JP2006210838A - 圧電型アクチュエータ - Google Patents

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松 郭
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篤 村松
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Abstract

【課題】 十分に大きな伸縮ストロークを少ない積層数で確保可能であると共に、小さな駆動電力で駆動可能とされている一方、軸方向中間部分の軸直角方向への変形が許容されている新規な構造の圧電型アクチュエータを提供すること。
【解決手段】 薄肉の略矩形平板形状とされた圧電板14を薄肉の略矩形平板形状とされた弾性出力板16に固着せしめると共に、弾性出力板16を圧電板14よりも長尺として圧電板14から延び出させて出力基体24を構成する一方、出力基体24に対してカバーゴム18を被着せしめた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アクチュエータに関するものであって、特に、圧電素子によって駆動する圧電型アクチュエータに関するものである。
従来から、圧電素子に印加電圧を加えることにより圧電素子を伸縮変形せしめて駆動力を得る圧電型アクチュエータが知られている。
具体的には、例えば、特許文献1(特開平8−242023)には、複数の圧電シートを積層とすることにより圧電素子を構成すると共に、複数個の圧電素子を直列に積層せしめて構成された圧電アクチュエータが示されている。このような圧電アクチュエータでは、各圧電シートに対して駆動電圧が印加されることにより、各圧電シートがそれぞれ伸縮変形せしめられることにより、全体として電磁式アクチュエータが各圧電シートの伸縮変形の総和分だけ伸縮変形せしめられるようになっている。
しかしながら、このような圧電アクチュエータに採用される圧電シートは、その変形量が非常に小さく、十分に大きな伸縮変形量を確保するためには、非常に多くの圧電シートを積層させる必要があって、コストの増大や生産性の低下といった問題を招くおそれがある。また、その積層方向での寸法に対する変形量が小さいため、比較的大きなストロークが必要となる場合には、適用することが難しかった。
更に、十分な変形量を確保するために多数の圧電シートを積層せしめて、それら多数の圧電シートに対してそれぞれ印加電圧を加えると、印加電圧が非常に大きくなって作動コストの増大が問題となり易い。
一方、特許文献1に示されているような圧電アクチュエータにおいては、積層される圧電素子同士が直接相互に固定されている。それ故、圧電シートへの電圧の印加により軸方向での伸縮変形が可能とされている一方で、軸直角方向にはその軸方向中間部分においても変形が許容されておらず、軸直角方向での柔軟性が求められる場合には適用することが困難であった。特に、このような構造の圧電アクチュエータに対して軸直角方向の外力が作用する場合においては、かかる外力が積相構造を有する圧電アクチュエータの破損原因となり易く、採用することが非常に困難であった。
特開平8−242023
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、十分に大きな伸縮ストロークを少ない積層数で確保可能であると共に、小さな駆動電力で駆動可能とされている一方、軸方向中間部分の軸直角方向への変形が許容されている新規な構造の圧電型アクチュエータを提供することを目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、圧電型アクチュエータに関する本発明の第一の態様は、圧電素子からなる圧電板を湾曲変形可能な弾性出力板に重ね合わせて固定すると共に、該弾性出力板を該圧電板よりも長尺として該弾性出力板の両端部を該圧電板からそれぞれ延び出させることにより出力基体を形成する一方、該出力基体を覆うカバーゴムを設けたことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた圧電型アクチュエータにおいては、電圧の印加によって伸縮変形せしめられる圧電板を弾性出力板に重ね合わせて固定することにより、圧電板の伸縮変形を出力基体の湾曲変形に変換して、その出力基体の湾曲によって圧電型アクチュエータが軸方向(出力方向となる板厚方向)に拡大変形せしめられるようにされていると共に、弾性出力板を圧電板に比して長尺とすることにより湾曲による出力基体両端における軸方向での変位駆動量を拡大して大きく確保することが出来る。それ故、比較的小さな電圧の印加によって大きな駆動ストロークを得ることが可能となる。
加えて、弾性出力板がカバーゴムによって覆われていることから、弾性出力板の湾曲変形に伴う長手方向における寸法縮小分を、カバーゴムの弾性変形を利用して軸方向における寸法拡大に変換することが出来る。それ故、圧電板の軸直角方向での変形を、圧電板より長手の弾性板とそれを覆うカバーゴムにより協働して相乗的に軸方向の伸縮に変換して、軸方向の出力ストロークを有利に確保することが可能となるのである。
また、出力基体がカバーゴムによって覆われていることにより、圧電型アクチュエータに対して軸直角方向において弾性変形を許容することが出来て、軸直角方向において柔軟性を有する圧電型アクチュエータを実現することが可能となる。
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る圧電型アクチュエータにおいて、前記カバーゴムにおいて前記出力基体の複数を互いに所定距離を隔てて積層状態で配設したことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた圧電型アクチュエータにおいては、一つのカバーゴム内に複数の出力基体を配設することにより、より大きな変形量を確保することが出来て、駆動ストロークを一層有利に得ることが出来る。
また、本発明の第三の態様は、前記カバーゴムに前記出力基体が配設された前記第一又は第二の態様に係る圧電型アクチュエータを複数用い、該圧電型アクチュエータを互いに重ね合わせて積層構造としたことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた圧電型アクチュエータにおいては、比較的大きな変形量を確保可能とされた圧電型アクチュエータの複数を積層とすることによって、それら各圧電型アクチュエータの変形量の総和を駆動ストロークとして確保することが出来て、大きな駆動ストロークを有利に得ることが可能となる。
また、出力基体がカバーゴムによって覆われた圧電型アクチュエータが複数積層とされることにより、各圧電型アクチュエータがゴム弾性体を介して重ね合わせられることとなって、出力軸直角方向における弾性変形を有利に許容せしめることが出来て、積層とされた圧電型アクチュエータにおいて出力軸直角方向における柔軟性を有利に得ることが可能となると共に、積層とされた圧電型アクチュエータに対する出力軸直角方向への外力の作用等に起因するアクチュエータの破損などの問題を有利に回避することが出来る。
また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る圧電型アクチュエータにおいて、前記出力基体が、前記カバーゴムに対して埋設状態で配設されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた圧電型アクチュエータにおいては、出力基体がカバーゴムに埋設されていることにより、出力基体の耐久性の向上を実現することが可能となる。
また、圧電型アクチュエータを積層とした場合においては、各圧電型アクチュエータの重ね合わせ面が弾性変形可能とされたカバーゴムによって構成されるため、各圧電型アクチュエータの重ね合わせ方向に直交する方向における互いにずれるような変形が、カバーゴムの弾性変形によって許容されることとなる。それ故、軸直角方向での柔軟性が十分に確保されると共に、電磁石型アクチュエータに対して軸直角方向の外力が作用した場合にも、弾性的な変形が許容されてアクチュエータの破損といった問題を回避することが出来る。
また、本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係る圧電型アクチュエータにおいて、前記出力基体において、前記弾性出力板の両面にそれぞれ前記圧電板が重ね合わせられて固着されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた圧電型アクチュエータにおいては、弾性出力板の両面にそれぞれ圧電板を固着することにより、より大きな駆動力を得ることが可能となる。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた圧電型アクチュエータにあっては、各出力基体によって十分に大きな伸縮駆動を実現することが出来て、比較的少ない出力基体の積層数で大きな駆動ストロークを得ることが出来ると共に、軸直角方向に作用する外力に対して軸方向中間部分が軸直角方向に変形可能とされて、かかる外力の作用によるアクチュエータの破損を回避することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としての圧電型アクチュエータ10が示されている。かかる圧電型アクチュエータ10は、複数のセルアクチュエータ12が積層状態で重ね合わせられると共に、相互に固定されることにより構成されている。なお、以下の説明において、上下方向とは図1における上下方向をいうものとする。
より詳細には、セルアクチュエータ12は、図2に示されているように、圧電板としてのピエゾプレート14と、ピエゾプレート14が接着されて固定的に取り付けられる弾性出力板としての弾性金属板16と、それらピエゾプレート14及び弾性金属板16が埋設状態で固着されるカバーゴムとしての積層ゴム弾性体18とを含んで構成されている。
ピエゾプレート14は、略水平方向に広がる薄肉の略矩形平板形状とされており、印加電圧に応じて伸縮変形せしめられる圧電体で形成されている。また、ピエゾプレート14の両面には、図示しない薄膜電極が取り付けられており、この薄膜電極に接続された給電配線20を通じて印加電圧制御装置22からピエゾプレート14の両面に対して駆動電圧が印加されるようになっている。そして、印加電圧制御装置22によってピエゾプレート14に対する印加電圧のON/OFF制御や印加電圧の調節等をすることにより、ピエゾプレート14の伸縮変形を制御することが可能とされている。
かかるピエゾプレート14は弾性金属板16の上面に接着等の手段により固定されている。弾性金属板16は、弾性を有する薄肉の略矩形平板形状の硬質材であって、好適には、鋼や鉄などの金属や硬質の合成樹脂材等により形成されており、特に本実施形態においては、鉄を材料とする金属板によって形成されている。また、弾性金属板16は、ピエゾプレート14に比して長尺方向において大きな平面形状を有しており、長尺方向においてピエゾプレート14の外方に延び出している。そして、弾性金属板16にピエゾプレート14が固定された状態で印加電圧に応じたピエゾプレート14の伸縮変形が生じることにより、ピエゾプレート14が固着された弾性金属板16の上面に軸直角方向の応力が生じてるようにされている。そして、かかる応力の作用により弾性金属板16が上下に湾曲せしめられるようになっており、ピエゾプレート14と弾性鉄板によって、出力基体としての駆動基体24が構成されている。
また、駆動基体24には、積層ゴム弾性体18が被着されており、駆動基体24が略全面に亘って積層ゴム弾性体18により被覆されている。積層ゴム弾性体18は、弾性金属板16よりも大きな平面形状を有すると共に、駆動基体24の厚さ寸法よりも十分に厚肉とされた略矩形平板形状を有している。また、本実施形態において積層ゴム弾性体18は軟質のゴム材料によって形成されており、駆動基体24の全面を覆うように被着せしめられて、積層ゴム弾性体18の内部に駆動基体24が埋設状態で配設されている。また、ピエゾプレート14に対して印加電圧が加えられていない状態において、積層ゴム弾性体18の上面である上接合面26と下面である下接合面28が何れも平坦面とされている。
ここで、図3に示されているように、印加電圧制御装置22による駆動電圧の印加によって駆動基体24が湾曲変形せしめられると、かかる弾性金属板16の湾曲に従って積層ゴム弾性体18が弾性変形することによって湾曲せしめられて、軸方向寸法が拡大されることとなる。これにより、全体として軸方向に拡大変形可能とされて、軸方向に駆動ストロークを得ることが出来るセルアクチュエータ12が構成されている。以下にこのようなセルアクチュエータ12の駆動について詳述する。
先ず、弾性金属板16の上面に貼り付けられたピエゾプレート14に対して印加電圧制御装置22によって駆動電圧が印加されると、ピエゾプレート14が軸直角方向で収縮変形させられる。そして、ピエゾプレート14が水平方向に収縮せしめられると、かかるピエゾプレート14に固定されている弾性金属板16の中央部分上面が長尺方向中央に向かって引張応力を受けることとなる。この応力の作用により弾性金属板16の長尺方向中央部分の上面において収縮変形が生じて、長尺方向中央部分が湾曲せしめられることとなり、長尺方向外方に行くに従って次第に軸方向上方に変位せしめられる。また、ピエゾプレート14の両端部分よりも外方に突出せしめられた部分は、中央部分の湾曲に伴って長尺方向外方に行くに従って次第に上方に持ち上げられる傾斜面とされている。これによりピエゾプレート14への電圧の印加による圧電気現象によって生じた軸直角方向の変形が、弾性金属板16の軸方向変位に変換されて、軸直角方向への駆動を実現することが可能となる。
ここにおいて、弾性金属板16がピエゾプレート14に比してその長尺方向の寸法が大きくされていることにより、駆動基体24の長尺方向両端における軸方向の拡大変形量を有利に得ることが出来るようになっている。即ち、図3からも明らかなように、弾性金属板16はその長尺方向でピエゾプレート14の両端より外方に突出せしめられる部分において、水平突出長さ:Lに略比例して長尺方向両端における駆動基体24の軸方向変位量:Δlが変化する。それ故、水平突出長さ:Lが0<Lとされていることにより、駆動基体24の両端における軸方向変位量:Δlを有利に確保することが可能となっている。
さらに、弾性金属板16において、ピエゾプレート14が固着せしめられて湾曲せしめられる部分における曲率が十分に大きくされていると共に、ピエゾプレート14の両端から外方に突出せしめられた部分の水平突出長さ:Lが十分に大きくされているため、ピエゾプレート14の固着部分における曲率と水平突出長さ:Lとによって設定される駆動基体24の端部における軸方向変位量:Δlが十分に大きく設定されて、弾性金属板16を用いずにピエゾプレート14の収縮変形だけによって軸方向変位量を得る場合に比してより有利に軸方向変位を実現することが出来るのである。
なお、従来の圧電型アクチュエータにおいてピエゾプレートは、その出力軸方向において積層とされると共に、印加電圧による板厚方向での伸縮変形を用いて圧電型アクチュエータを出力軸方向において駆動させるものであったが、本実施形態においては、上述の説明からも明らかなように、出力軸方向におけるピエゾプレート14の伸縮変形に伴って生じる出力軸直角方向における伸縮変形を利用して出力軸方向での変形量が有利に確保されるようになっている。即ち、後述の如くピエゾプレート14を含んで構成されるセルアクチュエータ12が出力軸方向において積層とされると共に、ピエゾプレート14の出力軸方向での伸縮変形量に比して大きな変形量を容易に得ることが出来る出力軸直角方向、即ちピエゾプレート14の長手方向における伸縮変形を巧く利用して、弾性金属板16によって軸方向での変形に変換することにより、圧電型アクチュエータ10が出力軸方向において変形して図示しない駆動対象部材が出力軸方向において変位駆動せしめられるようにされている。
このような弾性金属板16の軸方向への変形によって、弾性金属板16に被着せしめられた積層ゴム弾性体18もまた弾性金属板16の変形に沿うように変形せしめられて、その両端部が軸方向上方に持ち上げられるように湾曲変形せしめられることとなる。
ところで、本実施形態においては、積層ゴム弾性体18が軟質のゴム材によって形成されており、容易に弾性変形せしめられるようになっている。それ故、上述の如き積層ゴム弾性体18の変形によっても、全体としては湾曲形状とならず略矩形形状を保つ。即ち、積層ゴム弾性体18が駆動基体24の湾曲変形に沿って変形しようとすると、駆動基体24の上面に固着されたゴム材に対して径方向の圧縮力が作用せしめられて、かかる圧縮力により駆動基体24の上面に固着されたゴム材が駆動基体24の長尺方向で圧縮変形せしめられる。ここで、ゴム材は弾性変形後もその体積が略一定に保たれるため、径方向において圧縮変形せしめられた駆動基体24の上面に被着されたゴム材は、軸方向において膨出変形せしめられることとなる。それ故、積層ゴム弾性体18が軸方向に拡大変形せしめられると共に、湾曲によって上接合面26に形成される凹みを埋めるように長尺方向中央部分のゴム材が軸方向に膨出変形せしめられて、駆動基体24の湾曲変形によって積層ゴム弾性体18が変形せしめられた後にも、積層ゴム弾性体18の上接合面26が略平坦に保たれることとなる。一方、積層ゴム弾性体18の下面においては、積層ゴム弾性体18の外周部分に位置するゴム材によって長尺方向外方の下面における持ち上がり部分が充填されて、下接合面28が略平坦に保たれることとなる。
これにより、積層ゴム弾性体18、延いてはセルアクチュエータ12の軸直角方向の寸法が僅かに縮小される一方、セルアクチュエータ12の軸方向の寸法が僅かに拡大されることとなって、軸方向への拡張変形延いては軸方向での駆動が実現される。また、上述のとおり、セルアクチュエータ12の上接合面26と下接合面28は何れも略平坦に保たれることとなる。
このようにして構成されて軸方向への拡大変形を実現できるセルアクチュエータ12は、軸方向に複数が重ね合わせられて、それぞれの上接合面26と下接合面28が互いに接着等されることにより接合されて、図1に示されているような圧電型アクチュエータ10が構成されることとなる。
ここにおいて、圧電型アクチュエータ10を構成する各セルアクチュエータ12,12,12,・・・のピエゾプレート14に対してそれぞれ印加電圧制御装置22によって駆動電圧が印加されると、上述の如く各セルアクチュエータ12,12,12,・・・は、それぞれ軸方向に拡大変形せしめられることとなる。そして、各セルアクチュエータ12,12,12,・・・の軸方向での拡大変形により、圧電型アクチュエータ10は、各セルアクチュエータ12の拡大変形量:ΔLの総和分だけ軸方向に拡大されることとなる。具体的には、図4に示されているように、n個のセルアクチュエータ12を積層として構成された圧電型アクチュエータ10においては、各セルアクチュエータ12の拡大変形量:ΔLの総和であるn*ΔLの駆動ストロークをもって作動せしめられることとなる。
なお、弾性金属板16の変形に沿って湾曲せしめられた際に、セルアクチュエータ12の上接合面26と下接合面28が略平坦に維持されない場合には、図5の左側に示されているように、各セルアクチュエータの重ね合わせによって構成される圧電型アクチュエータにおいて軸方向寸法のロスが生じることとなる。しかしながら、本実施形態においては、積層ゴム弾性体18が弾性変形可能とされたゴム材によって形成されており、図5の右側に示されているように、各セルアクチュエータ12,12,12,・・・の拡大変形後においても各セルアクチュエータ12,12,12,・・・の上接合面26及び下接合面28がそれぞれ略平坦面に維持される。それ故、重ね合わせによる軸方向寸法のロスを低減することが出来て、有利に軸方向での駆動ストロークを得ることが出来るようになっている。
そして、このような圧電型アクチュエータ10は、軸方向両端に位置するセルアクチュエータ12,12に対してそれぞれ出力部材30が固定されることにより、圧電型アクチュエータ10の上述の如き駆動によってかかる出力部材30の出力方向での変位駆動を実現させることが可能とされている。即ち、圧電型アクチュエータ10の軸方向両端面、つまり、圧電型アクチュエータ10の軸方向両端に位置するセルアクチュエータ12,12の軸方向端面(上接合面26又は下接合面28)において隣り合う他のセルアクチュエータ12と接合されていない側の面には、出力部材30が加硫接着等の接着手段によって固着されており、この出力部材30に設けられた図示しないボルト孔やボルト等の連結手段によって駆動対象部材を出力方向で駆動変位せしめることが可能となっているのである。なお、本実施形態の圧電型アクチュエータ10は、直線駆動を実現するためのアクチュエータとして採用される。特に、出力軸方向での伸縮駆動と出力軸直角方向での変形を許容する柔軟さが要求される人工筋肉として好適に採用される。
このような本実施形態に従う構造とされた圧電型アクチュエータ10においては、ピエゾプレート14を弾性金属板16に貼り合せて駆動基体24を構成することにより、電圧の印加によるピエゾプレート14の水平方向での収縮変形に伴うセルアクチュエータ12の軸方向での変形量を拡大して有利に確保することが出来る。しかも、かかる駆動基体24を軟質のゴム材料によって形成された積層ゴム弾性体18の内部に埋設せしめることにより、軸方向で拡大変形せしめられるセルアクチュエータ12を積層することにより構成されている圧電型アクチュエータ10において、駆動基体24の変形に伴う軸方向での寸法のロスを低減して、大きな駆動ストロークを比較的小さな印加電圧によって効率的に得ることが可能となる。
また、本実施形態においては、駆動基体24が積層ゴム弾性体18の内部に埋設されてセルアクチュエータ12が構成されているため、積層とされて圧電型アクチュエータ10を構成する各セルアクチュエータ12の重ね合わせ面がゴム弾性体によって構成されることとなる。それ故、圧電型アクチュエータ10が積層ゴム弾性体18の弾性変形によって略軸直角方向の変形を許容されることとなって、出力軸直角方向において柔軟な圧電型アクチュエータ10を実現できると共に、略軸直角方向での外力の作用による圧電型アクチュエータ10の破損等の問題を回避することが出来る。
次に、図6には、本発明の第二の実施形態としての圧電型アクチュエータ32が示されている。なお、以下の説明において、第一の実施形態と同一の部材及び部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
より詳細には、本実施形態に従う構造とされた圧電型アクチュエータ32は、複数のセルアクチュエータ12が積層とされると共に、それらのセルアクチュエータ12に対して弾性チューブ34が外挿状態で配設されることにより構成されている。
セルアクチュエータ12は、薄肉の略矩形平板形状とされたピエゾプレート14と薄肉の略矩形平板形状とされてピエゾプレート14に比してその長尺方向寸法が大きくされた弾性金属板16とが重ね合わせられて固定されることにより構成された駆動基体24と、かかる駆動基体24の略全体を覆って形成される軟質のゴム材料によって形成された積層ゴム弾性体18とを含んで構成されており、全体として厚肉の略矩形平板形状とされている。
一方、弾性チューブ34は、弾性変形可能とされた薄肉の略矩形筒状のチューブで、特に本実施形態においてはゴム材によって形成されている。かかる弾性チューブ34は積層とされたセルアクチュエータ12に対して外挿される。なお、特に本実施形態においては、積層とされた複数のセルアクチュエータ12,12,12,・・・は接着等の手段を用いて相互に固着されてはおらず、出力方向で重ね合わせられている。
このような本実施形態に従う構造とされた圧電型アクチュエータ32においては、積層とされたセルアクチュエータ12に対して弾性チューブ34を外挿状態で取り付けることにより、重ね合わせられたセルアクチュエータ12を互いに接着することなく、各セルアクチュエータ12の略軸直角方向における相対的な変位が制限されて、容易に軸方向で直列に積層せしめることが可能となるため、接着等の手段を用いることなく容易に圧電型アクチュエータ32を構成することが出来る。また、セルアクチュエータ12同士が固着せしめられていないため、セルアクチュエータ12の積層数を比較的容易に変更できて、要求されるアクチュエータの軸方向寸法や駆動ストロークに応じてセルアクチュエータ12の積層数を調節することにより適宜に設定を変更することが出来る。更に、弾性チューブ34が弾性変形可能なゴム材により形成されていることにより、セルアクチュエータ12同士の軸直角方向での過度な位置ずれを容易に回避することが可能となると共に、積層とされるセルアクチュエータ12間に接着等の手段による固定を行わないことにより、一層有利に軸直角方向での変形が実現されて、圧電型アクチュエータ32における軸直角方向での柔軟性を有利に実現することが出来ると同時に、軸直角方向への外力の作用による圧電型アクチュエータ32の破損を有効に回避することが出来る。
次に、図7には、本発明の第三の実施形態としての圧電型アクチュエータ36を構成するセルアクチュエータ38が示されている。かかるセルアクチュエータ38が軸方向に積層とされることにより、圧電型アクチュエータ36が構成されている。なお、以下の説明において、第一,第二の実施形態と同一の部材及び部位については図中に同一の符号を付すことにより説明を省略する。
より詳細には、セルアクチュエータ38は、弾性金属板16の上下両面に対して、それぞれ第一のピエゾプレート40と第二のピエゾプレート42が固着せしめられて構成された駆動基体44と、かかる駆動基体44が埋設せしめられるゴム弾性体によって形成された積層ゴム弾性体18を含んで構成されている。
第一,第二のピエゾプレート40,42は、略同形状で、第一のピエゾプレート40が弾性金属板16の上面に固着されていると共に、第二のピエゾプレート42が弾性金属板16の下面に固着されている。また、本実施形態において、第一のピエゾプレート40と第二のピエゾプレ−ト42は、印加電圧制御装置22によって印加される駆動電圧によって、互いに水平方向で略逆向きに変形せしめられるようになっている。具体的には、例えば、第一のピエゾプレート40が水平方向で収縮変形せしめられると、第二のピエゾプレート42は水平方向で伸長変形せしめられるようになっている。
このような本実施形態に従う構造とされた圧電型アクチュエータ36においては、弾性金属板16の両面に第一,第二のピエゾプレート40,42をそれぞれ固着せしめると共に、それらのピエゾプレート40,42が、一方が収縮変形せしめられると他方が伸長変形せしめられるように制御されることにより、セルアクチュエータ38においてより大きな駆動力を発生させることが出来て、複数のセルアクチュエータ38,38,38,・・・の積層によって構成された圧電型アクチュエータ36においても大きな駆動力を有利に得ることが出来る。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
具体的には、例えば、前記第一,第二の実施形態においては、弾性金属板16の上面に対してのみピエゾプレート14を固着せしめた例を示したが、ピエゾプレート14の弾性金属板16に対する固定位置は前記実施形態によって限定されるものではなく、例えば、前記第三の実施形態において示されているように、弾性金属板16の両面に第一,第二のピエゾプレート40,42がそれぞれ固着されていても良いし、或いは、弾性金属板16の下面だけに固着されていても良い。
また、軸方向での伸縮ストロークを有利に確保するために、前記第一乃至第三の実施形態に示されているように、弾性金属板16はピエゾプレート14(40,42)の長尺方向において外方に延び出すようにされていることが望ましいが、必ずしも長尺方向で延び出すようにされている必要はなく、例えば、任意の水平方向の一方向で対向位置する一対の端縁部においてそれぞれ延び出すようにされていても良い。
また、積層とすることによる軸方向での駆動ストロークの拡大をより有利に実現するために、前記第一乃至第三の実施形態に示されているように、駆動基体24は積層ゴム弾性体18に埋設されていることが望ましいが、積層ゴム弾性体は、必ずしも駆動基体の略全体を覆う態様で駆動基体に対して被着されている必要はない。即ち、積層ゴム弾性体は、少なくとも圧電型アクチュエータの出力方向において対向位置する駆動基体の一方の面の長尺方向中央部分に被着されていれば良く、好適には少なくとも一方の面を略全面に亘って覆う態様で形成されていることが望ましい。具体的には、例えば、駆動基体の上面又は下面の一方を略全面に亘って覆うように被着されていても良い。
さらに、前記第一乃至第三の実施形態においては、ピエゾプレートに対して駆動電圧を印加しない状態において略平坦な上下面を有するセルアクチュエータ12,38を例示したが、セルアクチュエータの上下面はそれぞれ必ずしも平坦面でなくても良い。具体的には、例えば、電圧を印加しない状態で上面が凸形状を有するようにされており、電圧の印加によるセルアクチュエータの変形により略平坦な上面に変形するようにされていても良い。
また、前記第一乃至第三の実施形態においては、弾性金属板16を鉄を材料として形成した金属板で構成した例を示したが、弾性出力板としての弾性金属板は可撓性を有する各種の硬質材によって形成することが可能であって、金属以外の硬質樹脂等も弾性金属板の材料として好適に採用され得る。
また、前記第一乃至第三の実施形態においては、ピエゾプレート14(40,42)に対して印加電圧が加えられていない状態を初期状態とすると共に、ピエゾプレート14(40,42)に対する電圧の印加によって圧電型アクチュエータが軸方向に拡大変形せしめられるようにされていたが、ピエゾプレート14(40,42)に対して印加電圧を加えた状態を初期状態とすると共に、ピエゾプレート14(40,42)に対する電圧の印加を停止することにより圧電型アクチュエータが軸方向で収縮変形せしめられることにより、圧電型アクチュエータを駆動せしめることも可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としての圧電型アクチュエータを示す縦断面図である。 図1に示された圧電型アクチュエータを構成するセルアクチュエータを示す縦断面図である。 図2に示されたセルアクチュエータの作動状態を示す縦断面図である。 図1に示された圧電型アクチュエータの作動状態を説明する縦断面説明図である。 図1に示された圧電型アクチュエータの作動について説明する縦断面説明図である。 本発明の第二の実施形態としての圧電型アクチュエータを示す縦断面図である。 本発明の第三の実施形態としての圧電型アクチュエータを構成するセルアクチュエータを示す縦断面図である。
符号の説明
10 圧電型アクチュエータ
12 セルアクチュエータ
14 ピエゾプレート
16 弾性金属板
18 積層ゴム弾性体
22 印加電圧制御装置
24 駆動基体
30 出力部材

Claims (5)

  1. 圧電素子からなる圧電板を湾曲変形可能な弾性出力板に重ね合わせて固定すると共に、該弾性出力板を該圧電板よりも長尺として該弾性出力板の両端部を該圧電板からそれぞれ延び出させることにより出力基体を形成する一方、該出力基体を覆うカバーゴムを設けたことを特徴とする圧電型アクチュエータ。
  2. 前記カバーゴムにおいて前記出力基体の複数を互いに所定距離を隔てて積層状態で配設した請求項1に記載の圧電型アクチュエータ。
  3. 前記カバーゴムに前記出力基体が配設された請求項1又は2に記載の圧電型アクチュエータを複数用い、該圧電型アクチュエータを互いに重ね合わせて積層構造とした圧電型アクチュエータ
  4. 前記出力基体が、前記カバーゴムに対して埋設状態で配設されている請求項1乃至3の何れかに記載の圧電型アクチュエータ。
  5. 前記出力基体において、前記弾性出力板の両面にそれぞれ前記圧電板が重ね合わせられて固着されている請求項1乃至4の何れかに記載の圧電型アクチュエータ。
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JP2010283614A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Sekyurion Nijuyon Kk カメラ制御装置、撮影方向制御方法、カメラ装置
JP2013505383A (ja) * 2009-09-29 2013-02-14 コングック ユニヴァーシティ インダストリアル コーペレーション コーポレーション 圧電素子を備える弾性橋梁支承

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