JP2006198663A - ディスクの鍛造金型装置および鍛造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 鋳造ディスク素材を鍛造する際に、周縁においてスポーク部に対応する箇所が変形(突出,反り)するのを回避ないしは抑制する。
【解決手段】 鋳造ディスク素材を第1型にセットし、第2型を上記第1型に向かって移動させて上記ディスク素材を加圧し、スポーク部の減肉を伴うようにディスク素材を鍛造する。第2型40におけるスポーク部成形面に、スポーク部と交差する方向に延びる細長い突条41xを形成する。この突条41xにより、鍛造時にスポーク部の肉が径方向に塑性流動するのを抑制する。
【選択図】 図2
【解決手段】 鋳造ディスク素材を第1型にセットし、第2型を上記第1型に向かって移動させて上記ディスク素材を加圧し、スポーク部の減肉を伴うようにディスク素材を鍛造する。第2型40におけるスポーク部成形面に、スポーク部と交差する方向に延びる細長い突条41xを形成する。この突条41xにより、鍛造時にスポーク部の肉が径方向に塑性流動するのを抑制する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両用ホイール等のディスク素材を鋳造した後に鍛造してディスクを得る金型装置および方法に関する。
特許文献1には、アルミ合金製(軽合金製)の車両用ホイールのディスクを製造する方法が開示されている。この方法では、まず、複数のスポーク部と、スポーク部間に配置された窓とを有するディスク素材を鋳造する。
次に、上記鋳造ディスク素材を鍛造する。この鍛造は、ディスク素材を下型にセットし、上型を下型に向かって移動させて上記ディスク素材を加圧することにより、行なわれる。
特許3435906号公報
上記特許文献1の方法では、鍛造時にスポーク部の肉の一部が径方向(スポーク部の延び方向)に外に向かって塑性流動する。そのため、鍛造されたディスクの周縁が真円にならず、スポーク部に対応する位置が突出する不都合が生じる。
上記のような不都合を防止するためには、横型を用いる等してスポーク部の肉が径方向に塑性流動するのを抑え込むことが考えられるが、この場合、金型装置が複雑かつ高価になってしまう。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、周方向に間隔をおいて配置されるとともに径方向に延びる複数のスポーク部と、これらスポーク部間に配置された複数の窓とを有する軽合金製の鋳造ディスク素材を鍛造する金型装置において、上記鋳造ディスク素材を挟んで加圧することにより鍛造する第1,第2の一対の型を備え、上記第1,第2型の少なくとも一方のスポーク部成形面に、上記スポーク部の延び方向と交差する方向に延びる細長い突条を形成したことを特徴とする。
上記装置によれば、突条により、鍛造時に上記スポーク部の肉が径方向に塑性流動するのを抑制するので、鍛造されたディスクの周縁において上記スポーク部に対応する箇所に突出等の変形が生じるのを回避ないしは抑制できる。
好ましくは、上記ディスクが車両用ホイールのディスクであって、上記突条が上記第2型にのみ形成され、上記第2型が、上記ディスクの車両側の面を成形する。これによれば、第2型の突起により成形された溝がスポーク部の車両側の面すなわち裏側の面にあるので、外観を損ねることがなく、この溝を消すための処理も不要である。
好ましくは、上記第1型には、円環状の係止段差が形成されており、上記鍛造の際に、上記デイスク素材の周縁がこの係止段差に係止される。これによれば、ディスク周縁の真円を確実に維持できる。しかも上記突起によりスポーク部の肉の径方向への塑性流動が抑制されるので、上記のような簡単な形状の係止段差で係止してもディスクの周縁部に反り等が生じるのを回避ないしは抑制できる。
好ましくは、上記第1型は、スポーク部成形面として凹面を有するとともに、この凹面の両側縁に連なる平坦面とを有し、上記第2型の成形面は各スポーク部に対応して凸面とこの凸面の両側縁に連なる平坦面とを有し、上記第2型の平坦面は、上記凸面の両側縁に隣接する第1領域と、この第1領域に連なる第2領域とを有し、上記第2型の凸面および上記平坦面の第1領域は、上記スポーク部成形面として提供されて、上記第1型のスポーク部成形面である凹面と対峙し、上記第1型の平坦面と上記第2型の平坦面の第2領域との間には、上記スポーク部の余肉を逃がすための狭いギャップが形成され、上記突条は、上記第2型のスポーク部成形面において上記凸面にのみ形成されている。
これによれば、スポーク部において、荷重を担うサイドリブに溝が形成されないので、スポーク部の強度低下を招くことはない。
これによれば、スポーク部において、荷重を担うサイドリブに溝が形成されないので、スポーク部の強度低下を招くことはない。
好ましくは、上記突条が上記スポーク部の延び方向に間隔をおいて複数形成されている。これによれば、スポーク部の余肉の径方向への塑性流動をより一層確実に抑制することができる。
好ましくは、上記突条が上記ディスク素材の延び方向と直交する方向に延びている。これによれば、効率良くスポーク部の肉の径方向への塑性流動を抑制することができる。
好ましくは、上記突条の高さが0.5mm〜8mmである。これによれば、スポーク部の強度低下を招かずにスポーク部の肉の径方向への塑性流動を確実に抑制できる。
好ましくは、上記鍛造において上記スポーク部の少なくとも一部の領域で減肉が生じ、上記突条が上記スポーク部の減肉が生じる領域を通るように形成されている。これによれば、効率良くスポーク部の肉の径方向への塑性流動を抑制することができる。
また、本発明は、周方向に間隔をおいて配置されるとともに径方向に延びる複数のスポーク部と、これらスポーク部間に配置された複数の窓とを有する軽合金製のディスク素材を鋳造し、上記鋳造ディスク素材を第1,第2の一対の型で挟んで加圧し、上記スポーク部の減肉を伴うように鍛造することにより、ディスクを得る方法において、上記第1,第2型の少なくとも一方におけるスポーク部成形面に、上記スポーク部と交差する方向に延びる細長い突条を形成し、この突条により、上記鍛造時に上記スポーク部の余肉が径方向に塑性流動するのを抑制することを特徴とする。
この方法によれば、突条の案内作用により、上記鍛造時に上記スポーク部の余肉が径方向に塑性流動するのを抑制するので、鍛造されたディスクの周縁において上記スポーク部に対応する箇所が突出するのを効率良く回避ないしは抑制できる。
この方法によれば、突条の案内作用により、上記鍛造時に上記スポーク部の余肉が径方向に塑性流動するのを抑制するので、鍛造されたディスクの周縁において上記スポーク部に対応する箇所が突出するのを効率良く回避ないしは抑制できる。
以上説明したように本発明の鍛造金型装置および鍛造方法によれば、鍛造されたディスクの周縁においてスポーク部に対応する箇所に突出等の変形が生じるのを回避ないしは抑制できる。
以下、本発明の第1実施形態をなすアルミ合金製(軽合金製)の車両用ホイールの製造方法について図1〜図8を参照しながら説明する。製造方法の説明に先立って、完成品であるアルミ合金製の車両用ホイール1について図1を参照しながら説明する。車両用ホイール1は、ディスク10と、このディスク10の周縁に一体に形成されたリム20とを有している。
上記ディスク10は、中央取付部11と、この中央取付部11から径方向,外方向に延びる複数本(本実施形態では5本)のスポーク部12とを有している。これらスポーク部12は周方向に等間隔をなして配置されており、スポーク部12間には窓13が形成されている。
上記中央取付部11の中心部にはハブ穴11aが形成され、その周囲にはハブボルト挿通用の穴11bが形成されている。
上記スポーク部12の表側の面(ホイール1が車両に装着された時に車両の反対側に位置して露出する面)は、その横断面形状の輪郭がU字形をなして凸曲面となっている。
上記スポーク部12の裏側の面(ホイール1が車両に装着された時に車両側に位置する面)には、スポーク部12の長手方向(ディスク10の径方向)に長い凹部12aが形成されている。凹部12aの両側縁に隣接する部位が、スポーク部12の長手方向に延びるサイドリブ12bとなっている。凹部12aの中央には、サイドリブ12bより低いセンターリブ12cが、スポーク部12の長手方向に延びて形成されている。
上記サイドリブ12bとセンターリブ12cは平坦面を有している。凹部12aにおいてセンターリブ12cに隣接した部位が他の部位に比べて薄肉となっている。この薄肉部位を符号12dで示す。
スポーク部12の裏側の面には、長手方向と直交する方向(スポーク部12の幅方向,ディスク10の周方向)に延びる複数(本実施形態では5本)の溝12xが、長手方向にほぼ等間隔をなし互いに平行をなして形成されている。本実施形態では、これら溝12xは、上記凹部12aの底面において上記薄肉部位12dを通るようにして形成されている。
上記溝12xの深さは、0.5〜8mmとするのが好ましい。0.5mmより浅いと後述する径方向への余肉流動抑制効果が発揮されず、8mmより深いと上記効果が殆ど増大せずに強度の低下が生じるからである。薄肉部位12dの厚さが3〜10mmの場合には、溝12xの深さを0.5〜2mmとするのが好ましい。
図7に最も良く示すように、溝12xは、その両端に向かって徐々に深さが減少し、両端(本実施形態では凹部12aの両側縁)でゼロとなっている。これは応力集中を回避するためである。
上記溝12xの幅は、0.5mm〜15mmである。この範囲を外れると、後述する径方向への余肉流動抑制効果が発揮されない。
上記溝12xの横断面形状は、湾曲した形状例えば曲率半径が0.5〜10mmの円弧に近い形状をなしており、溝12xと凹部12aの底面との境も湾曲面となっている。これにより、応力の集中を回避している。
上記溝12xは、薄肉部位12dを通れば1本でもよいが、本実施形態のように薄肉部位12dがスポーク部12の長手方向に延びている場合には、複数本形成するのが好ましい。溝12xを複数本形成する場合には、溝12x間の間隔を3mm以上にするのが好ましい。
上記リム20は両側縁に位置する一対のフランジ21a,21bと、このフランジ21a,21b間に隣接するビードシート22a,22bと、ビードシート22a,22b間に位置するリムドロップ23とを有して薄肉に形成されている。
上記車両用ホイール1の製造工程について説明する。まず、図3,図5に示す形状の車両用ホイール素材1’を鋳造する。このホイール素材1’は、ディスク素材10’とリム20とを一体に有している。
鋳造直後には、ディスク素材10’の中央には湯口に対応する湯口成形部が残っているが、鋳造後にホイール素材2のバリ取りを行なう際に、ディスク素材10’の中央をくり抜いて湯口成形部を除去している。なお、湯口成形部を残したまま後述の鍛造を行ってもよい。
上記ディスク素材10’は、上記最終製品のホイール1のディスク10に近い形状をしており、対応する構成部には同番号を付してその詳細な説明を省略する。特に、ディスク素材10’の全領域にわたる表側の面形状と、中央取付部11の形状は、最終製品のディスク10と殆ど同じである。
図5に最も良く示すように、ディスク素材10’のスポーク部12は、最終製品のディスク10のスポーク部12と基本的に似た形状であるが厚肉になっている。これは、鋳造時に十分な量の溶湯を通すために流通断面積を大きくする必要があるからである。
詳述すると、センターリブ12cの高さ(符号H1で示す)は、最終製品のセンターリブ12cとほぼ同じであるが、サイドリブ12bの高さ(符号H2で示す)は、最終製品のサイドリブ12bより高い。また、凹部12aにおいて、センターリブ12cに隣接する部位12dの厚み(符号Thで示す)は、最終製品の薄肉部位12dより厚い。
次に、鋳造された上記ホイール素材1’におけるディスク素材10’の鍛造について詳述する。この鍛造には、図2〜図4に示す金型装置が用いられる。この金型装置は、下型30(第1型)と上型40(第2型)とを備えている。
上記下型30の上面は、成形面31と、この成形面31の周縁に形成された円環状の係止段差32を有している。
上記成形面31は、ディスク素材10’の表側の面形状と略等しい。成形面31は、スポーク部12の表側の湾曲面形状に対応して複数の凹面31a(下型のスポーク部成形面)を有している。スポーク部12間の窓13に対応する部位は、平坦面31bとなっている。平坦面31bは凹面31aの幅方向の両側縁に連なっている。
上記上型40の下面は成形面41を有している。この成形面41の中央部は、上記ディスク素材10’の中央取付部11の裏側の面形状とほぼ等しい。さらに、成形面41はスポーク部12に対応した複数の凸面41aと、この凸面41aの幅方向両側縁に連なる平坦面41bを有している。この凸面41aは2山形状をなし、その幅方向中央が平坦面41cをなしている。
上記平坦面41bは、凸面41aの両側縁に隣接する第1領域41b’と、この第1領域41b’に連なる第2領域41b”を有している。
上型40の凸面41aと平坦面41bの第1領域41b’は、上型40のスポーク部成形面を提供し、上型40が下死点にある時、下型30の凹面31aと対峙する。また、上型40が下死点にある時、上型40の平坦面41bの第2領域41b”は、ギャップ50を介して下型30の平坦面31bと対峙する。本実施形態では、ギャップ50は約1mmである。
上記上型40の成形面41の凸面41aには、スポーク部12の長手方向と直交する方向に延びる複数(本実施例では5本)の突条41xが互いに平行をなして形成されている。これら突条41xは、ディスク10の溝12xを成形するものであり、上記溝12xに関する形状,寸法に関する記述は全て突条41xに適用されるので、説明を省略する。なお、突条41xの高さは溝12xの深さに対応する。
鍛造に際して、まず図3に示すように、ディスク素材10’を下型30の成形面31にセットする。この際、上記ディスク素材10’の周縁が係止段差32で係止される。
次に、上型40を降下させてディスク素材10’を加圧する。この際、スポーク部12は、上型40の凸面41aおよび平坦面41bの第1領域41b’と下型30の凹面31aとの間の成形空間で加圧されて減肉される。これにより、ディスク素材10’のスポーク部12は、図6に示すように成形される。減肉の量を理解するために、鍛造前のスポーク部12の形状を想像線で示す。
上記上型40の凸面41aは、スポーク部12の凹部12aを成形する。上型40の平坦面41bの第1領域41b’は、平坦面を有するサイドリブ12bを成形する。
センターリブ12cの隣接部位12dは、最も大きく減肉されて薄肉部位となる。この部位12dは、薄肉にしてもスポーク部12の強度に大きく影響を与えない。ここでの減肉量は60%以下とする。60%を超えると微小クラックが発生する可能性があるからである。本実施形態では、40〜50%である。この減肉によりスポーク部12の軽量化を図ることができる。
サイドリブ12bの高さH2は、上記鍛造により減少する。本実施形態では、約3mm減少する。これにより、サイドリブ12bの組織は改質され鋳造時に生じた欠陥を解消するので、サイドリブ12bの強度が向上する。
上記鍛造に際して、スポーク部12の余肉は、上型40の突条41xにより、スポーク部12の長手方向に沿う外向きの塑性流動を抑制され、これにより、成形部の面圧を上げることができ、巣の消滅と、意匠面の平滑性の確保を行なうことができる。
上記のように、スポーク部12の余肉はスポーク部12の長手方向への塑性流動を抑制されているが、それでも若干量は塑性流動しようとする。しかし、下型30の係止段差32によりディスク素材10’の周縁が係止されているので、ディスク素材10’の周縁の真円度を確保することができる。なお、この余肉の一部の塑性流動が係止段差32で阻止されると、ディスク素材10’に応力が生じ、その周縁部が反って下型30の成形面31の間から浮こうとする。しかし、上述したように突条41xによりスポーク部12の長手方向の塑性流動が抑制されているため、この反り量は微小であり、後述するスピニング加工や寸法出しにより解消することができる。
上記のように突条41xにより径方向への塑性流動が抑制されているため、上記スポーク部12の余肉の大部分は、スポーク部12の幅方向すなわちディスク素材10’の周方向(図4の矢印参照)に塑性流動し、下型30の平坦面31bと上型40の平坦面41bの第2領域41b”との間のギャップ50へと逃げる。本実施形態では、上型40の突条41xは、この周方向の塑性流動を案内する役割も担う。この周方向の塑性流動の案内は径方向の塑性流動の抑制効果をより一層高める。
ギャップ50へ逃げた余肉により図6に示すように窓13の側縁にバリ51が形成される。上型40の突条41xにより最終製品であるディスク10の溝12xが形成される。
なお、減肉量が小さい場合には、係止段差32がなくてもディスク素材10’の周縁の変形量を許容範囲に抑えることができ、また、ディスク素材10’の周縁を係止段差32で係止したとしても上述の周縁部の反りは生じない。
最後に、サイドリブ12bを約1.5mm程度切削してバリ51を除去し、図7,図8に示すディスク10を得る。
上記ディスク素材10’の鍛造の後、ハブ穴11a,ハブボルト挿通用の穴11bを形成し、必要に応じて寸法出しのための切削,表面処理を行なって最終製品である図1のホイール1を得る。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。これら実施形態において第1実施形態に対応する構成部には同番号を付してその詳細な説明を省略する。
図9に示す第2実施形態では、上型40の凸面41aに、スポーク部12の幅方向に延びる突条41xに加えてスポーク部12の長手方向に沿う突条を形成する。この場合、鍛造により、図9に示すようにスポーク部12には長手方向に沿う溝12yが形成される。第1実施形態のように、幅方向の突条41xのみを有する場合に比べて、余肉の周方向への塑性流動が抑制されるため、径方向の塑性流動性の抑制効果は弱まるが、成形圧を上昇させる効果が得られる。
図10に示す第3実施形態では、第1実施形態のセンターリブ12cを省略し、スポーク部12の最終形状を断面U字形になるように成形する。厚さは均一厚さにしてもよい。
また、第3実施形態では、上型の凸面に、向きの異なる傾斜突条を交差させて網目状に形成している。これにより、スポーク部12の凹部12aには向きの異なる傾斜溝12zが網目状に成形される。この場合、傾斜した突条のスポーク部12の幅方向に対する傾斜角度は好ましくは45°未満、より好ましくは25°〜35°にする。
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の形態を採用可能である。例えば、上記実施形態では下型にディスク素材をセットし、上型を下降させてディスク素材を加圧鍛造したが、上型を固定し、下型を上昇させてディスク素材を加圧鍛造してもよい。また、上記実施形態の上型と下型を逆に配置してもよい。この場合、突条を形成した型にディスク素材がセットされることになる。また、ディスク素材を加圧鍛造する一対の型は水平方向に対峙するようにしてもよい。
ホイール素材は、最終製品のリムよりはるかに厚く形状も異なる筒形状のリム素材を有していてもよい。リム素材は、ディスク鍛造後にスピニング加工することにより、最終製品形状またはそれに近い形状のリムとなる。
上記実施形態において、上型に、筒形状の押さえ部、または円環状態に間隔をおいて複数配置された押さえ部を設けてもよい。この場合、鍛造時に上記押さえ部の内周がリムまたはリム素材の周縁に接し、押さえ部の先端縁が、段差32の近傍のディスク素材の周縁部(リムフランジ部)を押し付ける。これにより、ディスク素材の周縁部およびリム(またはリム素材)の変形を、一層低減させることができる。
上記実施形態ではディスクとリムが一体をなす車両用ホイールについて説明したが、リムと別体をなす車両用ホイールのディスクを製造する方法に適用してもよい。また、車両用ホイール以外の用途に用いられるディスクの製造に適用してもよい。
1 車両用ホイール
10 ディスク
10’ ディスク素材
12 スポーク部
12x 溝
13 窓
10’ ディスク素材
30 下型(第1型)
31 成形面
31a 凹面
31b 平坦面
40 上型(第2型)
41a 凸面
41b 平坦面
41b’ 第1領域
41b” 第2領域
41x 突条
50 ギャップ
10 ディスク
10’ ディスク素材
12 スポーク部
12x 溝
13 窓
10’ ディスク素材
30 下型(第1型)
31 成形面
31a 凹面
31b 平坦面
40 上型(第2型)
41a 凸面
41b 平坦面
41b’ 第1領域
41b” 第2領域
41x 突条
50 ギャップ
Claims (9)
- 周方向に間隔をおいて配置されるとともに径方向に延びる複数のスポーク部と、これらスポーク部間に配置された複数の窓とを有する軽合金製の鋳造ディスク素材を鍛造する金型装置において、
上記鋳造ディスク素材を挟んで加圧することにより鍛造する第1,第2の一対の型を備え、
上記第1,第2型の少なくとも一方のスポーク部成形面に、上記スポーク部の延び方向と交差する方向に延びる細長い突条を形成したことを特徴とするディスクの鍛造金型装置。 - 上記ディスクが車両用ホイールのディスクであって、上記突条が上記第2型にのみ形成され、上記第2型が、上記ディスクの車両側の面を成形することを特徴とする請求項1に記載のディスクの鍛造金型装置。
- 上記第1型には、円環状の係止段差が形成されており、上記鍛造の際に、上記デイスク素材の周縁がこの係止段差に係止されることを特徴とする請求項2に記載のディスクの鍛造金型装置。
- 上記第1型は、スポーク部成形面として凹面を有するとともに、この凹面の両側縁に連なる平坦面とを有し、上記第2型の成形面は各スポーク部に対応して凸面とこの凸面の両側縁に連なる平坦面とを有し、
上記第2型の平坦面は、上記凸面の両側縁に隣接する第1領域と、この第1領域に連なる第2領域とを有し、
上記第2型の凸面および上記平坦面の第1領域は、上記スポーク部成形面として提供されて、上記第1型のスポーク部成形面である凹面と対峙し、
上記第1型の平坦面と上記第2型の平坦面の第2領域との間には、上記スポーク部の余肉を逃がすための狭いギャップが形成され、
上記突条は、上記第2型のスポーク部成形面において上記凸面にのみ形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のディスクの鍛造金型装置。 - 上記突条が上記スポーク部の延び方向に間隔をおいて複数形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鍛造金型装置。
- 上記突条が上記ディスク素材の延び方向と直交する方向に延びていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のディスクの鍛造金型装置。
- 上記突条の高さが0.5mm〜8mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のディスクの鍛造金型装置。
- 上記鍛造において上記スポーク部の少なくとも一部の領域で減肉が生じ、上記突条が上記スポーク部の減肉が生じる領域を通るように形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のディスクの鍛造金型装置。
- 周方向に間隔をおいて配置されるとともに径方向に延びる複数のスポーク部と、これらスポーク部間に配置された複数の窓とを有する軽合金製のディスク素材を鋳造し、
上記鋳造ディスク素材を第1,第2の一対の型で挟んで加圧し、上記スポーク部の減肉を伴うように鍛造することにより、ディスクを得る方法において、
上記第1,第2型の少なくとも一方におけるスポーク部成形面に、上記スポーク部と交差する方向に延びる細長い突条を形成し、この突条により、上記鍛造時に上記スポーク部の余肉が径方向に塑性流動するのを抑制することを特徴とするディスクの鍛造方法。
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