JP2006210430A - 半導体レーザ - Google Patents

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Takeshi Masui
勇志 増井
Hironobu Narui
啓修 成井
Tomokimi Hino
智公 日野
Yoshiaki Watabe
義昭 渡部
Yoshinori Yamauchi
義則 山内
Norihiko Yamaguchi
典彦 山口
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Abstract

【課題】素子の信頼性の向上した面発光型半導体レーザを提供する。
【解決手段】下部DBRミラー層11および上部DBRミラー層15は、それぞれ高屈折率層11Ai(15Aj)および低屈折率層11Bi(15Bj)の組を複数積層した構造を有する。下部DBRミラー層11および上部DBRミラー層15それぞれにおいて、複数の高屈折率層11Ai(15Aj)のうち活性層13の近傍の層の不純物濃度は、活性層13の近傍以外の層のそれよりも低濃度(第1の不純物濃度)である。また、複数の低屈折率層11Bi(15Bj)のうち活性層13の近傍の層の不純物濃度は、上記高屈折率層11Ai(15Aj)における第1の不純物濃度よりも高濃度(第2の不純物濃度)である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、一対の多層膜反射鏡の間に活性層を含んで構成した面発光型半導体レーザに関する。
面発光型半導体レーザは、従来のファブリペロー共振器型半導体レーザとは異なり、基板に対して直交方向に光を出射するものであり、同じ基板上に2次元アレイ状に多数の素子を配列することが可能であることから、近年、データ通信分野で注目されている。
ここで、一般的な面発光型半導体レーザの基本構造とその動作について簡単に説明する。面発光型半導体レーザは、半導体基板上に一対の多層膜反射鏡が形成され、その対の反射鏡の間に発光領域となる活性層を有するレーザ構造部を備えている。一方の多層膜反射鏡には、活性層への電流注入効率を高め、しきい値電流を下げるために電流狭窄層が設けられている。また、下面側にはn側電極、上面側にはp側電極がそれぞれ設けられ、p側電極にはレーザ光を出射するための開口部が設けられている。この面発光型半導体レーザでは、一方の多層膜反射鏡に設けられた電流狭窄層により狭窄された電流が活性層へ注入され、活性層で発光した光はレーザ光としてp側電極に設けられた開口部から出射される。
ところで、上記した面発光型半導体レーザは、ファブリペロー共振器型と比べてしきい値電流が小さく、素子寿命が長いなどの多くの利点を有する一方で、多層膜反射鏡の直列抵抗などに起因する発熱が大きいため、活性層でキャリア・オーバーフローや素子劣化などが生じ易い。その結果、素子の信頼性が低下し易いという問題を有する。これを解決する方策は、近年多数提案されているが、例えば、特許文献1において、多層膜反射鏡のうち活性層に近接する領域における不純物のドーピング濃度を一律に低くする方法が提案されている。
特開2001−332812号公報
しかしながら、このような方法では、ドーピング濃度が相対的に低い領域が広くなるので、直列抵抗に起因する発熱がより大きくなり、活性層でキャリア・オーバーフローが生じたり、不純物がより拡散して素子劣化が生じる虞があり、素子の信頼性を向上させることは困難である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、素子の信頼性の向上した面発光型半導体レーザを提供することにある。
本発明の面発光型半導体レーザは、それぞれ高屈折率層および低屈折率層の組を複数積層した構造を有し、互いに異なる導電型の不純物濃度を含有する第1多層膜反射鏡および第2多層膜反射鏡と、第1多層膜反射鏡と第2多層膜反射鏡との間に設けられた活性層とを備え、第1多層膜反射鏡および第2多層膜反射鏡それぞれにおいて、複数の高屈折率層のうち活性層の近傍の層はそれ以外の層よりも低濃度の第1の不純物濃度を有し、かつ、複数の低屈折率層のうち活性層の近傍の層は第1の不純物濃度よりも高濃度の第2の不純物濃度を有するを備えたものである。
本発明の面発光型半導体レーザでは、第1多層膜反射鏡および第2多層膜反射鏡それぞれにおいて、複数の高屈折率層のうち活性層の近傍の層はそれ以外の層よりも低濃度の第1の不純物濃度を有しており、具体的には、1.0x 1017/cm3 以下の不純物濃度を有している。また、複数の低屈折率層のうち活性層の近傍の層は第1の不純物濃度よりも高濃度の第2の不純物濃度を有有しており、具体的には、1.0x 1017/cm3 より高い不純物濃度を有している。これにより、高濃度の不純物が活性層へ拡散するのを抑制することができるだけでなく、多層膜反射鏡の直列抵抗の上昇を抑制することができる。
なお、本明細書において「活性層の近傍」とは、第1多層膜反射鏡および第2多層膜反射鏡それぞれにおいて、活性層側から数えて1層目から数層目(およそ10層目)までの層を指しており、多層膜反射鏡の直列抵抗の上昇を抑制する観点からすると、1層目から3層目までの層であることが望ましく、1層目の層のみであることが最も望ましい。また、「不純物」とは、多層膜反射鏡を製造する過程において、層内に望ましい性質を作り出すために意図的に添加される物質であり、例えば、p型不純物としての亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)もしくはベリリウム(Be)、または、n型不純物としてのケイ素(Si)もしくはセレン(Se)などを含む概念である。
本発明の面発光型半導体レーザ素子によれば、多層膜反射鏡を構成する複数の高屈折率層において、活性層近傍の層の不純物濃度を、活性層近傍以外の層の不純物濃度より低い濃度(第1の不純物濃度)とすると共に、同じく多層膜反射鏡を構成する複数の低屈折率層において、活性層近傍の層の不純物濃度を、上記高屈折率層における第1の不純物濃度より高い濃度(第2の不純物濃度)とするようにしたので、発熱による活性層でのキャリア・オーバーフローや素子の劣化を抑制することができ、その結果、素子の信頼性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る面発光型半導体レーザ1の断面構造を表したものである。また、図2(A)〜(C)は、図1の面発光型半導体レーザ1の断面構造の一部を拡大すると共に、この面発光型半導体レーザ1における屈折率の分布および不純物濃度の分布を表したものである。
面発光型半導体レーザ1は、基板10の一面側に、下部DBRミラー層11(第1多層膜反射鏡)、下部クラッド層12、活性層13、上部クラッド層14、上部DBRミラー層15(第2多層膜反射鏡)およびp型コンタクト層16をこの順に積層して構成したものである。ここで、下部クラッド層12の一部、活性層13、上部クラッド層14、上部DBRミラー層15およびp型コンタクト層16は、p型コンタクト層16まで形成されたのち、選択的にエッチングされることによりメサポスト2となっている。
基板10、下部DBRミラー層11、下部クラッド層12、活性層13、上部クラッド層14、上部DBRミラー層15およびp型コンタクト層16は、例えばGaAs(ガリウム・ヒ素)系の化合物半導体によりそれぞれ構成されている。なお、GaAs系化合物半導体とは、短周期型周期表における3B族元素のうち少なくともガリウム(Ga)と、短周期型周期表における5B族元素のうち少なくともヒ素(As)とを含む化合物半導体のことをいう。
基板10は、例えばn型GaAsにより構成されている。下部DBRミラー層11は、図2(A)〜(C)に示したように、低屈折率層11Aiおよび高屈折率層11Bi(1≦i≦x)を1組として、それをx組分含んで構成されたものである。なお、活性層14側に向かうにつれてiの値は小さくなるものとする。この低屈折率層11Aiは、例えば厚さがλ/4n(λは発振波長、nは屈折率)のn型Ala Ga1-a As(0<a<1)により構成されており、高屈折率層11Biは、例えば厚さがλ/4nのn型Alb Ga1-b As(0<b<a)により構成されている。ここで、n型不純物としては、例えばケイ素(Si)またはセレン(Se)などが挙げられる。
また、活性層13側から数えて1層目から数層目(およそ10層目)までの、望ましくは1層目から3層目までの、より望ましくは1層目のみの高屈折率層11Biは、それ以外の高屈折率層11Biより低濃度のn型不純物濃度(第1の不純物濃度)を有しており、例えば1.0x 1017/cm3 以下の濃度のn型不純物濃度を有していることが望ましい。なお、図2(C)において、活性層13側から数えて1層目の高屈折率層11B1だけが、それ以外の高屈折率層11Biより低濃度のn型不純物濃度を有している様子を例示した。
ところで、このような低濃度は、後述のように、この層を製造する過程においてn型不純物の供給を停止することにより実現されるが、実際には隣接する層からn型不純物が拡散してくるため、この層のn型不純物濃度は、おおよそ1.0x 1016/cm3 以上1.0x 1017/cm3 以下の範囲となることが多い。
一方、活性層13側から数えて1層目から数層目(およそ10層目)までの、望ましくは1層目から3層目までの、より望ましくは1層目のみの低屈折率層11Aiは、活性層13側から数えて数層目までの高屈折率層11Biより高濃度のn型不純物濃度(第2の不純物濃度)を有しており、例えば1.0x 1017/cm3 より大きく1.0x 1019/cm3 以下の濃度のn型不純物濃度を有していることが望ましく、1.0x 1018/cm3 以上1.0x 1019/cm3 以下の濃度のn型不純物濃度を有していることがより望ましい。なお、図2(C)において、活性層13側から数えて1層目の低屈折率層11A1だけが、活性層13側から数えて数層目までの高屈折率層11Biより高濃度のn型不純物濃度を有している様子を例示した。
下部クラッド層12は、例えばAlc Ga1-c As(0<c<1)により構成されている。活性層13は、例えばGaAs系材料により構成されている。上部クラッド層14は、例えばAlf Ga1-f As(0<f<1)により構成されている。この下部クラッド層12、活性層13および上部クラッド層14は、アンドープであることが望ましいが、p型またはn型不純物が含まれていてもよい。
上部DBRミラー層15は、図2(B),(C)に示したように、低屈折率層15Ajおよび高屈折率層15Bj(1≦j≦y)を1組として、それをy組分含んで構成されたものである。なお、活性層14側に向かうにつれてjの値は小さくなるものとする。この低屈折率層15Ajは、例えば厚さがλ/4n(λは発振波長、nは屈折率)のp型Alg Ga1-g As(0<g<1)により構成されており、高屈折率層11Bjは、例えば厚さがλ/4nのp型Alh Ga1-h As(0<h<g)により構成されている。ここで、p型不純物としては、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)などが挙げられる。
ただし、上部DBRミラー層15において、活性層13側から数えてz組(1≦z≦y)離れた低屈折率層15Ajの部位には、低屈折率層15Ajの代わりに、電流狭窄層15Cが形成されている。この電流狭窄層15Cは、その中央領域に設けられた電流注入領域15C−1、および電流注入領域15C−1を取り囲む部位に設けられた電流狭窄領域15C−2を含んで構成されている。なお、図2では、電流狭窄層15Cが活性層13側から数えて1層目の低屈折率層15A1の部位に設けられた場合の構造および屈折率の分布を例示した。
また、活性層13側から数えて1層目から数層目(およそ10層目)までの、望ましくは1層目から3層目までの、より望ましくは1層目のみの高屈折率層15Bjは、それ以外の高屈折率層15Bjより低濃度のp型不純物濃度(第1の不純物濃度)を有しており、例えば1.0x 1017/cm3 以下の濃度のp型不純物濃度を有している。なお、図2(C)において、活性層13側から数えて1層目の高屈折率層15B1だけが、それ以外の高屈折率層15Biより低濃度のp型不純物濃度を有している様子を例示した。また、上記の下部DBRミラー層11の場合と同様の理由により、この層のp型不純物濃度は、おおよそ1.0x 1016/cm3 以上1.0x 1017/cm3 以下の範囲となることが多い。
一方、活性層13側から数えて1層目から数層目(およそ10層目)までの、望ましくは1層目から3層目までの、より望ましくは1層目のみの低屈折率層15Ajは、活性層13側から数えて数層目までの高屈折率層15Bjより高濃度のp型不純物濃度(第2の不純物濃度)を有しており、例えば1.0x 1017/cm3 より大きく1.0x 1019/cm3 以下の濃度のp型不純物濃度を有していることが望ましく、1.0x 1018/cm3 以上1.0x 1019/cm3 以下の濃度のp型不純物濃度を有していることがより望ましい。なお、図2(C)において、活性層13側から数えて1層目の低屈折率層15A1だけが、活性層13側から数えて数層目までの高屈折率層15Bjより高濃度のp型不純物濃度を有している様子を例示した。
また、本実施の形態では、電流狭窄層15Cは活性層14側から数えて1層目の高屈折率層15B1の部位に設けられているので、活性層14側から数えて1層目から数層目までの他の高屈折率層15Bjと同様に、活性層13側から数えて数層目までの高屈折率層15Bjより高濃度のp型不純物濃度を有している。
p型コンタクト層16は、例えばp型GaAsにより構成されており、上記の電流注入領域15C−1と対向する領域に例えば円形の開口部16Aを有している。
絶縁層17は、上記開口部16Aと、p型コンタクト層16のうち開口部16Aの周縁部とを除くメサポスト2全体を覆うように形成されており、例えばポリイミドにより構成されている。p側電極18は、開口部16Aの周縁部と、絶縁層17とを覆うように形成されている。このp側電極18は、例えば、チタン(Ti)層,白金(Pt)層および金(Au)層をp側コンタクト層16の側から順に積層したものであり、p型コンタクト層16と電気的に接続されている。また、基板10の裏面にはn型コンタクト層19およびn側電極20がこの順に形成されている。ここで、n型コンタクト層19は、例えばn型GaAsにより構成されている。また、n側電極20は、例えば、金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金層,ニッケル(Ni)層および金(Au)層とを基板10の側から順に積層した構造を有しており、n型コンタクト層19と電気的に接続されている。
このような構成を有する面発光型半導体レーザ1は、例えば次のようにして製造することができる。
図3(A)〜(C)は、その製造方法を工程順に表したものである。例えばGaAs(ガリウム・ヒ素)系の面発光型半導体レーザ1を製造するためには、基板10上の化合物半導体層を、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition ;有機金属化学気相成長)法により形成する。この際、III−V族化合物半導体の原料としては、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMIn)、アルシン (AsH3)を用い、ドナー不純物の原料としては、例えば、H2 Seを用い、アクセプタ不純物の原料としては、例えば、ジメチルジンク(DMZ)を用いる。
具体的には、まず、図3(A)に示したように、基板10上に、下部DBRミラー層11,下部クラッド層12,活性層13,上部クラッド層14,上部DBRミラー層15およびp側コンタクト層16をこの順に積層する。
ただし、下部クラッド層12および上部DBRミラー層15のうち、活性層13側から数えて1層目から数層目までの高屈折率層11Biおよび15Bjを積層する際には、不純物の供給を停止する。これにより、理想的には活性層13側から数えて1層目から数層目までの高屈折率層11Biおよび15Bjをアンドープとすることができるが、実際には隣接する層からの不純物の拡散により、これらの層の不純物濃度は、おおよそ1.0x 1016/cm3 以上1.0x 1017/cm3 以下の範囲となることが多い。
次に、図3(B)に示したように、例えば、p側コンタクト層16の上にマスク層(図示せず)を形成し、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)法により、p側コンタクト層16,上部DBRミラー層15,上部クラッド層14,活性層13および下部クラッド層12の一部を選択的に除去すると共に、p側コンタクト層16の一部をエッチングして開口部16Aを形成する。これにより、頂上に開口部16Aを有するメサポスト2が形成される。
次に、図3(C)に示したように、水蒸気雰囲気中にて、高温で酸化処理を行い、メサポスト2の外側から例えば電流狭窄層15CとなることとなるAlAsからなる層のAlを選択的に酸化する。これにより、その層の中心領域に電流注入領域15C−1が形成され、それ以外の領域には電流狭窄領域15C−2が形成され、その結果、電流注入領域15C−1および電流狭窄領域15C−2からなる電流狭窄層15Cが形成される。
次に、図1に示したように、メサポスト2上およびメサポスト2の周辺基板上に例えばCVD(Chemical Vapor Deposition) 法により絶縁層17を積層させる。その後、エッチングにより絶縁層17のうちメサポスト2の頂上の一部分を選択的に除去して、開口部16A内に上部DBRミラー層15を露出させると共に、p側コンタクト層16のうち開口部16Aの外縁部を露出させる。
続いて、メサポスト2上およびメサポスト2の周辺基板上に例えば真空蒸着法により例えばTi、PtおよびAuを順次積層してp側電極18を形成する。その後、リフトオフまたは選択エッチングにより、開口部16A内にp型クラッド層15を露出させる。なお、リフトオフによりp型クラッド層15を露出させる場合には、p側電極18を形成する前に、開口部16Aにフォトレジスト膜をあらかじめ形成したのち、p側電極18をそのフォトレジスト膜と共に除去する。
次いで、基板11の裏面を適宜研磨して基板の厚さを調整した後、その面上にn側コンタクト層19を形成する。続いて、例えば、金とゲルマニウム(Ge)との合金層,Ni層およびAu層とをこの順に積層してn側電極20を形成する。このようにして面発光型の半導体レーザ素子1が製造される。
次に、この面発光型半導体レーザ1の作用・効果について説明する。
面発光型半導体レーザ1では、n側電極20とp側電極18との間に所定の電圧が印加されると、電流狭窄層15Cにおける電流注入領域15C−1を通して活性層13に電流が注入され、これにより電子と正孔の再結合による発光が生じる。この光は、一対の下部DBRミラー層11および上部DBRミラー層15により反射され、素子内を一往復したときの位相の変化が2πの整数倍となる波長でレーザ発振を生じ、レーザビームとして外部に出射される。
ところで、一般的な面発光型半導体レーザでは、下部DBRミラー層および上部DBRミラー層のうち活性層近傍において、不純物濃度が相対的に低い領域を広くすると、直列抵抗が大きくなり、それに起因する発熱が大きくなる。その結果、活性層でキャリア・オーバーフローや、不純物が活性層へ拡散して素子の劣化が生じる虞がある。一方、不純物濃度が相対的に低い領域を狭くすると、直列抵抗は小さくなるものの、高濃度の不純物が活性層へ拡散して素子劣化が生じる虞がある。
しかしながら、本実施の形態の面発光型半導体レーザ1では、下部DBRミラー層11および上部DBRミラー層15のうち活性層近傍において、不純物濃度が相対的に低い領域と、不純物濃度が相対的に高い領域とを交互に積層した構造を備えるようにしたので、高濃度の不純物が活性層13へ拡散するのを抑制することができ、その結果、素子劣化が生じるのを抑制することができる。
また、一般的に、高屈折率層の不純物濃度を下げた場合の方が、低屈折率層の不純物濃度を下げた場合よりも、DBRミラー層の電気抵抗の上昇の割合が小さくなるという傾向がある。そこで、本実施の形態では、この性質に着目して、下部DBRミラー層11および上部DBRミラー層15のうち活性層13側から数えて1層目から数層目(およそ10層目)までの高屈折率層11Bi,15Bjが、それ以外の高屈折率層11Bi,15Bjより低濃度の不純物濃度(第1の不純物濃度)を有するようにすると共に、下部DBRミラー層11および上部DBRミラー層15のうち活性層13側から数えて1層目から数層目(およそ10層目)までの低屈折率層15Ai,15Ajが、活性層13側から数えて1層目から数層目(およそ10層目)までの高屈折率層11Bi,15Bjより高濃度の不純物濃度(第2の不純物濃度)を有するようにした。これにより、下部DBRミラー層11および上部DBRミラー層15の直列抵抗の上昇を抑えて発熱量が増加するのを抑制することできる。その結果、活性層でキャリア・オーバーフローが生じたり、不純物が活性層13へ拡散して素子劣化が生じるのを抑制することができる。
また、図2(C)に示したように、活性層13側から数えて1層目の高屈折率層11B1,15B1だけが、それ以外の高屈折率層11Bi,15Bjより低濃度の不純物濃度を有するようにして、低濃度の領域を最小限にした場合には、活性層13側から数えて複数の高屈折率層11Bi,15Bjが、それ以外の高屈折率層11Bi,15Bjより低濃度の不純物濃度を有するようにした場合と比べて、DBRミラー層の電気抵抗の上昇の割合がより小さくなる。従って、このようにした場合には、活性層でキャリア・オーバーフローが生じるのをより抑制することができる。また、不純物が活性層13へ拡散して素子劣化が生じるのを抑制することもできる。
以上より、本実施の形態の面発光型半導体レーザ1によれば、活性層でキャリア・オーバーフローが生じたり、不純物が活性層13へ拡散して素子劣化が生じるのを抑制することができるので、素子の信頼性を向上させることができる。
次に、上記の実施の形態の面発光型半導体レーザ1の実施例を、比較例と対比して説明する。なお、本実施例において、上記の実施の形態の面発光型半導体レーザ1と共通する構成、作用、製法および効果については適宜省略する。また、比較例は、下部DBRミラー層および上部DBRミラー層において、不純物濃度がほぼ等しいという点で、本実施例と相違する。
本実施例では、基板10を厚さ110μm,不純物濃度0.8〜2.0x 1018のn型GaAsにより構成した。また、下部DBRミラー層11を、厚さがλ/4n(λは発振波長、nは屈折率)のn型Al0.92Ga0.08As(低屈折率層11Ai)/n型Al0.3 Ga0.7 As(高屈折率層11Bi)を1組として、それを43組分含む構成とした。ここで、活性層13から数えて1層目の高屈折率層11B1の不純物濃度は1.0x 1018であり、その他の高屈折率層11Biの不純物濃度は3.0x 1018であり、また、低屈折率層11Aiの不純物濃度は8.0x 1018である。
下部クラッド層12を厚さ100μm,不純物濃度2.0x 1018のAl0.52Ga0.48As、活性層13を厚さ7.0nm,アンドープのGaAs、上部クラッド層14を厚さ100nm,不純物濃度2.0x 1018のAl0.52Ga0.48Asにより構成した。上部DBRミラー層15を、厚さがλ/4n(λは発振波長、nは屈折率)のp型Al0.92Ga0.08As(低屈折率層15Aj)/p型Al0.3 Ga0.7 As(高屈折率層15Bj)を1組として、それを26組分含む構成とした。ここで、活性層13から数えて1層目の高屈折率層15B1の不純物濃度は1.0x 1018であり、その他の高屈折率層15Bjの不純物濃度は2.0x 1018であり、また、低屈折率層15Ajの不純物濃度は2.0x 1018である。
p型コンタクト層16を厚さ300nmのp型GaAs、絶縁層17をポリイミド、n型コンタクト層19をn型GaAsにより構成した。p側電極18をTi層,Pt層およびAu層をp側コンタクト層16の側から順に積層し、n側電極20を、AuとGeとの合金層,Ni層およびAu層とを基板10の側から順に積層して構成した。
一方、比較例では、下部DBRミラー層および上部DBRミラー層は、不純物濃度がほぼ等しく、2.0x 1018の濃度の不純物を含有する。すなわち、活性層13から数えて1層目の高屈折率層11B1,15B1は、他の高屈折率層11Bi,15Bjと等しい不純物濃度を有する。その他の構成は、本実施例と同様である。
図4は、本実施例および本比較例の発光強度の径時変化の様子を規格化した数値で表したものである。図4に示したように、本実施例に係る発光強度は、本比較例に係る発光強度の経時変化と比べると、発光強度が低下する割合が非常に緩やかであり、素子の劣化が抑制されている様子が確認できる。
従って、活性層13近傍の高屈折率層11B1,15B1の不純物濃度を低くすることにより、不純物が活性層13へ拡散して素子劣化が生じるのが抑制された結果、素子の信頼性が向上したと考えられる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。
本発明の一実施の形態に係る面発光型半導体レーザの断面構成図である 図1のレーザの要部を屈折率分布および不純物濃度分布と共に表す図である 図1に示したレーザの製造過程を説明するための断面図である。 図1に示したレーザの信頼性について説明するためのエージング特性図である。
符号の説明
1…半導体レーザ素子、2…メサポスト、10…基板、11…下部DBRミラー層、11Ai,15Aj…低屈折率層、11Bi,15Bj…高屈折率層、12…下部クラッド層、13…活性層、14…上部クラッド層、15…上部DBRミラー層、15C…電流狭窄層、15C−1…電流注入領域、15C−2…電流狭窄領域、15D…AlAs層、16…p側コンタクト層、17…絶縁層、18…p側電極、19…n側コンタクト層、20…n側電極

Claims (3)

  1. それぞれ高屈折率層および低屈折率層の組を複数積層した構造を有し、互いに異なる導電型の不純物濃度を含有する第1多層膜反射鏡および第2多層膜反射鏡と、前記第1多層膜反射鏡と前記第2多層膜反射鏡との間に設けられた活性層とを備え、
    前記第1多層膜反射鏡および前記第2多層膜反射鏡それぞれにおいて、複数の高屈折率層のうち前記活性層の近傍の層はそれ以外の層よりも低濃度の第1の不純物濃度を有し、かつ、複数の低屈折率層のうち前記活性層の近傍の層は前記第1の不純物濃度よりも高濃度の第2の不純物濃度を有する
    ことを特徴とする面発光型半導体レーザ。
  2. 前記第1多層膜反射鏡および前記第2多層膜反射鏡それぞれにおいて、複数の高屈折率層のうち前記活性層に最も近い層のみが前記第1の不純物濃度を有し、かつ、複数の低屈折率層のうち前記活性層に最も近い層のみが前記第2の不純物濃度を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の面発光型半導体レーザ。
  3. 前記第1の不純物濃度は、1.0x 1017/cm3 以下であり、
    前記第2の不純物濃度は、1.0x 1017/cm3 より大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の面発光型半導体レーザ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011018763A (ja) * 2009-07-08 2011-01-27 Ricoh Co Ltd 面発光型半導体レーザー、面発光型レーザーアレイ素子、光走査装置及び画像形成装置
WO2023171150A1 (ja) * 2022-03-11 2023-09-14 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 垂直共振器型面発光レーザ

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