JP2006199786A - ポリエチレン系多孔質フィルムの製造方法 - Google Patents

ポリエチレン系多孔質フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】延伸倍率に対して透湿性が高く、透明性と透湿性の両性質を兼ね備え、外観不良を生じないポリエチレン系多孔質フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリエチレン系樹脂30〜55質量%と無機充填剤70〜45質量%を含有する樹脂組成物を溶融押出し、冷却固化してフィルムを成形した後、前記フィルムを前記樹脂組成物の融点より40℃低い温度以上、融点未満の温度で熱処理し、次いで、前記熱処理したフィルムを該フィルムの温度が30℃以下の温度となるように冷却処理し、更に、前記冷却処理したフィルムを少なくとも1軸方向に延伸することを特徴とするポリエチレン系多孔質フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエチレン系多孔質フィルムの新規な製造方法に関する。詳しくは、延伸倍率に対して優れた透湿性を有するため、全光線透過率によってもたらされる透視性が良好で、且つ、低延伸倍率においても高い透湿性を有し、使い捨ておむつ用バックシート等の各種医療・衛生材料フィルムや、屋根や壁などの透湿・防水用シート等の建築資材フィルムとして好適に使用することができるポリエチレン系多孔質フィルムの製造方法に関するものである。
ポリオレフィンに無機充填剤を配合した未延伸フィルムを延伸することにより、該無機充填剤に基づく細孔を多数有するポリオレフィン系多孔質フィルムを製造することは従来から行われている。
ところが、これらのポリオレフィン系多孔質フィルムは、延伸の際に樹脂と無機充填剤との界面剥離によって形成する空隙(ボイド)のためにフィルム全体が白濁し、全光線透過率が低く、透視性が悪くなり、該フィルムを介して反対面に存在する物の色、状態等を目視で確認することが困難であった。
例えば、前記ポリオレフィン系多孔質フィルムをバックシートに使用した使い捨ておむつにおいては、排尿或いは排便の状態を外側から視認することができず、新しいおむつへの取り替え時期が遅れてしまうという問題が発生していた。
そのため、使い捨ておむつ用バックシートのように透視性が要求される用途では、高い透湿性を有し、かつ、フィルムの全光線透過率(透視性)を向上させる工夫が成されるようになった。
しかしながら、これらのポリオレフィン系多孔質フィルムを製造する場合、延伸倍率を高くすると透湿性は向上するものの、空隙(ボイド)が大きくなり透視性が著しく低下してしまい、逆に、延伸倍率を低くすると透視性は改良されるが、十分な透湿性が得られなかった。
前記のような透視性と透湿性の相反する物性を共に向上させる方法として、例えば、ポリオレフィン系多孔質フィルムにエンボス加工を施して樹脂を部分的に溶融してその空隙を潰すことで、透視性をもたせた部分と、溶融していない透湿性を有する部分からなるポリオレフィン系多孔質フィルムが提案されている(特許文献1参照)。このような多孔質フィルムには、局所的に全光線透過率(透視性)の高い部分が存在し、この部分より外からフィルム内部を透視することが一応可能である。
しかしながら、前記エンボス法や不均一延伸等によって得られる、非多孔質部分或いは低多孔質部分と多孔質部分とが混在する不均一系のポリオレフィン系多孔質フィルムは、該多孔質部分における透視性は低く、フィルム全体の透視性を十分上げるためには、多孔質部分の割合を小さくすることが必要となり、透湿性の低下を余儀なくされる。前記特許文献1の実施例においては、フィルムの全光線透過率を64%まで高めた場合には、透湿度が1120g/m・24hrまで低下している。
更に、荒いエンボス等を有するポリオレフィン系多孔質フィルムは、使用部位によって、非(低)多孔質部分と多孔質部分の割合が異なるため、透湿性等のフィルム物性にバラツキが生じ、外観も縞模様、斑点模様に見えるといった点で改善の余地があった。
前記対策として、エンボス加工においては、エンボスの間隔を極めて小さくする手段も考えられるが、エンボスの間隔を小さくすることにより、エンボス部分の透視性が隣接する多孔質部分によって平均化される結果、透視性が低下する場合があった。
一方、おむつ以外の各種医療・衛生材フィルムや、建築資材フィルムにおいては、透湿度が3800g/m・24hrを超える高透湿性のポリオレフィン系多孔質フィルムが望まれている。前記の通り、延伸倍率を高くすることにより、高透湿性のポリオレフィン系多孔質フィルムを得ることが可能ではあるが、延伸倍率が高くなりすぎると製膜性が低下したり、配向がかかりすぎるため、引裂き強度等のフィルム物性が低下するといった問題があった。
特開平5−168660号公報
前記したように、従来のエンボス法等による不均一なポリオレフィン系多孔質フィルムでは、透湿性と透視性を両立させることは一応可能であったが、高透湿性・高透視性を有し、かつ均一で高品位な外観の多孔質フィルムを得ることは困難であった。また、従来の方法では、透湿度が3800g/m・24hrを超えるような高透湿性を有し、製膜性に優れ、かつ引裂き強度等のフィルム物性の優れた多孔質フィルムを得ることは困難であった。
従って、本発明の目的は、フィルム全体が均一に多孔化された多孔質フィルムでありながら、十分な透湿性と高い全光線透過率(透視性)を有するポリエチレン系多孔質フィルムの製造方法を提供することにあり、また、フィルム物性の優れた高透湿性のポリエチレン多孔質フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究を行った結果、無機充填剤を含むポリエチレン系樹脂をフィルムに成形し、引続き熱処理、冷却処理を施し、その後、延伸処理することにより、低い延伸倍率でも十分な透湿性と高い透視性を有する多孔質フィルムが得られることを見出し、更に、延伸倍率を少し高めた場合(例えば、延伸倍率が1.8倍を超え4倍以下にした場合等)には、優れたフィルムの物性を維持したまま、透湿度が3800g/m・24hrを超える高透湿性の多孔質フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリエチレン系樹脂30〜55質量%と無機充填剤70〜45質量%を含有する樹脂組成物を溶融押出し、冷却固化してフィルムを成形した後、前記フィルムを前記樹脂組成物の融点より40℃低い温度以上、融点未満の温度で熱処理し、次いで、前記熱処理したフィルムを該フィルムの温度が30℃以下の温度となるように冷却処理し、更に、前記冷却処理したフィルムを少なくとも1軸方向に延伸することを特徴とするポリエチレン系多孔質フィルムの製造方法である。
本発明のポリエチレン系多孔質フィルムの製造方法によれば、従来の方法よりも低い延伸倍率で高い透湿性を発現させることが可能である。そのため、延伸倍率を、例えば1.1倍〜1.8倍以下のように低倍率の延伸を行った場合には、縞模様のような外観不良を生じることなく、高い全光線透過率と透湿度を有するポリエチレン系多孔質フィルムを製造することができる。そのため、得られるポリエチレン系多孔質フィルムは、使い捨ておむつ用バックシートとして使用した際に、透湿性がよいため装着感が良好であり、また、内容物の透視性が良いという最も重要な性状を併せ持ち、その有用性は極めて高いものである。
また、延伸倍率を、例えば、1.8倍を超え4倍以下のような倍率で延伸した場合には、引裂き強度等のフィルム物性に優れ、従来のものよりも高い透湿性を有するポリエチレン系多孔質フィルムを得ることができる。
以上のことから、本発明の製造方法によって得られるポリエチレン系多孔質フィルムは、前記おむつのバックシートの用途に限定されるものではなく、前記特性を使用可能な種々の用途、例えば、建築用、おむつ以外の医療・衛生用、通気を必要とする物品の包装材料等に好適に使用することができる。
本発明のポリエチレン系多孔質フィルムの製造方法は、ポリエチレン系樹脂と無機充填剤とを含有する樹脂組成物を溶融押出し、冷却固化してフィルムを成形した後(以下、この工程を未延伸フィルム製膜工程とする)、前記フィルムを熱処理し(以下、この工程を熱処理工程とする)、次いで、前記熱処理したフィルムを冷却処理し(以下、この工程を冷却処理工程とする)、更に、前記冷却処理したフィルムを少なくとも1軸方向に延伸する(以下、この工程を延伸工程とする)ことにより、ポリエチレン系多孔質フィルムを製造するものである。
本発明において使用されるポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体、エチレンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体及びそれらの混合物が挙げられる。中でも、線状低密度ポリエチレンを使用することが好ましい。線状低密度ポリエチレンを具体的に例示すると、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン等のα−オレフィンとの共重合体及びこれらの混合物が挙げられるが、特に、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等の炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体及びこれらの混合物を使用することが好ましい。前記線状低密度ポリエチレンの密度は、特に限定されないが、0.910〜0.935g/cmであることが好ましい。また、これら線状低密度ポリエチレンに高密度ポリエチレンおよび/または低密度ポリエチレンを混合して使用することもできる。更に、前記ポリエチレン系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン酢酸ビニル共重合体等の極性基を有する重合体、ポリオレフィン系ワックスを酸化したもの、マレイン酸変性等の一部極性化された樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、ロジン誘導体、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等およびこれらの水素添加系樹脂等の石油樹脂等を混合して使用することもできる。
尚、前記線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂は、チーグラー触媒で重合されたものものであってもいし、メタロセン触媒で重合されたものであってもよく、また、両触媒により重合されたものを混合したものであってもよい。
本発明において、前記ポリエチレン系樹脂は、ポリエチレン系多孔質フィルムの骨格となるものであるため、得られる該多孔質フィルムの強度等の機械的物性や、製造時の押出し成形性、延伸性などを勘案すると、メルトフローレートが1.0〜30g/10分、さらに1.5〜10g/10分のものが好ましい。
本発明において使用される無機充填剤は、特に制限されるものではなく、多孔質フィルムの製造において使用される公知のものを使用することができる。具体的な無機充填剤を例示すると、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水和珪酸、無水珪酸、ソーダ灰、硫酸バリウム、タルク、クレー、各種セメント、火山灰、シラス、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、種々の金属粉、その他無機物又は無機物を主体とする有機金属塩等を挙げることができる。これらの例示のうち、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が好ましく、特に炭酸カルシウムが好ましい。
また、前記無機充填剤の粒径も、特に制限されるものではないが、得られるポリエチレン系多孔質フィルムがより優れた物性を有するためには、光散乱法により測定された50%メディアン径(以下単に「メディアン径」という。)が1〜7μmのもの、特に、2〜5μmのものが好適に使用される。
本発明において、前記ポリエチレン系樹脂と前記無機充填剤とを含有する樹脂組成物は、ポリエチレン系樹脂が30〜55質量%、無機充填剤が70〜45質量%である。ポリエチレン系樹脂が30質量%未満であって、無機充填剤が70質量%を超える場合には、フィルム成形時に成形不良を生じたり、延伸性が低下するため好ましくない。一方、ポリエチレン系樹脂が55質量%を超え、無機充填剤が45質量%未満の場合には、得られるポリエチレン系多孔質フィルムの多孔化が十分に行われず、透湿性が低下するため好ましくない。成形時の成形性、延伸性、及び得られるポリエチレン系多孔質フィルムの透湿性を考慮すると、前記樹脂組成物は、ポリエチレン系樹脂40〜50質量%、無機充填剤60〜50質量%を含有することがより好ましい。
更に、前記樹脂組成物には、必要に応じて、安定剤、酸化防止剤、塩素捕捉剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、界面活性剤、顔料、充填剤、発泡剤、発泡助剤、可塑剤、架橋剤、架橋助剤、難燃剤、分散剤、加工助剤等の公知の各種添加剤が本発明の効果を阻害しない範囲で配合されていてもよい。
本発明において、前記樹脂組成物の融点は、特に制限されるものではないが、110〜140℃であることが好ましい。尚、本発明において、前記樹脂組成物の融点とは、DSC(示差走査熱量計)により、該樹脂組成物の融解熱を測定した際のピーク温度を示すものである。また、前記樹脂組成物が複数種類のポリエチレン系樹脂からなる場合等、例えば、複数の線状低密度ポリエチレンからなる場合や、線状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンからなる場合にも、樹脂組成物の融点とは、これら複数種類のポリエチレン樹脂からなる混合物の融解熱を測定した際のピーク温度とする。
本発明の前記未延伸フィルム製膜工程において、前記樹脂組成物は、前記ポリエチレン系樹脂と前記無機充填剤を、例えば、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、高混練タイプの二軸押出機等でペレット化するか、またはそのまま溶融押出してフィルム化して使用される。
本発明の前記未延伸フィルム製膜工程において、前記樹脂組成物を溶融押出し、冷却固化してフィルム(以下、未延伸フィルムとする場合もある)を製膜するには、公知のTダイ押出法、インフレーション製膜法等により実施することができる。
前記未延伸フィルム製膜工程において、Tダイ押出法を用いた場合には、前記樹脂組成物の融点よりも70℃〜130℃高い温度でTダイから溶融押出し、熱伝導体に接触させて樹脂組成物の結晶化温度より充分に低い温度まで冷却することにより未延伸フィルムを製膜する。用いられる熱伝導体としては、金属、水、空気、あるいは可塑剤自身が使用できるが、特に金属製のロールに接触させて冷却する方法が最も熱伝導の効率が高いため好ましい。また、金属製のロールに接触させる際に、ロール間で挟み込む等してニップ冷却またはエアーナイフ、エアーチャンバー、バキュームチャンバーを用いて冷却ロールに密着すると、フィルムの表面平滑性も向上するため好ましい。また、金属製のロールを使用する際に、ロール温度は、前記樹脂組成物の結晶化温度より充分に低い温度まで冷却可能な温度であれば特に制限されるものではないが、フィルムの引取速度が10m/min〜100m/minである場合には、10℃〜40℃であることが好ましい。
また、前記未延伸フィルム製膜工程において、インフレーション製膜法を用いた場合には、前記樹脂組成物の融点よりも30℃〜90℃高い温度でサーキュラーダイ等をから筒状に溶融押出し、ブローアップ比1.5〜4.0、冷却温度10℃〜40℃、フィルムの引取速度10m/min〜80m/minにより、未延伸フィルムを製膜することが好ましい。
尚、前記未延伸フィルム製膜工程において、得られる未延伸フィルムの厚みは、延伸後に得られるポリエチレン系多孔質フィルムの物性を考慮して決定してやればよく、厚みの調整は、ダイス幅、押出量、引取速度等により調整が可能である。
本発明の特徴は、前記未延伸フィルム製膜工程で得られたフィルムを、後記の熱処理工程、及び冷却処理工程において処理をすることである。熱処理工程において、前記フィルムを熱処理することにより、フィルムの結晶化度を高めることができ、次いで、冷却処理工程において、熱処理されたフィルムを冷却することにより、延伸工程における操作性を簡便にすることができる。
このような熱処理工程、冷却処理工程を行うことにより、後記に詳述する延伸工程において、低倍率の延伸を行った場合でも、透視性が優れることはもちろんのこと、高い透湿性を有し、物性にばらつきのないポリエチレン系多孔質フィルムを得ることができる。また、延伸倍率を少し高めることで、優れた引裂き強度等のフィルム物性を維持したまま、かつ透湿度3800g/m・24hr以上の高透湿性のポリエチレン系多孔質フィルムを得ることができる。
本発明において、前記熱処理工程は、未延伸フィルムの結晶化度を高めるために行うものである。熱処理による効果は、未だ完全に解明されていないが、透視性、透湿性の高いポリエチレン系多孔質フィルムが得られる理由は以下の通りであると考えている。
本発明のように無機充填剤を使用したポリエチレン系多孔質フィルムにおいては、フィルムの厚み方向に貫通する貫通孔を効率良く形成しなければ、高い透視性、透湿性を有することができない。貫通孔の径が大きく、また貫通孔が多く存在する場合には、得られるフィルムの透湿性は向上するが、透視性が低下してしまう。即ち、貫通孔は、その孔の径が小さく、なるべく少ない数で有効に作用することにより、高い透視性、透湿性を有するポリエチレン系多孔質フィルムを得ることができる。この貫通孔は、無機充填剤を使用したポリエチレン系多孔質フィルムにおいて、ポリエチレン結晶(ラメラ)の開裂によって生じるものであると仮定するならば、未延伸フィルムの結晶化度が高いものは、低倍率の延伸で効率良く、ポリエチレン結晶に開裂が生じるものと考えられる。また、未延伸フィルムを少なくともフィルムの流れ方向に延伸する場合には、結晶化度が高く、その結晶のc軸(分子鎖軸)がフィルムの流れ方向に配向しているものの方が、低倍率の延伸で効率よくラメラに開裂が生じるものと考えられる。以上の理由から、熱処理工程によって、未延伸フィルムの結晶化度を高めることが重要であると考えられる。
また、以上の理由から、熱処理を行い、延伸倍率を少し高めた場合には、より十分にラメラの開裂が生じるものと考えられ、高い延伸倍率、例えば、4倍を超えるような延伸倍率にしなくとも、高い透湿性を有するポリエチレン系多孔質フィルムが得られるものと考えられる。延伸倍率を高くしなくとも、高い透湿性を発現できるため、得られるポリエチレン系多孔質フィルムは、優れた引裂き強度等のフィルム物性を維持することができる。
本発明の熱処理工程において、前記未延伸フィルム製膜工程で得られたフィルムを熱処理する方法は、前記未延伸フィルムの製膜から熱処理を連続して行う場合(以下、連続熱処理工程とする)には、前記未延伸フィルムを引取りながら、加熱されたロールや金属板に接触させる方法、また、前記未延伸フィルムを引取りながら、空気または窒素ガス等の不活性ガス中で加熱する方法を採用することができる。また、未延伸フィルムの製膜から熱処理を連続して行わない場合(以下、断続熱処理工程とする)には、前記未延伸フィルムを一旦ロール状に巻き取り、この巻き取った未延伸フィルムをオーブン等の加熱機の中で処理する方法を採用することができる。
本発明の熱処理工程において、前記方法のいずれかの方法により熱処理を行う場合、熱処理する際の温度は、前記樹脂組成物の融点より40℃低い温度以上、融点未満の温度としなければならない。尚、本発明の熱処理工程において、熱処理する際の温度とは、加熱されたロールや金属板に未延伸フィルムを接触させる場合には、接触させるロールや金属板の表面温度が、前記樹脂組成物の融点より40℃低い温度以上、融点未満の温度であることを示す。また、空気または窒素ガス等の不活性ガス中、加熱する方法やオーブン等の加熱機の中で処理する場合には、未延伸フィルムが処理されるその雰囲気(空気、不活性ガス)温度が、前記樹脂組成物の融点より40℃低い温度以上、融点未満の温度であることを示す。
本発明の熱処理工程において、熱処理する際の温度が、融点より40℃低い温度未満である場合には、未延伸フィルムの結晶化度を高くすることができなかったり、結晶化度を高くするために時間がかかるといった問題があるため好ましくない。一方、該温度が融点以上の場合には、連続熱処理工程で処理するに際し、未延伸フィルムがロールや金属板へ密着したり、該フィルムのテンションの低下等が生じて、操作性が低下してしまうため好ましくない。また、断続熱処理工程で処理する際には、未延伸フィルムがロール状のまま固まり、後述する冷却処理工程、延伸処理工程ができなくなるため好ましくない。未延伸フィルムの結晶化度、操作性を考慮すると、熱処理温度は、前記樹脂組成物の融点より30℃から10℃低い温度で処理することが好ましい。また、熱処理する温度の下限、即ち、融点より40℃低い温度とは、当然のことながら、後記の冷却処理工程において、冷却処理したフィルムの温度を超える温度である。
本発明の熱処理工程において、その処理時間は、好ましくは1秒〜1時間である。また、前記熱処理において、熱処理後の未延伸フィルムの結晶化度は、熱処理前の未延伸フィルムよりも1%以上高くすることが好ましく、かつ35%〜50%の範囲にあることが好ましい。更に、熱処理後の未延伸フィルムのポリエチレン結晶のc軸配向係数が、0.03以上であることが好ましい。結晶化度、c軸配向係数が前記範囲にあることにより、後述する延伸工程において、低倍率の延伸で透湿性、透明性に優れるポリエチレン系多孔質フィルムを成形することができる。また、少し延伸倍率を高めた場合には、優れた引裂き強度等のフィルム物性を維持したまま、かつ透湿度3800g/m・24hrを超える高透湿なポリエチレン系多孔質フィルムを成形することができる。
尚、本発明において、前記ポリエチレン結晶のc軸配向係数とは、ポリエチレン結晶のc軸(分子鎖軸)が多孔質ポリエチレンフィルムのフィルムの流れ方向へ配向している程度を表す指標であり、X線回折法によって求められる。詳しくは、以下の方法によって求めることができる。
繊維試料測定装置を装備したX線回折装置を用い、多孔質ポリエチレンフィルムのフィルム面に垂直にX線を入射して、試料フィルムをフィルム面に垂直な軸(X線の入射方向に平行な軸)を中心にゆっくり回転させることによって、ポリエチレン結晶(110)面および(200)面の方位角強度分布曲線を得る。ゼット.ダブリュー.ウィルチンスキー(Z.W.Wilchinsky)[ジャーナル オブ アプライド フィジックス(Journal of Applied Physcis),31,1969(1960)]のポリプロピレンの方法と同様にして、ポリエチレンの(110)面および(200)面の配向分布曲線(結晶面密度分布曲線)から各々の面の法線と多孔質ポリエチレンフィルムの主延伸方向との方向余弦の二乗平均〈cosφ110〉、〈cosφ200〉を求めて、(1)式により結晶c軸と主延伸方向との方向余弦の二乗平均(〈cosφc〉)が求められる。
〈cosφc〉=1−1.4438〈cosφ110〉−0.5563〈cosφ200〉(1)
前記の方法で求めた、結晶c軸と主延伸方向との方向余弦の二乗平均(〈cosφc〉)から、(2)式によりポリエチレン結晶のc軸配向係数fcを算出することができる。
[c軸配向係数fc]=(3〈cosφc〉−1)/2 (2)
このようにしてポリエチレン結晶のc軸配向係数求める。
本発明においては、前記熱処理した未延伸フィルムを、一旦、冷却する冷却処理工程が、透視性、透湿性の高いポリエチレン系多孔質フィルムを製造する上で重要である。
前記の仮定に従い、無機充填剤を使用したポリエチレン系多孔質フィルムの透湿性が発現するのであれば、透視性、透湿性の高い多孔質フィルムを得るためには、低倍率の延伸によって効率良く、ポリエチレン結晶(ラメラ)に開裂を生じさせなければならない。熱処理工程後に未延伸フィルムを冷却処理しないまま延伸した場合には、該フィルムは高い熱を有するため、低倍率の延伸ではポリエチレン結晶は変形する(ずれる)が、該結晶は開裂が生じにくくなるものと考えられる。そのため、熱処理工程後の冷却処理工程は、無機充填剤を使用したポリエチレン系多孔質フィルムにおいて、低倍率の延伸で透視性、透湿性を発揮させるために重要な工程であると考えられる。
また、以上の理由から、冷却処理を行い、延伸倍率を少し高めた場合には、ラメラに開裂が十分に生じるため、優れた引裂き強度等のフィルム物性を維持したまま、高透湿性のポリエチレン系多孔質フィルムを得ることができるものと考えられる。
本発明の冷却処理工程においては、前記熱処理した未延伸フィルムを該フィルムの温度が30℃以下の温度となるように冷却処理する。前記冷却処理において、処理後のフィルムの温度が30℃を超える場合には、後記の延伸工程において、ポリエチレン結晶の開裂が生じにくいと考えられ、フィルムの変形のみが生じ、透湿性が発現しにくいため好ましくない。また、前記冷却処理工程において、未延伸フィルムの温度の下限は、特に制限されるものではないが、冷却処理する際のエネルギー、作業性を考慮すると10℃以上である。尚、当然のことながら、前記冷却処理工程において、処理後の未延伸フィルムの温度は、後記の延伸工程における延伸温度よりも低い温度である。
本発明において、前記冷却処理を行う方法は、ロール、金属板等と接触させる方法、空冷、不活性ガス雰囲気下で冷却させる方法を採用することができる。
本発明の延伸工程においては、前記冷却処理工程において得られた未延伸フィルムを少なくとも1軸方向に延伸する。この少なくとも1軸方向に延伸するとは、フィルムの流れ方向(機械方向)に1軸延伸する、幅方向1軸延伸する、同時2軸延伸する、及び逐次2軸延伸することを指すものであり、多段で延伸することもできる。
本発明の延伸工程において、冷却処理した未延伸フィルムを延伸する際の延伸倍率は、少なくともフィルムの流れ方向に1.1〜4.0倍が好ましい。中でも、低倍率延伸、即ち、1.15〜1.8、更に好ましくは、1.2〜1.5倍で延伸することにより、貫通孔を効率良く形成できるものと考えられ、透湿度、透視性に優れたものを得ることができるため好ましい。一方、延伸倍率が1.8倍を超え4倍以下、好ましくは2倍を超え3倍の範囲であることにより、ラメラに開裂が十分に生じるため、優れた引裂き強度等のフィルム物性を維持したまま、透湿度が3800g/m・24hrを超える高い透湿性を有するものを得ることができるため好ましい。
また、延伸する際の延伸温度は、前記樹脂組成物の融点未満が好ましく、更に好ましくは40℃から70℃である。
本発明の製造方法によれば、低倍率の延伸を行った場合には、透湿度が2000g/m・24hr〜3800g/m・24hrであり、かつ、全光線透過率が60%以上の、透湿度、透視性のよいポリエチレン系多孔質フィルムを得ることができる。また、延伸倍率を、1.8倍を超え4倍以下にした場合には、透湿度が3800g/m・24hr以上であり、引裂き強度が0.05N以上である、高い透湿性、フィルム物性の優れたポリエチレン系多孔質フィルムを得ることができる。
尚、前記透湿度は、フィルムから直径40mmの円部を任意に5箇所サンプリングし、それぞれの円部について、温度40℃、湿度60%の条件下での24時間の水分蒸発透過量を測定し、m単位での透湿度に換算した各測定値の平均値であり、全光線透過率も任意に5箇所サンプリングしたものを測定した平均値である。
本発明の製造方法により得られるポリオレフィン系多孔質フィルムにおいて、そのフィルム厚みは、特に制限されないが、前記全光線透過率、機械物性等の関係より、10〜60μm、より好ましくは15〜40μmである。また、前記ポリオレフィン系多孔質フィルムは、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理等の表面処理が施されてもよい。
以下、実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
尚、実施例及び比較例に掲載した物性測定値は以下に示す方法によって行ったものである。
1)ポリエチレンの結晶配向係数(X線回折)
日本電子社製のX線回折装置JDX−3800に、繊維試料装置を装着し、次の条件にて測定した。
ターゲット :銅(Cu−Kα線)
管電圧−管電流 :40kV−400mA
X線入射法 :垂直ビーム透過法
単色化 :グラファイトモノクロメーター
コリメータ :1mmφピンホール
受光スリット :2mmφピンホール
検出器 :シンチレーションカウンター
a)2θ走査(ブラッグ角)測定
測定角度範囲(2θ) :12〜28゜
ステップ角度 :0.1゜
計数時間 :8.0秒
b)面内回転(β回転)測定
測定角度範囲(β) :−40〜140゜
ステップ角度 :1.0゜
計数時間 :8.0秒
この場合、ポリオレフィン系多孔質フィルムおよび未延伸フィルムの流れ方向を一致させて、25mm×25mmに切り出し、これを方向を一致させて厚さ約0.3mmとなるように重ねて、繊維試料装置に装着し、まず、フィルム面に垂直にX線を入射させて垂直透過法にて2θ走査を行い、ポリエチレン結晶の(110)および(200)面のブラッグ角(2θ°)を決定した。次に、(110)面のブラッグ角にカウンターを固定して、試料を面内回転(β回転)させ、(110)面に関して方位角強度分布曲線の測定を行った。同様にして(200)面の方位角強度分布曲線の測定を行った。2θ走査で測定したX線回折プロファイルの(110)面および(200)面反射の位置の空気散乱等によるバックグラウンド強度を求め、それぞれ(110)面および(200)面の方位角強度分布曲線より差し引いて、(110)および(200)面の配向分布曲線(結晶面密度分布曲線)を得た。これらの配向分布曲線から、前述した方法により、〈cosφ110〉および〈cosφ200〉を求めた。
2)結晶化度(X線回折)
日本電子社製のX線回折装置JDX−3800に、繊維試料装置を用い、以下の条件で測定した。
ターゲット :銅(Cu−Kα線)
管電圧−管電流 :40kV−400mA
X線入射法 :垂直ビーム透過法
単色化 :グラファイトモノクロメーター
発散スリット :0.2mm
受光スリット :0.4mm
検出器 :シンチレーションカウンター
測定角度範囲(2θ) :12.8〜30.6゜
ステップ角度 :0.04゜
計数時間 :5.0秒
試料回転数 :120回転/分
この場合、フィルムを27mmφの円形に切り出し、これを厚さ0.3mmとなるよう重ねて、広角ゴニオメーターに取り付けた透過法回転試料装置に装着して測定した。ピーク分離は、同機器に付属のソフトウェアである一般ピーク分離プログラムを用いて回折角(2θ)12.8〜30.6°の範囲で空気散乱等によるバックグランドを除いた後、ガウス関数とローレンツ関数を用いた一般的なピーク分離法によって非晶質ピークと各結晶質ピークに分離した。なお、炭酸カルシウムに由来する結晶質ピークは除外し、下記(3)式によって求めた。
結晶化度(Xs)=Sc、s/(Sc、s+Sa,s)×100(%) (3)
ただし、Sc、s:全結晶質ピークの面積、Sa,s:非晶質ハローの面積。
3)融点
(株)セイコーインスツルメンツ製、示差走査熱量計DSC6200を用い、試料10mgを窒素気流下に置き、230℃で融解後、速度10℃/分の割合で室温まで降温し、10分間保持した後、速度10℃/分で昇温した時の吸熱ピーク温度より評価した。
4)無機充填剤のメディアン径
レーザー回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製SALD2000)を用いて、炭酸カルシウムの粒度分布を測定した。平均粒径は、相対粒子量50%における粒子径(μm)とした。
5)全光線透過率(透視性)
スガ試験機製 直読ヘーズコンピューター HGM−2DPを使用しJIS K7105に準じて測定を行った。
6)透湿度(透湿性)
多孔質フィルムから、任意の5箇所で、直径40mmの円部をサンプリングし、それぞれの円部について、ASTM E−96に準じて温度40℃、相対湿度60%の条件下での24時間の水分蒸発透過量を測定し、m単位での透湿度に換算した。得られた5箇所の測定値の平均を透湿度として示した。
7)外観
目視により確認を行い、以下の評価を行った。(得られるポリエチレン系多孔質フィルムの均一性の評価。)
○:縞模様、斑点模様がなく、透視できるもの。
×:縞模様、斑点模様、または、白濁して透視できないもの。
8)引裂き強度
島津製作所製AGI500型オートグラフ装置を用い、JIS K7081に準じて測定を行った。
実施例1
融点が125℃でMIが4.0の線状低密度ポリエチレン35重量%(出光石化社製0434)及び融点が110℃でMIが3.7の低密度ポリエチレン5重量%(三井化学社製ミラソン16P)と、平均粒径2μmの重質炭酸カルシウム60重量%を含む組成物100重量部に対して、ステアリン酸亜鉛1重量部を添加してスーパーミキサーにて混合した後、50mm径の二軸混練押出機で220℃のシリンダー温度で溶融混練し、ペレット状に加工した。このペレット状物、即ち、樹脂組成物の融点は125℃であった。このペレットをTダイが装着された押出機を用いて、シリンダー温度230℃、ダイ温度230℃、ダイスとニップの間隔を150mmとして押出されたシートを20℃でニップ冷却し、引取り速度25m/minの条件にて、厚み30μmの未延伸フィルムを成形した後(未延伸フィルムの製膜工程)、110℃に加熱したロールで熱処理(約2秒の処理)した(熱処理工程)。熱処理前の未延伸フィルムの結晶化度は41.1%であり、熱処理後の未延伸フィルムの結晶化度は42.3%であった。さらに20℃のロールに接触させ、未延伸フィルムの温度を20℃とした(冷却処理工程)。次いで、冷却処理した未延伸フィルムを60℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールの間で縦方向に1.30倍で一軸延伸して厚さ25μmのポリポリエチレン系多孔質フィルムを得た(延伸工程)。原料及び製膜条件を表1に、得られたポリポリエチレン系多孔質フィルムの諸特性を前記方法にて測定し、表2に示した。
実施例2
延伸倍率を1.50倍にした以外、実施例1と同様にしてポリオレフィン系多孔質フィルムを得た。原料及び製膜条件を表1に、得られたポリエチレン系多孔質フィルムの諸特性を前記方法にて測定し、表2に示した。
実施例3
実施例1の未延伸フィルムの製膜工程で得られた結晶化度41.1%の未延伸フィルムを100℃に加熱したオーブン中に60分、熱処理を行った(熱処理工程)。熱処理工程後の未延伸フィルムの結晶化度は、45.0%であった。この熱処理後の未延伸フィルムを該フィルムの温度が30℃となるまで空冷(冷却処理)した(冷却処理工程)。冷却処理後の未延伸フィルムを実施例と同じ延伸工程で延伸して、ポリエチレン系多孔質フィルムを製造した。原料及び製膜条件を表1に、得られたポリエチレン系多孔質フィルムの諸特性を前記方法にて測定し、表2に示した。
実施例4
延伸倍率を2.5倍にした以外、実施例1と同様にしてポリオレフィン系多孔質フィルムを得た。原料及び製膜条件を表1に、得られたポリエチレン系多孔質フィルムの諸特性を前記方法にて測定し、表3に示した。
比較例1
未延伸フィルム引取後に熱処理を行わなかった以外、実施例1と同様にしてポリエチレン系多孔質フィルムを得た。原料及び製膜条件を表1に、得られたポリエチレン系多孔質フィルムの諸特性を前記方法にて測定し、表2に示した。
比較例2
未延伸フィルム引取後に熱処理を140℃で行った以外、実施例1と同様にして製膜を行ったが、熱処理時にフィルムが一部溶けたためポリエチレン系多孔質フィルムは得られなかった。
比較例3
110℃の熱処理工程後に冷却を行わなかった以外、実施例1と同様にしてポリエチレン多孔質フィルムを得た。原料及び製膜条件を表1に、得られたポリエチレン系多孔質フィルムの諸特性を前記方法にて測定し、表2に示した。
比較例4
未延伸フィルム引取後に熱処理を行わなかった以外、実施例4と同様にしてポリエチレン系多孔質フィルムを得た。原料及び製膜条件を表1に、得られたポリエチレン系多孔質フィルムの諸特性を前記方法にて測定し、表3に示した。
比較例5
未延伸フィルムの延伸倍率を4.5倍とした以外、比較例4と同様にして製膜を行い、ポリエチレン系多孔質フィルムを得た。原料及び製膜条件を表1に、得られたポリエチレン系多孔質フィルムの諸特性を前記方法にて測定し、表3に示した。
比較例6
110℃の熱処理工程後に冷却を行わなかった以外、実施例4と同様にしてポリエチレン多孔質フィルムを得た。原料及び製膜条件を表1に、得られたポリエチレン系多孔質フィルムの諸特性を前記方法にて測定し、表3に示した。
Figure 2006199786
Figure 2006199786
Figure 2006199786

Claims (1)

  1. ポリエチレン系樹脂30〜55質量%と無機充填剤70〜45質量%を含有する樹脂組成物を溶融押出し、冷却固化してフィルムを成形した後、前記フィルムを前記樹脂組成物の融点より40℃低い温度以上、融点未満の温度で熱処理し、次いで、前記熱処理したフィルムを該フィルムの温度が30℃以下の温度となるように冷却処理し、更に、前記冷却処理したフィルムを少なくとも1軸方向に延伸することを特徴とするポリエチレン系多孔質フィルムの製造方法。

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