<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図22を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態1に係る遊技機を概念的に例示する正面図であり、図2はその遊技機の遊技盤構成を概念的に例示する正面図である。また、図3は、図1の遊技機の斜視図であり、図4は、図1の遊技機の扉部の裏側構成を概念的に示す斜視図である。図5は、実施形態1の遊技機の要部断面構成を例示するものであり、図1のA−A断面付近を概念的に示す図である。また、図6は、第1表示部材を説明する説明図であり、図7は透明板保持部を例示する正面図及び断面図、図8は透明板保持部に透明板が保持された状態を例示する正面図及び断面図、図9は図7の透明板保持部を斜め前方からみた斜視図、図10は、その透明板保持部に透明板が保持された状態を示す斜視図である。図11は実施形態1に係る遊技機の電気的構成を例示するブロック図である。また、図12は、図5の状態から扉部が開いた状態を概念的に示す図である。図13は、支持台構成を例示する説明図である。
1.全体構成
本実施形態に係る遊技機の一例たるパチンコ機1は、例えば遊技ホールに設置されたパチンコ島台のカウンタ台の上部にて複数横方向に並べられて設けられるものである。パチンコ機1は、図1に示すように、前部には前枠2が設けられ、さらにその前枠2に扉部3(具体的にはガラス扉枠として構成される扉部)が取付けられている。扉部3は、縦軸の回動軸を有するヒンジ部82,82により遊技機本体1a(前枠2及び機枠(図示略)を備えてなる本体部分)に対し開閉可能に支持され、かつガラス(透明板に相当)が嵌め込まれた樹脂あるいは金属材料等によって環状の枠体として構成される透明板保持部83(図1,4、5参照)とを備えている。ここでは環状に構成された樹脂製の透明板保持部83に二枚のガラス(前方ガラス52、後方ガラス51)が嵌め込まれてガラスユニット50(図4)が構成されており、透明板保持部83は、扉部3の本体部分3e(図5)に着脱可能に取り付けられている。また、前枠2(本体枠)もヒンジ81によって機枠に対して開閉可能に取り付けられている。
図4に示すように、扉部3の後方には、図2に示す板状(例えば、木板、樹脂板等を主体として構成される板状)の遊技盤7が配置されている。図2に示すように、遊技盤7は仕切部に相当するレール22によって略環状に囲まれた略円形の遊技領域90aを有し、その遊技領域90aには第1種始動口4、中央表示装置(以下、単に「表示装置」ともいう)5及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4は遊技球の通路を備え、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持されている。表示装置5は、例えば図柄を動的に表示する図柄表示装置として構成できる。また、図5に示すように、この表示装置5は、後述する支持台605に固定されている。なお、図1、2に示すように、レール22に隣接して遊技球の衝突を受けるゴム製の衝突受け部65が設けられている。
図1に示すように、扉部3の下部には、賞球が払い出される上受け皿3aが装着されている。また、前枠2の窓孔より下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿2aは、前記上受け皿3aに入りきらない賞球や、上受け皿3aから球抜きした抜き球や、或いはファウル球等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け皿2aの右側方には遊技球を発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着されている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータか回動され、これにより打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構成されている。
図1、図2に示すように、表示装置5は、第1種始動口4の上方に設けられ、例えば液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして、図2に概念的に示されるような左図柄列8、中図柄列9及び右図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列8乃至10は、数字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。
表示装置5では、図柄列8乃至10での図柄変動が、遊技球の第1種始動口4への入賞により開始される。図柄変動は左図柄列8、右図柄列10、中図柄列9の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列8乃至10での図柄変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止図柄の組合せを、以下「大当り図柄」という。本実施形態では、大当りラインとして、水平方向へ延びるもの(上・中・下の3種類)と、斜め方向へ延びるもの(右下がり・左下がりの2種類)の合計5種類存在するが、これに限られない。例えば、大当りラインの数が1つであり、通常、「1ライン」と呼ばれているものであってもよい。そして、大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
さらに、パチンコ機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、列10での図柄変動が、大当りライン上において左図柄列8での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、かつ、その後に中図柄列9での図柄変動が左右両図柄列8,10での停止図柄と同一種類の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。なお、このような遊技状態の発生の流れは後述する。
図2に示すように、大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は大入賞口用ソレノイド15(以下、単に「ソレノイド15」ともいう)により作動させられ、Vゾーン11及び通路12,13の各入口を開閉する。
図2に示すように、遊技盤7には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球Bの第1種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球BのVゾーン11への入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球Bの大入賞口6への入賞を検出する。また、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づきソレノイド15及び表示装置5、遊技盤側表示パネル600、扉表示パネル150をそれぞれ駆動制御するために、制御装置21が設けられている。
図11に示すように、制御装置21には、読出し專用メモリ(ROM32)、中央処理装置(CPU31)、ランダムアクセスメモリ(RAM33)等を備えている。また、クロック回路34、バスライン35、入出力処理回路36も設けられている。ROM32は所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPU31はROM32の制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する機能等を有している。RAM33はCPU31による演算結果を一時的に記憶する。尚、より詳細には、制御装置21は、図11のように、パチンコ機1の主制御を行うメイン基板30と、当該メイン基板30からの信号によって各部を制御するための表示制御基板(中央表示制御装置101、遊技盤側表示制御装置601、扉表示制御装置151を構成する基板)、音量調整基板(音声用制御装置41を構成する基板)、LED基板(図示略)、払出し制御基板(図示略)等の各種のサブ基板とを備えて構成されており、不正信号がメイン基板30へ入力されることを防止するために、信号の伝送方向は、メイン基板30からサブ基板への一方向のみとなっている。制御装置21は表示制御手段に相当する。
また、図11に示す中央表示制御装置101、遊技盤側表示制御装置601、扉表示制御装置151は、それぞれ、中央表示装置5、遊技盤側表示パネル600、扉表示パネル150を表示制御可能に構成されており、メイン基板30からの信号に基づく画像を各表示部に表示するように制御を行う。各表示制御装置101、601、151には、図示しないROM、RAM、CPUなどが設けられており、メイン基板30からの制御信号に応じた画像を表示させるように構成されている。
また、CPU31による制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替えられる。すなわち、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)であると高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率モードに設定される。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
2.表示部材
図1ないし図5に示すように、パチンコ機1は、遊技盤7を備えており、さらに、図4のように遊技機本体1aに対し開閉可能に構成された扉部3が設けられている。扉部3には、遊技盤7の前方にて開口する開口部を有すると共に、その開口部が2枚の透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)にて閉塞されてなる窓部3cが設けられている。本明細書では、パチンコ機1(遊技機)における扉部3以外の部分を遊技機本体1aとしている。さらに、板状に構成される遊技盤7の前方をカバーするように2枚の透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)が、環状の透明板保持部83に保持されるようにして設けられている。そして、遊技盤7に取り付けられたレール22(仕切部)に囲まれるようにして遊技球が打ち込まれる遊技領域90aが構成されており、表示面600aのうちの一部が遊技盤7の前面7d(盤面)に対して傾斜した構成をなし、遊技領域90aの内部から外部に連なって及ぶように単一の遊技盤表示パネル600(遊技盤側表示パネル600は第1表示部材に相当する)が配置されている。この遊技盤側表示パネル600は、遊技盤7の前面7dよりも後方側から、後方ガラス51の前方側にまで及ぶように連続的に配置されている。
この構成では、遊技領域90aの内部から外部に及ぶように広範囲に亘る立体表示領域610が確保される。また、遊技盤7の前面7dよりも後方位置から後方ガラス51の前方位置にまで及ぶように遊技盤表示パネル600が構成されることとなるため、遊技者により近い位置で立体感高く表示が行われることとなる。
上述もしたが、パチンコ機1(遊技機)の前後方向とは、板状に構成される遊技盤7において遊技球が流下する側の外面(遊技盤7において遊技球が流下する側の外面を「前面7d」とする)と直交する方向(即ちパチンコ機1の奥行き方向)を意味し、遊技者側(即ち当該パチンコ機1の使用時に遊技者が対面する側)を前側、パチンコ機1の裏側(即ち遊技者からみて奥側)を後側とする。また、パチンコ機1の上下方向とは、パチンコ機1の高さ方向であり、左右方向は前後方向及び高さ方向と直交する横方向のことである。
遊技領域90aは、打ち込まれた遊技球が流下可能となるように仕切部(レール22)によって囲まれた領域であり、遊技球が流下可能となる流下可能領域の最外縁よりも内側の領域が遊技領域90aとして構成される。即ち、図2に示すように、遊技球が流下可能となる流下可能領域の最外縁が境界90とされ、これよりも内側が遊技領域90aとなる。
図5に示すように、遊技盤側表示パネル600は、遊技盤7に対する傾斜角度が異なる複数の平坦部600d、600e、600fを備えており、表示部の視認性が確保され、かつ各部分が配置場所に応じた角度に設定されている。また、遊技盤側表示パネル600は、これら平坦部600d、600e、600fと湾曲部600g、600h、600iとが組み合わされた構成をなしている。
また、図5に示すように、遊技盤側表示パネル600の一部が、後方ガラス51と前方ガラス52の間に構成される透明板間領域200に設けられている。これにより、透明板間領域200とその後方の領域を効果的に利用して遊技者により近い位置での立体感高い表示が可能となる。また、図5に示すように、遊技盤側表示パネル600は、後方ガラス51の側方において後方ガラス51の前方に延出する構成をなしている。
さらに、後方ガラス51よりも前方位置には、当該後方ガラス51と前方ガラス52の間に構成される透明板間領域200が設けられている。一方、後方ガラス51と透明板保持部83とにより、透明板間領域200の内部を外部と連通させる連通部84が形成されている。連通部84は、後方ガラス51の端部51aと、透明板保持部83の内壁部83dとによって開口部として構成されている。遊技盤側表示パネル600は、一部が透明板間領域200の内部に配置され、それ以外の部分が、連通部84を介して透明板間領域200の外部に固定されるように設けられている。
扉部3は、図5に示すような閉じた状態において、遊技盤側表示パネル600が連通部84を介して後方ガラス51の後端(後面51m)の後方から前方に延出しており、図12に示すように、扉部3を閉じた状態から開放する際に、遊技盤側表示パネル600が透明板間領域200から連通部84を介して抜け、扉部3と遊技盤側表示パネル600とが離間するように構成されている。この構成により、扉部3の開放に伴って遊技盤側表示パネル600が操作容易な位置とされることとなり、簡単に遊技盤側表示パネル600にアクセスすることができる。したがって、メンテナンス性が極めて高くなる。
また、前方ガラス52は窓部3cの開口領域全体に亘って設けられ、後方ガラス51は、開口領域の一部のみに設けられており、開口領域における後方ガラス51が設けられない非配置領域(即ち、遊技者が遊技盤7及びこの遊技盤7に取り付けられる部品を視認できる視認可能領域93(図1において二点鎖線で示される領域))における後方ガラス51が設けられない非配置領域)を介して遊技盤側表示パネル600が後方ガラス51の前方位置に延出している。この構成では、開口領域内(視認可能領域内)において遊技盤側表示パネル600をより立体的に配置可能となる。
また、後方ガラス51は、遊技領域90a全体に亘るように(即ち遊技領域90a全体をカバーするように)設けられている。このように構成されることにより、遊技盤側表示パネル600の一部を後方ガラス51の前方に配置しつつ、その一方で、遊技領域全体を後方ガラス51によってカバーし、流路を適切に確保できることとなる。また、図5に示すように、遊技盤側表示パネル600が後方ガラス51の後端(後面51m)よりも前方に延出する延出領域(後方ガラス51の後端(後面51m)よりも前方で表示が行われる前方表示領域Q)は、遊技盤7の前面と平行な方向に関して遊技領域90aの外部のみに設けられている。即ち、遊技領域90aの外部領域のみにおいて遊技盤側表示パネル600が後方ガラス51の前方に延出している。これにより、従来遊技においてあまり目立たない遊技領域90aの外部領域が効果的に目立つこととなり、また、各種部品が密度高く配置される遊技領域内をそれほど複雑化することなく、広範囲に亘って表示領域が立体的に構成されることとなる。
図5に示すように、遊技盤側表示パネル600の後端部600bは、遊技領域90aの内部において遊技盤7の前面7dよりも後方位置となるように設けられている。他方、前端部600cは、遊技領域90aの外部において後方ガラス51の後端よりも前方位置となるように設けられている。また、遊技盤側表示パネル600は、後端部600bから前端部600c側につれて外面が次第に前方位置となるように構成されている。また、図1、図5に示すように、パチンコ機1を正面視した場合に、遊技盤側表示パネル600は、前端部600cから後端部600bに亘って連続して視認可能となるように構成されている。
第1表示部材たる遊技盤側表示パネル600は、フルカラーELディスプレイとして構成されている。図6に示すように、この遊技盤側表示パネル600では、有機EL素子を用いた有機ELディスプレイとして構成されており、発光層203を両側から電極(陽極201、陰極202)で挟んだサンドイッチ構造をなしている。そして、駆動回路623、624によって陰極202、陽極201間に電圧を印加し、発光層203でのエネルギー状態を基底状態から励起状態に押し上げて発光を生じさせるように構成されている。発光側の電極(陽極201)は外部に光を取り出すため、光透過性を有する透明電極として構成されている。陽極201の前方側にはガラス基板204が取り付けられている。さらに、電子輸送層205、正孔輸送層206が設けられている。
図6の例では、アクティブマトリクス方式のカラー有機ELパネルとして構成されており、発光層203は、陽極201のRGBパターンに対応して3色の発色領域が独立したかたちで形成されている。また、陽極201は、RGB3色のいずれかに対応したサブピクセル625(発光領域625a、TFT(薄膜トランジスタ)625b)がX行、Y列に複数並んで形成された3色発光方式が用いられており、駆動回路623、624により行、列を特定した上での電圧印加が可能とされている(なお、別の方式(カラーフィルタ方式や色変換方式など)によって構成されていてもよい)。このような構成をなす、カラー有機ELパネルを用いることにより、狭い領域に遊技盤側表示パネル600を配置して省スペース化を実現しつつ自由度高い表示を実現できるようになっている。
なお、上記の例では、駆動回路623と624を遊技盤側表示パネル600に設けたが、駆動回路623、624を遊技盤側表示パネル600とは別ユニットとして構成し、これらを電気的に接続してもよい(例えば、駆動回路623、624を、陽極201、陰極202、発光層203、ガラス基板204、電子輸送層205、及び正孔輸送層206によって構成されるユニットと別ユニットとして構成し遊技盤7の後方側に設けるようにしてもよい)。
なお、後述する扉表示パネル150についても、図6と同様の構成のフルカラーELディスプレイとすることができる。また、本実施形態では、第1表示部材としての遊技盤側表示パネル600や第2表示部材としての扉表示パネル150をフルカラーELディスプレイとして構成する例を示しているが、これら表示部材の構成はこれに限らず、フルカラー表示可能な構成の別の方式のディスプレイ(例えば、パッシブマトリクス方式のディスプレイなど)などを用いてもよい。また、これら表示部材のいずれか一方又は両方を、フルカラーではない、単一色、又は複数色のディスプレイとしてもよい。また、これら第1表示部材及び第2表示部材のいずれか一方、又は双方をELディスプレイ以外の表示パネル構成としてもよい。
3.流路構成
本実施形態では、図4及び図5に示すように、表示部材たる遊技盤側表示パネル600の一部の後方において遊技球が流れる後方流路54が構成され、広範囲に亘って立体的な表示部材が構成される一方で、第1表示部材(即ち遊技盤側表示パネル600)が、遊技球の流下を阻害しないようになっている。また、第1表示部材の後方を遊技球が流下するようになっている、遊技球の流下によって第1表示部材(遊技盤側表示パネル600)の視認が阻害されず、遊技者が表示を把握しやすくなっている。本実施形態に係る後方流路54は、複数の遊技球が同時に進入可能となるように、入り口の幅が、遊技球の径の2倍よりも大きく構成されている。なお、このようにせずに、遊技球の径よりも大きく、この径の2倍よりも小さくなるように構成してもよい。
さらに、本実施形態に係る遊技機では、遊技盤表示パネル600を取り付けるための支持台605が、遊技盤7に取り付けられており、この支持台605は、遊技領域90aの内部において、遊技盤側表示パネル600の一部を遊技盤7の前面7dよりも所定距離隔てた前方位置にて支持するように構成されている。そして、この遊技盤側表示パネル600の一部の後方において、遊技球が流れる後方流路54が構成されている。
また、図13(a)には支持台付近の拡大図を示し、図13(b)には、支持台から遊技盤表示パネル600を取り除いた図を示しているが、図13に示すように、支持台605には、開口部604(開口部604は視認用連通部に相当する)が形成されており、この開口部604及び遊技盤側表示パネル600を介して後方流路54を流れる遊技球が前方より視認可能とされている。したがって、遊技領域90a内部においてより前方で表示を行いうる構成を実現しつつ、遊技球の流路を効果的に確保でき、かつ、その遊技球の流下を視認可能とすることができる。
また、図1、図5等に示すように、本実施形態に係る遊技機では、遊技盤7において遊技盤表示パネル600の後方に、釘部材61、装飾部材(風車62)等の遊技部品が遊技盤表示パネル600を介して視認可能となるように装着されており、後方流路54を流れる遊技球と遊技部品とが互いに干渉しあうようになっている。
さらに本実施形態では、図5に示すように、遊技盤側表示パネル600と遊技盤7との間に、透明性を有する透明板615(後方カバー部材)が設けられており、この透明板615、遊技盤7、及び支持台605よって後方流路54が構成されている。なお、透明板615は、透明性を有していれば樹脂製であってもガラス製であってもよい。支持台605は、遊技領域90a内に取り付けられる内部取付部605aと、遊技領域90a外に取り付けられる外部取付部605bとを有しており、内部取付部605aは、遊技盤7において、遊技領域内に形成された取付孔7bに一部が挿入される形態で遊技盤7に固定され、外部取付部605bは、遊技領域外に形成された取付孔7cに一部が挿入される形態にて固定されている。そして、内部取付部605aと外部取付部605bとの間には遊技盤7が設けられている。また、本実施形態では、図1に示すように、支持台605は、遊技領域90aの中央に配置される中央表示装置5の枠体40と一体的に構成されている。本実施形態では、内部取付部605aの一部が後方流路54の第1壁部54bとして構成され、外部取付部605aとは別体に構成されるレール22(仕切部)の一部が、後方流路54における第1壁部54bと対向する第2壁部54cとして構成されている。従って、第1表示部材を遊技領域内外に渡るように設けつつ、仕切部が寸断しない構成となっている。
なお、上記構成に代えて、内部取付部605aの一部によって後方流路54の第1壁部を構成し、外部取付部605bの一部によって後方流路54における第1壁部と対向する第2壁部を構成してもよい。即ち、支持台605が設けられる領域において、レール22を設けないようにし、外部取付部によって遊技領域90aの一部を仕切るようにしてもよい。
また、本実施形態のような構成とせずに、遊技領域90aの内部から外部に亘って支持台を遊技盤7に装着するように構成してもよい。また、支持台を、中央表示装置5の枠体40と別体に構成し、互いに隣接させるようにして設けてもよい。
4.表示部材の関係
また、図1、図5に示すように、遊技領域90aの中央において外面が遊技盤7の前面よりも後方位置に配置されるように中央表示装置5が構成されており、遊技盤側表示パネル600は、この中央表示装置5と隣接して設けられ、この遊技盤側表示パネル600と、中央表示装置5によって連なる表示領域が構成されている。この構成により、極めて広範囲にわたる連続した表示領域が確保されることとなり、表示のバリエーションを高めやすい構成となる。また、中央表示装置5と遊技盤側表示パネル600とにより連なる表示領域が構成されるため、中央表示装置5に集まる遊技者の注目を遊技盤側表示パネル600に移行させやすく、遊技者の注目を広範囲に及ぼすことができる。
また、遊技盤側表示パネル600は、扉部3に設けられた扉表示パネル150と隣接して設けられ、遊技盤側表示パネル600と、扉表示パネルとにより連なる表示領域が構成されている。即ち、中央表示装置5、遊技盤側表示パネル600、扉表示パネル150により広範囲にわたって連なる表示領域が構成されている。一方、遊技盤に取り付けられる遊技盤側表示パネル600には、遊技盤の前面に対して傾斜する第1傾斜表示面602が設けられており、他方、遊技盤7の外部に取り付けられる、扉表示パネル150には、遊技盤7の前面7dに対して傾斜する第2傾斜表示面152が設けられている。即ち、それぞれの表示部材において、傾斜した表示面が設けられているため、表示領域が連続性高く、かつ立体感高く構成されている。
第1傾斜表示面602は、遊技盤側表示パネル600において扉表示パネル150側の端部寄りの位置に設けられており、第2傾斜表示面152は、扉表示パネル150において遊技盤側表示パネル600側の端部寄りの位置に設けられている。従って、第1傾斜表示面602と第2傾斜表示面152とが互いにより近接する位置関係となっており、双方によって立体的な傾斜表示を連続性高く行うことができる。
第1傾斜表示面602及び第2傾斜表示面152は、共に遊技領域90aの中心G1から離れるにつれて前方位置となるように傾斜している。このようにすれば、両傾斜表示面が共に同様の傾斜態様となり、かつ、遊技領域90aの中心G1に近接する側は遊技盤7の前面7dに近く、遊技領域90aから離れる側は、前方に突出して遊技者に近接することとなる。従って、遊技領域90a側では遊技との関連性が高めることができ、遊技領域90aから離れる側では立体感を強調できる構成となる。より具体的には、第1傾斜表示面602と、第2傾斜表示面152とが、遊技盤7の前面7dに対して略同角度とされており、各表示面が形状的に良好に連続し、表示領域の視認性向上が図られている。
また、第2傾斜表示面152が、第1傾斜表示面602よりも前方位置に設けられており、第2傾斜表示面152の後端部が第1傾斜表示面602の前端部と近接している。このようにすれば、前後により大きく表示領域が確保されることとなり、立体感をより一層強調できる構成となる。
本実施形態では、図1、図5に示すように、遊技盤7の前面7dと平行な面方向に関し、遊技盤側表示パネル600と扉表示パネル150とが隙間をあけずに設けられているため、遊技盤7の前面7dと平行な方向に関して連続性が高い構成となっており、正面視した場合の一体感が高められている。
また、遊技盤側表示パネル600には、第1傾斜表示面602よりも後方側の奥まった位置に、遊技盤7の前面7dに対して傾斜する後方側傾斜表示面603が設けられている。この構成により遊技盤側表示パネル600についてさらに一層立体感が高められている。
第1傾斜表示面602は遊技領域90aの外部に設けられ、後方傾斜表示面603は遊技領域90aの内部に設けられている。即ち、遊技領域90aの外部と内部に、それぞれ傾斜表示面が設けられており、遊技盤側表示パネル600の立体感が遊技領域90aの内外双方において高められている。
遊技盤側表示パネル600には、第1傾斜表示面602と後方側傾斜表示面603とをつなぐ連結表示面606が設けられている。従って、立体感を高めた上で、横方向の領域の確保もなされている。
また、上述の通り扉部3には、開口部を備えた窓部3cが形成されているが、遊技盤側表示パネル600及び扉表示パネル150は、遊技盤7の前面7dと平行な面方向に関して、共に、窓部3cの開口部の内周縁に隣接して設けられている。これにより遊技盤側表示パネル600と扉表示パネル150とが横方向において極めて近接して配置され、表示の連携性が一層高められている。
なお、本実施形態では、第1傾斜表示面602を延長した仮想平面F上に第2傾斜表示面152のが位置している。従って、各傾斜表示面が形状的に自然に連続する格好となっており、デザイン性、視認性向上が図られている。
5.透明板保持部、透明板
次に、透明板保持部83について説明する。
図7ないし図10に示すように、透明板保持部83は、2枚の透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)の周縁部を保持する環状の枠体として構成されており、後方ガラス51を保持する第1透明板保持部83aと、前方ガラス52を保持する第2透明板保持部83bとを有している。
図5、図8、図10に示すように、前方ガラス52は、平坦に構成される平板部52aと、その平板部52a(平板部52aは第2透明板平板部に相当する)よりも前方側に盛り上がる膨出部52b(膨出部52bは第2透明板膨出部に相当する)を有してなり、膨出部52bによって遊技盤側表示パネル600の一部がカバーされるよう構成されている。より具体的には、遊技盤側表示パネル600の一部が平板部52aよりも前方位置となるように配置されているため、遊技盤側表示パネル600がより一層前方に設けられることなって、立体感が一層高まる。また、遊技者のより近くに配置されることとなるため、装飾性についても高められる。
また、透明板保持部83は、上述したように、両ガラス51、52の周縁部に環状に配置される枠体として構成されており、具体的には、遊技盤7の前方に配置される後方ガラス51の周縁部大部分を保持し、前方ガラス52との周縁部全体を保持するように透明板保持部83が構成されている。この透明板保持部83と両ガラス51,52とは接着媒体(接着剤等)により接合されており、簡易にかつ強固な保持が図られている。具体的には、後方ガラス51の周縁部大部分が接着媒体により透明板保持部83の第1透明板保持部83aに接合されており、前方ガラス52の周縁部全体が接着媒体により透明板保持部83の第2透明板保持部83bに接合されている。
なお、本実施形態のような構成とせずに、透明板保持部と各透明板とを、着脱可能に構成してもよい。このようにすれば、表示部材のメンテナンスを行いやすい構成となる。
このように透明板保持部83が構成される一方で、図5に示すように、遊技盤側表示パネル600は、遊技盤7の前面7dと平行な面方向において、透明板保持部83の内壁面付近から(即ち、2枚の透明板のうちの前側に配置される前方ガラス52(前方透明板)の周縁部付近から)、中央表示装置5付近にまでわたる構成をなしている。別の観点から述べると、図1に示すように、遊技盤7の前面7dと平行な面方向において、遊技盤側表示パネル600は、視認可能領域93の周縁付近から遊技領域90aの中央表示装置5付近にまでわたる構成をなしている。
6.遊技状態の発生制御
次に、これら遊技状態の発生制御について説明する。図14乃至図17のフローチャートは、制御装置21によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの各処理は、カウンタ群及びフラグFに基づいて実行される。
カウンタ群は、ラウンドカウンタR、入賞カウンタP及び確変カウンタCを含む。ラウンドカウンタRはラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタPはカウントスイッチ20の検出結果に基づき大入賞口6への遊技球Bの入賞個数をカウントするためのものである。確変カウンタCは高確率モードの終了を判断するためのものであり、「2」,「1」,「0」の値を採る。なお、カウンタR,P,Cの初期値はいずれも「0」である。
そのほかにもカウンタ群は、大当り遊技状態発生を決定するための内部乱数カウンタと、外れリーチ等を決定するための外れリーチ乱数カウンタと、停止図柄等を決定するためのそれぞれの図柄カウンタと、リーチ動作の種類を決定するためのリーチ種別カウンタとを含む。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態の後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。フラグFは、Vゾーン11への遊技球Bの入賞の有無を判定するためのものであり、Vゾーン用スイッチ19によって入賞が検出されない場合に「0」に設定され、入賞が検出されると「1」に設定される。なお、確率モードには低確率モードと高確率モードの2種類類あることは既に説明したが、初期値には低確率モードが設定されている。
さて、遊技者による遊技が開始されると、制御装置21は、まず図14の特別電動役物制御ルーチンのステップS10において、始動口用スイッチ18の検出結果に基づき、遊技球Bの第1種始動口4への入賞があったか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列8乃至10毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理を指す。
次に、ステップS30で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは、図16のステップS31において、図柄列8乃至10の各図柄をそれぞれ表示装置5で変動表示させる。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールがあたかも回転しているように見える。ステップS32において、内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。大当り値としては、2種類の値(低確率用大当り値、高確率用大当り値)が用意されている。前者は大当り遊技状態を前述した低確率で発生させるための値であり、後者は高確率で発生させるための値である。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「299」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、そのうちの「7」を低確率用大当り値とし、「7」,「17」,「27」,「37」,「47」を高確率用大当り値とする。すると、大当り遊技状態が発生する確率は、低確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/300となり、高確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/60となる。そして、前回の制御周期で低確率モードが設定されている場合には、低確率用大当り値が大当り値として選択される。高確率モードが設定されている場合には、高確率用大当り値が大当り値として選択される。
ステップS32の判定条件が満たされていると、ステップS33において、大当り値に対応する大当り図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。一方、ステップS32の判定条件が満たされていないと、ステップS34において、外れリーチ乱数カウンタの値が予め定められた外れリーチ値と同一である否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS35において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶する。なお、ステップS34の判定条件が満たされていないと、ステップS36において、ステップS20での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、上記ステップS33,S35,S36で停止図柄を記憶した後、図柄変動開始処理ルーチンを終了する。
のようにステップS30の処理(図柄変動開始処理)を実行した後、図14のステップS40において左右両図柄列8,10における図柄を、ステップS33,S35,S36のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄によって左右両図柄列8,10での図柄変動を停止させる。
ステップS50では、中図柄列9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップS60において、図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS70において、大当り信号ONを出力端子(図示略)に出力する。さらに、ステップS80において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS80:Yes)、ステップS90において確変大当り信号ONを図示しない出力端子に出力する。続いて、ステップS100において、ラウンドカウンタRをリセットする。そして、ステップS110において入賞カウンタPをリセットするとともに、フラグFを「0」に設定する。
続いて、図15のステップS120においてソレノイド15を励磁する。すると、シャッタ14が倒れ、大入賞口6の通路入口が開放される。この開放により、遊技球BのVゾーン11及び通路12,13への入賞が可能となる。ステップS130でラウンドカウンタRを「1」インクリメントする。
次に、ステップS140において、入賞カウンタPの値が所定値Pmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS150において、大入賞口6の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると(ステップS150:Yes)、ステップS140へ戻る。その結果、大入賞口6の開放開始後にPmax個よりも多くの遊技球Bが入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口6が開放され続ける。これに対し、ステップS140,S150の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS160においてソレノイド15を消磁する。すると、シャッタ14が起こされ、大入賞口6の通路入口が閉鎖される。
そして、ステップS170において、ラウンドカウンタRの値が所定値がRmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS180においてフラグFが「1」であるか否かを判定する。ステップS180の判定条件が満たされていると(ステップS180:Yes)、図14のステップS110へ戻る。従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまでは、大入賞口6が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Pmaxが「10」に設定され、大入賞口6の開放時間が「約29.5」秒に設定され、所定値Rmaxが「16」に設定されている場合には、大入賞口6の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口6へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口6が閉鎖される。この大入賞口6の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球BのVゾーン11への入賞を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップS170,S180の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS190で「大当り信号OFF」を図示しない出力端子に出力する。さらに、ステップS200において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS200:Yes)、ステップS210において確変大当り信号OFFを図示しない出力端子に出力する。続いて、ステップS220で確率変動処理を実行し、その後、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
図17の確率変動処理ルーチンでは、ステップS221において、大当り図柄が通常図柄(この場合偶数図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと(ステップS221:No)、すなわち、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると、ステップS227において確変カウンタCが「0」であるか否か(高確率モード中であるか否か)が判定され、確変カウンタCが「0」である(高確率モード中である)場合は(S227:Yes)、ステップS228において、確変中信号ONを図示しない出力端子に出力する。続いて、ステップS229において高確率モードを設定し、確変カウンタCに「2」を設定する。ステップS229の処理を実行した後、確率変動処理ルーチンを終了する。このように、高確率中に特別図柄(奇数図柄)で大当り遊技状態が連続して発生した場合には、高確率モードが継続することとなる。
一方、ステップS221の判定条件が満たされていると、すなわち、大当り図柄が通常図柄(偶数図柄)であると、ステップS222において確変カウンタCが「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=0)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=2,1)とステップS223において確変カウンタCを「1」デクリメントする。ステップS224において確変カウンタCが「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=1)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=0)とステップS225において、確変中信号OFFを図示しない出力端子に出力し、ステップS226において、低確率モードを設定する。このように一旦高確率モードが設定されると、確変カウンタCが「0」となるまで、すなわち、高確率モード設定後、連続して偶数図柄で2回大当り遊技状態が発生するまでは高確率モードが継続する。そして、偶数図柄での大当り遊技状態が2回連続すると、高確率モードが終了し低確率モードに切替えられる。
なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、図柄変動処理(ステップS31)を停止図柄の記憶処理(ステップS33,S35,S36)の後に行うようにしてもよい。
上述したように、本実施形態では、遊技球Bが第1種始動口4へ入賞したことが検出されると、各カウンタの値が取得されるとともに図柄列8乃至10が変動表示される。各カウンタの値に基づき停止図柄が記憶され、その停止図柄によって図柄変動が停止される。停止されたときに表示されている図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態が発生し、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまで、大入賞口6の開閉のサイクルが繰返される。
一方、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると高確率モードが設定され、次回と、その次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率が高められる。すなわち、一旦高確率モードが設定されると、次回以降2回の大当り遊技状態の発生確率が高められるが、その期間中に再び奇数図柄で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが設定される。これに対し、期間経過後に通常図柄(偶数図柄)で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが終了する(低確率モードに切替えられる)。なお、このように次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率を高めるのではなく、次の回のみ大当り遊技状態の発生確率を高めるようにしてもよい。
さらに本実施形態では、上記のような処理において発生する特定遊技条件の成立に基づき、中央表示装置5での特定表示、遊技盤側表示パネル600での特定表示、及び扉表示パネル150での特定表示が、関連して行われるように表示制御がなされる。この特定遊技条件の成立は、例えば、大当たり状態、確率変動状態、リーチ状態、リーチ予告状態、時短状態のうちから選ばれるいずれかの状態の成立であることが望ましく、例えば扉表示パネル150の特定表示と、遊技盤側表示パネル600での特定表示とが、共に、同一の特定遊技条件の成立に基づいて関連して行われるようにすることができる。例えば、確率変動状態の発生を条件として図18ないし図22のような特定表示(後述)を行うようにするには、図14でのS90の処理に伴って図18ないし図22のような図柄表示が行われるようにすればよい。いずれにしても、ある一つの特定遊技条件の成立に伴い、複数の表示領域の表示が互いに関連して変化することとなるため、特定遊技条件をより一層盛り上げることができる。
(表示内容)
次に、各表示部材での表示内容について説明する。なお、本実施形態では、図18から図22まで順番に表示されるようになっている。
本実施形態では、中央表示装置5、遊技盤表示パネル600、及び扉表示パネル150において、同一対象(同一のキャラクター、同一の建物、同一の動植物、同一の風景など)を示す絵柄が表示可能とされている。本実施形態では、キャラクター絵柄190が同一対象を示す絵柄に相当しており、このキャラクター絵柄190が、図21のように、中央表示装置5、遊技盤側表示パネル600、扉表示パネル150において表示されるようになっている。
図18ないし図22に示すように、中央表示装置5から、遊技盤側表示パネル600、扉表示パネル150へとそれぞれ移るように特定絵柄(キャラクター絵柄190)が表示されるようになっており、表示装置5、遊技盤側表示パネル600、扉表示パネル150のいずれかで表示されていた特定絵柄が他のいずれかへ移ることとなる。これによりキャラクターの動きが単一の表示部材のみで完結するのではなく、複数の表示部材に及ぶこととなり、キャラクターの効果が広範囲に及び、表示のバリエーションが高められる。
本実施形態では、キャラクター絵柄190の表示が、遊技領域90aの中心G1から外側に向かって移るようになっており、具体的には、まず、図18のように遊技領域の中心G1付近に配置された表示装置5に表示されるキャラクター絵柄190が、所定条件の成立に基づいて図19のように表示装置5から遊技盤表示パネル600に移行する。この際、図19のように、キャラクター絵柄190の一部画像190aを表示装置5にて表示させた状態で、それ以外の一部画像190bを遊技盤側表示パネル600に表示させるように移行するため、連続性が高くなっている。そして、図20のようにキャラクター絵柄190が遊技盤側表示パネル600を横切った後、図21のように、キャラクター絵柄190が遊技盤側表示パネル600と扉表示パネル150とに跨るように表示がなされる(図21では、遊技盤側表示パネル600にキャラクター絵柄190の一部画像190gが表示され、扉表示パネル150に一部画像190hが表示されている)。そして、図22のように、扉表示パネル150にキャラクター絵柄190が表示されることとなる。このような構成及び表示制御がなされることにより、表示装置5からキャラクターが抜け出して遊技盤、各種部品、扉部を動き回るという今までにない斬新な演出が可能となる。
なお、表示装置5による特定表示(キャラクター絵柄190の表示)と、遊技盤側表示パネル600による特定表示(キャラクター絵柄190の表示)と、扉表示パネル150による特定表示(キャラクター絵柄190の表示)とが所定の順序で行われるようになっているため、連携性が高まると共に、表示の流れが創出され、順序的な繋がりが強調されることとなる。
また、本実施形態では、表示装置5、扉表示パネル150及び遊技盤側表示パネル600において、同種の背景画像が表示可能とされている。ここでは、キャラクターの画像以外の画像を背景画像としている。例えば、図18の例では、表示装置5、遊技盤側表示パネル600及び扉表示パネル150において、同一色を主体とした背景画像が表示される構成をなし、表示装置5、遊技盤側表示パネル600及び扉表示パネル150がより一層連携性高く把握されるようになっている。即ち、表示装置5、遊技盤側表示パネル600、及び扉表示パネル150の背景画像が共に同一色を基調とし、その色が、周囲の遊技盤7、周囲装飾部40、扉部3のそれぞれにおける表示部以外の部分の色と異なっているため、図18のように繋がって把握できるようになっている。
なお、このように、表示装置5、遊技盤側表示パネル600、扉表示パネル150によって互いに同一色の背景画像を行う場合、少なくとも所定期間同時に行われるようにするとよい。特に、これら表示装置5、遊技盤側表示パネル600、扉表示パネル150によって図18のような同一色の背景画像の表示開始が共に同タイミングで行われるようにすると、極めて連携性が高くなる。
<実施形態2>
次に、図23ないし図29を参照して実施形態2について説明する。
図23は、実施形態2に係る遊技機を概念的に例示する正面図であり、図24はその遊技機の遊技盤構成を概念的に例示する正面図である。また、図25は、図23の遊技機の斜視図であり、図26は、図23の遊技機の扉部の裏側構成を概念的に示す斜視図である。図27は、実施形態2の遊技機の要部断面構成を例示するものであり、図23のB−B断面付近を概念的に示す図である。また、図28は図23の遊技機に用いる透明板保持部を例示する斜視図であり、図29は、その透明板保持部に透明板が保持された状態を示す斜視図である。
実施形態2では、図27にて特徴的に示すように、第1透明板たる後方ガラス51において、平坦に構成される第1透明板平板部51cと、その第1透明板平板部51cよりも前方側に盛り上がる第1透明板膨出部51dが設けられ、第1表示部材に相当する遊技盤側表示パネル600の一部が、第1透明板膨出部51dによって前方をカバーされる位置において、第1透明板平板部51cよりも前方位置となるように配置されることで、立体表示領域610が、後方ガラス51の後端(第1透明板平坦部51cの後面51p)よりも後方から前方に及ぶように構成されている。なお、本実施形態では、後方ガラス51及び前方ガラス52、透明板保持部83、扉部3の本体部分3eの形状、及び立体表示領域600と両ガラス51,52の位置関係が実施形態1と異なっているが、それ以外の部分の構成は実施形態1と同様であるので、同様の部分については実施形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態でも、実施形態1等と同様に、遊技領域90aの内部から外部に連なって及ぶように、かつ遊技盤前面7dよりも後方位置から、後方ガラス後端(第1透明板平坦部51cの後面51p)よりも前方位置にまで連なって及ぶように、一部の表示面が遊技盤7の前面7dに対して傾斜する第1表示部材(遊技盤表示パネル600)が配置され、広範囲に亘る立体的な表示が行われるようになっている。また、上記実施形態と同様に遊技盤側表示パネル600と、扉表示パネルとにより連なる表示領域が構成されており、遊技盤に取り付けられる遊技盤側表示パネル600には、遊技盤の前面に対して傾斜する第1傾斜表示面602が設けられ、遊技盤の外部に取り付けられる、扉表示パネル150には、遊技盤の前面に対して傾斜する第2傾斜表示面152が設けられている。
本実施形態では、第1透明板たる後方ガラス51に特別な孔等を設けることなく遊技盤表示パネル600を後方ガラス51の後端よりも後方から前方に及ばせることができる。
本実施形態に用いられる後方ガラス51及び前方ガラス52は、図28及び図29に示す透明板保持部83の第1透明板保持部83a、第2透明板保持部83bにそれぞれ保持されるようになっている。
<実施形態3>
次に、図30ないし図33を参照して実施形態3について説明する。
図30は、実施形態3に係る遊技機を概念的に例示する正面図であり、図31はその遊技機の遊技盤構成を概念的に例示する正面図である。また、図32は、図30の遊技機の扉部の裏側構成を概念的に示す斜視図である。図33は、実施形態2の遊技機の要部断面構成を例示するものであり、図30のC−C断面付近を概念的に示す図である。なお、本実施形態の遊技機の外形は、図4と同様に構成されており、透明板保持部は、図7ないし図10に示すものと同様のものが用いられる。
本実施形態では、遊技盤側表示パネル600が遊技領域90の中心G1付近にまでわたって設けられている点、及び、実施形態1の表示装置5が省略されている点が、実施形態1と異なっており、それ以外の部分については、実施形態1とほぼ同様である。なお、相違点以外の同一部分については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態3でも、実施形態1等と同様に、遊技領域90aの内部から外部に連なって及ぶように、かつ遊技盤前面7dよりも後方位置から、後方ガラス後端(第1透明板平坦部51cの後面51p)よりも前方位置にまで連なって及ぶように、一部の表示面が遊技盤7の前面7dに対して傾斜する第1表示部材(遊技盤表示パネル600)が配置され、広範囲に亘る立体的な表示が行われるようになっている。また、本実施形態でも、上記実施形態と同様に遊技盤側表示パネル600と、扉表示パネルとにより連なる表示領域が構成されており、遊技盤に取り付けられる遊技盤側表示パネル600には、遊技盤の前面に対して傾斜する第1傾斜表示面602が設けられ、遊技盤の外部に取り付けられる、扉表示パネル150には、遊技盤の前面に対して傾斜する第2傾斜表示面152が設けられている。
さらに、本実施形態では、この遊技盤表示パネル600の一部が、遊技領域90aの中央付近(具体的には遊技領域の中心G1を含む領域)に配置されており、表示パネル600、及び表示パネル150により連なるように表示領域(立体表示領域610及び扉表示領域159によって構成される連続表示領域)が構成されている。この構成では、図31、図33に示すように、わずか2枚の表示パネル(即ち、表示パネル600と表示パネル150)で、遊技領域90aの中心G1付近から扉部端部に至るまでの幅広く立体的な表示構成がなされることとなる。
<実施形態4>
次に図34ないし図42を参照して実施形態4について説明する。
図34は、実施形態4に係る遊技機を例示する正面図であり、図35はその遊技盤構成を例示する図、図36は、図34の遊技機の斜視図、図37は、図34の遊技機の扉部の裏側構成を例示する図である。図38は、図34の要部断面図である。
本実施形態では、表示部材たる遊技盤表示パネル600の周囲(後方及び周辺)においてキャラクターを模した装飾部品57が設けられており、この装飾部品57が遊技領域90aの内部から外部に連なって及び、かつ第1透明板たる後方ガラス51の後端(後面)の後方から前方に連なって及ぶように構成されている。
一方、本実施形態でも、実施形態1等と同様に、遊技領域90aの内部から外部に連なって及ぶように、かつ後方ガラス51の後端(後面)よりも後方から前方に連なって及ぶように、一部の表示面が遊技盤7の前面7dに対して傾斜する遊技盤側表示パネル600が設けられ、広範囲に亘る立体的な表示が行われるようになっている。また、上記実施形態と同様に、遊技盤側表示パネル600と、扉表示パネル150とにより連なる表示領域が構成されており、遊技盤7に取り付けられる遊技盤側表示パネル600には、遊技盤7の前面7dに対して傾斜する第1傾斜表示面602が設けられ、遊技盤7の外部に取り付けられる、扉表示パネル150には、遊技盤の前面に対して傾斜する第2傾斜表示面152が設けられている。
本実施形態の構成によれば、表示パネル600のみならず、装飾部品57も広範囲に亘って立体的に構成されることとなるため、表示パネル600と装飾部品57とによって相乗的な装飾性向上が期待できる。
また、キャラクターを模した装飾部品57は、遊技盤側装飾部57aと扉側装飾部57bがそれぞれ設けられており、遊技領域90aの内部から扉部3に至るまで装飾が及ぶように構成されている。表示領域についても、立体表示領域610から扉表示領域159によって遊技領域90aの内部から扉部3に至るまで広範囲に亘る表示領域が構成され、装飾部品及び表示領域によって広範囲に亘り立体的な装飾がなされている。
また、本実施形態1等では、第1透明板たる後方ガラス51の側方に連通部が設けられる構成や切欠部が設けられる連通部構成を例示したが、本実施形態の連通部84は、透明板保持部83に形成された貫通孔によって構成されている。なお、図39ないし図42において、本実施形態に用いる透明板保持部の構成を例示しており、図39は、透明板保持部の正面図及び断面図を示し、図40は、透明板保持部に透明板を取り付けた状態の正面図及び断面図を示している。図41は、透明板保持部に透明板を取り付けた状態を後方から見た図である。また、図42は、透明板保持部を斜め前方から見た斜視図である。
図39ないし図42に示すように、透明板保持部83は、2枚の透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)の周縁部を保持するように構成されており、後方ガラス51を保持する第1透明板保持部83aと、前方ガラス52を保持する前方ガラス52保持部83bとを有している。
本実施形態では、図38、図40、図41に示すように、前方ガラス52は、全体的に平坦に構成されており、後方ガラス51も全体的に平坦に構成されている。また、本実施形態に係る透明板保持部83も、両ガラス51、52の周縁部に環状に配置される枠体として構成されており、透明板の安定的保持が図られている。この透明板保持部83は、後方ガラス51の周縁部全体を保持し、かつ前方ガラス52との周縁部全体を保持するように構成されている。また、この透明板保持部83と両ガラス51,52とは接着媒体により接合されており、簡易にかつ強固な保持が図られている。また、本実施形態では、後方ガラス51を保持する第1透明板保持部83aの形状が前方ガラス52を保持する第2透明板保持部83bの形状と異なっており、第1透明板保持部83aの一部が、窓部3c(図34)によって視認可能となる視認可能領域の内部に設けられた内部配置部83cによって構成されている。この内部配置部83cと内部配置部83cの側方に設けられた外部配置部83eの一部とにより貫通孔からなる連通部84が構成されている。
<実施形態5>
次に、図43及び図44を参照して実施形態5について説明する。
図43は、実施形態5に係る遊技機を例示する正面図であり、図44は、図43の遊技機に用いる透明板及び透明板保持部を例示する図である。本実施形態では、図43及び図44に示すように、後方ガラス51の端部に形成された切欠部51eを備えて連通部84が構成されている点が実施形態1と異なっている。このように切欠部51eを設けるようにすれば、表示パネル600の形状に対応しやすく、収まりの良い構成となる。なお、実施形態1と本実施形態とは後方ガラス51の形状が異なるが、それ以外の構成は同じであるので、それ以外の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
また、詳細説明は省略するが、本実施形態でも、上記実施形態と同様に遊技盤側表示パネル600と、扉表示パネル150とにより連なる表示領域が構成されており、遊技盤7に取り付けられる遊技盤側表示パネル600には、遊技盤7の前面7dに対して傾斜する第1傾斜表示面602が設けられ、遊技盤の外部に取り付けられる、扉表示パネル150には、遊技盤7の前面7dに対して傾斜する第2傾斜表示面152が設けられている。
<実施形態6>
次に、図45を参照して実施形態6について説明する。
本実施形態では、第2透明板たる前方ガラス52が、全体的に平坦に構成されている点が実施形態1と異なっており、本実施形態でも、実施形態1等と同様に、遊技領域90aの内部から外部に連なって及ぶように、かつ後方ガラス51の後端(後面51m)よりも後方から前方に連なって及ぶように、一部の表示面が遊技盤7の前面7dに対して傾斜する第1表示部材(遊技盤表示パネル600)が配置され、広範囲に亘る立体的な表示が行われるようになっている。また、上記実施形態と同様に遊技盤側表示パネル600と、扉表示パネル150とにより連なる表示領域が構成されており、遊技盤7に取り付けられる遊技盤側表示パネル600には、遊技盤7の前面7dに対して傾斜する第1傾斜表示面602が設けられ、遊技盤7の外部に取り付けられる、扉表示パネル150には、遊技盤7の前面7dに対して傾斜する第2傾斜表示面152が設けられている。
なお、第2透明板たる前方ガラス52が、全体的に平坦に構成されている点以外の構成は、実施形態1と同様であるため、それ以外の詳細な説明は省略する。この構成では、第2透明板の形状が製造容易なものとされているため、装置全体の簡素化、低コスト化が図られる。
<実施形態7>
次に、図46ないし図50を参照して、実施形態7について説明する。
図46は、実施形態7に係る遊技機を概念的に例示する正面図であり、図47はその遊技機の遊技盤構成を概念的に例示する正面図である。また、図48は、図46の遊技機の斜視図であり、図49は、図46の遊技機の扉部の裏側構成を概念的に示す斜視図である。図50は、実施形態1の遊技機の要部断面構成を例示するものであり、図46のF−F断面付近を概念的に示す図である。上記実施形態と同様に、パチンコ機1は、遊技盤7を備えており、さらに、遊技盤7の前方にて開口するように構成される窓部3cを有し、図49のように遊技機本体1aに対し開閉可能に構成された扉部3が設けられている。さらに、遊技盤7の前方をカバーするように2枚の透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)が、環状の透明板保持部83に保持されるようにして設けられている。
そして、本実施形態では、図50に示すように、この透明板保持部83に、絵柄表示可能な保持部側表示パネル540(第2表示部材に相当する)が取り付けられており、この保持部側表示パネル540によって保持部側表示領域549が構成されている。また、保持部側表示パネル540に隣接して端部側表示パネル530(第1表示部材に相当する)が設けられて端部側表示領域539が構成され、これら端部側表示パネル530及び保持部側表示パネル540によって連なる表示領域が構成されている。本実施形態では、第2表示部材たる保持部側表示パネル540の表示面全体が第2傾斜表示面542とされており、第1表示部材たる端部側表示パネル530の表示面全体が第1傾斜表示面532とされ、これらが互いに連なる表示領域を構成している。
図50に示すように、保持部側表示パネル540はベース部85に取り付けられており、このベース部85は、この透明板保持部83に対して着脱可能に取り付けられている。これによりメンテナンス等の際に、透明板保持部83の全部を交換せずとも保持部側表示パネル540のみを交換できる構成となっている。具体的には、例えば、ベース部85を係合爪やねじ等の締結部材を用いて透明板保持部83に対し着脱可能に取り付けることができる。
上記のような構成とせずに、ベース部85を、透明板保持部83の一部として形成してももよい。このようにすれば、簡易にかつ安価にベースを構成でき、部品管理も行いやすい。具体的には、例えば、透明板保持部83の本体とベース部85とを樹脂成型により一体的に形成することができる。なお、ここでいう透明板保持部83の本体とは、透明板を保持する部分のうち、ベース部85(即ち保持部側表示パネル540)を除いた部分を意味する。また、この場合、ベース部85と、透明板保持部83の本体とを樹脂材料により一体的に形成することができる。このようにすれば、ベース部85をより一層簡易に、かつ安価に構成できる。
また、図46、図50に示すように、保持部側表示パネル540は、窓部3cの開口縁位置に設けられている。従って、窓部3cの開口領域内(即ち視認可能領域93内)において最も外側(周縁側)に保持部側表示パネル540が配置されることとなる。なお、本実施形態では、窓部3cの開口端部と、保持部側表示パネル540の端部とがほぼ同位置とされているが、窓部3cの開口端部と、保持部側表示パネル540の一部とが前後に重なるように構成されていてもよい。
また、図46に示すように、本実施形態では、仕切部(レール部22及び樹脂仕切部23)によって遊技盤7の前面7dに沿って囲まれるようにして、遊技球が打ち込まれる遊技領域90aが構成されており、保持部側表示パネル540は、遊技領域90aの外側のみに配置されている。
また、図50に示すように、保持部側表示パネル540の前面を構成する第2傾斜表示面542は、遊技盤7の前面7dに対して傾斜し、表示面積の確保が図られている。さらに、遊技盤7の前面7dと平行な面方向に関し、保持部側表示パネル540は、遊技領域90aの中心G1(図46参照)側の方よりも外側(正面視した場合における遊技機外縁側)のほうが前面(第2傾斜表示面542)が前方位置となるように傾斜している。これにより、保持部側表示パネル540が遊技領域90a側のほうへ若干向く構成となり、保持部側表示パネル540と遊技領域90aの両方を共に見やすくなっている。また、保持部側表示パネル540は、前面540aのほぼ全体が平坦に構成されている。
図50のように、保持部側表示パネル540は、前方ガラス51と後方ガラス51の間に構成された透明板間領域200に配置されている。これにより、2枚の透明板によって遊技盤7の前方及び後方カバーでき、かつそのような構成において保持部側表示パネル540を効率よく配置できる。また、透明板保持部83は、両ガラス51,52の周縁部に環状に配置され、両ガラス51及び52の周縁部全体を保持する枠体として構成されており、両ガラス51、52を安定的に保持できる構成となっている。具体的には、透明板保持部83と両透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)とは接着媒体により接合されており、両透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)が透明板保持部83に簡易にかつ強固に保持されている。なお、透明板保持部83と両透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)とが、着脱可能に構成されていてもよい。このようにすれば、メンテナンス等を行いやすい構成となる。
図50に示すように、保持部側表示パネル540は、後端部540bが後方ガラス51の近傍に配置され、前端部540cが前方ガラス52及び窓部3cの近傍に配置されている。また、遊技領域90aの中心G1(図46参照)側の端部540dが遊技領域の境界90付近に配置されており、外側(中心G1から離れる側)の端部540eは窓部3cの開口端縁とほぼ同位置か開口端縁よりも外側に配置される。
本実施形態では、遊技盤7の前面7dと平行な面方向において、保持部側表示パネル540と端部側表示パネル530とが隙間を隔てないで隣接している。具体的には、保持部側表示パネル540の端部540dと端部側表示パネル530の端部530eとが、所定範囲に亘り隙間を隔てないで配置されている。これにより、面方向における両部材の連携性が極めて高くなり、両部材が一体的な表示領域として把握されやすくなっている。
端部側表示パネル530は、遊技領域90aの外側において、遊技領域90aの境界90に隣接して配置され、装飾等にあまり用いられない遊技領域外のスペースを効率的に利用した配置が図られている。また、この構成によれば、遊技領域外のスペースを効果的に目立たせることができる。
端部側表示パネル530は、遊技盤7の前面7d(盤面)と平行な面方向における保持部側表示パネル540と隣接する側の端部(即ち端部530e)が前端部530cとされている。このようにすれば、前後方向において端部側表示パネル530が保持部側表示パネル540とより近づくため、双方の関連性をより高めることができる。また、端部側表示パネル530の前端部530cは、遊技盤7の前面7dよりも前方位置とされている。これにより、端部側表示パネル530がより遊技者側に近づく構成となり、かつ端部側表示パネル530を保持部側表示パネル540と関連させやすくなっている。また、端部側表示パネル530の遊技領域中心側の端部(即ち端部530d)は当該端部側表示パネル530の後端部530bとされており、この後端部530bが遊技盤7に埋設される遊技盤表示パネル120に近接している。これにより端部側表示パネル530と遊技盤表示パネル120との連携性が図られる。一方、保持部側表示パネル540は、遊技盤7の前面7dと平行な面方向における保持部側表示パネル540と隣接する側の端部(即ち端部540d)が後端部540bとされている。また、保持部側表示パネル540の後端部540bは、後方ガラス51の前面よりも前方位置とされている。これにより、保持部側表示パネル540がより遊技者側に近づく構成となり、保持部側表示パネル540の装飾性が高められる。
また、保持部側表示パネル540の前面(第2傾斜表示面542)が、遊技盤7の前面7dに対して傾斜しており、より具体的には、前面(第2傾斜表示面542)は、端部側表示パネル530側がそれとは反対側よりも後方位置となるように傾斜している。また、端部側表示パネル530の前面(第1傾斜表示面532)が、遊技盤7の前面7dに対して傾斜しており、前面(第1傾斜表示面532)は、保持部側表示パネル540側がそれとは反対側よりも前方位置となるように傾斜している。これにより、保持部側表示パネル540と端部側表示パネル530の前後方向における位置的な関連性がより一層高められている。また、端部側表示パネル530は、前面(第1傾斜表示面532)のほぼ全体が平坦に構成されている。これにより、端部側表示パネル530が視認されやすくなっている。
(連なる表示領域の構成)
図46ないし図50に示すように、遊技盤7には、端部側表示パネル530を含め複数の表示部材(中央表示装置5、中央枠表示パネル110、遊技盤表示パネル120、及び端部側表示パネル530)が隣接して配置されている。中央表示装置5、中央枠表示パネル110、遊技盤表示パネル120、及び端部側表示パネル530によって中央表示領域105(以下、表示領域105ともいう)、中央枠表示領域119(以下、表示領域119ともいう)、遊技盤表示領域129(以下、表示領域129ともいう)、端部側表示領域539(以下、表示領域539ともいう)が構成されており、これらが連なることにより広範囲に亘る遊技盤側表示領域100が構成されている。
ここでは、中央表示装置5と中央枠表示パネル110とが、及び、中央枠表示パネル110と遊技盤表示パネル120とが、遊技盤7の前面7dと平行な面方向に関し、わずかな隙間を隔てて近接している。また、遊技盤表示パネル120と端部側表示パネル530とは、前面7dと平行な面方向に関し隙間を隔てずに配置されている。
さらに、本実施形態では、上述の遊技盤側表示領域100と隣接して遊技盤外表示領域0が設けられている。遊技盤外表示領域160は遊技盤以外に取り付けられた複数の表示パネルによって構成されており、具体的には、第1表示部材、透明板間表示部材に相当する上述の保持部側表示パネル540と、扉部に配置された、第3傾斜表示面552を有する扉表示パネル550(第3表示部材に相当する)によって構成されている。即ち、保持部側表示パネル540によって構成される保持部側表示領域549と扉表示パネル550によって構成される扉表示領域559とが連なることにより遊技盤外表示領域が構成されている。
本実施形態では、遊技機の前面部に設けられた扉部3において、遊技盤7の前面7dに対して傾斜する第3傾斜表示面552を備えた扉表示パネル550が、保持部側表示パネル540と連なる表示領域を構成するように設けられている。この構成では、遊技盤7に取り付けられる第1表示部材、透明板保持部材83に取り付けられる第2表示部材、及び扉部3に設けられる第3表示部材によって、横方向及び前後方向に亘ってより一層広範囲にわたる表示領域を立体感高く構成できると共に、表示をより遊技者側に近づけることが可能となり、従来あまり注目されていなかった扉部に対して遊技者の注目を効果的に集めることができる。
また、第2表示部材及び第3表示部材は、共に、窓部3cの開口部の内周縁に隣接して設けられているため、第2表示部材及び第3表示部材が極めて近接する構成となり、連携性が一層高くなる。また、遊技盤の前面と平行な面方向に関して、第2表示部材と第3表示部材とが隙間をあけずに設けられているため、広範囲に亘る表示領域がより連続性高く構成されることとなり、正面視した場合の視認性、表示の連続性がより良好なものとなっている。
なお、端部側表示パネル530、保持部側表示パネル540、扉表示パネル550、その他の表示パネル110、120は、実施形態1に示す遊技盤表示パネル600(図6参照)と同様の、フルカラーELディスプレイとして構成されている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、特許請求の範囲における「第1表示部材」に相当する遊技盤側表示パネル600、或いは、「第2表示部材」に相当する扉表示パネル150をフルカラーELディスプレイによって構成したが、各表示部材を配置するスペースに設置可能なものであれば、いずれの表示パネルについても、液晶ディスプレイなど他の種類の表示部材によって構成することができる。
(2)上記いずれの実施形態においても、第1表示部材、第2表示部材、中央表示装置を「絵柄表示可能」に構成できる。絵柄表示可能な構成は、キャラクターなどの絵柄や、文字、記号などの少なくともいずれかが表示可能であればよく、ELパネルや液晶パネルのみならず、複数のLEDが並んで構成されるドットマトリックス式の表示装置による表示などであってもよい。
(3)上記実施形態の連通部の代わりに、第1透明板に形成された貫通孔による連通部を用いてもよい。また、上記実施形態の連通部の代わりに、透明板保持部に形成された凹部による連通部を用いてもよい。このような概念は、上記いずれの実施形態にも適用できる。
(4)上記実施形態では、2枚の透明板(第1透明板及び第2透明板)を備えた構成を例示したが、少なくとも2枚の透明板を有していれば、透明板の数は、3枚、4枚等の多数であってもよい。