JP3119965B2 - 光導波路型光素子 - Google Patents
光導波路型光素子Info
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- optical waveguide
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光スイッチや光変調器
などに使用される光導波路型光素子に係り、特に短波長
光に対する透光性、光損失、温度特性などにおいて安定
した特性を有する光導波路型光素子に関する。
などに使用される光導波路型光素子に係り、特に短波長
光に対する透光性、光損失、温度特性などにおいて安定
した特性を有する光導波路型光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光導波路型光素子として、基板上に任意
形状に分岐した薄膜導波路を形成して、この分岐点付近
に電界を印加し、光導波路に導かれたレーザ光の進行方
向を変更してスイッチ動作を行なう電界型の薄膜光導波
路スイッチがある。この電界薄膜光導波路スイッチは、
LiNbO3を基板としてTi拡散部を光導波路として
使用しているのが一般的である。
形状に分岐した薄膜導波路を形成して、この分岐点付近
に電界を印加し、光導波路に導かれたレーザ光の進行方
向を変更してスイッチ動作を行なう電界型の薄膜光導波
路スイッチがある。この電界薄膜光導波路スイッチは、
LiNbO3を基板としてTi拡散部を光導波路として
使用しているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
LiNbO3を用いた薄膜光導波路スイッチは、近紫外
線領域などの短波長光に対して良好な透光性が得られ
ず、また光損傷の影響を受けやすく、また温度特性の点
で劣る欠点がある。
LiNbO3を用いた薄膜光導波路スイッチは、近紫外
線領域などの短波長光に対して良好な透光性が得られ
ず、また光損傷の影響を受けやすく、また温度特性の点
で劣る欠点がある。
【0004】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、近紫外線領の短波長光に対して良好な透光性が得
られ、光損傷の影響を受けにくく、また良好な温度特性
が得られる窒化アルミニウムを用いた光導波路型光素子
を提供することを目的としている。
あり、近紫外線領の短波長光に対して良好な透光性が得
られ、光損傷の影響を受けにくく、また良好な温度特性
が得られる窒化アルミニウムを用いた光導波路型光素子
を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による光導波路型
光素子は、基板と、この基板上にエピタキシャル窒化ア
ルミニウム(AlN)薄膜により任意形状に形成された
光導波路と、酸窒化アルミニウム(Al−O−N)また
はサイアロン(Si−Al−O−N)から成り前記光導
波路表面に形成されたバッファ層と、前記バッファ層の
表面に形成された電極とを有し、この電極に電圧を印加
したときの前記窒化アルミニウムの電気光学効果により
前記光導波路の屈折率の制御を行うことを特徴とするも
のである。
光素子は、基板と、この基板上にエピタキシャル窒化ア
ルミニウム(AlN)薄膜により任意形状に形成された
光導波路と、酸窒化アルミニウム(Al−O−N)また
はサイアロン(Si−Al−O−N)から成り前記光導
波路表面に形成されたバッファ層と、前記バッファ層の
表面に形成された電極とを有し、この電極に電圧を印加
したときの前記窒化アルミニウムの電気光学効果により
前記光導波路の屈折率の制御を行うことを特徴とするも
のである。
【0006】
【0007】
【作用】本発明の発明者は、プラズマCVD法により生
成されたエピタキシャルな窒化アルミニウム(AlN)
が、LiNbO3に比べて近紫外線領域の波長にまで優
れた透光性を有し、また電気機械結合係数も高く、温度
特性なども良好で、光損失も少ないことに着目し、これ
を光導波路として使用し、さらに電気光学効果を発揮さ
せることにより発明に至った。
成されたエピタキシャルな窒化アルミニウム(AlN)
が、LiNbO3に比べて近紫外線領域の波長にまで優
れた透光性を有し、また電気機械結合係数も高く、温度
特性なども良好で、光損失も少ないことに着目し、これ
を光導波路として使用し、さらに電気光学効果を発揮さ
せることにより発明に至った。
【0008】本発明による光導波路型光素子では、基板
上にエピタキシャル窒化アルミニウム(AlN)薄膜に
より任意形状の光導波路を形成し、この光導波路に電界
を与えて電気光学効果を発揮させ、このときの屈折率の
変化により光導波路を伝播する光のスイッチングや光に
よる信号変調が行われる。エピタキシャルAlNは、光
学バンドギャップが広く近紫外線領域の短波長光に対し
て良好な透光性が得られるため、使用する光源の範囲を
広げることができる。また光損傷の影響を受けにくく、
また温度特性にも優れたものとなる。
上にエピタキシャル窒化アルミニウム(AlN)薄膜に
より任意形状の光導波路を形成し、この光導波路に電界
を与えて電気光学効果を発揮させ、このときの屈折率の
変化により光導波路を伝播する光のスイッチングや光に
よる信号変調が行われる。エピタキシャルAlNは、光
学バンドギャップが広く近紫外線領域の短波長光に対し
て良好な透光性が得られるため、使用する光源の範囲を
広げることができる。また光損傷の影響を受けにくく、
また温度特性にも優れたものとなる。
【0009】また、前記バッファ層としてAl−O−N
またはSi−Al−O−Nを用いることで、例えばプラ
ズマCVD法において、600℃以下の低温で合成で
き、またプラズマCVD法により光導波路となるエピタ
キシャルAlNの合成の後に、連続的にバッファ層を生
成することも可能である。
またはSi−Al−O−Nを用いることで、例えばプラ
ズマCVD法において、600℃以下の低温で合成で
き、またプラズマCVD法により光導波路となるエピタ
キシャルAlNの合成の後に、連続的にバッファ層を生
成することも可能である。
【0010】さらに、上記積層構造の薄膜導波路素子
は、マルチモードの導波路であり、高次モードの変化が
生じやすくS/N比(Signal to Noise ratio)が劣化
し伝送距離を長くとれないという欠点を考慮して、本発
明の発明者はシングルモード化するための研究を行なっ
た。以下、この結果について説明する。以下に示すよう
に、窒化アルミニウム(AlN)を用いた光導波路の特
性方程式を解くことにより、単一モードの導波路となる
導波路厚さを求めることが可能である。
は、マルチモードの導波路であり、高次モードの変化が
生じやすくS/N比(Signal to Noise ratio)が劣化
し伝送距離を長くとれないという欠点を考慮して、本発
明の発明者はシングルモード化するための研究を行なっ
た。以下、この結果について説明する。以下に示すよう
に、窒化アルミニウム(AlN)を用いた光導波路の特
性方程式を解くことにより、単一モードの導波路となる
導波路厚さを求めることが可能である。
【0011】[三層スラブ導波路の特性方程式]図6に
示すような三層スラブ導波路の特性方程式は数1および
数2で表わされる。図6中、符号2は例えばシリコン
(Si),サファイア(α−アルミナ)などからなる基
板、符号3はエピタキシャル窒化アルミニウム(Al
N)による光導波路、符号4はAl−O−NまたはSi
−Al−O−Nにより形成されたバッファ層である。図
6および数1ないし数6において、λは波長,Wは光導
波路3の幅(厚さ),n1は基板2の屈折率,n2は光導
波路3の屈折率,n3はバッファ層4の屈折率,neffは
等価屈折率である。
示すような三層スラブ導波路の特性方程式は数1および
数2で表わされる。図6中、符号2は例えばシリコン
(Si),サファイア(α−アルミナ)などからなる基
板、符号3はエピタキシャル窒化アルミニウム(Al
N)による光導波路、符号4はAl−O−NまたはSi
−Al−O−Nにより形成されたバッファ層である。図
6および数1ないし数6において、λは波長,Wは光導
波路3の幅(厚さ),n1は基板2の屈折率,n2は光導
波路3の屈折率,n3はバッファ層4の屈折率,neffは
等価屈折率である。
【0012】
【数1】
【0013】
【数2】 但し
【0014】
【数3】
【0015】
【数4】
【0016】
【数5】
【0017】
【数6】
【0018】特性方程式を解くことにより、導波路の等
価屈折率を求めることができる。対称三層スラブ導波路
における特性方程式の解(分散特性)を図7に示す。
価屈折率を求めることができる。対称三層スラブ導波路
における特性方程式の解(分散特性)を図7に示す。
【0019】[単一モード条件]ここで、三層スラブ導
波路において単一モードとするには、m≧1のモードが
伝搬しないように導波路の幅を決定すればよい。b=
0、つまりカットオフのときのV値は
波路において単一モードとするには、m≧1のモードが
伝搬しないように導波路の幅を決定すればよい。b=
0、つまりカットオフのときのV値は
【0020】
【数7】
【0021】
【数8】 したがって、単一モードの条件は数9および数10にな
る。
る。
【0022】
【数9】
【0023】
【数10】 ゆえに
【0024】
【数11】
【0025】
【数12】
【0026】下記の表1の導波路幅にすれば単一モード
導波路となる。ここで、λ=1.3μm,n1=1.66
(基板としてのサファイアの屈折率),n2=2.01
(エピタキシャル窒化アルミニウム(AlN)の屈折
率)とし、バッファ層の屈折率n3=1.4〜1.8とし
た場合の単一モード条件の結果を図8に示す。但し、n
3>1.66の時、n1=n3,n3=1.66として計算を
行なった。
導波路となる。ここで、λ=1.3μm,n1=1.66
(基板としてのサファイアの屈折率),n2=2.01
(エピタキシャル窒化アルミニウム(AlN)の屈折
率)とし、バッファ層の屈折率n3=1.4〜1.8とし
た場合の単一モード条件の結果を図8に示す。但し、n
3>1.66の時、n1=n3,n3=1.66として計算を
行なった。
【0027】
【表1】
【0028】この結果から、バッファ層の屈折率n3を
基板の屈折率n1より小さくした方が屈折率の違いによ
る単一モードの条件の変化が少ないことが判った。ま
た、n1=n3のときW=0.574と最少となるので導
波路の幅(厚さ)をこれ以下にすれば、バッファ層の屈
折率n3の変化の影響を受けずに単一モード導波路とな
ることが分かる。
基板の屈折率n1より小さくした方が屈折率の違いによ
る単一モードの条件の変化が少ないことが判った。ま
た、n1=n3のときW=0.574と最少となるので導
波路の幅(厚さ)をこれ以下にすれば、バッファ層の屈
折率n3の変化の影響を受けずに単一モード導波路とな
ることが分かる。
【0029】次に、上記三層スラブ導波路の特性方程式
を使い等価屈折率法により、三層リブ型導波路の単一モ
ード条件を求める。図9(A)に示すリブ型導波路の解
析は、同図(B)および(C)に示すX軸方向のニ次元
導波路と、同図(D)に示すY軸方向のニ次元導波路に
分ける等価屈折率法を用いて近似解析を行うことができ
る。まず、X軸方向のニ次元導波路を解析する。X軸方
向の規格化周波数は、数13および数14により表わさ
れる。
を使い等価屈折率法により、三層リブ型導波路の単一モ
ード条件を求める。図9(A)に示すリブ型導波路の解
析は、同図(B)および(C)に示すX軸方向のニ次元
導波路と、同図(D)に示すY軸方向のニ次元導波路に
分ける等価屈折率法を用いて近似解析を行うことができ
る。まず、X軸方向のニ次元導波路を解析する。X軸方
向の規格化周波数は、数13および数14により表わさ
れる。
【0030】
【数13】
【0031】
【数14】
【0032】X軸方向で基本モードのみを伝搬させるた
めには、Vx1,Vx2が数15,数16により表わされる
範囲になる。
めには、Vx1,Vx2が数15,数16により表わされる
範囲になる。
【0033】
【数15】
【0034】
【数16】 ここで、
【0035】
【数17】 また、この時の等価屈折率は
【0036】
【数18】 ただし、
【0037】
【数19】
【0038】
【数20】 ただし、
【0039】
【数21】 一方、Y軸方向の規格化周波数は、
【0040】
【数22】 Y軸方向は対称二次元導波路であるので、基本モードの
み伝搬するためのVyの範囲は数23により表わさせ
る。
み伝搬するためのVyの範囲は数23により表わさせ
る。
【0041】
【数23】 ここで、数13ないし数22を用いて、数23を書き直
すと数24の様になる。
すと数24の様になる。
【0042】
【数24】 ここでW/T1をAとおいて数24をb2について解くと
【0043】
【数25】 また、
【0044】
【数26】 より
【0045】
【数27】 ここで、数25より
【0046】
【数28】
【0047】上記数15,数28,数25,数27を満
足するように導波路の屈折率n2,幅W,高さt1,t2
を選ぶことにより単一モードリブ型導波路とすることが
できる。λ=1.3μm,n1=1.66,n2=2.01
とした場合のn3の変化による単一モード条件の計算結
果を表2に示す。ここでT1は単一モードにするための
高さの最大値である。同じ条件でT1の最小値の計算結
果を表3に示す。(W/t1)=2とした場合のt1の許
容値の結果を図10に示す。
足するように導波路の屈折率n2,幅W,高さt1,t2
を選ぶことにより単一モードリブ型導波路とすることが
できる。λ=1.3μm,n1=1.66,n2=2.01
とした場合のn3の変化による単一モード条件の計算結
果を表2に示す。ここでT1は単一モードにするための
高さの最大値である。同じ条件でT1の最小値の計算結
果を表3に示す。(W/t1)=2とした場合のt1の許
容値の結果を図10に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】以上のように、バッファ層の屈折率を光導
波路の屈折率に近づけることにより、導波路の高さt1
を高くすることが可能となるが屈折率の変化による単一
モード条件の変化が大きいので、上記クラッド層の屈折
率を安定にすることが重要である。
波路の屈折率に近づけることにより、導波路の高さt1
を高くすることが可能となるが屈折率の変化による単一
モード条件の変化が大きいので、上記クラッド層の屈折
率を安定にすることが重要である。
【0051】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。図1は本発
明の一実施例の光スイッチを示し、(A)は斜視図、
(B)は(A)におけるB−B線断面図、図2は本発明
の他の実施例の光スイッチの変形例を示す断面図、図3
は本発明の他の実施例の光スイッチを示し、(A)は正
面断面図、(B)は平面図、図4は本発明の他の実施例
の光スイッチを示す平面図、図5は本発明の他の実施例
としての光変調器を示すものであり、(A)は平面図、
(B)は導波路での光の波長波形図である。図1に示す
光導波路型光素子1において、符号2は例えばシリコン
(Si),サファイア(α−アルミナ)などからなる基
板である。この基板2上に、光導波路3が適宜形状に形
成されている。
明の一実施例の光スイッチを示し、(A)は斜視図、
(B)は(A)におけるB−B線断面図、図2は本発明
の他の実施例の光スイッチの変形例を示す断面図、図3
は本発明の他の実施例の光スイッチを示し、(A)は正
面断面図、(B)は平面図、図4は本発明の他の実施例
の光スイッチを示す平面図、図5は本発明の他の実施例
としての光変調器を示すものであり、(A)は平面図、
(B)は導波路での光の波長波形図である。図1に示す
光導波路型光素子1において、符号2は例えばシリコン
(Si),サファイア(α−アルミナ)などからなる基
板である。この基板2上に、光導波路3が適宜形状に形
成されている。
【0052】この光導波路3は、前記基板2上にプラズ
マCVD法などによりエピタキシャルな窒化アルミニウ
ム(AlN)薄膜が形成され、この薄膜にフォトレジス
ト法などにより導波路パターンが形成され、薄膜の不要
部分がイオンエッチング法などにより除去されたもので
ある。前記基板2上および光導波路3上には、バッファ
層4が形成されている。このバッファ層4は、プラズマ
CVD法あるいはマグネトロンスパッタ法などによりA
l−O−NまたはSi−Al−O−Nの薄膜を形成した
ものである。このバッファ層4の表面には、前記光導波
路3に電界を与えるための一対の電極5a,5bが形成
されている。
マCVD法などによりエピタキシャルな窒化アルミニウ
ム(AlN)薄膜が形成され、この薄膜にフォトレジス
ト法などにより導波路パターンが形成され、薄膜の不要
部分がイオンエッチング法などにより除去されたもので
ある。前記基板2上および光導波路3上には、バッファ
層4が形成されている。このバッファ層4は、プラズマ
CVD法あるいはマグネトロンスパッタ法などによりA
l−O−NまたはSi−Al−O−Nの薄膜を形成した
ものである。このバッファ層4の表面には、前記光導波
路3に電界を与えるための一対の電極5a,5bが形成
されている。
【0053】図2に示す光導波路型光素子11は、前記
バッファ層4が前記光導波路3および基板2の形状に沿
って凸形状に形成されたものである。そして、3個の電
極5c,5d,5eが、このバッファ層4の上から前記
光導波路3を囲むように形成されている。この光導波路
型光素子1において電極5aと5b間に、光導波路型光
素子11において電極5cと5d間および電極5cと5
e間に直流電界あるいは交流電界を与えると、エピタキ
シャルAlNの光導波路3の電気光学効果により屈折率
が変化する。この屈折率の変化によりスイッチ素子など
として使用できる。上記2つの実施例の光スイッチで
は、以下のような作用効果を得ることができる。
バッファ層4が前記光導波路3および基板2の形状に沿
って凸形状に形成されたものである。そして、3個の電
極5c,5d,5eが、このバッファ層4の上から前記
光導波路3を囲むように形成されている。この光導波路
型光素子1において電極5aと5b間に、光導波路型光
素子11において電極5cと5d間および電極5cと5
e間に直流電界あるいは交流電界を与えると、エピタキ
シャルAlNの光導波路3の電気光学効果により屈折率
が変化する。この屈折率の変化によりスイッチ素子など
として使用できる。上記2つの実施例の光スイッチで
は、以下のような作用効果を得ることができる。
【0054】(1)窒化アルミニウム(AlN)はLi
NbO3よりも光学バンドギャップが広く(6.2ev)
より短い波長まで透光性を有しているので、LiNbO
3よりもスイッチとして使用可能な波長範囲が広くとれ
る。
NbO3よりも光学バンドギャップが広く(6.2ev)
より短い波長まで透光性を有しているので、LiNbO
3よりもスイッチとして使用可能な波長範囲が広くとれ
る。
【0055】(2)AlN導波路3およびAl−O−N
またはSi−Al−O−Nのバッファ層4の合成は、例
えばプラズマCVD法を使用することにより600℃以
下の低温合成条件で成膜することが可能であり、また微
小光学素子として形成することができる。
またはSi−Al−O−Nのバッファ層4の合成は、例
えばプラズマCVD法を使用することにより600℃以
下の低温合成条件で成膜することが可能であり、また微
小光学素子として形成することができる。
【0056】(3)図1および図2に示す形状の光導波
路(リッジ型の導波路)は、従来例(LiNbO3とT
iの導波路構成(うめ込み型))とは異なり、電界のロ
スを低減することができる。そして、図2のように電極
を設置すれば、効率良く電界のロスを低減することがで
きる。
路(リッジ型の導波路)は、従来例(LiNbO3とT
iの導波路構成(うめ込み型))とは異なり、電界のロ
スを低減することができる。そして、図2のように電極
を設置すれば、効率良く電界のロスを低減することがで
きる。
【0057】(4)バッファ層4に用いる絶縁膜は10
0nm程度の厚さで形成できるので、数10Vの絶縁破
壊電圧にでき、電界ロスをさらに低減可能である。
0nm程度の厚さで形成できるので、数10Vの絶縁破
壊電圧にでき、電界ロスをさらに低減可能である。
【0058】(5)Ti拡散光導波路を用いたLiNb
O3の場合、光導波路は、グレーテッド型(光導波路3
とバッファ層4および基板との屈折率変化が、2乗分布
で変わり光を閉じこめるもの)となるため導波光の広が
りを生じ、光導波モードの単一化が困難であった。この
ため、S/Nの劣化、伝送路長の短縮などができなかっ
たが、上記実施例のようにリッジ型とすれば、シングル
モード化が容易であり、バッファ層4と光導波路3との
屈折率差を大きくとれるため光伝搬損失を小さくするこ
とができる。
O3の場合、光導波路は、グレーテッド型(光導波路3
とバッファ層4および基板との屈折率変化が、2乗分布
で変わり光を閉じこめるもの)となるため導波光の広が
りを生じ、光導波モードの単一化が困難であった。この
ため、S/Nの劣化、伝送路長の短縮などができなかっ
たが、上記実施例のようにリッジ型とすれば、シングル
モード化が容易であり、バッファ層4と光導波路3との
屈折率差を大きくとれるため光伝搬損失を小さくするこ
とができる。
【0059】(6)AlN,LiNbO3などの無機材
料における光導波路のスイッチング速度は、光応答に対
して格子振動を伴うことが知られている。したがって、
無機材料の格子間結合が大きいほうが応答速度が速く、
また、格子間結合力は光学バンドギャップ(Eg)に比
例する。本発明に使用したエピタキシャルAlNのEg
は6.2evであり、従来のLiNbO3のEgは4.5
evである。このため、本発明の光導波路スイッチのス
イッチング速度は、従来の光導波路スイッチよりおよそ
40%程度短縮される。
料における光導波路のスイッチング速度は、光応答に対
して格子振動を伴うことが知られている。したがって、
無機材料の格子間結合が大きいほうが応答速度が速く、
また、格子間結合力は光学バンドギャップ(Eg)に比
例する。本発明に使用したエピタキシャルAlNのEg
は6.2evであり、従来のLiNbO3のEgは4.5
evである。このため、本発明の光導波路スイッチのス
イッチング速度は、従来の光導波路スイッチよりおよそ
40%程度短縮される。
【0060】(7)AlNを用いたSAWデバイスの場
合、表面波の伝達速度が温度に依存せず一定値を保つこ
とが知られている。このため、上記実施例の光スイッチ
の場合においては物理的には、SAWデバイスと同様に
温度に対する特性のドリフトがないことが予想される。
合、表面波の伝達速度が温度に依存せず一定値を保つこ
とが知られている。このため、上記実施例の光スイッチ
の場合においては物理的には、SAWデバイスと同様に
温度に対する特性のドリフトがないことが予想される。
【0061】(8)従来のLiNbO3などの酸化物系
材料を用いた光スイッチの場合、連続動作させることに
よって、スイッチデバイスの温度が上昇してしまう。こ
れは、デバイスの熱伝導性の悪さがその一因になってい
る。これに対して、エピタキシャルAlNを使用した上
記実施例は、AlNの熱伝導性やSi−Al−O−Nの
バッファ層4の熱伝導性が高いため、連続動作によるデ
バイスの温度上昇を最小限におさえることができる。こ
のため、LiNbO3を用いた光スイッチと比較して自
己加熱による特性ドリフトを抑えることが可能である。
材料を用いた光スイッチの場合、連続動作させることに
よって、スイッチデバイスの温度が上昇してしまう。こ
れは、デバイスの熱伝導性の悪さがその一因になってい
る。これに対して、エピタキシャルAlNを使用した上
記実施例は、AlNの熱伝導性やSi−Al−O−Nの
バッファ層4の熱伝導性が高いため、連続動作によるデ
バイスの温度上昇を最小限におさえることができる。こ
のため、LiNbO3を用いた光スイッチと比較して自
己加熱による特性ドリフトを抑えることが可能である。
【0062】次に、本発明の他の実施例を図3ないし図
5により説明する。図3は本発明の光導波路型光素子に
よる光スイッチを構成している。この光スイッチは、近
接した光導波路間の結合の増減を利用した方向性結合器
形光スイッチである。この光導波路光スイッチでは、電
界を印加しないとき、光は(イ)から(ロ)へ、また
(ハ)から(ニ)への導波路を導波し、電極5に電圧が
印加されると、平行する導波路部分の屈折率が変化し、
光は(イ)から(ニ)へ、また(ハ)から(ロ)へ導波
し、スイッチング動作が行われる。
5により説明する。図3は本発明の光導波路型光素子に
よる光スイッチを構成している。この光スイッチは、近
接した光導波路間の結合の増減を利用した方向性結合器
形光スイッチである。この光導波路光スイッチでは、電
界を印加しないとき、光は(イ)から(ロ)へ、また
(ハ)から(ニ)への導波路を導波し、電極5に電圧が
印加されると、平行する導波路部分の屈折率が変化し、
光は(イ)から(ニ)へ、また(ハ)から(ロ)へ導波
し、スイッチング動作が行われる。
【0063】図4に示す光導波路型光スイッチは、本発
明による光導波路型光素子により、光導波路内部の反射
を利用した全反射型光スイッチを構成したものである。
電極5−5間に電界が印加されていないときは、光は
(イ)から(ニ)へ、また(ハ)から(ロ)への導波路
を導波し、電極に電圧が与えられると、光は(イ)から
(ロ)へ、また(ハ)から(ニ)へ導波し、スイッチン
グ動作が行われる。
明による光導波路型光素子により、光導波路内部の反射
を利用した全反射型光スイッチを構成したものである。
電極5−5間に電界が印加されていないときは、光は
(イ)から(ニ)へ、また(ハ)から(ロ)への導波路
を導波し、電極に電圧が与えられると、光は(イ)から
(ロ)へ、また(ハ)から(ニ)へ導波し、スイッチン
グ動作が行われる。
【0064】図5(A)は、マッハツェンダー型と呼ば
れる光スイッチまたは変調器を構成したものである。光
は(ホ)から入射し、(ヘ)および(ト)の導波路に分
岐され、再び合成され(チ)から出力される。図5
(B)は、(ヘ)(ト)(チ)の各導波路における光の
波長波形を示している。電極5−5間に電圧が与えられ
ると、導波路(ト)に与えられる電界による電気光学効
果により屈折率が変化し、導波路(ト)を導波する光の
位相がπだけずれる。図5(B)においてLで示す範囲
が、電極5−5間に電圧が与えられた状態である。この
とき(ヘ)と(ト)を導波する光信号の位相がπだけず
れることにより、(チ)の導波路における光強度がゼロ
になる。また電極5−5間に電圧が与えられていないL
以外の範囲では、(へ)と(ト)の導波路での光の位相
が同じであるため、(チ)の導波路では光の強度が強調
されたものとなる。なお、本発明は上記各実施例にて説
明した光導波路型光スイッチに限定されず、あらゆる光
導波路型光素子に適用可能である。
れる光スイッチまたは変調器を構成したものである。光
は(ホ)から入射し、(ヘ)および(ト)の導波路に分
岐され、再び合成され(チ)から出力される。図5
(B)は、(ヘ)(ト)(チ)の各導波路における光の
波長波形を示している。電極5−5間に電圧が与えられ
ると、導波路(ト)に与えられる電界による電気光学効
果により屈折率が変化し、導波路(ト)を導波する光の
位相がπだけずれる。図5(B)においてLで示す範囲
が、電極5−5間に電圧が与えられた状態である。この
とき(ヘ)と(ト)を導波する光信号の位相がπだけず
れることにより、(チ)の導波路における光強度がゼロ
になる。また電極5−5間に電圧が与えられていないL
以外の範囲では、(へ)と(ト)の導波路での光の位相
が同じであるため、(チ)の導波路では光の強度が強調
されたものとなる。なお、本発明は上記各実施例にて説
明した光導波路型光スイッチに限定されず、あらゆる光
導波路型光素子に適用可能である。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、近紫外線
領域の短波長光に対しても良好な透光性が得られ、また
光損傷の影響を受けにくく、さらに良好な温度特性が得
られる光導波路型光素子を提供することができる。
領域の短波長光に対しても良好な透光性が得られ、また
光損傷の影響を受けにくく、さらに良好な温度特性が得
られる光導波路型光素子を提供することができる。
【図1】本発明の一の実施例として光スイッチを示すも
のであり、(A)は斜視図、(B)は(A)におけるB
−B線断面図である。
のであり、(A)は斜視図、(B)は(A)におけるB
−B線断面図である。
【図2】本発明の他の実施例として光スイッチの変形例
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例として光スイッチを示すも
のであり、(A)は正面断面図、(B)は平面図であ
る。
のであり、(A)は正面断面図、(B)は平面図であ
る。
【図4】本発明の他の実施例として光スイッチを示す平
面図である。
面図である。
【図5】本発明の他の実施例としての光変調器を示すも
のであり、(A)は平面図、(B)は導波路での光の波
長波形図である。
のであり、(A)は平面図、(B)は導波路での光の波
長波形図である。
【図6】対称三層スラブ導波路を示す概略断面図であ
る。
る。
【図7】対称三層スラブ導波路の分散特性を示す線図で
ある。
ある。
【図8】対称三層スラブ導波路での単一モードにおける
導波路の幅とバッファ層の屈折率の関係を示す線図であ
る。
導波路の幅とバッファ層の屈折率の関係を示す線図であ
る。
【図9】(A)はリブ型導波路の概略形状を示す斜視
図、(B)および(C)は(A)に示した導波路の解析
をするためのX軸方向のニ次元導波路の概念図、同図
(D)はY軸方向のニ次元導波路の概念図である。
図、(B)および(C)は(A)に示した導波路の解析
をするためのX軸方向のニ次元導波路の概念図、同図
(D)はY軸方向のニ次元導波路の概念図である。
【図10】バッファ層の屈折率と導波層の高さの許容範
囲との関係を示す線図である。
囲との関係を示す線図である。
1 光導波路型光素子 2 基板 3 光導波路 4 バッファ層 5 電極
フロントページの続き (56)参考文献 日本金属学会講演概要 1990年秋期 (第107回)大会 pp.142 染野義博 他 日本金属学会会報 第30巻 第11号 pp.913−922(1991年発行) 染野義 博、平井敏雄 Journal of Applie d Physics,Vol.71,N o.9 pp.4136−4139(1992年発 行)P.Graeupner,J.L. Coutaz,J.C.Pommier and A.Cachard (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/01 - 1/035 G02F 1/29 - 1/313 G02B 6/12 WPI(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) INSPEC(DIALOG)
Claims (1)
- 【請求項1】 基板と、この基板上にエピタキシャル窒
化アルミニウム(AlN)薄膜により任意形状に形成さ
れた光導波路と、酸窒化アルミニウム(Al−O−N)
またはサイアロン(Si−Al−O−N)から成り前記
光導波路表面に形成されたバッファ層と、前記バッファ
層の表面に形成された電極とを有し、この電極に電圧を
印加したときの前記窒化アルミニウムの電気光学効果に
より前記光導波路の屈折率の制御を行うことを特徴とす
る光導波路型光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10366593A JP3119965B2 (ja) | 1993-04-05 | 1993-04-05 | 光導波路型光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10366593A JP3119965B2 (ja) | 1993-04-05 | 1993-04-05 | 光導波路型光素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06289348A JPH06289348A (ja) | 1994-10-18 |
JP3119965B2 true JP3119965B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=14360086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10366593A Expired - Fee Related JP3119965B2 (ja) | 1993-04-05 | 1993-04-05 | 光導波路型光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3119965B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7100309B2 (ja) * | 2017-10-12 | 2022-07-13 | 国立大学法人三重大学 | 窒化物半導体基板、窒化物半導体基板の製造方法、窒化物半導体基板の製造装置及び窒化物半導体デバイス |
WO2022088180A1 (zh) * | 2020-11-02 | 2022-05-05 | 深圳市速腾聚创科技有限公司 | 一种移相器、光相控阵以及光相控阵的制备方法 |
CN114815048B (zh) * | 2022-03-09 | 2023-11-14 | 上海交通大学 | 硅基氮化铝混合波导及其实现方法 |
-
1993
- 1993-04-05 JP JP10366593A patent/JP3119965B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
Journal of Applied Physics,Vol.71,No.9 pp.4136−4139(1992年発行)P.Graeupner,J.L.Coutaz,J.C.Pommier and A.Cachard |
日本金属学会会報 第30巻 第11号 pp.913−922(1991年発行) 染野義博、平井敏雄 |
日本金属学会講演概要 1990年秋期(第107回)大会 pp.142 染野義博他 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06289348A (ja) | 1994-10-18 |
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Legal Events
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