JP2006202828A - 電子回路基板の配線修正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ディスペンサの吐出口で導電性物質含有液体が乾燥することがなく、電子回路基板の配線の断線部に導電性物質含有液体を確実に塗布して導電性薄膜を形成し、かつ断線部に形成された導電性薄膜を基板上に密着させる。
【解決手段】 TFT基板(電子回路基板)1上に形成された配線3の断線部3aに、不揮発性溶媒に導電性物質を分散させてなる導電性物質含有液体7を、ディスペンサ4によって断線部3aを間にして対向する配線3の端部3c,3cどうしを接続するように塗布した後に、塗布した導電性物質含有液体7を連続発振レーザ光Laの照射によって加熱して断線部3aに導電性薄膜7aを析出させ、しかる後に、導電性薄膜7aの全体を覆うようにUV硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)8を塗布すると共に、この塗布したUV硬化樹脂8をUV光(紫外線光)を照射して硬化させる。
【選択図】 図1
Description
そのため、溶媒として不揮発性の溶媒を使用してこれに金属粒子または金属粉末を分散させて金属ペーストを形成することも考えられるが、この場合には、電子回路基板の断線部に析出した金属薄膜の電子回路基板に対する密着性を上げるために、溶媒中に接着剤成分も同時に分散させる必要がある。しかし、一般に、前記接着剤成分は不揮発性溶媒に溶けにくく、金属ペーストを容易に得ることができない問題がある。
すなわち、請求項1に係る電子回路基板の配線修正方法は、電子回路基板上に形成された配線の断線部に対応する配線修正領域に、不揮発性溶媒に導電性物質を分散させてなる導電性物質含有液体を、ディスペンサによって前記断線部を間にして対向する配線の対向端部どうしを接続するように塗布した後に、塗布した導電性物質含有液体を加熱して前記配線修正領域に導電性薄膜を析出させ、しかる後に、その導電性薄膜の全体を覆うように紫外線硬化樹脂を塗布すると共に、この塗布した紫外線硬化樹脂を紫外線光を照射して硬化させることを特徴としている。
すなわち、請求項1に係る電子回路基板の配線修正方法によれば、導電性物質含有液体が不揮発性溶媒に導電性物質を分散させて形成されているので、導電性物質含有液体をディスペンサで電子回路基板上の配線修正領域に塗布する際、従来のように、導電性物質含有液体中の揮発性溶媒が揮発することにより導電性物質含有液体がディスペンサの吐出口で乾燥して、配線修正部領域に塗布できなくなるといった問題が生じることはない。また、導電性物質含有液体は、配線修正領域に析出する導電性薄膜の電子回路基板に対する密着性を上げるための接着剤成分を含んでいないので、不揮発溶媒に導電性物質を分散させてなる導電性物質含有液体を容易に調製することができると共に、電子回路基板上に析出した導電性薄膜は、接着剤成分が混入することがなく、電気抵抗を低く抑えることができる。さらに、前記導電性薄膜は紫外線硬化樹脂の被覆層で覆われるので、導電性薄膜からなる修正配線は前記被覆層で保護されると共に、電子回路基板に対する密着性を確保することができる。
また、請求項3に係る電子回路基板の配線修正方法によれば、電子回路基板の配線が保護膜で被覆されている場合でも、その保護膜を予備加工する量を可及的に少なくして、配線の断線部を接続する修正作業を容易、迅速に行うことができる。
はじめに、本発明の第1の実施の形態に係る電子回路基板の配線修正方法について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る電子回路基板の配線修正方法を、液晶表示装置のTFT基板(電子回路基板)1における配線の断線部を修正する場合に適用した例の修正工程を示す斜視図である。
前記TFT基板1は、基板2の上に複数のTFT配線(配線)3がX軸方向に沿いY軸方向に間隔をあけて平行に形成され、該TFT配線3の一つにTFT基板1を製造する過程において断線部3aが生じている例である。
前記配線修正装置は、詳細は図示しないが、前記テーブルTが適宜架台に支持され、溶液塗布装置としてのディスペンサ4と、レーザ加工装置5と、UV光源(紫外線光源)6と、撮像装置等を備えた補修ヘッドが適宜支持部材に支持され、前記テーブルTと前記補修ヘッド(ディスペンサ4,レーザ加工装置5、UV光源6等)とが、相対的にX軸方向x、Y軸方向y、Z軸方向zに、それぞれX、Y、Z軸駆動手段によって移動、制御されるようになっている。
前記レーザ加工装置5は、連続発振レーザ光Laとパルス発振レーザ光Lbをそれぞれ発振する2つの発振器を備え、それらの切り換えによって共通の光学系を通して前記TFT基板1上に所要のレーザ光を照射することができるようになっている。
この実施の形態に係る電子回路基板の配線修正方法は、前記第1の実施の形態に係る電子回路基板の配線修正方法が第1のディスペンサ4aによって導電性物質含有液体7をTFT基板1の断線部3aに塗布することから配線の修正工程を開始しているのに対して、断線部3aに導電性物質含有液体7を塗布するに先立って、配線修正領域3bに導電性物質含有液体7を塗布する部分を区画する配線修正溝9をUV硬化樹脂8’で配線形状に合わせて形成する予備加工を行い、該配線修正溝9内に導電性物質含有液体7を塗布するようにした点で、第1の実施の形態に係る配線修正方法と相違している。その他の構成は第1の実施の形態に係る配線修正方法と同様であるので、同様の部分には同一の符号を付してそれらの詳細説明は省略する。
その際、前記パルス発振レーザ光Lbによって前記被覆層8a’がX軸方向xに沿って直線状に加熱されて除去され、前記硬化樹脂被膜8a’の上部にX軸方向xに沿って、両端部に前記TFT配線3の両端部3c,3cが露出した直線状の配線修正溝9が形成される(図2(e)参照)。
この場合、前記レーザ加工装置5による配線修正溝9の加工深さがTFT配線3の上面に至る程度であるので、前記導電性薄膜7aは、断線部3aに満たされた被覆層8a’の上方にあって、断線部3aを跨るようにしてTFT配線3の端部3c,3cどうしを接続した状態となるが、これに限らず、前記レーザ加工装置5による配線修正溝9の加工深さを深くして、断線部3aに満たされた被膜層8a’とTFT配線3の両端部3c,3cを除去して、それらの除去部においてTFT配線3の高さと面一の導電性薄膜7a(修正配線部)を形成するようにしてもよい。
前記第2の実施の形態に係る電子回路基板の配線修正方法によれば、第1の実施の形態に係る電子回路基板の配線修正方法によると同様な作用効果を奏するほかに、予備加工によって配線修正領域3bに導電性物質含有液体7を塗布する部分を区画する配線修正溝9を、UV硬化樹脂8の被覆層8a’で配線形状に合わせて形成することができるので、該配線修正溝9によって修正配線部を正確に形成することができると共に、導電性薄膜7a(補修配線部)を正確に形成することができると共に、配線修正領域3bに塗布した導電性物質含有液体7が周辺に広がってしまうことがなく、導電性物質含有液体7を無駄なく効率よく使用することができる。
この実施の形態に係る電子回路基板の配線修正方法は、図4(a)に示すように、前記TFT基板1に形成されている配線3が保護膜10で被覆されている場合のTFT配線3の断線部3aを修正するのに適用する。
この場合は、予め、TFT配線3の断線部3aの両側の端部3c、3cにおける保護膜10の被膜層をレーザ光の照射によって除去する予備加工を施し、この後に、第1の実施の形態に係る配線修正方法における修正工程(図1(b)〜図1(f))と同様な修正工程によって、前記保護膜10の除去部分を介して前記TFT配線3の対向端部3b,3bどうしを接続するように導電性物質含有液体7を塗布して導電性薄膜7aを形成し、該導電性薄膜7aをUV硬化樹脂8の被覆層8aで保護するようにする。
第3の実施の形態に係る電子回路基板の配線修正方法によれば、TFT基板1の配線3が保護膜10で被覆されている場合でも、その保護膜10を予備加工する量を可及的に少なくして、配線3の断線部3aを接続する修正作業を容易、迅速に行うことができる。
2 基板
3 TFT配線(配線)
3a 断線部
3b 配線修正領域
3c 配線の端部
4 ディスペンサ
5 レーザ加工装置
6 UV光源(紫外線光源)
6a UV光(紫外線光)
7 導電性物質含有液体
7a 導電性薄膜
8,8’ UV硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)
8a,8a’ 被覆層
9 配線修正溝
10 保護膜
11 修正配線結合用孔
La 連続発振レーザ光
Lb パルス発振レーザ光
Claims (3)
- 電子回路基板上に形成された配線の断線部に対応する配線修正領域に、不揮発性溶媒に導電性物質を分散させてなる導電性物質含有液体を、ディスペンサによって前記断線部を間にして対向する配線の対向端部どうしを接続するように塗布した後に、塗布した導電性物質含有液体を加熱して前記配線修正領域に導電性薄膜を析出させ、しかる後に、その導電性薄膜の全体を覆うように紫外線硬化樹脂を塗布すると共に、この塗布した紫外線硬化樹脂を紫外線光を照射して硬化させることを特徴とする電子回路基板の配線修正方法。
- 予め、前記配線の断線部と対向端部とを含む配線修正領域を覆うように紫外線硬化樹脂を塗布し、塗布した紫外線硬化樹脂を紫外線光を照射して硬化させた後、この硬化した紫外線硬化樹脂の被覆層における前記配線修正領域に対応する部分を、レーザ光の照射によって除去する予備加工を施し、この後に、該被覆層の除去部分において前記配線の対向端部どうしを接続するように導電性物質含有液体を塗布することを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板の配線修正方法。
- 前記配線が保護膜で被覆されている場合、予め配線の前記対向端部における保護膜をレーザ光の照射によって除去する予備加工を施し、この後に、該保護膜の除去部分を介して前記配線の対向端部どうしを接続するように導電性物質含有液体を塗布することを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板の配線修正方法。
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