JP2006201571A - 画像読取用レンズ及びそれを用いた画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 諸収差とのバランスを良好にとり、特に色収差を広帯域にわたり良好に補正し、構成枚数が少ないにも関わらずFno(Fナンバー=4.0以下)が明るく大口径であり、高空間周波数に対するMTFが高く、周辺画角まで高い開口効率を維持することができる画像読取用レンズ及びそれを用いた画像読取装置を得ること。
【解決手段】 原稿面上の画像情報を読取素子面上に結像させるための画像読取用レンズにおいて、原稿面側から読取素子面側へ順に、第1、第2、第3、第4レンズ、絞り近傍に配置した樹脂材で成形された回折光学素子を有し、該正のパワーを有するレンズと該負のパワーを有するレンズのうち、それぞれ少なくとも1枚のレンズは樹脂材で成形され、そのうち少なくとも1枚のレンズは1面が非球面形状であること。
【選択図】 図1
【解決手段】 原稿面上の画像情報を読取素子面上に結像させるための画像読取用レンズにおいて、原稿面側から読取素子面側へ順に、第1、第2、第3、第4レンズ、絞り近傍に配置した樹脂材で成形された回折光学素子を有し、該正のパワーを有するレンズと該負のパワーを有するレンズのうち、それぞれ少なくとも1枚のレンズは樹脂材で成形され、そのうち少なくとも1枚のレンズは1面が非球面形状であること。
【選択図】 図1
Description
本発明は回折光学素子を有する画像読取用レンズ及びそれを用いた画像読取装置に関し、特に明るいFno(Fナンバー)で、周辺画角まで高い開口効率を維持しながら、各収差がバランスよく補正され、高解像力を有する、例えばデジタル複写機やイメージスキャナーなどのデジタル読取機器に好適なものである。
一般にデジタル複写機やイメージスキャナーなどでは、照明装置からの光束により照明された原稿の画像情報を画像読取用レンズ(原稿読取用レンズ)により読取素子面上に縮小結像させて順次原稿面をスキャンしていき、該画像情報をデジタルデータとして読取り電気的に処理できる信号に変換している。このデジタル複写機やイメージスキャナーなどの読取素子としては1次元固体撮像素子(ラインセンサー)が多く採用されている。
また、デジタル複写機やイメージスキャナーなどに用いられる画像読取用レンズにおいて、カラー用の読取素子としては、例えば3つのラインセンサー(CCD)を同一基板上に配置した3ラインセンサーを多く採用している。これは、赤(R)、緑(G)、青(B)の色フィルターを有した受光素子が1チップ上に3列に並んで配置されており、この受光素子面上にカラー画像の画像情報を信号化している。
このデジタル複写機やイメージスキャナーなどに用いられる画像読取用レンズにおいて、カラー原稿を良好に読み取るためには受光素子面上RGB3原色の各色光の結像位置を光軸方向に合致させる必要があり、このため各色について良好に色収差の補正をしなければならない。この色収差は極めて精度良く補正させる必要がある。
更に、このような画像読取用レンズでは、一般に画像において高空間周波数領域での高いコントラストが要求されるとともにコンパクト化及び高速読取りという点から小型、高画角で、かつ開口効率が画角周辺部まで100%近くであることが要求される。また、当然ながら簡易な構成で、しかも製造が容易なことが要求される。
このような要望を満たす画像読取用レンズとしては、例えば絞り中心に複数のレンズを略対称に配置した対称型のレンズ系がある。
一般に対称型のレンズ系は特に高解像力及び高画質な画像が容易に得られるという特徴を有している。
原稿面上の画像情報を画像読取用レンズでセンサー面上に縮小結像させ、該センサーからの信号により該画像情報を電子情報として読取る際には原稿面全体をセンサー面上に高解像力で結像させることが重要となってくる。
画像読取用レンズとしては、例えばレンズ構成が4群6枚のガウスタイプのレンズ系がある。この画像読取用レンズは、球面収差、像面湾曲収差、歪曲収差などの諸収差が比較的十分良く補正されているため、一般的に広く用いられている。
しかしながら、このガウスタイプの画像読取用レンズは、色収差、特に軸上色収差に関して、可視波長域の短波長側で補正過剰となり、長波長側では逆に補正不足となり、可視波長域の広い範囲においては良好に補正することが難しく多くの残存色収差(2次スペクトル)があった。そのため、このような画像読取用レンズを、例えばイメージスキャナーなどのカラー画像読取装置に用いた場合にはR(赤)、G(緑)、B(青)の各色でのピント位置が若干異なり、読取画像の劣化が生じるという問題点があった。
この残存色収差を広帯域の波長に対して補正するには、広帯域波長に対しても屈折率変化の少ない異常部分分散性を有するガラス(異常分散ガラス)を用いる必要があるが、この種のガラスは一般に高価で、且つ加工が難しいという問題点があった。
また、色収差の低減として回折光学素子(回折格子)を用いた画像読取用レンズが提案されている。しかしながらこの画像読取用レンズは設計値以外の次数のフレアー光が存在し、これにより読み取り画像の劣化が生じるという問題点があった。このフレアー光を低減する方法としては、例えば図12、図13に示すような基板104上に分散特性の違う2種類の樹脂より成る格子部105、106を積層させた積層型の回折光学素子を用いる方法がある。
しかしながら、図12に示す格子部105、106の深さd1、d2が互いに異なるタイプでは製造に困難があるという問題点があり、また図13のタイプでは格子部105、106の深さdが80〜90μmと深く、画角のついた光線が格子部の壁の部分で反射され迷光になるという問題点があった。
更に、基板104と格子部105、106がガラスと樹脂の2種類の違う材料で成形している為、製造が難しく、且つ、成形上でもカップリング材の必要性の問題点があった。
レンズ系として見ると、回折光学素子を使用したレンズ枚数の少ない4群4枚のトポゴンタイプなどが挙げられる(特許文献1参照)。
特開2000−66093号公報
上記特許文献1における原稿読取用レンズは、絞りを中心に略対称に複数のレンズを適切に配置すると共に、回折光学素子面を利用することによって諸収差のうち、特に色収差を広帯域にわたり良好に補正し、構成枚数が少ないにも拘らず原稿面全体の画像情報をセンサー面上に高解像力で縮小結像させている。
特許文献1の原稿読取レンズはレンズの縮小倍率が0.15〜0.19と小さい。このために、縮小倍率が0.22以上、且つFno(Fナンバー)4.0以下となると、色収差が小さくとも他の収差量が大きくなる傾向があった。
本発明は諸収差とのバランスを良好にとり、特に色収差を広帯域にわたり良好に補正し、構成レンズ枚数が少ないにも関わらずFno(Fナンバー=4.0以下)が明るく大口径であり、高空間周波数に対するMTFが高く、周辺画角まで高い開口効率を維持することができる画像読取用レンズ及びそれを用いた画像読取装置の提供を目的とする。
請求項1の発明の画像読取用レンズは、
原稿面上の画像情報を読取素子面上に結像させるための画像読取用レンズにおいて、
原稿面側から読取素子面側へ順に、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第1レンズ、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第2レンズ、絞り、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第3レンズ、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第4レンズ、該絞り近傍に配置した樹脂材で成形された回折光学素子を有し、
該正のパワーを有するレンズと該負のパワーを有するレンズのうち、それぞれ少なくとも1枚のレンズは樹脂材で成形され、そのうち少なくとも1枚のレンズは1面が非球面形状であることを特徴としている。
原稿面上の画像情報を読取素子面上に結像させるための画像読取用レンズにおいて、
原稿面側から読取素子面側へ順に、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第1レンズ、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第2レンズ、絞り、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第3レンズ、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第4レンズ、該絞り近傍に配置した樹脂材で成形された回折光学素子を有し、
該正のパワーを有するレンズと該負のパワーを有するレンズのうち、それぞれ少なくとも1枚のレンズは樹脂材で成形され、そのうち少なくとも1枚のレンズは1面が非球面形状であることを特徴としている。
請求項2の発明の画像読取用レンズは、
原稿面上の画像情報を読取素子面上に結像させるための画像読取用レンズにおいて、
原稿面側から読取素子面側へ順に、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第1レンズ、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第2レンズ、絞り、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第3レンズ、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第4レンズ、該絞り近傍に配置した樹脂材で成形された回折光学素子を有し、
該正のパワーを有するレンズと該負のパワーを有するレンズのうち、それぞれ少なくとも1枚のレンズは樹脂材で成形され、そのうち少なくとも1枚のレンズは1面が非球面形状であり、
該樹脂材で成形された正のパワーを有するレンズの材質の平均屈折率と平均アッベ数を各々N凸、ν凸、該樹脂材で成形された負のパワーを有するレンズの材質の平均屈折率と平均アッベ数を各々N凹、ν凹とするとき、
1.52<(N凸+N凹)/2<1.57
20<ν凸−ν凹<30
なる条件を満足することを特徴としている。
原稿面上の画像情報を読取素子面上に結像させるための画像読取用レンズにおいて、
原稿面側から読取素子面側へ順に、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第1レンズ、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第2レンズ、絞り、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第3レンズ、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第4レンズ、該絞り近傍に配置した樹脂材で成形された回折光学素子を有し、
該正のパワーを有するレンズと該負のパワーを有するレンズのうち、それぞれ少なくとも1枚のレンズは樹脂材で成形され、そのうち少なくとも1枚のレンズは1面が非球面形状であり、
該樹脂材で成形された正のパワーを有するレンズの材質の平均屈折率と平均アッベ数を各々N凸、ν凸、該樹脂材で成形された負のパワーを有するレンズの材質の平均屈折率と平均アッベ数を各々N凹、ν凹とするとき、
1.52<(N凸+N凹)/2<1.57
20<ν凸−ν凹<30
なる条件を満足することを特徴としている。
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において、
前記樹脂材で成形されたレンズは、前記第1レンズと第2レンズであることを特徴としている。
前記樹脂材で成形されたレンズは、前記第1レンズと第2レンズであることを特徴としている。
請求項4の発明は請求項1又は2の発明において、
前記樹脂材で成形されたレンズは、前記第1レンズと第3レンズであることを特徴としている。
前記樹脂材で成形されたレンズは、前記第1レンズと第3レンズであることを特徴としている。
請求項5の発明は請求項1又は2の発明において、
前記樹脂材で成形されたレンズは、前記第1レンズと第2レンズと第3レンズであることを特徴としている。
前記樹脂材で成形されたレンズは、前記第1レンズと第2レンズと第3レンズであることを特徴としている。
請求項6の発明は請求項1乃至5のいずれか1項の発明において、
前記回折光学素子は、前記絞りの直前又は直後に配置されていることを特徴としている。
前記回折光学素子は、前記絞りの直前又は直後に配置されていることを特徴としている。
請求項7の発明は請求項1乃至6のいずれか1項の発明において、
前記回折光学素子は、正のパワーの回折格子面を有する回折格子と、負のパワーの回折格子面を有する回折格子とを互いに回折格子面が向き合わせて接合した積層型回折光学素子であることを特徴としている。
前記回折光学素子は、正のパワーの回折格子面を有する回折格子と、負のパワーの回折格子面を有する回折格子とを互いに回折格子面が向き合わせて接合した積層型回折光学素子であることを特徴としている。
請求項8の発明は請求項7の発明において、
前記負のパワーの回折格子面を持つ回折格子の材質の屈折率とアッベ数を各々NGP1、νGP1、正のパワーの回折格子面を持つ回折格子の材質の屈折率とアッベ数を各々NGP2、νGP2、画像読取用レンズ全系の焦点距離をf、回折光学素子面の屈折力をφdとするとき、
1.52<(NGP1+NGP2)/2<1.57
20<νGP1−νGP2<30
0.01<f×φd<0.05
なる条件を満足することを特徴としている。
前記負のパワーの回折格子面を持つ回折格子の材質の屈折率とアッベ数を各々NGP1、νGP1、正のパワーの回折格子面を持つ回折格子の材質の屈折率とアッベ数を各々NGP2、νGP2、画像読取用レンズ全系の焦点距離をf、回折光学素子面の屈折力をφdとするとき、
1.52<(NGP1+NGP2)/2<1.57
20<νGP1−νGP2<30
0.01<f×φd<0.05
なる条件を満足することを特徴としている。
請求項9の発明は請求項1乃至8のいずれか1項の発明において、
前記回折光学素子は、基板と回折格子が樹脂材で一体に成形されていることを特徴としている。
前記回折光学素子は、基板と回折格子が樹脂材で一体に成形されていることを特徴としている。
請求項10の発明は請求項9の発明において、
前記基板と回折格子を樹脂材で一体に成形している回折光学素子は、射出成形によって成形されていることを特徴としている。
前記基板と回折格子を樹脂材で一体に成形している回折光学素子は、射出成形によって成形されていることを特徴としている。
請求項11の発明は請求項9の発明において、
前記基板と回折格子を樹脂材で一体に成形している回折光学素子は、モールド成形によって成形していることを特徴としている。
前記基板と回折格子を樹脂材で一体に成形している回折光学素子は、モールド成形によって成形していることを特徴としている。
請求項12の発明は請求項1乃至11のいずれか1項の発明において、
前記回折光学素子を構成する基板と回折格子の材料は、プラスチック光学材料であることを特徴としている。
前記回折光学素子を構成する基板と回折格子の材料は、プラスチック光学材料であることを特徴としている。
請求項13の発明の画像読取装置は、
請求項1乃至12の何れか1項に記載の画像読取用レンズを用いて原稿面上の画像情報を読取素子面上に形成していることを特徴としている。
請求項1乃至12の何れか1項に記載の画像読取用レンズを用いて原稿面上の画像情報を読取素子面上に形成していることを特徴としている。
本発明によれば対称型のレンズ系の絞り近傍に基板と一体に樹脂材で成形した回折光学素子を配置することによって諸収差とのバランスを良好にとり、特に色収差を広帯域にわたり良好に補正し、Fno(Fナンバー=4.0以下)が明るく大口径であり、高空間周波数に対するMTFが高く、周辺画角まで高い開口効率を維持することができる画像読取用レンズ及びそれを用いた画像読取装置を達成することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1〜図4は各々本発明の画像読取用レンズの実施例1〜4のレンズ断面図であり、各々画像読取装置に適した場合を示している。図5は本発明の実施例1の結像倍率β=‐0.22のときの諸収差図、図6は本発明の実施例2の結像倍率β=‐0.22のときの諸収差図、図7は本発明の実施例3の結像倍率β=‐0.22のときの諸収差図、図8は本発明の実施例4の結像倍率β=‐0.22のときの諸収差図である。
レンズ断面図において図面上、左側が拡大側(共役点が長い方)で原稿面T側(読取画像が設けられている側)であり、右側が縮小側(共役点が短い方)で像面IP側(例えば読取素子としてのCCDが設けられている側)である。
図1〜図4においてPLは画像読取用レンズであり、例えばXeランプ(キセノンランプ)より成る光源により照明された原稿面T上の画像情報を読取素子IP面上に結像させている。Tは原稿面であり、その面上に画像情報が形成されている。IPは読取素子としてのラインセンサー(CCD)である。Gi(i=1〜4)は画像読取用レンズPLを形成する第iレンズ、SPは絞りである。
GPは積層型の回折光学素子であり、基板と格子部(回折格子)を樹脂材で一体に成形した正のパワー(屈折力)の回折格子面を有する第1の回折格子GP1と、基板と格子部を樹脂材で一体に成形した負のパワーの回折格子面を有する第2の回折格子GP2とを互いに回折格子面が向き合わせて接合されている。
尚、各実施例では単層の回折光学素子を用いても良い。
画像読取用レンズPLを構成する第iレンズGiのうち、G1は原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第1レンズ、G2は原稿面側に凸面を向けたメニスカス状の負のパワーを有する第2レンズ、G3はラインセンサー側に凸面を向けたメニスカス状の負のパワーを有する第3レンズ、G4はラインセンサー側に凸面を向けたメニスカス状の正のパワーを有する第4レンズである。
各実施例1〜4においては第2レンズG2と第3レンズG3との間に絞りSPを配置し、かつ絞りSP近傍に積層型の回折光学素子GPを配置している。
また本実施例では正のパワーを有する第1、第4レンズG1,G4、負のパワーを有する第2、第3レンズG2,G3のそれぞれ少なくとも1枚ずつを樹脂材で成形し、そのうち少なくとも1枚のレンズの1面を非球面形状より成形している。これにより本実施例では簡易な構成で、かつ製造し易い(コストを下げ)、非球面形状を成形できるようにすることで、少ない枚数で、且つ明るいFnoにおいても諸収差を良好に補正している。
実施例1では第1レンズG1と第2レンズG2、実施例2では第1レンズG1と第3レンズG3、実施例3、実施例4では共に第1レンズG1、第2レンズG2、そして第3レンズG3を樹脂により成形している。
尚、実施例1で用いた第1、第2レンズG1、G2のプラスチック光学材料は各々G1は、商品名ZEONEX(日本ゼオン(株))、G2はポリカーボネート(PC)、実施例2で用いた第1、第3レンズG1、G3のプラスチック光学材料は各々G1は、商品名ZEONEX(日本ゼオン(株))、G3は、ポリカーボネート(PC)、実施例3で用いた第1、第2、第3レンズG1、G2、G3のプラスチック光学材料は各々G1は、商品名ZEONEX(日本ゼオン(株))、G2は、ポリカーボネート(PC)、G3は、アクリル(PMMA)、実施例4で用いた第1、第2、第3レンズG1、G2、G3のプラスチック光学材料は各々G1は、アクリル(PMMA)、G2,G3はポリカーボネート(PC)等を使用している。
本発明においては樹脂材で成形された正のパワーを有するレンズの材質の平均屈折率(1つのときは1つのレンズの材質の屈折率)と平均アッベ数を各々N凸、ν凸、樹脂材で成形された負のパワーを有するレンズの材質の平均屈折率と平均アッベ数を各々N凹、ν凹とするとき、
1.52<(N凸+N凹)/2<1.57 ‥‥(1)
20<ν凸−ν凹<30 ‥‥(2)
なる条件を満足させている。
1.52<(N凸+N凹)/2<1.57 ‥‥(1)
20<ν凸−ν凹<30 ‥‥(2)
なる条件を満足させている。
次に各条件式(1),(2)の技術的意味について説明する。
条件式(1),(2)は、各々樹脂材を用いた正のパワーを有するレンズ(正レンズ)と負のパワーを有するレンズ(負レンズ)のプラスチック光学材料を規定し、回折光学素子との色収差のバランスと他の諸収差のバランスをとる為の条件である。条件式(1),(2)の少なくとも一方の上限値を超えてしまうと、他の諸収差が悪化するため良くない。また条件式(1),(2)の少なくとも一方の下限値を超えるとレンズ系で発生する色収差量が大きくなり、回折光学素子での補正が困難となるので良くない。
更に本発明は上記条件式(1),(2)を次の如く設定するのが良い。
1.53<(N凸+N凹)/2<1.56 ‥‥(1a)
23<ν凸−ν凹<28 ‥‥(2a)
また各実施例における記回折光学素子は、負のパワーの回折格子面を持つ回折格子の材質の屈折率とアッベ数を各々NGP1、νGP1、正のパワーの回折格子面を持つ回折格子の材質の屈折率とアッベ数を各々NGP2、νGP2、画像読取用レンズ全系の焦点距離をf、回折光学素子面の屈折力をφdとするとき、
1.52<(NGP1+NGP2)/2<1.57 ‥‥(3)
20<νGP1−νGP2<30 ‥‥(4)
0.01<f×φd<0.05 ‥‥(5)
なる条件を満足させている。
23<ν凸−ν凹<28 ‥‥(2a)
また各実施例における記回折光学素子は、負のパワーの回折格子面を持つ回折格子の材質の屈折率とアッベ数を各々NGP1、νGP1、正のパワーの回折格子面を持つ回折格子の材質の屈折率とアッベ数を各々NGP2、νGP2、画像読取用レンズ全系の焦点距離をf、回折光学素子面の屈折力をφdとするとき、
1.52<(NGP1+NGP2)/2<1.57 ‥‥(3)
20<νGP1−νGP2<30 ‥‥(4)
0.01<f×φd<0.05 ‥‥(5)
なる条件を満足させている。
次に各条件式(3),(4)、(5)の技術的意味について説明する。
条件式(3),(4)は、各々回折光学素子のプラスチック光学樹脂材料を規定し、良好なる色収差補正を行う為の条件であり、条件式(3),(4)の少なくとも一方の上限値を超えてしまうと、レンズ系で発生する色収差に対し、補正過剰となるので良くない。また条件式(3),(4)の少なくとも一方の下限値を超えると補正不足となってしまうので良くない。
条件式(5)は、軸上色収差を良好に補正するための条件であり、条件式(5)の上限値を超えてしまうと回折光学素子面の屈折力φdが大きくなり、軸上色収差が補正過剰となると共に回折光学素子面の中心部と周辺部とでの格子ピッチの差が増大してしまい、製作が困難になるので良くない。
また条件式(5)の下限値を超えてしまうと回折光学素子面の屈折力φdが小さくなり、軸上色収差が補正不足となると共に1次回折光以外の回折光の影響が増大しフレアーとなってくるので良くない。
更に本発明は上記条件式(3),(4)、(5)を次の如く設定するのが良い。
1.53<(NGP1+NGP2)/2<1.56 ‥‥(3a)
23<νGP1−νGP2<28 ‥‥(4a)
0.02<f×φd<0.045 ‥‥(5a)
また本発明では、各実施例において積層型の回折光学素子GPを絞りSP直前に配置している。これは可視域全域で高い回折効率を実現する為に積層型の回折光学素子を用いており、該積層型の回折光学素子GPを絞りSP直前に配置することにより、軸外光束の光軸からの通過位置が低いことを利用して、軸外収差への悪影響を最小限にして軸上色収差を効率的に補正する為である。もちろん絞りSP直後に積層型回折光学素子GPを配置しても同等の効果が得られる。
23<νGP1−νGP2<28 ‥‥(4a)
0.02<f×φd<0.045 ‥‥(5a)
また本発明では、各実施例において積層型の回折光学素子GPを絞りSP直前に配置している。これは可視域全域で高い回折効率を実現する為に積層型の回折光学素子を用いており、該積層型の回折光学素子GPを絞りSP直前に配置することにより、軸外光束の光軸からの通過位置が低いことを利用して、軸外収差への悪影響を最小限にして軸上色収差を効率的に補正する為である。もちろん絞りSP直後に積層型回折光学素子GPを配置しても同等の効果が得られる。
各実施例で使用する第1、第2の回折格子GP1、GP2の格子ピッチは各々光源からの光束の基準波長(d線)をλ0、光軸からの距離をh、位相係数をC2i(i=1,2・・・)、位相をφ(h)としたとき、
φ(h)=2π/λ0・(C2・h2+C4・h4+C6・h6+・・+C2i・h2i)
なる式で表されるものである。各数値実施例では、1次光を設計値としている。
φ(h)=2π/λ0・(C2・h2+C4・h4+C6・h6+・・+C2i・h2i)
なる式で表されるものである。各数値実施例では、1次光を設計値としている。
図9は本発明に関わる積層型の回折光学素子GPを説明するための説明図である。
同図に示すように第1の回折格子(回折光学素子)GP1は基板101と正のパワーの回折格子面102aを有する格子部102がプラスチック光学材料により一体に射出成形されている。また第2の回折格子(回折光学素子)GP2も同様に基板103と負のパワーの回折格子面104aを有する格子部104がプラスチック光学材料により一体に射出成形されている。
更に回折格子面102a,104aを互いに向い合わせに配置し、周囲を接着剤105で固定することによって積層型の回折光学素子GPを達成している。これは光学部材が2つに分かれないために従来のガラス基板を使用する場合よりも簡易に構成でき、かつ製造が容易で大幅なコストダウンが図れる。
また本実施例では積層型の回折光学素子GPを射出成形で成形しているが、これに限らず、モールド成形で成形しても良い。
各実施例で用いた第1の回折格子GP1のプラスチック光学材料は、商品名ZEONEX(日本ゼオン(株))、もしくはアクリル(PMMA)を使用しており、また第2の回折格子GP2のプラスチック光学材料は、ポリカーボネート(PC)を使用している。
各数値実施例においては第1、第2の回折格子GP1,GP2の格子の深さを各々順にd1、d2としたとき、該格子深さd1、d2を
{n1(λa)-1}d1―{n2(λa)-1}d2=mλa・・(6)
{n1(λb)-1}d1―{n2(λb)-1}d2=mλb・・(7)
但し、
n1:第1の回折格子GP1の材質の屈折率
n2:第2の回折格子GP2の材質の屈折率
λa:第1の設定波長(μm)
λb:第2の設定波長(μm)
m:1,2,3…
なる式から決定している。
{n1(λa)-1}d1―{n2(λa)-1}d2=mλa・・(6)
{n1(λb)-1}d1―{n2(λb)-1}d2=mλb・・(7)
但し、
n1:第1の回折格子GP1の材質の屈折率
n2:第2の回折格子GP2の材質の屈折率
λa:第1の設定波長(μm)
λb:第2の設定波長(μm)
m:1,2,3…
なる式から決定している。
上記材質の組み合わせでは、関係式(6),(7)を用い、設計次数をm=1と設定し、第1、第2の回折格子GP1,GP2の格子部の深さをd1=11.613(μm),d2=9.635(μm)、もしくはd1=18.064(μm),d2=14.244(μm)としている。
図10は本発明の画像読取用レンズをデジタルカラー複写機の画像読取装置に適用したときの要部外略図である。
同図において2は原稿台ガラスであり、その面上に原稿1が載置されている。4は照明光源であり、例えばハロゲンランプ、蛍光灯やキセノンランプ等によって成っている。3は反射笠であり、照明光源4からの光束を反射させ、効率よく原稿を照明している。5,6,7は各々の順に第1、第2、第3の反射ミラーであり、原稿1からの光束の光路を本体内部で折り曲げている。8は上述した数値実施例1から4の何れかの画像読取用レンズであり、原稿1の画像情報に基づく光束を読取手段9面上に結像させている。9は読取手段としてのラインセンサー(CCD)である。10は本体、11は圧板である。
本実施例において照明光源4から放射された光束は直接あるいは反射笠3を介して原稿1を照明し、該原稿1からの反射光を第1、第2、第3の反射ミラー5,6,7を介して本体内部でその光束の光路を折り曲げ、画像読取用レンズ8によりCCD9面上に結像させている。このとき第1、第2、第3の反射ミラー5,6,7が副走査方向に移動しながら主走査方向を電気的に走査することで原稿1の画像情報を読み取っている。このとき第2,3の反射ミラー6,7は、第1の反射ミラー5の移動量の半分移動することで原稿1とCCD9との距離を一定としている。
尚、本実施形態では1:2走査光学系を有する画像読取装置に本発明の画像読取用レンズを適用したが、これに限らず、例えば図11に示す一体型(フラットベッド型)の画像読取装置に適用しても本発明は上述の実施形態1と同様に適用することができる。
図11において照明手段24から放射された光束は直接あるいは反射笠23を介して原稿21を照明し、該原稿21からの反射光束を第1、第2、第3、第4反射ミラー25,26,27,28を介してキャリッジ31内部でその光路を折り曲げ、画像読取用レンズ29により1次元CCD等のリニアイメージセンサ30(以下「CCD」と称す。)面上に結像させている。そしてキャリッジ31を副走査モーター(不図示)により図中に示す矢印C方向(副走査方向)に移動させることにより原稿21の画像情報を読み取っている。同図におけるCCD30は複数の受光素子を1次元方向(主走査方向)に配列した構成により成っている。
尚、本実施例ではデジタルカラー複写機の画像読取装置に本発明の画像読取用レンズを適用したが、これに限らず、例えばカラーイメージスキャナーなどの種々のカラー画像読取装置にも適用することができる。
次に本発明の実施例1〜4に各々対応する数値実施例1〜4を示す。数値実施例においてiは原稿面からの面の順番を示し、riは各面の曲率半径、diは第i番目と第i+1番目の光学部材厚又は空気間隔、Ndiとνdiは第i番目の光学部材のd線に対する屈折率とアッベ数である。fは焦点距離、FnoはFナンバー、Yは像高、βは倍率である。また実施例中の波長はランプの分光特性とCCDフィルターの分光特性を考慮したRGBの重心波長であり、基準波長(G)は543nm、長波長(R)は622nm、短波長(B)は458nmで計算している。また前述の各条件式と数値実施例における諸数値との関係を表−1に示す。
非球面形状は光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてxとするとき、
で表される。ただし、Rは近軸曲率半径、kは円錐定数、A、B、Cは非球面係数である。
PL 画像読取用レンズ
Gi 第iレンズ
GPi 第iの回折格子
GP 積層型回折光学素子
SP 絞り
T 原稿面
IP 読取素子(像面)
1 原稿
2 原稿台ガラス
3 反射笠
4 照明光源
5 第1の反射ミラー
6 第2の反射ミラー
7 第3の反射ミラー
8 画像読取用レンズ
9 読取手段
10 本体
11 圧板
101、103 基板
102、104 格子部
105 接着剤
Gi 第iレンズ
GPi 第iの回折格子
GP 積層型回折光学素子
SP 絞り
T 原稿面
IP 読取素子(像面)
1 原稿
2 原稿台ガラス
3 反射笠
4 照明光源
5 第1の反射ミラー
6 第2の反射ミラー
7 第3の反射ミラー
8 画像読取用レンズ
9 読取手段
10 本体
11 圧板
101、103 基板
102、104 格子部
105 接着剤
Claims (13)
- 原稿面上の画像情報を読取素子面上に結像させるための画像読取用レンズにおいて、
原稿面側から読取素子面側へ順に、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第1レンズ、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第2レンズ、絞り、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第3レンズ、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第4レンズ、該絞り近傍に配置した樹脂材で成形された回折光学素子を有し、
該正のパワーを有するレンズと該負のパワーを有するレンズのうち、それぞれ少なくとも1枚のレンズは樹脂材で成形され、そのうち少なくとも1枚のレンズは1面が非球面形状であることを特徴とする画像読取用レンズ。 - 原稿面上の画像情報を読取素子面上に結像させるための画像読取用レンズにおいて、
原稿面側から読取素子面側へ順に、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第1レンズ、該原稿面側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第2レンズ、絞り、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の負のパワーを有する第3レンズ、該読取素子側に凸面を向けたメニスカス形状の正のパワーを有する第4レンズ、該絞り近傍に配置した樹脂材で成形された回折光学素子を有し、
該正のパワーを有するレンズと該負のパワーを有するレンズのうち、それぞれ少なくとも1枚のレンズは樹脂材で成形され、そのうち少なくとも1枚のレンズは1面が非球面形状であり、
該樹脂材で成形された正のパワーを有するレンズの材質の平均屈折率と平均アッベ数を各々N凸、ν凸、該樹脂材で成形された負のパワーを有するレンズの材質の平均屈折率と平均アッベ数を各々N凹、ν凹とするとき、
1.52<(N凸+N凹)/2<1.57
20<ν凸−ν凹<30
なる条件を満足することを特徴とする画像読取用レンズ。 - 前記樹脂材で成形されたレンズは、前記第1レンズと第2レンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取用レンズ。
- 前記樹脂材で成形されたレンズは、前記第1レンズと第3レンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取用レンズ。
- 前記樹脂材で成形されたレンズは、前記第1レンズと第2レンズと第3レンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取用レンズ。
- 前記回折光学素子は、前記絞りの直前又は直後に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取用レンズ。
- 前記回折光学素子は、正のパワーの回折格子面を有する回折格子と、負のパワーの回折格子面を有する回折格子とを互いに回折格子面が向き合わせて接合した積層型回折光学素子であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像読取用レンズ。
- 前記負のパワーの回折格子面を持つ回折格子の材質の屈折率とアッベ数を各々NGP1、νGP1、正のパワーの回折格子面を持つ回折格子の材質の屈折率とアッベ数を各々NGP2、νGP2、画像読取用レンズ全系の焦点距離をf、回折光学素子面の屈折力をφdとするとき、
1.52<(NGP1+NGP2)/2<1.57
20<νGP1−νGP2<30
0.01<f×φd<0.05
なる条件を満足することを特徴とする請求項7に記載の画像読取用レンズ。 - 前記回折光学素子は、基板と回折格子が樹脂材で一体に成形されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像読取用レンズ。
- 前記基板と回折格子を樹脂材で一体に成形している回折光学素子は、射出成形によって成形されていることを特徴とする請求項9に記載の画像読取用レンズ。
- 前記基板と回折格子を樹脂材で一体に成形している回折光学素子は、モールド成形によって成形していることを特徴とする請求項9に記載の画像読取用レンズ。
- 前記回折光学素子を構成する基板と回折格子の材料は、プラスチック光学材料であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像読取用レンズ。
- 請求項1乃至12の何れか1項に記載の画像読取用レンズを用いて原稿面上の画像情報を読取素子面上に形成していることを特徴とする画像読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005014098A JP2006201571A (ja) | 2005-01-21 | 2005-01-21 | 画像読取用レンズ及びそれを用いた画像読取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005014098A JP2006201571A (ja) | 2005-01-21 | 2005-01-21 | 画像読取用レンズ及びそれを用いた画像読取装置 |
Publications (1)
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JP2005014098A Pending JP2006201571A (ja) | 2005-01-21 | 2005-01-21 | 画像読取用レンズ及びそれを用いた画像読取装置 |
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JP (1) | JP2006201571A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100849827B1 (ko) | 2007-02-06 | 2008-07-31 | 삼성전기주식회사 | 초소형 촬상 광학계 |
-
2005
- 2005-01-21 JP JP2005014098A patent/JP2006201571A/ja active Pending
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