JP2006210780A - 多層型光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー利用効率に優れた光電変換装置を提供すること。
【解決手段】(a)酸化チタン被着電極、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層と、(b)p−n接合を有するシリコン基板の両面に正負電極部を有する第二の光電変換層との積層構造を有する多層型光電変換装置。
【選択図】図14

Description

本発明は、太陽電池、受光発電装置等に用いられる光電変換装置に関し、特に発電効率に優れる多層型光電変換装置に関する。
現在、化石型燃料による発電での燃料枯渇問題や原子力発電による環境負荷等の問題から、環境に優しい自然由来の発電方法が探索されている。自然を利用するエネルギー獲得方法としては、水力、風力等が古くから採用されている。そして、近年になって半導体の発達からシリコン半導体による太陽電池が開発され、利用され始めている。
しかしながら、地球に降り注ぐ太陽光のエネルギーは膨大ではあるものの、このような太陽電池における単位面積当たりのエネルギー利用量は依然として少ないままである。この様な状況から、特に太陽電池向けの光電変換分野では、エネルギー利用効率を上げるべく、素材ならびに組みたてでの改良が日々続けられている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開平8−85874号公報 特開平10−70296号公報 特開2002−121683号公報
本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであって、エネルギー利用効率に優れた多層型光電変換装置を提供することを目的としている。
本発明者らは、光電変換装置におけるエネルギー利用効率を向上させるために鋭意研究した結果、従来の光電変換装置においては特定の吸収波長帯の光エネルギーしか利用していないためエネルギー利用効率が小さく、光エネルギーを最大限に利用するためには光電変換装置を吸収波長帯の異なる複数の光電変換層を積層させたものとすることが有効であることを見いだし本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の多層型光電変換装置は、(a)酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層と、(b)pn接合を有するシリコン基板の両面に正負電極部を有する第二の光電変換層との積層構造を有することを特徴とするものである。
本発明の多層型光電変換装置では、前記(b)pn接合を有するシリコン基板の両面に正負電極部を有する第二の光電変換層が、受光面側に配置され、その後方側に前記(a)酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層が、配置されていることが好ましい。
また、前記(a)酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層において、対電極部が主として白金電極からなり、かつ、白金電極がメッシュ状であり、加えて、対電極部側が受光面側となるように配置されていることが好ましい。
さらに、本発明の多層型光電変換装置では、前記(a)酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層は、前記酸化チタン被着電極部の酸化チタン膜が多孔質状であり、前記電解質が高分子電解質であり、かつ、前記対電極部が主として白金電極からなることが好ましい。
本発明によれば、光電変換装置を(a)酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層と、(b)pn接合を有するシリコン基板の両面に正負電極部を有する第二の光電変換層との積層構造を有するものとすることにより、光エネルギーの利用効率を向上させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の多層型光電変換装置は、(a)酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層(以下、単に(a)第一の光電変換層と呼ぶ。)と、(b)pn接合を有するシリコン基板の両面に正負電極部を有する第二の光電変換層(以下、単に(b)第二の光電変換層と呼ぶ。)との積層構造を有することを特徴とするものである。
本発明の多層型光電変換装置では、酸化チタン型の光電変換層である(a)第一の光電変換層と、シリコン型の光電変換層である(b)第二の光電変換層との積層構造とすることで、光エネルギーの利用効率に優れた光電変換装置とすることができる。
すなわち、酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する(a)第一の光電変換層は主吸収波長帯が200nm〜400nmであり、一方、pn接合を有するシリコン基板の両面に正負電極部を有する(b)第二の光電変換層は主吸収波長帯が400nm〜1000nmであり、このような吸収波長帯の異なる複数の光電変換層の積層構造とすることにより、一方の光電変換層で吸収できなかった光エネルギーを他方の光電変換層で吸収させることができ、従来のような1種の吸収波長帯のみからなる光電変換装置に比べ光エネルギーを有効利用することが可能となる。
以下、まず本発明の多層型光電変換装置を構成する(a)酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層、ならびに、(b)pn接合を有するシリコン基板の両面に正負電極部を有する第二の光電変換層について説明する。
図1は、(a)第一の光電変換層の第1の構成例を示した断面図である。(a)第一の光電変換層1は、例えば酸化チタン被着電極部11、電解質12および対電極部13からなり、酸化チタン被着電極部11と対電極部13とが電解質12を介して配置されている。
酸化チタン被着電極部11は、酸化チタン被着用電極14上に酸化チタン膜15が形成されたものであり、酸化チタン膜15側が電解質12側となるように配置されている。この酸化チタン被着用電極14としては透明導電膜、金属電極等が用いられ、これらは透光性等を考慮して適宜選択して用いることが好ましい。透明導電膜としては、例えばITO、SnO等の透明導電膜が好ましく用いられ、その製造方法および膜厚等は適宜選択することが好ましい。
また、酸化チタン膜15は酸化チタンからなるものであればよく、酸化チタンとしては例えばアナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの種々の酸化チタンを用いることができる。
酸化チタン膜15は、例えば酸化チタン被着用電極14上に二酸化チタン粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥、焼成する方法、酸化チタン被着用電極14上に所望の原料ガスを用いたCVD法またはMOCVD法等により薄膜に成膜する方法、あるいは原料固体を用いたPVD法、蒸着法、スパッタリング法または、有機ゾル液あるいは無機ゾル液を用いるゾル−ゲル法等により薄膜に形成することができる。この酸化チタン膜15は、多孔質状であればより好ましい。
酸化チタン膜15を活性化するために、色素等を用いて活性化処理を行ってもよい。酸化チタン膜15上に色素を吸着させる方法としては、例えば酸化チタン被着用電極14上に形成された酸化チタン膜15を、色素を溶解した1種または2種以上の非プロトン性溶液、疎水性溶液または非プロトン性かつ疎水性溶液に浸漬する方法が挙げられる。また、色素を吸着させると共に、あるいは、色素を吸着させる代わりに、キャリア輸送剤を吸着させてもよい。
また、電解質12としては、一般に電池や太陽電池等において使用することができる電解質であれば特に限定されるものではなく、例えばヨウ素、臭素あるいは塩素を含む電解液または高分子電解質等を用いることができる。高分子電解質としてはフッ素系高分子電解質、炭化水素系高分子電解質を始めとする固体高分子型電解質が利用でき、中でも市販されているスルフォン基を有するNafion膜(DuPont社製)、Dow膜(DowChemical社製)などが好適である。
対電極部13は主として白金電極16からなるものであり、この白金電極16としては薄膜状・非薄膜状のものが挙げられ、これらは透光性等を考慮して適宜選択して用いられる。白金電極16としては、例えば図2、図3に示すような孔部等を有しない一様なものが挙げられる。なお、図2は白金電極16の平面図であり、図3は図2のA−A’断面を示した断面図である。
対電極部13としては図1に示すような白金電極16のみからなるものの他に、例えば図4に示す第2の構成例のように、製造上、保護等の必要性から透明絶縁膜等の保護膜17上に白金電極16が形成されたものであってもよい。この場合、白金電極16側が電解質12側となるようにする。
図5は、(a)第一の光電変換層1の第3の構成例を示した断面図である。上述した図1、4に示される(a)第一の光電変換層1では、白金電極16として図2、3に示すような孔部を有しないものを用いた例を示したが、本発明ではこのような孔部を有しない白金電極16に代えて、図5に示すような白金部としての連続した枠状部分16aと、その中に形成される非白金部としての両主面を貫通する複数の孔部16bとを有するメッシュ状の白金電極16としてもよい。このように非白金部としての孔部16bを複数設けることで、光子をこの孔部16bを通して容易に(a)第一の光電変換層1内部へと導入することが可能となる。
図6、図7は、メッシュ状の白金電極16の一例を示した平面図ならびに断面図である。メッシュ状の白金電極16としては、例えば孔部16bの形状が正方形状であり、その配置が格子状であるものが挙げられるが、必ずしもこのような形状、配置のものに限られず、孔部16bの形状は長方形状、円状、その他形状から適宜選択することができ、またその大きさ等も適宜選択することができる。さらに、孔部16bの配置も適宜選択することができる。
メッシュ状の白金電極16を用いた対電極部13についても上述した孔部を有しない白金電極16と同様、図5に示すような白金電極16のみからなるものの他に、例えば図8に示す第4の構成例のように、製造上、保護上等の必要性から透明絶縁膜等の保護膜17上に白金電極16が形成されたものであってもよい。この場合、白金電極16側が電解質12側となるようにする。
以上、(a)第一の光電変換層1について第1〜第4の構成例を例に挙げて説明したが、(a)第一の光電変換層1の各部の構成については、その両主面のいずれを受光面側とするか、また、(b)第二の光電変換層に対して受光面側とするかあるいは後方側とするかによって、適宜、変更することが好ましい。
例えば、(a)第一の光電変換層1を装置全体の受光面側に配置し、その後方側に(b)第二の光電変換層を配置する場合、後方側の(b)第二の光電変換層に光子を導入する観点から、(a)第一の光電変換層1全体が透光性であることが好ましい。(a)第一の光電変換層1全体を透光性に優れたものとするには、例えば酸化チタン被着電極部11の酸化チタン被着用電極14を透明導電膜とすると共に酸化チタン膜15を薄膜状かつ多孔質状とすることが好ましく、さらに対電極部13の白金電極16を薄膜状とし、さらにメッシュ状等にすることが好ましい。
また、この逆に(b)第二の光電変換層を装置全体の受光面側に配置し、その後方側に(a)第一の光電変換層1を配置する場合、(a)第一の光電変換層1のうち受光面側((b)第二の光電変換層側)となる酸化チタン被着電極部11の酸化チタン被着用電極14、酸化チタン膜15または対電極部13の白金電極16については上述したように薄膜状、メッシュ状等にすることが好ましいが、後方側となるものについては必ずしも薄膜状、メッシュ状等にする必要はない。例えば最も後方側が酸化チタン被着電極部11となる場合、必ずしも酸化チタン被着用電極14を透明導電膜とする必要はなく、金属電極等を用いることもできる。
図9は、本発明の多層型光電変換装置における(b)第二の光電変換層2の一例を示したものである。(b)第二の光電変換層2は、シリコン基板2aと、その両主面に形成される正負電極部21とを必須構成とし、シリコン基板2aはn型シリコン層22とp型シリコン層23とからなり、pn接合を有するものである。また、(b)第二の光電変換層2には、本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて反射防止膜等の公知のシリコン基板太陽電池セルの技術を適用することができる。
(b)第二の光電変換層2の作製方法は公知のシリコン基板太陽電池セルの製造方法を適用することができ、例えば太陽光発電技術研究組合編の「薄膜太陽電池の基礎と応用」等を参照されたい。以下に、(b)第二の光電変換層2の製造方法の一例を例示する。(b)第二の光電変換層2の製造は、例えばシリコン基板表面加工、pn接合形成、電極部形成工程等の各工程からなる。
まず、シリコン基板2aの作製に用いられるものとしては単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板等が挙げられ、これらはp型、n型のいずれであってもよい。単結晶シリコン基板は、引き上げ法等によって形成された単結晶シリコンのインゴットを所定の厚さに切断し、さらに所定の形状に切断することにより得られるものである。また、多結晶シリコン基板は、鋳造法等によって形成された多結晶シリコンのインゴットを、単結晶シリコン基板と同様に所定の厚さに切断し、さらに所定の形状に切断することにより得られるものである。
単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板等にn型シリコン層22、p型シリコン層23を形成するには、例えば上述したような単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板等に、例えばn型の不純物を拡散させる場合、POClを用いた気相拡散法、Pを用いた塗布拡散法あるいはPイオンを直接拡散させるイオン打ち込み法等によって行うことができる。
電極部21としては、図10、図11に示されるような全面が均一なもの、あるいは、図12、13に示されるような格子状等に形成された金属電極21aと透明導電膜21bとからなるもの、また図示しないが透明導電膜等が挙げられ、これらは光子の透過性等を考慮して適宜選択して用いることが好ましく、また両主面の電極部は必ずしも同じ種類のものである必要はなく、異なる種類のものであってもよい。
シリコン基板2aの両主面への正負電極部21の形成は、例えば銀粉末、有機ビヒクル、ガラスフリットを含みペースト状にしたものを、スクリーン印刷法等で所定のパターン形状に塗布した後、乾燥、焼成すること等により行うことができる。高効率の太陽電池を製造する場合、裏面電極部の形成にアルミペーストの印刷焼成法を採用することが好ましい。すなわち、アルミ粉末を含むペーストをシリコン基板に印刷した後、電気炉にてアルミとシリコンの共晶温度よりも高い温度で焼成し、拡散層を形成する。さらにアルミ酸化層にははんだ付けができないため、銀ペースト等で外部接続端子が形成し、裏面電極部とする。
以上、本発明の多層型光電変換装置における(a)第一の光電変換層1、(b)第二の光電変換層2について説明したが、本発明の多層型光電変換装置においては必要に応じて、かつ、本発明の趣旨に反しない限度において公知の技術を適用することができる。
次に、上述したような(a)第一の光電変換層1と(b)第二の光電変換層2との積層構造を有する本発明の多層型光電変換装置について説明する。
図14は、本発明の多層型光電変換装置の第1の構成例を示した断面図である。この多層型光電変換装置100は、装置全体の受光面側(光子200の進入側)に(b)第二の光電変換層2を配置し、その後方側に(a)第一の光電変換層1を配置したものである。そして、これら(a)第一の光電変換層1と(b)第二の光電変換層2とは透明絶縁膜41を介して接合され、また多層型光電変換装置100全体の受光面側、後方側にはそれぞれ保護等のための透明基板42、透明絶縁膜41が設けられている。
(b)第二の光電変換層2は図9に示されるものとほぼ同様のものであり、受光面側の電極部21が透明導電膜からなり、後方側の電極部21は図12、13に示されるような格子状等に形成された金属電極21aと透明導電膜21bとからなるものである。また、(a)第一の光電変換層1は図1に示されるものと同様のものであり、酸化チタン被着電極部11を受光面側とし、その酸化チタン被着用電極14が透明導電膜、酸化チタン膜15が薄膜状かつ多孔質状のものである。なお、図中、符合に付された(t)は薄膜状であることを示ものである。
この多層型光電変換装置100では、(b)第二の光電変換層2を透過した光子200が(a)第一の光電変換層1に進入して起電エネルギーとなり、また、(a)第一の光電変換層1の後方側の対電極部13(白金電極16)が反射膜として有効に働くため、光エネルギーを有効に利用することができる。
図15は、多層型光電変換装置100の第2の構成例を示した断面図である。この多層型光電変換装置100は、装置全体の受光面側に(b)第二の光電変換層2を配置し、その後方側に(a)第一の光電変換層1を配置した点では図14に示される多層型光電変換装置100と共通する。また、(b)第二の光電変換層2の構成についても、図14に示される多層型光電変換装置100と共通する。
しかしながら、図14に示される多層型光電変換装置100と異なり、(a)第一の光電変換層1として、図5に示すような対電極部13の白金電極16として少なくともメッシュ状のものを用い、この対電極部13(メッシュ状の白金電極16)側を受光面側とした点で異なる。また、このメッシュ状の白金電極16は薄膜状であることが好ましい。このようにすることで、装置全体の後方側に配置される(a)第一の光電変換層1の内部にも光子200を有効に導入し、光エネルギーを有効に利用することができる。なお、この場合、(a)第一の光電変換層1の後方側となる酸化チタン被着電極部11については必ずしも透光性を考慮する必要がないため、その酸化チタン膜15は必ずしも薄膜状である必要はなく、また酸化チタン被着用電極14についても必ずしも透明導電膜に限られず金属電極を用いることができる。
図16は、本発明の多層型光電変換装置の第3の構成例を示した断面図である。この多層型光電変換装置100は、図14、図15に示した多層型光電変換装置100と異なり、装置全体の受光面側を(a)第一の光電変換層1とし、その後方側に(b)第二の光電変換層2を配置したものである。
また、(a)第一の光電変換層1は酸化チタン被着電極部11を受光面側とし、その酸化チタン被着用電極14を透明導電膜、酸化チタン膜15を薄膜状かつ多孔質状とし、後方側の対電極部13を薄膜状の白金電極16としたものである。
(b)第二の光電変換層2については、その受光面側の電極部21については透明導電膜等の透光性を有するものであることが好ましいが、その後方側の電極部21については必ずしも透光性を考慮する必要がないため金属電極を用いることができる。
この多層型光電変換装置100では、(a)第一の光電変換層1の酸化チタン被着用電極14を透明導電膜、酸化チタン膜15を薄膜状かつ多孔質状とし、後方側の対電極部13を薄膜状の白金電極16とし、光子200の透光性を高めることで、その後方側に配置される(b)第二の光電変換層2へ光子200を有効に導入し、光エネルギーを有効に利用することができる。
上述したような本発明の多層型光電変換装置100の製造方法としては特に限定されるものではなく、例えば(a)第一の光電変換層1と(b)第二の光電変換層2とを別々に作製してそれらを透光性、絶縁性を有する接着剤で貼り合わる等により積層させてもよく、また、例えば(b)第二の光電変換層2を作製した後、その所定の面に(a)第一の光電変換層1を構成する各層を所定の積層順序で積層させてもよい。
以上、本発明の多層型光電変換装置100について第1〜第3の構成例を例に挙げて説明したが、本発明の多層型光電変換装置100においては必ずしも上述したような構成に限られず、本発明の趣旨に反しない限度において変更が可能である。本発明の多層型光電変換装置100においては、上述したような構成とすることで、太陽光等の高エネルギー線に耐えると共に、光電変換効率の向上が可能となる。
以下、本発明の多層型光電変換装置について、実施例を参照して説明する。まず、実施例および比較例の多層型光電変換装置に用いられる個々の光電変換層について説明し、次にそれらを組み合わせて(積層させて)得られる多層型光電変換装置について説明する。
(1)光電変換層A
n型単結晶シリコン太陽電池の層構造を基本構造とした。すなわち、n型単結晶シリコン基板の表面に異方性エッチングを施しテクスチャ構造とした後、熱拡散法により表面にpn接合を形成し、裏面にアルミ含有ペーストを用い印刷焼成法にて裏面電極を形成した。さらに、表面に銀含有ペーストをパターニング後、焼成し表面電極を形成して(b)第二の光電変換層とした。なお、この(b)第二の光電変換層では、n型面側を受光面側として用いた。
(2)光電変換層B
p型単結晶シリコン太陽電池の層構造を基本構造とした。すなわち、p型単結晶シリコン基板の表面に異方性エッチングを施しテクスチャ構造とした後、熱拡散法により表面にpn接合を形成し、裏面にアルミ含有ペーストを用い印刷焼成法にて裏面電極を形成した。さらに、表面に銀含有ペーストをパターニング後、焼成し表面電極を形成して(b)第二の光電変換層とした。なお、この(b)第二の光電変換層では、p型面側を受光面側として用いた。
(3)光電変換層C
多結晶シリコン太陽電池の層構造を基本構造とした。すなわち、多結晶シリコン基板の表面に異方性エッチングを施しテクスチャ構造とした後、熱拡散法により表面にpn接合を形成し、一方、裏面にアルミ含有ペーストを用い印刷焼成法にて裏面電極を形成した。さらに、表面に銀含有ペーストをパターニング後、焼成し表面電極を形成して(b)第二の光電変換層とした。なお、この(b)第二の光電変換層では、n型面側を受光面側として用いた。
(4)光電変換層D
受光面側から順に、透明導電膜、薄膜状かつ多孔質状の酸化チタン膜(酸化チタン被着電極部)、固体高分子電解質(電解質)、白金電極(対電極部)となるように各層を積層し、(a)第一の光電変換層とした。なお、この(a)第一の光電変換層の構成は、図14に示される多層型光電変換装置の(a)第一の光電変換層部分と同様である。
(5)光電変換層E
受光面側から順に、薄膜状かつメッシュ状の白金電極(対電極部)、固体高分子電解質(電解質)、多孔質状の酸化チタン膜、金属電極(酸化チタン被着電極部)となるように各層を積層し、(a)第一の光電変換層とした。なお、この(a)第一の光電変換層の構成は、図15に示される多層型光電変換装置の(a)第一の光電変換層部分と同様である。
(6)光電変換層F
受光面側から順に、透明導電膜、薄膜状かつ多孔質状の酸化チタン膜(酸化チタン被着電極部)、固体高分子電解質(電解質)、薄膜状の白金電極(対電極部)となるように各層を積層し、(a)第一の光電変換層とした。なお、この(a)第一の光電変換層の構成は、図16に示される多層型光電変換装置の(a)第一の光電変換層部分と同様である。
(7)光電変換層G
受光面側から順に、透明導電膜、キャリア輸送材処理がなされた薄膜状かつ多孔質状の酸化チタン膜(酸化チタン被着電極部)、固体高分子電解質(電解質)、薄膜状の白金電極(対電極部)となるように各層を積層し、(a)第一の光電変換層とした。なお、この(a)第一の光電変換層の構成は、図16に示される多層型光電変換装置の(a)第一の光電変換層部分と同様である。
次に、上述した(a)第一の光電変換層としての光電変換層D〜G、および、(b)第二の光電変換層としての光電変換層A〜Cを、表1に示すような組み合わせで積層し、実施例1〜8の多層型光電変換装置とした。なお、実施例1〜8の多層型光電変換装置については、各光電変換層どうしの間には透明絶縁膜を配し、また多層型光電変換装置全体の受光面側および後方側にはそれぞれ保護膜としての透明基板、透明絶縁膜を設けた。
(比較例1)
光電変換層として(1)光電変換層Aのみを用い、導電性のペーストで必要な回路形成を行って光電変換装置とした。
(比較例2)
光電変換層として(2)光電変換層Bのみを用い、導電性のペーストで必要な回路形成を行って光電変換装置とした。
(比較例3)
光電変換層として(3)光電変換層Cのみを用い、導電性のペーストで必要な回路形成を行って光電変換装置とした。
Figure 2006210780
*1:図14の多層型光電変換装置の(b)第二の光電変換層のn型シリコン層とp型シリコン層とを入れ替えた。
*2:図14の多層型光電変換装置の(a)第一の光電変換層の白金電極を薄膜とした。
また、表中、光電変換層D〜Gにおける記号は以下のものを示す。
T:透明導電膜、D:固体高分子電解質、M:金属電極
t:薄膜状、m:メッシュ状、c:キャリア輸送材吸着
次に、これら実施例および比較例の光電変換装置について光変換効率の測定および耐太陽光試験を行った。光変換効率の測定は以下のようにして行った。すなわち、ソーラーシミュレータで1000W/mの光エネルギーを投射し、電流・電圧特性を測定し、そのデータを元に光電変換効率を測定した。また、耐太陽光試験は太陽光に1000時間さらしたときの劣化の有無を測定した。劣化の有無の判断は、初期の光電変換効率の90%にまで、光電変換効率が低下した時点を劣化した、と判定した。
Figure 2006210780
表2に示す結果から明らかなように、光電変換装置を(a)酸化チタン被着電極、電解質および対電極を有する第一の光電変換層と、(b)pn接合を有するシリコン基板の両面に正負電極を有する第二の光電変換層との積層構造を有する多層型のものとすることにより、光変換効率を向上させることができることが明らかとなった。
(a)第一の光電変換層の第1の構成例を示した断面図。 図1に示す白金電極を示した平面図。 図2に示す白金電極のA−A’における断面図。 (a)第一の光電変換層の第2の構成例を示した断面図。 (a)第一の光電変換層の第3の構成例を示した断面図。 図5に示す白金電極を示した平面図。 図6に示す白金電極のA−A’における断面図。 (a)第一の光電変換層の第4の構成例を示した断面図。 (b)第二の光電変換層の構成例を示した断面図。 (b)第二の光電変換層の電極部の一例を示した平面図。 図10に示す電極部のA−A’における断面図。 (b)第二の光電変換層の電極部の他の例を示した平面図。 図12に示す電極部のA−A’における断面図。 本発明の多層型光電変換装置の第1の構成例を示した断面図。 本発明の多層型光電変換装置の第2の構成例を示した断面図。 本発明の多層型光電変換装置の第3の構成例を示した断面図。
符号の説明
1…第一の光電変換層、2…第二の光電変換層(2a…シリコン基板)、11……酸化チタン被着電極部、12…電解質、13…対電極部、14…酸化チタン被着用電極、15…酸化チタン膜、16…白金電極(16a…枠状部分、16b…孔部)、17…保護膜、21…電極部(21a…金属電極、21b…透明導電膜)、41…透明導電膜、42…透明基板、100…多層型光電変換装置、200…光子

Claims (4)

  1. (a)酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層と、(b)pn接合を有するシリコン基板の両面に正負電極部を有する第二の光電変換層との積層構造を有することを特徴とする多層型光電変換装置。
  2. 前記(b)pn接合を有するシリコン基板の両面に正負電極部を有する第二の光電変換層が、受光面側に配置され、その後方側に前記(a)酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層が、配置されていることを特徴とする請求項1記載の多層型光電変換装置。
  3. 前記(a)酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層において、対電極部が主として白金電極からなり、かつ、白金電極がメッシュ状であり、加えて、対電極部側が受光面側となるように配置されていることを特徴とする請求項2記載の多層型光電変換装置。
  4. 前記(a)酸化チタン被着電極部、電解質および対電極部を有する第一の光電変換層は、前記酸化チタン被着電極部の酸化チタン膜が多孔質状であり、前記電解質が高分子電解質であり、かつ、前記対電極部が主として白金電極からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の多層型光電変換装置。
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