JP2006207545A - 小型遠心ポンプ及び小型遠心ポンプの運転方法 - Google Patents

小型遠心ポンプ及び小型遠心ポンプの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 組立精度を確保することが困難な小型遠心ポンプの揚程及び吐出流量を飛躍的に向上させる。
【解決手段】 羽根車6と、上記羽根車を回転可能に収容するケーシング3と、上記羽根車を回転させる駆動機構4とを備え、上記羽根車の中心部に向けて開口する流体吸入口14から流体を吸入するとともに、上記羽根車の回転によって加圧された加圧流体を上記ケーシングの外周部に設けた吐出口15から吐出するように構成された小型遠心ポンプ1であって、上記羽根車を軸方向移動自在に保持するとともに、回転する羽根車を軸方向に変位させ、上記流体吸入口を設けたケーシング内側面21と上記羽根車との間の隙間22を調整するように構成した。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、小型遠心ポンプに関する。詳しくは、大きさに比べて加工精度や組立精度を確保することの困難な小型遠心ポンプに関する。
遠心ポンプは、羽根車を液中で高速回転して中心部と外周部の間に圧力差を生じさせることにより流体にエネルギを与えるように構成されており、吐出量を大きく設定できるため種々の分野で使用されている。遠心ポンプの効率に影響を及ぼす要素として、羽根車とケーシング内壁の軸方向隙間の大きさが考えられる。この隙間が大きいと、加圧した流体が上記隙間を介して圧力が低い上流側へ逆流する。したがって、上記隙間を小さく設定することにより、揚程及び流量を増加し、ポンプの効率も向上する。
従来の羽根車は回転軸が一体的に延出形成されており、上記回転軸を上記隙間ができるだけ小さくなるように軸方向移動不可能に保持している。上記隙間を小さく設定するには、構成部品の加工精度及び組立精度を高める必要がある。
また、長時間運転すると、軸受等の摩耗によって、設定した上記隙間が大きくなってしまうことが多く、揚程及び流量が低下し、ポンプの効率も低下する。このため、部品交換等のメンテナンスが必要となる。
たとえば、上記隙間をインナーリング等を用いて調整するように構成したものがある。
特開2002−317794号公報
近年、種々の機械が小型化され、ポンプの分野においても従来のポンプに比べて寸法がはるかに小さいマイクロポンプが提供されており、人工心臓や薬液注入用ポンプとして利用されている。
ところが、これらポンプは、従来のポンプに比べて非常に小さく、部品の加工精度や組立精度を向上させるには限界がある。また、上記羽根車とケーシングの間の隙間を調整するための軸受け機構等を設けることは困難である。このため、小型遠心ポンプでは高い揚程を得ることは困難であり、利用範囲も限られていた。特に、上記軸受け機構等によって、羽根車の軸方向回転位置を精度高く設定することは困難であった。
本願発明は、上記課題を解決するために案出されたものであり、上記従来の問題を解決し、小型遠心ポンプの揚程及び吐出流量を飛躍的に向上させるものである。
本願の請求項1に記載した発明は、羽根車と、上記羽根車を回転可能に収容するケーシングと、上記羽根車を回転させる駆動機構とを備え、上記羽根車の中心部に向けて開口する流体吸入口から流体を吸入するとともに、上記羽根車の回転によって加圧された加圧流体を上記ケーシングの外周部に設けた吐出口から吐出するように構成された小型遠心ポンプであって、上記羽根車を軸方向移動自在に保持するとともに、回転する羽根車を軸方向に変位させ、上記流体吸入口を設けたケーシング内側面と上記羽根車との間の隙間を調整するように構成したものである。
小型ポンプにおいては、羽根車を最適な軸方向位置に保持して回転させるのは極めて困難である。特に、流体吸入口を設けたケーシング内面とこれに対向する羽根車の間の隙間が大きくなるほど、揚程等が低下する。本願発明では、羽根車を軸方向移動自在に保持することにより、回転中の上記羽根車を軸方向に可能な限り変位させて、上記ケーシングと羽根車の隙間を小さく調整し、揚程及び吐出量を増加させ、ポンプ効率を向上させることができる。
種々の手法を用いて上記羽根車を軸方向移動自在に保持することができる。たとえば、請求項10に記載した発明のように、上記羽根車の上記流体吸入口と反対側に延出する回転軸を設け、上記回転軸を上記ケーシング又はこれに設けた軸受に、回転可能かつ軸方向移動可能に保持することができる。また、ケーシングに固定軸を設け、この固定軸に上記羽根車を回転可能かつ軸方向移動可能に保持することもできる。
上記駆動機構も特に限定されることはない。たとえば、請求項11に記載した発明のように、上記駆動手段を、一方の端部が上記羽根車又は上記回転軸に対して相対回転不可能かつ軸方向相対移動可能に連結される駆動軸を備えて構成し、上記駆動軸をモータ等で回転駆動するように構成することができる。
また、請求項12に記載した発明のように、上記駆動手段を、上記羽根車とケーシングにそれぞれ設けられ、上記羽根車を磁力によって回転駆動させる磁力駆動機構を備えて構成することができる。
本願発明では、羽根車を軸方向移動自在に保持するとともに上記羽根車に軸方向力を与え、羽根車に作用する複数の力を釣り合わせた状態で回転させる。したがって、上記流体吸入口を設けたケーシング内側面に近接する位置で回転させることにより、吐出流量及び揚程が高まり、ポンプ効率も向上する。
種々の手法で回転する羽根車に軸方向力を作用させ、軸方向に変位させることができる。たとえば、上記軸方向力を外部から作用させることもできるし、ケーシング内を流動する流体を利用することもできる。また、2以上の手法によって、羽根車に軸方向力を作用させ、これら力を釣り合わせて、上記羽根車の軸方向位置を安定させた状態で回転させるように構成するのが望ましい。本願発明では、上記羽根車の軸方向の回転位置を一定の位置に決定するものではなく、羽根車の回転数や加圧する流体等に応じて、最高の出力を発揮しうる位置に釣り合わせて回転させるものである。
請求項2に記載した発明は、上記流体吸入口近傍ないし上記羽根車の中央部分に生じる負圧を上記羽根車に作用させて、上記羽根車を上記流体吸入口側のケーシング内側面に近接させるように構成したものである。
遠心ポンプの場合、羽根車の回転によって流体が半径方向外方へ向けて流動させられるため、上記流体吸入口近傍の流体圧力は、羽根車の外周部に比べて低い。したがって、上記圧力差を利用して、羽根車を上記ケーシング内側面に近接させることができる。
たとえば、請求項3に記載した発明のように、上記羽根車を、上記流体吸入口を設けたケーシング内側面から離間して回転する円板部と、この円板部の上記流体吸入口側において中央部分から半径方向外方に向けて延出するとともに、上記流体吸入口の周囲において上記ケーシング内側面に対向して回転する複数の羽根とを備えて構成し、上記円板部に上記流体吸入口近傍に生じる負圧を作用させて、上記羽根車を上記流体吸入口側に変位させることができる。
本請求項に記載した発明は、上記羽根車に、上記流体吸入口を設けたケーシング内側面から離間して回転する円板部を設け、上記流体吸入口を設けた側のケーシング内側面との間で流体を加圧する。少なくとも上記円板部の中央部は、半径方向外方に流動する流体によって圧力が低下しており、この圧力低下によって上記円板には上記流体吸入口に向かう力が作用する。この力によって上記羽根車をケーシング内側面に近接する方向に変位させることができる。
一方、請求項4に記載した発明のように、上記羽根車の外周部において、加圧された流体圧力を上記羽根車に作用させて、上記羽根車を軸方向に変位させることもできる。
たとえば、請求項5に記載した発明のように、上記羽根車の外周部に、加圧された流体から軸方向力が作用する受圧面を形成し、この受圧面に流体圧力を作用させることにより、上記羽根車を軸方向に変位させることができる。上記羽根車の外周部に流体圧力を作用させる場合には、上記流体吸入口に向かう力を発生させることもできるし、流体吸入口から遠ざかる力を発生させることもできる。
本願の請求項6に記載した発明は、上記羽根車と上記ケーシングに、上記羽根車に軸方向力を作用させる磁力発生手段を設けたものである。
たとえば、羽根車を鉄材等の磁性体で形成するとともに、上記羽根車に対向するケーシング側に電磁石を設けて、上記羽根車を近接させあるいは離間させる方向の磁力を発生させて、上記羽根車を変位させることができる。
本願の請求項7に記載した発明は、対向して相対回転する上記羽根車と上記ケーシング内側面の一方又は双方に、流体くさび作用によって上記羽根車を上記内側面から離間させる方向に作用する力を発生させるくさび作用発生機構を備えて構成したものである。
羽根車とケーシング内面との間の隙間が小さくなると、これら間にくさび作用が生じ、流体に負荷能力が生じる。この負荷能力を利用して、上記羽根車をケーシング内面に接触することなく、可能な限り近接させて回転させることが可能となる。
たとえば、上記ケーシング内側面に対向して回転する羽根の側縁部に、回転方向に傾斜するテーパ面を形成して、上記くさび作用発生機構を構成することができる。
なお、微小流体要素の分野においては流体の粘度の影響が大きく、羽根車がケーシングの内壁に近接すると対向するケーシング内面との間の上記くさび作用によって、流体に軸方向の負荷能力が生じる。この力は、隙間の大きさの2乗に反比例して作用するため羽根車とケーシングが近接するほど大きくなる。また、羽根車とケーシングとの対向する面積を大きくとることができる。このため、これら対向面のくさび作用によって生じる負荷能力を非常に大きく設定することができる。したがって、この力を利用して、羽根車をケーシングと接触することなく可能な限り近接させた位置で回転させることが可能となる。また、上記くさび作用によって生じる荷重負荷圧力がポンプの吐出圧力以上になるように設定すると、上記ケーシングと上記羽根車との間の隙間から、加圧流体が吸入口に逆流するのを阻止することが可能となる。請求項7に記載した発明は、回転速度や流体の特性に応じてくさび作用によって発生する力を調整しようとするものである。さらに、くさび作用による圧力を安定して発生させるとともに、羽根車をケーシングに近接させて回転させるため、対向して回転する羽根車とケーシング内面を加工して、これらの面粗さ及び対向精度を高く設定するのが好ましい。
本願の請求項8に記載した発明は、上記羽根車の軸が上下方向に向かうように設定し、上記羽根車の重量を軸方向に作用させて上記羽根車を変位させるものである。
本願発明では、羽根車を軸方向に移動自在に保持しているため、羽根車の軸を上下方向に設定すると、上記羽根車自体の重量によって下方に移動させられる。本請求項に記載した発明は、上記羽根車の重量を利用するものである。なお、流体吸入口に対する上下の置関係によって、羽根車の自重が作用する方向が異なる。また、軸の傾斜角度によって、作用する軸方向力は変化する。したがって、羽根車の軸の傾斜角度を変更することにより、作用する力を調整することができる。
本願の請求項9に記載した発明は、上記羽根車を上記流体吸入口の下方に位置させ、所定の重量に設定した上記羽根車の重量によって生じる力を、上記流体吸入口近傍において回転円板に作用する力に対抗させるように構成したものである。
上記流体吸入口近傍において作用する負圧が大きい場合、羽根車を安定して回転させるには、ケーシング内側面から離間する方向への力を発生させて釣り合わす必要がある。本願発明は、羽根車の重量を利用して、上記力を発生させるものである。
本願の請求項13に記載した発明は、回転中心に対して半径方向外方に向けて延びる複数の羽根を形成した羽根車と、上記羽根車を回転可能に保持するケーシングと、上記羽根車を回転させる駆動機構とを備える小型遠心ポンプにおける運転方法であって、上記羽根車の回転中心に向けて開口する流体吸入口から流体を吸入させるとともに、上記羽根車を軸方向移動自在に保持し、回転する上記羽根車を軸方向に変位させることにより、上記流体吸入口を設けたケーシングの内面と上記羽根車との間の間隙を調整する小型遠心ポンプの運転方法に関するものである。
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて具体的に説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るポンプ1は、羽根車2と、上記羽根車2を回転可能に収容するケーシング3と、上記羽根車2を回転させる駆動機構4とを備えて構成されている。
上記羽根車は、図1及び図2に示すように、円板部5と、この円板部5の一方の側面に形成された複数の羽根6と、上記円板部5の他方の側面の中心部から延出された回転軸7とを備えて構成されている。上記羽根6は、図2に示すように、上記円板部5の中心部から放射状に延出形成されており、これら羽根6の側縁部8が上記ケーシング3の内側面21と対向して回転するように構成されている。
上記ケーシング3は、二つのケーシング部材9,10から構成されており、これらケーシング部材9,10の間に上記羽根車2を収容する羽根車収容空間11と軸受12を収容する軸受収容空間13とが形成されている。上記羽根車収容空間11の内側面に流体吸入口14と流体吐出口15が形成されている。上記流体吸入口14は、上記羽根車2の中心部において、各羽根6の半径方向内方縁部16と上記円板部5との間に形成された流体吸入空間17に開口するように形成されている。一方、上記羽根車3の外周部には、上記羽根羽根車3によって加圧された流体を上記羽根車3の回転方向へ流動させる環状空間18が設けられており、この環状空間18に上記流体吐出口15が加圧流体の流動方向に向けて形成されている。
上記駆動機構4は、上記ケーシング部材10の外部に設けられたモータ19と、上記ケーシング部材10内に収容された軸受12と、上記モータ19から延出して上記ケーシング部材ないし上記軸受12に延入し、上記羽根車2の上記回転軸7と連結される駆動軸20とを備えて構成されている。上記回転軸7と上記駆動軸20とは、上記軸受12の内部において、相対回転不可能かつ軸方向相対変位可能に連結されている。
図3に示すように、本実施の形態では、上記駆動軸20と上記回転軸7の先端部を互いにかまぼこ形に切り欠いて、切り欠き面7a及び20aを重合わせるようにして嵌合させることにより、これらを上記軸受12内で軸方向に相対変位可能に保持している。なお、図示はしないが、上記回転軸ないし上記駆動軸とケーシングとの間には、液体の漏れを防ぐ封止機構が設けられている。
上記構成のポンプ1において、上記羽根車2を上記モータ17によって回転させると、上記流体吸入口14から流体が上記流体吸入空間17内に吸入されるとともに、上記羽根車2によって加圧され、上記環状空間18を経て吐出口15から吐出される。
本実施の形態では、上記流体吸入口14が開口する上記羽根車の中心部分に、片側が円板部5で塞がれた流体吸入空間17が形成されている。このため、流体吸入空間17に生じる負圧によって、上記円板部5に上記流体吸入口14に向かう力が作用する。この結果、図4に示すように、上記羽根車2と上記流体吸入口14を設けたケーシング内側面21とが近接させられてこれらの間に形成される隙間22を縮小させる。これにより、加圧された流体が上記隙間22を介して逆流するのを防止して、吐出流量及び揚程を高めるとともにポンプの効率を向上させることができる。一方、本実施の形態では、上記羽根車2を上記液体吸入口14の下方に位置するように設定し、羽根車2の重量を下方に作用させて、流体の吸入に伴って生じる上方に向かう力と釣り合わせるように構成している。これにより、上記羽根車2を上記流体吸入口14に近接させた位置で安定して回転させることができる。
なお、上記羽根車2の回転に伴って生じる上方に向かう力が大き過ぎると、上記羽根車2の羽根6の側縁部8と上記液体吸入口14を設けた側のケーシング内側面21とが接触することが考えられるが、本願発明に係るポンプは寸法が非常に小さく、流体の粘性の影響が通常のポンプに比べて大きい。このため、上記羽根車2と上記ケーシング内側面21とが近接し過ぎると、介在する流体のくさび作用によって、上記羽根車2を上記ケーシング内側面21から離間させる力が急激に増大する。また、羽根車の縁部と上記ケーシング内面との対向面の面積も大きい。このため、上記くさび作用によって、羽根車2を上記ケーシング内側面21に接触することなく、安定して回転させることができる。
上記くさび作用は、上記羽根車2がケーシングに近接し過ぎた場合に生じる現象であるが、上記くさび作用による力の大きさを調整して、上記羽根車2を所望の位置で安定して回転させることもできる。図5に、上記くさび作用を積極的に発生させて、上記羽根車2をより安定して回転させるくさび作用発生機構23を示す。
図5に示すくさび作用発生機構23は、上記ケーシング内側面21に対向して回転する羽根6の側縁部に、回転方向に傾斜するテーパ面24を形成したものである。上記テーパ面24の傾斜角度及や長さを変更することにより、くさび作用によって生じる力を調節することができる。上記くさび作用による力は、隙間の大きさのほぼ2乗に反比例して作用するため、羽根車とケーシングが近接するほど大きくなる。したがって、この力を利用して、羽根車とケーシングの接触を防止することができる。一方、上記羽根車と上記ケーシングの対向面を加工して面精度を高く設定し、安定したくさび作用が生じるように構成するのが望ましい。。なお、スラスト軸受の理論から、上記負荷能力は、羽根車とケーシングの対向面積と相対速度に比例して大きくなる。特に、本実施の形態では、羽根車とケーシングとの間でくさび作用を発生させているため、対向面積を大きく設定することができるばかりでなく、羽根車の外周部の高い速度の部分でくさび作用を発生させることもできる。したがって、ケーシング内面から離間する方向に大きな力を発生させ、外部からこれに釣り合う力を作用させることにより羽根車を安定させて回転させることが可能となる。
図6に、磁力を利用して羽根車2を軸方向に移動させる実施の形態を示す。
図6に示す羽根車2は、鉄等の磁性体から形成されている。一方、上記流体吸入口14を設けた上記ケーシング内側面21に、磁力発生装置25が設けられている。上記磁力発生装置25は、既知の電磁石から形成されており、電流を流すことにより磁力が生じ、上記羽根車2を引き付けることができる。また、電磁石に流す電流ないし電圧を制御することにより、上記羽根車2に作用させる力を調節することができる。
図7に、図8に示す構成の小型遠心ポンプにおいて、羽根車と流体吸入口を設けたケーシング内側面との隙間を0.25mmに固定して運転した場合と、同じ条件で羽根車を軸方向移動自在に保持した場合のポンプの特性曲線(流量−揚程)を示す。なお、流体は水であり、羽根車の回転数は12000rpmで実験を行った。なお、羽根車の軸方向位置を固定した場合における上記隙間の値は、同一の構成を備える小型遠心ポンプにおいて、組立可能な最高の精度で行った場合の値である。この図から明らかなように、羽根車を軸方向移動自在に保持することにより、羽根車を上記従来の隙間より小さい隙間で安定して回転させることが可能となり、その結果、同一流量に対する揚程、ないし同一揚程に対する流量を大幅に高めることが可能となった。
図9に、本願発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態は、羽根車2の羽根6の両側に円板部6及び円板部23を設け、上記円板部23をケーシング3の内側面21に対向して回転させるように構成したものである。
対向して回転する面積を大きく設定できるため、安定してくさび作用を発生させ、羽根車2をケーシング内面21に近接させた状態で安定して回転させることができる。なお、対向して回転する上記円板部23と上記ケーシング内面21の対向面精度を高く設定するのが好ましい。
本願発明においては、回転する羽根車を軸方向移動自在に保持し、遠心ポンプの原理的な圧力発生機構や他の手法を利用して、上記羽根車の軸方向位置を流体吸入口を設けたケーシング側面に可能な限り近接させた状態で回転させることができる。この結果、羽根車とケーシングの隙間から流体吸入口に逆流する流れを阻止することが可能となり、吐出流量及び揚程を高め、ポンプの効率を大幅に向上させることができる。
本願発明に係る小型遠心ポンプの構造を示す軸断面図である。 図1に示す小型遠心ポンプの平面図である。 羽根車を軸方向変位可能に保持する機構を示す図である。 羽根車を回転させてポンプを運転している状態を示す軸断面図である。 くさびくさび作用発生機構の例を示す図であり、図2におけるV−V線に沿う断面図である。 磁力発生手段を設けた実施例を示す軸断面図である。 本願発明に係るポンプと羽根車の軸方向位置を固定したポンプにおける特性を比較するための特性曲線を描いた図である。 図7に示すポンプの構成を示す図である。 本願発明の第2の実施の形態を示す軸断面図である。
符号の説明
1 ポンプ
2 羽根車
3 ケーシング
4 駆動機構
14 流体吸入口
15 流体吐出口
21 ケーシング内側面
22 隙間

Claims (13)

  1. 羽根車と、上記羽根車を回転可能に収容するケーシングと、上記羽根車を回転させる駆動機構とを備え、上記羽根車の中心部に向けて開口する流体吸入口から流体を吸入するとともに、上記羽根車の回転によって加圧された加圧流体を上記ケーシングの外周部に設けた吐出口から吐出するように構成された小型遠心ポンプであって、
    上記羽根車を軸方向移動自在に保持するとともに、回転する羽根車を軸方向に変位させ、上記流体吸入口を設けたケーシング内側面と上記羽根車との間の隙間を調整するように構成した、小型遠心ポンプ。
  2. 上記流体吸入口近傍ないし上記羽根車の中央部分に生じる負圧を上記羽根車に作用させて、上記羽根車を上記流体吸入口側のケーシング内側面に近接させる、請求項1に記載の小型遠心ポンプ。
  3. 上記羽根車を、上記流体吸入口を設けたケーシング内側面から離間して回転する円板部と、この円板部の上記流体吸入口側において中央部分から半径方向外方に向けて延出するとともに上記流体吸入口の周囲において上記ケーシング内側面に対向して回転する複数の羽根とを備えて構成し、
    上記円板部に上記流体吸入口近傍に生じる負圧を作用させて、上記羽根車を上記流体吸入口側に変位させる、請求項2に記載の小型遠心ポンプ。
  4. 上記羽根車の外周部において、加圧された流体圧力を上記羽根車に作用させて、上記羽根車を軸方向に変位させる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の小型遠心ポンプ。
  5. 上記羽根車の外周部に、加圧された流体から軸方向力が作用する受圧面を形成し、この受圧面に流体圧力を作用させることにより、上記羽根車を軸方向に変位させる、請求項1から請求項4のいずれかに記載の小型遠心ポンプ。
  6. 上記羽根車と上記ケーシングに、上記羽根車に軸方向力を作用させる磁力発生手段を設け、上記羽根車を軸方向に変位させる、請求項1から請求項5のいずれかに記載の小型遠心ポンプ。
  7. 対向して相対回転する上記羽根車と上記ケーシング内側面の一方又は双方に、流体くさび作用によって上記羽根車を上記内側面から離間させる方向に作用する力を発生させるくさび作用発生機構を備えて構成されている、請求項1から請求項6のいずれかに記載の小型遠心ポンプ。
  8. 上記羽根車の軸が上下方向に向かうように設定し、上記羽根車の重量を軸方向に作用させて上記羽根車を変位させる、請求項1から請求項7のいずれかに記載の小型遠心ポンプ。
  9. 上記羽根車を上記流体吸入口の下方に位置させ、所定の重量に設定した上記羽根車の重量を上記流体吸入口近傍において作用する負圧に対抗させるように構成した、請求項1から請求項8のいずれかに記載の小型遠心ポンプ。
  10. 上記羽根車の上記流体吸入口と反対側に延出する回転軸を設け、上記回転軸を上記ケーシング又はこれに設けた軸受に、回転可能かつ軸方向移動可能に保持した、請求項1から請求項9のいずれかに記載の小型遠心ポンプ。
  11. 上記駆動手段は、一方の端部が上記羽根車又は上記回転軸に対して相対回転不可能かつ軸方向相対移動可能に連結される駆動軸を備える、請求項1から請求項10のいずれかに記載の小型遠心ポンプ。
  12. 上記駆動手段は、上記羽根車とケーシングにそれぞれ設けられ、上記羽根車を磁力によって回転駆動させる磁力駆動機構を備えて構成される、請求項1から請求項11のいずれかに記載の小型遠心ポンプ。
  13. 回転中心に対して半径方向外方に向けて延びる複数の羽根を形成した羽根車と、上記羽根車を回転可能に保持するケーシングと、上記羽根車を回転させる駆動機構とを備える小型遠心ポンプにおける運転方法であって、
    上記羽根車の回転中心に向けて開口する流体吸入口から流体を吸入させるとともに、上記羽根車を軸方向移動自在に保持し、回転する上記羽根車を軸方向に変位させることにより、上記流体吸入口を設けたケーシングの内面と上記羽根車との間の間隙を調整する、小型遠心ポンプの運転方法。
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