JP2006209996A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】システム起動時に燃料極側に存在する窒素濃度を正確に推定する。
【解決手段】ECU21は、燃料極1bの圧力変化量とシステム停止時間の関係を示すマップを保持し、システム起動時には、圧力センサ18により燃料極1bの圧力を検出する。また、ECU21は、圧力センサ18により検出された圧力の時間微分値を算出し、起動時の燃料極1bの圧力及び時間微分値に対応するシステム停止時間をマップから抽出することにより、システム停止時間Tを推定する。そして、ECU21は、推定されたシステム停止時間に従って燃料極1bの窒素濃度を推定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解質膜を挟持する燃料極と酸化剤極を有し、燃料極及び酸化剤極にそれぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を受けて発電する燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
一般的な燃料電池システムでは、システム停止時、固体電解質膜を介して燃料極側から酸化剤極側に水素が透過すると共に、酸化剤極側から燃料極側に窒素や酸素が透過する。さらに、水素は、窒素と比較して固体電解質膜を透過しやすく、また酸化剤極側から透過してきた酸素との化学反応により消費されるために、燃料極の圧力は、運転停止直後から低下して極小値となった後、酸化剤極側から燃料極側に透過してくる窒素によって次第に増加する。
ところで、燃料極側に窒素が透過し、燃料極内に窒素が蓄積している状態で燃料電池システムを起動した場合には、燃料電池が劣化したり,破損したりすることが知られている。このような背景から、従来までの燃料電池システムでは、システム起動時、燃料極内に蓄積している窒素を排出し、窒素の排出が完了するまで燃料電池から取り出す負荷電流量を制限(出力制限)することにより、燃料電池が劣化したり,破損したりすることを防止している。
より具体的には、従来までの燃料電池システムは、停止時から起動時までの間のシステムの温度変化や圧力変化、若しくはタイマー等の計時手段を利用することによりシステムの停止時間を推定し、推定された停止時間に基づいて燃料極内に窒素がどの程度蓄積しているのか(燃料極側の窒素濃度)を推定する。そして、燃料電池システムは、推定された窒素濃度に従って燃料電池から取り出す負荷電流量を制限したり、窒素の排出時間を調整したりしている(例えば、特許文献1,2を参照)。
特開2004−172026号公報 特開2004−193107号公報
しかしながら、従来までの燃料電池システムのように、システムの温度変化や計時手段を利用してシステムの停止時間を推定する場合、システムの停止時間を直接的/間接的に推定することはできるが、システムの停止時間のみでは様々な要因で変化する燃料極内の窒素濃度を正確に推定することはできない。また、システムの圧力変化を利用してシステムの停止時間を推定する場合には、システムの温度が変化した際、システムの温度変化に伴うガスの体積膨張収縮や凝縮水生成,ガス透過の温度依存性によって、圧力変化量とシステムの停止時間は一対一対応しなくなるので、燃料極内の窒素濃度を正確に推定することができない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、システム停止中に燃料極内に蓄積した不純物の濃度を正確に推定することが可能な燃料電池システムを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、システム起動時の燃料極圧力及び当該燃料極圧力の時間微分値に従って燃料極内に蓄積している不純物濃度を推定する。
本発明に係る燃料電池システムによれば、システム停止中に燃料極内に蓄積した不純物の濃度を正確に推定することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となる燃料電池システムの構成について説明する。
〔燃料電池システムの構成〕
本発明の実施形態となる燃料電池システムは、図1に示すように、固体電解質膜1aを挟持する燃料極1bと酸化剤極1cを備え、燃料極1b及び酸化剤極1cにそれぞれ水素及び空気の供給を受けて発電する燃料電池1を備える。なお、燃料極1b及び酸化剤極1cにおける電気化学反応及び燃料電池1全体としての電気化学反応は以下に示す式(1)〜(3)による。
〔化1〕
〔燃料極〕 H2 → 2H+ +2e- …(1)
〔酸化剤極〕 1/2 O2 +2H+ +2e- → H2O …(2)
〔全体〕 H2 +1/2 O2 → H2O …(3)
〔水素系の構成〕
上記燃料電池システムは、水素系として、高圧水素タンク2及び水素調圧弁3を備え、高圧水素タンク2内の高圧水素を水素調圧弁3によって運転条件に適した圧力まで低下させた後、水素供給経路4を介して加湿器5に水素を供給する。そして、加湿器5は、供給された水素を加湿した後、燃料極1bに水素を供給する。また、燃料極1bで未使用の水素は、水素循環経路6及び水素循環ポンプ7を介して加湿器5へと循環される。水素循環経路6及び水素循環ポンプ7を設けることにより、燃料極1bで未使用の水素を再利用することが可能となり、燃料電池システムの燃費性能を向上させることができる。
なお、燃料極1bを含む水素循環経路6内には、酸化剤極1cからリークした空気中の窒素やアルゴン等の不純物ガス、或いは、過剰な水分が液化した液水が蓄積することがある。そして、これらの不純物ガスは、水素の分圧を低下させて発電効率を低下させたり、循環ガスの平均分子量を上昇させ水素の循環を困難にする。また液水は水素の循環を妨げる。このため、燃料極1bの出口側には、水素排出路8とこれを開閉するパージ弁9が設けられている。そして、不純物ガスや液水が蓄積した際には、ECU21からの指示でパージ弁9を短時間開き、不純物ガスや液水をアノードから系外へ排出させるパージを行う。これにより、燃料極1bを含む水素循環経路6内の水素分圧や循環性能を回復させることができる。なお、燃料電池1の運転条件と適合すれば、水素循環ポンプ7に代えて、流体ポンプであるエゼクタを使用してもよいことは明らかである。
〔空気系の構成〕
上記燃料電池システムは、空気系として、空気を圧縮して供給するコンプレッサ10を備え、コンプレッサ10は圧縮した空気を空気供給経路11を介して加湿器12に供給する。そして、加湿器12は、空気を加湿した後、酸化剤極1cに空気を供給する。また、酸化剤極1cで未使用の空気は、空気調圧弁13により圧力調整された後、空気排出経路14から系外へ排出される。なお、加湿器12は、系外に排出する空気中の水分を利用するものや外部から供給される純水を利用するもの等、どのような形態のものであってもよい。
〔冷却系の構成〕
上記燃料電池システムは、冷却系として、燃料電池1に冷却水を循環する冷却水循環経路15と、冷却水循環経路15内で冷却水を循環させる冷却水ポンプ16と、冷却水循環経路15内の冷却水を冷却する熱交換器17とを備え、燃料電池1に冷却水を循環させることにより燃料電池1が発電することにより生成される熱を除熱する。
〔制御系の構成〕
上記燃料電池システムは、制御系として、燃料極1bの圧力を検出する圧力センサ18と、酸化剤極1cの圧力を検出する圧力センサ19と、冷却水循環経路15内を循環する冷却水の温度をシステム温度として検出する温度センサ20と、燃料電池システム全体の動作を制御するECU21とを備える。なお、この実施形態では、ECU21は、CPUと、プログラムROMと、作業用RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。
〔窒素濃度推定処理〕
一般的な燃料電池システムでは、運転停止時、固体電解質膜を介して燃料極側から酸化剤極側に水素が透過すると共に、酸化剤極側から燃料極側に窒素や酸素が透過する。さらに、水素は、窒素と比較して固体電解質膜を透過しやすく、また酸化剤極側から透過してきた酸素との化学反応により消費されるために、燃料極の圧力は、図2に示すように、運転停止直後から低下して極小値となった後、酸化剤極側から燃料極側に透過してくる窒素によって次第に増加する。そして、燃料極内に窒素が蓄積した状態で燃料電池を起動した場合には、燃料電池が劣化,破損することがある。
そこで、本発明の実施形態となる燃料電池システムでは、ECU21が以下に窒素濃度推定処理を実行することにより燃料極内の窒素濃度を正確に推定し、推定された窒素濃度に従って燃料電池から取り出す負荷電流量を制限したり、窒素の排出時間を調整したりすることにより起動時に燃料電池が劣化,破損することを防止する。以下、本発明の第1乃至第7の実施形態となる窒素濃度推定処理を実行する際のECU21の動作について詳しく説明する。
一般に、燃料極の圧力の時間微分値が負である領域(図3に示す領域A)では、燃料極側に存在する水素と酸化剤極から透過してきた酸素との化学反応による水素消費に伴う燃料極の圧力低下の効果(図4に示す実線)が酸化剤極側から燃料極側への窒素透過に伴う燃料極の圧力上昇の効果(図5に示す実線)よりも大きくなるので、システムの停止時から起動時までの燃料極の圧力変化量は大きくなる。
一方、燃料極の圧力の時間微分値が正である領域(図3に示す領域B)では、燃料極側に存在する水素と酸化剤極から透過してきた酸素との化学反応による水素消費に伴う燃料極の圧力低下の効果(図4に示す実線)は酸化剤極側から燃料極側への窒素透過に伴う燃料極の圧力上昇の効果(図5に示す実線)よりも小さくなるので、システムの停止時から起動時までの燃料極の圧力変化量は小さくなる。
従って、本発明の第1の実施形態となる窒素濃度推定処理では、ECU21は、図3に示すような燃料極1bの圧力とシステム停止時間Tの関係を示すマップを保持し、システム起動時には圧力センサ18により燃料極1bの圧力を検出する。そして、ECU21は、圧力センサ18により検出された圧力の時間微分値を算出し、燃料極1bの圧力及び時間微分値に対応するシステム停止時間Tをマップから抽出することにより、システム停止時間Tを推定する。このような処理によれば、1つの燃料極1b圧力に対して2つの値を有するシステム停止時間(例えば、燃料極圧力P1に対してはシステム停止時間T1,T2)を正確に推定することができる。また、一般に、システム停止時間Tが長い程、燃料極1b側の窒素濃度は大きくなるので、システム停止時間Tと窒素濃度の関係を予め実験的に求めておくことにより、ECU21は、推定されたシステム停止時間Tに従って燃料極1bの窒素濃度を正確に推定することもできる。
なお、ECU21は、推定された窒素濃度に従って起動時から通常運転時までの時間や燃料極1bから窒素を排出する時間を調整し、燃料極1bから窒素を排出するための時間や燃料電池1から出力を取り出すまでの時間を確保するとよい。このような処理によれば、燃料極1b内の窒素濃度が高い状態で燃料電池1から出力を取り出すことを防止できるので、燃料電池1の劣化や破損を防ぐことができる。また、前回停止からの時間が短い場合は、余分な調整時間を設定することがないので、システムを短時間で動作させることができる。より具体的には、ECU21は、圧力センサ18により検出された圧力の時間微分値が負である場合、停止時から起動時までの圧力変化が大きい程、通常運転に移行するまでの時間を長く設定する。一方、圧力センサ18により検出された圧力の時間微分値が正である場合には、ECU21は、停止時から起動時までの圧力変化が小さい程、通常運転に移行するまでの時間を長く設定する。
一般に、停止時から起動時までのシステム温度が一定であるとすると、燃料極1bの圧力は、システム停止後、図6に示す実線のように変化する。ところが、実際のシステムでは、システム温度は外気温等の影響によって時々刻々変化するので、起動時(図6に示す時刻T=T0)の際の燃料極1bの圧力は、システム温度が一定である場合の圧力P起動 (図6に示す点C1)と比較して、システム温度が停止時より高い場合は高くなり(図6に示す点C2)、システム温度が停止時より低い場合は低くなる(図6に示す点C3)。これは、燃料極1b内及び水素循環経路6内に存在する水素が温度変化に応じて膨張,収縮するためである。そこで、本発明の第2の実施形態となる窒素濃度推定処理では、ECU21は、システムの温度変化がない場合の燃料極1bの圧力P起動 を予め実験的に算出,記憶しておく。そして、システムの温度変化に伴う圧力変化量は、システム停止時の燃料極1bの圧力及び温度をそれぞれP停止、T停止、システム起動時の燃料極1bの圧力及び温度をそれぞれP起動、T起動とすると以下に示す数式1のように表されるので、ECU21は以下に示す数式2によりシステムの温度変化があった場合の燃料極1bの圧力P起動を温度変化がない場合の圧力P起動 から推定する。このような処理によれば、システムの温度変化に伴う水素の膨張伸縮を考慮して燃料極1bの圧力を補正することができるので、システム停止時間T及び燃料極1b側の窒素濃度をより正確に推定することができる。
Figure 2006209996
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一般に、システム停止中に燃料極1b内や水素循環経路6内、水素供給経路4内に凝縮水が発生しないとすると、燃料極1bの圧力は図7に示す実線のように変化する。ところが、実際のシステムでは、停止時、燃料極1b内や水素循環経路6内、水素供給経路4内の温度や圧力が変化するために、凝縮水が発生し、起動時(図7に示す時刻T=T0)における燃料極1側の圧力は、凝縮水が発生しない場合の圧力P起動 (図7に示す点D1)と比較して小さくなる(図7に示す点D2)。そこで、本発明の第3の実施形態となる窒素濃度推定処理では、ECU21は、飽和蒸気圧が変化しない場合の燃料極1bの圧力P起動 を予め実験的に算出,記憶しておく。そして、停止時における燃料極1bの圧力,温度,及び飽和蒸気圧をそれぞれP停止,T停止,P飽和停止、起動時における燃料極1bの圧力,温度,及び飽和蒸気圧をそれぞれP起動,T起動,P飽和起動とすると、燃料極1b内や水素循環経路6内、水素供給経路4内のガスは一般的に水蒸気飽和であるため、水蒸気の凝縮による圧力変化量は以下に示す数式3のように表されるので、ECU21は以下に示す数式4により水蒸気の凝縮があった場合の燃料極1bの圧力P起動を水蒸気の凝縮がなかった場合の燃料極1bの圧力P起動 から推定する。このような処理によれば、電気化学反応によって生成される凝縮水量を考慮して起動時の燃料極圧力P起動を補正できるので、システム停止時間T及び燃料極1b側の窒素濃度をより正確に推定することができる。なお、飽和水蒸気はP飽和停止、P飽和起動はそれぞれT停止、T起動によって一義的に定まる値である。
Figure 2006209996
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なお、一般的な燃料電池システムでは、セル電圧が低下した場合、燃料電池に異常があると判断される。ところが、凝縮水が生成された場合、ガス流路が閉塞し、ガス不足(ストイキ比不足)となり、セル電圧が低下するが、前述の水蒸気凝縮に伴う圧力変化量が大きいほど、燃料極1b内には凝縮水が多く存在しており、この場合、燃料電池1が異常状態でなくても、この凝縮水によってセル電圧低下が発生し、燃料電池1が異常状態であると判断されてしまう。そこで、ECU21は、図8に示すように、停止中の凝縮水量に応じて次起動時のセル電圧低下診断の診断閾値を変えることにより、停止中の凝縮水によるセル電圧低下に関しては、燃料電池1の異常と判断せず、それを超えるセル電圧低下を燃料電池1の異常と判断することが望ましい。このような処理によれば、無駄に燃料電池1の異常判断をする必要がなくなる。
一般に、停止時から起動時までのシステム温度が一定であるとすると、燃料極1bの圧力は、システム停止後、図9に示す実線のように変化する。しかしながら、一般に固体電解質膜1aを透過する水素量は、燃料極1bの温度に依存し、温度が高いほど、透過量が多くなる性質がある。このため、システム温度が変化した場合には、水素透過量も変化し、起動時(図9に示す時刻T=T0)における燃料極1bの圧力は、システム温度が一定である場合の圧力P起動 (図9に示す点E1)から変化する(図9に示す点E2,E3)。そこで、本発明の第4の実施形態となる窒素濃度推定処理では、ECU21は、停止中のシステム温度から水素透過積算量H透過を推定する。そして、水素透過積算量H透過と燃料極圧力の関係は圧力変化量と燃料極1bの圧力がP起動 である時の水素透過積算量H透過 0を利用して以下の数式5のように表されるので、ECU21は、以下の数式6を利用して起動時の燃料極圧力P起動を推定する。このような処理によれば、燃料極1bの温度変化に伴う水素透過量変化の影響を考慮して起動時の燃料極圧力P起動を補正することができるので、システム停止時間T及び燃料極1b側の窒素濃度をより正確に推定することができる。
Figure 2006209996
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一般に、停止時から起動時までのシステム温度が一定であるとすると、燃料極1bの圧力は、システム停止後、図10に示す実線のように変化する。しかしながら、固体電解質膜1aを透過する酸素量は、燃料極1bの温度に依存し、温度が高いほど、透過量が多くなる性質がある。このため、システム温度が変化した場合には、酸素透過積算量O透過も変化し、起動時(図10に示す時刻T=T0)における燃料極1bの圧力P起動は、システム温度一定の場合の圧力P起動 (図10に示す点F1)から変化する(図10に示す点F2,F3)。そこで、本発明の第5の実施形態となる窒素濃度推定処理では、ECU21は、停止中のシステム温度から酸素透過積算量O透過を推定する。そして、酸素透過積算量O透過と燃料極圧力P起動の関係は圧力変化量と燃料極1bの圧力がP起動 である時の酸素透過積算量O透過 0を利用して以下の数式7のように表されるので、ECU21は、以下の数式8を利用して起動時の燃料極圧力P起動を推定する。このような処理によれば、燃料極1bの温度変化に伴う酸素透過量変化の影響を考慮して起動時の燃料極圧力P起動を補正することができるので、システム停止時間T及び燃料極1b側の窒素濃度をより正確に推定することができる。
Figure 2006209996
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一般に、停止時及び起動時のシステム温度が一定であるとすると、燃料極1bの圧力は、システム停止後、図11に示す実線のように変化する。しかしながら、一般に、固体電解質膜1aを透過する窒素量は、システム温度に依存し、システム温度が高い程、透過量が多くなる性質がある。このため、システム温度が変化した場合には、起動時(図11に示す時刻T=T0)における燃料極1の圧力P起動は、システム温度一定の場合の時の圧力P起動 (図11に示す点G1)から変化する(図11に示す点G2,G3)。そこで、本発明の第6の実施形態となる窒素濃度推定処理では、ECU21は、停止中のシステム温度から窒素透過積算量N透過を推定する。そして、窒素透過積算量N透過と燃料極圧力P起動の関係は圧力変化量と燃料極1bの圧力がP起動 である時の窒素透過積算量N透過 0を利用して以下の数式9のように表されるので、ECU21は、以下の数式10を利用して起動時の燃料極圧力P起動を推定する。このような処理によれば、燃料極1bの温度変化に伴う窒素透過量変化の影響を考慮して起動時の燃料極圧力P起動を補正することができるので、システム停止時間T及び燃料極1b側の窒素濃度をより正確に推定することができる。
Figure 2006209996
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一般に、燃料電池は、システム停止時に残水素や残酸素によって電池電位を維持するが、電位が高い場合には、燃料電池が劣化する場合がある。このような背景から、従来までの燃料電池システムでは、燃料電池の正極負極に抵抗(放電抵抗)を直列接続し、電流を流すことで停止中の燃料電池電位を低く抑える制御がなされている。そして、このような燃料電池システムでは、システム停止中の燃料極の圧力は図12に示す実線のように変化する。ところで、図4に示したように、燃料極から酸化剤極への水素透過や酸化剤極から燃料極への酸素の透過によって、燃料極の圧力は低下するが、このような燃料電池システムでは、放電抵抗に電流が流れて、電気化学反応的に水素と酸素が反応することによっても燃料極の圧力は低下する。また、燃料電池電位によって放電抵抗に流れる電流は異なり、燃料電池電位は停止毎に異なるため、電位が高い場合は、より多くの電流が流れることによって水素消費は速くなり、逆に電位が低い場合は、電流が多く流れないことにより水素消費は遅くなる。従って、燃料極の圧力は、水素消費がない場合の時の圧力P起動 (図12に示す点H1)から変化する(図12に示す点H2,H3)。そこで、本発明の第7の実施形態となる窒素濃度推定処理では、ECU21は、燃料電池の電圧が高い状態で停止した場合、停止中の放電抵抗に流れる電流から水素消費積算量H消費を推定する。そして、水素消費積算量H消費と燃料極圧力の関係は圧力変化量と燃料極1bの圧力がP起動 である時の水素消費量H消費 0を利用して以下の数式11のように表されるので、ECU21は、以下の数式12を利用して起動時の燃料極圧力P起動を推定する。このような処理によれば、放電抵抗に流れる電流の変化に伴う水素消費量変化の影響を考慮して起動時の燃料極圧力P起動を補正することができるので、システム停止時間T及び燃料極1b側の窒素濃度をより正確に推定することができる。
Figure 2006209996
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以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明の実施形態となる燃料電池システムの構成を示す模式図である。 システム停止時間の変化に伴う燃料極圧力の変化を示す図である。 本発明の第1の実施形態となる窒素濃度推定処理を説明するための図である。 水素消費量の変化に伴う燃料極圧力の変化を示す図である。 窒素透過量の変化に伴う燃料極圧力の変化を示す図である。 本発明の第2の実施形態となる窒素濃度推定処理を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態となる窒素濃度推定処理を説明するための図である。 凝縮水量の変化に伴う最小セル電圧低下診断閾値の変化を示す図である。 本発明の第4の実施形態となる窒素濃度推定処理を説明するための図である。 本発明の第5の実施形態となる窒素濃度推定処理を説明するための図である。 本発明の第6の実施形態となる窒素濃度推定処理を説明するための図である。 本発明の第7の実施形態となる窒素濃度推定処理を説明するための図である。
符号の説明
1:燃料電池
1a:固体電解質膜
1b:燃料極
1c:酸化剤極
4:水素供給経路
6:水素循環経路
18,19:圧力センサ
20:温度センサ
21:ECU

Claims (11)

  1. 固体電解質膜を挟持する燃料極と酸化剤極を有し、当該燃料極及び酸化剤極にそれぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を受けて発電する燃料電池と、
    システム起動時の燃料極圧力を検出する圧力検出部と、
    前記圧力検出部により検出された燃料極圧力及び当該燃料極圧力の時間微分値に従って燃料極内に蓄積している不純物濃度を推定し、推定された不純物濃度に従って燃料電池の起動方法を変更する制御部と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、推定された不純物濃度に従って、燃料電池が通常動作に移行するまでの時間、又は、燃料極内の不純物を排出する時間を変更することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項2に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記時間微分値が負である場合、停止時から起動時までの燃料極の圧力変化量が大きい程、燃料電池が通常動作に移行までの時間を長く設定することを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記時間微分値が正である場合、停止時から起動時までの燃料極の圧力変化量が小さい程、燃料電池が通常動作に移行するまでの時間を長く設定することを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、停止時から起動時までの燃料極の温度変化量に従って前記燃料極圧力を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、起動時に燃料極内に蓄積している凝縮水量に従って前記燃料極圧力を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項6に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記凝縮水量に従って燃料電池の電圧低下許容量を設定し、設定された電圧低下許容量に従って燃料電池の異常状態を判定することを特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、起動時に燃料極内に蓄積している酸化剤ガス量に従って前記燃料極圧力を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  9. 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、起動時に燃料極内に蓄積している燃料ガス量に従って前記燃料極圧力を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  10. 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、起動時に燃料極内に蓄積している不純物量に従って前記燃料極圧力を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  11. 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の電位を調整するための放電抵抗を備え、前記制御部は、放電抵抗に流れる電流により消費される燃料ガス量に従って前記燃料極圧力を補正することを特徴とする燃料電池システム。
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