JP2006208452A - 波長変換素子 - Google Patents

波長変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2006208452A
JP2006208452A JP2005016882A JP2005016882A JP2006208452A JP 2006208452 A JP2006208452 A JP 2006208452A JP 2005016882 A JP2005016882 A JP 2005016882A JP 2005016882 A JP2005016882 A JP 2005016882A JP 2006208452 A JP2006208452 A JP 2006208452A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical waveguide
refractive index
wavelength conversion
conversion element
main optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005016882A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Okayama
秀彰 岡山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2005016882A priority Critical patent/JP2006208452A/ja
Publication of JP2006208452A publication Critical patent/JP2006208452A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】変換効率を低下させることなく、ポンプ光、信号光、および変換光の群速度差を小さくする、より好適には0とするとともに、波長変換素子の構造を簡単かつ実用的なサイズとする。
【解決手段】周期的分極反転構造11を有する主光導波路12と、主光導波路に沿って平行に、かつ主光導波路との間に領域14を空けて、配置された副光導波路16とを有する複合光導波路22を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、ポンプ光および信号光が入射して、これらポンプ光および信号光の差周波または和周波の変換光を発生させて出力させる波長変換素子に関する。
従来より、入射光(ポンプ光、信号光)に基づいて異なる波長の変換光を発生する波長変換素子が知られている。この波長変換素子は、たとえば、波長多重光通信で使用される光の波長間、すなわちチャンネル間での波長交換を行うことや、人工光源から得られる波長の光を、人工的な光源が存在しない波長域の光へ変換することなどに用いられている。
波長変換素子の材料としては、LiNbO3、LiTaO3などの非線形光学結晶がおもに用いられる。
一般に、非線形光学結晶には、屈折率の波長分散が存在するために、それぞれ波長の異なる信号光、ポンプ光および変換光との間で伝搬定数に差が生じる。これにより、信号光、ポンプ光および変換光の間の位相差が伝搬距離とともに変化してしまい、変換効率を上げることができない。この位相差の変化を解決する手法として擬似位相整合(QPM:Quasi−Phase Matching)が盛んに研究されている。
QPM構造とは、非線形光学結晶の分極方向を、コヒーレント長を周期として反転した構造である。QPM構造は、(1)最大の非線形光学定数(d33)を用いることができるため変換効率が高いこと、(2)信号光、ポンプ光および変換光の伝搬方向が同一であるため変換効率が高いこと、などの利点を有している。
ところが、QPM構造は、分極方向の反転周期に対応した波長においては、変換効率が高いものの、その波長からずれると急激に変換効率が低下するという問題点を有している。
この変換効率の低下は、信号光、ポンプ光および変換光の波長が異なること、および非線形光学結晶の屈折率の波長分散により生じる信号光、ポンプ光および変換光の群速度差などに由来している。
この問題に対して、第1の従来技術として、QPM構造に入射する入射光とQPM構造から発生する変換光との偏光方向を異ならせることで、両者の群速度を一致させるものが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、第2の従来技術として、波長ごとに異なる伝播経路を取らせることで、両者の群速度を一致させるものが開示されている(たとえば、特許文献2参照)。
また、第3の従来技術として、フォトニック結晶導波路を用いて、両者の群速度を一致させる方法を示唆するものが開示されている(たとえば、非特許文献1参照)。
特開2002−372731号公報(第1頁、図1) 米国特許第6,687,042号明細書 富田 勲、外4名、「1次元フォトニック結晶を用いた分散制御によるQPM−LNでの広帯域第2高周波発生」、第65回応用物理学会学術講演会 講演予稿集、2004年9月、p.1060
しかし、第1の従来技術は、最大の非線形光学定数(d33)を利用することができないために、変換効率が小さいという問題点があった。
また、第2の従来技術は、素子構造が複雑となるという問題点があった。
さらに、第3の従来技術は、構造が微細(nmオーダ)かつ複雑であるために、導波路を作成することが難しいという問題点があった。
この発明は、これらの問題点に鑑みなされたものである。したがって、この発明の目的は、従来とは異なる手法を用いることで、変換効率を低下させることなく、ポンプ光、信号光、および変換光の群速度間の差を0または実質的に0とすることができ、しかも、構造が簡単かつ実用的なサイズの波長変換素子を提供することにある。
前述した課題を解決するために、この発明の波長変換素子は、入射したポンプ光の波長および信号光の波長の差周波又は和周波の変換光を発生して出射させる素子である。この波長変換素子は、主光導波路と副光導波路とを有する複合光導波路を備えている。この主光導波路は、周期的分極反転構造を有しており、また、副光導波路は、この主光導波路に沿って平行に、かつこの主光導波路との間に間隔を空けて配置されている。
この波長変換素子によれば、複合光導波路を伝播する、波長の異なる複数の光のうち、相対的に長波長の光は、その光電場成分が、主光導波路から染み出して副光導波路を伝播する。副光導波路を伝播することにより、相対的に長波長の光の群速度が調整される。よって、ポンプ光、信号光および変換光のそれぞれの群速度を一致または実質的に一致させることができる。
このように、この発明によれば、最大の非線形光学定数(d33)を用いるために変換効率が低下することなく、ポンプ光、信号光、および変換光の群速度差を0、または実質的に0とするとともに、構造が簡単かつ実用的なサイズの波長変換素子が得られる。
図1〜図15を参照して、この発明の実施の形態について説明する。尚、各図は、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係を、この発明が理解できる程度に概略的に示しているに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例に過ぎない。従って、この発明は、以下の実施の形態に何ら限定されるものではない。
(本発明の概略説明)
まず、図1を参照して、この発明の概略について説明する。
図1は、この発明の波長変換素子を模式的に示した図である。波長変換素子10は、主光導波路12と副光導波路16とを構成要素として含む複合光導波路22を備えている。主光導波路12は、非線形光学結晶の分極方向を、コヒーレント長を周期として反転した構造(以下、QPM構造または周期的分極反転構造ともいう)11を有する。また、副光導波路16は、主光導波路12との間に幅Wの間隔を空けて、主光導波路12と平行に設けられている。この主光導波路12と副光導波路16との間の領域を14で示す。この幅Wの領域14には、低屈折率層18が設けられている。
ここで、主光導波路12の屈折率をn1とし、副光導波路16の屈折率をn2とし、および低屈折率層18の屈折率をn3とする。この場合、これらの屈折率の間には、n3<n1<n2の関係が成り立つように設定する。また、領域14の幅Wを、たとえば、主光導波路12を伝播する光の波長の1/2程度の大きさに設定する。
いま、ポンプ光pの角周波数をωp、信号光sの角周波数をωs、および変換光cの角周波数をωcとする。また、角周波数を、以下、単に周波数と称する。
この波長変換素子10に、周波数ωpのポンプ光pおよび周波数ωsの信号光sを同時に入射させる。その場合、波長変換素子10内部での非線形光学効果により、ポンプ光pと信号光sのそれぞれの周波数ωp,ωsの差周波数または和周波数に相当する波長の変換光cが発生する。
差周波の波長を有する変換光cの場合には、変換光cの周波数ωcは、下記の(1)式
ωp−ωs=ωc・・・(1)
の関係で与えられる。
いま、信号光sおよび変換光cの両波長λs,λcは、等しい、すなわち、λs≒λcとする。ここで、「等しい」とは、信号光sおよび変換光cの波長λs,λcが完全に一致する場合のほかに、両者λs,λcの差が100nm以下、より好適には40nm以下である場合も含む。たとえば、信号光sおよび変換光cの波長λs,λcは、通信波長帯で用いられる約1.55μmとする。この場合、(1)式よりポンプ光pの波長λpは、約0.775μmと定まる。
また、主光導波路12に形成された周期的分極反転構造11において、その全長に渡って効率よく変換光cを発生させるためには、ポンプ光p、信号光sおよび変換光cは、下記の(2)式の擬似位相整合条件を満たす必要がある。
Δk=kp−ks−kc−2π/Λ=0・・・(2)
ただし、kp,ksおよびkcは、それぞれ、ポンプ光p、信号光sおよび変換光cの波数を示す。またΛは、周期的分極反転構造11の分極反転の周期を示す。
ところが、ポンプ光p、信号光sおよび変換光cが、それぞれ理想的な単一波長の場合には、(2)式のΔkは、0となる。しかし、現実には、ポンプ光p、信号光sおよび変
換光cは、波長分散を有しているために、Δkは0とはならない。
そこで、ポンプ光p、信号光sおよび変換光cの波長分散(周波数分散)を考慮してΔ
kを求める。具体的には、kがωの関数であることを利用して(2)式のテーラー展開を行い、1次の項までを考慮すると、以下の(3)式が得られる。
Δk=kp−ks−kc−2π/Λ+(dkp/dωp)Δωp−(dks/dωs)Δωs−(dkc/dωc)Δωc・・・(3)
ただし、Δωp,ΔωsおよびΔωcは、それぞれポンプ光p、信号光sおよび変換光
cの擬似位相整合条件からの周波数ずれを示す。
(3)式において、擬似位相整合条件が成り立つときには、kp−ks−kc=2π/Λとなるので、(3)式から(4)式が得られる。
Δk=(dkp/dωp)Δωp−(dks/dωs)Δωs−(dkc/dωc)Δωc・・・(4)
ところで、(1)式より、Δωp−Δωs=Δωcの関係が導き出せるので、この関係
を(4)式に代入すると、(5)式が得られる。
Δk=(dkp/dωp−dkc/dωc)Δωp+(dkc/dωc−dks/dωs)Δωs・・・(5)
前述したように、信号光sと変換光cの波長は、実質的に等しいことから、dkc/dωc≒dks/dωsと置けるので、(5)式から(6)式が得られる。
Δk=(dkp/dωp−dkc/dωc)Δωp・・・(6)
ここで、光の群速度Vgは、Vg=dk/dωで与えられるので、(6)式から(7)式が得られる。
Δk=(1/Vgp−1/Vgc)Δωp・・・(7)
ただし、VgpおよびVgcは、それぞれ、ポンプ光pおよび変換光cの群速度を示す。
(7)式より、ポンプ光pと変換光cの群速度Vgp,Vgcの差を0とすることができれば、広い周波数範囲で位相差Δkが0となり、より広帯域で変換光cを効率よく発生させ
ることができる。
つぎに、ポンプ光pと変換光cの群速度Vgp,Vgcの差を0とする方法について具体的に述べる。
一般に、波長が短いほど光の群速度Vgは小さいので、ポンプ光p(波長:約0.775μm)の群速度Vgpと、変換光c(波長:約1.55μm)との群速度Vgcの間には、Vgc>Vgpという関係が成り立つ。
ここで、ポンプ光pと変換光cとにおいて、主光導波路12から副光導波路16に染み出す、それぞれのエバネッセント波に注目する。エバネッセント波の染み出し距離は、その光の波長程度であるので、波長の長い変換光cの方が、波長の短いポンプ光pよりも遠方まで光が染み出す。つまり、複合光導波路22を伝播する変換光cとポンプ光pの光電場のうち、副光導波路16を伝播する成分を比較すると、変換光cのほうがポンプ光pよりも多い。
ところで、一般に、群速度Vgと、その光(周波数をωとする)が伝播する媒質の屈折率nとの間には、Vg=C/(n+ωdn/dω)(ここで、Cは、真空中における光の速度を示す)という関係が存在する。よって、屈折率nが大きい媒質を通過するほど群速度Vgは小さくなる。つまり、主光導波路12(屈折率n1)と副光導波路16(屈折率n2(>n1))とを、同じ光が伝播する場合、副光導波路16を伝播する光のほうが、主光導波路12を伝播する光よりも群速度が遅くなる。
つまり、屈折率n2(>n1)の副光導波路16を伝播する光電場成分が多い変換光cは、ポンプ光pと比べて、その群速度Vgcの減速度合いが大きい。すなわち、副光導波路16を用いることで、変換光cの群速度Vgcをいわば選択的に減速することができる。
よって、変換光cの群速度Vgcを減速させ、ポンプ光pの群速度Vgpと等しくするように、領域14の幅W、副光導波路16の屈折率n2、および副光導波路16の幅などを、設計すれば、(7)式のΔkを0とすることができる。
つまり、複合光導波路22を伝播するポンプ光pおよび変換光c(信号光s)のそれぞれの、複合光導波路22内における群速度Vgp,Vgc(Vgs)を一致させることができる。
なお、領域14の幅W、副光導波路16の屈折率n2、および副光導波路16の幅などの設計にはシミュレーションが用いられる。たとえば、領域14の幅Wおよび副光導波路16の幅を設計する際には、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cのそれぞれの波長λs,λp,λcと、主光導波路12、副光導波路16および低屈折率層18のそれぞれの屈折率の波長依存性を予め与えておく。その上で、領域14の幅Wおよび副光導波路16の幅を変数として変化させながらVgpおよびVgcを計算し、両者Vgp,Vgcが一致する領域14の幅Wおよび副光導波路16の幅を求める。
なお、ここでは、差周波発生の場合を例示したが、和周波発生の場合は、(1)式および(2)式を以下の(1)'式および(2)'式と置いて、
ωp+ωs=ωc・・・(1)'
Δk=kp+ks−kc−2π/Λ=0・・・(2)'
前述の流れに沿って式変形を行うことで、(6)式が得られる。よって、和周波発生の場合にも差周波発生の場合と同様の議論ができる。
また、ここでは、最適例として、(7)式のΔkを0とする場合を例示したが、Δk≠
0であっても、Δkが実用上許容できる範囲で充分に0に近い場合(Δk≒0)もこの発
明の技術的範囲に含まれる。
また、ここでは、信号光sおよび変換光cの波長λs,λcが、等しい場合を例示した。信号光sと変換光cの波長が等しいとみなせない場合には、(5)式におけるΔkを0
とするか、または実用上許容できる範囲で充分に0に近くするように、前述したシミュレーションにより波長変換素子10の各部の寸法および屈折率などを設計すればよい。
なお、以下に述べる各実施の形態においては、とくに断らない限り、信号光sおよび変換光cの波長λs,λcは、それぞれ約1.55μmであり、両者は実質的に等しいとする。また、ポンプ光pの波長λpは、(1)式より定まる、約0.775μmとする。
(実施の形態1)
つぎに、図2を参照して、実施の形態1の波長変換素子の一好適例につき説明する。図2は、実施の形態1の波長変換素子20の斜視図である。なお、図2において、図1と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
まず、波長変換素子20の構造の概略を説明する。波長変換素子20は、周期的分極反転構造11を有する主光導波路12を有している。この主光導波路12に沿って平行に、かつ主光導波路12との間に幅W1の間隔を空けて、副光導波路16が配置されている。複合光導波路22は主光導波路12と副光導波路16とを構成要素として含んでいる。
以下の説明では、リッジ型光導波路を備える波長変換素子につき説明する。
この構成例では、基板24の第1主面24aには凸条31が設けられている。この凸条31の長手方向に直交する横断面の形状は問わないが、ここでは矩形とする。この凸条31の上面に、この凸条31と同一幅で均一な厚みの主光導波路12が形成されている。主光導波路12の横断面形状は矩形とする。さらに、主光導波路12は、凸条31の長手方向に沿った両側面12a,12a、上面12bおよび凸条31の上面との境界を形成する下面12cを備えている。つまり、主光導波路12は、リッジ型光導波路26である。主光導波路12には、その長手方向、つまり光伝播方向に沿って、周期的分極反転構造11が形成されている。ここで、主光導波路12の屈折率をn1とする。
主光導波路12の上面12bは、主光導波路12よりも屈折率が低くかつ均一の厚みのクラッド28により、その全面が覆われている。
上述した凸条31を有する基板24、主光導波路12、およびクラッド28を備える構造体は、第1主面24a側の露出面が、主光導波路12よりも屈折率の低い第1層30により覆われている。第1層30のうち、とくに、主光導波路12の両側面12a,12aおよび上面12bを上側から覆う領域部分を、低屈折率層32と称する。ここで、第1層30、すなわち低屈折率層32の屈折率をn3とする。
第1層30は、主光導波路12よりも屈折率の高い第2層34により、上側全面が覆われている。第2層34のうち、とくに、主光導波路12の両側面12a,12aおよび上面12bを上側から覆う領域部分を、副光導波路16と称する。また、副光導波路16に対応する領域部分の第2層34のことを高屈折率層36とも称する。ここで、第2層34、すなわち副光導波路16の屈折率をn2とする。
副光導波路16のうち、主光導波路12の両側面12a,12aを、これに対向して覆う領域部分が副光導波路16a,16aである。一方、主光導波路12の上面12bを、これに対向して覆う領域部分が副光導波路16bである。
つまり、副光導波路16は、主光導波路12の両側面12a,12aおよび上面12bに沿って平行に、かつ両側面12a,12aおよび上面12bの全面に渡り延在している。副光導波路16a,16aと主光導波路12の両側面12a,12aとは離間しており、かつ、両者16a,12aの間には幅W1の間隔が設けられている。両者16a,12a間の幅W1の領域に低屈折率層32が設けられている。つまり、主光導波路12の両側面12a,12aに対応する領域において、低屈折率層32の厚さはW1となる。低屈折率層32およびクラッド28が介在しているために、副光導波路16bと主光導波路12の上面12bとは離間している。
ここで、主光導波路12、低屈折率層32および高屈折率層36の屈折率n1,n3,n2の間には、n2>n1>n3なる関係が成り立つ。また、クラッド28の屈折率は、n1よりも小さい値とされる。
ここで、主光導波路12、副光導波路16、低屈折率層32およびクラッド28の材質や寸法について、一好適例を挙げる。なお、これらの数値や材料は、屈折率や、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの波長等を勘案した、前述したシミュレーションにより、設計に応じて適切に決定されるものである。
主光導波路12としては、たとえば、屈折率n1が2.1〜2.2(波長により変化する)であるMgOドープLiNbO3を用いる。副光導波路16の高屈折率層36としては、たとえば、屈折率n2を2.6としたSiNXまたはTiO2とSiの組み合わせを用いる。また、低屈折率層32としては、たとえば、屈折率n3を2.00としたSiOX、SiONまたはTa25を用いる。また、クラッド28としては、たとえば、屈折率を2.00としたSiOX、SiONまたはTa25を用いる。
主光導波路12の光伝播方向に沿った長さ(長手方向の長さ)は、たとえば、約1cmとする。また、主光導波路12の、基板24からの突出高さおよび両側面12a,12a間の幅は、たとえば、それぞれ約1μmとする。また、間隔の幅W1(低屈折率層32の厚さ)は、たとえば、約0.29μmとする。また、高屈折率層36の厚さは、たとえば、約0.2μmとする。また、クラッド28の厚さは、たとえば、約5μmとする。
つぎに、波長変換素子20の動作につき、簡単に説明する。信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの群速度Vgs,Vgp,Vgcを一致させる方法については、(本発明の概略説明)の欄で詳述したので、ここでは簡単に触れるにとどめる。
波長変換素子20の入射端面20aから、複合光導波路22に、ポンプ光pおよび信号光sとを同時に入射させると、(本発明の概略説明)の欄で述べたように、(1)式に従う波長を有する変換光cが発生する。
信号光sおよび変換光cの波長が等しいことから、Δkを0とするためには、(7)式
より、ポンプ光pの群速度Vgpと変換光c(信号光s)の群速度Vgc(Vgs)との間の群速度差を解消(0にする)すればよい。
群速度差を解消するための手段が、副光導波路16、とくに、主光導波路12の両側面12a,12aを覆う副光導波路16a,16aである。すなわち、ポンプ光pよりも波長の長い変換光c(信号光s)は、エバネッセント波が、より遠方まで染み出す。すなわち、副光導波路16a,16aを伝播する光電場成分は、ポンプ光pよりも変換光c(信号光s)の方が多い。よって、屈折率n2(>n1)の副光導波路16a,16aによる群速度減速効果の程度を、変換光c(信号光s)とポンプ光pとで比較すると、ポンプ光pの群速度Vgpよりも変換光c(信号光s)の群速度Vgc(Vgs)のほうが、より大きく減速される。
ところで、ポンプ光pと変換光c(信号光s)との波長の関係より、副光導波路16a,16aが存在しなければ、両者p,c(s)の群速度の関係は、Vgc(Vgs)>Vgpである。しかし、副光導波路16a,16aを設けることにより、Vgc(Vgs)がVgpに比べてより大きく減速され、Vgc(Vgs)=Vgpとなる。これにより(7)式において、Δk=0が達成される。
なお、この議論において、主光導波路12を伝播するポンプ光pおよび変換光c(信号光s)の光電場の副光導波路16bへの染み出し量は、副光導波路16a,16aに比べて少なく、計算上は無視できる。なぜなら、クラッド28の存在により、上面12bと副光導波路16bとの間隔は、側面12aと副光導波路16aとの間の幅W1の間隔より大きくなるので、副光導波路16bに到達するエバネッセント波の光電場成分が少なくなるからである。
つぎに、波長変換素子20の動作を示すシミュレーションにつき、図3を参照して説明する。
図3は、モード計算によって得られたポンプ光pおよび変換光c(信号光s)の群速度Vgp,Vgc(Vgs)と、間隔の幅W1との関係を示すグラフである。図3において、縦軸が、群速度に対応しており、単位は、真空中の光の速度を群速度で除したもの(C/Vg)である。また、横軸は、間隔の幅W1に対応しており、単位はμmである。
また、実線は、ポンプ光p(波長:0.775μm)の2次モードに対応し、および一点破線は、変換光c(信号光s)(波長:1.55μm)の2次モードに対応する。
シミュレーションを行うにあたり、予め、以下に列記する値を定数として与え、間隔の幅W1を変数として変化させて、C/VgpおよびC/Vgcを求めた。
A)主光導波路12の屈折率n1は、LiNbO3の屈折率とした。より具体的には、ポンプ光pの波長における屈折率n1を2.18とし、かつ、変換光c(信号光s)の波長における屈折率n1を2.14とした。
B)副光導波路16の屈折率n2は、主光導波路12の屈折率n1に0.5を加えた値とした。より具体的には、ポンプ光pの波長における屈折率n1を2.68とし、かつ、変換光c(信号光s)の波長における屈折率n1を2.64とした。
C)低屈折率層32の屈折率n3は、波長によらず一定値2.00とした。
D)主光導波路12の幅(両側面12a,12a間距離)は、1μmとした。
E)副光導波路16の幅(厚さ)は、0.2μmとした。
なお、副光導波路16は、波長変換素子20の構造および伝播するポンプ光pおよび変換光c(信号光s)の波長より、光導波路としてはシングルモードとなっている。また、別に行ったシミュレーションより、伝播するポンプ光pおよび変換光c(信号光s)の1次モードは、副光導波路16に光界分布が集中することがわかり、主光導波路12が多少、多モード条件となっていても支障がないことがわかった。
図3から、ポンプ光pにおいては、C/Vgpは、間隔の幅W1によらず、ほぼ一定(C/Vgp≒2.25)である。一方、変換光c(信号光s)においては、C/Vgcは、間隔の幅W1の値の増加とともに、徐々に減少していく。
2本のグラフは、W1≒0.29μmおよびC/Vg≒2.25の点で交差する。つまり、この点において、Vgp=Vgcが達成される。
変換光c(信号光s)のC/Vgcについて、図3から読み取った具体的な数値を挙げると、W1≒0.10μmのときにC/Vgc≒2.28、W1≒0.20μmのときにC/Vgc≒2.27、W1≒0.30μmのときにC/Vgc≒2.24およびW1≒0.40μmのときにC/Vgc≒2.22である。
つぎに、波長変換素子20の製造方法につき、図4〜図6を参照して説明する。図4(A)〜図4(C)は、波長変換素子20の製造工程を示す工程断面図である。図5(A)および図5(B)は、波長変換素子20の製造工程を示す工程斜視図である。図6(A)〜図6(D)は、波長変換素子20の製造工程を示す図面であり、図5(B)のA−A断面に沿った工程断面図である。
(1)まず、基板24に、周期的分極反転構造11を形成する。その具体的な手順を以下に示す。
(1−1)基板24として、ZカットのMgOドープLiNbO3結晶基板を準備する。そして、この基板24の+Z面40に、フォトリソグラフィー技術を利用して、露出部42と被覆部44とが交互に繰り返されるストライプ状のレジストパターン46を形成する。ここで、1本の露出部42の幅は、約8μmであり、1本の被覆部44の幅は、約12μmである。露出部42の幅と被覆部44の幅との和(約20μm)が、周期的分極反転構造11の1周期(コヒーレント長)と等しい(図4(A))。
(1−2)つづいて、このレジストパターン46をマスクとして、スパッタ法により、基板24に厚さ約400nmのAu膜を被覆する。そののち、レジストパターン46を除去することで、基板24の+Z面40に、周期的Au電極48を形成する(図4(B))。
(1−3)つづいて、基板24の+Z面40にプラス側の液体電極を接触させ、−Z面にマイナス側の液体電極を接触させ、結晶の抗電界を越える電圧を、周期的Au電極48を介して印加することにより、周期的分極反転構造11を形成する(図4(C))。
(2)つづいて、周期的分極反転構造11が形成された基板24に、プロトン交換法により主光導波路12を形成する。その具体的な手順を以下に示す。
(2−1)まず、周期的分極反転構造11が形成された基板24の+Z面40にスパッタ法でCr膜50を成膜する。
(2−2)つづいて、フォトリソグラフィー技術を利用して、このCr膜50の主光導波路12に対応する領域にスリット52を形成し、プロトン交換マスクとする(図5(A))。
(2−3)つづいて、プロトン交換マスクが形成された基板24を、溶融安息香酸に温度200℃で約2時間浸漬する。これにより、主光導波路12に対応する領域で、結晶内部のリチウムとプロトンとの交換が進行する。
(2−4)つづいて、プロトン交換マスクを除去して、プロトン交換層での屈折率分布を最適化するために、アニール処理を行うことで、主光導波路12を形成する(図5(B))。
(3)つぎに、主光導波路12をリッジ型形状に加工する。その具体的手順を以下に示す。
(3−1)まず、基板24の主光導波路12が形成された領域をフォトレジストで被覆する。
(3−2)つづいて、スパッタエッチングを行うことで、基板24の主光導波路12以外の領域をエッチングする。これにより、基板24からの突出高さおよび両側面12a,12a間の幅が、それぞれ約1μmのリッジ型光導波路26が形成される(図6(A))。
(4)つぎに、クラッド28、低屈折率層32および高屈折率層36をこの順序で形成し、波長変換素子20を得る。その具体的な手順を以下に示す。
(4−1)まず、基板24の主光導波路12の上面12bを除く領域をフォトレジストで被覆する。その上で、上面12bに、クラッド28となるSiO2を、約5μmの厚さで、スパッタ法により成膜する(図6(B))。
(4−2)つづいて、低屈折率層32(第1層30)となるSiO2をCVD法により、約0.29μmの厚さで、基板24の全面に成膜する(図6(C))。
(4−3)つづいて、高屈折率層36(第2層34)となるSiN膜をCVD法により、約0.2μmの厚さで、基板24の全面に成膜する(図6(D))。
(4−4)最後に、信号光sおよびポンプ光pが入射する端面、ならびに変換光cが出射する端面を光学研磨して、波長変換素子20を得る。
このように、この実施の形態の波長変換素子20は、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの群速度差を0とすることができ、その結果、より広帯域で変換光cを効率よく発生させることができる。
また、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの偏光方向が同一であるために、最大の非線形光学定数(d33)を利用することができ、その結果、変換効率を低下させることがない。
また、波長変換素子20は、リッジ型の主光導波路12を低屈折率層32および副光導波路16(高屈折率層36)で被覆するだけの単純で簡単な構造を有しており、簡易に製作できる。
また、波長変換素子20を構成する各構造の寸法は、μmオーダーであるので、実用的なサイズであり、既存の技術を用いて簡易に製作できる。
また、波長変換素子20は、変換光c(信号光s)を減速するための副光導波路16a,16aを、主光導波路12の両側面12a,12aに設けたので、副光導波路を主光導波路12の1面に設けた場合に比べて、より効果的に、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの群速度差を0とすることができる。
なお、主光導波路12としては、MgOドープLiNbO3に限らず、たとえば、LiTaO3やKTiOPO4(KTP)などの非線形光学材料を用いることができる。
また、低屈折率層32としては、SiO2に限らず、主光導波路12よりも屈折率の低い材料を用いることができ、たとえば、サファイアなどを用いることができる。
また、高屈折率層36としては、SiNに限らず、主光導波路12よりも屈折率の高い材料を用いることができ、たとえば、SiOXや酸化チタンなどを用いることができる。
また、クラッド28としては、SiO2に限らず、主光導波路12よりも屈折率の低い材料を用いることができ、たとえば、サファイアなどを用いることができる。
また、波長変換素子20において、クラッド28を設けずに、主光導波路12の上面12bを、低屈折率層32と副光導波路16bとで被覆してもよい。低屈折率層32と副光導波路16bとをこのように配置することにより、側面12a,12aに加えて、変換光c(信号光s)の上面12bから染み出したエバネッセント波をも、変換光c(信号光s)の群速度Vgc(Vgs)の減速に利用できるので、より容易に、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの群速度を一致させることができる。
また、副光導波路16を、主光導波路12の両側面12a,12aおよび上面12bの全面に渡って延在するように配置する必要はない。つまり、副光導波路16は、主光導波路12を囲む4面(両側面12a,12a、上面12bおよび下面12c)の少なくとも1面に沿い、かつこの面と離間して延在していればよい。たとえば、以下に示すような種々の変形が可能である。このようにすることにより、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの群速度差を、0とすることができるか、または実用上許容できる範囲で0に近づけることができる。
(i)主光導波路12の一方の側面12aのみを覆うように副光導波路16aを配置する(図7(A))。
(ii)主光導波路12の側面12aの一部を覆うように副光導波路16aを配置する(図7(B)〜図9)。
(ii−1)主光導波路12の側面12aの長手方向の全長を覆い、かつ短手方向(リッジ高さの方向)の一部を覆うように副光導波路16aを配置する(図7(B))。
(ii−2)主光導波路12の側面12aの短手方向(リッジ高さの方向)の全長を覆い、かつ長手方向の一部を覆うように副光導波路16aを配置する(図8(A))。
(ii−3)主光導波路12の側面12aの長手方向に延び、短手方向(リッジ高さの方向)に関しては一定間隔で、ストライプ状の副光導波路16aを配置する(図8(B))。
(ii−4)主光導波路12の側面12aの短手方向(リッジ高さの方向)に延び、長手方向に関しては一定間隔で、ストライプ状の副光導波路16aを配置する(図9)。
(ii−5)上述の(i)〜(ii−4)を2種類以上組み合わせた形状の副光導波路16aを配置する。
なお、図7〜図9における副光導波路16aの配置は、あくまで例示であり、副光導波路は、主光導波路12を囲む4面の少なくとも1面に沿って設けられていればよい。たとえば、(1)両側面12a,12aに設ける、(2)上下面12b,12cに設ける、(3)上面12bと一方の側面12aに設ける、(4)下面12cと一方の側面12aに設けるなどの変形が可能である。
(実施の形態2)
つぎに、図10を参照して、実施の形態2の波長変換素子の一好適例につき説明する。図10は、実施の形態2の波長変換素子54の構造の説明に供する斜視図である。
波長変換素子54は、副光導波路56が2層構造となった以外は、実施の形態1の波長変換素子20と同様である。そこで、おもに、実施の形態1との相違点について説明する。なお、図10において、図2と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
まず、波長変換素子54の構造の概略を説明する。波長変換素子54は、周期的分極反転構造11を有する主光導波路12を有している。この主光導波路12に沿って平行に、かつ主光導波路12との間に間隔を空けて、副光導波路56が配置されている。複合光導波路22は主光導波路12と副光導波路56とを構成要素として含んでいる。
この構成例では、副光導波路56は、互いに離間して設けられた第1副光導波路58と第2副光導波路60とを備えている。第1および第2副光導波路58,60の厚さは互いに等しい。また、第1および第2副光導波路58,60の屈折率n2は、互いに等しく、かつ主光導波路12の屈折率n1よりも高い値である。
そして、第1副光導波路58と主光導波路12との間に介在する幅W2の間隔には、第1低屈折率層66が設けられている。同様に、第1副光導波路58と第2副光導波路60との間に介在する幅W3の間隔には、第2低屈折率層68が設けられている。幅W2と幅W3の大きさは互いに等しい。また、第1および第2低屈折率層66,68の屈折率n3は、互いに等しく、かつ主光導波路12の屈折率n1よりも低い値である。
つまり、主光導波路12、第1および第2低屈折率層66,68、ならびに第1および第2副光導波路58,60の屈折率n1,n3,n2の間には、n2>n1>n3なる関係が成り立つ。
より詳細には、凸条31を有する基板24、主光導波路12、およびクラッド28を備える構造体は、第1主面24a側の露出面が、第1層70により覆われている。第1層70のうち、とくに、主光導波路12の両側面12a,12aおよび上面12bを上側から覆う領域部分を、第1低屈折率層66と称する。第1低屈折率層66の厚さは、W2である。
第1層70は、第2層72により、上側全面が覆われている。第2層72のうち、とくに、主光導波路12の両側面12a,12aおよび上面12bを上側から覆う領域部分を、第1副光導波路58と称する。ここで、第1副光導波路58に対応する第2層72のことを第1高屈折率層73とも言う。ここで、第1副光導波路58のうち、主光導波路12の両側面12a,12aを覆う領域部分を第1副光導波路58a,58aと称し、主光導波路12の上面12bを覆う領域部分を第1副光導波路58bと称する。
第2層72は、第3層74により、上側全面が覆われている。第3層74のうち、とくに、主光導波路12の両側面12a,12aおよび上面12bを覆う領域部分を、第2低屈折率層68と称する。第2低屈折率層68の厚さは、W3である。
第3層74は、第4層76により、上側全面が覆われている。第4層76のうち、とくに、主光導波路12の両側面12a,12aおよび上面12bを覆う領域部分を、第2副光導波路60と称する。ここで、第2副光導波路60に対応する第4層76のことを第2高屈折率層77とも言う。ここで、第2副光導波路60のうち、主光導波路12の両側面12a,12aを覆う領域部分を第2副光導波路60a,60aと称し、主光導波路12の上面12bを覆う領域部分を第2副光導波路60bと称する。
ここで、第1副光導波路58a,58aおよび第2副光導波路60a,60aからなる構造体を、副光導波路56a,56aと称する。同様に、第1副光導波路58bおよび第2副光導波路60bからなる構造体を、副光導波路56bと称する。
つまり、副光導波路56は、リッジ型光導波路26である主光導波路12の両側面12a,12aおよび上面12bに沿って平行に、かつ両側面12a,12aおよび上面12bの全面に渡り延在している。副光導波路56a,56aと主光導波路12の両側面12a,12aとは離間している。つまり、第1副光導波路58a,58aと主光導波路12の側面12a,12aとの間には、幅W2の間隔が設けられている。この間隔に第1低屈折率層66が設けられている。また、第1低屈折率層66およびクラッド28が介在しているために、副光導波路56bと主光導波路12の上面12bとは離間している。
ここで、主光導波路12、第1および第2高屈折率層73,77、第1および第2低屈折率層66,68、ならびにクラッド28の材質や寸法について、一好適例を挙げる。なお、これらの数値や材料は、屈折率や、ポンプ光p、信号光sおよび変換光cの波長等を勘案した、前述したシミュレーションにより、設計に応じて適切に決定されるものである。
主光導波路12としては、たとえば、実施の形態1と同様のMgOドープLiNbO3を用いる。第1および第2高屈折率層73,77としては、たとえば、屈折率n2を2.6としたSiNを用いる。また、第1および第2低屈折率層66,68としては、たとえば、屈折率n3を2.00としたSiO2を用いる。また、クラッド28としては、実施の形態1と同様のSiO2を用いる。
主光導波路12の光伝播方向に沿った長さ、基板24からの突出高さおよび両側面12a,12a間の幅は実施の形態1と同様である。また、間隔の幅W2,W3は、たとえば、それぞれ約0.45μmとする。また、第1および第2高屈折率層73,77の厚さは、たとえば、約0.2μmとする。
つづいて、波長変換素子54の動作につき、説明する。
波長変換素子54の入射端面54aから、複合光導波路22に、ポンプ光pおよび信号光sとを同時に入射させると、(本発明の概略説明)および(実施の形態1)の欄で述べたとおおむね同様にして、複合光導波路22内において(7)式のΔk=0が達成され、
変換光cが発生する。
つぎに、波長変換素子54の動作を示すシミュレーションにつき、図11を参照して説明する。
図11は、モード計算によって得られたポンプ光pおよび変換光c(信号光s)の群速度Vgp,Vgc(Vgs)と、間隔の幅W2,W3との関係を示すグラフである。縦軸が、群速度に対応しており、単位は、真空中の光の速度を群速度で除したもの(C/Vg)である。また、横軸は、間隔の幅W2,W3に対応しており、単位はμmである。
また、実線は、ポンプ光p(波長:0.775μm)の2次モードに対応し、一点破線は、変換光c(信号光s)(波長:1.55μm)の2次モードに対応する。
シミュレーションを行うにあたり、予め、以下に列記する値を定数として与え、間隔の幅W2,W3(両者は等しい)を変数として変化させて、C/VgpおよびC/Vgcを求めた。
A)主光導波路12の屈折率n1は、LiNbO3の屈折率とした。より具体的には、ポンプ光pの波長における屈折率n1を2.18とし、変換光c(信号光s)の波長における屈折率n1を2.14とした。
B)第1および第2副光導波路58,60の屈折率n2は、主光導波路12の屈折率n1に0.5を加えた値とした。より具体的には、ポンプ光pの波長における屈折率n1を2.68とし、変換光c(信号光s)の波長における屈折率n1を2.64とした。
C)第1および第2低屈折率層66,68の屈折率n3は、波長によらず一定値2.00を取ることとした。
D)主光導波路12の幅(両側面12a,12a間距離)は、1μmとした。
E)第1および第2副光導波路58,60の幅(厚さ)は、0.2μmとした。
図11から、ポンプ光pにおいては、C/Vgpは、間隔の幅W2,W3によらず、ほぼ一定(C/Vgp≒2.25)である。一方、変換光c(信号光s)においては、C/Vgcは、間隔の幅W2,W3の値の増加とともに、徐々に減少していく。
2本のグラフは、W2(W3)≒0.44μmおよびC/Vg≒2.25の点で交差する。つまり、この点において、Vgp=Vgc(Vgs)が達成される。
また、実施の形態1の場合(図3)と比較すると、副光導波路16と、第1および第2副光導波路58,60との膜厚が等しい場合、実施の形態2の2層に渡り積層された副光導波路56のほうが、変換光c(信号光s)の群速度Vgc(Vgs)を大きな範囲で調整できる。また、Vgp=Vgc(Vgs)となる点において、間隔の幅W2,W3は、実施の形態1のW1に比べて約6割大きいことがわかる。
変換光c(信号光s)のC/Vgcについて、図11から読み取った具体的な数値を挙げると、W2(W3)≒0.30μmのときにC/Vgc≒2.33、W2(W3)≒0.40μmのときにC/Vgc≒2.27、W2(W3)≒0.50μmのときにC/Vgc≒2.23およびW2(W3)≒0.60μmのときにC/Vgc≒2.18である。
つぎに、波長変換素子54の製造方法につき、簡単に説明する。
実施の形態1で述べた(1−1)〜(4−3)とおおむね同様の工程を実施する。その後に、(4−2)〜(4−4)とおおむね同様の工程を実施することにより、波長変換素子54を得る。
このように、この実施の形態の波長変換素子20は、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの群速度差を0とすることができ、その結果、より広帯域で変換光cを効率よく発生させることができる。
また、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの偏光方向が同一であるために、最大の非線形光学定数(d33)を利用することができ、その結果、変換効率を低下させることがない。
また、波長変換素子54は、リッジ型の主光導波路12を第1および第2低屈折率層66,68および副光導波路56で被覆するだけの単純な構造を有しており、簡易に製作できる。
また、波長変換素子54を構成する各構造の寸法は、μmオーダーであるので、実用的なサイズであり、既存の技術を用いて簡易に製作できる。
また、波長変換素子54は、2層構造の第1および第2高屈折率層73,77を有しているので、主光導波路12から染み出した変換光cの群速度調整範囲を大きくすることができ、より容易に、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの群速度Vgs,Vgp,Vgcを一致させることができる。
なお、主光導波路12、第1および第2低屈折率層66,68、第1および第2高屈折率層73,77およびクラッド28としては、実施の形態1で述べたような材料を用いることができる。
また、副光導波路56の配置については、実施の形態1で述べたような種々の変形が可能である。
また、この実施の形態においては、第1および第2副光導波路58,60の幅(厚さ)を等しくしているが、両者が異なっていてもよい。このようにすることにより、ポンプ光pと変換光c(信号光s)の群速度差を、0とすることができるか、または実用上許容できる範囲で0に近づけることができる。さらに、波長変換素子54の設計自由度が向上する。
また、この実施の形態においては、第1および第2副光導波路58,60の屈折率n2を等しくしているが、両者が異なっていてもよい。このようにすることにより、ポンプ光pと変換光c(信号光s)の群速度差を、0とすることができるか、または実用上許容できる範囲で0に近づけることができる。さらに、波長変換素子54の設計自由度が向上する。
また、この実施の形態においては、副光導波路56は、2層構造とされていたが、3層以上の副光導波路を設けてもよい。このようにすることにより、ポンプ光pと変換光c(信号光s)の群速度差を、0とすることができるか、または実用上許容できる範囲で0に近づけることができる。
この場合、3層以上の副光導波路のそれぞれの厚さは、設計に応じて適切に決定すればよく、互いに同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよいし、または少なくとも2層で同一であってもよい。
同様に、3層以上の副光導波路のそれぞれの屈折率は、主光導波路12よりも高い値であれば、設計に応じて適切に決定すればよく、互いに同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよいし、または少なくとも2層で同一であってもよい。
同様に、3層以上の副光導波路を有する場合、主光導波路12と副光導波路との間隔、および隣り合った副光導波路同士の間隔に介在する2層以上の低屈折率層のそれぞれの厚さ(幅)は、設計に応じて適切に決定すればよく、互いに同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよいし、または少なくとも2層で同一であってもよい。
同様に、3層以上の副光導波路を有する場合、主光導波路12と副光導波路との間隔、および隣り合った副光導波路同士の間隔に介在する2層以上の低屈折率層のそれぞれの屈折率は主光導波路12よりも低い値であれば、設計に応じて適切に決定すればよく、互いに同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよいし、または少なくとも2層で同一であってもよい。
(実施の形態3)
つぎに、図12を参照して、実施の形態3の波長変換素子の一好適例につき説明する。図12は、実施の形態3の波長変換素子80の斜視図である。なお、図12において、図2と同様の構造には同符号を付し、その説明を適宜省略する。
まず、波長変換素子80の構造の概略を説明する。波長変換素子80は、周期的分極反転構造82を有する主光導波路84を有している。この主光導波路84に沿って平行に、かつ主光導波路84との間に間隔を空けて、副光導波路86が配置されている。複合光導波路88は主光導波路84と副光導波路86とを構成要素として含んでいる。
より詳細には、主光導波路84は、基板24の第1主面24aに設けられた凸条である。この凸条の、基板24からの突出部分は、断面矩形状に形成されている。つまり、主光導波路84は、リッジ型光導波路26である。主光導波路84には、その長手方向、つまり光伝播方向に沿って、周期的分極反転構造82が形成されている。ここで、主光導波路84の屈折率をn1とする。
副光導波路86,86は、主光導波路84を挟んで対称な位置に配置された凸条である。主光導波路84と副光導波路86,86との間の間隔には、幅W4の溝90,90が設けられている。副光導波路86,86は、基板24からの突出高さが、主光導波路84と等しく形成されている。また、副光導波路86,86の短手方向、つまり光伝播方向に垂直かつ第1主面24aに平行な方向における幅は、同じ方向における主光導波路84の幅よりも大きい値である。
詳しくは後述するが、主光導波路84と副光導波路86,86は、基板24に作成された周期的分極反転構造82を有する1本の光導波路を、溝90,90を設けることにより分離したものである。よって、副光導波路86,86の屈折率は、主光導波路84と等しく、n1である。また、副光導波路86,86には、主光導波路84と同様に、光伝播方向に沿って、周期的分極反転構造82が形成されている。
また、溝90,90の空隙、すなわち主光導波路84と副光導波路86との間の間隙は、大気雰囲気とされている。したがって、溝90,90の空隙部分における屈折率をn3とすると、n1>n3なる関係が成り立つ。
ここで、主光導波路84、副光導波路86および溝90の材質や寸法について、一好適例を挙げる。なお、これらの数値や材料は、屈折率や、ポンプ光p、信号光sおよび変換光cの波長等を勘案した、シミュレーションにより、設計に応じて適切に決定されるものである。
主光導波路84および副光導波路86を構成する材料としては、たとえば、屈折率n1が2.1〜2.2(波長により変化する)であるMgOドープLiNbO3を用いる。
主光導波路84の光伝播方向に沿った長さ(長手方向の長さ)は、たとえば、約1cmとする。また、主光導波路84および副光導波路86の、基板24からの突出高さは、たとえば、約1μmとする。また、主光導波路84の短手方向、つまり光伝播方向に垂直かつ第1主面24aに平行な方向における幅は、たとえば、約0.32μmとする。また、副光導波路86の短手方向、つまり光伝播方向に垂直かつ第1主面24aに平行な方向における幅は、たとえば、約0.36μmとする。また、溝90の主光導波路84と副光導波路86との間の幅W4は、たとえば、約0.36μmとする。
つぎに、波長変換素子80の動作につき、簡単に説明する。
波長変換素子80の入射端面80aから、複合光導波路88に、ポンプ光pおよび信号光sとを同時に入射させると、(本発明の概略説明)の欄で述べたように、(1)式に従う波長を有する変換光cが発生する。
信号光sおよび変換光cの波長が実質的に等しいことから、Δkを0とするためには、
(7)式より、ポンプ光pの群速度Vgpと変換光c(信号光s)の群速度Vgc(Vgs)との間の群速度差を解消(0にする)すればよい。
群速度差を解消するための手段が、副光導波路86,86である。すなわち、ポンプ光pよりも波長の長い変換光c(信号光s)は、エバネッセント波が、より遠方まで染み出す。それに対して、ポンプ光pのエバネッセント波は、主光導波路84近傍で消衰してしまう。
よって、溝90の幅W4、および副光導波路86,86の幅を適切に設計することにより、いわば、副光導波路86,86内を伝播する光電場成分を、変換光c(信号光s)のエバネッセント波に由来するもののみとすることができる。
これにより、変換光c(信号光s)の群速度Vgc(Vgs)は、副光導波路86,86が存在しない場合に比べて減速される。一方、ポンプ光pは、光電場成分のほとんどが主光導波路84内を伝播するので、群速度Vgpは、大きな影響を受けないと考えられる。つまり、副光導波路86,86を設けることで、群速度が速い変換光c(信号光s)がいわば選択的に減速される。
ところで、ポンプ光pと変換光c(信号光s)との波長の関係より、副光導波路86,86が存在しなければ、両者p,c(s)の群速度の関係は、Vgc(Vgs)>Vgpである。しかし、副光導波路86,86を設けることにより、Vgc(Vgs)が減速され、Vgc(Vgs)=Vgpとなる。これにより(7)式において、Δk=0が達成される。
つぎに、波長変換素子80の動作を示すシミュレーションにつき、図13を参照して説明する。
図13は、モード計算によって得られたポンプ光pおよび変換光c(信号光s)の群速度Vgp,Vgc(Vgs)と、溝90の幅W4との関係を示すグラフである。縦軸が、群速度に対応しており、単位は、真空中の光の速度を群速度で除したもの(C/Vg)である。また、横軸は、溝90の幅W4に対応しており、単位はμmである。
また、実線は、ポンプ光p(波長:0.775μm)の1次モードに対応し、一点破線は、変換光c(信号光s)(波長:1.55μm)の1次モードに対応する。
シミュレーションを行うにあたり、予め、以下に列記する値を定数として与え、溝90の幅W4を変数として変化させて、C/VgpおよびC/Vgcを求めた。
A)主光導波路84の屈折率n1は、LiNbO3の屈折率とした。より具体的には、ポンプ光pの波長における屈折率n1を2.18とし、変換光c(信号光s)の波長における屈折率n1を2.14とした。
B)溝90,90の空隙部分における屈折率n3は、大気の屈折率である1.46とした。
C)主光導波路84の幅は、0.32μmとした。
D)副光導波路86,86の幅は、0.36μmとした。
図13から、ポンプ光pにおいては、C/Vgpは、幅W4が0.10〜0.30μmの範囲で減少し、0.30μmより大きい範囲では、ほぼ一定(C/Vgp≒2.29)となる。一方、変換光c(信号光s)においては、C/Vgcは、幅W4が0.10〜0.20μmの範囲で僅かに増加し、0.20μmより大きい範囲では、単調に減少する。
2本のグラフは、W4≒0.36μmおよびC/Vg≒2.29の点で交差する。つまり、この点において、Vgp=Vgc(Vgs)が達成される。
変換光c(信号光s)のC/Vgcについて、図13から読み取った具体的な数値を挙げると、W4≒0.10μmのときにC/Vgc≒2.37、W4≒0.20μmのときにC/Vgc≒2.38、W4≒0.30μmのときにC/Vgc≒2.33およびW4≒0.40μmのときにC/Vgc≒2.28である。
同様に、ポンプ光pのC/Vgpについて、図13から読み取った具体的な数値を挙げると、W4≒0.10μmのときにC/Vgp≒2.36、W4≒0.20μmのときにC/Vgp≒2.32、W4≒0.30μmのときにC/Vgp≒2.29およびW4≒0.40μmのときにC/Vgp≒2.29である。
つぎに、波長変換素子80の製造方法につき、図14を参照して説明する。図14(A)は、波長変換素子80の製造工程を示す工程斜視図である。図14(B)および図14(C)は、波長変換素子80の製造工程を示す図であり、図14(A)のB−B断面に沿った工程断面図である。
実施の形態1で述べた(1−1)〜(2−4)とおおむね同様の工程を実施する。これにより、周期的分極反転構造82、ならびに後の工程で主光導波路84および副光導波路86,86となる光導波路92が形成された基板24を得る(図14(A))。ここで、光導波路92は、主光導波路84、溝90,90および副光導波路86,86のそれぞれの幅の和よりも幅広く形成されている。
つぎに、光導波路92の主光導波路84および副光導波路86,86に対応する領域にレジストパターン94を形成する(図14(B))。その上で、スパッタエッチングを行うことで、光導波路92に、溝90,90を形成し、主光導波路84と副光導波路86,86とを分離形成する。
そののち、レジストパターン94を除去し、実施の形態1の(4−4)の工程を行うことで、波長変換素子80を得る(図14(C))。
このように、この実施の形態の波長変換素子80は、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの群速度差を0とすることができ、その結果、より広帯域で変換光cを効率よく発生させることができる。
また、ポンプ光p、信号光sおよび変換光cの偏光方向が同一であるために、最大の非線形光学定数(d33)を利用することができ、その結果、変換効率を低下させることがない。
また、波長変換素子80を構成する各構造の寸法は、μmオーダーであるので、実用的なサイズであり、既存の技術を用いて簡易に製作できる。
また、波長変換素子80は、周期的分極反転構造82を有する基板24に形成された光導波路に、既存のエッチング技術を適用することで製作される。よって、成膜プロセスが必要とされる実施の形態1および実施の形態2の波長変換素子20,54よりも簡易に製作できる。
また、副光導波路86,86にも周期的分極反転構造82が形成されているので、主光導波路84から副光導波路86,86に染み出したエバネッセント波が波長変換に寄与する。よって、変換効率を高めることができる。
また、副光導波路86,86の短手方向の幅を、主光導波路84の短手方向の幅よりも大きくしているので、信号光s、ポンプ光pおよび変換光cの群速度差を0とすることができ、その結果、より広帯域で変換光cを効率よく発生させることができる。
なお、主光導波路84および副光導波路86,86としては、実施の形態1で述べたような材料を用いることができる。
また、溝90,90の空隙には、主光導波路84よりも屈折率の低い材料を充填してもよい。このようにすることにより、ポンプ光pと変換光c(信号光s)の群速度差を、0とすることができるか、または実用上許容できる範囲で0に近づけることができる。
また、この実施の形態においては、副光導波路86,86にも周期的分極反転構造82が形成されているが、副光導波路86,86には、周期的分極反転構造82が形成されていなくとも、実用上充分な変換効率で変換光cを発生させることができる。
また、この実施の形態においては2本の副光導波路86,86を、主光導波路84を挟んで対称的に設けているが、3本以上の副光導波路を主光導波路84に沿って設けてもよい。図15(A)に、4本の副光導波路96を設けた場合の波長変換素子80の断面図を例示する。このようにすることにより、ポンプ光pと変換光c(信号光s)の群速度差を、0とすることができるか、または実用上許容できる範囲で0に近づけることができる。さらに、波長変換素子80の設計自由度が向上する。
また、この実施の形態の副光導波路86,86に、実施の形態1および実施の形態2で述べたように、低屈折率層および高屈折率層を設けてもよい。図15(B)に、主光導波路84の上面84bに、主光導波路84よりも屈折率の低い低屈折率層98と、主光導波路84よりも屈折率の高い高屈折率層100とをこの順序で積層した場合の断面図を例示する。このようにすることにより、主光導波路84の上面84bから染み出す変換光c(信号光s)の群速度Vgc(Vgs)は、低屈折率層98と高屈折率層100とからなる構造体により減速される。よって、ポンプ光pと変換光c(信号光s)の群速度差を、0とすることができるか、または実用上許容できる範囲で0に近づけることができる。
波長変換素子を模式的に示した図である。 実施の形態1の波長変換素子の斜視図である。 実施の形態1の波長変換素子の動作を示すシミュレーション結果を示す図である。 (A)〜(C)は、実施の形態1の波長変換素子の製造工程を示す工程断面図である。 (A)および(B)は、実施の形態1の波長変換素子の製造工程を示す工程斜視図である。 (A)〜(D)は、実施の形態1の波長変換素子の製造工程を示す、図5(B)のA−A断面に沿った工程断面図である。 (A)および(B)は、実施の形態1の波長変換素子の変形例を示す斜視図である。 (A)および(B)は、実施の形態1の波長変換素子の変形例を示す斜視図である。 実施の形態1の波長変換素子の変形例を示す斜視図である。 実施の形態2の波長変換素子の斜視図である。 実施の形態2の波長変換素子の動作を示すシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態3の波長変換素子の斜視図である。 実施の形態3の波長変換素子の動作を示すシミュレーション結果を示す図である。 (A)は、実施の形態3の波長変換素子の製造工程を示す工程斜視図であり、(B)および(C)は、(A)のB−B断面に沿った工程断面図である。 (A)および(B)は、実施の形態3の波長変換素子の変形例を示す断面図である。
符号の説明
10,20,54,80 波長変換素子
11,82 周期的分極反転構造
12,84 主光導波路
12a 側面
12b,84b 上面
12c 下面
14 領域
16,16a,16b,56,56a,56b,86,96 副光導波路
18,32,98 低屈折率層
20a,54a,80a 入射端面
22,88 複合光導波路
24 基板
24a 第1主面
26 リッジ型光導波路
28 クラッド
30,70 第1層
31 凸条
34,72 第2層
36,100 高屈折率層
40 +Z面
42 露出部
44 被覆部
46,94 レジストパターン
48 周期的Au電極
50 Cr膜
52 スリット
58,58a,58b 第1副光導波路
60,60a,60b 第2副光導波路
66 第1低屈折率層
68 第2低屈折率層
73 第1高屈折率層
74 第3層
76 第4層
77 第2高屈折率層
90 溝
92 光導波路

Claims (18)

  1. 入射したポンプ光および信号光の差周波又は和周波の変換光を出射させる波長変換素子であって、
    周期的分極反転構造を有する主光導波路と、
    該主光導波路に沿って平行に、かつ該主光導波路との間に間隔を空けて、配置された副光導波路と
    を有する複合光導波路を備えることを特徴とする波長変換素子。
  2. 前記複合光導波路を伝播する前記信号光、前記ポンプ光および前記変換光のそれぞれの、前記複合光導波路内における群速度が等しいことを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
  3. 前記信号光および前記変換光の波長が等しいことを特徴とする請求項2に記載の波長変換素子。
  4. 前記副光導波路は、前記主光導波路よりも屈折率が高い高屈折率層で構成されており、
    前記主光導波路と前記高屈折率層との間に、前記主光導波路よりも屈折率の低い低屈折率層が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の波長変換素子。
  5. 前記副光導波路は、それぞれ前記主光導波路よりも屈折率が高く、かつ互いに離間して設けられた複数個の高屈折率層を備え、
    前記主光導波路と該高屈折率層との間、および隣り合った該高屈折率層同士の間に、それぞれ、前記主光導波路よりも屈折率の低い低屈折率層が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の波長変換素子。
  6. 前記複数個の高屈折率層のそれぞれの屈折率は、
    同一であるか、またはそれぞれ異なっていることを特徴とする請求項5に記載の波長変換素子。
  7. 前記高屈折率層を3個以上設ける場合には、少なくとも2個の高屈折率層の屈折率を同一としてあることを特徴とする請求項5に記載の波長変換素子。
  8. 前記低屈折率層が、2個以上存在する場合には、前記低屈折率層のそれぞれの屈折率が、
    同一であるか、またはそれぞれ異なっていることを特徴とする請求項5に記載の波長変換素子。
  9. 低屈折率層を3個以上設ける場合には、少なくとも2個の低屈折率層の屈折率を同一としてあることを特徴とする請求項5に記載の波長変換素子。
  10. 前記主光導波路は、基板上に形成されたリッジ型光導波路であり、前記副光導波路は、前記主光導波路の両側面、上面および下面から選択された面に沿い、かつ該選択された面と離間して延在していることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載の波長変換素子。
  11. 前記副光導波路は、前記主光導波路の前記選択された面の全面を覆っていることを特徴とする請求項10に記載の波長変換素子。
  12. 前記副光導波路は、前記主光導波路の前記選択された面の一部を覆っていることを特徴とする請求項10に記載の波長変換素子。
  13. 前記選択された面を、前記主光導波路の両側面とすることを特徴とする請求項10〜12の何れか1項に記載の波長変換素子。
  14. 前記副光導波路は、前記主光導波路と屈折率が等しい等屈折率層で構成されており、
    前記主光導波路と該等屈折率層との間に溝が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の波長変換素子。
  15. 前記副光導波路は、それぞれが前記主光導波路と屈折率が等しく、かつ互いに離間して設けられた複数個の等屈折率層を備え、
    前記主光導波路と前記等屈折率層との間、および隣り合った該等屈折率層同士の間に、それぞれ溝が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の波長変換素子。
  16. 前記等屈折率層の短手方向に沿った幅が、主光導波路の短手方向に沿った幅よりも、大きいことを特徴とする請求項14または15に記載の波長変換素子。
  17. 前記等屈折率層は、前記周期的分極反転構造を有することを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の波長変換素子。
  18. 前記主光導波路は、基板上に形成されたリッジ型光導波路であり、前記副光導波路は、前記主光導波路の側面の一方または両方に沿って設けられていることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の波長変換素子。
JP2005016882A 2005-01-25 2005-01-25 波長変換素子 Withdrawn JP2006208452A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005016882A JP2006208452A (ja) 2005-01-25 2005-01-25 波長変換素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005016882A JP2006208452A (ja) 2005-01-25 2005-01-25 波長変換素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006208452A true JP2006208452A (ja) 2006-08-10

Family

ID=36965420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005016882A Withdrawn JP2006208452A (ja) 2005-01-25 2005-01-25 波長変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006208452A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015219421A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 日本電信電話株式会社 波長変換素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015219421A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 日本電信電話株式会社 波長変換素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1584975B1 (en) Optical waveguide device, optical waveguide laser using same and optical apparatus having same
JP6631524B2 (ja) 光回路素子及び光回路素子の構成方法
TWI431348B (zh) Light control element and manufacturing method thereof
JP2017129834A (ja) 光導波路素子およびこれを用いた光変調器
JP4993309B2 (ja) 光導波路素子および波長変換素子および高調波レーザ光源装置
JP6412969B2 (ja) 光導波路素子
US9007677B2 (en) Wavelength conversion element and manufacturing method thereof
JP2016045294A (ja) 光半導体装置およびその製造方法
JP2007328257A (ja) 光導波路、光デバイスおよび光導波路の製造方法
JP2006208452A (ja) 波長変換素子
JP5467414B2 (ja) 光機能導波路
JP6364706B2 (ja) 光モジュール
JP7160194B2 (ja) 波長変換素子
JPH05249518A (ja) 波長変換素子
JP2015041041A (ja) 回折格子および光モジュール
JP4849024B2 (ja) 導波路素子及び波長変換素子
JP3999748B2 (ja) 波長変換素子の製造方法
JPH10160951A (ja) 光合分波回路
US7589886B1 (en) Wavelength converter structure and method for preparing the same
JP2006251696A (ja) 波長変換素子
JP4877258B2 (ja) 波長変換素子
Środa et al. Correction of phase errors in multimode interference couplers using rectangular surface relief grating
JP3119965B2 (ja) 光導波路型光素子
WO2024100865A1 (ja) 光導波路素子およびその製造方法
JPH06202175A (ja) 周波数増大光学素子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070308

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080401