JP2003287708A - 視覚拡張装置および表示システム - Google Patents

視覚拡張装置および表示システム

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JP2003287708A
JP2003287708A JP2002090961A JP2002090961A JP2003287708A JP 2003287708 A JP2003287708 A JP 2003287708A JP 2002090961 A JP2002090961 A JP 2002090961A JP 2002090961 A JP2002090961 A JP 2002090961A JP 2003287708 A JP2003287708 A JP 2003287708A
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Yoshiyuki Ono
義之 小野
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人間の視覚をそのままの状態で電子的に拡張
する装置は提案されていない。 【解決手段】 眼鏡型の視覚拡張装置10は、CCDカ
メラ21,22で撮像した映像のうち、アイカメラ1
5,16により特定された使用者の視野に相当する領域
の画像に対して画像処理を行ない、これを虚像表示装置
31,32により、使用者にそのまま視認させる。従っ
て、使用者は、画像処理された映像を、あたかも自分の
視野の映像そのものとして受け取ることができる。ま
た、外部からこの虚像表示装置31,32に情報を付加
したり、視覚拡張装置10の使用者が見ている映像を外
部で同時にモニタリングすることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人間の視覚を拡張
する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の視覚を拡張する装置としては、眼
鏡やコンタクトレンズが広く用いられている。これら
は、視覚のうち、特に近視や遠視、あるいは乱視などの
視力障害を克服するために用いられている。また、光彩
欠損といった障害に対して、光彩模様の不透明部を形成
したコンタクトレンズなども開発され、視覚上の障害を
補正するのに用いられている。
【0003】また人の視覚を拡張する装置としては、こ
の他、望遠鏡や双眼鏡といった光学装置も存在する。こ
れらは、通常の視力では視認できないもの、あるいは視
認しにくいものを、容易に見える状態にするという意味
で、視覚を光学的に拡張する装置であると考えることが
できる。この他、電子的な手法により視覚を拡張する装
置としては、電子顕微鏡や遠隔地に設置された監視カメ
ラ、あるいは暗視スコープなどを考えることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
器具や装置では、人間の視覚をそのまま充分に拡張する
ことはできなかった。コンタクトレンズや眼鏡は、単な
る焦点の補正にとどまり、視覚上の障害を補償するのに
とどまっていた。また、望遠鏡などの光学機器、電子顕
微鏡や監視カメラあるいは暗視スコープなどは、通常の
人間の視力では認識できないものを電子的に見える状態
にするという意味では、視力の拡張になっているが、専
用の機器の表示装置などをのぞき込んだり、モニタとい
う固定的な表示装置を見る、という行為を必要とし、人
間の視覚そのものを拡張するものではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の視覚拡張装置は、人間の視覚を拡張することを目
的とし、次の構成を採用した。即ち、本発明は、人間の
視覚を拡張する視覚拡張装置であって、使用者の視野の
範囲と略同一の視野の範囲を撮像する撮像手段と、該撮
像手段により撮像した画像に対して所定の処理を行なう
画像処理手段と、該処理された画像を、使用者の視野内
に、視認可能に表示する表示手段とを備えたことを要旨
としている。
【0006】この視覚拡張装置は、使用者の視野の範囲
と略同一の範囲を撮像し、撮像した画像を処理してか
ら、使用者の視野内に視認可能に表示する。従って、使
用者の視覚をそのまま拡張することができる。
【0007】こうした視覚拡張装置が行なう視覚の拡張
のための画像処理としては、撮像した画像に対して、拡
大・縮小、明度補正、色彩補正、画像位置の変更、輪郭
強調のうち、少なくとも一つの処理を考えることができ
る。拡大・縮小ができれば、望遠的な視覚、近接的な視
覚を得ることができる。また、明度補正を行なう場合、
明度を高くする処理を行なえば、暗視が可能となり、夜
間のドライブなどの安全性を高めるといった利用が可能
となる。あるいは、明度を低下する処理を行なえば、太
陽や溶鉱炉の内部など直視しては目の機能に損傷を与え
かねない高輝度の対象を見た場合の安全性を確保するこ
とができる。更に、色覚異常がある場合には、色彩補正
を行なうことで、色覚異常、例えば赤緑の区別が付けに
くい場合でも、区別を付けやすい色に変換することで、
色覚異常に起因する不便さを解消することができる。同
様に、視野欠損などがある場合には、画像位置の変更を
行なえば良く、白内障などで視覚がぼんやりしたものに
なっている場合には、輪郭強調を行なえば良い。
【0008】また、本発明の表示手段は、使用者の視野
内に視認可能に画像を表示できればよいが、眼球に近接
した位置に画像を表示する場合には、虚像表示により、
使用者の目の焦点距離の範囲に、処理済みの画像を形成
するようにすればよい。
【0009】こうした視覚拡張装置としては、眼鏡型に
構成することができる。眼鏡は、見慣れた器具であり、
使用者にとっての違和感がない。この場合、撮像手段
は、眼鏡のレンズに相当する部位外側に設け、画像処理
手段は、眼鏡のツルに相当する部位に、装置を駆動する
バッテリと共に設け、表示手段は、眼鏡のレンズに相当
する部位内側に設けることができる。
【0010】この装置の画像処理は一種類としても良い
が、何種類かの画像処理から切り替えたり、画像処理の
程度を変更可能としたりすることも、視覚の拡張を使用
者の状態にあわせるといった点から公的である。この場
合には、画像処理手段を操作する操作部を備えればよ
い。操作部は、画像処理手段と、有線で、設定のための
データのやり取りしてもよいが、無線通信によりやり取
りするものとすれば、装置使用の自由度を高めると言う
点で好適である。
【0011】人の視野は眼球の運動により変化するの
で、使用者の眼球の動きを検出するアイカメラを備え、
アイカメラにより検出された眼球の動きに基づいて、撮
像手段により撮像する範囲を変更し、使用者の視野をよ
り正確にトレースとするものとしても良い。
【0012】また、本発明の視覚拡張装置は、他の機器
から情報を受け取る受信手段を備え、受け取った情報
を、画像処理手段により処理された画像と共に、あるい
は画像に代えて、表示手段に表示するものとしても良
い。こうすれば、単に使用者の視野の範囲における視覚
を拡張するだけでなく、視野以外の情報を取り込んで、
視覚を拡張することができる。外部からの情報として
は、ニュースや画像、動画などを想定することができ
る。また、GPSの機能と組み合わせて、見えている視
野にナビゲーションの情報を表示するといった利用も可
能である。
【0013】また、この視覚拡張装置には、表示手段が
表示している画像を、外部に出力する送信手段を設ける
ことも可能である。こうすれば、外部でこの画像をモニ
タすることができる。この場合、視覚拡張装置の送信手
段により出力された画像を受け取って表示する外部表示
手段と組み合わせ、表示システムを構成することもでき
る。かかるシステムでは、例えば子供が見ているものを
保護者がモニタしたり、危険な作業区域で作業している
作業者の見ているものを監督者がモニタするといった対
応が可能となる。
【0014】
【発明の他の態様】本願発明の視覚拡張装置は、この
他、テレビゲームなどの機能を組み込んで実現すること
もできる。また、撮像手段が、可視光以外の波長の光
(赤外光や紫外光)や光とは異なる電磁波(X線、電子
線など)を撮像するものとすれば、人間の視覚を、光の
以外の領域に拡張することも可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。 (1)実施例の構成:はじめに、実施例の構成について
図1を用いて説明する。図1は本実施例の視覚拡張装置
10の外観を示す説明図である。図示するように、この
装置10は、眼鏡型をしており、その左右のレンズに相
当する部分には、不透明なフレーム11,12が設けら
れており、その左右のフレーム11,12の外側にCC
Dカメラ21,22が搭載され、その内側に、虚像表示
装置31,32と、使用者の左右の眼球の動きを検出す
るアイカメラ15,16とが組み込まれている。また、
眼鏡のツルに相当する部分17,18には、画像処理回
路40とバッテリ91が、左右にそれぞれ組み込まれて
いる。
【0016】図2は、この視覚拡張装置10における各
部の電気的な接続関係と、画像処理回路40の内部構成
を示すブロック図である。画像処理回路40は、処理全
体を司るCPU41、処理プログラムを記憶したROM
43、データを一時的に記憶するRAM45、CCDカ
メラ21,22からの撮像信号を個別に処理し対応する
フレームメモリ51,52に映像を記憶するデジタルシ
グナルプロセッサ(DSP)55,56、処理済みの画
像が書き込まれる専用のビデオメモリ61,62、この
ビデオメモリ61,62の内容を虚像表示装置31,3
2に表示するディスプレイコントローラ65,66、ア
イカメラ15からの画像を入力するアイカメラ処理回路
67、リモコン80からの信号を受け取るリモコン受信
回路68、等を備える。なお、図2では、画像処理回路
40は、外部との通信を行なう無線通信回路69を備え
るものとして表示したが、この通信回路69の役割につ
いては、第2実施例以下で詳しく説明する。
【0017】虚像表示装置31,32の構成について説
明する。左右の虚像表示装置31,32は、同一の構成
を有する。図3は、虚像表示装置31の構成を模式的に
示す説明図である。図示するように、この虚像表示装置
31は、画像を形成する液晶パネル33と、この液晶パ
ネル33の表示を虚像として、使用者の瞳に入れ、結果
的に使用者の焦点距離の範囲に映像を形成する光学系3
5とから構成されている。ディスプレイコントローラ6
5は、ビデオメモリ61,62の内容を、アイカメラ1
5からの情報に基づいて、液晶パネル33の所望の位置
に表示する。この結果、使用者は、自分の眼球の動きに
合った映像が見られることになり、特別な装置をのぞき
込んでいるような不自然さを味わうことがない。
【0018】(2)第1実施例における画像処理:次
に、本実施例の視覚拡張装置10における画像処理につ
いて説明する。本実施例の視覚拡張装置10は、図示し
ない電源スイッチが入れられると、画像処理回路40に
おいて、図4に示した画像処理を実行する。この視覚拡
張処理ルーチンが開始されると、まずアイカメラ15,
16からのデータを読み込む処理を行なう(ステップS
100)。CPU41は、アイカメラ処理回路67によ
り処理されたアイカメラ15,16からのデータを解析
して、視野領域を計算する処理を行なう(ステップS1
10)。CCDカメラ21,22は、この実施例では、
撮像範囲を変更する機能を有しておらず、人間の目の最
大視野に近い範囲を撮像するよう視野が設定されてい
る。そこで、実際にアイカメラ15,16のデータを解
析して、この視覚拡張装置10を装着している人が見よ
うとしている視野範囲を特定し、その範囲の画像だけを
その後の処理の対象とするためである。本実施例では、
このように必要な画像の範囲を制限することで、処理速
度の高速化を図っている。
【0019】次に、DSP55,56にコマンドを送信
し、ステップS110で計算した領域に対応したフレー
ムメモリ51,52上の範囲を特定する処理を行なう
(ステップS120)。これは、その後の画像処理に備
えて、DSP55,56が実際に処理を行なう範囲を、
DSP55,56に設定する処理である。DSP55,
56は、コマンドを受け付けることにより、その後の画
像処理の対象となるフレームメモリ51,52上の範囲
を設定することができる。CCDカメラ21,22の視
野CD、アイカメラ15,16により特定された使用者
の視野UD、およびフレームメモリ51,52上の処理
対象範囲PDの関係を、図5に模式的に示した。図示す
るように、アイカメラ15,16により特定された視野
に対応して、フレームメモリ51,52上の処理対象範
囲が設定される。
【0020】こうした処理に引き続き、実際の画像処理
が行なわれる(ステップS130)。画像処理後の画像
は、ビデオメモリ61,62の視野範囲に対応した領域
に書き込む(ステップS140)。この結果、画像処理
された後の映像が、使用者の目に入ることになる。本実
施例で行なわれる画像処理は固定的なものであり、視野
欠損による視野狭窄を解消するために、画像を再配置す
る処理が予め設定されている。この処理は、使用者の右
目に、図6に模式的に示した視野欠損が存在するという
前提で行なわれる処理である。この使用者の右目は、そ
の右半分の視細胞が損傷を受けており、光や色彩を感じ
ることができない。そこで、画像処理回路40では、こ
の欠損している視野範囲の情報をROM43に記憶して
おり、この情報に従って、右目用のCCDカメラ21で
撮像した映像のうち、本来ならば右半分に像が形成され
部分を、左半分に本来存在する画像と共に圧縮して、使
用者の右目の左半分に入るように、虚像表示装置31の
液晶パネル33上に像を形成する。この様子を、図7に
示した。図7において、(A)は、画像処理を行なわな
い場合の画像形成の様子を、(B)は、本実施例の画像
処理を行なった場合の画像形成の様子を、それぞれ示し
ている。画像処理を行なった場合、欠損のない側の視野
に大部分の画像が形成される。
【0021】かかる画像処理は、常に行なわれているの
で、使用者は、その右目については左半分の正常な視細
胞が存在する範囲で全映像を見ることになる。人間の視
神経(大脳の神経を含む)の可塑性は極めて高いから、
数ヶ月の訓練により、損傷を受けていない残りの視細胞
で受け取った刺激だけで、全視野の画像を処理すること
ができるようになる。この結果、この視覚拡張装置10
を用いる者は、失われた右目半分の能力をあたかも拡張
して取り戻した状態となる。
【0022】なお、この実施例では、画像処理(ステッ
プS130)は、視野欠損に対応した画像の再配置処理
としたが、その他の画像処理として、撮像した画像に対
して、拡大・縮小を行なう処理、明度を補正する処理、
色彩を補正する処理、輪郭を強調する処理など、種々の
画像処理を採用することができる。また、これらの画像
処理の少なくとも一つの処理を実行すれば足り、二以上
の処理を合わせて行なうとも差し支えない。画像処理と
して、拡大・縮小を行なえば、遠くのものを間近に見た
り、広い範囲を一度に見ることなどができる。また、明
度補正を行なう場合、明度を高くする処理を行なえば、
暗視が可能となり、夜間のドライブなどの安全性を高め
ることができる。あるいは、明度を低下する処理を行な
えば、太陽や溶鉱炉の内部など直視しても、目を損傷す
ることがない。更に、色覚異常がある場合には、色彩補
正を行なうことで、色覚異常、例えば赤緑の区別が付け
にくい場合でも、区別を付けやすい色に変換すること
で、色覚異常に起因する不便さを解消することができ
る。同様に、視野欠損などがある場合には、画像位置の
変更を行なえば良く、白内障などで視覚がぼんやりした
ものになっている場合には、輪郭強調を行なうことが望
ましい。
【0023】(3)第2実施例:次に第2実施例の処理
について説明する。第2実施例では、リモコン80を用
いて画像処理の内容やその程度を切り替える。即ち、第
2実施例では、第1実施例と同様のハードウェアを用
い、更に図8に示した画像処理設定ルーチンを実行す
る。このルーチンを開始すると、まずリモコン80との
通信を行なう(ステップS200)。リモコン80と通
信することで、リモコン80から所定の情報を受け取る
と、これを解析し、まずコマンドであるか否かの判断を
行なう(ステップS210)。リモコン80からは、特
定の画像処理を開始せよと言うコマンドかあるいはその
画像処理の程度を設定するデータ、更にその他の設定用
データを受けるよう設計されているので、まず画像処理
コマンドか否かの判断を行ない、画像処理コマンドでな
い場合には、画像処理の程度の指定データか否かの判断
(ステップS220)を行なうのである。
【0024】リモコン80から受け取った情報が処理コ
マンドであると判断された場合には、DSP55,56
が行なう画像処理の内容を指定する処理を行なう(ステ
ップS230)。一旦、画像処理の内容が設定されれ
ば、第1実施例と同様に、CCDカメラ21,22によ
り撮像され、フレームメモリ51,52に格納された画
像に対して、DSP55,56により、設定された画像
処理が繰り返し行なわれることになる(図4参照)。
【0025】他方、リモコン80から受け取った情報が
画像処理の程度を示すデータである場合には、DSP5
5,56の所定のレジスタにこの程度に対応したデータ
を書き込むことにより、画像処理の程度の設定を行なう
(ステップS240)。画像処理の程度とは、例えば明
度補正であれば、どの程度画像を明るく(あるいは暗
く)するかの設定である。こうした設定は、リモコン8
0上に配置された「増加ボタン△」「減少ボタン▽」を
操作することにより簡単に行なうことができる。
【0026】リモコン80から入力した情報が、画像処
理のコマンドでもその程度を示すデータでもない場合に
は、その他の設定用データであると判断して、その他の
設定処理和行なう(ステップS250)。その他の設定
用データとは、画像処理回路40の内部の時計の設定な
どのデータである。
【0027】第2実施例によれば、視覚拡張装置10を
使用する使用者は、リモコン80を操作することで、所
望の画像処理が施された映像を見ることができる。しか
も、これらの画像処理は、本人の眼球の動きに応じた視
野の映像に対して行なわれるので、極めて自然であり、
違和感がない。また処理の程度を設定することができる
ので、体調や加齢と共に変化する視覚の能力を細かく補
うことも可能である。更に、異なる視覚を持った複数の
使用者に応じて画像処理を切り替えることができるの
で、例えば病院や検査機関などで、外来する患者や障害
を持った人に、試用してもらうことも容易である。
【0028】(4)第3実施例:次に本発明の第3の実
施例について説明する。第3実施例では、第1実施例と
ほぼ同様のハードウェア構成を採用しているが、更に、
無線通信回路69を利用して外部からの情報を受取り、
虚像表示装置31,32を利用して、更なる情報の表示
を行なう。第3実施例において画像処理回路40が実行
する情報表示処理ルーチンを図9に示した。この処理ル
ーチンが開始されると、まず無線通信回路69を用いて
外部からの情報を受信する処理を行なう(ステップS3
00)。ここで受け取られる情報は、例えばテレビの文
字放送や、FM放送に重畳された文字情報など、放送に
より配信される情報であっても良いし、無線LANな
ど、比較的小さな領域に対して配信される情報であって
も良い。もとより、携帯電話のメール機能を用いて個別
に配信される情報であっても差し支えない。
【0029】無線通信回路69を用いて情報を受け取る
と、次にこの情報が緊急情報であるか否かの判断を行な
う(ステップS310)。緊急情報であるか否かの判断
は、情報に判断用のフラグやタグを付与しておけば容易
に行なうことができる。もとより、予め特定のキーワー
ド(例えば、「緊急」「重要」「災害」「避難」「犯
罪」「火災」「地震」「津波」など)をROM43に記
憶させておき、受け取った情報にこれらのキーワードが
含まれる場合に、緊急情報であると判断することもでき
る。受け取った情報が緊急情報であると判断した場合に
は、その情報を直ちにビデオメモリ61,62に直接書
き込む処理を行なう(ステップS320)。その時点で
使用者が見ている映像によっては、本来は外部の情報を
見せない方が望ましい場合も存在するが、緊急時には、
外部の情報が最優先であるとして、直接ビデオメモリ6
1,62に書き込むことで、この情報を虚像表示装置3
1に表示するのである。この結果、緊急情報について
は、視覚拡張装置10の使用者は、直ちにその内容を知
ることができる。
【0030】一方、外部から受け取った情報が緊急情報
ではないと判断された場合には(ステップS310)、
次にこの情報が通常の視覚拡張装置10の使用状態にお
いて表示可能であるか否かの判断を行なう(ステップS
330)。アイカメラ15,16からのデータにより、
例えば使用者の眼球が激しく運動していると判断された
ような場合、即ち視覚拡張装置10を装着して球技やテ
レビゲームなどを行なっている場合には、外部から視覚
的な情報をその視野に入れることは望ましくないので、
こうした場合には、情報の表示は可能でないと判断し、
そのまま何も行なわずにこの処理ルーチンを終了する。
【0031】他方、外部からの情報を表示することが可
能と判断された場合には、次に表示の態様についての判
断を行なう(ステップS340)。これは、外部からの
情報を単独で、即ち現在見ている映像に代替して表示す
るか、現在見ている映像に重ねて表示するかを判断する
ものであり、いずれを採用するかは、リモコン80の操
作により予め設定されている。代替して表示すると判断
された場合には、ビデオメモリ61,62の内容を消去
し(ステップS350)、その後、外部から受け取った
情報をビデオメモリ61,62の所定の領域に書き込む
処理を行なう(ステップS360)。重ね合わせて表示
すると判断された場合には(ステップS340)、ビデ
オメモリ61,62の所定の領域に、情報を書き込む処
理を行なう(ステップS360)。なお、ビデオメモリ
61,62に情報を書き込む領域は、第1実施例と同
様、アイカメラ15,16からのデータに従って計算さ
れた視野領域に対応したものであること勿論である。
【0032】この結果、視覚拡張装置10の使用者は、
第1,第2実施例と同様の効果を得られる上、更に外部
からの情報を容易に取得することができる。従って、視
力の拡張機能を享受していながら、例え災害や犯罪など
緊急性の高い事態が発生した場合、これを素早く知るこ
とができる。また、駅の案内やナビゲーションなどを実
現することもできる。更に、テキスト情報のみならず映
像情報も併せて送れば、いわゆる仮想現実映像と実映像
とを切れ目なく見せることができ、バーチャルな世界で
の映像ゲームなどを容易に実現することができる。
【0033】(5)第4実施例:次に本発明の第4の実
施例について説明する。第4実施例は、図10に示すよ
うに、視覚拡張装置10と映像表示装置500とを組み
合わせた表示システムの例である。このシステムでは、
使用者が装着した視覚拡張装置10と映像表示装置50
0とは、無線により通信を行ない、映像表示装置500
は、視覚拡張装置10から、現在使用者が見ている映像
を受け取っている。この映像表示装置500は、図示す
るように、視覚拡張装置10から出力されている映像信
号を受信する受信回路510、受信した映像をモニタ5
30に表示する表示回路520、表示する映像を連続し
てあるいは所定のインターバルで間引いて録画する画像
保存装置540等を備える。画像保存装置540は、例
えばビデオデッキや光ディスクなどを用いることができ
る。こうした装置は連続で映像を記録することもできる
が、コマ送り機能により、数秒や数分に一度といったイ
ンターバルで、静止画を記録することもできる。従っ
て、第4実施例では、視覚拡張装置10を装着している
使用者が見ている映像がそのままモニタ530に表示さ
れることになり、しかもその映像が画像保存装置540
に保存される。この結果、視覚拡張装置10の使用者が
意識的に見ている映像を外部で容易にモニタリングする
とができる。
【0034】かかる表示システムは、例えば子どもの行
動を保護者がモニタリングしたり、警備員や警察官の見
ているものを本部でモニタリングおよび記録するといっ
た用途に用いることができる。更に、危険な作業に従事
する作業者が見ているものを保安センタなどでモニタリ
ングし、必要に応じて作業者に警告や指示を出したりす
るといった用途でも利用可能である。
【0035】以上、本発明のいくつかの実施の形態につ
いて説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において、更に種々なる形態で実施し得ることは勿論
である。例えば、第4実施例の表示システムと第3実施
例とを組み合わせ、視覚拡張装置10の使用者が見てい
るものに対して、モニタ530を見ている者が解説など
の情報を送信し、使用者が見ているものの解説をその場
で加えるといった利用も可能である。同様に、視覚拡張
装置10の使用者に道案内などの情報を、使用者が見て
いる映像に重ねて、分かりやすい形で示すことができ
る。また、第4実施例の画像保存装置540を利用し
て、過去のある時点の映像を視覚拡張装置10で再生
し、既に起きたことを追体験する、といった利用も可能
である。
【0036】更に、他人が使用した後で、視覚拡張装置
10を借り受け、他人が見た映像を再生して体験するこ
とも可能である。こうした利用は、体験的な学習に適し
ている。例えば、スキーのジャンプやスケートの4回転
スピンなど、通常は味わえない映像体験を、その体験者
と同じ視野内の映像により味わうことができる。この
他、視覚拡張装置10を複数台用意し、一台の視覚拡張
装置10の映像を映像表示装置500を利用して、他の
視覚拡張装置10に配信するよう構成すれば、一人が見
ている映像を、複数人で共有することができる。この
他、CCDカメラ21,22を取換え可能とし、可視光
の世界の他に、例えば赤外光の映像世界や紫外光の映像
世界、あるいはX線や電子線の映像世界を体験すること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における視覚拡張装置10の概
略構成を示す説明図である。
【図2】実施例における画像処理回路40の構成を示す
ブロック図である。
【図3】虚像表示装置31の構成を模式的に示す説明図
である。
【図4】画像処理回路40のCPU41が実行する視覚
拡張処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】視野とCCDカメラ21,22の撮像範囲、お
よびフレームメモリ51,52内の処理範囲の関係を示
す説明図である。
【図6】第1実施例の視覚拡張装置10の使用者の視野
欠損の様子を示す説明図である。
【図7】第1実施例における画像処理の様子を示す説明
図である。
【図8】第2実施例における画像処理指定ルーチンを示
すフローチャートである。
【図9】第3実施例における情報表示処理ルーチンを示
すフローチャートである。
【図10】第4実施例である映像表示システムの構成を
示す説明図である。
【符号の説明】
10…視覚拡張装置 11,12…フレーム 15,16…アイカメラ 15…アイカメラ 17,18…ツル部分 21,22…CCDカメラ 31,32…虚像表示装置 33…液晶パネル 35…光学系 40…画像処理回路 41…CPU 43…ROM 45…RAM 51,52…フレームメモリ 55,56…DSP 61,62…ビデオメモリ 65,66…ディスプレイコントローラ 67…アイカメラ処理回路 68…リモコン受信回路 69…無線通信回路 80…リモコン 91…バッテリ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人間の視覚を拡張する視覚拡張装置であ
    って、 使用者の視野の範囲と略同一の視野の範囲を撮像する撮
    像手段と、 該撮像手段により撮像した画像に対して所定の処理を行
    なう画像処理手段と、 該処理された画像を、使用者の視野内に、視認可能に表
    示する表示手段とを備えた視覚拡張装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の視覚拡張装置であって、 前記画像処理手段は、撮像した画像に対して、拡大・縮
    小、明度補正、色彩補正、画像位置の変更、輪郭強調の
    うち、少なくとも一つの処理を行なう手段である視覚拡
    張装置。
  3. 【請求項3】 前記表示手段は、虚像表示により、使用
    者の目の焦点距離の範囲に、前記処理済みの画像を形成
    する手段である請求項1または請求項2に記載の視覚拡
    張装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか記載
    の視覚拡張装置であって、 当該視覚拡張装置は、眼鏡型をなし、 前記撮像手段は、眼鏡のレンズに相当する部位外側に設
    けられ、 前記画像処理手段は、前記眼鏡のツルに相当する部位
    に、当該装置を駆動するバッテリと共に設けられ、 前記表示手段は、前記眼鏡のレンズに相当する部位内側
    に設けられた視覚拡張装置。
  5. 【請求項5】 前記画像処理手段を操作する操作部を備
    え、該操作部は、該画像処理手段が行なう処理の程度ま
    たは処理の種類を設定可能な手段である請求項1ないし
    請求項4のいずれか記載の視覚拡張装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の視覚拡張装置であって、 前記操作部は、前記画像処理手段と、無線通信により、
    前記設定のためのデータのやり取りを行なう視覚拡張装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか記載
    の視覚拡張装置であって、 使用者の眼球の動きを検出するアイカメラを備え、 前記撮像手段は、該アイカメラにより検出された眼球の
    動きに基づいて、撮像する範囲を変更する手段を備えた
    視覚拡張装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれか記載
    の視覚拡張装置であって、 他の機器から情報を受け取る受信手段を備え、 前記表示手段は、該受け取った情報を、前記処理された
    画像と共に、あるいは画像に変えて、表示する手段を備
    えた視覚拡張装置。
  9. 【請求項9】 前記表示手段が表示している画像を、外
    部に出力する送信手段を備えた請求項1記載の視覚拡張
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の視覚拡張装置と、 該視覚拡張装置の送信手段により出力された画像を受け
    取って表示する外部表示手段とを備えた表示システム。
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