本発明の印刷装置および印刷方法の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では印刷装置として、デジタル複合機を用いる。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態におけるデジタル複合機の基本的構成を示す図である。デジタル複合機100は、原稿画像を読み取って画像データを生成するリーダ部200、画像データを記録用紙に記録するプリンタ部300を有する。また、操作部150は、画像データの表示や各種機能の表示・設定等を行う液晶パネルおよびキーボードを有する。画像記憶部160は、リーダ部200を制御して読み込んだ画像データや、LAN600を通じてクライアントPC601や他のデジタル複合機から受信したコードデータ(PDLデータや圧縮画像データ)を基に生成された画像データを蓄積する。、そして、コントローラ部110は、これらの各部に接続され、これら各部を制御する。
リーダ部200は、原稿用紙を搬送する原稿給紙ユニット250、および原稿用紙を光学的に読み取って電気信号としての画像データに変換するスキャナユニット210を有する。プリンタ部300は、記録用紙(シート)を収容する複数の給紙カセットを備えた給紙ユニット310、画像データを記録用紙に印刷処理するマーキングユニット320を有する。また、印刷処理された記録用紙にソート処理やステイプル処理を施し、外部に排出する排紙ユニット330を有する。
コントローラ部110の機能について説明する。まず、LAN600を介して通信するためのネットワークI/F、各種ネットワークプロトコルを処理する通信機能を有する。そして、この通信機能によりクライアントPC601や他のデジタル複合機から受信したコードデータ(PDLデータや圧縮画像データ)を画像データに変換するコードデータ展開機能を有する。さらに、これらの機能および上記各部を制御することにより、コピー機能、PDL(コードデータ)印刷機能、画像蓄積機能、蓄積画像印刷機能などを実現する。
図2はリーダ部200およびプリンタ部300の内部構成を示す縦断面図である。リーダ部200は、原稿給送ユニット250に積層された原稿用紙をその積層順に従って先頭から順次1枚ずつプラテンガラス211上に給送し、スキャナユニット210による所定の読取り動作が終了した後、排出トレイ219に排出する。スキャナユニット210は、読取動作時、プラテンガラス211上に原稿用紙が搬送されると、ランプ212を点灯して光学ユニット213の移動を開始させ、原稿用紙を下方から照射しながら走査する。原稿用紙からの反射光が複数のミラー214、215、216およびレンズ217を通ってCCDイメージセンサ(単に、CCDという)218に導かれ、走査された原稿画像はCCD218によって読み取られる。CCD218で読み取られた画像データは、所定の処理が施された後、コントローラ部110に転送される。
原稿給送ユニット250が原稿流し読み機能を有する場合、原稿給送部250に積層された原稿用紙は、原稿流し読み位置240を一定の速度で通過する。この場合、光学ユニット213は原稿流し読み位置240に移動し、等速で搬送される原稿をランプ212によって照射する。原稿からの反射光がCCD218によって随時読み取られると、画像データが生成され、所定の処理が施された後、コントローラ部110に転送される。
プリンタ部300は、コントローラ部110から出力される画像データに対応するレーザ光を、レーザドライバ321によって駆動されるレーザ発光部322から出力する。レーザ光を受けた感光ドラム323にはレーザ光に応じた静電潜像が形成され、現像器324は静電潜像の部分に現像剤を付着させる。
一方、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット311、カセット312、カセット313、カセット314、手差しトレイ315の何れかから記録用紙を給紙し、搬送路331を経由して転写部325まで搬送する。ここで、手差しトレイ315には、原稿が載置されたことを検知する原稿検知センサ315aが設けられている。転写部325は感光ドラム323に付着している現像剤を記録用紙に転写する。現像剤が転写された記録用紙を搬送ベルト326によって定着部327に搬送し、定着部327における加熱・加圧処理により現像剤を記録用紙に定着する。定着処理が済んだ記録用紙を、搬送路335、334を経由して排紙ビン328に排出する。印字面を反転させて排紙ビン328に排出する場合、搬送路336、338まで導いた後、記録用紙を逆方向に搬送し、搬送路337、334を経由して排紙ビン328に排出する。尚、排紙ビンの代わりに、排紙ユニットが装着された構成であってもよく、この場合、排紙ユニットは、排出された記録用紙を束ねてステイプルしたり、記録用紙の束を中央で折り曲げつつステイプルすることで小冊子を作成することもできる。
また、記録用紙に画像データを両面記録する場合、定着部327を通過した記録用紙を搬送路336からフラッパ329により搬送路333に導き、その後、逆方向に搬送してフラッパ329により搬送路338、再給紙搬送路332へ導く。再給紙搬送路332に導かれた記録用紙に転写・定着処理を施す際、再度、搬送路331を経由して転写部325に搬送し、同様の処理を行う。
ここで、1枚の記録用紙に両面記録する場合、上記搬送経路を使い、(1)給紙カセットからの給紙、(2)転写・定着、(3)再給紙搬送路からの再給紙、(4)転写・定着の順番で処理する。連続して複数の記録用紙に両面記録する場合、印刷の生産性を向上させるため、片面のみに転写・定着された記録用紙を搬送路333および再給紙搬送路332にできるだけ多く蓄え、搬送経路内の記録用紙の間隔を狭めるように制御する。例えば、(1)給紙カセットからの給紙、(2)転写・定着、(3)給紙カセットからの給紙、(4)転写・定着、(5)再給紙搬送路からの再給紙、(6)転写・定着の順番で処理する。そして、(7)同様に、給紙、転写・定着、再給紙、転写・定着の繰り返し、(8)最後に、再給紙、転写・定着、再給紙、転写・定着という順番で処理する。この転写・定着の順番に応じた順番で画像データがコントローラ部110から出力される。
図3はコントローラ部110の構成を示すブロック図である。コントローラ部110は、メインコントローラ111を中心に構成される。メインコントローラ111は、CPU112、バスコントローラ113、後述する各種コントローラ回路を含む機能ブロックを内蔵する。これとともに、ROMインタフェース(I/F)115を介してROM114と接続され、DRAMインタフェース(I/F)117を介してDRAM116と接続され、コーデックI/F118を介してコーデック119と接続されている。さらに、ネットワークI/F123を介してネットワークコントローラ121と接続され、ネットワークコントローラ121に接続されたコネクタ122を通じてLAN600との間で所定の制御を行う。ネットワークとしては、一般的なイーサネット(登録商標)が挙げられる。また、メインコントローラ111は、スキャナバス141を介してスキャナI/F140に接続されている。また、メインコントローラ111は、プリンタバス146を介してプリンタI/F145に接続され、さらにPCIバス等の汎用高速バス125を介して拡張ボードを接続するための拡張コネクタ124および入出力制御部(I/O制御部)126に接続されている。
ROM114には、CPU112によって実行される各種制御プログラムや演算データが格納されている。DRAM116は、CPU112が動作する際の作業領域や画像データを蓄積するための領域として使用される。コーデック119は、DRAM116に蓄積されたラスタイメージデータをMH/MR/MMR/JBIGなどの周知の圧縮方式で圧縮し、また圧縮されたデータをラスタイメージに伸長する。コーデック119には、SRAM120が接続されており、このSRAM120はコーデック119の一時的な作業領域として使用される。
I/O制御部126は、リーダ部200やプリンタ部300との間で制御コマンドを送受信するための調歩同期式のシリアル通信コントローラ127を2チャンネル装備している。このシリアル通信コントローラ127は、I/Oバス128を介してスキャナI/F140およびプリンタI/F145に接続されている。
スキャナI/F140は、第1の調歩同期シリアルI/F143および第1のビデオI/F144を介してスキャナコネクタ142に接続されている。このスキャナコネクタ142は、リーダ部200のスキャナユニット210に接続されている。スキャナI/F140は、スキャナユニット210から受信した画像データに対し、所望の2値化処理や主走査方向および/または副走査方向の変倍処理を行う。またスキャナI/F140は、スキャナユニット210から送られてきたビデオ信号に基づいて制御信号を生成し、スキャナバス141を介してメインコントローラ111に画像データを転送する。
また、プリンタI/F145は、第2の調歩同期シリアルI/F148および第2のビデオI/F149を介してプリンタコネクタ147に接続される。このプリンタコネクタ147は、プリンタ部300のマーキングユニットに接続されている。そして、プリンタI/F145は、メインコントローラ111から出力された画像データにスムージング処理を施す。そして、この処理が施された画像データをマーキングユニットに出力し、さらにマーキングユニットから送られたビデオ信号に基づき、生成された制御信号をプリンタバス146に出力する。
CPU112は、ROM114からROMI/F115を介して読み込まれた制御プログラムを実行し、例えば、クライアントPC601から受信したPDL(ページ記述言語)データを解釈してラスタイメージデータに展開する処理を行う。
また、バスコントローラ113は、スキャナI/F140、プリンタI/F145、その他拡張コネクタ124等に接続された外部機器から入出力されるデータ転送を制御し、バス競合時のアービトレーション(調停)やDMAデータ転送を制御する。例えば、DRAM116およびコーデック119間のデータ転送や、スキャナユニット210からDRAM116へのデータ転送、DRAM116からマーキングユニット320へのデータ転送等は、バスコントローラ113によって制御され、DMA転送される。
また、I/O制御部126は、LCDコントローラ131およびキー入力I/F130を介してパネルI/F132に接続され、パネルI/F132には、操作部150が接続されている。また、I/O制御部126は、不揮発性メモリとしてのEEPROM135に接続され、E−IDEコネクタ161を介して画像データの読み書き可能なハードディスクドライブ(HDD)162に接続されている。I/O制御部126は、さらに、装置内で管理される日付および時刻を更新・保存するリアルタイムクロックモジュール133に接続されている。尚、リアルタイムクロックモジュール133は、バックアップ用電池134に接続され、バックアップされている。また、I/O制御部126には、手差しトレイ315に原稿が載置されたことを検知する原稿検知センサ315aが接続されている。
図4はコントローラ部110のソフトウェアの構成を示す図である。コントローラ部110内のソフトウェア700は、システム制御部701、ジョブ制御部702、デバイス部703および文書管理部900から構成される。システム制御部701は、クライアントPC601、他のデジタル複合機あるいは操作部150から、各インタフェースを介して送られてきたコマンド(プロトコル)を解釈する。そしてシステム制御部701は、ジョブ制御部702に対してジョブの実行を依頼し、コピー機能、PDL(コードデータ)印刷機能、画像蓄積機能、蓄積画像印刷機能などを実現する。ジョブ制御部702は、システム制御部701の依頼に基づいて種々のジョブを実行する。デバイス部703は、デジタル複合機100を構成する各ユニットを制御するドライバソフトウェアを含み、ジョブ制御部702がジョブを実行する際に使用される。文書管理部900は、画像記憶部160を制御して画像データを階層的に管理する機能を有し、システム制御部701やジョブ制御部702によって使用される。
図5はジョブ制御部702の構造を示す図である。ジョブ制御部702は、ジョブ生成部800、ジョブ処理部810、ドキュメント処理部820、ページ処理部830、バンド処理部840およびデバイス割り当て部850を有する。また、ジョブ処理部810は、ジョブ管理部811、バインダ管理部812およびドキュメント管理部813を有する。また、デバイス部703は、第1デバイス851、第2デバイス852、第3デバイス853など、複数のデバイスを有する。
クライアントPC601や操作部150などから送られてきた一連の操作依頼は、コマンド(プロトコル)として、各インタフェースを介してジョブ制御部702に送られてくる。送られてきたコマンドは、システム制御部701で解釈された後、ジョブ制御部702に送られる。この時点で、コマンドはジョブ制御部702が理解できる形式に変換される。ジョブ生成部800はジョブ814を生成する。ジョブ814としては、コピージョブ、読取画像蓄積ジョブ、コードデータ印刷ジョブ、コードデータ展開蓄積ジョブ、蓄積画像印刷ジョブなどがある。これらのジョブの組み合わせにより、システム制御部701は、コピー機能、PDL(コードデータ)印刷機能、画像蓄積機能、蓄積画像印刷機能などを実現する。
システム制御部701によって解釈され、変換されたコマンド(プロトコル)について説明する。例えば、コードデータ展開蓄積ジョブである場合、文書の名前、印刷時の印刷部数、記録用紙の種類/給紙カセットなどの種々の設定情報や、コードデータ(PDLデータや圧縮画像データ)などが含まれる。
ジョブ814はジョブ処理部810に送られて処理される。ジョブ処理部810は、ジョブ管理部811と、バインダ管理部812と、ドキュメント管理部813を有し、ジョブ814全体に関する設定や処理を行う。ジョブ管理部811は、ジョブを構成する複数のバインダの出力順など、ジョブ全体に関わる設定を行う。バインダ管理部812は、バインダを構成する複数のドキュメントの出力順など、バインダ全体に関わる設定を行う。ドキュメント管理部813は、ドキュメントを構成する複数のページの出力順など、ドキュメント全体に関わる設定を行う。また、ジョブ処理部810は、ジョブ814全体に関する設定や処理以外、ジョブ814を構成するさらに小さな仕事の単位であるバインダ815に分割する。また、ジョブ処理部810は、バインダ815全体に関する設定や処理以外、バインダ815を構成するさらに小さな仕事の単位であるドキュメント816に分割して処理する。
ドキュメント816は、入力ドキュメント821と1対1に対応付けられている。入力ドキュメント821は、ドキュメント処理部820によって出力ドキュメント822に変換される。例えば、原稿の束をスキャナで読取り、複数のイメージデータに変換するスキャンジョブを考える。原稿の束に関する設定や操作の手順が書かれているものが入力ドキュメント821であり、複数のイメージデータに関する設定や操作の手順が書かれているものが出力ドキュメント822である。
そして、ドキュメント処理部820は、紙の束を複数のイメージデータに変換する役割を有する。ドキュメント処理部820は、ドキュメント単位の入力ドキュメント821から出力ドキュメント822への変換処理を行う。また、ドキュメント処理部820は、ドキュメント全体に関する設定や処理以外、さらに小さな仕事の単位である入力ページ831に分割し、ページ処理部830に処理を依頼する。これは、ジョブ処理部810がジョブ単位の処理に専念し、さらに細かい仕事のために、バインダ815やドキュメント816を生成することと同じである。ドキュメント単位の設定および操作は、具体的に、ページの並び替え、両面印刷の指定、表紙の付加、OHP中差し等のページ順序に関するものである。
ページ処理部830は、ページ単位の入力ページ831から出力ページ832への変換処理を行う。例えば、スキャンジョブの場合、入力ページ831には、読取解像度、読取の向き(ランドスケープ/ポートレイト)等の各種設定や手順が書かれており、出力ページ832には、イメージデータの格納場所等の設定や手順が書かれている。さらに、数ライン分のメモリ(バンドメモリ)でジョブ814を処理する場合、ページをさらに細かい単位であるバンドに分割して変換処理を行う。入力バンド841、バンド処理部840および出力バンド842の動作は、ページの場合と同様である。
ジョブ処理部810、ドキュメント処理部820、ページ処理部830およびバンド処理部840は、いずれも処理を進める際、デジタル複合機100を構成する種々の物理デバイスを使用する。当然、複数の処理部が同時に仕事を進めると、デバイスの競合が発生するので、デバイス割り当て部850はデバイスの競合を調停する。例えば、第1〜第3のデバイス851〜853は、デバイス割り当て部850によって上記各処理部に割り当てられる論理デバイスである。例えば、第1〜第3のデバイス851〜853として、ページメモリ、バンドメモリ、原稿給紙ユニット250、マーキングユニット320、エンジンおよびスキャナユニット210等が考えられる。
図6は文書管理部900の管理構造の概念を示す図である。文書管理部900は、1つまたは複数(1〜n)のフォルダ管理部901から構成される。各フォルダ管理部901は、1つまたは複数のジョブ管理部902、あるいはドキュメント管理部904から構成される。また、ユーザによって設定されたフォルダ名(ボックス名)などを保持する。ジョブ管理部902は、複数のバインダ管理部903で構成される。また、ジョブ制御部702において処理されるジョブ814の動作に必要な情報であって、ジョブ制御部702のジョブ管理部811が保持する処理情報を保存あるいは復元することができる。
バインダ管理部903は、1つまたは複数のドキュメント管理部904で構成される。また、ジョブ制御部702において処理されるバインダ815の動作に必要な情報であって、ジョブ制御部702のバインダ管理部812が保持する処理情報を保存あるいは復元することができる。
ドキュメント管理部904は、1つまたは複数のページ管理部905で構成される。また、ジョブ制御部702において処理されるドキュメント816の動作に必要な情報であって、ジョブ制御部702のドキュメント管理部813が保持する処理情報を保存あるいは復元することができる。また、ドキュメント処理部820により処理される入力ドキュメント821の属性値の復元および出力ドキュメント822の属性値の保存も行う。
ページ管理部905は、画像記憶部160に記録された画像データ等と対応付けられている。例えば、スキャナで読み込まれた1ページ分の画像データ、あるいはホストコンピュータから送信されたPDLデータが展開された1ページ分の画像データ、FAXで受信した1ページ分の画像データ等と対応付けられている。また、ジョブ制御部702のページ処理部830により処理される入力ページ831の属性値の復元および出力ページ832の属性値の保存も行う。これらの各部は、文書管理部900の処理に必要な管理情報やジョブ制御部702の処理に必要な処理情報などを有する。
このように、文書管理部900に保存された情報、および画像記憶部160に保存された画像データから、画像蓄積時に投入されたジョブ814を再現することができる。また、保存されている情報を再設定することで、投入時のジョブと異なる動作を行わせることも可能である。
図7はコントローラ部110で実行されるジョブ814の1つであるコードデータ展開蓄積ジョブの構成を示す図である。クライアントコンピュータ601や操作部150から送られてくる一連の操作依頼は、コマンドデータという形式で、各インタフェースを介してコントローラ部110に送られてくる。送られてきたコマンドデータは、システム制御部701(コマンド解釈部)で解釈され、ジョブ制御部702に送られる。この時点で、コマンドデータはジョブ制御部702が理解できる形式に変換される。ジョブ生成部800は、送られてきたコマンドデータを解釈し、コードデータ展開蓄積ジョブ1001cを生成する。
コードデータ展開蓄積ジョブ1001cは、システム制御部701から渡されるコードデータを画像に展開して画像記憶部160に蓄積するための機能を有しており、コードデータ展開ジョブ1030およびイメージエージェントジョブ1003を生成する。イメージエージェントジョブ1003は、ジョブを構成する単位のイメージエージェントバインダ1004を生成し、イメージエージェントバインダ1004は、バインダを構成する単位であるイメージエージェントドキュメント1005を生成する。イメージエージェントドキュメント1005は、出力ドキュメントであるイメージドキュメント1011を生成する。生成されたイメージドキュメント1011は、イメージエージェントドキュメント1005、イメージエージェントバインダ1004、イメージエージェントジョブ1003およびコードデータ展開蓄積ジョブ1001cを経由する。そして生成されたイメージドキュメント1011は、コードデータ展開ジョブ1030に伝達される。
コードデータ展開ジョブ1030は、ジョブ処理部810であり、コードデータ展開ジョブ1030全体に関する設定や処理、およびバインダに関する設定や処理を実行する。コードデータ展開ジョブ1030は、まず、入力ドキュメントであるコードデータドキュメント1031を生成し、次にドキュメント処理部(コード→イメージ)1032を生成する。その後、ドキュメント処理部1032に、入力ドキュメントであるコードデータドキュメント1031、および出力ドキュメントであるイメージドキュメント1011を教え、ドキュメント処理部(コード→イメージ)1032を制御する。
コードデータ展開処理の入力ドキュメントであるコードデータドキュメント1031は、ドキュメント処理部(コード→イメージ)1032により、出力ドキュメントであるイメージドキュメント1011に変換処理される。ドキュメント処理部(コード→イメージ)1032は、ドキュメント単位の処理のみを行い、さらに細かい仕事は、小さな仕事の単位であるコードデータページ1033、ページ処理部(コード→イメージ)1034およびイメージページ1019で行われる。
コードデータドキュメント1031は、コードデータ展開蓄積ジョブ1001cおよびコードデータ展開ジョブ1030を介して受け取るコードデータから1ページの画像に展開されるコードデータを特定する。そして、コードデータドキュメント1031は、受け取った1ページ分のコードデータに対応した、コードデータページ1033を生成する。コードデータページ1033は、ページ処理部(コード→イメージ)1034によりイメージページ1019に変換される。ページ処理部(コード→イメージ)1034は、コードデータを画像データに展開するためのシーケンスを把握している。ページ処理部(コード→イメージ)1034は、コードデータ展開デバイス制御部1035に用意された制御コマンドを発行する。これにより、ページ処理部(コード→イメージ)1034は、画像展開処理を実行し、コードデータページ1033からイメージページ1019への変換処理を行う。また、イメージページ1019は、画像蓄積モードなどの条件により、展開された画像データを画像処理部1025を介して画像記憶部160に蓄積する。尚、画像処理部1025は、解像度変換、符号変換などを行うものである。
コードデータ展開デバイス制御部1035の実体は、CPU112によって実行される制御プログラムである。コードデータ展開デバイス制御部1035は、ページ処理部(コード→イメージ)1034を介してコードデータページ1033に対応付けられている1ページ分のコードデータを受け取る。コードデータ展開デバイス制御部1035は、受け取ったコードデータの種類によって、例えばPDL(ページ記述言語)データとして解釈し、ラスタイメージデータへの展開処理を行う。
文書管理部900は、画像記憶部160に記憶される画像データを、フォルダ管理部901、ジョブ管理部902、バインダ管理部903、ドキュメント管理部904、ページ管理部905という単位で管理している。以下の値が格納される。ジョブ管理部811、バインダ管理部812、ドキュメント管理部813で使用した設定(属性)値。ドキュメント処理部(コード→イメージ)1032により変換処理されたイメージドキュメント1011の属性値。ページ処理部(コード→イメージ)1034により変換処理されたイメージページ1019の属性値。これらは、それぞれ、イメージエージェントジョブ1013、イメージエージェントバインダ1014、イメージドキュメント1011、イメージページ1019により格納される。
図8はコントローラ部110で実行されるジョブ814の1つである蓄積画像印刷ジョブの構成を示す図である。クライアントコンピュータ601や操作部150から送られてくる一連の操作依頼は、コマンドデータという形式で、各インタフェースを介してコントローラ部110に送られてくる。送られてきたコマンドデータは、システム制御部701で解釈され、ジョブ制御部702に送られる。この時点で、コマンドデータはジョブ制御部702が理解できる形式に変換されることになる。ジョブ生成部800は、送られてきたコマンドデータを解釈し、蓄積画像印刷ジョブ1001bを生成する。蓄積画像印刷ジョブ1001bは、文書管理部900で管理され、かつ画像記憶部160に保存されている画像データを印刷するための機能を有しており、イメージエージェントジョブ1003およびプリントジョブ1006を生成する。
イメージエージェントジョブ1003は、ジョブを構成する単位のイメージエージェントバインダ1004を生成し、イメージエージェントバインダ1004は、バインダを構成する単位であるイメージエージェントドキュメント1005を生成する。イメージエージェントドキュメント1005は、入力ドキュメントであるイメージドキュメント1011を生成する。生成されたイメージドキュメント1011は、イメージエージェントドキュメント1005、イメージエージェントバインダ1004、イメージエージェントジョブ1003および蓄積画像印刷ジョブ1001bを経由し、プリントジョブ1006に伝達される。
プリントジョブ1006は、ジョブ全体に関わる設定や処理以外、さらに小さな仕事の単位であるバインダ1007に分割し、バインダ全体に関わる設定や処理以外、さらに小さな仕事の単位であるドキュメント1008に分割する。このとき、入力ドキュメントであるイメージドキュメント1011も伝達される。
入力ドキュメントであるイメージドキュメント1011が伝達されたドキュメント1008は、まず、出力ドキュメントであるプリント紙ドキュメント1013を生成し、次にドキュメント処理部(イメージ→紙)1012を生成する。その後、ドキュメント処理部(イメージ→紙)1012に、入力ドキュメントであるイメージドキュメント1011、および出力ドキュメントであるプリント紙ドキュメント1013を教え、ドキュメント処理部(イメージ→紙)1012を制御する。
プリント処理の入力ドキュメントであるイメージドキュメント1011は、ドキュメント処理部(イメージ→紙)1012により、出力ドキュメントであるプリント紙ドキュメント1013に変換処理される。ドキュメント処理部(イメージ→紙)1012は、ドキュメント単位の処理のみを行い、さらに細かい仕事は、小さな仕事の単位であるイメージページ1019、ページ処理部(イメージ→紙)1020およびプリント紙ページ1021で行われる。
プリント紙ドキュメント1013は、実際にイメージを出力する用紙の各ページに対応したプリント紙1015を生成する。生成されたプリント紙1015は、出力の処理順を制御するプリント紙管理部1022に、識別子を付加して登録され、プリント紙ページ1021が生成される。プリント紙管理部1022は、プリント紙1015に付加された識別子、印刷設定、デバイスの仕様などにより、プリント紙ページ1021の処理順序を決定する。例えば、デバイスの循環可能枚数や両面記録の印刷設定に基づき、図2におけるプリンタ部300の説明で記述された両面印刷の処理順を決定する。
イメージページ1019は、ページ処理部(イメージ→紙)1020によりプリント紙ページ1021に変換される。ページ処理部(イメージ→紙)1020は、実際のプリンタデバイスを制御するためのシーケンスを把握している。ページ処理部(イメージ→紙)1020は、プリンタデバイス制御部1024に用意されたエンジン制御コマンドを発行することで、印刷動作を実行し、イメージページ1019からプリント紙ページ1021への変換処理を行う。イメージページ1019は、印刷設定などに基づき、文書管理部900に保存・管理されている画像データを画像処理部1025を介して画像記憶部160から取り出す。画像処理部1025は、画像合成の他、解像度変換、符号変換などを行う。
文書管理部900では、画像記憶部160に記憶される画像データがフォルダ管理部901、ジョブ管理部902、バインダ管理部903、ドキュメント管理部904およびページ管理部905という単位で管理され、それぞれ画像格納時の属性が保存されている。指定された画像データは、イメージエージェントジョブ1003、イメージエージェントバインダ1004、イメージドキュメント1011、イメージページ1019により特定され、画像記憶部160から属性値とともに取り出される。
図9はコントローラ部110で実行されるジョブ814の1つであるコードデータ印刷ジョブ1001dの構成を示す図である。前述したコードデータ展開蓄積ジョブや蓄積画像印刷ジョブの場合と同様、コマンドがジョブ生成部800に送られると、ジョブ生成部800は、コマンドを解釈してコードデータ印刷ジョブ1001dを生成し、制御を依頼する。
コードデータ印刷ジョブ1001dは、システム制御部701から渡されるコードデータを画像データに展開して印刷するための機能を有している。コードデータ印刷ジョブ1001dは、コードデータ展開ジョブ1030、イメージエージェントジョブ1003、およびプリントジョブ1006を生成して制御する。イメージエージェントジョブ1003は、ジョブを構成する単位のイメージエージェントバインダ1004を生成し、イメージエージェントバインダ1004は、バインダを構成する単位であるイメージエージェントドキュメント1005を生成して制御する。
イメージエージェントドキュメント1005は、コードデータ展開ジョブ1030の出力ドキュメントであり、かつプリントジョブ1006の入力ドキュメントであるイメージドキュメント1011を生成して制御する。生成されたイメージドキュメント1011は、コードデータ展開ジョブ1030およびプリントジョブ1006に伝達される。この際に、生成されたイメージドキュメント1011は、イメージエージェントドキュメント1005、イメージエージェントバインダ1004、イメージエージェントジョブ1003およびコードデータ印刷ジョブ1001dを経由する。コードデータ展開ジョブ1030およびプリントジョブ1006の配下の動作は、図7、図8における動作と同じであるので、その説明は同様である。
イメージエージェントジョブ1003、イメージエージェントバインダ1004、イメージドキュメント1011およびイメージページ1019は、それぞれの管理する属性を文書管理部900に保存したり、読み出したりすることはしない。イメージページ1019は、画像データを一時的にスプールするために画像記憶部160を使用する。イメージページ1019は、文書管理部900への属性格納が行なないので、コードデータ印刷ジョブにより生成された画像データを蓄積画像印刷ジョブによって印刷することはできない。
上記構成を有するデジタル複合機の印刷処理動作を示す。図10はデジタル複合機で手動両面印刷を実行する際、デジタル複合機側の概略的な処理およびユーザの操作を示すフローチャートである。デジタル複合機(プリンタ)側の処理プログラムは、前述したように、ROM114に格納されており、CPU112によって実行される。ここで、手動両面印刷機能とは、記録用紙の厚さや材質のため、例えば図2における両面記録用の搬送経路336、333、338、332を通過させることができない場合でも両面記録を実現する機能である。手動両面印刷機能では、両面記録の実現のために、一旦、表面あるいは裏面いずれかの片面のみに印刷して排紙し、その片面が印刷済みの紙を記録用紙として残りの面に印刷する。
まず、ユーザは、クライアントPC601から、記録方法として手動両面を設定し、印刷ジョブを投入する(ステップS1)。この印刷ジョブが投入されると、デジタル複合機100は、コードデータを受信し、受信したコードデータから生成した画像データの全ページを文書管理部900(Box)に蓄積する。これと同時に、片面記録を実行する(ステップS11)。片面記録には次の二種類がある。両面記録する際、記録用紙の表(おもて)面に記録される画像データのみを片面記録する、いわゆる両面−表面記録がその一つである。または両面記録する際、記録用紙の裏面に記録される画像データのみを片面記録する、いわゆる両面−裏面記録がもう一種類である。両面−表面記録の場合、例えば、奇数番目を正順(1,3,5・・・)に片面記録する。このとき、記録用紙を手差しトレイ315から引き込み、搬送経路331、335、334を通過させ、印刷面を上に向けて排紙トレイ328に排紙する。
デジタル複合機100で片面印刷が完了した後、ユーザは、デジタル複合機の排紙トレイ328に載置されている片面印刷済みの用紙を、その印刷面を下に向けて手差しトレイ315に載せる(ステップS2)。デジタル複合機100は、手差しトレイ315に記録用紙が載せられたことを原稿検知センサ315aによって検知し、ユーザに次の操作を促す画面を操作部150の液晶パネルに表示する(ステップS12)。
そして、ユーザは、片面印刷済みの用紙を手差しトレイ315に移動させた後、その場で、デジタル複合機100の操作部150から、文書管理部900に蓄積されたジョブを選択し、未印刷面の片面記録を開始させる操作を行う(ステップS3)。このとき、デジタル複合機100は、ステップS11における片面印刷が両面−表面記録であった場合、両面−裏面記録を実行し、例えば、画像データの偶数番目を正順(2,4,6・・・)に片面記録し、記録面を上に向けて排紙する(ステップS13)。ステップS13における片面記録が完了すると、ユーザは、両面記録された印刷物を入手(回収)する(ステップS4)。この後、デジタル複合機100は、手動両面印刷により印刷された画像データを文書管理部900から削除する(ステップS14)。これにて、両面印刷を終了する。
第1の実施形態におけるデジタル複合機100の制御部は、外部装置からプリントジョブが投入されたことに応じて、該プリントジョブのうちシートの第1面にプリントすべきページの印刷処理をシートの第1面に対して実行させる。且つ、デジタル複合機100の制御部は、該プリントジョブのうちシートの第2面にプリントすべきページのデータを自装置のハードディスク等のメモリユニットに保持させる。この時に、該プリントジョブのうちのシートの第2面にプリントすべきデータのプリント処理を実行はまだしない。該デジタル複合機100は、ホストコンピュータ等の情報処理装置を含む外部装置から送信されるプリントジョブを含む複数のプリントジョブを受付可能な、画像形成装置の一例である。そして、次いで、デジタル複合機100の制御部は、シートの第1面へのプリント処理がなされたプリントジョブの、第2面にプリントすべきデータのプリント処理を、実行させるよう、プリンタ部やメモリ部等各種ユニットを制御する。ここで、例えばPCのプリンタドライバ等を介して外部装置からあらためて印刷開始指示を受け付けることなく、操作部150からの指示により、メモリに記憶されたプリントジョブのうちシートの第2面にプリントすべきデータを用いて、印刷処理を実行させる。操作部150は、デジタル複合機100に用いられるユーザインターフェースユニットの一例である。これにより、従来で想定しているような問題を解消できるようにしている。
尚、上記制御により例えば、以下のようなシーケンスでジョブを処理する。
6頁分の画像データを有し、且つ、印刷条件として、印刷モード「両面」、出力用紙のサイズ「A4」、出力用紙の種類「厚紙」、が、設定されているジョブをPC601から受信したとする。この場合、デジタル複合機100のコントローラ部110は、プリントジョブの画像データを6ページ分、順次、画像記憶部160の記憶領域(ボックス)に格納するよう制御する。これと共に、A4サイズで用紙タイプが厚紙の記録紙をデジタル複合機100の給紙部(ここでは手差しトレイ315)から3枚、給送させる。そして、このプリントジョブの1ページ目の画像、3ページ目の画像、5ページ目の画像を、それぞれの記録紙の一方の面にプリントする。同時に、これらの記録紙を再給紙搬送路332へ搬送することを禁止して、そのまま、排紙ビン328へ排紙するよう制御する。又、コントローラ部110は、このプリントジョブの画像データ(6ページ分)は、プリントジョブが完結していないため、画像記憶部160の記憶領域(ボックス)に保持しておく。そして、デジタル複合機100の操作部150を介してのユーザからの指示により画像データの残りのページのプリント(2、4、6)を実行できるように制御する。このような状態で、デジタル複合機100の操作部150を介して、プリントジョブが選択され、残りの面のプリントを印刷するようユーザにより指示された場合、これを受け、CPUは、残りのページ(2,4、6)をプリントするよう制御する。この時記録される記録紙は、所定の給紙部(ここでは、手差しトレイ315)に、1、3、5ページ目の画像が一方の面に印字され、且つ、これら画像形成された印字面が下向き(フェイスダウン状態)でセットされている上記3枚の記録紙である。尚、どのような給紙順、印字順でもよいが、少なくとも、1ページ目の画像がプリントされた記録紙の他方の面に対して該ジョブの2ページ目の画像をプリントできるようにする。且つ、3ページ目の画像がプリントされた記録紙の他方の面に対して該ジョブの4ページ目の画像をプリントできるようにする。且つ、5ページ目の画像がプリントされた記録紙の他方の面に対して該ジョブの6ページ目の画像をプリントできるようにする。そして、最終的な出力結果として、ページ順の揃った両面印刷結果が得られるように制御する。
また、上記制御(第1シーケンス(手動両面印刷モード)とも呼ぶ)を実行可能にするともに、該制御とは別に、第1の実施形態のコントローラ部110は以下のような制御(第2シーケンス(自動両面印刷モード)とも呼ぶ)を実行可能である。
例えば、6頁分の画像データを有し、且つ、印刷条件として、印刷モード「両面」、出力用紙のサイズ「A4」、出力用紙の種類「普通紙」、が、設定されているジョブをPC601から受信したとする。この場合、デジタル複合機100のコントローラ部110は、このプリントジョブは第1シーケンスで処理しないよう制御する。そして、プリントジョブの画像データを6ページ分、順次、画像記憶部160の記憶領域(ボックス)に格納するよう制御すると共に、3枚の記録紙を順次搬送させる。1枚目の記録紙には1ページ目と2ページ目の両面プリントを実行するよう制御する。2枚目の記録紙には3ページ目と4ページ目の画像の両面プリントを実行するよう制御する。3枚目の記録紙には5ページ目と6ページ目の画像の両面プリントを実行するよう制御する。そして、該ジョブの最終ページ目で一括して両面プリントを遂行する。即ち、この第2シーケンスを実行する場合には、印刷処理を開始させた後にデジタル複合機100の操作部150を介してユーザからの印刷開始指示を受け付ける必要がない。そして、一方の面に印刷処理を行った記録紙を両面搬送路を介して他方の面にプリントできるようにプリンタ部300へ自動的に再給送して、両面印刷処理を完遂させる。
これにより、両面印刷処理をユーザによる操作を待ったうえで実行させることで生産性が低下してしまうことを未然に防止できる。第1の実施形態では、両面印刷ジョブに対して第1シーケンスと第2シーケンスを選択的に実行するよう制御している。例えば、第1シーケンスと第2シーケンスから、両面印刷ジョブにて使用すべき記録紙の情報(用紙タイプ、及び/又は、用紙サイズ)に応じたシーケンスを実行するようデジタル複合機100をコントローラ部110により制御している。これにより、従来技術のような問題を解決する効果を得ると共に、従来技術のような問題を防止したがために別の新たな問題が起きるなどの不具合を未然に防止できる。つまり、従来技術のような問題を防止できるという効果と、高い生産性を維持できるという効果との両立を図れるように構成している。
つぎに、デジタル複合機100のステップS11〜S14における両面印刷処理の詳細を示す。図11はシステム制御部701がジョブ制御部702にジョブの実行を指示する処理手順を示すフローチャートである。システム制御部701は、クライアントコンピュータ(PC)601や操作部150から送られてくるコマンドデータを解釈し、ジョブの種類を判別する(ステップS21)。ジョブ制御部702にジョブの実行を依頼する必要がある場合、具体的に、ジョブの種類がコードデータ印刷ジョブであると、ステップS22の処理に移行する。また、コードデータ展開格納ジョブであると、ステップS28の処理に移行する。また、蓄積画像印刷ジョブであると、ステップS29の処理に移行する。また、その他のジョブであると、ステップS33でその他の処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS21でジョブ制御部702にジョブの実行を依頼する必要がない場合、そのまま本処理を終了する。
ステップS21でシステム制御部701から渡されるコードデータを画像データに展開して印刷する必要がある場合(コードデータ印刷ジョブ)、コマンドデータを更に解析し、手動両面モードで動作させる必要性の有無を判断する(ステップS22)。ステップS22の判断の結果、手動両面モードであるか否かを判別し(ステップS23)、手動両面モードでない場合、ジョブ制御部702にコードデータ印刷ジョブ1001dの生成および起動を指示する(ステップS24)。この後、本処理を終了する。一方、手動両面モードである場合、コードデータ展開蓄積ジョブ1001cの生成および起動をジョブ制御部702に指示する(ステップS25)。コードデータ展開蓄積ジョブ1001cは、文書管理部900に保存されている画像データを指定し、蓄積画像印刷ジョブ1001bの生成および起動をジョブ制御部702に指示する(ステップS26)。そして、蓄積画像印刷ジョブ1001bに対し、表面記録または裏面記録を実行するように指示する。
ステップS25で起動したコードデータ展開蓄積ジョブ1001cは、文書管理部900に保存されている画像データに対応するジョブ管理部902に対し、次の設定をする。コードデータ展開蓄積ジョブ1001cは、ステップS26で起動した蓄積画像印刷ジョブ1001bによって片面記録されている面と反対側の面を記録する記録方法(印刷設定)を設定する(ステップS27)。この設定された記録方法は、この画像データを印刷する蓄積画像印刷ジョブ1001bが起動した時に参照され、記録方法を決定する際の情報となる。この後、本処理を終了する。尚、上記ステップS25〜S27の処理は、図10のステップS11の処理に相当する。
一方、ステップS21でシステム制御部700から渡されるコードデータを画像に展開して画像記憶部160に蓄積する必要がある場合(コードデータ展開格納ジョブ)、次の処理を実行する。コードデータ展開蓄積ジョブ1001cの生成および起動をジョブ制御部702に指示する(ステップS28)。コマンドデータを更に解析し、印刷時に手動両面モードにする必要性の有無を判断する(ステップS30)。この判断の結果、手動両面モードであるか否かを判別し(ステップS31)、手動両面モードである場合、ステップS27で蓄積中の画像データに対応するジョブ管理部902に表面記録または裏面記録を記録方法として設定する。この後、本処理を終了する。一方、ステップS31で手動両面モードでない場合、本処理を終了する。
また一方、ステップS21にて文書管理部900で管理され、かつ画像記憶部160に保存されている画像データを印刷する必要がある場合(蓄積画像印刷ジョブ)、次の処理を実行する。蓄積画像印刷ジョブ1001bの生成および起動をジョブ制御部702に指示する(ステップS29)。ステップS29で起動した蓄積画像印刷ジョブが印刷している画像データのジョブ管理部902の記録方法(印刷設定)を、ステップS29で起動した蓄積画像印刷ジョブが片面記録している面と反対側の面を記録する記録方法に変更する(ステップS32)。この後、本処理を終了する。尚、ステップS29で開始された蓄積画像印刷ジョブは、ステップS27で設定されたジョブ管理部の記録方法を参照して記録方法を決定する。しかし、ユーザがデジタル複合機の操作部150から表面記録または裏面記録を指示した場合、操作部150からの指示を優先して記録方法を決定する。また、上記ステップ29およびステップS32の処理は図10のステップS13の処理に相当する。
図12はシステム制御部701がジョブ制御部702に実行を指示したジョブの終了が検知された際の動作処理手順を示すフローチャートである。まず、終了したジョブが表面記録または裏面記録を実行した蓄積画像印刷ジョブであるか否かを判別する(ステップS41)。終了したジョブが表面記録または裏面記録を実行した蓄積画像印刷ジョブでない場合、本処理を終了する。一方、終了したジョブが蓄積画像印刷ジョブである場合、その蓄積画像印刷ジョブによって印刷された画像データに対応するジョブ管理部に実行済みの記録方法として、実行した記録方法を追加・設定する(ステップS42)。終了した蓄積画像印刷ジョブによって印刷された画像データに対応するジョブ管理部を調べる(ステップS43)。実行済みの記録方法として、表面記録および裏面記録の両方が設定されている場合、手動両面印刷による両面印刷が完了したと判断し、印刷済みの画像データを文書管理部900から削除する(ステップS44)。一方、両面印刷が完了していない場合、そのまま本処理を終了する。尚、上記ステップS41からステップS44までの処理は図10のステップS14の処理に相当する。
図13はステップS22およびステップS30における手動両面モードの判断処理手順を示すフローチャートである。まず、コードデータの印刷設定として、手動両面モードが明示的に指定されているか否かを判別する(ステップS51)。手動両面モードが指定されている場合、手動両面モードに設定し(ステップS56)、本処理を終了する。一方、手動両面モードが指定されていない場合、コードデータの印刷設定として、両面記録が指定されているか否かを判別する(ステップS52)。両面記録が指定されていない場合、通常モード(ここでは、片面モード)に設定し(ステップS55)、本処理を終了する。
一方、ステップS52で両面記録が指定されている場合、次の判別をする。コードデータの印刷設定として、例えば図2における両面記録のための搬送経路336、333、338、332を通過させることができない記録用紙(ここでは、両面搬送不可用紙という)の使用が指定されているか否かを判別する(ステップS53)。両面搬送不可用紙の使用が指定されている場合、手動両面モードに設定し(ステップS56)、本処理を終了する。一方、両面搬送不可用紙の使用が指定されていない場合、両面記録のための搬送経路336、333、338、332(ここでは、両面搬送経路という)が正常に動作していて使用可能であるか否かを判別する(ステップS54)。両面ユニットが使用可能である場合、ステップS55で通常モード(ここでは自動両面モード)に設定する。一方、両面記録のための搬送経路336、333、338、332が使用不可能である場合、ステップS56で手動両面モードに設定する。この後、本処理を終了する。
このように、次の場合に手動両面モードが設定される。(1)手動両面モードが明示的に指定されている場合。(2)両面印刷が指定され、かつ両面搬送経路を通せない記録用紙が指定された場合。(3)両面印刷が指定され、かつ両面搬送経路が使えない場合。その他の場合(例えば、両面印刷モードが指定され且つ搬送経路336、333、338、332を通過可能な記録用紙が指定されている場合などを含む)、通常モードが設定される。そして、該設定されたモードに従った各種制御(画像データ記憶制御、画像データ像形成制御、記録紙搬送制御等)を実行するようコントローラ部110によりデジタル複合機110を制御する。
尚、第1の実施形態で、搬送経路336、333、338、332を搬送させられない記録用紙は、厚紙、OHPシート、タブ紙、はがき等の、普通紙とはタイプの異なる所定のタイプのシートを含む。一方、搬送経路336、333、338、332を搬送可能な記録用紙は、普通紙、色紙、再生紙、等の、所定のタイプのシートを含む。
又、上述の例は、主に、両面印刷対象となるジョブにて使用すべき記録用紙のタイプに基づき、両面搬送不可の記録用紙と、両面搬送許可の記録用紙とを区別し、それぞれ、異なるシーケンスで動作させるようCPUにより制御するものである。その他に、以下のような制御でも良い。
例えば、葉書等の非常に小サイズの記録紙は、搬送経路336、333、338、332を搬送させられない記録用紙とし、通常サイズの記録紙は、両面搬送許可の記録用紙として取り扱うよう制御してもよい。このような、両面印刷対象となるジョブにて使用すべき記録用紙のサイズに基づいて、両面搬送不可の記録用紙と、両面搬送許可の記録用紙とを区別し、それぞれ、異なるシーケンスで動作させるようCPUにより制御しても良い。
加えて、上記のような、両面印刷対象となるジョブにて使用すべき記録用紙のタイプに基づいた制御、及び、両面印刷対象となるジョブにて使用すべき記録用紙のサイズに基づいた制御、の両方に基づいた制御をしても良い。
又、両面印刷対象となるジョブにて使用すべき記録媒体のタイプ(種類)や記録用紙のサイズは、PC601のプリンタドライバを介してユーザにより設定可能としても良い。又、デジタル複合機100のコントローラ部110は、PC601のプリンタドライバを介して設定され印刷データと共に送信される印刷条件情報に基づいて、そのジョブの記録媒体のタイプに関する情報やサイズに関する情報を取得する。そして、その情報に基づいた判断を第1の実施形態のフローチャートの処理にて利用する。又、コピー機能としてデジタル複合機100を利用する場合には、操作部1590にて記録媒体のタイプ(種類)や記録用紙のサイズを印刷条件に含まれる1つのパラメータとしてユーザにより設定可能とする。そして、その情報に基づいた判断を第1の実施形態のフローチャートに基づいて実行する。
つぎに、ステップS12において、手差しトレイ315に記録用紙が載せられたことを検知した際、操作部150の液晶パネルに表示される画面について説明する。図14は手動両面印刷を直ちに開始するためのユーザボックス画面を示す図である。図15は手差しトレイ315上の記録用紙のサイズを設定するための手差し用紙指定画面を示す図である。これら2つの画面には、相互に切り替え可能なボタン(用紙サイズ選択ボタン1503、手動両面Box文書ボタン1602)が設けられているので、手差しトレイ315に記録用紙が検知された際、どちらの画面を先に表示してもよい。
ユーザボックス画面(図14)におけるリスト表示画面1501には、文書管理部900に蓄積されている画像データであって、記録方法が表面記録または裏面記録である画像データが表示されている。リスト表示画面1501の各行には、入力の種類(スキャン(S)、PDL(P)、コードデータ(C))、文書名、用紙サイズ、ページ数、日付が表示される。ユーザは、タッチパネルによりリスト表示画面1501に表示される画像データの中から所望の画像データを選択し、プリントボタン1502を押下することで、画像データの印刷処理を開始させることができる。印刷時の記録方法は、ステップS27でジョブ管理部902に設定された記録方法であり、表面記録または裏面記録である。また、手差しトレイ315に置かれた記録用紙のサイズは、選択された画像データの記録用紙サイズとなる。用紙サイズ選択ボタン1503は、手動両面印刷を開始せず、手差しトレイ315に載せた記録用紙のサイズを設定する画面(手差し用紙指定画面)に表示を切り替える。
手差し用紙指定画面において、サイズ設定ボタン1601は、手差しトレイ315に載せられた記録用紙のサイズを設定する。各サイズ設定ボタンには、用紙サイズが記載されている。手動両面Box文書ボタン1602は、手動両面印刷を開始するためのユーザボックス画面に表示を切り替える。
つぎに、表面記録および裏面記録の詳細を示す。手動両面印刷により、各画像データが記録用紙のどの面に記録されるかを示す。図16、図17および図18は記録用紙のサイズが全てA4である5ページからなる文書を両面印刷する手順を示す図である。具体的に、図16(A)〜図17(D)では、1ジョブ目に表面記録、2ジョブ目に裏面記録を実行する場合が示されている。図18(E)、(F)では、1ジョブ目に両面−裏面印刷、2ジョブ目に表面印刷を実行する場合が示されている。両面−表面記録の場合、1ページ目、3ページ目、5ページ目の画像データが片面記録され、裏面記録の場合、2ページ目、4ページ目の画像データが片面記録される。
図16(A)では、1ジョブ目に表面を正順に記録して記録面を下に向けて排紙し、2ジョブ目に裏面を逆順に記録して記録面を下に向けて排紙する。2ジョブ目の最初の記録面は5ページ目の画像の裏面となり、画像データが存在しないので、白紙記録となる。白紙記録は、白紙の画像データを記録紙に記録するか、あるいは記録用紙を給紙して記録処理を行わずに排紙することで実現される。
図16(B)では、1ジョブ目に表面を正順に記録して記録面を上に向けて排紙し、2ジョブ目に裏面を正順に記録して記録面を上に向けて排紙する。2ジョブ目の最後の記録面は、図16(A)と同様に白紙記録となる。図17(C)では、1ジョブ目に表面を逆順に記録して記録面を下に向けて排紙し、2ジョブ目に裏面を正順に記録して記録面を上に向けて排紙する。2ジョブ目の最後の記録面は、図16(A)と同様に白紙記録となる。図16(B)、図17(C)に示すように、2ジョブ目の最後の記録面を白紙として片面印刷することで、手差しトレイ315に片面が印刷済みの記録用紙が残留しないようにすることができる。
図17(D)では、1ジョブ目に表面を逆順に記録して記録面を上に向けて排紙し、2ジョブ目に裏面を逆順に記録して記録面を下に向けて排紙する。2ジョブ目の最初の記録面は、図16(A)と同様に白紙記録となる。
図18(E)では、1ジョブ目に裏面を正順に記録して記録面を下に向けて排紙し、2ジョブ目に表面を逆順に記録して記録面を上に向けて排紙する。1ジョブ目の最後の記録面は、図16(A)と同様に白紙記録となる。図18(F)では、1ジョブ目に裏面を正順に記録して記録面を上に向けて排紙し、2ジョブ目に表面を正順に記録して記録面を下に向けて排紙する。1ジョブ目の最後の記録面は、図16(A)と同様に白紙記録となる。図18(E)、図18(F)に示すように、1ジョブ目の最後の記録面を白紙として片面印刷することで、2ジョブ目において、手差しトレイ315に積載される記録用紙が不足しないようにすることができる。
図19、図20および図21は記録用紙サイズが先頭からA4、A3、A3、A4に設定されている4ページからなる文書を両面印刷する手順を示す図である。具体的に、図19(A)〜図20(D)では、1ジョブ目に表面記録、2ジョブ目に裏面記録を実行する場合が示されている。図21(E)および図21(F)が1ジョブ目に裏面印刷、2ジョブ目に表面印刷を実行する場合が示されている。表面記録の場合、1ページ目、2ページ目、4ページ目の画像データが片面記録され、裏面記録の場合、3ページ目の画像データが片面記録される。2ページ目以降の画像データの記録面が図16〜図18の場合と比べてずれているのは、1ページ目の記録用紙サイズがA4であり、その記録用紙の裏面に記録用紙サイズがA3である2ページの画像データを記録することができないためである。3ページ目の画像データは、その前の2ページ目の画像データと同じA3の記録用紙サイズであるので、裏面に記録される。
図19(A)では、1ジョブ目に表面を正順に記録して記録面を下に向けて排紙し、2ジョブ目に裏面を逆順に記録して記録面を下に向けて排紙する。2ジョブ目の最初の記録面は4ページ目の画像の裏面となり、画像データが存在しないので、白紙記録となる。2ジョブ目の最後の記録面は、前述した記録用紙サイズの違いにより裏面が白紙記録となる。
図19(B)では、1ジョブ目に表面を正順に記録して記録面を上に向けて排紙し、2ジョブ目に裏面を正順に記録して記録面を上に向けて排紙する。2ジョブ目の最初と最後の記録面は、図19(A)と同様に白紙記録となる。図20(C)では、1ジョブ目に表面を逆順に記録して記録面を下に向けて排紙し、2ジョブ目に裏面を正順に記録して記録面を上に向けて排紙する。2ジョブ目の最初と最後の記録面は、図19(A)と同様に白紙記録となる。図20(D)では、1ジョブ目に表面を逆順に記録して記録面を上に向けて排紙し、2ジョブ目に裏面を逆順に記録して記録面を下に向けて排紙する。2ジョブ目の最初と最後の記録面は、図19(A)と同様に白紙記録となる。図19(A)、図19(B)、図20(C)、図20(D)に示すように、2ジョブ目の最後の記録面を白紙として片面印刷することで、手差しトレイに片面が印刷済みの記録用紙が残留しないようにすることができる。
図21(E)では、1ジョブ目に裏面を正順に記録して記録面を下に向けて排紙し、2ジョブ目に表面を逆順に記録して記録面を上に向けて排紙する。1ジョブ目の最初と最後の記録面は、図19(A)と同様に白紙記録となる。図21(F)では、1ジョブ目に裏面を正順に記録して記録面を上に向けて排紙し、2ジョブ目に表面を正順に記録して記録面を下に向けて排紙する。1ジョブ目の最初と最後の記録面は、図19(A)と同様に白紙記録となる。図21(E)および図21(F)に示すように、1ジョブ目の最後の記録面を白紙として片面印刷することで、2ジョブ目において、手差しトレイの記録用紙が不足しないようにすることができる。
図22は手動両面印刷により各画像データを記録用紙のどの面に記録するかを決定する処理手順を示すフローチャートである。この処理では、表面に記録される画像データのインデックスの配列である表面画像[]、および裏面に記録される画像データのインデックスの配列である裏面画像[]が設定される。また、各配列の要素数がそれぞれ表面インデックスおよび裏面インデックスに設定される。
まず、評価対象の画像データを指示する画像インデックスを値1に、配列:表面画像[]のインデックスである表面インデックスを値0に、配列:裏面画像[]のインデックスである裏面インデックスを値0に、それぞれ初期化する(ステップS61)。画像インデックスが指示する画像データを表(おもて)面に記録可能であるか否かを判別する(ステップS62)。表(おもて)面に記録不可能である場合、ステップS66の処理に移行する。例えば、次のような条件に該当する場合、つまりPDLデータなどにより裏面記録が明示的に指定されている場合、表(おもて)面に記録不可能であると判断する。
一方、表面に記録可能である場合、表面インデックスが示す配列:表面画像[]の要素を画像インデックスの値に設定し、表面インデックスおよび画像インデックスを先に進める(ステップS63)。画像インデックスが指示する画像データを裏面に記録可能であるか否かを判別する(ステップS64)。例えば、次のような条件(a)〜(c)に該当する場合、裏面に記録不可能と判断する。(a)PDLデータなどにより表面記録が明示的に指定されている場合。(b)PDLデータなどにより指定された、記録用紙サイズ、記録用紙タイプ(普通紙、厚紙、色紙)、給紙カセット、のいずれかが画像インデックスが指示する画像の1つ前の画像データと異なる場合。(c)PDLデータなどにより画像インデックスが指示する画像の1つ前の画像データで両面記録の終了が指定されている場合。以上の場合に、裏面に記録不可能と判断する。
ステップS64で裏面に記録可能である場合、裏面インデックスが示す配列:裏面画像[]の要素を画像インデックスの値に設定し、裏面インデックスと画像インデックスを先に進める(ステップS67)。一方、裏面に記録不可能である場合、裏面インデックスが示す配列:裏面画像[]の要素を該当する画像が無いことを示す値0に設定し、裏面インデックスを先に進める(ステップS65)。
また一方、ステップS62で表(おもて)面に印刷不可能である場合、表面インデックスが示す配列:表面画像[]の要素を該当する画像が無いことを示す値0に設定し、表面インデックスを先に進める(ステップS66)。裏面インデックスが示す配列:裏面画像[]の要素を画像インデックスの値に設定し、裏面インデックスと画像インデックスを先に進める(ステップS67)。
ステップS65、S67の処理後、画像インデックスが指示する画像データが文書に存在するか否かを確認し、存在する場合、ステップS62の処理に戻り、存在しない場合、本処理を終了する。
このような画像データの記録面決定処理における具体例を示す。例えば、図19〜図21では、記録用紙サイズが先頭からA4、A3、A3、A4に設定されている4ページからなる文書が両面印刷される。この場合、1頁目の画像、つまり画像インデックス=1の場合、ステップS62の処理では、表面記録可能であるので、ステップS63に移行し、表面に記録される画像データのインデックスの配列である表面画像[]として、表面画像[0]=1が決定される。そして、表面インデックス=1、画像インデックス=2にインクリメントされる。続く、ステップS64の処理では、画像インデックス=2の画像は、上記条件(b)に示すように、1つ前の画像と記録用紙サイズが異なるので、裏面記録不可能である。したがって、裏面に記録される画像データのインデックスの配列である裏面画像[]として、表面画像[0]=0が決定される。そして、裏面インデックス=1にインクリメントされる。続くステップS68では、画像インデックスの画像が存在するので、ステップS62の処理に戻る。ステップS62では、画像インデックス2の画像は表面記録可能であるので、同様に、表面画像[1]=2が決定される。そして、表面インデックス=2、画像インデックス=3にインクリメントされる。続くステップS64では、画像インデックス3の画像は裏面記録可能であるので、ステップS67で裏面画像[1]=3が決定される。そして、裏面インデックス=2、画像インデックス=4にインクリメントされる。続くステップS68では、画像インデックス=4の画像が存在するので、再びステップS62の処理に戻る。ステップS62では、画像インデックス4の画像は表面記録可能であるので、表面画像[2]=4が決定される。そして、表面インデックス=3、画像インデックス=5にインクリメントされる。続くステップS64では、画像インデックス5の画像は裏面記録可能でない(存在しない)ので、ステップS65で裏面画像[2]=0が決定される。そして、裏面インデックス=3にインクリメントされる。この後、ステップS68で画像インデックス5の画像が存在しないと判断され、本処理を終える。
このような処理を行った結果、図19〜図21に示す画像データの場合、表面画像[]={1,2,4}、裏面画像[]={0,3,0}、表面インデックス=3、裏面インデックス=3と設定される。両面−表面記録または両面−裏面記録を実行する際、図22の記録面決定処理を印刷する文書の全ページに対して行い、上記配列と配列の要素数を求める。正順である場合、配列の先頭から、逆順である場合、配列の末尾から、画像データを指示するインデックスを参照して画像データを記録用紙に記録する。
第1の実施形態の両面印刷動作では、デジタル複合機100が上記動作を行う。このため、ユーザは、手動両面モードで動作するようなコードデータの印刷ジョブをデジタル複合機100に投入した場合、表面あるいは裏面のみの片面印刷が終了した後、デジタル複合機100に対して片面印刷物を手差しトレイに移動する作業を行う。そして、その場でデジタル複合機100の操作部150を操作し、速やかに残りの面の印刷を開始させることが可能になる。また、このとき、印刷を開始すると、印刷が済んでいない面が自動的に印刷面として選択されるので、煩わしい印刷設定が不要になる。また、両面の印刷が完了した時点で、文書管理部900から画像データが自動的に消去されるので、不要な画像データが画像記憶装置の容量を圧迫する問題も起きない。また、予めコードデータ展開蓄積ジョブによって文書管理部900に格納しておいた画像データを、操作部から明示的に指定し、手動両面モードで印刷させることも可能である。このように、各画像データが記録用紙のどの面に記録されるのかを決定するので、手動両面印刷機能によって、2回の片面印刷ジョブに分割されても、記録用紙の表面と裏面の画像がずれることなく適切に記録される。また、2度目の印刷ジョブにおいて、用紙トレイの記録用紙が不足したり、反対に、用紙トレイに片面記録済みの記録用紙が残ってしまうという問題も発生しない。
[第2の実施形態]
第2の実施形態の印刷装置は、前記第1の実施形態と同様、デジタル複合機に適用される。図23は第2の実施形態における複合機が含まれる印刷システムの構成を示す図である。この印刷システムは、ネットワーク2105にそれぞれ接続されたコンピュータ端末2106、外部コントローラ2104、およびこの外部コントローラ2104に接続されたデジタル複合機(MFP)2101から構成される。複合機2101は、フルカラーでスキャン、プリント等が可能なカラースキャナ/プリンタ機器であり、内部ネットワーク2102および画像データ転送用のビデオ(Video)ケーブル2103を介して、外部コントローラ2104と接続されている。また、外部コントローラ2104は、外部ネットワーク2105を介して、コンピュータ端末2106に接続されている。
図24は複合機2101の概略的構成を示す図である。複合機2101は、スキャナ部2201、プリンタ部2202、操作部2203、内部コントローラ2204およびフィニッシャ部2205から構成され、スキャナ部2201から読み取った画像をプリンタ部2202で印刷するコピー機能を有する。操作部2203は、ユーザが複合機2101の機能の実行を指示したり、機能実行時の動作を設定したり、あるいは複合機2101の状態をユーザに知らせる際に使用される。フィニッシャ部2205は、プリンタ部2202に接続されており、ステイプル等の後処理を行う。
内部コントローラ2204は、複合機2101全体の動作制御、状態管理および画像処理を行うものであり、スキャナ部2201およびプリンタ部2202の動作や、操作部2203からのユーザ指示を受け付け、操作部2203への状態表示を制御する。また、内部コントローラ2204は、スキャナ部2201およびプリンタ部2202で扱われる画像データの処理や、内部ネットワーク2102に接続された外部コントローラ2104とデータ送受信を行う。
また、第2の実施形態の印刷システムは、ネットワークプリントを実行することができる。印刷システムは、ネットワークプリントを実行するにあたって、コンピュータ端末2106で作成されたドキュメントを、PDLデータとして外部ネットワーク2105を介して外部コントローラ2104に送信する。外部コントローラ2104は、コンピュータ端末2106から受信したPDLデータをイメージに展開し、複合機2101で印刷可能なデータ形式に変換し、ビデオケーブル2103を介して複合機2101に送信する。また、外部コントローラ2104は、プリント時の動作設定やビデオケーブル2103を介して送出される画像データの諸情報を、内部ネットワーク2102を介して複合機2101と通信する。
外部コントローラ2104は、コンピュータ端末2106から送出されたPDLデータを色空間変換を行うためのプロファイルを用いて、RGBの色空間およびCMYKの色空間からなる2種類の色空間でイメージに展開する機能を有する。ビデオケーブル2103は、RGBおよびCMYKの2種類の色空間の画像データを転送可能である。
また、第2の実施形態の印刷システムは、複合機2101でスキャンした画像をコンピュータ端末2106に表示して保存するネットワークスキャン機能を有する。このネットワークスキャン機能は、その操作形態から、プルスキャン機能およびプッシュスキャン機能に大別される。プルスキャン機能とは、ユーザがコンピュータ端末2106を介して複合機2101にスキャン指示を行う機能である。一方、プッシュスキャン機能は、複合機2101の操作部2203を介してユーザがスキャン指示を行う機能である。プルスキャン機能およびプッシュスキャン機能のいずれであっても、ネットワークスキャン機能は次の手順で実現される。即ち、複合機2101は、ユーザからの指示にしたがって、スキャナ部2201に予め載置された原稿画像を読み取る。そして、複合機2101は、読み取った画像をコンピュータ端末2106で扱うのに適した形式に変換し、内部ネットワーク2102、外部コントローラ2104および外部ネットワーク2105を介して、コンピュータ端末2106に転送する。
また、第2の実施形態の印刷システムはフルカラー画像を扱うので、複合機2101は、プリンタ部2202の画質向上を目的として画質調整機能を有する。印刷システムでは、複合機2101単体の濃度調整と、コンピュータ端末2106からの電子文書のプリント時の色調整との2種類の色調整が行われる。複合機2101単体の色調整は、以下の処理を実行する。まず、プリンタ部2202で既定の画像を印刷し、その画像をスキャナ部2201で読み取る。次に、プリンタ部2202の特性を内部コントローラ2204の画像処理で行われる濃度調整値に反映させ、安定した画像を印刷するようセットする。このとき、印刷に用いられる既定の画像は、内部コントローラ2204で生成される。一方、コンピュータ端末2106からの電子文書のプリント時の色調整は、外部コントローラ2104からの指示によって行われる。外部コントローラ2104は、既定の画像を複合機2101に送信して印刷させる。複合機2101では、印刷した画像をスキャナ部2201で読み取ると、外部コントローラ2104は読み取った画像を複合機2101から受信し、複合機2101の画像特性を認識する。この認識された画像特性は、コンピュータ端末2106からのPDLデータをイメージに展開する際、外部コントローラ2104が考慮する値として保持される。
(内部コントローラ2204の構成)
図25は内部コントローラ2204の構成を示す図である。内部コントローラ2204は、CPU2301、ワークメモリ2302、画像処理部2303、画像メモリ2304を有する。更に、内部コントローラ2204は、大容量記憶装置(以下、HDDという)2305、ファクシミリ(FAX)通信部2306およびネットワークインターフェース(I/F)部2307を有する。
画像処理部2303は、画像信号線2303a、2303bを介してスキャナ部2201、プリンタ部2202にそれぞれ接続されるとともに、ビデオケーブル2103を介して外部コントローラ2104に接続される。また、画像処理部2303は、画像メモリ2304に接続される他、CPU2301を介してファクシミリ通信部2306に接続されている。スキャナ部2201からの画像データは、画像処理部2303を介して画像メモリ2304およびHDD2305に格納された後、再び画像メモリ2304および画像処理部2303を介してプリンタ部2202に送出される。また、外部コントローラ2104からの画像データも、ビデオケーブル2103を介して同様に画像処理部2303に入力される。また、ファクシミリ通信部2306は、ファクシミリ送受信に用いられる画像データを入出力可能である。
また、複合機2101では、HDD2305への画像格納機能を利用し、ボックス機能が実現される。このボックス機能では、スキャナ部2201から入力された画像データ、あるいは外部コントローラ2104からビデオケーブル2103を介して入力された画像データは、すぐにプリントされず、HDD2305に一旦蓄積される。そして、ユーザがプリントまたはファクシミリ通信を行いたい場合、操作部2203から指示すると、プリントやファクシミリ通信が行われる。また、複数のユーザ間でHDD2305に蓄積された画像は共用される。
また、複合機2101では、ファイル送信機能が実現される。このファイル送信機能では、HDD2305に蓄積された画像データは、コンピュータ端末で一般的に用いられているファイルフォーマットである画像データ(例えば、Jpegなど)に変換される。この変換は、画像メモリ2304および画像処理部2303を用いて行われる。変換されたファイルは、ネットワークインターフェイス部2307、内部ネットワーク2102、外部コントローラ2104および外部ネットワーク2105を介して、所望のコンピュータ端末に送出され、コンピュータ端末で再利用される。
CPU2301は、HDD2305に格納されたプログラムに従って動作し、操作部2203、ファクシミリ通信部2306等の各部を制御し、プリンタ部2202およびスキャナ部2201に対して、画像データ送受信の同期をとるための通信を行う。同様に、CPU2301は、内部ネットワーク2102を介して外部コントローラ2104と通信を行うために、ネットワークインターフェイス部2307にアクセスする。
また、内部コントローラ2204は、リモート操作サービスを提供している。このリモート操作サービスでは、内部ネットワーク2102および外部コントローラ2104を介して、複合機2101の状態をコンピュータ端末2106で参照したり、あるいはコンピュータ端末2106から複合機2101を設定することが可能である。また、Webサービス等によりHDD2305に格納されたデータを読み出すことが可能である。
(操作部2203)
図26は操作部2203の構成を示す図である。操作部2203には、LCD表示画面2401が設けられており、複合機2101の設定や状況が表示される。動作設定画面2402には、参考としてコピー画面が示されている。このコピー画面には、コピー時のズーム設定、給紙段設定、印刷部数等が表示されている。また、動作設定画面2402は、機能キー2403を選択することによって、ファクシミリ機能、外部コントローラ2104からのプリント機能の画面に遷移する。
また、LCD表示画面2401の左下部には、複合機2101の状態や選択されている機能画面以外の機能の状況を示すステイタスメッセージ表示部2404が設けられている。さらに、その右下部には、複合機2101の状態や選択されている機能画面以外の機能の状況に関し、その詳細を参照する画面に遷移するシステム状況キー2405が設けられている。また、両面キー2412は、コピーを行う際の両面設定画面に移行するためのボタンである。
また、操作部2203には、LCD表示画面2401の他に、数値設定を入力するテンキー2406が設けられている。また、コピーやファクシミリなどの各機能を使用する際、使用するユーザを特定するためのIDを入力する画面に遷移するIDキー2407も設けられている。リセットキー2408は、動作設定画面2402を規定の機能に戻すものである。詳細設定キー2409は、複合機2101の詳細な動作設定やネットワーク設定等を行う画面に遷移させるものである。スタートキー2410およびストップキー2411は、それぞれ各機能の動作開始および中止を行うものである。
(スキャナ部2201の構成)
図27はスキャナ部2201の構成を示す図である。スキャナ部2201では、原稿台ガラス2501の上には、読み取られるべき原稿2502が置かれる。原稿2502は照明ランプ2503によって照射され、その反射光はミラー2504、2505、2506を経て、レンズ2507によりCCD2508上に結像する。第1ミラーユニット2510は、ミラー2504および照明ランプ2503を有し、速度vで副走査方向に移動する。一方、第2ミラーユニット2511は、ミラー2505、2506を有し、速度1/2vで副走査方向に移動する。これにより、原稿2502の全面が走査される。
第1ミラーユニット2510および第2ミラーユニット2511は、モータ2509によって駆動される。第1ミラーユニット2510および第2ミラーユニット2511の動作は、スキャナコントローラ部2512からの信号によって制御される。スキャナコントローラ部2512は、内部コントローラ2204からの指示に従って、各ユニット2510、2511の動作を制御する。
図28はスキャナコントローラ部2512内の画像処理部の構成を示す図である。画像処理部は、前述したCCD2508、A/D変換部2602、シェーディング変換部2603、ライン補間部2604、入力マスキング部2605およびLOG変換部2606から構成される。
この画像処理部では、入力された光学的信号がCCD2508によって電気信号に変換される。CCD2508はRGBラインのカラーセンサであり、CCD2508からのRGB信号はA/D変換部2602に入力される。A/D変換部2602では、ゲイン調整およびオフセット調整が行われた後、各色信号毎に8bitのデジタル画像データR0,G0,B0に変換される。この後、シェーディング変換部2603では、基準白色板の読み取り信号を用い、色毎に周知のシェーディング補正が行われる。
また、CCD2508を構成する各色ラインセンサは、相互に所定の距離を隔てて配置されており、ラインディレイ調整回路(ライン補間部)2604によって、副走査方向の空間的ずれが補正される。
入力マスキング部2605は、CCD2508内のRGBフィルタの分光特性で決まる読取色空間をNTSCの標準色空間に変換する部分である。入力マスキング部2605は、CCD2508の感度特性や照明ランプのスペクトル特性等の諸特性を考慮した装置固有の定数を用いて、3×3のマトリックス演算を行い、入力された色信号(R0,G0,B0)を標準的な色信号(R,G,B)に変換する。さらに、輝度/濃度変換部(LOG変換部)2606は、ルックアップテーブル(LUT)から構成され、RGBの輝度信号をC1,M1,Y1の濃度信号に変換する。変換された信号は、内部コントローラ部2204に送出される。
(プリンタ部2202の構成)
図29はプリンタ部2202の内部構成を示す図である。半導体レーザは半導体レーザ駆動部により駆動され、ポリゴンミラー2701は半導体レーザから発光された4本のレーザ光を受光する。受光したレーザ光のうち、1本のレーザ光は、ミラー2702、2703、2704を経て感光ドラム2705を走査する。次の1本のレーザ光は、ミラー2706、2707、2708を経て感光ドラム2709を走査する。次の1本のレーザ光は、ミラー2710、2711、2712を経て感光ドラム2713を走査する。次の1本のレーザ光は、ミラー2714、2715、2716を経て感光ドラム2717を走査する。
現像器2718は、イエロー(Y)のトナーを供給するものであり、レーザ光に従って、感光ドラム2705上にイエローのトナー像を形成する。現像器2719は、マゼンタ(M)のトナーを供給するものであり、レーザ光に従って、感光ドラム2709上にマゼンタのトナー像を形成する。現像器2720は、シアン(C)のトナーを供給するものであり、レーザ光に従って、感光ドラム2713上にシアンのトナー像を形成する。現像器2721は、ブラック(K)のトナーを供給するものであり、レーザ光に従って、感光ドラム2717上にブラックのトナー像を形成する。これら4色(Y,M,C,K)のトナー像がシートに転写され、フルカラーの出力画像を得ることができる。
一方、シートカセット2722、2723および手差しトレイ2724のいずれかから給紙されたシートは、レジストローラ2725を経て、転写ベルト2726上に吸着され、搬送される。予め感光ドラム2705、2709、2713、2717には、給紙のタイミングと同期して、各色のトナーが現像されており、シートの搬送とともにトナーがシートに転写される。
各色のトナーが転写されたシートは、転写ベルト2726から分離され、搬送ベルト2727により搬送されると、定着器2728によりシートにトナーが定着する。定着器2728を抜けたシートは、フラッパ2729、両面用反転ローラ2730、両面トレイ搬送ローラ2731、両面トレイ2732などによって所定の排紙処理がなされる。この排紙処理を含むプリント動作の詳細については後述する。尚、4つの感光ドラム2705、2709、2713、2717は、距離dをおいて等間隔に配置されており、シートは、搬送ベルト2726により一定速度vで搬送される。半導体レーザは、この搬送タイミングと同期して駆動され、ポリゴンミラー2701にレーザ光を発光する。
(フィニッシャ部2205の構成)
図30はフィニッシャ部2205の内部構成を示す図である。プリンタ部2202の定着部2728を出たシートは、フィニッシャ部2205に入る。フィニッシャ部2205には、サンプルトレイ2801およびスタックトレイ2802が設けられており、ジョブの種類や排出されるシートの枚数に応じて切り替えられる。
仕分けを行う場合、複数のビンを有し、各ビンに振り分けるビンソート方式と、後述する電子ソート機能を用い、ビンまたはトレイを奥手前方向にシフトしてジョブ毎に出力されるシートを振り分けるシフトソート方式の2通りのソート方式がある。
電子ソート機能は、コレートと呼ばれる。複合機2101が大容量のバッファメモリを有する場合、このバッファメモリを利用し、バッファリングしたページ順と排出順を変更する、いわゆるコレート機能を用いることで、電子ソート機能もサポート可能である。また、グループ機能は、ソーティングがジョブ毎に振り分けるのに対し、ページ毎に仕分けする機能である。
また、スタックトレイ2802にシートを排出する場合、排出される前のシートをジョブ毎に蓄えておき、排出する直前にステープラ2805でバインドすることも可能である。この他、サンプルトレイ2801およびスタックトレイ2802に至るまでの間に、紙をZ字状に折るためのZ折り機2804や、ファイル用の2つもしくは3つの穴開けを行うパンチャ2806が設けられており、ジョブの種類に応じてそれぞれの処理が行われる。
また、サドルステッチャ2807は、シートの中央部分を2ヶ所バインドした後、シートの中央部分をローラに噛ませることによりシートを半折りし、週刊誌やパンフレットのようなブックレットを作成する処理を行う。サドルステッチャ2807で製本されたシートは、ブックレットトレイ2808に排出される。尚、本実施形態では示されていないが、製本のためのグルー(糊付け)によるバインドや、バインド後にバインド側と反対側の端面を揃えるためのトリム(裁断)などを搭載することも可能である。
また、インサータ2803は、トレイ2809にセットされたシートをプリンタを通さずに、トレイ2801、2802、2808のいずれかに送るものである。これにより、フィニッシャ2205に送り込まれるシートとシートの間には、インサータ2803にセットされたシートをインサート(中差し)することができる。インサータ2803のトレイ2809には、ユーザによりフェイスアップの状態でシートがセットされ、ピックアップローラ2810により最上部のシートから順に給送される。インサータ2803からのシートは、そのままトレイ2801、2802に搬送され、フェイスダウン状態で排出される。サドルステッチャ2807に送る場合、一度、パンチャ2806側へ送り込んだ後、スイッチバックさせて送り込むことにより、シートのフェースの向きを合わせる。
(外部コントローラの構成)
図31は外部コントローラ2104の構成を示す図である。外部コントローラ2104は、CPU2901、ワークメモリ2902、画像処理部2903、画像メモリ2904、大容量記憶装置(以下、HDDという)2905、外部ネットワークI/F部2906および内部ネットワークI/F部2907から構成される。
画像処理部2903は、ビデオケーブル2103を介しての複合機2101に接続されるとともに、画像メモリ2904に接続される。外部ネットワークI/F部2906は、外部ネットワーク2105に接続される。また、内部ネットワークI/F部2907は内部ネットワーク102に接続される。CPU2901は、HDD2905に格納されたプログラムに従って動作し、外部ネットワークI/F部2906を介してコンピュータ端末2106と通信するとともに、内部ネットワークI/F部2907を介して複合機2101と通信し、所定の処理を実行する。
外部コントローラ2104は、コンピュータ端末2106の文書ファイルを印刷する際、コンピュータ端末2106から外部ネットワーク2105を介して送信されるPDLデータを受信する。受信したPDLデータは、外部ネットワークI/F部2906を経由してHDD2905に蓄積される。HDD2905に蓄積されたPDLデータは、CPU2901によるプログラムの実行に従って、画像メモリ2904上にイメージとして展開される。
また、外部コントローラ2104は、内部ネットワークI/F部2907および内部ネットワーク2102を介して、画像メモリ2904上に展開されたイメージのサイズ等の情報や、PDLデータに含まれる複合機2101の印刷設定を送信する。これとともに、外部コントローラ2104は、ビデオケーブル2103を介して展開されたイメージを複合機2101に転送し、印刷を行わせる。
(自動両面印刷)
図32は自動両面印刷を行う際の用紙(シート)の動きを示す図である。ここで、自動両面印刷とは、プリンタ部2202の内部で用紙を循環させて用紙の両面に画像を形成する印刷を意味する。自動両面印刷においては、まず、シートカセット2722、2723あるいは手差しトレイ2724から用紙2733を給紙する(状態a1参照)。図32では、シートカセット2722から給紙する場合が示されている。用紙2733の用紙面Aに、感光ドラム2705、2709、2713、2717に現像された各色のトナーを転写し(状態a2参照)、定着器2728でトナーを定着させて画像を形成する(状態a3参照)。
ここで、用紙面Aとは、カセット2722、2723または手差しトレイ2724から給紙した際、画像が形成される面を表す。カセット2722、2723に用紙が載置された場合、下側の面が用紙面Aとなり、手差しトレイ2724の場合、上側の面が用紙面Aとなる。また、用紙の用紙面Aと反対側の面を用紙面Bとする。
定着器2728を抜けた用紙2733は、フラッパ2729により下方向に導かれ(状態a4参照)、両面用反転ローラ2730で反転する(状態a5参照)。さらに、用紙2733は、両面トレイ搬送ローラ2731を通り(状態a6参照)、両面トレイ2732に搬送される(状態a7参照)。そして、用紙2733は、再度両面トレイ2732から給紙され(状態a8参照)、同様の流れで画像が形成される(状態a9、a10参照)。このとき、用紙2733は両面用反転ローラ2730で反転されているので、今度は用紙面Bに対して画像が形成される。
用紙面A、Bの両面に画像が形成された用紙2733は、フラッパ2729により一旦下方向に導かれ、シートの後端がフラッパ2729を抜けた後、スイッチバックして排出される(状態a11参照)。このような流れにより自動両面印刷が実現される。
(フェイスダウン排紙)
図33はフェイスダウン排紙を行う際の用紙の動きを示す図である。フェイスダウン排紙とは、用紙の一方の面にのみ画像を形成し、画像が形成された用紙面を下側にして排紙する排紙方法を意味する。フェイスダウン排紙を行うにあたって、まず、シートカセット2722、2723あるいは手差しトレイ2724から用紙2733を給紙する(状態b1参照)。図33では、シートカセット2722から給紙する場合が示されている。
用紙2733の用紙面Aに感光ドラム2705、2709、2713、2717に現像された各色のトナーを転写し(状態b2参照)、定着器2728でトナーを定着させて画像を形成する(状態b3参照)。用紙面Aに画像が形成された用紙2733は、フラッパ2729により一旦下方向に導かれ、シートの後端がフラッパ2729を抜けた後、スイッチバックして排出される(状態b4参照)。このような流れによりフェイスダウン排紙が実現される。
(フェイスアップ排紙)
図34はフェイスアップ排紙を行う際の用紙の動きを示す図である。フェイスアップ排紙とは、用紙の一方の面に画像を形成し、画像が形成された用紙面を上側にして排紙する印刷である。フェイスアップ排紙を実行するにあたって、まず、シートカセット2722、2723あるいは手差しトレイ2724から用紙2733を給紙する(状態c1参照)。図34では、手差しトレイ2724から給紙する場合が示されている。
まず、用紙2733の用紙面Aに感光ドラム2705、2709、2713、2717に現像された各色のトナーを転写し(状態c2参照)、定着器2728でトナーを定着させて画像を形成する(状態c3参照)。用紙面Aに画像が形成された用紙2733は、自動両面印刷やフェイスダウン排紙と異なり、フラッパ2729で一旦下方向に導かれず、真っ直ぐに排紙される(状態c4参照)。このような流れによりフェイスアップ排紙が実現される。このフェイスアップ排紙は、フラッパ2729で下方向に導かれず、真っ直ぐに排紙されるので、湾曲しにくい厚紙等の用紙に画像を形成する際に用いられる。
第2の実施形態のようなプリンタ部2202の構成では、シートカセット2722、2723からの給紙の場合、用紙が曲がってしまう。このため、手差しトレイ2724に所望の用紙を載置してフェイスアップ排紙を行うことが好ましく、フェイスアップ排紙は湾曲しにくい厚紙等の画像形成に適する。
また、湾曲しにくい厚紙等の用紙の両面に画像を形成したい場合、一旦特別排紙プリントで用紙面Aに画像を形成した後、再度排出された用紙の用紙面Aを下側にし、手差しトレイ2724に載置してフェイスアップ排紙を行う。これにより、用紙の両面に画像を形成することができる。このように、ユーザによる用紙の再載置によりフェイスアップ排紙を2度行うことで、用紙の両面に画像を形成する印刷を、ここでは手動両面印刷と呼ぶことにする。
(プリンタドライバ)
図35はコンピュータ端末2106で作成されたドキュメントを印刷する際に表示されるプリンタドライバ画面を示す図である。プリンタドライバ画面3301には、出力先として選択されるプリンタの項目3302が示される。この項目3302は、プルダウンメニュー形式となっており、別のプリンタを選択することが可能である。この例では、出力先のプリンタとして、複合機2101が選択されている。
また、ドキュメントの印刷範囲を設定する印刷範囲設定項目3303では、ドキュメントの全てのページを印刷するか、それとも特定のページを印刷するかが設定可能である。プリンタドライバ画面3301には、OKキー3304およびキャンセルキー3305が設けられており、OKキー3304が押下されると、印刷範囲設定項目3303で設定されたドキュメントのページがPDLデータに変換される。そして、変換されたPDLデータが後述するプリント時の詳細な設定とともに、複合機2101に接続されている外部コントローラ2104に対して送出される。一方、キャンセルキー3305が押下された場合、PDLデータへの変換、および外部コントローラ2104への送出がなされず、プリンタドライバ画面3301は閉じられる。
また、プリンタドライバ画面3301には、詳細設定キー3306が設けられており、この詳細設定キー3306が押下されると、プリント詳細設定画面3401が表示される。図36はプリント詳細設定画面3401を示す図である。このプリント詳細設定画面3401は複合機2101の場合の画面である。プリント詳細設定画面3401には、プリント時の用紙サイズ設定3402、用紙に対する画像向きを選択する印刷向き設定3403、用紙指定方法設定3404が設けられている。また、プリント詳細設定画面3401には、片面/両面プリント等を選択するプリント方法設定3405、両面時の綴じ方向を設定する綴じ方向設定3406、後述する手動両面印刷時に用いられるガイドプリント設定3407等が設けられている。
用紙指定方法設定3404では、複合機2101のカセット2722、2723、手差しトレイ2724の給紙部を指定する給紙部指定3408、および用紙種類で指定する用紙種類指定3409のいずれかが設定可能である。図36では、用紙種類指定3409が選択された画面が示されている。また、用紙の種類の選択項目3412には、複合機2101に設定可能な用紙の種類が表示される。綴じ方向設定3406には、二種類の綴じの何れかが設定される。一種類目の綴じは、用紙の長辺方向を軸にして用紙を回転させたときに表面および裏面の画像向きが一致するように綴じる長辺綴じである。また、他方の種類の綴じは短辺方向を軸にして用紙を回転させたときに表面および裏面の画像向きが一致するように短辺綴じである。
ユーザは、プリント詳細設定画面3401で所望の設定を行い、OKキー3410を押下した場合、プリント詳細設定画面3401が閉じられ、プリンタドライバ画面3301に戻るとともに、その設定がコンピュータ端末2106に保持される。一方、キャンセルキー3414を押下した場合、同様にプリンタドライバ画面3301に戻るが、プリント詳細設定画面3401の設定変更は、コンピュータ端末2106に反映されない。
このように、プリント詳細設定画面3401でプリント時の詳細な設定を行い、プリンタドライバ画面3301を操作することで、プリント時の詳細な設定とともに、複合機2101に接続されている外部コントローラ2104に対してPDLデータが送出される。
(プリント状況画面)
図37はプリント状況画面を示す図である。プリント状況画面3501は、操作部2203のLCD表示画面2401に設けられたシステム状況キー2405が押下された際に表示される画面である。プリント状況画面3501には、次の項目が表示される。
受付番号3503は、プリントのジョブ毎に複合機2101の内部コントローラ2204によって割り振られるジョブを特定するジョブ番号である。時刻3504は、プリントのジョブ毎に複合機2101の内部コントローラ2204によってジョブが受け付けられた時刻である。ジョブ種別/名称3505は、コピー、PDLプリント等のジョブ種別、およびPDLプリントのようにジョブの名称を有するもののジョブの名称である。状況3506は、複合機2101におけるジョブの処理状態である。
また、プリント状況画面3501には、指定したジョブをキャンセルする中止キー3509、および手動両面印刷の際、一方の面のみプリントした用紙の、他方の面のプリントを開始する裏面プリントキー3511が設けられている。裏面プリントキー3511の動作については後述する。閉じるキー3513は、プリント状況画面3501を閉じ、プリント状況画面3501の表示前の画面に戻すものである。
(文書管理部)
図38は文書を格納するための文書管理部の管理構造を示す図である。文書管理部は、フォルダ管理部3601、ジョブ管理部3602、バインダ管理部3603、ドキュメント管理部3604およびページ管理部3605からなる管理部と、各ページの画像情報とから構成される。
文書管理部は、1つまたは複数のフォルダ管理部で構成され、文書管理部には、フォルダ管理部の管理情報が格納されている。フォルダ管理部3601は、1つまたは複数のジョブ管理部で構成され、フォルダ管理部3601には、ジョブ管理部の設定情報が格納されている。ジョブ管理部3602は、1つまたは複数のバインダ管理部で構成され、ジョブ管理部3602には、バインダ管理部の設定情報が格納されている。バインダ管理部3603は、1つまたは複数のドキュメント管理部で構成され、バインダ管理部3603には、ドキュメント管理部の設定情報が格納されている。ドキュメント管理部3604は、1つまたは複数のページ管理部で構成され、ドキュメント管理部3604には、ページ管理部の設定情報が格納されている。各設定情報には、ジョブを処理するために必要な様々な属性値(パラメータ)等の情報が含まれている。
また、ページ管理部3605に関連付けられ、それぞれのページ画像情報も格納されている。このページ画像情報3606は、スキャナで読み込んだ1ページ分の画像データ、ホストコンピュータから送信されたPDLデータを展開した1ページ分の画像データ、ファクシミリ(FAX)で受信した1ページ分の画像データ等である。これらの画像データは、圧縮伸張部で圧縮された画像データであってもよいし、圧縮されていない生の画像データであってもよい。
(プリント動作)
次に、複合機2101を用いて実行する印刷処理を示す。図39および図40は印刷処理手順を示すフローチャートである。この印刷処理手順を実行するためのプログラムは、複合機2101内のHDD2305に格納されており、CPU2301によって実行される。コンピュータ端末2106のプリンタドライバ画面3301およびプリント詳細設定画面3401において、ユーザにより指示された所望の設定を受け付ける(ステップS101)。そして、プリンタドライバ画面3301上のOKキー3304の押下により印刷開始が指示されるまで待つ(ステップS102)。
印刷開始が指示されると、CPU2301は、ステップS101のユーザ所望の設定で両面印刷が設定されているか否かを判別する(ステップS103)。両面印刷が設定されている場合、CPU2301は、両面印刷ジョブで使用する用紙に反転不可能な特定のメディアが存在するか否かを全てのページに亘って調べる(ステップS104)。CPU2301、反転不可能な特定のメディアが存在する場合、その特定のメディアが2種類以上存在するか否かを判別する(ステップS105)。
そして、反転不可能な特定の用紙が2種類以上存在する場合、ユーザが全ての用紙を片面のみ印刷して排紙するか否かを選択するための画面を操作部2203に表示する(ステップS106)。図41はステップS106で操作部2203に表示される選択画面を示す図である。この選択画面では、反転不可能な用紙が含まれていることが表示される。また、両面印刷のうち片面のみ印刷を行うことを選択する場合に押下される「はい」キー3802、および片面のみの印刷を行わないことを選択する場合に押下される「いいえ」キー3803が表示される。
「はい」キー3802が選択されたか否か、つまり全ての用紙において片面印刷を行うか否かを判別する(ステップS107)。「はい」キー3802が選択された場合、反転可能なメディアも含め、全ての用紙において反転せずに片面のみを印刷して排紙部に出力する(ステップS108)。このステップS108で印刷される面を表面とした場合、フェイスダウン排紙ではジョブ中の偶数ページのみが印刷される。また、フェイスアップ排紙では奇数ページのみが印刷される。また、ステップS108において、対象となるジョブはジョブ状況画面3501(図37参照)に登録される。図37では、そのジョブのジョブ名が“ドキュメントB”と表示されている。また、このジョブの前に別のジョブが投入されているので、ジョブの状況3506には“両面印刷待ち”と表示される。また、ステップS108において、印刷の途中である場合、ジョブの状況3506には“表面印刷中(両面印刷)”と表示される。図42は“表面印刷中(両面印刷)”と表示されたジョブ状況画面を示す図である。
この後、印刷が完了したか否かを判別する(ステップS109)。印刷が完了するまでステップS109の処理を繰り返し、印刷が完了すると、操作部2203に対象ジョブの片面印刷が完了し、残りの片面の印刷待ちであることを表示する(ステップS110)。残りの面を裏面とし、フェイスダウン排紙で用紙の表面(第1面)が印刷処理された場合、用紙の裏面(第2面)は奇数ページとなる。また、フェイスアップ排紙で表面が印刷された場合、裏面は偶数ページとなる。ジョブの状況3506には“裏面印刷待ち(両面印刷)”と表示される。図43は“裏面印刷待ち(両面印刷)”と表示されたジョブ状況画面を示す図である。
ステップS110では、裏面印刷待ちの状態のとき、対象ジョブである“ドキュメントB”の後に投入された印刷ジョブを優先して開始させることも可能である。この場合、裏面印刷は、印刷中の印刷ジョブの印刷処理が完了した後に実行可能となる。また、裏面印刷待ちの状態のときには、それ以降に投入されたジョブは、裏面印刷が完了するまで印刷処理を開始させないようにすることも可能である。
CPU2301は、裏面印刷待ちのジョブが選択されたか否かを判別し(ステップS111)、裏面印刷待ちのジョブが選択された場合、ジョブ状況画面3501において、裏面プリントキー3511を有効にする。そして、CPU2301は、裏面プリントキー3511が選択されるまで待ち(ステップS112)、裏面プリントキー3511が選択されると、シートの裏面に対する印刷処理を開始する(ステップS113)。尚、ステップS112で、CPU2301は、印刷処理の開始を確認する画面を操作部2203に表示すようにしてもよい。図44はステップS112において印刷処理の開始を確認する画面を示す図である。この確認画面4101では、表面の印刷が完了した全てのメディアが正しくセットされているか否かを確認するメッセージが表示される。また、印刷処理を開始するOKキー4102、および印刷を中止するキャンセルキー4103が配置されている。
ステップS113では、両面印刷ジョブに含まれる全てのメディアに対してメディアを複合機2101内で反転せずに印刷処理を行う。また、ステップS113でCPU2301は、印刷処理の途中におけるジョブの状況3506として、“裏面印刷中(両面印刷)”と表示させる。図45は“裏面印刷中(両面印刷)”と表示されたジョブ状況画面を示す図である。この後、両面印刷ジョブに含まれる全てのページの印刷処理が完了するまで待ち(ステップS114)、全てのページの印刷処理が完了すると、本処理を終了する。
一方、ステップS107で「いいえ」キー3802が選択されたと判別された場合、反転不可能な特定のメディアについては複合機2101内でメディアを反転せずに、メディアの片面に対して順次印刷処理を実行して排紙部に出力する(ステップS117)。CPU2301は、ステップS1117にて印刷処理を実行したページの印刷処理が完了するまで待つ(ステップS118)。そして、CPU2301は、メディアの片面の印刷が完了すると、特定のメディア以外の反転可能なメディアについては、反転を行って両面の印刷を行う(ステップS119)。両面の印刷が完了するまで待ち(ステップS120)、両面の印刷が完了すると、本処理を終了する。尚、この場合、片面の印刷が行われたメディアと両面の印刷が行われたメディアとは別々の排紙トレイに排出されるが、同一の排紙トレイに排出してもよいことは勿論である。
一方、ステップS105において、特定のメディアが1種類しか存在しない場合、全て反転不可能なメディアであるので、ステップS108で全てのメディアに対して片面(表面)の印刷を行う。そして、前述したように、ユーザによるメディアの反転を行い、残りの片面(裏面)を全て印刷する(ステップS108〜S114参照)。なお、ユーザによるメディアの反転は、排紙トレイに排紙された片面が印刷処理済みのメディアを、ユーザが手動で手差しトレイ2724へ積載させることで実現される。
一方、ステップS104で反転不可能な特定のメディアが存在せず全てのメディアが反転可能である場合、CPU2301は、全てのメディアに対して複合機2101内での反転わせて、自動両面印刷を行う(ステップS121)。そして、両面印刷ジョブの全てのページについての印刷が完了するまで待ち(ステップS122)、全てのページの印刷処理が完了すると、本処理を終了する。
一方、ステップS103で両面印刷が設定されておらず片面印刷のみである場合、両面印刷ジョブの全てのメディア(全てのページ)を片面で印刷処理する(ステップS115)。そして、CPU2301は、両面印刷ジョブの全てのページの印刷処理が完了するまで待ち(ステップS116)、全てのページの印刷処理が完了すると、本処理を終了する。
このように、第2の実施形態の印刷装置では、複数のメディア(記録紙)を表裏反転し、連続して両面印刷を行う場合、両面搬送機能により複数のメディアの各々が複合機2101内で反転可能であるか否かを調べる。CPU2301は、両面印刷ジョブのいずれかのページに反転不可能なメディアが指定されている場合、反転可能なメディアを含め、複数のメディア全てに対して片面印刷処理を行う。そして、ユーザは第1面に印刷処理が実行されたメディアを手動で反転させて給紙部にセットし、メディアの第2面に対する印刷処理を行う。
これにより、両面印刷ジョブに反転排紙可能なサイズ又はタイプのメディアと反転排紙不可能なサイズ又はタイプのメディアが混在して指定されている場合でも、適切に両面印刷を行うことができる。また、両面印刷ジョブの一部を手動両面印刷にて処理し、他の一部を自動両面印刷にて処理する場合に必要となる作業を無くして、作業間違えによる印刷不良を低減することができる。また、1つの両面印刷ジョブによって印刷処理が行われる複数のメディアが別々の排紙部に排紙されてしまうことを防止できる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態の印刷装置および印刷システムの構成は第2の実施形態と同一であるので、その説明を省略する。第3の実施形態においては、第2の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図46および図47は第3の実施形態における印刷処理手順を示すフローチャートである。この印刷処理手順を実行するプログラムは、複合機2101内のHDD2305に格納されており、CPU2301によって実行される。まず、コンピュータ端末2106のプリンタドライバ画面3301およびプリント詳細設定画面3401において、ユーザにより指示された所望の設定を受け付ける(ステップS201)。そして、プリンタドライバ画面3301でOKキー3304の押下により印刷開始が指示されるまで待つ(ステップS202)。
印刷開始が指示されると、ステップS201で両面印刷が設定されているか否かを判別する(ステップS203)。両面印刷が設定されている場合、使用するメディア(記録媒体)に反転不可能な特定のメディアが存在するか否かを両面印刷ジョブの全てのページに亘って調べる(ステップS204)。反転不可能な特定のメディアが存在する場合、そのページが表面印刷であるか否かを判別する(ステップS205)。ここで、表面とは、両面印刷時に始めに印刷される面であり、フェイスダウン排紙では偶数ページ、フェイスアップ排紙では奇数ページとなる。
CPU2301は、表面印刷であると判別された場合、表面の印刷を開始する(ステップS206)。そして、表面の印刷が完了したか否かを判別する(ステップS207)。表面の印刷が完了していない場合、ステップS206の処理に戻る。一方、表面の印刷が完了した場合、該当ページのメディアが反転不可能なメディアであるか否かを判別する(ステップS208)。該当ページが反転可能なメディアである場合、表面印刷であったか否かを判別し(ステップS214)、表面印刷であった場合、該当メディアを反転する(ステップS214A)。そして、裏面の印刷を開始する(ステップS210)。そして、裏面の印刷が完了したか否かを判別し(ステップS211)、完了していない場合、ステップS210の処理に戻り、一方、裏面の印刷が完了した場合、排紙を行う(ステップS212)。
一方、ステップS208で該当ページが反転不可能なメディアである場合、表面印刷であったか否かを判別し(ステップS209)、表面印刷であった場合、ステップS212で該当ページをそのまま排紙する。CPU2301は、両面印刷ジョブの全ページについての印刷処理が完了したか否かを判別し(ステップS213)、全ページの印刷が完了していない場合、ステップS205の処理に戻る。一方、全ページの印刷が完了した場合、本処理を終了する。このとき、操作部2203のジョブ状況には、“裏面印刷待ち(両面印刷)”が表示される。
一方、ステップS205において、裏面印刷である場合、ステップS208で該当ページのメディアが反転不可能なメディアであるか否かを判別する。該当ページが反転可能なメディアである場合、既にメディアの両面に対する印刷処理が完了しているので、ステップS212でそのまま排紙を行う。一方、ステップS208において、該当ページが反転不可能なメディアである場合、ステップS210で裏面の印刷を開始する。ステップS211で裏面の印刷が完了したか否かを判別し、裏面の印刷が完了した場合、ステップS212で排紙を行う。
この後、CPU2301は、両面印刷ジョブの全ページの印刷処理が完了したか否かを判別し(ステップS213)、全ページの印刷処理が完了していない場合、ステップS205の処理に戻る。一方、全ページの印刷処理が完了した場合、本処理を終了する。
一方、ステップS204で反転不可能な特定のメディアが両面印刷ジョブのいずれにページに対しても指定されておらず、全てのメディアが反転可能である場合、全てのメディアに対して複合機2101内で反転を行い、両面の印刷を行う(ステップS221)。そして、両面印刷ジョブの全てのページについて印刷処理が完了したか否かを判別し(ステップS222)、全てのページについて印刷処理が完了すると、本処理を終了する。
一方、ステップS203で両面印刷が設定されておらず片面印刷のみである場合、CPU2301は、両面印刷ジョブの全てのメディアを片面で印刷する(ステップS215)。そして、CPU2301は、両面印刷ジョブの全てのページについて印刷処理が完了したか否かを判別し(ステップS216)、全てのページについて印刷処理が完了している場合、本処理を終了する。
このように、第3の実施形態の印刷装置では、反転不可能な特定のメディアと特定以外のメディアとが混在している場合、最初に全てのページを片面印刷するのではなく、反転可能なメディアに対しては両面印刷を行って排出する。そして、排出されたメディアを裏返して再び給紙する際、既に両面印刷が行われたメディアについては、印刷せずに紙搬送路を通して排出する。これにより、機種によっては印刷効率を高めることが可能となる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態における印刷装置および印刷システムの構成は、第2の実施形態と同一であるので、その説明を省略し、ここでは異なる設定および動作を示す。
(用紙種類設定)
プリンタ部2202のカセット2722、2723または手差しトレイ2724に載置された用紙の種類(タイプ)を設定する手順を示す。ここで、用紙の種類とは、用紙の材質、色などの特徴を表すものである。まず、カセット2722、2723にセットされている用紙の種類を登録する手順を示す。
用紙の種類の設定は、操作部2203の詳細設定キー2409(図26参照)を押下すると、詳細設定項目画面4301がLCD表示画面2401に表示される。図48は詳細設定項目画面4301を示す図である。詳細設定項目画面4301には、詳細設定項目キー4302および閉じるキー4303が設けられている。閉じるキー4303を押下すると、詳細項目設定画面4301が閉じられ、その表示前の画面に戻る。
また、詳細設定項目キー4302のうち、用紙種類登録キー4304を押下すると、用紙種類登録画面4401が表示される。図49は用紙種類登録画面4401を示す図である。用紙種類登録画面4401には、複合機2101のシートカセット2722、2723に対応する用紙キー4402、4403が表示される。また、閉じるキー4404が設けられており、この閉じるキー4404が押下された場合、詳細項目設定画面4301に戻る。
用紙キー4402、4403には、現在のシートカセット2722、2723にそれぞれセットされている用紙のサイズ4405、4406に設定されている用紙種類のアイコン4407、4408が表示される。アイコン4407は再生紙であることを表し、アイコン4408は色紙であることを表す。この用紙キー4402または用紙キー4403を押下した場合、用紙種類選択画面4501が表示される。図50は用紙種類選択画面4501を示す図である。用紙種類選択画面4501には、選択可能な用紙種類キー4502、OKキー4503およびキャンセルキー4504が設けられている。選択可能な用紙種類として、普通紙4505、色紙4506、再生紙4507、光沢紙4508、厚紙4509、超厚紙4510、OHPシート4511等が存在する。現在登録されている用紙種類の用紙種類キーが反転表示される。図50では、用紙種類キー4502として再生紙4507が反転表示されている。
ユーザは、用紙種類選択画面4501において、用紙4505〜4511のうち、所望の用紙の用紙種類キー4502を選択し、選択後、OKキー4503を押下すると、用紙種類選択画面4501が閉じられ、用紙種類登録画面4401に戻る。また、複合機2101では、設定された用紙種類が操作部2203を介して内部コントローラ2204のワークメモリ2302に保持される。ユーザがキャンセルキー4504を押下した場合、用紙種類は変更されずに、用紙種類選択画面4501が閉じられ、用紙種類登録画面4401に戻る。このような手順により、シートカセット2722、2723にセットされた用紙種類を設定することができる。
手差しトレイ2724にセットされる用紙の種類を登録する手順を示す。手差しトレイ2724にセットされる用紙の種類の登録は、手差しトレイ2724に用紙を載置する度に行われる。この頻繁な登録は、手差しトレイ2724への用紙の載置の場合、カセット2722、2723に比べ、カセットの開閉を必要としないので、簡単に行われるからである。
ユーザが手差しトレイ2724に用紙を載置すると、操作部2203のLCD表示画面2401には、手差し用紙サイズ設定画面4601が表示される。図51は手差し用紙サイズ設定画面4601を示す図である。手差し用紙サイズ設定画面4601には、手差し用紙サイズキー4602が設けられており、ユーザは、この手差し用紙サイズキー4602を押下し、該当する用紙サイズを選択する。選択後、「次へ」キー4603を押下すると、手差し用紙サイズが決定され、手差し用紙種類選択画面4701が表示される。図52は手差し用紙種類選択画面4701を示す図である。手差し用紙種類選択画面4701には、選択可能な手差し用紙種類キー4702およびOKキー4703が設けられている。選択可能な用紙種類として、普通紙4704、色紙4705、再生紙4706、光沢紙4707、厚紙4708、超厚紙4709、OHPシート4710などがある。
ユーザは、手差し用紙種類選択画面4701で、手差し用紙4704〜4710のうち、所望の手差し用紙の手差し用紙種類キー4702を選択し、選択後、OKキー4703を押下する。これにより、手差し用紙種類選択画面4701が閉じられ、複合機2101では、設定された手差し用紙サイズおよび手差し用紙種類が内部コントローラ2204のワークメモリ2302に保持される。手差し用紙種類選択画面4701が閉じられると、用紙選択画面4801が表示される。
図53は用紙選択画面4801を示す図である。用紙選択画面4801には、複合機2101のカセット2722、2723、手差しトレイ2724にそれぞれセットされている用紙の用紙サイズおよび用紙種類の表示項目4802が設けられている。また、この用紙選択画面4801では、複合機2101のコピー機能における給紙段の選択が行われるので、用紙選択画面4801には、給紙段自動選択キー4803が表示されている。また、閉じるキー4804を押下すると、用紙選択画面4801が閉じられ、コピー設定画面(図26参照)に戻る。尚、手差し用紙サイズ設定画面4601または手差し用紙種類選択画面4701の表示中、手差しトレイ2724から用紙が取り除かれた場合、手差しトレイ2724の用紙の設定はキャンセルされ、コピー設定画面に戻る。このような手順により、手差しトレイ2724にセットされた用紙種類を設定することができる。
(プリンタドライバ)
また、プリンタドライバの設定画面は、前記第2の実施形態の図35、図36に示す画面と同一であるので、その説明を省略する。
(プリント状況画面)
図54はプリント状況画面を示す図である。プリント状況画面5101は、操作部2203のLCD表示画面2401に設けられたシステム状況キー2405が押下された際、表示される画面である。プリント状況画面5101には次の項目が表示される。受付番号5102は、プリントのジョブ毎に複合機2101の内部コントローラ2204によって割り振られるジョブを特定するジョブ番号である。ジョブ種別/名称5103は、コピー、PDLプリント等のジョブ種別と、PDLプリントのようにジョブの名称を有するもののジョブの名称である。状態5104は、複合機2101におけるジョブの処理状態である。
また、プリント状況画面5101には、指定されたジョブをキャンセルするキャンセルキー5105、および手動両面印刷の際、一方の面のみ印刷した用紙の、残りの面のプリントを開始する裏面プリントキー5106が設けられている。裏面プリントキー5106の動作については後述する。閉じるキー5107は、プリント状況画面5101を閉じ、その表示前の画面に戻すものである。
(PDLプリント)
複合機2101の印刷動作を示す。図55は印刷動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、複合機2101内のHDD2305に格納されており、CPU2301によって実行される。まず、コンピュータ端末2106のプリンタドライバ画面3301およびプリント詳細設定画面3401において、ユーザにより指示された所望の設定を受け付けるとともに、ドキュメント(プリントジョブ)のプリント実行を受け付ける(ステップS301)。
CPU2301は、外部コントローラ2104から展開されたイメージとともにプリント設定を受信した際、プリント詳細設定画面3401のプリント方法設定3405において、片面/両面のどちらの設定がなされたプリントジョブであるかを判別する(ステップS302)。片面ジョブであった場合、CPU2301は、プリント詳細設定画面3401でなされた設定に従って、印刷処理を実行する(ステップS303)。この後、本処理を終了する。
一方、ステップS302で両面プリントジョブと判別された場合、CPU2301は、プリントに用いられる用紙種類は、自動両面印刷が可能なタイプであるか、それとも手動両面印刷でないと用紙の両面に画像を形成できない種類かを判別する(ステップS304)。
尚、このプリントに用いられる用紙種類の決定は、プリンタドライバにおけるプリント詳細設定画面3401の用紙方法設定3404によって次のように決定される。プリントジョブにおいて用紙を給紙するべき給紙部が指定されている場合、用紙の種類は、該当する給紙部であるシートカセット2722、2723あるいは手差しトレイ2724にセットされている用紙のうち、操作部2203から用紙種類の設定がなされたものとなる。一方、プリントジョブにおいて用いるべき用紙種類が指定されている場合、用紙の種類は、用紙の種類の選択項目3412(図36参照)に含まれる、ユーザによって選択された用紙の種類となる。なお、プリントジョブにおいて用紙を給紙するべき給紙部が指定されている場合とは、図36で3408が指定されている場合を意味する。また、プリントジョブにおいて用いるべき用紙種類が指定されている場合とは、図36で3409が指定されている場合を意味する。
ステップS304でプリントに用いられる用紙種類が自動両面印刷が可能な種類であると判別された場合、CPU2301は、自動両面印刷を行う(ステップS305)。この後、本処理を終了する。自動両面印刷の場合、ステップS305において、プリント状況画面5101の状態欄には、「両面プリント中」が表示される。図56は「両面プリント中」が表示されたプリント状況画面を示す図である。
一方、ステップS304でプリントに用いられる用紙種類が、手動両面印刷でないと用紙の両面に画像を形成できない種類である場合、CPU2301は、プリント詳細設定画面3401のガイドプリント設定3407がなされているか否かを判別する(ステップS306)。ガイドプリント設定がなされていると判別された場合、用紙サイズ設定3402に適した、両面印刷ジョブのプリントに用いられる用紙サイズとその向き、印刷向き設定および綴じ方向設定の組み合わせを基に、ガイド画像の向きを決定する。図57は用紙サイズとその向き、印刷向き設定および綴じ方向設定の組み合わせを基に決定されるガイド画像の向きを示すテーブルである。ここでは、各種設定の組み合わせに応じて、ガイド画像の向きが標準向きあるいは180°回転向きとなることが示されている。図58は用紙サイズとその向きおよび画像形成基準を示す図である。図59はガイド画像を示す図である。ガイド画像には、プリント状況画面5101にも表示されるジョブを特定する受付番号(ここでは、「0001」)や、手動両面印刷の用紙面Bへのプリントに際し、手差しトレイ2724に載置する向きの情報が含まれる。そして、CPU2301は、ガイド画像の向きが標準であるか、それとも180°回転であるかを判別する(ステップS307)。
ステップS307で判別された向きのガイド画像を内部コントローラ2204で生成し、画像メモリ2304に展開する。つまり、ガイド画像の向きが標準である場合、ガイド画像を標準の向きで生成する(ステップS308)。一方、ガイド画像の向きが180°回転である場合、ガイド画像を180°回転の向きで生成する(ステップS309)。ステップS308、S309では、さらに、フェイスダウン排紙が可能な用紙種類の用紙がセットされているシートカセット2722、2723あるいは手差しトレイ2724のいずれかの給紙部の用紙に、生成されたガイド画像をプリントしてフェイスダウン排紙を行う。
一方、ステップS306でガイドプリント設定がなされていないと判別された場合、あるいはステップS308、S309でガイド画像がプリントされたシートのフェイスダウン排紙が行われた後に次の処理を行う。外部コントローラ2104で展開され、内部コントローラ2204のHDD2305に格納されたドキュメントのイメージの奇数ページ(2n+1、n=0,1,2,…)を、ステップS304で決定された用紙に、プリントしてフェイスアップ排紙を行う(ステップS310)。このとき、プリント状況画面5101の状態欄には、用紙面Aへのプリント中である旨を表す“表面プリント中”が表示される。図60は“表面プリント中”と表示されたプリント状況画面を示す図である。
このフェイスアップ排紙で用紙面Aへのプリントが完了すると、プリント状況画面5101の状態欄には、フェイスアップ排紙で用紙面Aへのプリントを完了し、用紙面Bへのプリント待ちである旨を表す“裏面プリント待ち”が表示される。図61は“裏面プリント待ち”と表示されたプリント状況画面を示す図である。
CPU2301は、該当するジョブを選択し、裏面プリントキー5106が押下されたか否かを判別する(ステップS311)。裏面プリントキー5106が押下された場合、用紙面Bへのプリント行うために、用紙面Aにのみプリントされた用紙を手差しトレイ2724に載置するよう促す裏面プリント開始画面5701が表示される。図62は、操作部2203に表示される裏面プリント開始画面5701を示す図である。この裏面プリント開始画面5701には、表面プリント済みの用紙を手差しトレイ2724に置く際の載置方向が示されている。裏面プリント開始画面5701において、閉じるキー5702が押下された場合、図61のプリント状況画面に戻る。一方、プリント開始キー5703が押下された場合、フェイスアップ排紙で用紙面Bに対し、ドキュメントのイメージを2ページ目から順に偶数ページ(2n、n=1,2,3,…)で印刷する(ステップS312)。この後、本処理を終了する。
ここで、ガイドプリントが行われていた場合、用紙面Bへの画像形成後のページ順が揃うように、ガイドプリントが行われた用紙には画像を形成せずに排紙する。また、このとき、プリント状況画面5101の状態欄には、フェイスアップ排紙で用紙面Bへのプリント中である旨を表す“裏面プリント中”が表示される。図63は“裏面プリント中”と表示されたプリント状況画面を示す図である。
図64は手動両面印刷を行う際のガイドプリントと綴じ方向の整合性を示す図である。同図(A)には、用紙サイズがA4、印刷向きが縦、綴じ方向が長辺とじである場合のガイド画像がプリントされた用紙の積載状態が示されている。また、同図(B)には、用紙サイズがA4R、印刷向きが縦、綴じ方向が長辺とじである場合のガイド画像がプリントされた用紙の積載状態が示されている。尚、ガイド画像を用紙にプリントすることなく、裏面プリント開始画面5701で、用紙面Aにのみ印刷された用紙を手差しトレイ2724に載置する際、用紙を返す向きを示すことも可能である。図65は裏面プリント開始画面における用紙を返す向きを示す図である。この裏面プリント開始画面では、表面プリント済みの用紙を反転させる際の中心軸が示されている。
このように、第4の実施形態の印刷装置によれば、ユーザはプリントに用いられる用紙が自動両面印刷を実行可能な用紙であるか否かを意識せずに両面プリントを行うことができる。また、自動両面印刷を実行できない用紙で両面プリントを行う際、一方の面への画像形成後、再度、給紙トレイに用紙を載置する際の向きを容易に認識でき、面付け方向を間違えずに所望の両面プリントを得ることができる。さらに、複数の両面印刷ジョブに基づいて手動両面印刷が入力された場合でも、ガイドプリントで裏面プリントを行う印刷ジョブを特定し、その印刷処理の開始を指示できる。これにより、1つのシートに対して各々異なる両面印刷ジョブの画像が同時にプリントされることを容易に防止できる。また、ページ順、綴じ方向の整合がなされた両面プリントを行うことができる。
[第5の実施形態]
第5の実施形態における印刷装置および印刷システムの構成は、第4の実施形態と同一であるので、その説明を省略し、ここでは異なる動作を示す。図66は第5の実施形態における印刷処理手順を示すフローチャートである。この印刷処理手順を実行するためのプログラムは、複合機2101内のHDD2305に格納されており、CPU2301によって実行される。第4の実施形態の図55と同一のステップ処理については、同一のステップ番号を付すことにより、その説明を省略する。
ステップS306でプリント詳細設定画面3401のガイドプリント設定3407がなされている場合、ガイド画像の向きを固定にしてガイドプリントを行う(ステップS307A)。
また、ステップS311で裏面プリントキー5106が押下され、裏面プリントの開始が指示されると、CPU2301は用紙面Bの画像向きを判別する(ステップS312A)。ステップS312AでCPU2301は、用紙面Bへのドキュメントの偶数ページ(2n、n=1,2,3,…)のイメージをフェイスアップ排紙で印刷する際、図67に示すテーブルを用いて画像向きの判別が行われる。図67は用紙面Bへの画像形成向きを示すテーブルである。プリンタ詳細設定画面3401の用紙サイズ設定3402に適したドキュメントのプリントに用いられる、用紙サイズとその向き、印刷向き設定および綴じ方向設定の組み合わせを基に、画像を形成する向きを判別する。画像を形成する向きは、用紙面Aに画像を形成した向きと同じ向き、あるいは180°回転させた向きの二種類がある。
ステップS312Aの判別結果を基に、内部コントローラ2204は、イメージを回転させて画像メモリ2304に展開することで画像を生成する。つまり、イメージを180°回転させる場合、用紙面Bへ印刷させるべき偶数ページのイメージを180°回転させた上で画像メモリ2304に展開する(ステップS312B)。一方、同じ向きである場合、偶数ページのイメージを回転させることなく、そのままの向きで生成する(ステップS312C)。
このように、第5の実施形態の印刷装置によれば、用紙面Bに形成される画像の向きを適切に変更することで、第4の実施形態と同様、ページ順、綴じ方向の整合がなされた両面プリントを行うことができる。
[第6の実施形態]
第6の実施形態における印刷装置および印刷システムの構成は、前記第4の実施形態と同一であるので、その説明を省略し、ここでは異なる動作を示す。第6の実施形態では、コピー機能を用いて両面プリントを行う場合を示す。図68は第6の実施形態における印刷処理手順を示すフローチャートである。この印刷処理手順を実行するためのプログラムは、複合機2101内のHDD2305に格納されており、CPU2301によって実行される。第4の実施形態の図55と同一のステップ処理については、同一のステップ番号を付すことにより、その説明を省略する。
まず、ユーザによってコピー開始が指示されると、複合機2101はスキャナ部2201に載置された原稿を読み取り、内部コントローラ2204のHDD2305に画像データを保存する(ステップS301A)。CPU2301は、操作部2203を介してユーザにより予め設定された両面設定を基に、片面プリントであるか両面プリントであるかを判別する(ステップS302A)。
両面設定の画面は、操作部2203のLCD表示画面2401の両面キー2412が押下された際に遷移する。図69は両面設定画面を示す図である。両面設定画面6401では、3つのキー操作により3種類の両面印刷方式が設定可能である。片面・両面キー6402は、原稿の片面のみをスキャンし、用紙の両面に画像を形成するものである。両面・両面キー6403は、原稿の両面をスキャンし、用紙の両面に画像を形成するものである。両面・片面キー6404は、原稿の両面をスキャンし、用紙の片面に画像を形成するものである。
ユーザは、両面設定キーであるこれらのキー6402〜6404のいずれかを選択し、OKキー6407を押下すると、選択された両面設定が内部コントローラ2204のワークメモリ2302に保持され、コピー画面2402(図26参照)に戻る。
また、両面設定画面6401には、手動両面印刷時のガイド画像をプリントするか否かを設定するガイドプリントキー6408が設けられており、押下する度にON/OFFの選択が切り替わる。設定取り消しキー6406は、原稿の片面のみスキャンし、用紙の片面に画像を形成するためのコピーを行う際、両面設定を取り消し、コピー画面2402に戻るためのボタンである。詳細設定キー6405は、原稿のスキャン、用紙への画像形成時に画像向きを設定する詳細設定画面に移行するボタンである。
図70は詳細設定画面を示す図である。詳細設定画面6501には、左右開きの原稿またはプリントを行うかを設定する左右開きキー6502、および上下開きの原稿またはプリントを行うかを設定する上下開きキー6503が設けられている。ユーザがいずれかのキーを選択し、閉じるキー6504を押下することで、その設定が内部コントローラ2204のワークメモリ2302に保持される。そして、両面設定画面6401に戻る。
ステップS302Aで両面設定がなされていない、あるいは両面・片面キー6404の設定がなされている場合、片面プリントを行う(ステップS303)。一方、ステップS302Aで、片面・両面キー6402、両面・両面キー6403の両面設定がなされている場合、以下の判別を実行する。すなわち、プリントに用いられる用紙種類が自動両面印刷が可能な種類であるか、あるいは手動両面印刷でないと用紙の両面への画像を形成できないかを判別する(ステップS304)。ここで、コピーにおける用紙種類の設定は、用紙選択画面4801(図53参照)で行われる。
ステップS304でプリントに用いられる用紙種類が自動両面印刷が可能な用紙である場合、ステップS305で自動両面印刷が行われる。一方、ステップS304でプリントに用いられる用紙種類が手動両面印刷でないと用紙の両面への画像を形成できない場合、ステップS306で両面設定画面6401のガイドプリント設定6408が設定されているか否かを判別する。
一方、ステップS306でガイドプリント設定がなされている場合、以下の情報の組み合わせを元に、図71に示すテーブルを用いてガイド画像の向きを決定する。用いられる情報は、プリントに用いられる用紙サイズとその向き、原稿の向き、両面設定画面6401および詳細設定画面6501の両面設定である。図71はガイド画像の向きを示すテーブルである。
CPU2301は、ガイド画像の向きが標準であるか、それとも180°回転であるかを判別する(ステップS307)。そして、ステップS307で判別された向きのガイド画像を内部コントローラ2204で生成し、画像メモリ2304に展開する。つまり、ガイド画像の向きが標準である場合、ガイド画像を標準の向きで生成する(ステップS308)。一方、ガイド画像の向きが180°回転である場合、ガイド画像を180°回転の向きで生成する(ステップS309)。ステップS308、S309では、フェイスダウン排紙が可能な種類の用紙がセットされている、シートカセット2722、2723および手差しトレイ2724のいずれかの給紙部の用紙に印刷処理を行ってフェイスダウン排紙を行う。
一方、ステップS306でガイドプリント設定がなされていない場合、あるいはステップS308、S309でガイド画像がプリントされた用紙がフェイスダウン排紙された後、以下の処理をする。すなわち、ステップS310〜S312で第4の実施形態と同様のプリント処理を行うことにより、手動両面プリントを行わせる。
このように、第6の実施形態の印刷装置によれば、コピー機能を用いる場合も、前記第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
尚、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。例えば、上記実施形態では、両面搬送機構(例えば、第1の実施形態における両面記録用の搬送経路336、333、338、332)を有するデジタル複合機に適用された場合を示したが、このような両面搬送経路を持たない画像形成装置に適用してもよい。
また、本発明の目的は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給しても達成される。すなわち、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)に記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出させてて実行させることによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体は特に限定しない。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。他にも、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードを、ネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されることのみに限定するわけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。プログラムコードが、書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、又はインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
上記実施の形態では、複合装置の印刷方式を電子写真方式とした場合を例に挙げたが、本発明は、電子写真方式に限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式、感熱方式、静電方式、放電破壊方式など各種印刷方式に適用することができる。
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。