JP2006206408A - 粒状シリコンの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 粒状シリコンの製造工程で、溶融ルツボ底部のノズルから吐出されたシリコン融液滴が雰囲気ガスの不純物で汚染されることを極力防止できるようにする。
【解決手段】 高温加熱炉11の下部にガス導入口25を設けると共に、高温加熱炉11の上部にガス排出口26を設ける。そして、粒状シリコンの製造工程中に、ガス導入口25から清浄な雰囲気ガスを高温加熱炉11の下部に導入して、溶融ルツボ13直下の雰囲気ガスをガス排出口26から高温加熱炉11の外部に排出することで、溶融ルツボ13直下の雰囲気ガスを浄化する。この状態で、溶融ルツボ13内で加熱溶融したシリコン融液17を、該溶融ルツボ13底部のノズル15より降下管16内に吐出させることで、該降下管16内で粒状化したシリコン融液滴を落下させ、その落下中に該シリコン融液滴を放熱により冷却することで結晶成長させて粒状シリコンを製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】 高温加熱炉11の下部にガス導入口25を設けると共に、高温加熱炉11の上部にガス排出口26を設ける。そして、粒状シリコンの製造工程中に、ガス導入口25から清浄な雰囲気ガスを高温加熱炉11の下部に導入して、溶融ルツボ13直下の雰囲気ガスをガス排出口26から高温加熱炉11の外部に排出することで、溶融ルツボ13直下の雰囲気ガスを浄化する。この状態で、溶融ルツボ13内で加熱溶融したシリコン融液17を、該溶融ルツボ13底部のノズル15より降下管16内に吐出させることで、該降下管16内で粒状化したシリコン融液滴を落下させ、その落下中に該シリコン融液滴を放熱により冷却することで結晶成長させて粒状シリコンを製造する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、粒状化したシリコン融液滴を降下管内で落下させ、その落下中に該シリコン融液滴を放熱により冷却することで結晶成長させて粒状シリコンを製造する粒状シリコンの製造方法及び製造装置に関する発明である。
近年、高効率発電が可能な太陽電池素子等として用いる粒状シリコンの新たな量産技術の開発が期待されている。従来の粒状シリコンの製造装置は、例えば特許文献1(特開2004−881号公報)に記載されているように、高温加熱炉内に溶融ルツボを設置すると共に、前記高温加熱炉の下部に降下管を鉛直下向きに連結して、前記高温加熱炉内の溶融ルツボ直下の空間を前記降下管に連通させ、前記溶融ルツボ内に収容したシリコン原料を加熱して溶融してシリコン融液を作り、該シリコン融液を、前記溶融ルツボの底部に設られたノズルより前記降下管内に吐出させることで、該降下管内で粒状化したシリコン融液滴を落下させ、その落下中に該シリコン融液滴を放熱により冷却することで結晶成長させて粒状シリコンを製造するようにしたものがある。このものでは、溶融ルツボ底部のノズルから吐出されたシリコン融液滴が落下中に酸化又は汚染されるのを防止するために、予め、高温加熱炉の炉心部や降下管内を真空引きして雰囲気ガスとしてアルゴン又はヘリウムの不活性ガスを充填して密閉した状態で、シリコン融液滴を落下させて粒状シリコンを製造するようにしている。
特開2004−881号公報
上述したように、特許文献1の粒状シリコンの製造装置は、溶融ルツボ底部のノズルから吐出されたシリコン融液滴の酸化・汚染防止対策として、高温加熱炉の炉心部や降下管内に雰囲気ガスとしてアルゴン又はヘリウムの不活性ガスを充填して密閉した状態で粒状シリコンを製造するようにしているが、この粒状シリコンの製造工程中に、高温加熱炉の炉心内周壁や溶融ルツボの外表面に付着していた不純物が高温加熱炉の熱で蒸発して、溶融ルツボ直下の雰囲気ガスが不純物で汚染されてしまうことは避けられない。
粒状シリコンの製造工程中は、高温加熱炉の炉心部や降下管内が密閉された状態に維持されるため、溶融ルツボ直下の加熱された雰囲気ガスは、対流することなく、溶融ルツボの直下にとどまることになる。このため、粒状シリコンの製造工程中に、高温加熱炉の熱で蒸発した不純物によって溶融ルツボ直下の雰囲気ガスの不純物濃度が高濃度になり、それによって、溶融ルツボ底部のノズルから吐出されたシリコン融液滴が雰囲気ガスの不純物で汚染されて、製造する粒状シリコンの品質が不純物によって低下するという問題が発生していた。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、溶融ルツボ底部のノズルから吐出されたシリコン融液滴が雰囲気ガスの不純物で汚染されることを極力防止することができて、不純物の少ない高品質の粒状シリコンを製造することができる粒状シリコンの製造方法及び製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、高温加熱炉の下部又はその直下の降下管にガス導入口を設けると共に、前記高温加熱炉のうちの溶融ルツボ底部のノズルよりも高い位置にガス排出口を設け、粒状シリコンの製造工程中に、前記ガス導入口から清浄な雰囲気ガスを高温加熱炉の下部又は降下管内に導入して、溶融ルツボ直下の雰囲気ガスをガス排出口から高温加熱炉の外部に排出することで、溶融ルツボ直下の雰囲気ガスを浄化するようにしたものである。このようにすれば、粒状シリコンの製造工程中に、高温加熱炉の熱で蒸発した不純物が溶融ルツボ直下の雰囲気ガスに混入しても、これを直ちに清浄な雰囲気ガスと絶えず入れ替えることができる。これにより、粒状シリコンの製造工程中に、溶融ルツボ直下の雰囲気ガスの不純物濃度が高くなることを防止することができ、溶融ルツボ底部のノズルから吐出されたシリコン融液滴が雰囲気ガスの不純物で汚染されることを極力防止することができて、不純物の少ない高品質の粒状シリコンを製造することができる。
この場合、高温加熱炉の炉心内周壁とその内側に配置した溶融ルツボとの間に、該溶融ルツボ直下の雰囲気ガスを上方へ流す隙間を作り、この隙間の上部に前記ガス排出口を連通させるように設けるようにすると良い。このようにすれば、粒状シリコンの製造工程中に、高温加熱炉の熱で炉心内周壁や溶融ルツボの外表面から蒸発した不純物を速やかに排出することができる。
また、導入する雰囲気ガスは、不活性ガスを用いると良い。これにより、溶融ルツボ底部のノズルから吐出された高温のシリコン融液滴が雰囲気ガスと反応することを避けることができる。
また、ガス導入口から導入する雰囲気ガス導入流量とガス排出口から排出する雰囲気ガス排出流量を調整することで、降下管内の雰囲気ガスの圧力を調整するようにしても良い。降下管内の雰囲気ガスの圧力(ガス密度)が低くなるほど、雰囲気ガスの熱伝達率が小さくなるため、降下管内の雰囲気ガスの圧力を調整することで、シリコン融液滴の落下中の放熱による冷却速度を調整して結晶成長速度を適正化することができる。
これを実現する構成としては、例えば、ガス導入口を、ガス導入流量調整弁を介して雰囲気ガス供給源に接続し、ガス排出口を、ガス排出流量調整弁を介してガス吸引装置に接続し、ガス導入口からの雰囲気ガス導入流量をガス導入流量調整弁で調整し、且つ、ガス排出口からの雰囲気ガス排出流量をガス排出流量調整弁で調整することで、降下管内の雰囲気ガスの圧力を調整するようにしても良い。このようにすれば、2つの流量調整弁の開度調整によって降下管内の雰囲気ガスの圧力を簡単に調整することができると共に、降下管内の雰囲気ガスの圧力を負圧に調整することも可能となる。
また、本発明は、ガス排出口を逆止弁を介して外気に連通し、ガス導入口から導入する雰囲気ガス導入流量をガス導入流量調整弁で調整することで、ガス排出口から前記逆止弁を通して排出する雰囲気ガス排出流量を調整するようにしても良い。この構成では、降下管内の雰囲気ガスの圧力が外気圧(大気圧)と同一又はそれよりも僅かに高くなるが、ガス排出口側に逆止弁のみを設けるだけの簡単な構成であるため、製造装置の低コスト化の要求を満たすことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した2つの実施例1,2を説明する。
本発明の実施例1を図1及び図2に基づいて説明する。
まず、粒状シリコン製造装置の構成を説明する。
高温加熱炉11の炉心部には、黒鉛等で円筒状に形成された炉心管12が鉛直方向に設けられ、この炉心管12の外周囲に、例えば抵抗加熱ヒータ、高周波誘導加熱コイル等のヒータ14が設けられている。炉心管12内には、その上方から円筒容器状の溶融ルツボ13が挿入され、該溶融ルツボ13の底部が炉心管12の中央部付近に位置した状態で固定されている。この溶融ルツボ13は、その内部で溶融したシリコン融液17に不純物が混入するのを防ぐために高純度の石英で形成され、この溶融ルツボ13と炉心管12の内周面(炉心内周壁)との間に円筒状の隙間が形成されている。そして、溶融ルツボ13の底部には、シリコン融液17を線状に連続的に吐出するためのノズル15が下向きに設けられている。例えば、直径約1mmの粒状シリコンを作製する場合は、ノズル15の直径は0.3〜0.5mmに設定すると良い。
まず、粒状シリコン製造装置の構成を説明する。
高温加熱炉11の炉心部には、黒鉛等で円筒状に形成された炉心管12が鉛直方向に設けられ、この炉心管12の外周囲に、例えば抵抗加熱ヒータ、高周波誘導加熱コイル等のヒータ14が設けられている。炉心管12内には、その上方から円筒容器状の溶融ルツボ13が挿入され、該溶融ルツボ13の底部が炉心管12の中央部付近に位置した状態で固定されている。この溶融ルツボ13は、その内部で溶融したシリコン融液17に不純物が混入するのを防ぐために高純度の石英で形成され、この溶融ルツボ13と炉心管12の内周面(炉心内周壁)との間に円筒状の隙間が形成されている。そして、溶融ルツボ13の底部には、シリコン融液17を線状に連続的に吐出するためのノズル15が下向きに設けられている。例えば、直径約1mmの粒状シリコンを作製する場合は、ノズル15の直径は0.3〜0.5mmに設定すると良い。
高温加熱炉11の下部には、降下管16が鉛直下向きに連結されている。この降下管16内には、雰囲気ガスとしてアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが充填されている。この場合、アルゴンとヘリウムでは、熱伝達係数が相違するので、落下中のシリコン融液滴の放熱による冷却速度に違いが生じる。従って、降下管16内の雰囲気ガスとしてアルゴンとヘリウムを使い分けたり、両者の混合割合を調整することにより、シリコン融液滴の冷却速度を調整することができる。
尚、降下管16の下端には、落下してくる粒状シリコンを回収する回収容器18(図2参照)が設けられ、この回収容器18内にも降下管16と同じ雰囲気ガスが充填されている。この回収容器18内には、粒状シリコンを冷却するための冷却油(シリコンオイル、焼き入れ油等)を貯溜するようにしても良いが、冷却油を貯溜しなくても良い。
次に、雰囲気ガスの導入・排出システムの構成を図2を用いて説明する。
高温加熱炉11の下部(又は降下管16の上部)には、高温加熱炉11の炉心管12内及び降下管16内を真空引きするための主排気口21が設けられ、この主排気口21に接続された主排気管22には、主排気弁23を介して真空ポンプ24が接続されている。また、高温加熱炉11の下部(又は降下管16)には、雰囲気ガスを導入するガス導入口25が設けられ、高温加熱炉11のうちのノズル15よりも高い位置(本実施例1では高温加熱炉11の上部)にガス排出口26が設けられている。
高温加熱炉11の下部(又は降下管16の上部)には、高温加熱炉11の炉心管12内及び降下管16内を真空引きするための主排気口21が設けられ、この主排気口21に接続された主排気管22には、主排気弁23を介して真空ポンプ24が接続されている。また、高温加熱炉11の下部(又は降下管16)には、雰囲気ガスを導入するガス導入口25が設けられ、高温加熱炉11のうちのノズル15よりも高い位置(本実施例1では高温加熱炉11の上部)にガス排出口26が設けられている。
雰囲気ガス供給源であるガスボンベ27からレギュレータR1→ガス導入流量調整弁29→電磁バルブV6→ガス導入口25の経路で、雰囲気ガスが高温加熱炉11内及び降下管16内に導入される。この場合、溶融ルツボ13底部のノズル15から吐出された高温のシリコン融液滴が雰囲気ガスと反応することを避けるために、雰囲気ガスとして、アルゴン又はヘリウム等の不活性ガスが用いられている。
また、ガス導入流量調整弁29と電磁バルブV6との直列回路には、電磁バルブV5が並列に設けられ、ガス導入口25の近傍には、降下管16内の雰囲気ガスの圧力を計測する圧力計32が設けられている。
一方、ガス排出口26は、逆止弁33を介して外気(大気)に連通されている。この構成では、降下管16内の雰囲気ガスの圧力が外気圧(大気圧)よりも高くなると、その圧力差に応じて高温加熱炉11の炉心管12内の雰囲気ガスがガス排出口26から逆止弁33を通して排出される。従って、ガス導入口25から導入する雰囲気ガス導入流量をガス導入流量調整弁29で調整すれば、ガス排出口26から逆止弁33を通して排出する雰囲気ガス排出流量を調整することができる。
本実施例1では、ガスボンベ27から吐出する雰囲気ガスの一部を、レギュレータR1→レギュレータR2→電磁バルブV1→電磁バルブV2の経路で、溶融ルツボ13内に導入するようになっている。
また、溶融ルツボ13内は、電磁バルブV3を介して圧力容器39に接続され、この圧力容器39には、その内圧を計測する圧力計40が設けられている。更に、2つの電磁バルブV1,V2の間が電磁バルブV4を介してガス導入口25側に接続され、降下管16内を真空ポンプ24により減圧・真空引きする際に、電磁バルブV1,V5,V6を閉鎖して他の電磁バルブV2,V3,V4と主排気弁23を開放すると、真空ポンプ24によって溶融ルツボ13内と圧力容器39内を同時に減圧・真空引きできるようになっている。
次に、上記構成の粒状シリコン製造装置を用いて粒状シリコンを製造する方法を説明する。まず、準備作業として、電磁バルブV1,V5,V6を閉鎖して他の電磁バルブV2,V3,V4と主排気弁23を開放した状態で、真空ポンプ24を作動させることで、高温加熱炉11内と降下管16内を真空引きすると同時に、シリコン原料が収容された溶融ルツボ13内と圧力容器39内を真空引きする。そして、これらを十分に真空引きした時点で、主排気弁23を閉鎖して真空ポンプ24による真空引きを停止した後、電磁バルブV1,V5を開放してガスボンベ27から吐出される雰囲気ガスを高温加熱炉11内と降下管16内に充填すると同時に、溶融ルツボ13内と圧力容器39内にも雰囲気ガスを充填する。このとき、電磁バルブV6を開放しても良い。
これにより、各部の雰囲気ガスの充填圧力が圧力容器39の目標圧力P1よりもある程度高く設定された充填終了圧力P2まで上昇したことが圧力計32,40により検出された時点で、電磁バルブV1,V5,V6を閉鎖して、他の電磁バルブV2,V3,V4と主排気弁23を開放した状態で、真空ポンプ24を作動させることで、高温加熱炉11内と降下管16内を減圧すると同時に溶融ルツボ13内と圧力容器39内を減圧する。これにより、圧力容器39内の圧力が目標圧力P1(=シリコン融液吐出時の降下管16内の目標圧力P3+差圧ΔP±補正値α)まで減圧されたことが圧力計40により検出された時点で、圧力容器39側の電磁バルブV3を閉鎖して圧力容器39内の圧力を目標圧力P1に保持する。この後も、引き続き真空ポンプ24を作動させて高温加熱炉11内と降下管16内を減圧する。この場合、シリコン融液吐出時の降下管16内の目標圧力P3は外気圧(大気圧)又はそれよりも僅かに高い圧力に設定され、差圧ΔPは、溶融ルツボ13内のシリコン融液17をノズル15から押し出すための溶融ルツボ13内外の目標差圧に設定され、補正値αは、圧力容器39の内容積、溶融ルツボ13の内容積及び管路の内容積に応じて設定される。
その後、降下管16内の圧力がシリコン融液吐出時の目標圧力P3まで減圧されたことが圧力計32により検出された時点で、電磁バルブV2,V4と主排気弁23を閉鎖して、真空ポンプ2による降下管16内の減圧を終了し、降下管16内の圧力をシリコン融液吐出時の目標圧力P3に保持する。この後、高温加熱炉11のヒータ14を発熱させて溶融ルツボ13内のシリコン原料を加熱溶融してシリコン融液17を作る。
これにより、溶融ルツボ13内のシリコン融液17の温度が融点より十分高くなった時点で、圧力容器39側の電磁バルブV3を開放して圧力容器39内の雰囲気ガスを溶融ルツボ13内に導入して、溶融ルツボ13内の圧力を目標圧力P1(=シリコン融液吐出時の降下管16内の目標圧力P3+差圧ΔP)まで上昇させて、溶融ルツボ13内の圧力を降下管16内の圧力P3よりも差圧ΔP分だけ高くする。これにより、溶融ルツボ13内のシリコン融液17を差圧ΔPによって溶融ルツボ13の底部のノズル15から線状に連続的に流れるように吐出させる。
このようにして、ノズル15から吐出した線状のシリコン融液17は、降下管16内を自由落下するが、その際に、重力加速度によって径が細くなり、最終的には、シリコン融液17の表面張力と重力加速度とによって生じるシリコン融液17の揺らぎによって細断されて粒状化され、小径のシリコン融液滴となって降下管16内を自由落下する。このシリコン融液滴が落下しながら放熱することで、シリコン結晶が成長して粒状シリコンが作られ、回収容器18内に回収される。
この粒状シリコンの製造工程中は、電磁バルブV1,V2,V4,V5と主排気弁23を閉鎖して、電磁バルブV3,V6を開放した状態に維持し、圧力容器39側の電磁バルブV3の開放により、溶融ルツボ13内の圧力を目標圧力P1(=シリコン融液吐出時の降下管16内の目標圧力P3+差圧ΔP)に維持しながら、ガス導入口25側の電磁バルブV6の開放により、ガスボンベ27からガス導入流量調整弁29で流量調整された雰囲気ガスをガス導入口25から高温加熱炉11の下部に導入する。この雰囲気ガスの導入により、高温加熱炉11の下部の雰囲気ガスが溶融ルツボ13と炉心管12の内周面(炉心内周壁)との間に形成された円筒状の隙間を上方に押し上げられて、ガス排出口26から逆止弁33を通して排出される。これにより、溶融ルツボ13直下の雰囲気ガスが、ガス導入口25から導入された清浄な雰囲気ガスと絶えず入れ替えられる。
このため、粒状シリコンの製造工程中に、高温加熱炉11の炉心管12の内周面や溶融ルツボ13の外表面に付着していた不純物がヒータ14の熱で蒸発して、溶融ルツボ13直下の雰囲気ガスに不純物が混入しても、これをガス導入口25から導入した清浄な雰囲気ガスと絶えず入れ替えることができる。これにより、粒状シリコンの製造工程中に、溶融ルツボ13直下の雰囲気ガスの不純物濃度が高くなることを防止することができ、溶融ルツボ13底部のノズル15から吐出されたシリコン融液滴が雰囲気ガスの不純物で汚染されることを極力防止することができて、不純物の少ない高品質の粒状シリコンを製造することができる。
しかも、本実施例1では、ガス排出口26を逆止弁33を介して外気(大気)に連通し、ガス導入口25から導入する雰囲気ガス導入流量をガス導入流量調整弁29で調整することで、ガス排出口26から逆止弁33を通して排出する雰囲気ガス排出流量を調整するように構成したので、ガス導入流量調整弁29の開度調整により溶融ルツボ13直下の雰囲気ガスの不純物濃度に応じて雰囲気ガス排出流量を適正な流量に調整できると共に、ガス排出口26に逆止弁33のみを設けるだけの簡単な構成で本発明を実現することができ、製造装置の低コスト化の要求も満たすことができる。
この場合、雰囲気ガス排出流量(ガス導入流量調整弁29の開度)は、粒状シリコンの製造工程中に一定に維持しても良いし、溶融ルツボ13直下の雰囲気ガスの不純物濃度の推定値やヒータ14の加熱時間等に応じて雰囲気ガス排出流量(ガス導入流量調整弁29の開度)を変化させるようにしても良い。
上記実施例1では、ガス排出口26を逆止弁33を介して外気(大気)に連通させるようにしたが、図3に示す本発明の実施例2では、ガス排出口26を電磁バルブV7→ガス排出流量調整弁41→電磁バルブV8の経路で真空ポンプ42(ガス吸引装置)に接続し、ガス排出口26からの雰囲気ガス排出流量をガス排出流量調整弁41で調整できるようにしている。
更に、本実施例2では、圧力容器39内の圧力を電磁バルブV9を介して2つの流量調整弁43,44で調整できるようにしている。この場合、一方の流量調整弁43は、レギュレータR1を介してガスボンベ27に接続され、他方の流量調整弁44は、真空ポンプ42に接続されている。
例えば、粒状シリコンの製造工程中に圧力容器39内の圧力が目標圧力よりも低下したときには、真空ポンプ42側の流量調整弁44を閉鎖して電磁バルブV9を開放し、ガスボンベ27から雰囲気ガスを流量調整弁43で流量調整しながら圧力容器39内に流入させる。これにより、圧力容器39内の圧力が目標圧力まで上昇したことが圧力計40により検出された時点で、電磁バルブV9を閉鎖する。また、圧力容器39内の圧力が目標圧力を越えて高くなり過ぎた場合は、ガスボンベ27側の流量調整弁43を閉鎖して電磁バルブV9を開放し、真空ポンプ42によって圧力容器39内の雰囲気ガスを流量調整弁44で流量調整しながら吸引する。これにより、圧力容器39内の圧力が目標圧力P1まで低下したことが圧力計40により検出された時点で、電磁バルブV9を閉鎖して、真空ポンプ42を停止させる。その他の構成は、前記実施例1と同じである。
以上説明した本実施例2では、粒状シリコンの製造工程中に、ガス導入流量調整弁29によってガス導入口25から導入する雰囲気ガス導入流量を調整しながら、真空ポンプ42によってガス排出口26から排出する雰囲気ガス排出流量をガス排出流量調整弁41によって調整する。これにより、降下管16内の圧力を目標圧力に制御しながら、ガス排出口26から排出する雰囲気ガス排出流量を調整することが可能となる。この構成では、2つの流量調整弁29,41の開度調整によって降下管16内の雰囲気ガスの圧力を簡単に調整することができると共に、降下管16内の雰囲気ガスの圧力を負圧に調整することも可能となる。この場合、降下管16内の雰囲気ガスの圧力(ガス密度)が低くなるほど、降下管16内を落下するシリコン融液滴の放熱性が低下するため、2つの流量調整弁29,41の開度調整によって降下管16内の雰囲気ガスの圧力(ガス密度)を調整することにより、シリコン融液滴の冷却速度を調整して結晶成長速度を適正化することも可能である。
尚、本実施例2において、圧力容器39と電磁バルブV9を省略し、圧力計40で溶融ルツボ13内の圧力を検出する構成としても良い。この場合は、粒状シリコンの製造工程中に、圧力計40で溶融ルツボ13内の圧力を検出しながら、上述した実施例2と同様の圧力調整を行えば良い。
上記実施例1,2では、ガス導入口25を高温加熱炉11の下部に設けたが、ガス導入口25を降下管16に設けても良い(降下管16のどの位置に設けても良いが、降下管16の上部が好ましい)。
また、ガス排出口26の位置も高温加熱炉11の上部に限定されず、要は、溶融ルツボ13直下の汚染された雰囲気ガスを排出できるように、高温加熱炉11のうちのノズル15よりも高い位置にガス排出口26を設ければ良い。
11…高温加熱炉、12…炉心管、13…溶融ルツボ、14…ヒータ、15…ノズル、16…降下管、17…シリコン融液、21…主排気口、23…主排気弁、24…真空ポンプ、25…ガス導入口、26…ガス排出口、27…ガスボンベ(雰囲気ガス供給源)、29…ガス導入流量調整弁、32…圧力計、33…逆止弁、39…圧力容器、40…圧力計、41…ガス排出流量調整弁、42…真空ポンプ(ガス吸引装置)、43,44…流量調整弁、V1〜V9…電磁バルブ、R1,R2…レギュレータ
Claims (7)
- 高温加熱炉内に溶融ルツボを設置すると共に、前記高温加熱炉の下部に降下管を鉛直下向きに連結して、前記高温加熱炉内の前記溶融ルツボ直下の空間を前記降下管に連通させ、前記溶融ルツボ内に収容したシリコン原料を加熱して溶融してシリコン融液を作り、該シリコン融液を、前記溶融ルツボの底部に設られたノズルより前記降下管内に吐出させることで、該降下管内で粒状化したシリコン融液滴を落下させ、その落下中に該シリコン融液滴を放熱により冷却することで結晶成長させて粒状シリコンを製造する粒状シリコンの製造方法において、
前記高温加熱炉の下部又は前記降下管にガス導入口を設けると共に、前記高温加熱炉のうちの前記ノズルよりも高い位置にガス排出口を設け、前記粒状シリコンの製造工程中に、前記ガス導入口から清浄な雰囲気ガスを前記高温加熱炉の下部又は前記降下管内に導入して、前記溶融ルツボ直下の雰囲気ガスを前記ガス排出口から前記高温加熱炉の外部に排出することで、前記溶融ルツボ直下の雰囲気ガスを浄化することを特徴とする粒状シリコンの製造方法。 - 前記高温加熱炉の炉心内周壁とその内側に配置した前記溶融ルツボとの間に、該溶融ルツボ直下の雰囲気ガスを上方へ流す隙間を作り、この隙間の上部に前記ガス排出口を連通させるように設けたことを特徴とする請求項1に記載の粒状シリコンの製造方法。
- 前記雰囲気ガスは、不活性ガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒状シリコンの製造方法。
- 前記ガス導入口から導入する雰囲気ガス導入流量と前記ガス排出口から排出する雰囲気ガス排出流量を調整することで、前記降下管内の雰囲気ガスの圧力を調整することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粒状シリコンの製造方法。
- 高温加熱炉内に溶融ルツボを設置すると共に、前記高温加熱炉の下部に降下管を鉛直下向きに連結して、前記高温加熱炉内の前記溶融ルツボ直下の空間を前記降下管に連通させ、前記溶融ルツボ内に収容したシリコン原料を加熱して溶融してシリコン融液を作り、該シリコン融液を、前記溶融ルツボの底部に設られたノズルより前記降下管内に吐出させることで、該降下管内で粒状化したシリコン融液滴を落下させ、その落下中に該シリコン融液滴を放熱により冷却することで結晶成長させて粒状シリコンを製造する粒状シリコンの製造装置において、
前記高温加熱炉の下部又は前記降下管に設けられたガス導入口と、
前記ガス導入口から清浄な雰囲気ガスを前記高温加熱炉の下部又は前記降下管内に導入する雰囲気ガス供給源と、
前記高温加熱炉のうちの前記ノズルよりも高い位置に前記溶融ルツボ直下の雰囲気ガスを排出するように設けられたガス排出口と
を備えていることを特徴とする粒状シリコンの製造装置。 - 前記ガス導入口は、ガス導入流量調整弁を介して前記雰囲気ガス供給源に接続され、
前記ガス排出口は、逆止弁を介して外気に連通し、
前記ガス導入口から導入する雰囲気ガス導入流量を前記ガス導入流量調整弁で調整することで、前記ガス排出口から前記逆止弁を通して排出する雰囲気ガス排出流量を調整するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の粒状シリコンの製造装置。 - 前記ガス導入口は、ガス導入流量調整弁を介して前記雰囲気ガス供給源に接続され、
前記ガス排出口は、ガス排出流量調整弁を介してガス吸引装置に接続され、
前記ガス導入口からの雰囲気ガス導入流量を前記ガス導入流量調整弁で調整し、且つ、前記ガス排出口からの雰囲気ガス排出流量を前記ガス排出流量調整弁で調整することで、前記降下管内の雰囲気ガスの圧力を調整するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の粒状シリコンの製造装置。
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- 2005-01-31 JP JP2005023066A patent/JP2006206408A/ja active Pending
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