従来、遊技機の装飾効果を高めようと様々な技術が開示されているが、遊技機において装飾に利用できるスペースは限られているため、構成上制約が多い。例えば、表示装置によって興趣を高めうる表示を行おうとしても、従来の遊技機では、表示部の主たる配置スペースである遊技領域が広さ的に限られているため、表示部の配置位置、形状、大きさ等の制約を受けることが多く、その結果、表示部が画一的になりがちであった。また、一般的に表示装置としては、液晶表示装置を遊技領域の中央に一つのみ設けることが多く、従来の遊技機では、この単一の表示装置においていかに斬新性に富む表示を行うか、専ら表示内容のみに工夫を凝らしていた。
このような状況において、特許文献2では、表示部の構成自体を斬新なものとする技術が提供されている。この技術では、複数の表示部を遊技領域中央に集中させて配置し、表示を行うようにしている。この技術では、従来単一のものばかりであった表示装置を複数設け、双方を関連させて表示を行っているため、確かに、従来のものより表示バリエーションが多くなり、ある程度の装飾効果は期待できる。しかしながら、このように遊技領域中央に表示部を配置するという概念のみでは、表示効果が遊技盤における遊技領域中央のみにしか及ばず、従来に近い装飾となってしまう。
さらに、特許文献3の技術では、ガラス板にエレクトロルミネッセンスにて構成されたパネルを設け、そのパネルにおいて表示を行う技術が開示されている。また、特許文献4、5の技術では、2枚のガラスの間に表示部材を配置する技術が開示されている。これら技術では、遊技者に対してある程度近い位置で表示を行うことができる。しかしながら、上記特許文献3ないし5の構成では、単一の部品に単一の表示部材を配置する構成をとっており、かつその単一の表示部材を平面的に配置する構成をとっているため、どうしても立体感に欠ける構成となってしまい、また、その装飾効果も、前後方向に関してはガラス間までしか及ばない。
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであって、遊技者に対してより近い位置で立体感高く表示を行いうる構成を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために有効な手段等を以下に示す。なお、必要に応じてその作用効果等についても説明する。
手段1.遊技盤と、
開口する窓部を備え、遊技機本体に対して開閉可能に構成された扉部と、
前記遊技盤の前方をカバーするように設けられた1又は複数の透明板と、
前記透明板を保持する透明板保持部と、
を備えた遊技機であって、
前記透明板保持部によって形成される、又は前記透明板保持部に取り付けられるベース部に取り付けられる第1表示部材と、
前記扉部に取り付けられる第2表示部材と、
を有し、
前記第1表示部材と、前記第2表示部材とにより連なる表示領域が構成されていることを特徴とする遊技機。
手段1(請求項1)の遊技機によれば、透明板保持部に取り付けられる第1表示部材と、扉部に取り付けられる第2表示部材とが連なる構成をなすため、透明板付近から扉部にまで及ぶといった広範囲に亘る表示領域が構成される一方で、透明板付近のみならず扉部にまで表示が及ぶため、遊技者のより近くで立体感高く表示を行うことができる。
請求項1(手段1)における、「前記第1表示部材と、前記第2表示部材とにより連なる表示領域が構成されている」とは、遊技盤の前面と平行な面方向において前記第1表示部材と、前記第2表示部材とが隙間を隔てずに隣接して連なっていてもよく、遊技盤の前面と平行な面方向において前記第1表示部材と前記第2表示部材とわずかな隙間を隔てて近接して連なっていてもよい。また、遊技機の前後方向に対して斜めから見た場合に、第1表示部材と第2表示部材とが連なるように把握できる構成であってもよい。即ち、遊技盤の前面と平行な面方向と交差する面方向において、前記第1表示部材と、前記第2表示部材とが隙間を隔てずに隣接して連なっていてもよく、当該交差する面方向において、前記第1表示部材と前記第2表示部材とわずかな隙間を隔てて近接して連なっていてもよい。
なお、本明細書を通して、遊技機の前後方向とは、遊技盤において遊技球が流下する側の外面(遊技盤において遊技球が流下する側の外面を「前面」とする)と直交する方向(即ち遊技機の奥行き方向)を意味し、遊技者側(即ち当該遊技機の使用時に遊技者が対面する側)を前側、遊技機裏側(即ち遊技者からみて奥側)を後側とする。また、遊技機の上下方向とは、当該遊技機の高さ方向であり、左右方向は前後方向及び高さ方向と直交する横方向のことである。
本明細書において、「遊技領域」とは、打ち込まれた遊技球が流下可能となるように仕切部によって囲まれた領域をいい、遊技球が流下可能となる流下可能領域の最外縁よりも内側の領域が遊技領域である。
なお、本明細書において、第1表示部材及び第2表示部材は、いずれにおいても「絵柄表示可能」に構成できる。絵柄表示可能な構成は、キャラクターなどの絵柄や、文字、記号などの少なくともいずれかが表示可能であればよく、ELパネルや液晶パネルのみならず、複数のLEDが並んで構成されるドットマトリックス式の表示装置をも含む概念である。
手段2.前記第1表示部材は、前記1又は複数の透明板の前方に配置された前方表示部材からなることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技盤において特別な取り付けスペースを設けることなく、遊技盤以外において適切な配置場所を確保できる構成となる。また、透明板の前方位置に第1表示部材を配置しているため、第1表示部材がより遊技者に近い状態となる。その結果、遊技者が表示を見やすくなり、かつ第1表示部材が立体感高く把握され、ひいては装飾性が効果的に高められる。
即ち、特許文献3ないし5の構成では、単一の部品に単一の表示部材を配置する構成をとっており、かつその単一の表示部材を平面的に配置する構成をとっているため、どうしても立体感に欠ける構成となってしまうことが懸念されるが、手段2の構成によればこの問題を効果的に解消できる。
手段3.前記第1表示部材は、前記1又は複数の透明板の後方に配置された後方表示部材からなることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技盤において特別な取り付けスペースを設けることなく、遊技盤以外において適切な配置場所を確保できる構成となる。これにより、数多くの部品が混在して配置スペースの制約が大きい遊技盤にあまり影響を及ぼすことなく表示部材を配置でき、かつ、遊技盤を交換するいわゆる板替えの際に、第1表示部材を交換後の遊技盤に簡単に再利用できる構成となる。
また、透明板の後方位置に後方表示部材を配置しているため、後方表示部材がより遊技盤に近い状態となり、第1表示部材と遊技盤の装飾との連携性が高まる。
手段4.遊技盤の前方に配置される第1透明板と、
前記第1透明板の前方に配置される第2透明板とを有し、
前記第1表示部材は、前記第1透明板と前記第2透明板との間に配置された透明板間表示部材からなることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすれば、透明板間の領域を有効に利用して広範囲に亘る表示領域を構成できることとなる。この構成では、単に透明板間のみに表示部材を配置するのではなく、透明板間の表示部材と扉部の表示部材とを連ねているため、透明板間から扉部にまで連なって表示が及ぶように、前後方向において連続性高く、かつ立体感高く表示を連携させることができ、その一方で、横方向(即ち、遊技盤の前面(盤面)と平行方向)の連携をも確保できることとなり、両表示部材の一体感が極めて高くなる。
即ち、特許文献3ないし5の構成では、単一の部品に単一の表示部材を配置する構成をとっており、かつその単一の表示部材を平面的に配置する構成をとっているため、どうしても立体感に欠ける構成となってしまうことが懸念されるが、手段4の構成によればこの問題を効果的に解消できる。
また、2つの透明板間に第1表示部材が介在するため、第1表示部材に生じる汚れを効果的に防止できる。
手段5.遊技盤と、
開口する窓部を備え、遊技機本体に対して開閉可能に構成された扉部と、
前記遊技盤の前方をカバーする第1透明板と、
前記第1透明板の前方に配置される第2透明板と、
前記第1透明板と前記第2透明板とを保持する透明板保持部と、
を備えた遊技機であって、
前記第1透明板及び前記第2透明板の間に配置される第1表示部材と、
前記扉部に取り付けられる第2表示部材と、
を有し、
前記第1表示部材と、前記第2表示部材とにより連なる表示領域が構成されていることを特徴とする遊技機。
手段5(請求項2)の構成によれば、透明板間の領域を有効に利用して広範囲に亘る表示領域を構成できることとなる。特にこの構成では、単に透明板間のみに表示部材を配置するのではなく、透明板間の表示部材と扉部の表示部材とを連ねているため、透明板間から扉部にまで連なって表示が及ぶように、前後方向において連続性高く、かつ立体感高く表示を連携させることができ、その一方で、横方向(即ち、遊技盤の前面(盤面)と平行方向)の連携をも確保できることとなり、両表示部材の一体感が極めて高くなる。
手段6.前記第1表示部材を取り付けるためのベース部が、前記透明板保持部に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする手段1ないし手段5のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、メンテナンス等の際に、透明板保持部を交換せずとも第1表示部材のみを交換できる構成となる。即ち、透明板保持部に第1表示部材を取り付けるようにすると、透明板保持部に透明板と第1表示部材という2つの消耗部品が配置されることとなるため、各部品の状態に応じて適切なメンテナンスを行う必要があるが、本構成によれば、各部品毎に独立したメンテナンスが可能となる。
例えば、ベース部を係合爪やねじ等の締結部材を用いて透明板保持部に対し着脱可能に取り付けることができる。
なお、手段1ないし手段5のいずれかに記載のものにおいて、前記第1表示部材を取り付けるためのベース部が、前記透明板保持部の一部として形成されていてもよい。このようにすれば、簡易にかつ安価にベース部を構成でき、部品点数を効果的に削減できる。このようにベース部を透明板保持部の一部として構成する場合、例えば、透明板保持部の本体とベース部とを樹脂成型により一体的に形成することができる。なお、本明細書において透明板保持部の本体とは、透明板を保持する部分のうち、ベース部(即ち第1表示部材が取り付けられる部分)を除いた部分を意味する。
手段7.前記透明板保持部は、前記扉部に形成された窓部によって前方をカバーされており、正面視した場合に当該透明板保持部全体が視認不能となるように構成されていることを特徴とする手段1ないし手段6のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、前方から正面視する遊技者に対して、透明板保持部を視認不能としつつ第1表示部材のみを視認させることができ、デザイン的に優れた構成となる。また、表示部材を視認可能とした上で、透明板保持部と透明板との接続構造を一般遊技者に視認させないように構成でき、防犯性をも高めることができる。
手段8.前記第1表示部材の後方において、遊技球が流下可能となる流路が設けられていることを特徴とする手段1ないし手段7のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、遊技盤の前面と平行な面方向に関して、第1表示部材と流路とを同一領域に配置することができ(即ち、前後に重なるように配置することができ)、スペース的なメリットの大きい構成となる。
手段9.前記第1表示部材は、前記遊技盤の設けられた遊技盤表示部材とが連なるように構成されており、
前記遊技盤表示部材、前記第1表示部材、及び前記第2表示部材により連なる表示領域が構成されていることを特徴とする手段1ないし手段8のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第1表示部材が第2表示部材のみならず遊技盤表示部材とも連なることなり、一層広範囲に亘る表示領域を構成できる。
手段10.前記第1表示部材の一部と、遊技盤の設けられた遊技盤表示部材の一部とが前後に重なるように構成されており、その重なる重畳領域において、前記第1表示部材と前記遊技盤表示部材との間の位置に遊技球の流路の一部が構成されていることを特徴とする手段9に記載の遊技機。
このようにすれば、第1表示部材と遊技盤表示部材とを連続性高く配置できる好適な構成となり、それら連続部分を遊技球の流路にも利用できることとなる。また、多少斜めから見た場合であっても、第1表示部材と遊技盤表示部材とが連続性高く把握されることとなる。
手段11.前記第1透明板及び前記透明板保持部の少なくともいずれかには、前記第1透明板よりも前方位置であって、かつ前記第2透明板の後方側に構成される透明板間領域を、当該透明板間領域の外部と連通させる連通部が形成されており、
前記第1表示部材は、前記透明板間領域の内部に配置され、かつ前記連通部を介して前記透明板間領域の外部に固定されるように設けられていることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
この構成では、連通部を介して第1表示部材を透明板間領域の外部に固定しているため、第1表示部材を簡易にかつ安定して配置できる。また、第1表示部材を透明板間表示領域の外部に固定しているため、両透明板が装着される扉部を軽量化でき、頻繁に開閉操作が行われる扉部を、より開閉しやすく耐久性の高い構造とすることができる。その上、第1表示部材が透明板間領域の内部に装着されるのではなく、外部に固定されているため、メンテナンスを行いやすい構成となる。
手段12.遊技盤と、
開口する窓部を備え、遊技機本体に対して開閉可能に構成された扉部と、
前記遊技盤の前方をカバーする第1透明板と、
前記第1透明板の前方に配置される第2透明板と、
前記第1透明板及び前記第2透明板を保持する透明板保持部と、
を備えた遊技機であって、
前記第1透明板及び前記透明板保持部の少なくともいずれかには、前記第1透明板よりも前方位置であって、かつ前記第2透明板の後方側に構成される透明板間領域を、当該透明板間領域の外部と連通させる連通部が形成されており、
前記透明板間領域の内部には、第1表示部材が配置され、この第1表示部材は、前記連通部を介して前記透明板間領域の外部に固定されており、
前記第1表示部材と、前記扉部に取り付けられる第2表示部材とにより連なる表示領域が構成されていることを特徴とする遊技機。
手段12(請求項3)の構成によれば、遊技者により近い位置で表示を行うことができ、かつ、立体感高く表示を行うことができる。
また、連通部を介して第1表示部材を透明板間領域の外部に固定しているため、第1表示部材を簡易にかつ安定して配置できる。
また、第1表示部材を透明板間表示領域の外部に固定しているため、両透明板が装着される扉部を軽量化でき、頻繁に開閉操作が行われる扉部を、より開閉しやすく耐久性の高い構造とすることができる。
その上、第1表示部材が透明板間領域の内部に装着されるのではなく、外部に固定されているため、メンテナンスを行いやすい構成となる。
手段13.前記扉部を前記遊技機本体に対して開放するように開けた際に、前記第1表示部材が前記透明板間領域から前記連通部を介して抜け、当該扉部と前記第1表示部材とが離間するように構成されていることを特徴とする手段11又は手段12に記載の遊技機。
このようにすれば、扉部の開放に伴って第1表示部材が操作容易な位置とされるため、簡単に第1表示部材にアクセスすることができ、より一層メンテナンスが行いやすくなる。
なお、手段11、手段12(請求項3)、及び手段13のいずれかにおける連通部としては、透明板に形成された切欠部や開口部であってもよく、透明板保持部に形成された切欠部や開口部であってもよい。また透明板と透明板保持部の両方によって切欠部や開口部が構成されていてもよい。
手段14.前記第1表示部材は、前記遊技盤に固定される遊技盤固定ベース部に取り付けられていることを特徴とする手段11ないし手段13のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第1表示部材を安定して固定できる好適な構成となる。
手段15.前記第1表示部材は、前記透明板間領域の内部と外部とに跨るように配置されていることを特徴とする手段1ないし手段14のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、前後方向において、表示領域をより広く確保できる構成となり、かつ立体感が極めて高まる。
手段16.前記第1表示部材が遊技領域の中央に配置される中央表示装置と隣接して配置され、
前記中央表示装置、前記第1表示部材、及び前記第2表示部材により連なる表示領域が構成されていることを特徴とする手段1ないし手段15のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、極めて広範囲にわたる表示領域を、立体感高く構成できることとなり、装飾性及び表示の自由度を一層高めることができる。なお、手段16の構成において、「遊技領域の中央に配置される」とは、遊技盤の前面と平行な面方向に関して、中央表示装置による表示領域の内部領域に遊技領域の重心が位置するように当該中央表示装置が配置されることをいう。
手段17.前記遊技盤固定ベース部は、前記中央表示装置と隣接し、かつ遊技領域の内部と外部に跨るように配置されており、
前記遊技盤固定ベース部において、前記第1表示部材が、前記遊技領域の内部から外部に及び、かつ前記透明板間領域の外部から内部に及ぶように取り付けられていることを特徴とする手段15に記載の遊技機。
このようにすれば、極めて広範囲にわたる表示領域を、立体感高く構成できる好適な構成となる。
手段18.前記第1表示部材は、遊技領域の外部において前記遊技盤に固定される遊技盤固定ベース部において、前記遊技盤の前面から離れた位置に取り付けられており、
前記第1表示部材の後方において、遊技球が流下可能となるように構成されていることを特徴とする手段11ないし手段17のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第1表示部材の配置が遊技球の流下を阻害しない好適な構成となり、表示領域を確保しながらも、遊技球の流下領域をより大きく構成できる。
手段19.前記第1表示部材は透明性を有しており、前記第1表示部材を介して、前方より遊技球の流下が視認可能とされていることを特徴とする手段18に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技球の流路の前方に第1表示部材を配置しながらも、遊技球の流下が視認できる構成となり、第1表示部材が設けられる領域において、第1表示部材による表示と遊技球の流下との双方によって興趣を効果的に高めることができる。
手段20.前記第1表示部材の後方において、釘部材を配置する釘部材配置領域が構成されていることを特徴とする手段18又は手段19に記載の遊技機。
このようにすれば、釘部材による流下調整が阻害されることなく第2表示部材での表示が可能となる。
なお、手段1ないし手段20のいずれかに記載のものにおいて、前記第1表示部材と、前記遊技盤の中央位置に設けられた中央表示部材との間に、釘部材が配置される釘部材配置領域が構成されていてもよい。このようにすれば、第1表示部材と中央表示部材の間において釘部材による流下調整が阻害されることなく関連表示が行われる好適な構成となる。例えば、第1表示部材と中央表示部の間を通過する遊技球の速度を抑制したり、流下に面白みをもたせることができ、遊技興趣を効果的に高めることができる。
手段21.前記遊技盤の前面と平行な面方向において、前記第1表示部材と前記第2表示部材とが隙間を隔てないで隣接していることを特徴とする手段1ないし手段20のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、面方向における両部材の連携性が極めて高くなる。
手段22.前記第1表示部材の端部と前記第2表示部材の端部とが、前記遊技盤の前面と平行な面方向における所定範囲に亘り隙間を隔てないで配置されていることを特徴とする手段21に記載の遊技機。
このようにすれば、面方向における両部材の連携性が極めて高くなり、両部材が一体的な表示領域として把握されやすい構成となる。
手段23.前記遊技盤の前面と平行な面方向における前記第1表示部材と前記第2表示部材との最短距離が遊技球の径未満となるように近接していることを特徴とする手段1ないし手段20のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、面方向における両部材の連携性が高くなる。
手段24.前記第1表示部材は、遊技領域の外側のみに配置されていることを特徴とする手段1ないし手段23のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、あまり表示に利用されていない遊技領域外のスペースを効率的に利用して表示が行えることとなる。また、遊技領域外のスペースを効果的に目立たせることができる。
手段25.前記第1表示部材の周縁部が、前記遊技領域の周縁に沿って構成されていることを特徴とする手段24に記載の遊技機。
このようにすれば、第1表示部材をスペース的に限られた遊技領域外に配置する上で、効率的な配置が可能となる。
手段26.前記第1表示部材は、前記遊技領域の外部から内部にまで及ぶように配置されていることを特徴とする手段1ないし手段23のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第1表示部材自体を斬新な配置構成としつつ、第2表示部材と関連させて広範囲に及ぶ表示を行うことができる好適な構成となる。
手段27.前記第1表示部材は、前記遊技盤の前面と平行な面方向における前記第2表示部材と隣接する側の端部が前端部とされていることを特徴とする手段1ないし手段26のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、前後方向において第1表示部材が第2表示部材とより近づく構成となるため、関連性を高めることができる。
手段28.前記第1表示部材の後端部は、前記第1透明板の前面よりも前方位置とされていることを特徴とする手段1ないし手段27のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第1表示部材がより遊技者側に近づく構成となり、第1表示部材の装飾性が高まる。
手段29.前記第2表示部材は、前記遊技盤の前面と平行な面方向における前記第1表示部材と隣接する側の端部が後端部とされていることを特徴とする手段1ないし手段28のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、前後方向において第1表示部材が第2表示部材とより近づく構成となるため、関連性を高めることができる。
手段30.前記第2表示部材の後端部は、前記第2透明板の前面よりも前方位置とされていることを特徴とする手段1ないし手段29のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第2表示部材がより遊技者側に近づく構成となり、第2表示部材の装飾性が高まる。
手段31.前記第1表示部材の前面が、前記遊技盤の前面に対して傾斜していることを特徴とする手段1ないし手段30のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、表示面積をより広く確保しやすい好適な構成となり、かつ立体感を高めやすくなる。
手段32.前記第1表示部材の前面の少なくとも一部が、前記遊技盤の前面とほぼ平行となるように構成されていることを特徴とする手段1ないし手段30のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第1表示部材の少なくとも一部が正面から視認されやすい構成となる。
例えば、手段32に記載のものにおいては、第1表示部材の前面について、一部を遊技盤の前面とほぼ平行とし、それ以外の部分を遊技盤の前面と傾斜させるようにしてもよく、一部を遊技盤の前面とほぼ平行とし、それ以外の部分を曲面状に構成してもよい。また、第1表示部材の前面全体を遊技盤の前面と平行に構成してもよい。
手段33.前記第1表示部材は、前面のほぼ全体が平坦に構成されていることを特徴とする手段1ないし手段32のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第1表示部材が視認されやすくなる構成となり、また製造容易な形状となる。
手段34.前記第1表示部材は、前面の少なくとも一部が曲面状に構成されていることを特徴とする手段1ないし手段32のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、斬新な前面形状となり、かつ表示面積を効果的に確保できる。
なお、手段34に記載のものにおいては、第1表示部材の前面全体を曲面状に構成してもよく、一部のみを曲面状に構成してもよい。第1表示部材の前面の一部を曲面状に構成した場合、それ以外の部分は、例えば平坦に構成できる(曲面状の部分以外を平坦にする構成としては、遊技盤の前面と平行な平坦構成としてもよく、遊技盤の前面と傾斜した平坦構成としてもよい)。また、第1表示部材の前面を曲面状に構成する場合、例えば、遊技領域の中心側から外側につれて次第に前面が前方位置となるように曲面状に構成することができる。
手段35.前記第1表示部材の前面が、前記遊技盤の前面に対して傾斜していることを特徴とする手段1ないし手段34のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、表示面積をより広く確保しやすい好適な構成となり、かつ立体感を高めやすくなる。
手段36.前記第2表示部材の前面の少なくとも一部が、前記遊技盤の前面とほぼ平行となるように構成されていることを特徴とする手段1ないし手段34のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第2表示部材の少なくとも一部が正面から視認されやすい構成となる。
例えば、手段36に記載のものにおいては、第2表示部材の前面について、一部を遊技盤の前面とほぼ平行とし、それ以外の部分を遊技盤の前面と傾斜させるようにしてもよく、一部を遊技盤の前面とほぼ平行とし、それ以外の部分を曲面状に構成してもよい。また、第2表示部材の前面全体を遊技盤の前面と平行に構成してもよい。
手段37.前記第2表示部材は、前面のほぼ全体が平坦に構成されていることを特徴とする手段1ないし手段36のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第2表示部材が視認されやすくなる構成となり、また製造容易な形状となる。
手段38.前記第2表示部材は、前面の少なくとも一部が曲面状に構成されていることを特徴とする手段1ないし手段36のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、斬新な前面形状となり、かつ表示面積を効果的に確保できる。
なお、手段38に記載のものにおいては、第2表示部材の前面全体を曲面状に構成してもよく、一部のみを曲面状に構成してもよい。第2表示部材の前面の一部を曲面状に構成した場合、それ以外の部分は、例えば平坦に構成できる(曲面状の部分以外を平坦にする構成としては、遊技盤の前面と平行な平坦構成としてもよく、遊技盤の前面と傾斜した平坦構成としてもよい)。また、第2表示部材の前面を曲面状に構成する場合、例えば、遊技領域の中心側から外側につれて次第に前面が前方位置となるように曲面状に構成することができる。
手段39.前記遊技盤の前方に配置される第1透明板と、
前記第1透明板の前方に配置される第2透明板と、
を備え、
前記第2透明板は、平坦に構成される平板部と、その平板部よりも前方側に盛り上がる膨出部とを有してなり、
前記膨出部によって前記第1表示部材の少なくとも一部がカバーされるよう構成されていることを特徴とする手段1ないし手段38のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、斬新な透明板形状となり、かつ、第1表示部材を配置スペースをより広く確保できる構成となる。
具体的には、手段39の構成において、第1表示部材の全体が膨出部によってカバーされるように構成できる。
手段40.表示制御手段による表示制御により、前記第1表示部材及び前記第2表示部材において同一対象を示す絵柄が表示されるように表示制御を行うことを特徴とする手段1ないし手段39のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、両表示部材で同一対象の絵柄が把握できることとなり、連携性の高い表示となる。「同一対象の絵柄」としては、同一キャラクターの絵柄、同一の風景、動植物などの絵柄などが挙げられ、同一対象と把握できるものであれば、第1表示部材と第2表示部材とで形状や態様が若干異なったものが表示されていてもよい。
手段41.表示制御手段による表示制御により、前記第1表示部材及び前記第2表示部材のいずれか一方の表示部材で表示されていた特定絵柄が他方の表示部材へ移るように関連表示がなされることを特徴とする手段1ないし手段40に記載の遊技機。
このようにすれば、絵柄の表示が単一の表示部材のみで行われるのではなく、複数の表示部材において連携の高い表示がなされるため、斬新な表示態様となる。
手段42.前記特定絵柄は、キャラクター絵柄からなり、
前記表示制御手段による表示制御により、前記第1表示部材及び前記第2表示部材のいずれか一方の表示部材で表示されていたキャラクター絵柄が他方の表示部材へ移るように関連表示がなされることを特徴とする手段41に記載の遊技機。
このようにすれば、キャラクターの動きが単一の表示部材のみで完結するのではなく、複数の表示部材に及ぶため、キャラクターの効果を広範囲に及ばせることができ、表示のバリエーションも高めることができる。
手段43.前記表示制御手段による表示制御により、前記特定絵柄の表示が、前記第1表示部材及び前記第2表示部材において、遊技領域の中心側から外側に向かって移るように関連表示がなされることを特徴とする手段41又は手段42に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技者の注目を集めやすい遊技領域中心側の表示効果を遊技領域外側に向かって及ばせることができる。
手段44.前記表示制御手段による表示制御により、前記特定絵柄の表示が、前記第1表示部材及び前記第2表示部材において遊技領域の外側から中心側に向かって移るように関連表示がなされることを特徴とする手段41又は手段42記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域の外側から中心側に向かって特定表示が移るという今までにない表示バリエーションを加えることができる。
手段45.表示制御手段による表示制御により、前記第1表示部材及び前記第2表示部材において同種の背景画像が表示されるように関連表示がなされることを特徴とする手段1ないし手段44のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第1表示部材と第2表示部材とが連携性高く把握されやすい表示態様となる。
手段46.前記表示制御手段による表示制御により、前記第1表示部材及び前記第2表示部材において同一色を主体とした背景画像が表示されるように関連表示がなされることを特徴とする手段1ないし手段44のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、第1表示部材及び第2表示部材がより一層連携性高く把握されることとなる。なお、同一色を主体とした背景画像が表示される状態とは、各表示部材の背景画像において最も広い面積を占めるそれぞれの色が同一色である状態をいう。
手段47.表示制御手段により、前記第1表示部材及び前記第2表示部材での関連表示が、特定遊技条件の成立に基づいて行われるように制御されることを特徴とする手段1ないし手段46のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、広範囲にわたる連携性の高い表示により特定遊技条件をより盛り上げることができる。
手段48.前記特定遊技条件の成立は、大当り状態、確率変動状態、リーチ状態、リーチ予告状態、時短状態のうちから選ばれるいずれかの状態の成立であることを特徴とする手段47に記載の遊技機。
上記のような、大当り状態、確率変動状態、リーチ状態、リーチ予告状態、時短状態は、遊技者がより注目をする状態であるが、このような状態の発生と共に、上記のごとく広範囲にわたる連携性の高い演出を行えば、相乗的に印象度が増し、一層興味を引く構成となる。
手段49.表示制御手段による表示制御により、前記第1表示部材による特定表示と、前記第2表示部材による特定表示と、が少なくとも所定期間同時に行われるように関連表示がなされることを特徴とする手段1ないし手段48のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、各表示部材の特定表示が同時に把握されることとなり、より関連性の高い関連表示となる。なお、「前記第1表示部材による特定表示及び前記第2表示部材による特定表示」とは、上述の、前記第1表示部材及び前記第2表示部材における同種の背景画像(同一色の背景画像など)の表示や、前記第1表示部材及び前記第2表示部材における同一対象を示す特定絵柄(同一対象を示すキャラクター画像など)の表示などが挙げられる。例えば、前記第1表示部材及び前記第2表示部材における同種の背景画像(同一色の背景画像など)の表示が所定時間同時に行われるといった例や、前記第1表示部材及び前記第2表示部材における同一対象を示す特定絵柄の表示が所定時間同時に行われるといった例などが挙げられる。
手段50.表示制御手段による表示制御により、前記第1表示部材による特定表示の開始と、前記第2表示部材による特定表示の開始と、が同タイミングで行われるようにして関連表示が開始されることを特徴とする手段1ないし手段49のいずれかに記載の遊技機。
このように同タイミングで特定表示を行うようにすれば、関連表示を極めて連携性が高く開始できる。なお、「前記第1表示部材による特定表示及び前記第2表示部材による特定表示」とは、上述の、前記第1表示部材及び前記第2表示部材における同種の背景画像(同一色の背景画像など)の表示や、前記第1表示部材及び前記第2表示部材における同一対象を示す特定絵柄(同一対象を示すキャラクター画像など)の表示などが挙げられる。例えば、前記第1表示部材及び前記第2表示部材における同種の背景画像(同一色の背景画像など)の表示が同タイミングで開始されるといった例や、前記第1表示部材及び前記第2表示部材における同一対象を示す特定絵柄の表示が同タイミングで開始されるといった例などが挙げられる。
なお、手段1ないし手段49のいずれかに記載の遊技機において、前記表示制御手段による表示制御により、前記第1表示部材による特定表示と、前記第2表示部材による特定表示と、が予め定められた順序で行われるように構成されていてもよい。
このようにすれば、連携性が高まると共に、表示の流れを創出することができ、順序的な繋がりを強調できる。例えば、前記第1表示部材及び前記第2表示部材における同種の背景画像(同一色の背景画像など)の表示が予め定められた順序で行われるといった例や、前記第1表示部材及び前記第2表示部材における同一対象を示す特定絵柄の表示が予め定められた順序で行われるといった例などが挙げられる。より具体的には、第1表示部材におけるキャラクター絵柄の表示と、第2表示部材におけるキャラクター絵柄の表示とが、予め定められた順序で順番に行われるといった態様が考えられる。
手段1ないし手段50のいずれかに記載の遊技機において、前記透明板保持部を、前記透明板の周縁部に環状に配置される枠体によって構成することができる。このようにすれば、透明板を安定的に保持できる構成となる。この場合、前記遊技盤の前方に配置される第1透明板と、前記第1透明板の前方に配置される第2透明板との両透明板の周縁部全体を保持するように構成できる。
また、手段1ないし手段50のいずれかに記載の遊技機において、前記透明板保持部と前記透明板とを接着媒体により接合するように構成できる。このようにすれば、透明板を透明板保持部に簡易にかつ強固に保持できる構成となる。この場合、前記遊技盤の前方に配置される第1透明板と、前記第1透明板の前方に配置される第2透明板との両透明板の周縁部全体を接着媒体により透明板保持部に接合する構成とすることができる。
また、手段1ないし手段50のいずれかに記載の遊技機において、前記透明板保持部と前記透明板とが、着脱可能に構成されていてもよい。このようにすれば、第1表示部材のメンテナンスを行いやすい構成となる。
また、手段1ないし手段50のいずれかに記載の遊技機において、第1表示部材を、EL素子を有してなるELディスプレイによって構成できる。このようにすれば、狭いスペースで表示を行い得る好適な構成となる。この場合、例えば、前記第1表示部材は、フルカラーELディスプレイによって構成できる。このようにすれば、狭いスペースで自由度高い絵柄表示が可能となる。
また、手段1ないし手段50のいずれかに記載の遊技機において、前記第2表示部材についても、EL素子を有してなるELディスプレイによって構成できる。このようにすれば、狭いスペースで表示を行い得る好適な構成となる。この場合にも、前記第2表示部材を、フルカラーELディスプレイによって構成できる。このようにすれば、狭いスペースで自由度高い絵柄表示が可能となる。
請求項1(手段1)の構成によれば、透明板保持部に取り付けられる第1表示部材と、扉部に取り付けられる第2表示部材とが連なる構成をなすため、広範囲に亘る表示領域が構成される一方で、遊技者のより近くで表示が行われ、かつ遊技との連携性を適切に確保され、さらには立体感高く表示が行われることとなる。
請求項2(手段2)の構成によれば、透明板間の領域を有効に利用して広範囲に亘る表示領域を構成できることとなる。この構成では、単に透明板間のみに表示部材を配置するのではなく、透明板間の表示部材と扉部の表示部材とを連ねているため、透明板間から扉部にまで連なって表示が及ぶように、前後方向において連続性高く、かつ立体感高く表示を連携させることができ、その一方で、横方向(即ち、遊技盤の前面(盤面)と平行方向)の連携をも確保できることとなり、両表示部材の一体感が極めて高くなる。
請求項3(手段12)の構成によれば、遊技者により近い位置で表示を行うことができ、かつ、立体感高く表示を行うことができる。
また、連通部を介して第1表示部材を透明板間領域の外部に固定しているため、第1表示部材を簡易にかつ安定して配置できる。
また、第1表示部材を透明板間表示領域の外部に固定しているため、両透明板が装着される扉部を軽量化でき、頻繁に開閉操作が行われる扉部を、より開閉しやすく耐久性の高い構造とすることができる。
その上、第1表示部材が透明板間領域の内部に装着されるのではなく、外部に固定されているため、メンテナンスを行いやすい構成となる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図11を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態1に係る遊技機における遊技機を概念的に例示する正面図であり、図2はその遊技機の遊技盤構成を概念的に例示する正面図である。また、図3は、図1の遊技機の斜視図であり、図4は、図1の遊技機の扉部の裏側構成を概念的に示す斜視図である。図5は、実施形態1の遊技機の要部断面構成を例示するものであり、図1のA−A断面付近を概念的に示す図である。また、図6は、表示部材の構成を説明する説明図であり、図7は透明板保持部を例示する正面図及び断面図、図8は透明板保持部に透明板が保持された状態を例示する正面図及び断面図、図9は図7の透明板保持部を斜め前方からみた斜視図、図10は、その透明板保持部を斜め後方から見た斜視図である。図11は実施形態1に係る遊技機の電気的構成を例示するブロック図である。
(全体構成)
本実施形態に係る遊技機の一例たるパチンコ機1は、例えば遊技ホールに設置されたパチンコ島台のカウンタ台の上部にて複数横方向に並べられて設けられるものである。パチンコ機1は、図1に示すように、前部には前枠2が設けられ、さらにその前枠2に扉部3(具体的にはガラス扉枠として構成される扉部)が取付けられている。扉部3は、縦軸の回動軸を有するヒンジ部82,82により遊技機本体1a(前枠2及び機枠(図示略)を備えてなる本体部分)に対し開閉可能に支持され、かつガラス(透明板に相当)が嵌め込まれた樹脂あるいは金属材料のいずれかによって環状の枠体として構成される透明板保持部83(図1,4、5参照)とを備えている。ここでは環状に構成された樹脂製の透明板保持部83に二枚のガラス(前方ガラス52、後方ガラス51)が嵌め込まれてガラスユニット50が構成されており、透明板保持部83は、扉部3の本体部分3eに着脱可能に取り付けられている。また、前枠2(本体枠)もヒンジ81によって機枠に対して開閉可能に取り付けられている。
図4に示すように、扉部3の後方には、図2に示す遊技盤7が配置されている。図2に示すように、遊技盤7は仕切部に相当するレール22及び樹脂仕切部23によって略環状に囲まれた略円形の遊技領域90aを有し、その遊技領域90aには第1種始動口4、中央表示装置5(以下、単に表示装置5ともいう)及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4は遊技球の通路を備え、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持されている。中央表示装置5、例えば図柄を動的に表示する図柄表示装置として構成できる。図5に示すように、この表示装置5は、配置孔7aに一部が挿入されるかたちで遊技盤7に装着される周囲装飾部40に固定されている。なお、図2に示すように、レール22及び樹脂仕切部23に隣接して遊技球の衝突を受けるゴム製の衝突受け部65が設けられている。
図1に示すように、扉部3の下部には、賞球が払い出される上受け皿3aが装着されている。また、前枠2の窓孔より下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿2aは、前記上受け皿3aに入りきらない賞球や、上受け皿3aから球抜きした抜き球や、或いはファウル球等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け皿2aの右側方には遊技球を発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着されている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータか回動され、これにより打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構成されている。
図1、図2に示すように、表示装置5は、遊技領域90aの中央に設けられた中央表示装置に相当しており、第1種始動口4の上方に設けられ、例えば液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして、図2に概念的に示されるような左図柄列8、中図柄列9及び右図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列8乃至10は、数字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。
表示装置5では、図柄列8乃至10での図柄変動が、遊技球の第1種始動口4への入賞により開始される。図柄変動は左図柄列8、右図柄列10、中図柄列9の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列8乃至10での図柄変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止図柄の組合せを、以下「大当り図柄」という。本実施形態では、大当りラインとして、水平方向へ延びるもの(上・中・下の3種類)と、斜め方向へ延びるもの(右下がり・左下がりの2種類)の合計5種類存在するが、これに限られない。例えば、大当りラインの数が1つであり、通常、「1ライン」と呼ばれているものであってもよい。そして、大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
さらに、パチンコ機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、列10での図柄変動が、大当りライン上において左図柄列8での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、かつ、その後に中図柄列9での図柄変動が左右両図柄列8,10での停止図柄と同一種類の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。なお、このような遊技状態の発生の流れは後述する。
図2に示すように、大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は大入賞口用ソレノイド15(以下、単に「ソレノイド15」ともいう)により作動させられ、Vゾーン11及び通路12,13の各入口を開閉する。
図2に示すように、遊技盤7には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球Bの第1種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球BのVゾーン11への入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球Bの大入賞口6への入賞を検出する。また、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づきソレノイド15及び表示装置5、及び後述する保持部側表示パネル140をそれぞれ駆動制御するために、制御装置21が設けられている。
図11に示すように、制御装置21は読出し專用メモリ(ROM32)、中央処理装置(CPU31)、ランダムアクセスメモリ(RAM33)等を備えている。また、クロック回路34、バスライン35、入出力処理回路36も設けられている。ROM32は所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPU31はROM32の制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAM33はCPU31による演算結果を一時的に記憶する。尚、より詳細には、制御装置21は、図11のように、パチンコ機1の主制御を行うメイン基板30と、当該メイン基板30からの信号によって各部を制御するための表示制御基板(中央表示制御装置101、中央枠表示制御装置111、遊技盤表示制御装置121、端部側表示制御装置131、保持部側表示制御装置141、扉表示制御装置151を構成する基板)、音量調整基板(音声用制御装置41を構成する基板)、LED基板(図示略)、払出し制御基板(図示略)等の各種のサブ基板とを備えて構成されており、不正信号がメイン基板へ入力されることを防止するために、信号の伝送方向は、メイン基板からサブ基板への一方向のみとなっている。制御装置21は表示制御手段に相当する。
また、図11に示す中央表示制御装置101、中央枠表示制御装置111、遊技盤表示制御装置121、端部側表示制御装置131、保持部側表示制御装置141、扉表示制御装置151は、それぞれ、中央表示装置5、中央枠表示パネル110、遊技盤表示パネル120、端部側表示パネル130、保持部側表示パネル140、扉表示パネル150を表示制御可能に構成されており、メイン基板30からの信号に基づく画像を各表示部に表示するように制御を行う。各表示制御装置101、111、121、131、141、151には、図示しないROM、RAM、CPUなどが設けられており、メイン基板30からの制御信号に応じた画像を表示させるように構成されている。
また、CPU31による制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替えられる。すなわち、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)であると高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率モードに設定される。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
(第1表示部材)
図1ないし図5に示すように、パチンコ機1は、遊技盤7を備えており、さらに、遊技盤7の前方にて開口するように構成される窓部3c(扉部3における開口部が窓部3cに相当している)を有し、図4のように遊技機本体1aに対し開閉可能に構成された扉部3が設けられている。本明細書では、遊技機における扉部3以外の部分を遊技機本体1aとしている。さらに、遊技盤7の前方をカバーするように2枚の透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)が、環状の透明板保持部83に保持されるようにして設けられている。そして、本実施形態では、この透明板保持部83に、絵柄表示可能な保持部側表示パネル140が取り付けられており、この保持部側表示パネル140によって保持部側表示領域149が構成されている。また、保持部側表示パネル140に隣接して扉表示パネル150が設けられて扉表示領域159が構成され、これら保持部側表示パネル140及び扉表示パネル150によって連なる表示領域が構成されている。
図5に示すように、保持部側表示パネル140はベース部85に取り付けられており、このベース部85は、この透明板保持部83に対して着脱可能に取り付けられている。これによりメンテナンス等の際に、透明板保持部83の全部を交換せずとも保持部側表示パネル140のみを交換できる構成となっている。具体的には、例えば、ベース部85を係合爪やねじ等の締結部材を用いて透明板保持部83に対し着脱可能に取り付けることができる。
上記のような構成とせずに、ベース部85を、透明板保持部83の一部として形成してももよい。このようにすれば、簡易にかつ安価にベースを構成でき、部品管理も行いやすい。具体的には、例えば、透明板保持部83の本体とベース部85とを樹脂成型により一体的に形成することができる。なお、ここでいう透明板保持部83の本体とは、透明板を保持する部分のうち、ベース部85(即ち保持部側表示パネル140)を除いた部分を意味する。また、この場合、ベース部85と、透明板保持部83の本体とを樹脂材料により一体的に形成することができる。このようにすれば、ベース部85をより一層簡易に、かつ安価に構成できる。
次に、透明板保持部83について説明する。図7は、透明板保持部を正面から見た図を示し、図8は、透明板保持部に透明板を取り付けた状態を正面から示している。図9は、透明板保持部を斜め前方から見た斜視図であり、図10は、透明板保持部を斜め後方から見た斜視図である。
図7ないし図10に示すように、透明板保持部83は、2枚の透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)の周縁部を保持するように構成されており、後方ガラス51を保持する第1透明板保持部83aと、前方ガラス52を保持する第2透明板保持部83bとを有している。保持部側表示パネル140は、遊技盤7の前面7dと平行な面方向において、2枚の透明板のうちの前側に配置される前方ガラス52(前方透明板)の周縁部側から、この前方ガラス52の中心側に向けて延出した構成をなしている。換言すれば、図1に示すように、遊技盤7の前面7dと平行な面方向において、保持部側表示パネル140は前方ガラス52(前方透明板)の周縁部側から遊技領域90aの中心G1側に広がっている。
また、図1、図5に示すように、保持部側表示パネル140は、窓部3cの開口縁位置に設けられている。従って、窓部3cの開口領域内(即ち視認可能領域93内)において最も外側(周縁側)に保持部側表示パネル140が配置されることとなる。なお、本実施形態では、窓部3cの開口端部と、保持部側表示パネル140の端部とがほぼ同位置とされているが、窓部3cの開口端部と、保持部側表示パネル140の一部とが前後に重なるように構成されていてもよい。
また、透明板保持部83は、扉部3に形成された窓部3cによって前方をカバーされており、図1のように正面視した場合に全体が視認不能となるように構成されている。このようにすれば、透明板保持部83を視認不能としつつ保持部側表示パネル140のみを視認させることができ、デザイン的に優れた構成となる。
また、図1に示すように、本実施形態では、仕切部(レール部22及び樹脂仕切部23)によって遊技盤7の前面7dに沿って囲まれるようにして、遊技球が打ち込まれる遊技領域90aが構成されており、保持部側表示パネル140は、遊技領域90aの外側のみに配置されている。また、保持部側表示パネル140の周縁部140fが、遊技領域90aの境界90に沿って(換言すれば、レール部22に沿って)構成されている。これにより、スペース的に限られた遊技領域90a外において、保持部側表示パネル140が効率的に配置されることとなる。なお、ここでは、周縁部140fが境界90と距離を隔てた状態で当該周縁部140fに沿って配置されているが、周縁部140fが境界90と距離を隔てずに当該境界90に沿って設けられていてもよい。
また、図5に示すように、保持部側表示パネル140の前面140aは、遊技盤7の前面7dに対して傾斜し、表示面積の確保が図られている。さらに、遊技盤7の前面7dと平行な面方向に関し、保持部側表示パネル140は、遊技領域90aの中心G1(図1参照)側の方よりも外側(正面視した場合における遊技機外縁側)のほうが前面140aが前方位置となるように傾斜している。これにより、保持部側表示パネル140が遊技領域90a側のほうへ若干向く構成となり、保持部側表示パネル140と遊技領域90aの両方を共に見やすくなっている。また、保持部側表示パネル140は、前面140aのほぼ全体が平坦に構成されている。
図5のように、保持部側表示パネル140は、前方ガラス51と後方ガラス51の間に構成された透明板間領域200に配置されている。これにより、2枚の透明板によって遊技盤7の前方及び後方カバーでき、かつそのような構成において保持部側表示パネル140を効率よく配置できる。また、透明板保持部83は、両ガラス51,52の周縁部に環状に配置され、両ガラス51及び52の周縁部全体を保持する枠体として構成されており、両ガラス51、52を安定的に保持できる構成となっている。具体的には、透明板保持部83と両透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)とは接着媒体により接合されており、両透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)が透明板保持部83に簡易にかつ強固に保持されている。なお、透明板保持部83と両透明板(前方ガラス52及び後方ガラス51)とが、着脱可能に構成されていてもよい。このようにすれば、メンテナンス等を行いやすい構成となる。
図5に示すように、保持部側表示パネル140は、後端部140bが後方ガラス51の近傍に配置され、前端部140cが前方ガラス51及び窓部3cの近傍に配置されている。また、遊技領域90aの中心G1(図1参照)側の端部140dが遊技領域の境界90付近に配置されており、外側(中心G1から離れる側)の端部140eは窓部3cの開口端縁とほぼ同位置か開口端縁よりも外側に配置される。
また、第1表示部材たる保持部側表示パネル140は、フルカラーELディスプレイとして構成されている。図6に示すように、この保持部側表示パネル140では、有機EL素子を用いた有機ELディスプレイとして構成されており、発光層203を両側から電極(陽極201、陰極202)で挟んだサンドイッチ構造をなしている。そして、駆動回路143、144によって陰極202、陽極201間に電圧を印加し、発光層203でのエネルギー状態を基底状態から励起状態に押し上げて発光を生じさせるように構成されている。発光側の電極(陽極201)は外部に光を取り出すため、光透過性を有する透明電極として構成されている。陽極201の前方側にはガラス基板204が取り付けられている。さらに、電子輸送層205、正孔輸送層206が設けられている。
図6の例では、アクティブマトリクス方式のカラー有機ELパネルとして構成されており、発光層203は、陽極201のRGBパターンに対応して3色の発色領域が独立したかたちで形成されている。また、陽極201は、RGB3色のいずれかに対応したサブピクセル145(発光領域145a、TFT(薄膜トランジスタ)145b)がX行、Y列に複数並んで形成された3色発光方式が用いられており、駆動回路143、144により行、列を特定した上での電圧印加が可能とされている(なお、別の方式(カラーフィルタ方式や色変換方式など)によって構成されていてもよい)。このような構成をなす、カラー有機ELパネルを用いることにより、狭い領域に表示部材を配置して省スペース化を実現しつつ自由度高い表示を実現できるようになっている。
なお、上記の例では、駆動回路143と144を保持部側表示パネル140に設けたが、駆動回路143、144を保持部側表示パネル140とは別ユニットとして構成し、これらを電気的に接続してもよい(例えば、駆動回路143、144を、陽極201、陰極202、発光層203、ガラス基板204、電子輸送層205、及び正孔輸送層206によって構成されるユニットと別ユニットとして構成し遊技盤7の後方側に設けるようにしてもよい)。
なお、ここでは、第1表示部材を構成するフルカラーELディスプレイの一例を示しているが、第1表示部材及び後述する第2表示部材のいずれか一方又は両方について、フルカラー表示可能な構成の別の方式のディスプレイ(例えば、パッシブマトリクス方式のディスプレイなど)を用いてもよい。また、これら第1及び第2表示部材のいずれか一方又は両方を、フルカラーではない、単一色、又は複数色のディスプレイとしてもよい。
(第2表示部材)
次に第2表示部材について説明する。
本実施形態では、遊技盤7の前面7dと平行な面方向において、保持部側表示パネル140と扉表示パネル150とが隙間を隔てないで隣接している。具体的には、保持部側表示パネル140の端部140eと扉表示パネル150の端部150dとが、所定範囲に亘り隙間を隔てないで配置されている。これにより、面方向における両部材の連携性が極めて高くなり、両部材が一体的な表示領域として把握されやすくなっている。
扉表示パネル150は、扉部3に取り付けられており、これにより装飾等にあまり用いられない扉部3のスペースを効率的に利用した配置が図られている。また、この構成によれば、遊技領域外のスペースを効果的に目立たせることができる。
扉表示パネル150は、遊技盤7の前面7d(盤面)と平行な面方向における保持部側表示パネル140と隣接する側の端部(即ち端部150d)が後端部50bとされている。このようにすれば、前後方向において扉表示パネル150が保持部側表示パネル140とより近づくため、双方の関連性をより高めることができる。また、扉表示パネル150の後端部150bは、前方ガラス52の前面よりも前方位置とされている。これにより、扉表示パネル150がより遊技者側に近づく構成となり、かつ扉表示パネル150を保持部側表示パネル140と関連させやすくなっている。また、扉表示パネル150の遊技領域中心側とは反対側の端部(即ち端部150e)は当該扉表示パネル150の前端部150cとされており、この後端部150cは、当該パチンコ機1の外縁付近に配置されている。一方、保持部側表示パネル140は、遊技盤7の前面7dと平行な面方向における扉表示パネル150と隣接する側の端部(即ち端部140e)が前端部140cとされている。また、保持部側表示パネル140の後端部140bは、後方ガラス51付近において後方ガラス51の前面よりも前方位置とされ、前端部140cは前方ガラス52付近において前方ガラス52の後面よりも後方位置とされている。
また、保持部側表示パネル140の前面140aが、遊技盤7の前面7dに対して傾斜しており、より具体的には、前面140aは、扉表示パネル150側がそれとは反対側よりも前方位置となるように傾斜している。また、扉表示パネル150の前面150aが、遊技盤7の前面7dに対して傾斜しており、前面150aは、保持部側表示パネル140側がそれとは反対側よりも後方位置となるように傾斜している。これにより、保持部側表示パネル140と扉表示パネル150の前後方向における位置的な関連性がより一層高められている。また、扉表示パネル150は、前面150aの大部分が平坦に構成されている。これにより、扉表示パネル150が視認されやすくなっている。
(連なる表示領域の構成)
図1ないし図5に示すように、遊技盤7には、複数の表示部材(中央表示装置5、中央枠表示パネル110、遊技盤表示パネル120、及び端部側表示パネル130)が隣接して配置されている。そして、中央表示装置5、中央枠表示パネル110、遊技盤表示パネル120、及び端部側表示パネル130によって中央表示領域105(以下、表示領域105ともいう)、中央枠表示領域119(以下、表示領域119ともいう)、遊技盤表示領域129(以下、表示領域129ともいう)、端部側表示領域139(以下、表示領域139ともいう)が構成されており、これらが連なることにより広範囲に亘る遊技盤側表示領域100が構成されている。
ここでは、中央表示装置5と中央枠表示パネル110とが、及び、中央枠表示パネル110と遊技盤表示パネル120とが、遊技盤7の前面7dと平行な面方向に関し、わずかな隙間を隔てて近接している。また、遊技盤表示パネル120と端部側表示パネル130とは、前面7dと平行な面方向に関し隙間を隔てずに配置されている。なお、遊技盤側表示領域100を構成する各表示部材110、120、130は、図6で示す保持部側表示パネル140と同様のフルカラーELディスプレイとして構成されている。
他方、本実施形態では、上述の遊技盤側表示領域100と隣接して遊技盤外表示領域160が設けられている。遊技盤外表示領域160は遊技盤以外に取り付けられた上述の2つの表示パネルによって構成されており、具体的には、第1表示部材としての透明板間表示部材に相当する上述の保持部側表示パネル140と、第2表示部材としての扉部に配置された扉表示パネル150によって構成されている。即ち、保持部側表示パネル140によって構成される保持部側表示領域149(以下、表示領域149ともいう)と扉表示パネル150によって構成される扉表示領域159(以下、表示領域159ともいう)とが連なることにより遊技盤外表示領域160が構成されている。なお、扉表示パネル150についても図6の構成と同様のフルカラー有機ELパネルを用いた構成とされている。そして、遊技盤表示領域100と遊技盤外表示領域160とが連なることにより(即ち、表示装置5、表示パネル110、120、130、140、150)が連なることにより、広範囲に亘る連なる表示領域が構成されている。
また、図11示すように、各表示制御装置101、111、121、131、141、151は、それぞれメイン基板30に独立して接続され、メイン基板30から各制御装置に出力されるタイミングが調整されることにより、後述する図17ないし図23、或いは、図24ないし図26のような関連表示が可能とされている。なお、各表示制御装置101、111、121、131、141、151はそれぞれ、自身以外の1又は複数の表示制御装置と接続されていてもよい。例えば、中央枠表示制御装置111が他の表示制御装置101、121、131、141、151のいずれか、或いは全てと接続されていてもよい。
本実施形態では、図1に示すように、遊技盤側表示領域100は、複数の表示パネル(表示パネル110、120、130)によって構成されており、これにより、広範囲にわたる遊技盤側表示領域100が構成され、かつ表示バリエーションを増やしやすい構成とされている。なお、このようにせずに、遊技盤側表示領域100が例えば単一の表示パネルにて構成されていてもよい。例えば、表示パネル130のみ、或いは遊技盤表示パネル120のみによって構成されていてもよい。
また、本実施形態では、図5に示すように、表示パネル140、150以外の表示パネル110、120、130及び中央表示装置5の前面についても平坦に構成されており、全体的に視認しやすい構成となっている。
また、本実施形態では、遊技盤7に仕切部たるレール22及び樹脂仕切部23が取り付けられ、このレール22及び樹脂仕切部23によって囲まれるようにして遊技球が打ち込まれる遊技領域90aが構成されており、第1表示部材及び第2表示部材の両方が遊技領域90aの外部に配置されている。
また、本実施形態では、扉部3における本体部分3eに着脱可能に着脱部品3dを設け、この着脱部品3dに扉表示パネル150を取り付けているが、本体部分3eに直接扉表示パネル150を取り付けるようにも構成できる。
(遊技状態の発生制御)
次に、これら遊技状態の発生制御について説明する。図13乃至図16のフローチャートは、制御装置21によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの各処理は、カウンタ群及びフラグFに基づいて実行される。
カウンタ群は、ラウンドカウンタR、入賞カウンタP及び確変カウンタCを含む。ラウンドカウンタRはラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタPはカウントスイッチ20の検出結果に基づき大入賞口6への遊技球Bの入賞個数をカウントするためのものである。確変カウンタCは高確率モードの終了を判断するためのものであり、「2」,「1」,「0」の値を採る。なお、カウンタR,P,Cの初期値はいずれも「0」である。
そのほかにもカウンタ群は、大当り遊技状態発生を決定するための内部乱数カウンタと、外れリーチ等を決定するための外れリーチ乱数カウンタと、停止図柄等を決定するためのそれぞれの図柄カウンタと、リーチ動作の種類を決定するためのリーチ種別カウンタとを含む。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態の後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。フラグFは、Vゾーン11への遊技球Bの入賞の有無を判定するためのものであり、Vゾーン用スイッチ19によって入賞が検出されない場合に「0」に設定され、入賞が検出されると「1」に設定される。なお、確率モードには低確率モードと高確率モードの2種類類あることは既に説明したが、初期値には低確率モードが設定されている。
さて、遊技者による遊技が開始されると、制御装置21は、まず図13の特別電動役物制御ルーチンのステップS10において、始動口用スイッチ18の検出結果に基づき、遊技球Bの第1種始動口4への入賞があったか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列8乃至10毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理を指す。
次に、ステップS30で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは、図15のステップS31において、図柄列8乃至10の各図柄をそれぞれ表示装置5で変動表示させる。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールがあたかも回転しているように見える。ステップS32において、内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。大当り値としては、2種類の値(低確率用大当り値、高確率用大当り値)が用意されている。前者は大当り遊技状態を前述した低確率で発生させるための値であり、後者は高確率で発生させるための値である。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「299」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、そのうちの「7」を低確率用大当り値とし、「7」,「17」,「27」,「37」,「47」を高確率用大当り値とする。すると、大当り遊技状態が発生する確率は、低確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/300となり、高確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/60となる。そして、前回の制御周期で低確率モードが設定されている場合には、低確率用大当り値が大当り値として選択される。高確率モードが設定されている場合には、高確率用大当り値が大当り値として選択される。
ステップS32の判定条件が満たされていると、ステップS33において、大当り値に対応する大当り図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。一方、ステップS32の判定条件が満たされていないと、ステップS34において、外れリーチ乱数カウンタの値が予め定められた外れリーチ値と同一である否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS35において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶する。なお、ステップS34の判定条件が満たされていないと、ステップS36において、ステップS20での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、上記ステップS33,S35,S36で停止図柄を記憶した後、図柄変動開始処理ルーチンを終了する。
このようにステップS30の処理(図柄変動開始処理)を実行した後、図13のステップS40において左右両図柄列8,10における図柄を、ステップS33,S35,S36のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄によって左右両図柄列8,10での図柄変動を停止させる。
ステップS50では、中図柄列9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップS60において、図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS70において、大当り信号ONを出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS80において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS80:Yes)、ステップS90において確変大当り信号ONを図示しない出力端子に出力する。続いて、ステップS100において、ラウンドカウンタRをリセットする。そして、ステップS110において入賞カウンタPをリセットするとともに、フラグFを「0」に設定する。
続いて、図14のステップS120においてソレノイド15を励磁する。すると、シャッタ14が倒れ、大入賞口6の通路入口が開放される。この開放により、遊技球BのVゾーン11及び通路12,13への入賞が可能となる。ステップS130でラウンドカウンタRを「1」インクリメントする。
次に、ステップS140において、入賞カウンタPの値が所定値Pmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS150において、大入賞口6の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると(ステップS150:Yes)、ステップS140へ戻る。その結果、大入賞口6の開放開始後にPmax個よりも多くの遊技球Bが入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口6が開放され続ける。これに対し、ステップS140,S150の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS160においてソレノイド15を消磁する。すると、シャッタ14が起こされ、大入賞口6の通路入口が閉鎖される。
そして、ステップS170において、ラウンドカウンタRの値が所定値がRmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS180においてフラグFが「1」であるか否かを判定する。ステップS180の判定条件が満たされていると(ステップS180:Yes)、図13のステップS110へ戻る。従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまでは、大入賞口6が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Pmaxが「10」に設定され、大入賞口6の開放時間が「約29.5」秒に設定され、所定値Rmaxが「16」に設定されている場合には、大入賞口6の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口6へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口6が閉鎖される。この大入賞口6の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球BのVゾーン11への入賞を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップS170,S180の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS190で「大当り信号OFF」を図示しない出力端子に出力する。さらに、ステップS200において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS200:Yes)、ステップS210において確変大当り信号OFFを図示しない出力端子に出力する。続いて、ステップS220で確率変動処理を実行し、その後、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
図16の確率変動処理ルーチンでは、ステップS221において、大当り図柄が通常図柄(この場合偶数図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと(ステップS221:No)、すなわち、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると、ステップS227において確変カウンタCが「0」であるか否か(高確率モード中であるか否か)が判定され、確変カウンタCが「0」である(高確率モード中である)場合は(S227:Yes)、ステップS228において、確変中信号ONを図示しない出力端子に出力する。続いて、ステップS229において高確率モードを設定し、確変カウンタCに「2」を設定する。ステップS229の処理を実行した後、確率変動処理ルーチンを終了する。このように、高確率中に特別図柄(奇数図柄)で大当り遊技状態が連続して発生した場合には、高確率モードが継続することとなる。
一方、ステップS221の判定条件が満たされていると、すなわち、大当り図柄が通常図柄(偶数図柄)であると、ステップS222において確変カウンタCが「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=0)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=2,1)とステップS223において確変カウンタCを「1」デクリメントする。ステップS224において確変カウンタCが「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=1)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=0)とステップS225において、確変中信号OFFを図示しない出力端子に出力し、ステップS226において、低確率モードを設定する。このように一旦高確率モードが設定されると、確変カウンタCが「0」となるまで、すなわち、高確率モード設定後、連続して偶数図柄で2回大当り遊技状態が発生するまでは高確率モードが継続する。そして、偶数図柄での大当り遊技状態が2回連続すると、高確率モードが終了し低確率モードに切替えられる。
なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、図柄変動処理(ステップS31)を停止図柄の記憶処理(ステップS33,S35,S36)の後に行うようにしてもよい。
上述したように、本実施形態では、遊技球Bが第1種始動口4へ入賞したことが検出されると、各カウンタの値が取得されるとともに図柄列8乃至10が変動表示される。各カウンタの値に基づき停止図柄が記憶され、その停止図柄によって図柄変動が停止される。停止されたときに表示されている図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態が発生し、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまで、大入賞口6の開閉のサイクルが繰返される。
一方、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると高確率モードが設定され、次回と、その次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率が高められる。すなわち、一旦高確率モードが設定されると、次回以降2回の大当り遊技状態の発生確率が高められるが、その期間中に再び奇数図柄で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが設定される。これに対し、期間経過後に通常図柄(偶数図柄)で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが終了する(低確率モードに切替えられる)。なお、このように次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率を高めるのではなく、次の回のみ大当り遊技状態の発生確率を高めるようにしてもよい。
さらに本実施形態では、上記のような処理において発生する特定遊技条件の成立に基づき、少なくとも保持部側表示パネル140での特定表示と、扉表示パネル150での特定表示とが、関連して行われるように表示制御がなされる(より具体的には、表示装置5及び各表示パネル110、120、130、140、150で関連表示がなされることとなる)。この特定遊技条件の成立は、例えば、大当たり状態、確率変動状態、リーチ状態、リーチ予告状態、時短状態のうちから選ばれるいずれかの状態の成立であることが望ましく、例えば扉表示パネル150の特定表示と、保持部側表示パネル140での特定表示とが、共に、同一の特定遊技条件の成立に基づいて関連して行われるようにすることができる。例えば、確率変動状態の発生を条件として図17ないし図23のような特定表示(後述)を行うようにするには、図13でのS90の処理に伴って図17ないし図23のような図柄表示が行われるようにすればよい。いずれにしても、ある一つの特定遊技条件の成立に伴い両表示部が変化することとなるため、特定遊技条件をより一層盛り上げることができる。
(表示内容)
次に、各表示部材での表示内容について説明する。なお、本実施形態では、図17から図23まで順番に表示されるようになっている。
本実施形態では、保持部側表示パネル140及び扉表示パネル150において、同一対象(同一のキャラクター、同一の建物、同一の動植物、同一の風景など)を示す絵柄が表示可能とされている。本実施形態では、キャラクター絵柄190が同一対象を示す絵柄に相当しており、このキャラクター絵柄190が、図21のように、保持部側表示パネル140でも扉表示パネル150でも表示されるようになっている。具体的には、保持部側表示パネル140及び扉表示パネル150いずれか一方で表示されていた特定絵柄が他方へ移行するように表示制御されるようになっている。
図17ないじ図23に示すように、特定絵柄は、キャラクター絵柄190からなり、本実施形態では遊技盤側表示領域100で表示されていたキャラクター絵柄190が遊技盤外表示領域160へ移るように表示制御がなされるようになっている。この表示制御の際に、第1表示部材たる保持部側表示パネル140と、第2表示部材たる扉表示パネル150とを横切るように特定絵柄(キャラクター絵柄190)が表示されることとなり、保持部側表示パネル140及び扉表示パネル150の一方で表示されていた特定絵柄が他方へ移ることとなる。これによりキャラクターの動きが単一の表示部材のみで完結するのではなく、複数の表示部材に及ぶため、キャラクターの効果を広範囲に及ばせることができ、表示のバリエーションも高めることができる。
本実施形態では、キャラクター絵柄190の表示が、遊技領域90aの中心G1から外側に向かって移るようになっており、具体的には、まず、図17のように遊技領域の中心G1付近に配置された表示装置5に表示されるキャラクター絵柄190が、所定条件の成立に基づいて図18のように表示装置5から中央枠表示パネル110に移行する。この際、図18のように、キャラクター絵柄190の一部画像190aを表示装置5にて表示させた状態で一部画像190bを表示させるように移行するため、連続性の高いものとなっている。同様にして、図19のように中央枠表示パネル110から、遊技盤7の前面部に配置される遊技盤表示パネル120に移行し(図19では、一部画像190c、190dが中央枠表示パネル110、遊技盤表示部120にそれぞれ表示されている)、図20のように遊技盤表示部120を横切った後、図21のように、端部側表示パネル130を横切って保持部側表示パネル140に移行するように表示制御がなされる(図21では、一部画像190e、190fが端部側表示パネル130と保持部側表示パネル140にそれぞれ表示されている)。さらに、保持部側表示パネル140を横切り、図22のように、キャラクター絵柄190が保持部側表示パネル140と扉表示パネル150とに跨るように表示がなされる(図22では、保持部側表示パネル140にキャラクター絵柄190の一部画像190gが表示され、扉表示パネル150に一部画像190hが表示されている)。そして、図23のように、扉表示パネル150にキャラクター絵柄190が表示されることとなる。このような構成及び表示制御がなされることにより、表示装置5からキャラクターが抜け出して遊技盤、各種部品、扉部を動き回るという今までにない斬新な演出が可能となる。
なお、保持部側表示パネル140による特定表示と、扉表示パネル150による特定表示と、が所定の順序で行われるようになっているため、連携性が高まると共に、表示の流れが創出され、順序的な繋がりが強調されることとなる。
また、本実施形態では、扉表示パネル150及び保持部側表示パネル140において、同種の背景画像が表示可能とされている。ここでは、キャラクターの画像以外の画像を背景画像としている。図17ないし図23の例では、保持部側表示パネル140及び扉表示パネル150において、同一色を主体とした背景画像が表示される構成をなし、保持部側表示パネル140及び扉表示パネル150がより一層連携性高く把握されるようになっている。即ち、保持部側表示パネル140及び扉表示パネル150の背景画像が共に同一色を基調とし、その色が、周囲の遊技盤7、周囲装飾部40、扉部3のそれぞれにおける表示部以外の部分の色と異なっているため、図22、23等のように繋がって把握できるようになっている。
なお、このような関連表示を行う場合、保持部側表示パネル140による特定表示(例えば扉表示パネル150と同一色の背景画像)と、扉表示パネル150による特定表示(例えば、保持部側表示パネル140と同一色の背景画像)とが少なくとも所定期間同時に行われるようにするとよい。特に、扉表示パネル150及び保持部側表示パネル140による特定表示の開始(例えば、図17ないし図22のような背景画像の表示開始)が共に同タイミングで行われるようにすると、極めて連携性が高くなる。
なお、図17ないし図23のような表示制御に代えて、図24ないし図26のような表示制御を行ってもよい。図24ないじ図26では、特定絵柄の表示が、扉表示パネル150及び保持部側表示パネル140において、遊技領域90aの外側から中心G1側に向かって移行するようになっている。より具体的には、図23のように、扉表示パネル150において表示された特定絵柄(桜吹雪の絵柄)が、その後、図24のように、遊技領域90aの外側から中心G1側に向かい扉表示パネル150と保持部側表示パネル140とに跨るように移行し、さらに、図26のように、特定絵柄(桜吹雪の絵柄)が、遊技領域の中心G1付近に配置された表示装置5に至るように表示されるようになっている。より具体的には、桜吹雪が、扉表示パネル150から保持部側表示パネル140に移り、当該保持部側表示パネル140を横切って遊技盤側のパネル130、120、110に移り、さらに内側の中央表示装置5に表示されるように関連表示がなされる(図26)。
<実施形態2>
次に、図27ないし図32を参照して実施形態2について説明する。
図27は、実施形態2に係る遊技機における遊技機を概念的に例示する正面図であり、図28はその遊技機の遊技盤構成を概念的に例示する正面図である。また、図29は、図27の遊技機の斜視図であり、図30は、図27の遊技機の扉部の裏側構成を概念的に示す斜視図である。図31は、実施形態2の遊技機の要部断面構成を例示するものであり、図27のB−B断面付近を概念的に示す図である。また、図32は実施形態2に係る遊技機の電気的構成を例示するブロック図である。
実施形態2では、図27ないし図32に示すように、実施形態1に示す中央表示枠パネル、遊技盤表示パネル、端部側表示パネルを省略している点が実施形態1と相違しており、それ以外の点はほぼ同様であるので同様の構成をなす部分については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態でも、図28に示すように、前方ガラス52及び後方ガラス51の間に実施形態1とほぼ同様の保持部側表示パネル140(第1表示部)が配置されており、その保持部側表示パネル140と隙間を隔てない位置にて実施形態1と同様の扉表示パネル150(第2表示部材)が配置されている。そして、これら保持部側表示パネル140と扉表示パネル150とにより連なる表示領域が構成されている。
また、本実施形態でも、図30及び図31に示すように、透明板保持部83に取り付けられるベース部85に保持部側表示パネル140が取り付けられた構成をなしている。また、レール22に沿って、(即ち遊技領域90aの境界90に沿って)、レール22と隙間を隔てずに保持部側表示パネル140の周縁部140fが設けられている。これら表示パネル140、150等は図32に示す制御装置21において、各表示制御装置141、151により実施形態1と同様に表示制御される(なお、図32に示すように、本実施形態に係る制御装置21は、実施形態1とほぼ同様の構成をなし、実施形態1の制御装置21(図11)から一部の表示制御装置111、121、131が省略された構成をなしている)。
なお、図31の構成を変形して図33のようにしてもよい。図33では、第1表示部材たる保持部側表示パネル140の端部が遊技領域の外部にのみ配置されている。周縁部140fが遊技領域90aの境界90から外側へ離れた位置に設けられている。
一方、図34のようにしてもよい。図34では、第1表示部材たる保持部側表示パネル140の一部が遊技領域90aの内部に設けられており、保持部側表示パネル140が遊技領域90aの内外に跨るように設けられており、保持部側表示パネル140の後方において、遊技球が流下可能となる流路54が設けられている。これにより、遊技盤7の前面7dと平行な面方向に関して、保持部側表示パネル140と流路54とを同一領域に配置することができ(即ち、前後に重なるように配置することができ)、スペース的なメリットの大きい構成となっている。また、本構成では、保持部側表示パネル140は、遊技盤7に設けられた遊技盤表示パネル120(遊技盤表示パネル120は、遊技盤表示部材に相当する)とが連なるように構成されており、遊技盤表示パネル120、保持部側表示パネル140、及び扉表示パネル150により連なる表示領域が構成されている。なお、遊技盤表示パネル120は、実施形態1の遊技盤表示パネル120と同様の構成をなし、遊技盤7の内部に埋設されている。また、図34では、保持部側表示パネル140の一部と、遊技盤7に設けられた遊技盤表示パネル120の一部とが前後に重なるように構成されており、その重なる重畳領域において、保持部側表示パネル140と遊技盤表示パネル120との間の位置に遊技球の流路54の一部が構成されている。これにより、第1表示部材と遊技盤表示部材とを連続性高く配置されることとなり、それら連続部分について遊技球の流路として利用を図ることができる。また、多少斜めから見た場合であっても、第1表示部材と遊技盤表示部材とが連続性高く把握されることとなる。
また、図35のようにしてもよい。図35の例では、保持部側表示パネル140の前面140aが遊技盤7の前面とほぼ平行に設けられている。図33ないし図35のいずれの場合においても、図から明らかなように、保持部側表示パネル140と扉表示パネル150によって連なる構成がなされている。
また、図36ないし図38のようにしてもよい。図36ないし図38の変形例では、図38に示すように、図31の構成を変形して示しており、前方ガラス52において、平坦に構成される平板部52aと、その平板部52aよりも前方側に盛り上がる膨出部52bとが設けられている点が図31等と大きく異なっている。この構成では、図38のように、膨出部52bによって保持部側表示パネル140がカバーされており、保持部側表示パネル140の配置スペースのより広い確保がなされている。なお、図36及び図37は、図38の構成に用いる透明板保持部83を斜視図(図36)、正面図及び断面図(図37)にて例示している。
<実施形態3>
次に、図39ないし図45を参照して実施形態3について説明する。
図39は実施形態3に係る遊技機を例示する正面図、図40はその一部を拡大する拡大図である。図41は、図39のD−D断面付近を概念的に例示する断面図であり、図42は、透明板保持部を正面から見た図及び断面図である。図43は透明板保持部を裏面側から見た斜視図である。また、図44は、透明板保持部を正面側から見た斜視図であり、図45は透明板保持部に前方ガラス52及び後方ガラス51が保持された状態を正面から示す図、及び断面図である。なお、本実施形態は、実施形態1の構成を変形したものであり、表示装置5、中央枠表示パネル110、遊技盤表示パネル120、扉表示パネル150の構成)などの構成については実施形態1と同様であるため、これら実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、レール22、遊技領域90a、視認可能領域93、遊技領域の中心G1については、実施形態1と同様であるのでこれら実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態3でも、パチンコ機1は、板状の遊技盤7と、遊技機本体1aに対し開閉可能に構成された扉部3とを備えた構成をなしており、扉部3には、遊技盤7の前方にて開口するように窓部3cが形成されている。また、窓部3cの開口領域全体に亘り、前方ガラス52が設けられており、その後方には後方ガラス51が設けられている。図41に示すように、後方ガラス51は遊技盤7の前方をカバーしており、後方ガラス51の一部と遊技盤7の一部により遊技球の流路が構成されている。図41の例では、遊技盤7に埋設される遊技盤表示パネル120と後方ガラス51との間に遊技球の流路が構成されている。前方ガラス52及び後方ガラス51は、透明板保持部83によって保持されており、この透明板保持部83には、後方ガラス51よりも前方位置であって、かつ前方ガラス52の後方側に構成される透明板間領域200を、この透明板間領域200の外側と連通する連通部84が形成されている。透明板領域200は、後方ガラス51の前面51aよりも前方位置の領域(空間)であって、かつ前方ガラス52よりも後方側の領域のことである。図41の例では、後方ガラス51の前面51aと、前方ガラス52の後面52cとの間の領域が透明板間領域200とされている。
図39ないし図45に示すように、連通部84は、遊技盤7側に開口する開口部として構成されている。そして、透明板間領域200には、連通部84を介して透明板間領域200の外部に固定される導出表示パネル180(以下、単に表示パネル180ともいう)が設けられている。また、本実施形態では、導出表示パネル180が請求項3でいう表示部材に相当する。また、本実施形態では、導出表示パネル180が設けられた部分からなる導出表示部189が第1表示部材に相当しており、この第1表示部材が実施形態2と同様の第2表示部材(扉表示パネル150)に隣接し、これらによって連なる表示領域が構成されている。本実施形態では、遊技盤側に設けられる遊技盤側表示領域100に導出表示部189が含まれており、図40に示すように、遊技盤外表示領域160の境界160aの位置が窓部3cの開口端縁とされている。また、導出表示パネル180の端部180fは、遊技領域90aの境界に沿って(具体的にはレール22に沿って)、かつ、開口領域内配置部83cに沿って配置されている。
図39ないし図41に示すように、透明板保持枠83は、後方ガラス51及び前方ガラス52のそれぞれの周縁部を保持するよう構成されており、扉部3にねじ等の締結部材(図示略)を用いて着脱可能に取り付けられている。そして、この透明板保持枠83には、表示パネル180を取り付けるベース部187を後方ガラス51の前方位置に導出するように連通部84が形成されている。
この連通部84によって表示パネル180の少なくとも一部を後方ガラス51の前方位置に導出できることとなるため、斬新な配置構成を実現でき、かつ表示パネル180を、より遊技者に近い位置にまで及ばせることができるようになっている。
本実施形態では、図39ないし図45にて示すように、後方ガラス51と前方ガラス52は異なる形状にて構成されている。そして、後方ガラス51の側方に連通部84が設けられ、連通部84における開口領域85をカバーするように前方ガラス52が設けられている。これにより、表示パネル180を後方ガラス51よりも前方に導出でき、かつ前方ガラス52によって保護できることとなる。
透明板保持枠83は、図42ないし図45にて示すように、後方ガラス51を保持する第1透明板保持部83aと、前方ガラス52を保持する第2透明板保持部83bとを有しており、少なくとも第1透明板保持部83aの一部が、窓部3cの開口領域(即ち、図39で示す視認可能領域)内に設けられており、第1透明板保持部83aにおける開口領域内に配置される開口領域内配置部83cの側方に連通部84が設けられている。
また、図39ないし図45にて示すように、透明板保持枠83において、連通部84は、開口部として構成されている。透明板保持枠83は、後方ガラス51及び前方ガラス52の両方の周縁部の全体を保持するように構成されている。このように両透明板の周縁部全体を保持するように構成すれば、透明板を安定して保持できることとなる。具体的には、透明板保持枠83は、後方ガラス51及び前方ガラス52と接着剤等の接着媒体により接着されている。本実施形態では、後方ガラス51は、周縁部を第1透明板保持部83aに接着されており、前方ガラス52の周縁部は、第2透明板保持部83bに接着されている。
また、本実施形態では、後方ガラス51は板面外縁が円形となるように構成されており、図42ないし図45に示すように、第1透明板保持部83aも円形の枠構成をなしている。また、前方ガラス52は、後方ガラス51の周縁とほぼ同形状の周縁を有する部分と、後方ガラス51の位置よりも外方(遊技領域90aの中心G1から離れる側)に延出してなる部分とを備えている。
また、前方ガラス52の周縁全体が、遊技盤7の前面7dと平行な面方向において、窓部3cにおける開口領域(即ち視認可能領域93:図39参照)の外側に設けられている。一方、後方ガラス52の周縁は、遊技領域90aの外側に設けられ、一部が窓部3cの開口領域内に配置されている。
<実施形態4>
次に、図46及び図47を参照して実施形態4について説明する。
図46は、実施形態4に係る遊技機を概念的に例示する正面図であり、図47はその遊技機の要部断面構成を示す図であり、図46のE−E断面付近を概念的に示すものである。
実施形態4の遊技機では、第1表示部材が2枚の透明板(前方ガラス52、後方ガラス51)の前方に配置された前方表示パネル240によって構成されている。また、実施形態1と同様に中央枠表示パネル110、遊技盤表示パネル120、端部側表示パネル130、扉表示パネル150が設けられており、第1表示部材たる前方表示パネル240及び第2表示部材たる扉表示パネル150と、それらに隣接する表示パネルにより連なる表示領域が構成されている。より具体的には、表示パネル110、120、130、240、150によって連なる表示領域が構成されている。この構成によれば、ガラス51、52の前方位置に前方表示パネル240を配置しているため、前方表示パネル240がより遊技者に近い状態となり、その結果、遊技者が表示を見やすくなり、かつ表示部材が立体感高く把握され、ひいては装飾性が効果的に高められている。前方表示パネル240の前面240aは、表示パネル150の前面150aとほぼ同様の角度で、遊技盤7の前面7dに対して傾斜している。また、表示パネル240の周縁部240fは、表示パネル130の周縁部に沿って設けられている。また表示パネル240はベース部86に取り付けられており、このベース部86は、透明板保持部83において、前方ガラス52の前方に延出するように設けられた延出部分83eに取り付けられている。
<実施形態5>
次に、図48及び図49を参照して実施形態5について説明する。
図48は、実施形態5に係る遊技機を概念的に例示する正面図であり、図49はその遊技機の要部断面構成を示す図であり、図48のF−F断面付近を概念的に示すものである。
本実施形態では、第1表示部材が2枚の透明板(前方ガラス52、後方ガラス51)の後方に配置された後方表示パネル340によって構成されている。そして、後方表示パネル340と、実施形態1と同様の扉表示パネル150(第2表示部材)とにより連なる表示領域が構成されている。また、実施形態1と同様に中央枠表示パネル110、遊技盤表示パネル120、端部側表示パネル130が設けられており、表示装置5、及び表示パネル110、120、130、340、150によって連なる表示領域が構成されている。このようにすれば、やはり遊技盤において特別な取り付けスペースを設けることなく、遊技盤以外において適切な配置場所を確保できる構成となる。これにより、数多くの部品が混在して配置スペースの制約が大きい遊技盤にあまり影響を及ぼすことなく表示部材を配置でき、かつ、遊技盤を交換するいわゆる板替えの際に、表示部材を交換後の遊技盤に簡単に再利用できる構成となる。また、透明板の後方位置に後方表示部材を配置しているため、後方表示部材がより遊技盤に近い状態となり、遊技との連携性が一層高まる。後方表示パネル340の前面は遊技盤7の前面7dとほぼ平行に配置され、周縁部340fが表示パネル130の周縁に沿って配置されている。また、表示パネル340は、ベース部87に取り付けられており、このベース部87は、透明板保持部83における後方ガラス51の後方に延出する延出部分83fに着脱可能に装着されている。
また、図50のようにしてもよい。図50は、図47、図49の変形例を示しており、両ガラス51、52の前方に配置された前方表示パネル342と、両ガラス51,52の間の透明板間領域200に配置された透明板間表示パネル341と、両ガラス51,52の後方に配置された後方表示パネル340とにより、遊技盤7の前面7dと平行な面方向に連なる表示領域が構成されており、これら表示領域と隣接して実施形態1等同様の扉表示パネル150(第2表示部材)が設けられている。そして、表示パネル110、120、130、340、341、342、150によって連なる表示領域が構成されている。前方表示パネル342は前方延出部分83eに着脱可能に取り付けられるベース部89に着脱可能に取り付けられており、後方表示パネル340は、後方延出部分83fに着脱可能に取り付けられるベース部87に着脱可能に取り付けられている。一方、透明板間表示パネル341は、透明板間領域200において、透明板保持部83に着脱可能に取り付けられるベース部88に着脱可能に取り付けられている。
<実施形態6>
次に、図51ないし図53を参照して実施形態6について説明する。図51は、実施形態6に係る遊技機の一例を示す正面図である。また、図52は、その要部断面構成を示すものであり、図51のH−H断面付近を概念的に例示している。なお、図51ないし図53は、実施形態3を変形した構成を示しており、実施形態3と同様の構成をなす部分については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
実施形態6では、図52に示すように、第1表示部材たる表示パネル440が透明板間領域200の内部と外部に跨るように配置されている。そして、表示パネル440及び扉表示パネル150(第2表示部材)により連なる表示領域が構成されている。
図51及び図52の例では、表示パネル440が、遊技領域90aの外部において遊技盤7に固定される遊技盤固定ベース部123に取り付けられており、かつ表示パネル440の一部がレール22と隣接して連なり遊技領域90aを仕切る仕切部を構成している。
なお、図53のようにしてもよい。図53は、図52の変形例を示すものであり図52と同様の部分については同一の符号を付しているが、この図53の例では、表示パネル440の一部が仕切部を構成せず、仕切部に相当するレール22が表示パネル440と隣接して設けられている点が図52と異なっている。
<実施形態7>
次に、図54ないし図56を参照して実施形態7について説明する。
図54は、実施形態7に係る遊技機を概念的に例示する正面図であり、図55はその遊技機の要部断面構成を示す図である。また、図56は、図55の変形例を示す図である。
本実施形態では、第1表示部材に相当する表示パネル600が遊技領域90aの内外に跨り、かつ透明板間領域の内外に跨るように配置されている。そして、この表示パネル600が、遊技領域90aの中央に配置される表示装置5(中央表示装置)と隣接して配置されており、表示装置5、表示パネル600、及び表示パネル150により連なる表示領域が構成されている。表示パネル600は、透明板間領域200内で表示を行う第1表示部610と、遊技領域90a内で表示を行う第2表示部609とによって構成されており、これらが一体的に連なるように構成されている。また、表示パネル600は、実施形態1で示す保持部側表示パネル140と同様の構成をなすELディスプレイとして構成されて透明性を有している。
遊技盤固定ベース部605は、表示装置5(中央表示装置)と隣接し、かつ遊技領域90aの内部と外部に跨るように配置されている。そして、遊技盤固定ベース部605において、表示パネル600が、遊技領域90aの内部から外部に及び、かつ透明板間領域200の内部から外部に及ぶように取り付けられている。これにより、極めて広範囲にわたる表示領域が、立体感高く構成されることとなり、装飾性及び表示の自由度が一層高められている。
また、図54及び図55に示すように、遊技盤固定ベース部605は、表示パネル600を、遊技盤7の前面7dよりも前方位置で支持するように構成されており、この遊技盤固定ベース部605により、表示パネル600が遊技盤7の前面7dの前方位置で配置されることとなり、表示パネル600の後方に流路54が確保されることとなる。遊技盤固定ベース部605には、開口部604が形成されており、開口部604を介して遊技球の流下が視認できるようになっている。遊技盤固定ベース部605は、遊技領域内の表示装置5(中央表示装置)付近に固定される遊技領域内固定部605aと、遊技領域外に固定される遊技領域外固定部605bを有し、この遊技領域内固定部605a、遊技領域外固定部605bをつなぐように連結部602、603が設けられている。
なお、表示パネル600の後方において、釘部材を配置する釘部材配置領域が構成されていてもよい。例えば、表示パネル600の後方において、遊技盤7に釘部材が取り付けてもよい。このようにすれば、釘部材による流下調整が阻害されることなく表示パネル600での表示が可能となる。
なお、図56のようにしてもよい。図56の例では、表示パネル600の後方に構成される流路54側に面するように透明性を有するカバー615が設けられており、カバー615は、表示パネル600が流路54側に露出しないように、表示パネル600の後方を覆っている。この構成では、流路54を流れる遊技球は表示パネル600に接触せずに、カバー615に接触することとなる。
<実施形態8>
次に、図57ないし図60を参照して実施形態8について説明する。
図57は、実施形態8に係る遊技機を概念的に例示する正面図であり、図58はその遊技機の要部断面構成を示す図であり、図57のH−H断面付近を概念的に例示している。また、図59は、図57の変形例を示す図であり、図60は、図59の要部断面構成を例示する図であり、図59のJ−J断面付近を概念的に例示している。上記実施形態では、中央に液晶の表示装置5が設けられた構成を例示したが、実施形態8はこのような表示装置5を設けない構成を例示している。
図57及び図58は、図54等の構成の変形例を示すものであり、第1表示部材に相当する表示パネル600が遊技領域90aの内外に跨り、かつ透明板間領域の内外に跨るように配置され、さらには、この表示パネル600の一部が、遊技領域90aの中央付近(具体的には遊技領域の中心G1を含む領域)に配置されている。そして、表示パネル600、及び表示パネル150により連なる表示領域が構成されている。この構成では、図58にも示すように、わずか2枚の表示パネル(即ち、表示パネル600と表示パネル150)で、遊技領域の中心付近から扉部に至るまでの幅広く立体的な表示構成がなされることとなる。
また、図59及び図60のようにしてもよい。図59及び図60は、実施形態1の変形例を示しており、実施形態1の表示パネル110と表示装置5が配置される領域に亘るように表示パネル700が配置され、表示領域710が構成されている。その他の構成は実施形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。
なお、これらの例に限らず、実施形態1ないし実施形態7のいずれの構成においても、中央表示装置5を省略することができる。この場合、、実施形態1ないし実施形態7の中央表示装置5に代えて図57、図59等のようにELパネルを配置してもよく、、実施形態1ないし実施形態7の中央表示装置5に代えて、別の遊技部品(装飾部品、役物、入賞装置等)を設けたり、遊技球の流路を構成してもよい。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、特許請求の範囲における「第1表示部材」に相当する表示パネル140、180、240、340、341、342、440、600或いは、「第2表示部材」に相当する扉表示パネル150、若しくは、それ以外の表示パネル110、120、130をフルカラーELディスプレイによって構成したが、各表示部材を配置するスペースに設置可能なものであれば、いずれの表示パネルについても、液晶ディスプレイなど他の種類の表示部材によって構成することができる。
(2)第1表示部材の前面の一部又は全部が、遊技盤の前面とほぼ平行となるように構成されていてもよい。また、第2表示部材の前面の一部又は全部が、遊技盤の前面とほぼ平行となるように構成されていてもよい。
(3)第1表示部材は、前面の少なくとも一部が曲面状に構成されていてもよい。このようにすれば、斬新な前面形状となり、かつ表示面積を効果的に確保できる。この場合、第1表示部材の前面全体を曲面状に構成してもよく、一部のみを曲面状に構成してもよい。第1表示部材の前面の一部を曲面状に構成した場合、それ以外の部分は、例えば平坦に構成できる(曲面状の部分以外を平坦にする構成としては、遊技盤の前面と平行な平坦構成としてもよく、遊技盤の前面と傾斜した平坦構成としてもよい)。また、第1表示部材の前面を曲面状に構成する場合、例えば、遊技領域の中心側から外側につれて次第に前面が前方位置となるように曲面状に構成することができる。