる。すなわち、発光層からの光の取り出し効率が改善され、全体として発光効率を向上させることが可能となる。
また、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法は、凹部の形成を第一導電型コンタクト層を露出させるためのエッチングの工程と同一工程で行うことを特徴とする。
このような製造方法によれば、凹部形成のための工程を新たに付加することなく簡便に凹部形成を行うことができるため、マスクパターンの変更という微小な工程変更だけで発光効率を向上させることができる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法を提供することができる。
本発明によれば、光透過性電極が形成されるコンタクト層に光透過性電極側から窪む凹部が複数個形成されることにより、発光層から発せられた光のうち横方向へ進む光が凹部から発光素子外部へ取り出されるため全体として光取り出し効率が向上し、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の発光効率を格段に向上させることができる。
また、凹部の形成を第一導電型コンタクト層を露出させるためのエッチングの工程と同一工程で行うことにより、凹部形成のための工程を新たに付加することなく簡便に凹部形成を行うことができるため、マスクパターンの変更という微小な工程変更だけで発光効率を向上させることができる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、窒化ガリウム系化合物半導体からなる第一導電型コンタクト層と発光層と第二導電型コンタクト層とが積層され、前記第二導電型コンタクト層上に光透過性電極を形成し、さらに前記光透過性電極上の一部にp側電極が形成される窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、
前記第二導電型コンタクト層にp側電極を形成する領域を除いて前記光透過性電極側から窪む凹部が複数個形成されることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子としたものである。これにより、発光層から発せられ、発光素子内部を横方向に伝播する光が、凹部より発光素子外部へ取り出されやすくなる。すなわち、発光素子外部への光の取り出し効率を改善することができる。
請求項2に記載の発明は、前記凹部は、前記発光層に達する深さまで形成されることを特徴とする請求項1記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子としたものである。これにより、ダブルヘテロ構造とした発光素子の光が比較的屈折率の小さい発光層を中心に伝播しやすいため、その発光層に達する深さまで形成された凹部より効率よく光を取り出すことができ、発光素子外部への光の取り出し効率をより高めることができる。
請求項3に記載の発明は、前記凹部の内面が、絶縁性膜により覆われることを特徴とする請求項1または2記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子としたものである。このような絶縁性膜を介することによって、窒化ガリウム系化合物半導体の屈折率とこれを封止する樹脂等との屈折率との違いを緩和し、発光素子外部への光取り出し効率をさらに向上させることができる。また、凹部が第一導電型コンタクト層から第二導電型コンタクト層に渡って形成されている場合においては、これらの短絡を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す縦断面図である。
図1において、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、サファイアからなる基板1上に、バッファ層2と、GaNからなるn型コンタクト層3と、InGaNからなる発光層4と、AlGaNからなるp型クラッド層5と、GaNからなるp型コンタクト層6とが順に積層された構造である。なお、本実施の形態においては、n型を第一導電型と、p型を第二導電型としている。
さらに、p型コンタクト層6上のほぼ全面に光透過性電極7が形成され、光透過性電極7上にはワイヤボンディングのためのp側電極8が形成されている。一方、n側電極9は、p型コンタクト層6の表面からn型コンタクト層3に達する深さまでエッチングすることによって露出させたn型コンタクト層3の表面に形成されている。
そして、p型コンタクト層6には、光透過性電極7側から発光層4へ向かって窪む凹部11が複数個形成されている。この凹部11は、光透過性電極7を貫いて、p型コンタクト層6からn型コンタクト層3に達する深さまで形成されている。さらに、凹部11の内面と光透過性電極7の表面は、絶縁性膜10によって覆われている。
上記構成の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、p側電極8に正の電圧を、n側電極9に負の電圧をそれぞれ印加すると、p型コンタクト層6を介してp型クラッド層5からは正孔が、n型クラッド層を兼用して形成されたn型コンタクト層3からは電子がそれぞれ発光層4に注入され、これらの正孔と電子の再結合により発光層4のバンドギャップに対応したエネルギーを有する光が発光層4より発せられる。
凹部11が形成されていない従来の発光素子構造の場合には、発光層4から発せられた光のうち上方へ向かう光は、光透過性電極7を介して発光素子外部へ取り出されるが、他の一部の光は発光素子内部を横方向へ伝播し窒化ガリウム系化合物半導体からなるp型クラッド層5およびp型コンタクト層6内部への吸収等により減衰した後、発光素子の側面から発光素子外部へ取り出されることとなる。
これに対し、本実施の形態における発光素子構造の場合には、発光層4から発せられる光のうち横方向へ伝播する光が凹部11より発光素子外部へ取り出されやすくなるとともに、光が発光素子内部を伝播する際の吸収等による減衰が低減されるため、全体として発光素子外部への光取り出し効率を向上させることができる。さらに、凹部11の内面が、窒化ガリウム系化合物半導体の屈折率と、これを封止する封止樹脂または封止雰囲気の屈折率との間の屈折率を有する絶縁性膜10により覆われることにより、窒化ガリウム系化合物半導体の屈折率とこれを封止する樹脂等との屈折率との違いが緩和され、発光素子外部への光取り出し効率をさらに向上させることが可能となる。
また、凹部11はp型コンタクト層6からn型コンタクト層3に達する深さとして、発光素子内部を横方向に伝播する光を凹部11が形成されたコンタクト層全体から取り出すことができるようにしている。なお、この凹部11の深さは発光素子内部を横方向へ伝播する光が到達して取り出される程度、すなわち発光層4に必ずしも達する必要はないが発光層4のすぐ近く、例えばp型クラッド層5に達する程度とすればよい。
特に、この凹部11の深さは、発光層4に達する深さとするのがより望ましい。例えば、本実施の形態のように、InGaNからなる発光層4をこれよりも屈折率の高いGaNやAlGaNからなるn型コンタクト層3およびp型クラッド層5で挟んでダブルヘテロ構造とする場合、光は比較的屈折率の小さい発光層4を中心に伝播しやすく、その発光層4に達する程度の深さとした場合には凹部11より効率良く光を取り出すことが可能となるからである。
さらに、凹部11の内側面は、深さ方向(光透過性電極7側から発光層4側へ向かう方向)に進むにつれて細くなるようにテーパーが形成されるのが望ましい。これにより、凹部11の側面から出射した光がこのテーパー付きの凹部11の側壁に反射しながら凹部11上方に導かれ、発光素子外部へと取り出されやすくなる。
ここで、図2は図1に示す窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の平面図である。図2に示すように、p型コンタクト層6のほぼ全面に形成された光透過性電極7の領域内に、凹部11が複数個形成されている。
p側電極8に正の電圧を、n側電極9に負の電圧をそれぞれ印加すると、p側電極8から注入された電流は光透過性電極7のほぼ全体に広がり、p型コンタクト層6を介して発光層4へ注入される。これにより発せられる発光層4からの光のうち、光透過性電極7の下方より発せられた光は光透過性電極7を介して発光素子外部へ取り出され、その一部は光透過性電極7を通過する際に一部吸収されて減衰する。一方、凹部11が形成された領域には光透過性電極7は存在しないため、凹部11より発光素子外部へ取り出される光は光透過性電極7によって吸収されることがなく、減衰せずに取り出される。
凹部11の開口の大きさは、凹部11を形成する数にもよるが、開口を大きくするとそれに伴い光透過性電極7の面積が小さくなるため発光層4へ注入される電流密度が高くなる。一方、開口を小さくすると開口の形成が困難となるため、凹部11の深さを制御しにくくなる。したがって、凹部11の開口の大きさとその数には適当な範囲が存在するが、本発明者らの知見によれば、発光素子サイズを約350μm×350μmとする場合、凹部11の開口の大きさを0.5μmφから5μmφの範囲とし、その総面積が光透過性電極7の面積の0.1%から50%の範囲となるように凹部11の個数を調整するときに光取り出し効率の向上が顕著に認められている。
次に、本実施の形態に係る窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造工程について図面を参照しながら説明する。
図3から図5は、図1に示す窒化ガリウム系化合物半導体素子の製造工程を示す縦断面図である。なお、本実施の形態においては、チップ状に分割された素子状態での製造工程を説明するが、実際の製造工程においては、図面に示す発光素子が二次元的に配列されたウエハ状態で各工程が実施される。
図3に示すように、まず、サファイアからなる基板1上に有機金属気相成長法により窒化ガリウム系化合物半導体からなるバッファ層2とn型コンタクト層3と発光層4とp型クラッド層5とp型コンタクト層6とを順に成長させたウエハを準備した後、蒸着法とフォトリソグラフィ法を用いてp型コンタクト層6上に光透過性電極7を形成する。
次に、図4に示すように、光透過性電極7と露出したp型コンタクト層6上に熱CVD法によりSiO2からなる絶縁膜21を堆積させる。さらに、この絶縁膜21にフォトリソグラフィ法を用い、光透過性電極7に複数の凹部11を形成するための複数の孔12およびn型コンタクト層3の表面の一部を露出させるための空間13を形成し、次のエッチングのためのマスクとする。
このマスクを用いて反応性イオンエッチング等により、図5に示すように、露出させたp型コンタクト層6の表面側からn型コンタクト層3に達するまでエッチングを行うことによって、n型コンタクト層3の表面を露出させるとともに光透過性電極7の上に形成した孔12からn型コンタクト層3に達する深さまで凹部11を形成する。
その後、光透過性電極7上の絶縁膜21の一部をエッチングにより除去させ、露出させた光透過性電極7の表面上および露出させたn型コンタクト層3の表面上に、それぞれp側電極8およびn側電極9を蒸着法およびフォトリソグラフィ法により形成する。さらに、熱CVD法とフォトリソグラフィ法により光透過性電極7と凹部11の内面を被覆するSiO2等からなる絶縁性膜10を形成する。そして、ダイシングまたはスクライブ等によりチップ状に分離することにより、図1に示す窒化ガリウム系化合物発光素子が得られる。
以下、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法の具体例について図面を参照しながら説明する。以下の実施例において、窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法としては有機金属気相成長法を用いるが、成長方法はこれに限定されるものではなく、分子線エピタキシー法や有機金属分子線エピタキシー法等を用いることも可能である。
(実施例1)
まず、表面が鏡面に仕上げられたサファイアの基板1を反応管内の基板ホルダーに載置した後、基板1の表面温度を1000℃に10分間保ち、水素ガスを流しながら基板を加熱することにより、基板1の表面に付着している有機物等の汚れや水分を取り除いた。
次に、基板1の表面温度を550℃にまで降下させ、主キャリアガスとしての窒素ガスと、アンモニアと、TMAを含むTMA用のキャリアガスとを流しながら、AlNからなるバッファ層2を25nmの厚さで成長させた。
その後、TMAのキャリアガスを止めて1050℃まで昇温させた後、主キャリアガスとしての窒素ガスと水素ガスとを流しながら、新たにTMGを含むTMG用のキャリアガスと、SiH4ガスとを流して、SiをドープしたGaNからなるn型コンタクト層3を2μmの厚さで成長させた。
n型コンタクト層3を成長後、TMG用のキャリアガスとSiH4ガスを止めて基板1温度を750℃にまで降下させ、750℃において、主キャリアガスとしての窒素ガスを流し、新たにTMG用のキャリアガスと、TMIを含むTMI用のキャリアガスとを流しながら、アンドープのIn0.2Ga0.8Nからなる単一量子井戸構造の発光層4を3nmの厚さで成長させた。
発光層4を成長後、TMI用のキャリアガスを止め、TMG用のキャリアガスを流しながら基板1温度を1050℃に向けて昇温させながら、引き続き図示しないアンドープのGaNを4nmの厚さで成長させた。基板1温度が1050℃に達したら、新たに主キャリアガスとしての窒素ガスと水素ガスと、TMA用のキャリアガスと、Cp2Mgを含むCp2Mg用のキャリアガスとを流しながら、MgをドープさせたAl0.15Ga0.85Nからなるp型クラッド層5を0.1μmの厚さで成長させた。
p型クラッド層5を成長後、TMG用のキャリアガスを止め、引き続きMgをドープさせたGaNからなるp型コンタクト層6を0.1μmの厚さで成長させた。
p型コンタクト層6を成長後、TMG用のキャリアガスと、Cp2Mg用のキャリアガスとを止め、主キャリアガスとアンモニアとをそのまま流しながら、基板1の温度を室温程度にまで冷却させて、基板1の上に窒化ガリウム系化合物半導体が積層されたウェハーを反応管から取り出した。
このようにして形成した窒化ガリウム系化合物半導体からなるバッファ層2、n型コンタクト層3、発光層4、p型クラッド層5およびp型コンタクト層6の積層構造に対し、その表面上に蒸着法により、ニッケル(Ni)と金(Au)とをそれぞれ5nmの厚さで全面に積層した後、フォトリソグラフィ法とウェットエッチング法により、光透過性電極7を形成した。
この後、光透過性電極7と露出したp型コンタクト層6の上に熱CVD法によりSiO2からなる絶縁膜21を0.5μmの厚さで堆積させ、フォトリソグラフィ法と反応性イオンエッチング法により、絶縁膜21に複数の孔12および空間13を形成し、光透過性電極7に複数の凹部11を形成するとともにp型コンタクト層6の表面の一部を露出させるための絶縁膜21からなるマスクを形成した。ここで、孔12は開口直径約2μmの円形とし、後にp側電極8(パッド電極)を形成する領域を除いて10μmの間隔で碁盤の目状に配置した。
次に、上記マスクを用いて、塩素系ガスを用いた反応性イオンエッチング法により、露出させたp型コンタクト層6の表面側からp型コンタクト層6とp型クラッド層5と発光層4を約0.3μmの深さで除去して、n型コンタクト層3の表面を露出させるとともに、光透過性電極7上の絶縁膜21に形成した孔12から、光透過性電極7とp型コンタクト層6とp型クラッド層5と発光層4とをエッチングして、n型コンタクト層3に達する深さの凹部11を形成した。凹部11は、開口の口径が約2μm、底部の径が約1μmの空洞として形成された。
その後、一旦、絶縁膜21をウェットエッチング法により除去して、蒸着法およびフォトリソグラフィ法により、光透過性電極7の表面上の凹部11が形成されていない領域と、露出させたn型コンタクト層3の表面上とに、0.1μm厚のチタン(Ti)と0.5μm厚のAuとを積層して、それぞれp側電極8とn側電極9とを形成した。さらに、熱CVD法とフォトリソグラフィ法により、光透過性電極7の表面と凹部11の内面とを被覆する0.2μm厚のSiO2からなる絶縁性膜10を形成した。
この後、サファイアの基板1の裏面を研磨して100μm程度にまで薄くし、スクライブによりチップ状に分離した。このチップを電極形成面側を上向きにしてステムに接着した後、チップのp側電極8とn側電極9とをそれぞれステム上の電極にワイヤで結線し、樹脂モールドして発光ダイオードを作製した。
この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク波長470nmの青色で発光した。このときの発光出力は2.0mWであり、順方向動作電圧は3.5Vであった。
なお、本実施例では、凹部11を形成する際に、凹部11の光透過性電極7を窒化ガリウム系化合物半導体からなる積層構造と同一工程で反応性イオンエッチング法で除去したが、凹部11の光透過性電極7を事前に単独に除去しても構わない。例えば、ウェハー全面に形成したNiとAuの積層をウェットエッチングして光透過性電極7をパターニングするときに同時に凹部11の光透過性電極7を除去することもできる。
また、本実施例において、凹部11の開口の形状を円形としたが、これに限定されるものではなく、凹部11の形成に支障のない範囲で任意の形状をとることができる。
(比較例)
上記実施例との比較のために、凹部11を形成しない窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。
具体的には、上記実施例において、光透過性電極7の上の絶縁膜21に孔12を形成せずに、光透過性電極7を絶縁膜21で全面覆った状態で塩素系ガスを用いた反応性イオンエッチング法により、露出させたp型コンタクト層6の表面側から、p型コンタクト層6とp型クラッド層5と発光層4とを約0.3μmの深さで除去して、n型コンタクト層3の表面を露出させた。他は、実施例と同様の手順により発光ダイオードを作製した。この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク波長と順方向動作電圧は実施例と同様であったが、発光出力は1.2mWと低かった。
発光ダイオード等の光デバイスに利用される窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に有用である。
本発明の一実施の形態に係る窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す縦断面図 図1に示す窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の平面図 図1に示す窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造工程を示す縦断面図 図1に示す窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造工程を示す縦断面図 図1に示す窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造工程を示す縦断面図
符号の説明
1 基板
2 バッファ層
3 n型コンタクト層
4 発光層
5 p型クラッド層
6 p型コンタクト層
7 光透過性電極
8 p側電極
9 n側電極
10 絶縁性膜
11 凹部

Claims (3)

  1. 窒化ガリウム系化合物半導体からなる第一導電型コンタクト層と発光層と第二導電型コンタクト層とが積層され、前記第二導電型コンタクト層上に光透過性電極を形成し、さらに前記光透過性電極上の一部にp側電極が形成される窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、
    前記第二導電型コンタクト層にp側電極を形成する領域を除いて前記光透過性電極側から窪む凹部が複数個形成されることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  2. 前記凹部は、前記発光層に達する深さまで形成されることを特徴とする請求項1記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  3. 前記凹部の内面が、絶縁性膜により覆われることを特徴とする請求項1または2記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
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