JP2006200771A - 極低温装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スリーブ内に大気が侵入することを抑制しつつ簡単に冷凍機のメンテナンス作業を行うことができる極低温装置について、そのメンテナンス作業に適した運転方法を提供する。
【解決手段】 大気圧条件下における液体ヘリウム50の沸点未満の過冷却温度となるように、前記液体ヘリウム50を冷凍機9によって冷却する加冷却工程と、前記液体ヘリウム50が前記過冷却温度に冷却された後に、スリーブ5に対して冷凍機9よりも格納容器4側の位置からヘリウムガスを導入可能なガス流生成手段10によって、スリーブ5内に開口部8及び液体ヘリウム50の液面3aヘ向かうパージガス流を生成するガス流生成工程と、前記ガス流生成工程を行っている間に前記冷凍機9を交換する交換工程とを含んでいる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、超伝導磁石等を冷却する極低温装置の技術に関するものである。
例えば、医療用機器として知られるMRI(磁気共鳴断層撮影装置)のように、超伝導磁石(超伝導マグネット)を備えた装置には、その超伝導(超電導)特性を維持するために、前記超電導磁石を絶対零度に近い超低温に保冷する極低温装置が設けられているのが一般である。
前記極低温装置には、冷媒としての液体ヘリウム中に前記超電導磁石をはじめとする被冷却体を浸漬することにより、当該超電導磁石を冷却するようにしたものがある。
この種の極低温装置は、前記超電導磁石をはじめとする被冷却体を液体ヘリウム中に浸漬した状態で格納する格納容器と、この格納容器から突出するとともに当該格納容器の内外を連通するスリーブと、このスリーブに対してその先端開口を閉塞しつつ挿入された冷凍機とを備え、この冷凍機により前記格納容器及びスリーブ内で気化しているヘリウムを再凝縮するようになっている。
そして、前記冷凍機は、比較的長時間稼動するので定期的なメンテナンスを要するが、このメンテナンスの際には前記スリーブから抜き取られることが多い。
この抜き取り作業においては、前記スリーブ内の容積の内、冷凍機が占めていた容積分の外気(大気、水蒸気等)がスリーブ内に侵入し、この外気がスリーブ内で凝縮し固着してしまうといった不具合を生じるおそれがあった。
そこで従来は、例えば、特許文献1のように、可撓性を有するメンテナンス袋によりスリーブの先端開口を被覆するとともにこのメンテナンス袋内の空気を排出した上で、ヘリウムガスを導入して膨張させた当該メンテナンス袋内(すなわち、ヘリウムガスの雰囲気内)で冷凍機のメンテナンスを行うといった方法が提案されている。
特開平5−223379号公報(第3頁〜第5頁、図4)
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、メンテナンスの際にわざわざメンテナンス袋をスリーブに取り付けるとともに、当該メンテナンス袋から空気を吸引するための吸引ブロア等を用意する必要があり、その準備作業が面倒なものであった。
加えて、作業者は、グローブを介してメンテナンス袋内に手を差し入れて冷凍機のメンテナンスを行う必要があり、煩雑な作業を強いられていた。さらに、メンテナンス袋が破ける等の事態によってメンテナンス作業を中断することもあった。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、スリーブ内に大気が侵入することを抑制しつつ簡単に冷凍機のメンテナンス作業を行うことができる極低温装置について、その冷凍機の交換作業に適した運転方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために本件出願人は、冷凍機を交換する際に、当該冷凍機よりも格納容器側の位置からスリーブの開口部側へ向かうパージガス流をスリーブ内に生成するように極低温装置を運転する方法に想到した。
この極低温装置の運転方法によれば、スリーブから冷凍機を抜き取る際に、当該スリーブ内を流れるパージガス流により、スリーブ内に入り込もうとする外気(大気や水蒸気)を吹き飛ばすことができるので、当該外気の侵入を確実に阻止することができる。
しかし、前記運転方法では、冷凍機を抜き取る際に前記冷凍機を停止するとともに常温のパージガスを導入するようにしているので、当該パージガスによる液体冷媒への熱侵入が発生し、この熱侵入は、前記液体へリウムが前記格納容器から喪失する直接の原因となっていた。
そこで、本発明は、被冷却体を液体冷媒中に浸漬した状態で格納する格納容器と、この格納容器から前記液体冷媒の液面の上方へ延びて開口するスリーブと、前記開口部を閉塞しつつスリーブ内に着脱自在に挿入されるとともに当該スリーブ内で気化している前記液体冷媒を再凝縮する冷凍機とを備えた極低温装置についての、前記冷凍機の交換作業に適した運転方法であって、前記液体冷媒が大気圧条件下における当該液体冷媒の沸点未満の過冷却温度となるように、前記液体冷媒を前記冷凍機によって冷却する過冷却工程と、前記液体冷媒が前記過冷却温度に冷却された状態で、前記スリーブに対して冷凍機よりも格納容器側の位置からパージガスを導入可能なガス流生成手段によって、前記スリーブ内に前記開口部及び液体冷媒の液面へ向かうパージガス流を生成するガス流生成工程と、前記ガス流生成工程を行っている間に前記冷凍機を交換する交換工程とを含む方法である。
本発明の運転方法によれば、液体冷媒が過冷却温度に冷却された状態でパージガスの導入を開始し、その間に冷凍機を交換するようにしているので、前記パージガスの導入によって液体冷媒が蒸発する個所を、主にその液面付近のみに抑えることができ、当該液体冷媒の蒸発量を低減することができる。
すなわち、本発明の運転方法では、ガス流生成手段によりパージガスが導入される際に予め液体冷媒を過冷却温度に冷却しているので、そのパージガスが液体冷媒の液面に吹き付けられても、その液面温度は比較的迅速に上昇して当該液面付近の液体冷媒は蒸発するものの、その侵入熱は当該液体冷媒の深部には伝わり難く、当該深部はしばらくの間低温状態を維持できるので、その間に冷凍機の交換を行うことによって、液体冷媒の総蒸発量を効果的に低減することができる。
ここで、前記パージガスにより液体冷媒の液面に対する熱侵入が生じるにもかかわらず深部への熱伝達が生じ難いのは、前記パージガスを吹き付けても液体冷媒中に殆ど対流が発生しないことが大きな要因となっている。つまり、前記運転方法では、液体冷媒よりも高い温度を有するパージガスにより当該液体冷媒の液面温度は比較的速く上昇するものの、対流は殆ど生じないので、当該パージガスにより侵入した熱は深部側へ移動し難く、当該深部側の温度がすぐには上昇しないので、その間に冷凍機の交換を素早く行えば、蒸発量を効果的に低減することができる。
なお、前記冷凍機の「交換」とは、必ずしもそれまでスリーブに装着されていた冷凍機を別の冷凍機に入れ替える作業に限られず、スリーブから抜き取った冷凍機のメンテナンスを迅速に行って、そのメンテナンス後の冷凍機を再びスリーブに挿入する作業も含む趣旨である。
前記極低温装置の運転方法では、常に過冷却運転を行うようにしてもよいが、通常運転時は、前記液体冷媒を大気圧条件下における前記液体冷媒の沸点以上の温度に維持するようにし、前記交換工程を行うのに際して前記過冷却工程を行うことがより好ましい。
このように、通常運転時には液体冷媒を大気圧条件下における沸点以上の温度で維持することにより、格納容器内で気化した冷媒の飽和蒸気圧によって当該格納容器内を大気圧以上の圧力環境として、スリーブに対する冷凍機の装着個所(気密形成個所)等から格納容器内に外気が吸引され易い圧力状況を回避する一方、冷凍機交換の際にのみ一時的に過冷却温度とすることにより前述の効果を得ることができる。
このような通常運転から過冷却運転への移行は、冷凍機の冷却能力を変化させることによっても可能であるが、当該冷却能力を精度良く調整するのは容易ではない。これに対し、前記冷凍機の冷却能力を、前記液体冷媒を前記過冷却温度まで冷却可能となる能力に設定しておき、前記通常運転時には前記冷凍機を運転しながら、当該冷凍機又はスリーブ内に設けられた加熱手段による熱量を調整して前記液体冷媒の温度を調整するようにし、前記過冷却工程では前記冷凍機を運転したまま前記加熱手段を停止することにより前記液体冷媒を過冷却温度まで冷却するようにすれば、通常運転時には加熱手段による熱量、例えば電熱ヒータへの電力供給を調整することにより適正な温度調整が容易にできる一方、この状態から加熱手段を停止させるだけの簡単な操作で過冷却運転に移行することができる。
本発明によれば、スリーブ内に大気が侵入することを抑制しつつ簡単に冷凍機のメンテナンス作業を行うことができるとともに、液体冷媒の蒸発量を低減することができる。
以下、本発明に係る冷凍機の交換作業に適した運転方法が採用される極低温装置の具体的構成について図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る極低温装置が搭載されたMRIの正面断面略図であり、図2は、図1の極低温装置の要部を拡大して示す正面断面図であり、図3は、図1の極低温装置における液体溶媒の温度を示すグラフである。
図示の極低温装置1は、被冷却体2(図例では超伝導磁石2)を液体ヘリウム(液体冷媒)3内に浸漬した状態で格納する格納容器4を備え、この格納容器4は、シールド容器11内に収容され、さらにこのシールド容器11が減圧容器7内に収容されている。そして、これら超伝導磁石2及び容器4、7、11は、それぞれその軸線を水平方向へ向けたドーナツ状に形成されている。つまり、この極低温装置1を搭載したMRIにおいては、被検査物又は被検者が前記減圧容器7の中心孔7a内を通過するようになっている。また、前記減圧容器7の内部が真空室6とされ、これによりシールド容器11と外部との断熱が図られている。
前記格納容器4は、熱伝導性の低い材質によりドーナツ状に形成され、前記超伝導磁石2を浸漬した状態でその内部が完全に満たされない量の液体ヘリウム50を収容している。
前記格納容器4の上部にはスリーブ5が形成され、このスリーブ5内に冷凍機9が着脱可能に挿入される。この冷凍機9は、後に詳述するように前記スリーブ5内で気化している液体ヘリウム(すなわち、ヘリウムガス)を再凝縮するものであって、図例では2段式の冷凍機となっている。
前記スリーブ5は、熱伝導性の低い材質により形成された管状の部材である。前記スリーブ5は、前記格納容器4から上方へ延び、その途中部が前記シールド容器11及び減圧容器7を貫通するとともに、その開口部8により前記格納容器4内を外気に開放し得るようになっている。
具体的に、スリーブ5は、連結管14、冷却管15及び、ベローズ管16が、前記格納容器4から順に、それぞれ同心に連結された構成を有している。
前記連結管14は、その下端部が前記格納容器4に連結された管であり、その上端部が先広がりの肩部14aとされ、この肩部14aを介して前記冷却管15に連結されている。
前記冷却管15は、径方向の内側及び外側へ膨出するフランジ部15aをその上端部に有し、このフランジ部15aは、銅の編組線等からなる熱伝導体18により前記シールド容器11に対して熱的に接続されている。また、前記フランジ部15aの外周縁部上には、前記ベローズ管16が立設されている。
前記ベローズ管16は、その上下方向の変形を抑制すべく可撓性を有しており、径方向の外側へ膨出するフランジ部16aをその上端部に有している。また、前記ベローズ管16の途中部は、前記減圧容器7に対して気密状態を形成しつつ固着されている。
さらに、このスリーブ5については、当該スリーブ5内にパージガス(この実施の形態ではヘリウムガス)を導入するガス流生成手段10が設けられている。
このガス流生成手段10は、前記スリーブ5内にヘリウムガスを導入するためのガス導入管19と、このガス導入管19に対して図外のガス供給源からのヘリウムガスの供給及び停止を切り換えるバルブ20とを備えている。
前記ガス導入管19は、その一方の端部が冷却管15の下部側面に連結されている一方、その他方の端部が前記バルブ20を介して図外のガス供給源に連結されている。また、前記ガス導入管19の途中部は、前記減圧容器7との間で気密状態を形成しつつ当該減圧容器7及び前記シールド容器11を貫通している。
つまり、前記ガス導入管19は、前記冷却管15内に側方からヘリウムガスを導入するようになっており、当該冷却管15内に導入されたヘリウムガスは、対向する側壁に衝突して分流し、図2の矢印Y1に示すように、前記液体ヘリウム50の液面に吹き付けられるパージガス流と、矢印Y2に示すように、スリーブ5の開口部8側へ向かうパージガス流とを構成する。
一方、前記冷凍機9は、略棒状の冷凍機本体21と、この冷凍機本体21に取り付けられた蓋体22とを備え、この蓋体22がOリング23を介して前記スリーブ5内に気密的に嵌入されるとともに、ボルト24によって前記フランジ16aに対して着脱自在とされていることにより、前記冷凍機本体21がスリーブ5内に着脱可能に挿入され得るようになっている。
前記冷凍機本体21は、ギフォードマクマホン(GM)方式を利用した二段式の冷凍機である。
つまり、前記冷凍機本体21は、前記スリーブ5内に挿入された状態で、前記ガス導入管19の上方に配置される二段目冷却ステージ25と、前記シールド容器11に当接する一段目冷却ステージ26とを一体に有している。
前記二段目冷却ステージ25は、格納容器4内の液体ヘリウム50を後述する過冷却温度TP(図3参照)に冷却し得る冷却能力に設定されており、その先端部に設けられたヒータ27による熱量を調整することにより所望の冷却能力を発揮し得るようになっている。
前記一段目冷却ステージ26は、前記二段目冷却ステージ25よりも高い温度に設定されており、前記格納容器4に対する輻射熱を遮蔽し得る温度にシールド容器11を冷却するようになっている。
前記蓋体22は、前記スリーブ5に嵌入された状態で当該スリーブ5内に連通する排出管28と、この排出管28を介してガスをスリーブ5の外側にのみ導出可能な逆止弁29とを備え、大気圧と前記スリーブ5の内圧との差圧が逆止弁29の動作圧以上になると格納容器4内のガスが前記逆止弁29を介して排出されるようになっている。
なお、図示の極低温装置1では、前記スリーブ5とは別に安全手段13が設けられている。この安全手段13は、前記真空容器6との間で気密状態を形成しつつ当該真空容器6及びシールド容器11を貫通する安全排出管30と、この安全排出管30の先端部に設けられた破裂弁31と、前記安全排出管30内に配設された複数の遮蔽板32とを備えている。
前記安全手段13によれば、前記真空容器6の真空度が劣化する等の何らかの原因で格納容器4への熱侵入量が増加して格納容器4内の圧力が過度に増加したときに、当該圧力に応じて前記破裂弁31が破壊され前記安全排出管30を介して格納容器4内のヘリウムガスが排出されるので、前記過度の圧力による格納容器4の破損を抑制することができる。また、前記各遮蔽板32は、前記安全排出管30の軸線に沿って並んで配置されているので、前記破裂弁31側からの輻射熱が格納容器4へ侵入するのを抑制することができる。
さらに、前記極低温装置1は、前記格納容器4内の圧力(すなわち、液体ヘリウム50の蒸気圧)を検出可能な図外の圧力センサを備えており、この圧力センサの検出結果に基づいて当該格納容器4内の液体ヘリウム50の温度を算出し、この算出された温度に基づいて前記ヒータ27の熱量を調整して前記液体ヘリウム50の温度を所望の温度に保つことが可能とされている。
また、前記減圧容器7は、図外の吸引源によって、その内部(真空室6)を減圧することが可能とされている。
以下、前記極低温装置1の運転方法について、図3に示す通常運転時間T1、過冷却時間T2、昇圧時間T3及び交換時間T4に分けて説明する。
1)通常運転時間T1について
前記冷凍機9において、そのヒータ27の熱量を調整して液体ヘリウム50の温度を4.2Kに維持する。この温度は、大気圧条件下における当該液体ヘリウム50の沸点である。したがって、この通常運転時間T1内においては、前記格納容器4内で気化している液体ヘリウム50による圧力が大気圧となる。このように、通常運転時には格納容器4内が負圧になるのを避けて当該格納容器4の内部と外部との間の圧力差をなくすことにより、前記スリーブ5と冷凍機9との間で気密状態を形成している個所(前記Oリング23)から外気を吸引してしまうといった事態を抑制することができる。
2)過冷却時間T2
前記冷凍機9を交換するのに先立って、その運転は続けながら、まず、ヒータ27を切ることにより、液体ヘリウム50の温度が、4.2Kからさらに大気圧条件下における液体ヘリウム50の沸点よりも低い過冷却目標温度TPに達するまで過冷却する(過冷却工程)。
この過冷却工程では、液体ヘリウム50をその液面3a側から冷却するので、当該液体ヘリウム50中に対流が生じることによって前記冷凍機9による熱が液面3aから深部側へ移動して当該液体ヘリウム50を効果的に冷却することができる。
3)昇圧時間T3
前記過冷却運転の進行により、液体ヘリウム50の温度は降下していくが、その温度は、前記圧力センサ(図示せず)の検出圧力により算出される。この液体ヘリウム50の温度を監視しておき、当該温度が前記過冷却温度TPに達した時点で、前記冷凍機9を停止するとともに、前記ガス流生成手段10によりスリーブ5内にヘリウムガス流を生成する(ガス流生成工程)。
このガス流生成工程では、図2の矢印Y1に示すように、前記液体ヘリウム50の液面3aに向かうヘリウムガス流が導入される。このヘリウムガス流の導入により、急速に圧力が上昇するとともに前記過冷却温度TPに冷却された液体ヘリウム50の液面温度L1(図3では一点鎖線で示す)は比較的速く上昇するが、当該液体ヘリウム50の深部温度L2(図3では破線で示す)はすぐには上昇しない。
4)交換時間T4
液体ヘリウム50の液面温度が4.2Kに到達し、格納容器4内の圧力が大気圧に到達したことが前記圧力センサ(図示せず)により検出されると、冷凍機9の交換作業を行う(交換工程)。この交換工程中においても前記ガス流生成手段10によるヘリウムガスの導入は続行する。これにより、スリーブ5内には、開口部8へ向かうヘリウムガス流(矢印Y2参照)が引き続き生成されているので、前記交換工程時に前記開口部8から当該スリーブ5内へ外気が進入するのを抑制することができる。
すなわち、この運転方法では、前記ヘリウムガスが導入される際に予め液体ヘリウム50を過冷却温度TPに冷却しているので、ヘリウムガスが液体ヘリウム50の液面3aに吹き付けられても、その液面温度L1が上昇して当該液面3a付近の液体ヘリウム50は蒸発するものの、当該液体ヘリウム50の深部はしばらくの間低温状態を維持できる。このことは、図4に示す実験結果からも明らかである。
図4は、液体ヘリウム50の液面3aの温度を4.2Kまで上昇させた場合における、液体ヘリウム50の深部の温度を示すグラフである。この図において、実線L3は、前記ガス流生成手段10によるヘリウムガスの吹き付けにより液体ヘリウム50の液面3aの温度を上昇させたもの、一点鎖線L4は、ヘリウムガスの吹き付けを行わず、スリーブ5内を積極的には加圧しなかったとき(以下、非加圧時と称す)のものをそれぞれ示している。
ヘリウムガスの吹き付け時では、液体ヘリウム50の液面3aの温度を4.2Kまで上昇させるまでに、ヘリウムガスの温度に伴う熱伝達が深さ約3cmの範囲にしか及んでいないのに対し、非加圧時では、液体ヘリウム50の液面3aが4.2Kまで上昇する間に、外気の温度に伴う熱伝達が深さ約16cmの範囲まで及んでいる。したがって、非加圧時においては、液体ヘリウム50の温度が、その液面3aだけでなく深部についても4.2Kに達し易く、液体ヘリウム50がその深部からも蒸発するのに対し、ヘリウムガス吹き付け時においては、比較的長時間にわたりその深部の温度を4.2K未満に維持することができる。
ここで、非加圧時には深部への熱伝達が生じる一方、ヘリウムガスの吹き付け時には深部への熱伝達が殆ど生じないのは、液体ヘリウム50の液面3aが4.2Kに達するための時間が大きな要因となっている。つまり、非加圧時には液面3aの温度が4.2Kまで上昇するのに比較的時間を要するので、この時間の間に徐々に液体ヘリウム50中で熱伝達が生じて侵入した熱が深部まで伝わるのに対し、ヘリウムガスの吹き付け時には液面3aの温度が4.2Kまで比較的速く上昇するものの液体ヘリウム50中での熱伝達が殆ど生じないので、当該ヘリウムガスにより侵入した熱は深部側へ伝わり難く、当該深部側の温度がすぐには上昇しない。
なお、前記交換工程では、必ずしもそれまでスリーブ5に装着されていた冷凍機9を別の冷凍機に入れ替える作業だけでなく、スリーブ5から抜き取った冷凍機9のメンテナンスを迅速に行って、そのメンテナンス後の冷凍機9を再びスリーブ5に挿入する作業を行うこともできる。そして、前記交換工程を終えた後には、上述した通常運転時間T1の条件で再び稼動することになる。
以上示した運転方法では、液体ヘリウム50の温度が過冷却温度TPに冷却された状態で前記ガス流生成工程を行うことができるので、当該交換工程中の液体ヘリウム50の蒸発個所を主に液面3aのみに抑えることができ、前記交換工程を素早く行うことにより当該交換工程の間における液体ヘリウム50の蒸発量を効果的に低減することができる。
なお、前記実施形態においては、通常運転時間T1において液体ヘリウム50を4.2Kに維持し、過冷却時間T2において4.2K未満の温度に冷却しているが、これに限定されることはなく、例えば、図5に示すように、通常運転時間T1において、予め液体ヘリウム50を前記過冷却温度TPで維持しておく、すなわち、通常運転時間T1の間常に前記過冷却工程を行うこともできる。
この実施形態においても、前記実施形態と同様に冷凍機9の昇圧時間T3時において、液面温度L5が比較的速く上昇するものの深部温度L6を4.2K未満の温度で維持することができるので、液体ヘリウム50の蒸発量を効果的に低減することができる。
さらに、この実施形態によれば、冷凍機9の交換工程の前に、改めて前記過冷却工程を実行することが不要となるので、前記交換工程を実行するまでの時間を短縮する(すなわち、前記過冷却時間T2を別途行うことを不要とする)ことができ、メンテナンスの作業性を向上することができる。
なお、前記実施形態では、冷凍機9の二段目冷却ステージ25に設けられたヒータ27により、当該二段目冷却ステージ25の冷却能力を調整し、間接的に格納容器4内の圧力(ヘリウム50の温度)を調整するようにしているが、このヒータ27に代えて又は加えて、図2に示すように、液体冷媒3中(格納容器4内)に設けられたヒータ33(図2参照)による熱量を調整することによって、ヘリウム50に付与する熱量を調整して、格納容器4内の圧力を調整することもできる。
本発明の実施形態に係る極低温装置が搭載されたMRIの正面断面略図である。 図1の極低温装置の要部を拡大して示す正面断面図である。 図1の極低温装置における液体溶媒の温度を示すグラフである。 液体ヘリウムの液面の温度を4.2Kまで上昇させた場合における、液体ヘリウムの深部の温度を示すグラフである。 別の実施形態に係る図3相当図である。
符号の説明
1 極低温装置
2 超伝導磁石
3 液体ヘリウム
3a 液面
4 格納容器
5 スリーブ
8 開口部
9 冷凍機
10 ガス流生成手段
11 シールド容器

Claims (3)

  1. 被冷却体を液体冷媒中に浸漬した状態で格納する格納容器と、この格納容器から前記液体冷媒の液面の上方へ延びて開口するスリーブと、前記開口部を閉塞しつつスリーブ内に着脱自在に挿入されるとともに当該スリーブ内で気化している前記液体冷媒を再凝縮する冷凍機とを備えた極低温装置についての、前記冷凍機の交換作業に適した運転方法であって、
    前記液体冷媒が大気圧条件下における当該液体冷媒の沸点未満の過冷却温度となるように、前記液体冷媒を前記冷凍機によって冷却する過冷却工程と、
    前記液体冷媒が前記過冷却温度に冷却された状態で、前記スリーブに対して冷凍機よりも格納容器側の位置からパージガスを導入可能なガス流生成手段によって、前記スリーブ内に前記開口部及び液体冷媒の液面へ向かうパージガス流を生成するガス流生成工程と、
    前記ガス流生成工程を行っている間に前記冷凍機を交換する交換工程とを含むことを特徴とする極低温装置の運転方法。
  2. 前記極低温装置の通常運転時には前記液体冷媒を大気圧条件下における前記液体冷媒の沸点以上の温度に維持するようにし、前記交換工程を行う前に前記通常運転から前記過冷却工程の過冷却運転に移行することを特徴とする請求項1に記載の極低温装置の運転方法。
  3. 前記冷凍機の冷却能力を、前記液体冷媒を前記過冷却温度まで冷却可能となる能力に設定しておき、前記通常運転時には前記冷凍機を運転しながら、当該冷凍機又はスリーブ内に設けられた加熱手段による熱量を調整して前記液体冷媒の温度を調整するようにし、前記過冷却工程では前記冷凍機を運転したまま前記加熱手段を停止することにより前記液体冷媒を過冷却温度まで冷却することを特徴とする請求項2に記載の極低温装置の運転方法。
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