JP2006206373A - シリコン単結晶の製造装置およびそれを用いたシリコン単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、チョクラスキー法によるシリコン単結晶の引上げで、回転しているシリコン単結晶が偏芯運動を起こした場合、或いは地震その他の突発的な要因で装置全体が振動した場合などに、単結晶がその周囲に設けた衝撃吸収部材に接触して偏芯運動や震度による衝撃を吸収するようにして、単結晶がその外周に配置されている輻射チューブに接触するのを回避するようにしたものである。
【解決手段】シリコン融液に接触させた種結晶を引上げてシリコン単結晶を成長させるチョクラスキー法によりシリコン単結晶を製造する装置であって、引上げたシリコン単結晶25の周囲に配置される輻射チューブ20と、該輻射チューブ20の内側に引上げたシリコン単結晶25に近接して、シリコン単結晶25の偏芯運動による衝撃を吸収する衝撃吸収リング21を輻射チューブ20との間のスプリング22を介して設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】シリコン融液に接触させた種結晶を引上げてシリコン単結晶を成長させるチョクラスキー法によりシリコン単結晶を製造する装置であって、引上げたシリコン単結晶25の周囲に配置される輻射チューブ20と、該輻射チューブ20の内側に引上げたシリコン単結晶25に近接して、シリコン単結晶25の偏芯運動による衝撃を吸収する衝撃吸収リング21を輻射チューブ20との間のスプリング22を介して設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
この発明は、チョクラスキー法によるシリコン単結晶の製造装置およびその装置を用いたシリコン単結晶の製造方法に関する。
一般的に、シリコンウェーハの製造に用いるシリコン単結晶を育成する場合には、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引上げるのが通例である。図2はチョクラスキー法によるシリコン単結晶の引上げに用いる従来の装置の概要を示す説明図である。従来の引上げ装置1を用いたシリコン単結晶の引上げは、石英ルツボ2に入れた原料の多結晶シリコンを加熱用ヒータ3で融解して、これに種結晶4の一部を融解し馴染むようにして接触させ、ダッシュネック工程等を経て種結晶4を回転しながら引上げて結晶径を増大させ、所望のシリコン単結晶5を製造するものである。
しかしながら、このシリコン単結晶5の引上げで、種結晶4の結晶変形によってシリコン単結晶5が偏芯運動を起こし、引上げているシリコン単結晶5に揺れが生じた場合には、シリコン単結晶5をシリコン融液から速やかに切り離して、シリコン単結晶5の周囲に配置されている輻射チューブ6からシリコン単結晶5を速やかに遠ざける作業を行わなければならず、かかる場合には作業性の低下を生じさせるものとなっていた。しかしながら、突然に発生する地震などでは装置の全体が瞬時の揺れにみまわれ、現実には上記の作業を行うことが不可能で、結局、地震で揺れたシリコン単結晶5はその周囲に配置されている輻射チューブ6に接触することになっていた。このような場合、シリコン単結晶5は回転しながら引き上げを行っているので、シリコン単結晶5は外乱からの揺れと、回転しているシリコン単結晶自体が輻射チューブ6に接触したことによる反発力による揺れで複雑な動きをすることになる。引上げシリコン単結晶5のこうした地震による揺れは、シリコン単結晶5を吊り下げているネック部分の強度の最も小さい部分で許容強度を超えて破断を招く恐れがあり、引上げたシリコン単結晶は落下するといった問題を生じることがあった。
なお、引上げ中のシリコン単結晶が落下するような事故は重大で、ルツボから融液が漏れ出し、CZ炉内の黒鉛部材を破損させたり、CZ炉装置自体を破損させるようなことも生じる心配がある。最悪の場合は水蒸気爆発、火災などに繋がる可能性もあった。こうした場合は生産性の低下や復旧費などで莫大な損失を生じ、安全上も問題であった。
また、仮に落下に至らなかった場合でも、揺れの終息をまってシリコン単結晶を融液に沈め、再溶融のメルトバックをして、再びこの融液に種結晶を接触させてシリコン単結晶を引上げるようなことも行われていたが、この場合は大幅な生産性の低下が避けられなかった。こうした現象を突然に引き起こす地震は、たまに発生する大地震は別としても微少地震は発生頻度も高く、それによって生ずるシリコン単結晶の異常な揺れはしばしば引き起こされる可能性が高く、その事前の対策が望まれていた。
CZ法によるシリコン単結晶の引上げでシリコン単結晶の落下防止に関する先行技術としては、プチルチャンバーの周方向複数箇所にエアシリンダを設けたものがある(特許文献1)。
特開平9−235179号公報
CZ法によるシリコン単結晶の引上げでシリコン単結晶の落下防止に関する先行技術としては、プチルチャンバーの周方向複数箇所にエアシリンダを設けたものがある(特許文献1)。
しかしながら、上記の特許文献1は、シリコン単結晶の落下開始を検知する手段と、シリコン単結晶の引上げ炉周囲にシリコン単結晶の落下開始が検知されると同時に作動して、シリコン単結晶を外周からクランプする技術であり、シリコン単結晶が偏芯運動などで落下しないようにする技術に関しては何も開示がなされていない。この発明は、チョクラスキー法によるシリコン単結晶の引上げで、回転しているシリコン単結晶が偏芯運動を起こした場合、或いは地震その他の突発的な要因で装置全体が振動した場合などに、シリコン単結晶がその周囲に設けた衝撃吸収部材に接触して偏芯運動や震度による衝撃を吸収するようにして、シリコン単結晶がその外周に配置されている輻射チューブに接触して大きな衝撃を受けるのを回避するようにしたものである。
この発明は、シリコン融液に接触させた種結晶を引上げてシリコン単結晶を成長させるチョクラスキー法によりシリコン単結晶を製造する装置であって、引上げたシリコン単結晶の周囲に配置される輻射チューブと、該輻射チューブの内側に引上げたシリコン単結晶に近接して、シリコン単結晶の偏芯運動による衝撃を吸収する衝撃吸収部材を輻射チューブとの間にスプリングを介して設けたことを特徴とするシリコン単結晶の製造装置(請求項1)、前記衝撃吸収部材が、シリコン単結晶の周囲に設けたリングである請求項1記載のシリコン単結晶の製造装置(請求項2)、前記衝撃吸収部材が、シリコン単結晶の周囲で円周方向にあって均一間隔に離間して配置された複数個の部材である請求項1記載のシリコン単結晶の製造装置(請求項3)、前記衝撃吸収部材が、SiC又はSi3N4である請求項1ないし3のいずれかに記載のシリコン単結晶の製造装置(請求項4)、前記衝撃吸収部材は、少なくともシリコン単結晶に近接する部分を、それぞれ先端部のシリコン単結晶側がカーボン素材で構成する請求項1ないし4のいずれかに記載のシリコン単結晶の製造装置(請求項5)およびシリコン融液に接触させた種結晶を引上げてシリコン単結晶を成長させるチョクラスキー法によりシリコン単結晶を製造する方法において、引上げたシリコン単結晶の周囲に配置される輻射チューブの内側に、スプリングを介して衝撃吸収部材をシリコン単結晶に近接して設け、シリコン単結晶の引上げにあたってシリコン単結晶が偏芯運動を起こした場合に、シリコン単結晶が前記衝撃吸収リングと接触して衝撃を吸収するようにしたことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法(請求項6)である。
この発明によると、チョクラスキー法によるシリコン単結晶の引上げで、単結晶の変形による偏芯運動が大きくなって、その周囲に配設された輻射チューブに接触する恐れが生ずるようになった場合、或いは地震などによって装置全体が大きく揺れて単結晶が輻射チューブに接触するようになった場合においても、単結晶がその外周に配置されている衝撃吸収部材で衝撃を吸収しながら単結晶の揺れを減衰することができるので、単結晶が輻射チューブに接触して大きな衝撃を受けるようなことを回避することが出来るものである。そのためにシリコン単結晶が輻射チューブに接触する恐れがあるような大きな偏芯運動を起こしても、或いは地震などで装置が大きく揺れた場合であっても、シリコン単結晶の揺れを衝撃吸収部材が吸収して単結晶の落下といった最悪の事態を大幅に回避することができるようになったものである。
以下に、この発明の一実施例を図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施例になるCZ法によるシリコン単結晶の製造装置を示した説明図である。図1で10は石英ルツボで、その外周に黒鉛ルツボ11が配設されている。石英ルツボ10の中にはシリコン融液12が満たされている。このシリコン融液12は石英ルツボ10に供給された図示しない多結晶シリコンが加熱用ヒータ13で加熱されて溶融されたものである。シリコン融液12が充填された石英ルツボ10は、回転軸14で回転されている。なお、15は断熱材、16はチャンバである。
チャンバ16の上部にはケーブルワイヤ17が垂下されて、これに種結晶チャック18を介して種結晶19が支持されている。20は輻射チューブで、シリコン単結晶の中心を軸心にして引上げシリコン単結晶25の周囲の配設されている。さらに、この輻射チューブ20の先端部には、衝撃吸収部材、この実施例では衝撃吸収リング21が引上げシリコン単結晶25の周囲にこれと近接して設けられている。この衝撃吸収リングは21は、その外周の例えば3箇所或いは5箇所に図3に示すような押圧スプリング22が配置されている。
前記のケーブルワイヤ17と回転軸14には、いずれも図示しない回転機構で回転するとともに、上下動する図示しない駆動機構で上下動される。
上記の装置を用いて行うシリコン単結晶の引上げは従来と同様にして行われる。即ち、図示しないルツボ内の多結晶シリコン原料を加熱ヒータ13で加熱しシリコン融液12とし、石英ルツボ10とケーブルワイヤ17を図1に矢印で示すように回転しながら、種結晶19の先端を融液12に浸して、これを引上げてシリコン単結晶25の育成を行うものである。この場合、種結晶19の変形等によりシリコン単結晶25が偏芯運動をして輻射チューブ20先端の衝撃吸収リング21に接触した場合に、或いは地震などで装置全体が大きな揺れに合った場合に、輻射チューブ20と衝撃吸収リング21の間に配設されたスプリング22の作用で衝撃が吸収されることになる。従って、この発明によると、シリコン単結晶25が輻射チューブ20に直接接触してシリコン単結晶25がネック部で破損して欠落するような大きな衝撃を受けるようなことは回避することが出来る。
図4は、図1の矢印Aの方向から見た場合の衝撃吸収部材である衝撃吸収リング21の形状を概念的に示した図で、図5はその変形例を同様に概念的に示した説明図である。衝撃吸収部材21の形状は図4に示すリング状のものに変えて、図5に示すように円周方向で均一の間隔をおいて複数設置してする個別の衝撃吸収部材30,30,……とすることができる。
また、衝撃吸収部材の材質は、SiC、Si3N4等の耐熱性が高い材質であることが好ましい。さらに好ましくは、衝撃吸収部材の少なくともシリコン単結晶25に近接する部分をカーボン素材とする。このような構成とすることで衝撃吸収部材に接触した場合に、より衝撃を吸収することができる。スプリング22の素材はモリブデン合金、タングステン、タンタル等の耐熱合金が好ましい。
発明者は、図1の製造装置を用いてシリコン単結晶を用いてダミー単結晶を引上げる実験を行って、その際にケーブルワイヤを故意に振動させて単結晶を衝撃吸収リングに接触させてみた。その結果、衝撃吸収リングはスプリングの弾性力に抗して移動したが接触時の衝撃は分散され、その後シリコン単結晶の揺れは徐々に収まり最終的には終息していって、衝撃吸収リングは元に位置に戻ることが確認された。
10…石英ルツボ、12…シリコン融液、13…加熱用ヒータ、14…回転軸、15…断熱材、16…チャンバ、17…ケーブルワイヤ、18…種結晶チャック、19…種結晶、20…輻射チューブ、21…衝撃吸収リング、22…押圧スプリング、25…シリコン単結晶、30…衝撃吸収部材。
Claims (6)
- シリコン融液に接触させた種結晶を引上げてシリコン単結晶を成長させるチョクラスキー法によりシリコン単結晶を製造する装置であって、引上げたシリコン単結晶の周囲に配置される輻射チューブと、該輻射チューブの内側に引上げたシリコン単結晶に近接して、シリコン単結晶の偏芯運動による衝撃を吸収する衝撃吸収部材を輻射チューブとの間にスプリングを介して設けたことを特徴とするシリコン単結晶の製造装置。
- 前記衝撃吸収部材が、シリコン単結晶の周囲に設けたリングである請求項1記載のシリコン単結晶の製造装置。
- 前記衝撃吸収部材が、シリコン単結晶の周囲で円周方向にあって均一間隔に離間して配置された複数個の部材である請求項1記載のシリコン単結晶の製造装置。
- 前記衝撃吸収部材が、SiC又はSi3N4である請求項1ないし3のいずれかに記載のシリコン単結晶の製造装置。
- 前記衝撃吸収部材は、少なくともシリコン単結晶に近接する部分を、それぞれ先端部のシリコン単結晶側がカーボン素材で構成する請求項1ないし4のいずれかに記載のシリコン単結晶の製造装置。
- シリコン融液に接触させた種結晶を引上げてシリコン単結晶を成長させるチョクラスキー法によりシリコン単結晶を製造する方法において、引上げたシリコン単結晶の周囲に配置される輻射チューブの内側に、スプリングを介して衝撃吸収部材をシリコン単結晶に近接して設け、シリコン単結晶の引上げにあたってシリコン単結晶が偏芯運動を起こした場合に、シリコン単結晶が前記衝撃吸収部材と接触して衝撃を吸収するようにしたことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
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JP2005019925A JP2006206373A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | シリコン単結晶の製造装置およびそれを用いたシリコン単結晶の製造方法 |
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CN109371460A (zh) * | 2018-12-13 | 2019-02-22 | 中国电子科技集团公司第十三研究所 | 一种籽晶杆的可调式稳定装置 |
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2005
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CN109371460B (zh) * | 2018-12-13 | 2023-10-20 | 中国电子科技集团公司第十三研究所 | 一种籽晶杆的可调式稳定装置 |
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