JP2006203440A - 外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ Download PDF

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Tomoaki Tamura
知章 田村
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Abstract

【課題】ヘッドマウントディスプレイの映像表示不良の原因が、機器の経年変化等による劣化等であるのか、観者の視力低下等であるのかを簡便に判断する。
【解決手段】
ヘッドマウントディスプレイの映像表示手段にテストチャートを表示させるとともに、このテストチャートと比較可能なテストチャートを制御ユニットの電池蓋の裏面に備え、観者がヘッドマウントディスプレイを装着したままで両テストチャートの比較を行うことを可能とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、外界光透過型ヘッドマウントディスプレイに係り、特に、ディスプレイ上に表示されるテストチャートと比較用テストチャートとを用いてディスプレイの表示状態の評価が可能なヘッドマウントディスプレイ及びディスプレイ上に表示させるテストチャートの映像データとディスプレイ上に表示されたテストチャートの映像データにより、ディスプレイの表示状態の評価を可能とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイに関する。
従来から、頭部等に懸架する懸架装置に小型のディスプレイを装着し、眼前に電子映像を表示させるヘッドマウントディスプレイ(以下、単に「HMD」という。)が知られている。HMDは、映像等の観賞用として使用されるのはもちろんであるが、近年、眼鏡レンズ等の一部に半透明な光学映像を投射して光学映像と外界光を重畳的に表示する透過型のHMDも研究開発がなされており、このような透過型のHMDは、視野狭窄や眼病等による弱視者の視覚補助手段としても大いに活用されている。
ところで、HMD経年変化あるいは故障により映像表示に不具合が生じる場合には、映像調整や修理等のメンテナンスを必要とする。このような、HMDのメンテナンスに関する技術として、特許文献1では、ディスプレイ上にテストチャートを表示させ、観者が実際にディスプレイ上のテストチャートを見ながら、眼の基線長、視度及び輻輳角を調節することが可能な発明が提供されている。
特開平8−111833号公報
しかしながら、特許文献1に提供される発明のように、映像表示の不具合に対して映像の調節が可能であっても、その不具合がHMDの経年変化や故障によるものなのか、あるいは観者の視力低下等を原因とするものなのかを判別することはできない。
例えば、テストチャートをディスプレイ上に表示させることだけで映像の表示状態の評価を行うことも可能であるが、眼前に表示されているテストチャート映像が不鮮明である場合に、その原因がヘッドマウントディスプレイにあるのか、視力低下や眼病の進行にあるのかの判断を自己診断するのは困難である。
特に、弱視者等は眼病の進行という深刻な問題を抱えるためこのような映像表示の不具合が生じた場合には重大な問題となる。
本発明の目的は、HMDの映像の不具合に対し、機器自体の不良であるのかあるいは観者の視力低下や眼病進行を原因とするものであるかを判別することにある。また、映像表示の不具合に対し簡単かつ簡便に映像評価を可能とすることにある。また、外界光透過型のHMDにおいて、その光学特性を反映した映像評価を簡単かつ簡便に可能とすることにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、眼鏡の形状を有する装着具の眼鏡レンズに、映像を光学的に瞳に導く映像表示手段と該映像を前記映像表示手段に投射する映像投射手段とを備え、映像データ及びテストチャートデータから映像信号を生成し、外界光と重畳的に前記映像表示手段に映像及びテストチャート映像を表示可能とさせる制御手段を備える外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記映像表示手段に表示されるテストチャート映像との比較を行うための比較用テストチャートを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記比較用テストチャートは、前記眼鏡レンズを通して前記映像表示手段に表示されるテストチャート映像との比較を行うための比較用テストチャートであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記比較用テストチャートは、前記眼鏡レンズの光学特性に基づいてコントラストが設定されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記テストチャートデータは、前記眼鏡レンズの光学特性を反映するものであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記光学特性は、前記眼鏡レンズの透過率であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御手段が格納される制御ユニット筐体を更に備え、前記比較用テストチャートは、前記制御ユニット筐体に備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御ユニット筐体は、前記外界光透過型ヘッドマウントディスプレイに電力の供給を行う電池を格納する電池格納部及び該電池格納部を覆う格納部蓋を更に備え、前記比較用テストチャートを前記格納部蓋に備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記比較用テストチャートを前記格納蓋の裏面に備えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御手段は、前記外界光透過型ヘッドマウントディスプレイの初回起動時又はリセットをした時に、前記テストチャートを前記映像表示手段に表示させることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御手段は、所定時間おきに、前記テストチャートを前記映像表示手段に表示させることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御手段に前記テストチャートの表示開始信号を出力する表示指示手段を更に備え、前記制御手段は、該送信開始信号に基づいて前記テストチャートを前記映像表示手段に表示させることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記表示指示手段は、前記比較用テストチャートを可視状態にすることにより前記表示指示信号を出力することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、光学像を捕らえ前記制御手段に映像信号を出力する撮像手段を更に備え、前記制御手段は、前記撮像手段が捕らえた前記比較用テストチャートの映像を、前記映像表示手段に表示させることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、眼鏡の形状を有する装着具の眼鏡レンズに、映像を光学的に瞳に導く映像表示手段と、該映像を前記映像表示手段に投射する映像投射手段とを備え、
前記装着具に着脱自在に備えられ光学像を捕らえて電子信号を出力する撮像手段と、予め記憶されたテストチャートデータ又は前記撮像手段から出力される電子信号から映像信号を生成し、前記映像表示手段に外界光と重畳する映像を表示可能とさせる制御手段とを備える外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
前記映像表示手段に表示されたテストチャートの映像を前記撮像手段で撮像することにより取得された表示映像データと前記予め記憶されたテストチャートデータとの比較を行う比較判定手段を備えることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御手段を格納する制御ユニット筐体を更に備え、該制御ユニット筐体には、前記比較判定手段による表示状態の評価結果を表示する予備表示手段を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、映像表示手段における映像表示の不具合が生じた場合に、映像表示手段に表示されるテストチャートの映像と比較用テストチャートを比較することで、表示状態の不具合が観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者自身が判断することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、眼鏡の形状を有する装着具の眼鏡レンズを通して映像表示手段に表示されるテストチャートの映像と比較用テストチャートとを比較することで両チャートを同一視線上に並べて比較を行うことが可能となる。このため、映像表示手段における映像表示の不具合が生じた場合に、視線をほとんど移動することなく映像表示手段の表示状態の不具合が観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者自身が更に簡便かつ正確に判断することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、比較用テストチャートが、装着具の眼鏡レンズの光学特性を反映するものであるため、眼鏡レンズの光学特性にほとんど影響を受けない映像表示手段に表示されるテストチャートの映像と同等に視認することができる。この両テストチャートを比較するため、映像表示手段における映像表示の不具合が生じた場合に、この不具合が観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者自身がより簡便かつ正確に判断することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、テストチャートデータが装着具の眼鏡レンズの光学特性を反映したデータであるため、眼鏡レンズの光学特性の影響をうける比較用テストチャートと同等に視認することができる。この両者を比較するため、映像表示手段における映像表示の不具合が生じた場合に、この不具合が観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者自身がより簡便かつ正確に判断することが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項3又は4に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、比較用テストチャートとテストチャートデータとが反映する光学特性が透過率であるため、比較用テストチャートと映像表示手段に表示されるテストチャートの映像のコントラストが同等に視認することが可能となる。この量チャートを比較するため、映像表示手段における映像表示の不具合が生じた場合に、この不具合が観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者自身がより簡便かつ正確に判断することが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、制御手段が格納される制御ユニット筐体を更に備え、この制御ユニット筐体に比較用テストチャートを備えることで比較用テストチャートの携行性が向上する。このため比較用テストチャートを紛失する虞が低減されるとともに、映像表示手段における映像表示の不具合が生じた場合に、この不具合が観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者自身がより迅速かつ簡便に判断することが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、制御ユニット筐体は、前記外界光透過型ヘッドマウントディスプレイに電力の供給を行う電池を格納する電池格納部及びこの電池格納部を覆う格納部蓋を更に備え、前記比較用テストチャートを格納部蓋に備えるため、比較用テストチャートの携行性が向上するとともに比較用テストチャート用に特に設置空間を設ける必要がなくなる。このため比較用テストチャートを紛失する虞が低減され、又、制御ユニット筐体の意匠上の制約を考慮する必要がなくなるとともに、映像表示手段における映像表示の不具合が生じた場合に、この不具合が観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者自身がより迅速かつ簡便に判断することが可能となる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、比較用テストチャートを前記格納蓋の裏面に備えることで接触等よる損傷や紫外線等による退色等を防止することが可能となる。このため、映像表示手段における映像表示の不具合が生じた場合に、この不具合が観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者自身がより正確かつ簡便に判断することが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項1〜8のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、制御手段が、外界光透過型ヘッドマウントディスプレイの初回起動時又はリセット時に、テストチャートを映像表示手段に表示させるため、HMDが不良品であるかの判断を購入時又はリセット後に判断することが可能となる。特に、購入後の初回起動時にテストチャートを表示することは、HMDを使用した経験のない者等は、予定された表示状態の質等を判断する材料がないため、万が一不良品である場合でも、知らずに使用を続けてしまう虞がある。又一方、リセット後にテストチャートを表示することは、初回起動時に近い条件での映像表示状態になることから、映像表示の評価がより正確になるという利点がある。このような観点から、映像表示手段の表示状態の不具合が観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの不良を原因とするものであるのかを観者自身がより正確かつ簡便に判断することが可能となる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1〜8のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、制御手段が、所定時間おきにテストチャートを映像表示手段に表示させるため定期的な表示状態の評価を自動的に行うことができ、映像表示手段の表示状態を定期的に確認できるとともに、映像の表示状態に不具合がある場合に、観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者自身が簡便に判断することが可能となる。
請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜8のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、制御手段に前記テストチャートの表示開始信号を出力する表示指示手段を更に備え、この送信開始信号に基づいてテストチャートを映像表示手段に表示させるため、観者が所望するときに映像表示手段の表示状態を確認できるとともに、映像の表示状態に不具合がある場合に、観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者自身が簡便に判断することが可能となる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項11に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、表示指示手段が、制御手段に表示指示信号を出力するのが比較用テストチャートを可視状態にすることに連動するため、観者が映像表示手段の表示状態の確認を所望するときに、他の操作を行う必要がなくなるとともに、映像の表示状態に不具合がある場合に、観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者自身が簡便に判断することが可能となる。
請求項13に記載の発明によれば、請求項1〜12のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、光学像を捕らえ制御手段に映像信号を出力する撮像手段を更に備え、制御手段により映像表示手段に表示されるテストチャートが、撮像手段により撮像された比較用テストチャートの映像であるため、同一対象を用いて映像表示手段の表示状態の比較を行うことが可能となる。たとえば、HMDを使用している間に比較用テストチャートが、映像表示手段の表示状態の判別に特段支障のない微細なキズ等を受けても、このような傷が観者の眼病進行等やHMDの故障等を原因とするものと観者が誤認することなく判断することが可能となる。
請求項14に記載の発明によれば、撮像手段が映像表示手段に表示されたテストチャートを撮像し、このテストチャートの映像データと予め制御手段に記憶されたテストチャートデータとを比較判定手段により比較し映像表示手段の表示状態を評価することが可能となる。このため、観者は実際に自分の眼で比較することなく簡便に表示状態を確認することが可能となるとともに、映像の表示状態に不具合がある場合に、観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを簡便に判断することが可能となる。
請求項15に記載の発明によれば、請求項14に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御手段を格納する制御ユニット筐体を更に備え、該制御ユニット筐体には、前記比較判定手段による表示状態の評価結果を表示する予備表示手段を備えるため、撮像手段により映像表示手段に表示されたテストチャートを撮像する際に、顔面からHMDをはずした後に再び装着して表示状態の評価結果を確認する必要がなくなる。このため、映像の表示状態に不具合がある場合に、観者自身の視力低下や眼病進行等を原因とするものであるのか、HMDの経年変化による劣化や故障を原因とするものであるのかを観者は簡便に判断することが可能となる。
以下、図を用いて本発明を適用したHMDを実施するための最良の形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるHMD1の全体構成を示した概要図である。
なお、以下の説明において、接眼方向と反対の方向を正面とする。
HMD1は、通常の眼鏡と同様に、鼻当て2及びテンプル3が備えられるフレーム5と眼鏡レンズ10を有する。このフレーム5には、映像投射装置6及び接眼光学系が一体となって設けられ、映像投射装置6とケーブル8を介して接続されるコントロールボックスである制御ユニット9が備えられる。眼鏡レンズ10は、垂直方向に接眼光学系7と略同一形状の凹部が形成され、この凹部に眼鏡レンズ10と接眼光学系7との面方向が段差無く一致するように嵌合されている。接眼光学系7の上端部には、映像投射装置6が固設されるようになっている。第1の実施形態に適用されるHMD1は、これら接眼光学系7等の作用により、観者の実際の視界上に、後述するホログラム映像を重畳的に表示する外界光透過型のHMDを適用するものである。
映像投射装置6は、制御ユニット9から送信される電子信号を映像光束に変換して映像を接眼光学系7に照射するものである。図2は、映像投射装置6及び接眼光学系7の左側面からの断面を示した側断面図である。映像投射装置6の本体となる筐体11の内部には、制御ユニット9から送信される電子信号から映像を生成する透過型の液晶表示器13、光源であるLED(Light Emitting Diode)12及びLED12からの照射光を液晶表示器13の全面に導くための照明光学系14を備える。
接眼光学系7は、更に、プリズム19とホログラム素子15とからなる。プリズム19の上端部は正面方向に厚く形成され、液晶表示器13からの照射される映像光を採光しやすいように上端部が広く形成された楔の形状を有した採光部を備える。液晶表示器13から照射される映像は、この採光部から採光され、プリズム19の内部に反射されながら導光が行われるものである。ホログラム素子15は、プリズム19の下端部と眼鏡レンズ10の凹部との間に狭持されるホログラムフィルムである。プリズム19の内部を導光された映像光が照射されることで光の干渉により眼Eに虚像を結ばせるようになっている。また、ホログラム素子15には、口述するテストチャートが表示可能となっている。
制御ユニット9は、ユニット本体筐体16を備え、その表側平面にHMD1の制御に関する操作スイッチであるコマンド入力スイッチ17及び後述する演算処理部20に作用し、ホログラム素子15に表示される映像の解像度や演色性等を調節する複数の調節用ツマミ68を備え、その側面平面に外部入力端子18を備える。また、ユニット本体筐体16の内部に演算処理部20を備え、その裏側平面から内部にかけて電池格納部21が形成され電池22を格納するようになっている。なお、調節用ツマミ68は、観者等が不用意に変更しないように、通常使用時は、蓋等(不図示)の保護部材を設けておくことが好ましい。
電池22は、HMD1に電力を供給するものであり、ユニット本体筐体16の内部に着脱可能に搭載されている。又、電池格納部21は、ユニット本体筐体16の外周形状と段差無く一体となるように形成された格納部蓋23により覆われるようになっている。又、格納部蓋23はユニット本体筐体16と着脱可能に設けられている。
なお、制御ユニット9は、ウェアラブル性(携行性)を追求させるために、小型化を図り、眼鏡型の装着具であるフレーム5に懸架あるいは装着する構成とすることも可能であるし、映像投射装置6と略一体に形成し着脱可能に構成してもよい。
図3は、制御ユニット9を電池格納部21側(ユニット本体筐体16の裏側)から示した斜視図であり、格納部蓋23が、ユニット本体筐体16から離脱された状態を示す。格納部蓋23の裏側平面には、テストチャートが印刷されたシールである比較用テストチャート25が貼付されている。
ここでテストチャートとしては、グレースケールチャート、解像度チャート、ランドルトチャート、カラーチャート又はこれらの組合せ等のテストチャートが適用可能である。第1の実施形態では、ディスプレイの解像度を評価する解像度チャートと色再現や演色性を評価するカラーチャートを適用している。
なお、格納部蓋23は、この比較用テストチャート25を可視状態、即ち、裏返した状態でもユニット本体筐体16にはめ込むことが可能に構成されている。
また、比較用テストチャート25は格納部蓋23の平面上で、長手方向の中心から一方の端部に偏った位置に備えられており、他方端部側は、灰色に着色された灰色平面24が設けられるようになっている。HMD1は、この灰色平面が、観者の視線方向に対してホログラム素子15の背面に位置させて、ホログラム素子15に表示されるテストチャート(以下、単に「表示チャート」という。)と比較用テストチャート25との比較を行うことで、ホログラム素子15の映像表示状態の評価を行うものである。HMD1は、上述するように、ホログラム素子を用いて外界光と虚像を重畳的に表示するものであるため、このシースルー特性により虚像が外界光の影響を受けやすい。そこで、比較用テストチャート25と表示チャートとを比較する際には、両者の拝啓環境を同条件にするために、格納部蓋23の灰色平面24をホログラム素子15の背面に位置させる構成としている。
より具体的に、比較用テストチャート25と表示チャートの実際の比較手法を示すと、図4に示すように、観者は格納部蓋23を手に保持して視線方向に前後させながら、眼鏡レンズ10中の接眼光学系7とホログラム素子15とが存在しない外界光透過領域に比較用テストチャート25を視認できる位置にあわせる。図5は、そのときの観者の視界を示した模式図である。ホログラム素子15から投射される表示チャートと基準チャートとが比較できる位置にあわせる。このとき、観者は、表示チャートと比較用テストチャート25の大きさが同等に見えるように比較用テストチャート25の位置を調節するようにするのが好ましい。同一条件で両チャートの比較を行うことで、評価がより正確かつ簡便に行うことができるためである。
ところで、HMD1は、外界光透過型のHMDであるため、眼鏡レンズ10を通過して眼Eに入射する外界光は、眼鏡レンズ10の光学特性の影響を受ける。例えば、眼鏡レンズ10の透過率により眼鏡レンズ10を介さないで眼Eに入射する外界光に比してコントラストが低くなるという特性がある。このことは眼鏡レンズ10を解して観察される比較用テストチャート25にも当然にあてはまる特性である。
これに対し、ホログラム素子15から眼Eに投射される映像光が再現する色は、眼鏡レンズ10の透過率にほとんど影響を受けない。このため、HMD1を装着した状態で、比較用テストチャート25をそのまま映像光によるカラーチャートと比較すると、特に、カラーチャートでは、比較用テストチャート25の色を正確に認識することができずに評価ができないあるいは著しく困難という問題がある。
そこで、後述するROM31に予め記憶されたテストチャートのデータのうちコントラストに関わるデータを眼鏡レンズ10の透過率に反映させて低く設定している。
又一方、テストチャートのコントラストデータを低く設定せずに、格納部蓋23に貼付されるテストチャートのコントラストを、眼鏡レンズ10の外界光透過率に応じて高く設定して印刷等を行う構成としてもよい。
なお、生産段階におけるコントラスト等の調整方法としては以下の手法により行うことができる。図17は、ホログラム素子15に表示される映像のコントラストや明度を調整する手法を示した模式図である。比較用テストチャート25をホログラム素子15に表示されるテストチャ−トの映像と比較できるように、眼鏡レンズ10を介して、正面方向に配設する(図17参照)。この両チャートを眼E視線方向から観察できる位置に調整用カメラ70を配置する。調整用カメラ70は両チャートの撮影を可能とするものであり、撮影した映像信号を表示可能な調整用モニタ71とケーブルを介して接続されている。
また、調整用カメラ70の撮像特性は、HMD1の最終ユーザーの視覚特性と略同一にすることが好ましい。例えば、ユーザーの身体的条件により、色覚等が変化している場合は、それにならい、調整用カメラ70の撮像特性を変更することが望ましい。
図17に示すように、調整用モニタ71を介して、テストチャートの映像と比較用テストチャート25との映像が観察することができ、この両映像が一致するように、制御ユニット9に備えられる調節用ツマミ68を操作し、ホログラム素子15に表示される映像のコントラストや明度等の調整を行う。このようにして調節されたテストチャートのデータをROM31に書き込む(設定する)ことで眼鏡レンズの光学特性に応じた映像調節が可能となる。
なお、テストチャートデータの変更手法の例を示すと、予めROM31に記憶された複数のテストチャート(例えば、解像度チャートやカラーチャート等)のデータを調節用ツマミ68の操作により切り替え、解像度や演色性等の調節を行う方法、DSP32の各種の画像処理(明るさの増減、コントラストの増減、階調反転あるいはこれらの組合せ等)における閾値データ等を調節用ツマミ68の操作により変動させ両テストチャートを一致(又は近似)させる方法又はこれらの手法により、コントラスト、明度値等あるいはいずれか一つの光学特性のみが一致(又は近似)するテストチャートのデータをROM31に書き込む等の方法等があげられる。
なお、以上のような調整手法は、生産ラインにおいて自動化や変形が当然にできるものである。また、第1の実施形態では、工場出荷時の初期設定や製品検査用として適用しているが、調整用カメラ70や調整用モニタ71を用いて、メンテナンスセンタ、販売店舗又は家庭等での調節も可能である。
次に、蓋反転検出スイッチ26について説明する。
蓋反転検出スイッチ26は、口述する演算処理部20に対し格納部蓋23が反転されたことを検出し信号を送信するものである。図3に示すように、格納部蓋23をユニット本体筐体16にはめ込む領域の端部に設けられており、格納部蓋23を裏返して(比較用テストチャート25が可視状態)再びユニット本体筐体16にはめ込まれると、格納部蓋23に設けられた凸部27により蓋反転検出スイッチ26がON状態にされ、演算処理部20に検出信号を送信するように構成されている。
また、外部入力端子18は、外部の機器から送信される映像信号等を入力し演算処理部20に出力するものである。
次に、演算処理部20について説明する。図6は、HMD1の機能的構成を示したブロック図である。演算処理部20は、更に、CPU30、ROM31、DSP32及びグラフィックメモリ33からなりこれらがバス34により接続される。
CPU30は、予め記録されたプログラムに基づいてHMD1の全体制御を行うものである。ROM31は、HMD1の制御全般に関わるオペレーションプログラム、各種のアプリケーションプログラムが格納されるものである。このアプリケーションプログラムには、HMD1の映像表示状態を確認するためのプログラムやホログラム素子15から投射される表示チャートに関する情報も記憶されている。また、プログラムに基づいて、工場出荷時(観者の購入時)からの初期起動に際して、テストチャートを表示する構成とすることも可能とする。更には、購入後もリセット状態にしてから再起動する際にもテストチャートを表示する構成とすることも可能とする。
DSP(Digital Signal Processor)32は、CPU30の指示に従い、グラフィックメモリ33に記録された未だ映像処理がされていないデジタル映像信号及び各種の処理装置の信号を入力し、映像投射装置6に送信する映像信号に対し、輝度あるいは色調補正等の映像処理を高速で行う映像処理装置である。また、CPU30を介して送信される調節用ツマミ68からの各種の処理信号により、解像度や演色性等の閾値を変更させて画像処理を行うことが可能に構成されている。
グラフィックメモリ33は、外部入力端子18から入力される映像信号や、DSP32等で映像処理が施されたデジタル信号の一時記憶を行うものである。また、DSP32が実行するプログラムを展開するためのプログラムエリアが展開されるものである。
次に、以上のような構成を有するHMD1の動作について説明する。図7は、HMD1の映像表示状態を評価する際の処理手順を示したフロー図である。
HMD1を起動すると、CPU30は、内蔵されるクロック機能からの時間信号から、予め記憶されたテストチャートの表示を行う時期かを判断する(ステップS1)。なお、この時期は、例えば、1週間、1ヶ月といった所定の時間に設定されている。テストチャートの表示時期である場合(ステップS1:YES)、ホログラム素子15に「映像表示の状態を確認します。電池蓋を裏返して下さい。」との案内映像を表示させる(ステップS2)。観者が格納部蓋23を裏返して蓋反転検出スイッチ26から送信される検出信号をCPU30が受信すると(ステップS3)、DSP32に案内映像表示コマンドを送信し、ホログラム素子15に「電池蓋のチャートは鮮明ですか?」の案内映像を表示させる(ステップS4)。このとき、案内映像の下部には、図8に示すように、「鮮明」と「不鮮明」の二つの選択コマンドが表示されており、CPU30は観者の入力コマンドの検出待機状態となる(ステップS5)。ここで、観者が、コマンド入力スイッチ17を操作し「不鮮明」を選択し、コマンド信号を受信すると(ステップS5:NO)、「視力が適合していないおそれがあります。視力検査をお受けください。」との案内映像を表示する(ステップS6)。その後、通常の映像表示状態とすると共に、次のテストチャートの表示時期を再設定する(ステップS12)。
一方、ステップS5で、観者が「鮮明」を選択し、CPU30がコマンド信号を受信すると(ステップS5:YES)、DSP32に表示チャートの表示指示コマンドを送信する。この表示指示コマンドを受信したDSP32は、ROM31より表示チャートに関するデータを読み込み、表示駆動装置35介してホログラム素子15に表示チャートを表示させる(ステップS7)。次に、CPU30は、再び案内映像表示コマンドをDSP32に送信し、「付属のテストチャートと表示されたテストチャートとが同様に見えますか?」との案内映像を表示させる(ステップS8)。なお、このとき映像表示領域には、図9に示すように、「同様に見える」「同様に見えない」の選択アイコンが表示されており、CPU30観者の入力コマンドの検出待機状態となる(ステップS9)。観者がコマンド入力スイッチ17を操作して「同様に見える」を選択すると(ステップS9:YES)、「ディスプレイの表示は良好です。映像表示状態の確認を終了します。」との案内映像を表示させる(ステップS10)。その後、通常の映像表示状態とすると共に、次のテストチャートの表示時期を再設定する(ステップS12)。
又、ステップS9で、観者が「同様に見えない」を選択すると(ステップS9:NO)、「ディスプレイの表示に異常があります。サービスセンターに連絡をお願いします。」との案内映像を所定時間表示させる(ステップS11)。その後、通常の映像表示状態とすると共に、次のテストチャートの表示時期を再設定する(ステップS12)。
以上のように、第1の実施形態におけるHMD1によれば、格納部蓋23に備えられる比較用テストチャート25を、眼鏡レンズ10を通して視認するだけで、映像表示の不具の原因を、観者自身の視力低下や眼病の進行等にあるのかあるいはHMDの経年変化等による劣化や故障にあるのかを明確且つ簡便に判別することができるようになる。また、肉眼での比較チャートの見え方も確認することができるため、映像表示の状態に不具合が生じた際に、HMD1の作動不良と即座に錯誤する虞も軽減できる。このため、必要のない修理や新規購入の手間やコストを大幅に軽減することが可能となる。また、この様な錯誤に陥ることなく早期に眼病の進行等に気が付くことができ、早期治療や対処に応じることが可能であり、観者の健康に大いに資することとなる。
また、HMD1の光学特性を活かし、比較用テストチャート25を視線上に位置させることで表示チャートと比較することが可能となるため、簡便且つ正確に映像表示の評価を行うことができる。このため、専門的な知識がなくても、観者を始め家族や友人等が、簡単にHMD1の作動確認を行うことを可能とする。
更には、比較用テストチャート25を格納部蓋23の裏に備えることで、比較用テストチャート25の紛失を防止でき、時と場所を選ばずに映像表示状態の確認を行うことが可能である。また、映像表示状態を行わないときは、格納部蓋23をユニット本体筐体16側に反転させることで比較用テストチャート25を摩擦や衝突からの破損や欠損から保護することが可能となる。また、格納部蓋23に比較用テストチャート25を貼付しない領域を設け、かつこの領域の色をテストチャートの視認に好適な灰色とすることで、外部環境に左右されない同一条件で映像表示状態を確認することができ、より正確な映像表示状態の評価を行うことが可能となる。
なお、上記説明では、CPU30が所定時間ごとにテストチャートを表示させる構成としているが、観者が任意のときにテストチャートを表示させる構成としてもよい。具体的には、格納部蓋23を反転させてユニット本体筐体16に再びはめ込んだ際に、蓋反転検出スイッチ26から送信される検出信号を合図としてテストチャートの表示を行う構成としてもよい。これにより、観者が映像表示状態の不具合を感じたときに、より早期に確認を行うことができるようになる。
更には、観者がHMD1を購入し、最初に電源を入れたときに、テストチャートを表示させて映像の表示状態を確認する構成としてもよい。この際に、映像の表示状態に不具合がある場合には、不良品であることがすぐに判別できるようになる。特に、HMD1をはじめて使用する者は、表示状態の経験がなく、不良映像が本来の映像であると錯誤し使用し続ける虞もあり、このような事故を防止することが可能となる
また、表示されるテストチャートは、CPU30に予め記憶されたテストチャートデータに基づいてホログラム素子15に表示される構成とされているが、外部入力端子18からLAN、WANあるいはインターネット等のネットワーク通信を活用して、テストチャートデータが記憶されたサーバから受信して表示する構成としてもよい。これにより、ROM31に予め記憶されたテストチャートデータが破壊された場合でも、映像の表示状態の確認を行うことが可能となる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明を適用したHMDの第2の実施形態について図を用いて説明する。
なお、以下の説明において、HMD1と同一構成を有するものは同一符号を用いて説明を省略する。
図10は第2の実施形態におけるHMD39の構成を示した全体図である。HMD39は第1の実施形態におけるHMD1と比して、撮像手段であるCCDカメラ40、演算処理部41に、テストチャートの表示指示信号を出力する表示開始スイッチ42を更に備える。
なお、制御ユニット39は、ウェアラブル性(携行性)を追求させるために、小型化を図り、眼鏡型の装着具であるフレーム5に懸架あるいは装着する構成とすることも可能であるし、映像投射装置6と略一体に形成し着脱可能に構成してもよい。
CCDカメラ40は、略円筒状の形状からなり、長手方向をテンプル3と平行に且つ観者の視界方向を撮影可能な向きに取り付けがなされている。また、CCDカメラ40は、ケーブル43を介して制御ユニット45に接続される。CCDカメラ40で撮像された映像信号は、ケーブル43を介して制御ユニット45に送信され、ホログラム素子15からこの映像を眼Eに投射可能となっている。このような構成を有するHMD39は、特に、視野狭窄や各種の眼病等を原因とする弱視者の視界方向等を視認できる視覚補助装置として特に有効である。
表示開始スイッチ42は、演算処理部41にテストチャートの表示開始を指示する信号を送信するものであり、この表示開始スイッチ42を観者が操作することで、ホログラム素子15上にテストチャートの映像が表示され、映像表示状態の確認ができるようになっている。
図11は、HMD39の内部構成を示したブロック図である。
CCDカメラ40で撮像された映像信号は、ケーブル8を介して制御ユニット45に送信される。映像信号はA/D変換器46により標本化(サンプリング)及び量子化が行われアナログ映像信号からデジタル映像信号に変換がなされる。デジタル化が行われた映像信号は、演算処理部41に送信される。演算処理部41では、先ず、CPU50が映像信号を受信し、映像処理手段であるDSP51に映像処理指示信号と共に映像信号を送信する。DSP51はROM31より各種の映像処理プログラムを読み込みこんで映像処理を行い、その後、表示駆動装置35に処理後の映像信号を送信する。表示駆動装置35から送信された映像信号は、液晶表示器13及びLED12により映像光束として照射される(図2参照)。この映像光束が接眼光学系7の内部を導光され、ホログラム素子15に照射される。その後、ホログラム素子15からホログラム映像が眼Eに投射されるようになっている(図2参照)。
また、DSP51は、CCDカメラ40から取得された映像を静止画像として記憶できるように構成されるものである。具体的には、表示開始スイッチ42から送信される表示開始指示信号をCPU50が受信すると、DSP51に記憶指示信号が送信される。DSP51は記憶指示信号を受信することでCCDカメラ40から取得する映像信号から1フレーム分の映像信号を抽出し、グラフィックメモリ33に送信する。グラフィックメモリ33は、この1フレーム分の映像信号を記憶し待機状態となる。その後、CPU50から送信される再生指示信号に基づいて、DSP51がグラフィックメモリ33に記憶されている1フレーム分の映像信号を読み出し、ホログラム素子15に静止画像を表示させるようになっている。
なお、CPU30を介して送信される調節用ツマミ68からの各種の処理信号により、解像度や演色性等の閾値を変更させて画像処理を行うことが可能に構成されている。
第2の実施形態におけるHMD39は、比較用テストチャート25をCCDカメラ40で撮像し、この表示チャートの映像と、眼鏡レンズ10を介して視認できる比較用テストチャート25とを比較することで、観者の視力低下や眼病の進行並びにHMD39の故障又は経年変化による劣化等を検出可能とするものである。
また、第1の実施形態におけるHMD1と同様に、比較チャートと表示チャートを比較する際には、眼鏡レンズ10の外界光透過率を考慮する必要がある。このため、DSP51では、CCDカメラ40から取得した比較用テストチャート25の映像データに対し、コントラストを低くする映像処理を行うようになっている。具体的には、眼鏡レンズ10の外界光透過率に対し、取得された映像データのピクセルごとのコントラストを低減する演算処理を行い、ホログラム素子15に表示される表示チャートと眼鏡レンズ10を介して視認される比較用テストチャート25のコントラストが同等となるようになっている。
なお、生産段階におけるコントラスト等の調整方法としては以下の手法により行うことができる。図18は、ホログラム素子15に表示される映像のコントラストや明度を調整する手法を示した模式図である。比較用テストチャート25をホログラム素子15に表示されるテストチャ−トの映像と比較できるように、眼鏡レンズ10を介して、正面方向に配設する(図18参照)。この両チャートを眼E視線方向から観察できる位置に調整用カメラ70を配置する。その後、CCDカメラ40で比較用テストチャート25を撮像しホログラム素子15にこの比較用テストチャート25の映像を表示させる。調整用カメラ70は両チャートの撮影を可能とするものであり、撮影した映像信号を表示可能な調整用モニタ71とケーブルを介して接続されている。
また、調整用カメラ70の撮像特性は、HMD1の最終ユーザーの視覚特性と略同一にすることが好ましい。例えば、ユーザーの身体的条件により、色覚等が変化している場合は、それにならい、調整用カメラ70の撮像特性を変更することが望ましい。
図18に示すように、調整用モニタ71を介して、テストチャートの映像と比較用テストチャート25との映像が観察することができ、この両映像が一致するように、制御ユニット45に備えられる調節用ツマミ68を操作し、ホログラム素子15に表示される映像のコントラストや明度等の調整を行う。このようにして調節されたテストチャートのデータをROM31に書き込む(設定する)ことで眼鏡レンズの光学特性に応じた映像調節が可能となる。
テストチャートデータの変更手法の例を示すと、予めROM31に記憶された複数のテストチャート(例えば、解像度チャートやカラーチャート等)を表示させ、調節用ツマミ68の操作によりDSP51での画像処理(明るさの増減、コントラストの増減、階調反転あるいはこれらの組合せ等)における閾値データを変更させ、LCD12や液晶表示器13(図2参照)に出力する映像信号を変換し解像度や演色性等の調節を行い、両テストチャートを一致(又は近似)させる方法又はコントラスト等の異なる複数の比較用テストチャートを用いて両テストデータが一致(又は近似)する比較用テストチャート25を採用する方法等があげられる。
なお、以上のような調整手法は、生産ラインにおいて自動化や変形が当然にできるものである。また、第2の実施形態では、工場出荷時の初期設定や製品検査用として適用しているが、調整用カメラ70や調整用モニタ71を用いて、メンテナンスセンタ、販売店舗又は家庭等での調節も可能である。
次に、以上の構成を有するHMD39の動作について図12に示すフロー図を用いて説明する。なお、以下の処理は、CPU50により制御されるものである。
HMD39の起動後、観者等により表示開始スイッチ42が操作され、テストチャート表示指示信号をCPU50が受信すると(ステップS20:YES)、DSP51に案内映像表示信号をDSP51に送信し、ホログラム素子15に「映像表示の状態を確認します。電池蓋を裏返して下さい。」との案内映像を表示させる(ステップS21)。観者が、格納部蓋23を裏返し、蓋反転検出スイッチ26から送信される検出信号を受信すると(ステップS22;YES)、DSP51に案内映像表示指示信号を送信し、ホログラム素子15に「電池蓋のチャートは鮮明ですか?」の案内映像を表示させる(ステップS23)。このとき、ホログラム素子15から投射される案内映像の下部には、「鮮明」と「不鮮明」の二つの選択コマンドが表示されており(図8参照)、CPU50は観者の入力コマンドの検出待機状態となる(ステップS24)。ここで、観者が、コマンド入力スイッチ17を操作して「不鮮明」を選択し、CPU50がコマンド信号を受信すると(ステップS24:NO)、「視力が適合していないおそれがあります。視力検査をお受けください。」との案内映像を表示する(ステップS25)。その後、通常の表示状態を表示させる(ステップS36)。
一方、ステップS24で、観者が「鮮明」を選択し、CPU50がコマンド信号を受信すると(ステップS24:YES)、案内映像表示指示信号をDSP51に送信し、ホログラム素子15に「付属のテストチャートをカメラで撮影してください。」との案内映像が一定時間表示させる(ステップS26)。次に、「付属のチャートの目印を画面の目印にあわせて、撮影を行ってください。」との案内映像が表示される(ステップS27)。
観者は、この案内映像によりCCDカメラ40の撮像方向に、格納部蓋23に備えられた比較用テストチャート25をかざして、眼Eに投射される比較用テストチャート25の映像(表示チャート)を確認しながら撮像を行う。所望の大きさに一致したときに、観者は、コマンド入力スイッチ17が操作し、CPU50にコマンド信号が送信される。このコマンド信号を受信したCPU30は(ステップS28)、DSP51に1フレーム分の映像を抽出するフレーム抽出信号をDSP51に送信し、1フレーム分の映像信号(つまり、撮影された比較用テストチャート25の映像信号)を抽出させる(ステップS29)。その後、DSP51に、撮影された比較用テストチャート25即ち表示チャートの表示を指示する表示チャート表示指示コマンドを送信し、ホログラム素子15に表示チャートを表示させる(ステップS30)。
観者は眼鏡レンズ10の接眼光学系7及びホログラム素子15と重ならない領域に、表示チャートと基準チャートとの大きさが同等となるように基準チャートを位置させ、両者を比較しながら映像表示を評価する(図4参照)。
CPU50は、一定時間表示チャートを表示させた後、DSP51に、次の案内映像の表示指示コマンドを送信し、ホログラム素子15に「付属のテストチャートと表示されているテストチャートとは同様に見えますか?」の案内映像を表示させる(ステップS31)。
また、第1の実施形態におけるHMD1と同様に、ステップS31の案内映像の下部には、「はい」と「いいえ」の選択コマンドが表示されている(図9参照)。観者が、コマンド入力スイッチ17を操作し「はい」を選択すると、「はい」のコマンド信号をCPU50が受信し(ステップS32:YES)、CPU50は、DSP51に次の案内映像の表示指示コマンドを送信し、ホログラム素子15に「ディスプレイの表示状態は良好です。以上で映像表示状態の確認を終了します。」の案内映像を表示させる(ステップS33)。その後、CPU50は、通常の表示画面を表示させる(ステップS35)。
又、上記ステップS32で、観者が「いいえ」を選択し、CPU50が「いいえ」のコマンド信号を受信する場合には(ステップS32:NO)、CPU50は、DSP51に、次の案内映像表示信号を送信し、ホログラム素子15に「ディスプレイの表示に以上があります。サービスセンターまでご連絡をお願いします。」の案内映像を一定時間表示させる(ステップS34)。その後、CPU50は、通常の表示画面を表示させる(ステップS35)。
以上のように、第2の実施形態におけるHMD39によれば、CCDカメラ40
で比較用テストチャート25を撮影し、この撮影データに基づいて表示チャートを表示するため、CCDカメラ40を含めたHMD39全体の作動状態のテストを行うことが可能となる。これにより、観者の眼病等の進行に対し早期に対処することが可能となり、且つまた、HMDの修理や買い替え等のコストを節約することが可能となる。
また、比較チャートをCCDカメラ40で取り込むことは、表示チャートと比較用テストチャート25との比較の正確性を担保するという効果が有る。即ち、比較用テストチャート25が、紫外線や物理的な接触等により退色あるいは損傷しても、その様な損傷等を含んだ状態で表示チャートが表示されるため、映像表示の不具合が観者の眼にあるのか機器にあるのかの判断は、明確に行うことが可能である。
更には、表示開始スイッチ42を備え、映像表示状態の確認を任意に行うことが可能になる。これにより、例えば、日によって微妙に異なる観者の体調を原因とする映像表示の不具合が生じても、即座に映像表示の状態を確認することができる。
なお、蓋反転検出スイッチ26を、表示開始スイッチ42として構成してもよい。具体的には、格納部蓋23を反転させてユニット本体筐体16に再びはめ込んだ際に、蓋反転検出スイッチ26から送信される検出信号を合図としてテストチャートの表示を行う構成としてもよい。これにより、観者が映像表示状態の不具合を感じたときに、他の操作を行うことなく、より早期に確認を行うことを可能とする。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明を適用したHMDの第3の実施形態について図を用いて説明する。
なお、以下の説明において、HMD1及び2と同一構成を有するものは同一符号を用いて説明を省略する。
図13は、第3の実施形態におけるHMD60の外観構成を示した全体図である。HMD60は、外観構成としては、第1及び第2の実施形態におけるHMD1及びHMD39に比して、演算処理部61での処理及び演算処理部61から送信される映像信号から映像を表示するサブディスプレイ62をユニット本体筐体16に更に備える点で特に異なる。
なお、制御ユニット60は、ウェアラブル性(携行性)を追求させるために、小型化を図り、眼鏡型の装着具であるフレーム5に懸架あるいは装着する構成とすることも可能であるし、映像投射装置6と略一体に形成し着脱可能に構成してもよい。
なお、CCDカメラ40は、第2の実施形態におけるCCDカメラ40と異なり、図00に示すように、取付具63を介して長手方向をテンプル3と平行とし且つ観者の視界方向を撮影可能な向きに設けられている。また、CCDカメラ40は、着脱自在になっており、ホログラム素子15に表示される映像を撮影可能となる場所に位置することも可能となっている(図13参照)
図14は、HMD60の内部構成を示したブロック図である。
CCDカメラ40で撮像された映像信号は、ケーブル43を介して制御ユニット64に送信され、ホログラム素子15にこの映像を表示可能となっている。
第3の実施形態におけるHMD60は、ホログラム素子15にテストチャートの映像を表示させ、この表示チャートの映像自体をCCDカメラ40で撮影し、この撮影データと予めROM31等に記憶されている比較用テストチャートのデータとを比較判定手段としてのDSP66で比較して映像評価を行うことで、HMD60の映像表示状態を確認することを特徴とする。なお、CPU30を介して送信される調節用ツマミ68からの各種の処理信号により、解像度や演色性等の閾値を変更させて画像処理を行うことが可能に構成されている。
表示開始スイッチ42は、表示状態の確認を開始する際に操作するものであり、この表示開始スイッチ42からの送信信号をCPU65が受信することによりホログラム素子15に表示チャートが表示されるようになっている。
ここで、比較判定手段であるDSP66での両データの比較の方法について説明する。ROM31に記録された表示チャートの映像データに基づいて表示チャートの映像がホログラム素子15に表示される。上述のようにCCDカメラ40をホログラム素子15側に移動させ、表示チャートの撮像をおこなう。撮像された表示チャートの映像信号はA/D変換器46でデジタル信号に変換された後、第2の実施形態におけるHMD39と同様に、DSP66で1フレーム分の映像信号が抽出され、グラフィックメモリ33に一時記録される。
また、ROM31には、上記表示チャートの撮像と同様の手法で撮像されデータ化がされた表示チャートの撮影データが予めROM31に記録されている。より具体的には、工場出荷時等に、デフォルトに設定されている状態で撮像乃至それを想定したデータ等をいう(以下、「比較用テストチャートデータ」という)。
DSP66は、CPU65からの比較指示信号を受け、この比較用テストチャートデータをROM31から読出すと共にグラフィックメモリ33に一時記録された表示チャートのデータを読出し、両データの比較を行うようになっている。
DSP66では、両データのピクセル毎に比較検索がおこなわれる。比較結果が一致しないデータを検出することで、映像表示状態の不良度を判断するようになっている。なお、比較結果に一定の閾値を設ける構成としても良い。即ち、不一致データが全体データのうちに占める割合を超える場合に映像表示状態を不良とする構成としてもよい。実用レベルを鑑みると、映像表示確認テストを行う場所等条件が基準データの条件と完全に一致させることは困難であるし、また、データ上の微差は人間が識別できないのが一般的であるためである。
また、サブディスプレイ62は、映像表示状態の確認を行っている際に、観者等に各種の手順や指示等の案内映像を表示するものである。CPU65からの指示信号に基づきDSP66からの映像信号を映像として表示するようになっている。
以下に、HMD60の動作に付いて図15のフローチャートを用いて説明する。なお、以下に説明する動作は、予めROM31に記録されたプログラムに基づいて、CPU65が制御するものである。
観者等により表示開始スイッチ42が操作され、テストチャート表示開始指示信号をCPU65が受信すると(ステップS50)、CPU65は、DSP66に案内映像の表示コマンドを送信し、ホログラム素子15に「映像表示の状態を確認します。電池蓋を裏返して下さい。」との案内映像を表示させる(ステップS51)。観者が、格納部蓋23を裏返し、蓋反転検出スイッチ26から送信される検出信号をCPU65が受信すると(ステップS52)、上記案内映像の表示手順と同様に、ホログラム素子15に「電池蓋のチャートは鮮明ですか?」の案内映像を投射させる(ステップS53)。このとき、案内映像の下部には、「鮮明」と「不鮮明」の二つの選択コマンドが表示され(図8参照)、CPU65は観者の入力コマンドの検出待機状態となる(ステップS54)。ここで、観者が、コマンド入力スイッチ17を介して「不鮮明」を選択し、コマンド信号を受信すると(ステップS54:NO)、「視力が適合していないおそれがあります。視力検査をお受け頂くか、他の方に映像表示状態確認テストをお願いします。」との案内映像を表示させる(ステップS55)。その後、通常の映像を表示させる(ステップS63)。
一方、ステップS54で、観者が「鮮明」を選択し、コマンド信号を受信すると(ステップS54:YES)、DSP66に案内映像の表示コマンドを送信し、ホログラム素子15に「ディスプレイに表示されているテストチャートの撮影を行います。カメラをはずし、所定の位置まで移動させて下さい。」との案内映像をホログラム素子15に一定時間表示させる(ステップS56)。
その後、DSP66に表示チャートの表示指示コマンドを送信し、ROM31より表示チャートに関するデータを読み込ませ、ホログラム素子15に表示チャートを表示させる(ステップS57)。次に、DSP66に、CCDカメラ40から取得した映像信号から1フレーム分の映像信号を抽出させ、グラフィックメモリ33に記録させる(ステップS58)。その後、予めROM31に記録された比較用テストチャートデータをDSP66に読み込ませるとともにグラフィックメモリ33から表示チャートのデータを読み込ませ、両データのピクセルごとの比較検索を行わせる(ステップS59)。ここで、両データの比較検索の結果が一致するものであれば(ステップS60:YES)、DSP66に案内映像の表示指示コマンドを送信し、今度は、制御ユニット64に備えられるサブディスプレイ62に「ディスプレイの表示状態は良好です。カメラを元の位置に戻してください。映像表示状態の確認を終了します。」との案内映像を表示させる(ステップS61)。その後、通常の映像を表示させる(ステップS63)。
又、ステップS60で両データの比較検索の結果が不一致である場合には(ステップS60:NO)、DSP66に案内映像の表示指示コマンドを送信し、サブディスプレイ62に「ディスプレイに異常があります。サービスセンターまでご連絡ください。」との案内表示を一定時間行わせる(ステップS62)。その後、通常の映像を表示させる(ステップS63)。
以上のように、第3の実施形態におけるHMD60によれば、現状での表示チャートの映像表示状態をCCDカメラ40で撮像し、この表示チャートのデータと予め記憶されたデータとをDSP66により自動的に比較するため、観者が、特段の操作をすることなく、正確且つ簡便に、HMD60の映像表示状態の確認を行うことができる。この結果、映像表示状態の不具合が、観者の視力低下や眼病の進行等を原因とするのか、あるいは機器の故障等を原因とするのか峻別でき。眼病進行等への早期対処あるいは機器の修理や新規購入費等のコスト削減という効果がある。
また、日常でHMD60を始め頭部装着型の表示装置等を使用したことが無い者(例えば、使用者の家族、友人等)であっても、簡便に映像表示状態の確認を行うことができる。この結果、第三者も、映像表示状態の不具合が、観者自身あるいは機器を原因とするものであるかが判断できるという効果がある。
なお、上記CCDカメラ40は取付具63を介してテンプル3と着脱自在とする構成としたが、図16に示すように、ヒンジ67を用いる構成としてもよい。具体的には、ヒンジ67はテンプル3の長手方向外周を回動可能となっている。更に、CCDカメラ40をヒンジ67の回動方向に沿ってホログラム素子15の方向に回転させると、ホログラム素子15に表示される映像を撮影可能となる場所に位置するようになっている。
このような構成とすることで、映像表示状態の確認において、表示チャートの撮像を行う際、CCDカメラ40がテンプル3を中心にヒンジ67の案内により、常に、同様な撮影位置にあわせることができるため、観者等の操作上の負担を軽減すると共に、表示チャートのデータを均一に保つことができるという効果がある。
更に、図17及び図18に示すように、第1及び第2の実施形態における生産段階での映像調整と同様に、調整用カメラ70及び調整用モニタ71を用いて映像の表示状態を評価することも可能である。例えば、テストチャートをホログラム素子15に表示させ、この映像を調整用カメラ70で接眼方向から撮影する。調整用モニタ71には記憶手段としてのROM等を備え、このROMにはホログラム素子15のあるべき映像表示状態を示す映像データ(テストチャートデータ)を予め記憶させ、この調整用モニタ71に表示される両テストチャート映像を比較することで、HMD60の映像表示状態を評価することができる。さらには、両テストチャートが一致するように、調節用ツマミ68を操作し、DSP66での画像処理(明るさの増減、コントラストの増減、階調反転あるいはこれらの組合せ等)における閾値データを変更させ、LCD12や液晶表示器13(図2参照)に出力する映像信号を変換し解像度や演色性等の調節を行い、両テストチャートを一致(又は近似)させるようにしてもよい。
以上、本発明を適用したHMD1、HMD39及びHMD60について説明したが、本発明は上記種々の例に限定されるものではない。
第1の実施形態におけるHMDの全体構成を示した概要図である。 第1の実施形態における映像表示装置及び接眼光学系の概要を示した側断面図である。 第1の実施形態における制御ユニットの裏面及び格納部蓋の裏面の構成を示した概要図である。 第1の実施形態における比較用テストチャートの比較手法を示した模式図である。 第1の実施形態における比較用テストチャートと表示チャートとの比較状態を観者の視線方向から示した模式図である。 第1の実施形態におけるHMDの機能的構成を示したブロック図である。 第1の実施形態におけるHMDの動作状態を示したフロー図である。 第1の実施形態における案内映像を示した模式図である。 第1の実施形態における案内映像を示した模式図である。 第2実施形態におけるHMDの全体構成を示した概要図である。 第2の実施形態におけるHMDの機能的構成を示したブロック図である。 第2の実施形態におけるHMDの動作状態を示したフロー図である。 第3の実施形態におけるHMDの全体構成を示した概要図である。 第3の実施形態におけるHMDの機能的構成を示したブロック図である。 第3の実施形態におけるHMDの動作状態を示したフロー図である。 第3の実施形態におけるCCDカメラのヒンジを用いたCCDカメラの動作状態を示した模式図である。 第1の実施形態におけるHMDの映像表示状態の調整方法の例を示した模式図である。 第2の実施形態におけるHMDの映像表示状態の調整方法の例を示した模式図である。
符号の説明
1 HMD
2 鼻当て
3 テンプル
5 フレーム
6 映像投射装置
7 接眼光学系
8 ケーブル
9 制御ユニット
10 眼鏡レンズ
11 筐体
12 LED
13 液晶表示器
14 照明光学系
15 ホログラム素子
16 ユニット本体筐体
17 コマンド入力スイッチ
18 外部入力端子
19 プリズム
20 演算処理部
21 電池格納部
22 電池
23 格納部蓋
24 灰色平面
25 比較用テストチャート
26 蓋反転検出スイッチ
27 凸部
30 CPU
31 ROM
32 DSP
33 グラフィックメモリ
34 バス
35 表示駆動装置
39 HMD
40 CCDカメラ
41 演算処理部
42 表示開始スイッチ
43 ケーブル
45 制御ユニット
46 A/D変換器
50 CPU
51 DSP
60 HMD
61 演算処理部
62 サブディスプレイ
63 取付具
64 制御ユニット
65 CPU
66 DSP
67 ヒンジ
68 調節用ツマミ
70 調整用カメラ
71 調整用モニタ
E 眼

Claims (15)

  1. 眼鏡の形状を有する装着具の眼鏡レンズに、映像を光学的に瞳に導く映像表示手段と該映像を前記映像表示手段に投射する映像投射手段とを備え、映像データ及びテストチャートデータから映像信号を生成し、外界光と重畳的に前記映像表示手段に映像及びテストチャート映像を表示可能とさせる制御手段を備える外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記映像表示手段に表示されるテストチャート映像との比較を行うための比較用テストチャートを備えることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  2. 請求項1に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記比較用テストチャートは、前記眼鏡レンズを通して前記映像表示手段に表示されるテストチャート映像との比較を行うことで、前記映像表示手段の表示状態の評価を可能とすることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  3. 請求項2に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記比較用テストチャートは、前記眼鏡レンズの光学特性を反映するものであることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  4. 請求項2に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記テストチャートデータは、前記眼鏡レンズの光学特性を反映するものであることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  5. 請求項3又は4に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記光学特性は、前記眼鏡レンズの透過率であることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記制御手段が格納される制御ユニット筐体を更に備え、前記比較用テストチャートは、前記制御ユニット筐体に備えることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  7. 請求項6に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記制御ユニット筐体は、前記外界光透過型ヘッドマウントディスプレイに電力の供給を行う電池を格納する電池格納部及び該電池格納部を覆う格納部蓋を更に備え、
    前記比較用テストチャートを前記格納部蓋に備えることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  8. 請求項7に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記比較用テストチャートを前記格納蓋の裏面に備えることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、前記制御手段は、前記外界光透過型ヘッドマウントディスプレイの初回起動時又はリセットをした時に、前記テストチャートを前記映像表示手段に表示させることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記制御手段は、所定時間おきに、前記テストチャートを前記映像表示手段に表示させることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記制御手段に前記テストチャートの表示開始信号を出力する表示指示手段を更に備え、前記制御手段は、該送信開始信号に基づいて前記テストチャートを前記映像表示手段に表示させることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  12. 請求項11に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記表示指示手段は、前記比較用テストチャートを可視状態にすることにより前記表示指示信号を出力することを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    光学像を捕らえ前記制御手段に電子信号を出力する撮像手段を更に備え、前記制御手段は、前記撮像手段が捕らえた前記比較用テストチャートの映像を、前記映像表示手段に表示させることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  14. 眼鏡の形状を有する装着具の眼鏡レンズに、映像を光学的に瞳に導く映像表示手段と、該映像を前記映像表示手段に投射する映像投射手段とを備え、前記装着具に着脱自在に備えられ光学像を捕らえて電子信号を出力する撮像手段と、予め記憶されたテストチャートデータ又は前記撮像手段から出力される電子信号から映像信号を生成し、前記映像表示手段に外界光と重畳する映像を表示可能とさせる制御手段とを備える外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記映像表示手段に表示されたテストチャートの映像を前記撮像手段で撮像することにより取得された表示映像データと前記予め記憶されたテストチャートデータとの比較を行う比較判定手段を備えることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
  15. 請求項14に記載の外界光透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて、
    前記制御手段を格納する制御ユニット筐体を更に備え、該制御ユニット筐体には、前記比較判定手段による表示状態の評価結果を表示する予備表示手段を備えることを特徴とする外界光透過型ヘッドマウントディスプレイ。
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