JP2006198519A - 微小粒子の真球度選別機 - Google Patents

微小粒子の真球度選別機

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Abstract

【課題】 高い粒子供給速度で微小粒子を供給しても、不良品が良品に混入することなく微小粒子の真球度を選別することができる。
【解決手段】 傾斜角度が異なる複数の粒子落下板22A乃至22Cに横方向の振動を付与しながら選別すべき微小粒子50を落下させ、真球度が悪い不良品を傾斜角度が緩やかな粒子落下板上を落下する際に横振動によって良品から大きく分離させるので、高い供給速度で微小粒子を供給して不良品が迷走することがあっても、不良品が良品に混入することがない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微小粒子の真球度選別機の改良に関し、特に、高温ガス炉燃料用微小粒子の真球度を選別するのに好適に用いることができる微小粒子の真球度選別機に関するものである。
種々の分野で微小粒子の真球度を選別することが行われており、例えば、高温ガス炉用の燃料を製造する過程で微小粒子の真球度を選別することが行われている。
高温ガス炉は、燃料を含む炉心構造を熱容量が大きく高温で健全性を維持する黒鉛で構成し、炉心を冷却するために、高温下でも化学反応が起こることがないヘリウムガス等を冷却ガスとして用いているので、固有の安全性が高く、約900℃の高い出口温度のヘリウムガスを回収して、この高温熱を発電、水素製造、化学プラント等の広い分野で利用している。
この高温ガス炉の燃料は、二酸化ウランをセラミック状に焼結した直径が約350〜650ミクロンの燃料核の周囲に4層の被覆を施して形成されている。第一層は、密度が約1g/cmの低密度熱分解炭素の被覆であり、これは、ガス状の核分裂生成物(fusion product=FP)のガス溜めとしての機能と燃料核のスウェリングを吸収するバッファとしての機能とを併せ持っている。第二層は、密度が約1.8g/cmの高密度熱分解炭素の被覆であり、これは、ガス状FPの保持機能を有する。第三層は、密度が約3.2g/cm3の炭化珪素(SiC)の被覆であり、これは、固体FPの保持機能を有すると共に、被覆の主要な補強部材としての機能を有する。最後に、第四層は、第二層と同様に、密度が約1.8g/cmの高密度熱分解炭素の被覆であり、これは、ガス状FPの保持機能と第三層の保護層としての機能を有する。
このようなウラン燃料の一般的な被覆燃料粒子は、約500〜1000ミクロンの直径を有する。この被覆燃料粒子は、黒鉛マトリックス中に分散させ一定の形状の燃料コンパクトの形態に成型加工され、このコンパクトの一定数量を黒鉛筒に入れ、上下を栓で閉じて燃料棒とされる。この燃料棒は、六角柱型黒鉛ブロックの複数の挿入口に差し込まれ、多数個の六角柱型黒鉛ブロックをハニカム配列に多段に重ねて炉心を構成している。
高温ガス炉の燃料は、一般的には、次のようにして製造される。まず、酸化ウランの粉末を硝酸に溶かして硝酸ウラニル原液とし、この硝酸ウラニル原液に純水、増粘剤を添加し攪拌して滴下原液を作る。増粘剤は、滴下された硝酸ウラニル原液の液滴が落下中にそれ自体の表面張力で真球状になるように作用する。このような増粘剤としては、アルカリ条件下で凝固する性質を有する樹脂、例えば、ポリビニールアルコール樹脂、ポリエチレングリコール、メトローズ等を使用することができる。このように調製された滴下原液は、所定の温度に冷却されて粘度が調整された後、細径の滴下ノズルを振動させる等の方法を用いてアンモニア水中に滴下される。
液滴は、アンモニア水溶液表面に着水するまでの空間でアンモニアガスを吹きかけて表面をゲル化させることによって着水時の変形が防止される。硝酸ウラニルは、アンモニア水中でアンモニアと充分に反応させ、重ウラン酸アンモニウムの粒子(以下ADU粒子と称する)となる。このADU粒子は、乾燥された後、大気中で焙焼され三酸化ウラン粒子となり、更に還元焼結されて高密度のセラミック状二酸化ウラン粒子とし、これを篩い分けして所定の粒径の微小粒子を得る。
この微小粒子は、流動床に装荷され、この流動床内に供給される被覆ガスを熱分解して被覆が施される。第一層の低密度熱分解炭素は、約1400℃でアセチレン(C)を熱分解して被覆される。第二層及び第四層の高密度熱分解炭素は、約1400℃でプロピレン(C)を熱分解して被覆される。第三層のSiCは、約1600℃でメチルトリクロロシラン(CHSiCl)を熱分解して被覆される。
一般的な燃料コンパクトは、被覆燃料粒子を黒鉛粉末、粘結剤等から成る黒鉛マトリックス材と共に中空円筒形又は円筒形にプレス成形又はモールド成形した後、焼成して得られる。
このように高温ガス炉用燃料の製造工程において、真球度が所定の範囲にある二酸化ウラン粒子及び被覆燃料粒子を選別するために真球度選別機が用いられている。
従来技術の真球度選別機は、図4に示すように、選別されるべき粒子が転動するように一定の傾斜角を有する1つの粒子落下板22から成る粒子落下手段20と、この粒子落下板22に横振動を付与して粒子を選別する横振動付与機構30と、粒子落下板22の下縁に沿って配置された良品回収容器44及び不良品回収容器46とを備えている。
この真球度選別機は、図5に示すように、粒子落下板22に横振動付与機構30によって横振動を付与しながら微小粒子供給装置40から粒子落下板22の上縁に選別すべき微小粒子50を供給して粒子落下板22の上方から下方に重力によって転動しながら落下させて真球度を選別している。
真球度規格を満足している真球度を有する微小粒子(良品)50Aは、重力によって粒子落下板22上を比較的直線的に落下するが、規格を満足していない真球度を有する微小粒子(不良品)50Bは、図5(B)に示すように、重力によって落下する際に横振動による影響を大きく受けるため直線的ではなく、横方向に移動しながら落下する。
良品回収容器44は、微小粒子供給装置40の供給位置の下方に配置されて直線的に落下する良品50Aを受け入れ、不良品回収容器46は、微小粒子供給装置40の供給位置よりもずれた位置に配置されて横方向に移動して落下する不良品50Bを受け入れる。
しかし、不良品50Bは、その落下中に迷走して左右に移動しながら落下することがあり、このような不良品は、良品に押し流されて良品回収容器44内に混入することがある。このような不良品の混入は、微小粒子供給装置40から微小粒子50を供給する速度を低くすると防止することができるが、粒子の供給速度を低くすると、真球度選別作業に相当の時間がかかり、作業性を低下するという欠点があった。
本発明が解決しようとする課題は、微小粒子の供給速度を低くすることなく、不良品が良品に混入するのを有効に防止することができる微小粒子の真球度選別機を提供することにある。
本発明は、選別すべき微小粒子を上方から下方に落下させ粒子落下板から成る粒子落下手段と粒子落下板に横方向の振動を付与して微小粒子を真球度に応じて選別する振動付与機構とを備えた微小粒子の真球度選別機を対象とし、本発明の基本的な課題解決手段は、粒子落下手段が複数の粒子落下板から成り、隣り合う粒子落下板が異なる傾斜角度を有することを特徴とする微小粒子の真球度選別機を提供することにある。
本発明の課題解決手段において、複数の粒子落下板は、同じ角度の2つの粒子落下板とこれらの2つの粒子落下板の間に配置され2つの粒子落下板の傾斜角度よりも小さな傾斜角度を有する1つの粒子落下板とから成っているのが好ましく、またこれらの複数の粒子落下板は、滑らかな継ぎ部を介して連続しているのが好ましい。
本発明は、上記のように、粒子落下手段が複数の粒子落下板から成り、隣り合う粒子落下板が異なる傾斜角度を有すると、緩やかな傾斜角度を有する粒子落下板上で横振動を受けて良品と良品とが大きく分離されるので、不良品が迷走することがあっても、この緩やかな粒子落下板上で確実に分離されて良品が不良品を押し流すことがなく、不良品の混入を有効に防止することができ、また微小粒子の供給速度を高めることができるので、選別作業の効率を向上することができる。
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、図1は、本発明に係わる微小粒子の真球度選別機10を示し、この真球度選別機10は、従来技術と同様に、選別すべき微小粒子を上方から下方に転動しながら落下する粒子落下板22から成る粒子落下手段20と、粒子落下板22に横方向の振動を付与して微小粒子50を真球度に応じて選別する振動付与機構30と、粒子落下板22の下縁に沿って配置された良品回収容器44及び不良品回収容器46とを備えている。
振動付与機構30は、図1に示すように、粒子落下板22に一端が取付けられた振動付与アーム32と、図示しないモータを含みこのモータの回転を直線的な往復運動に変換する回転−直線運動変換手段34とから成り、振動付与アーム32は、この回転―直線運動変換手段34の直線運動部分に結合されている。
微小粒子50が粒子落下板22A乃至22Cを落下する際にこれらの粒子落下板22に付与される振動によって不良品50Bが振動付与機構30によって振動を付与する側とは反対側にのみ変位する原理は、粒子落下板22が図示しない傾斜板ばねを介して同じく図示しないテーブル上に支持されており、粒子落下板22が振動付与機構30の振動付与アーム32によって横方向に移動すると、粒子落下板22を傾斜板ばねに抗して横方向に移動し、振動付与機構30の振動付与アーム32が粒子落下板22を解放すると、傾斜板ばねの復元力で急激にもとの位置に戻ろうとし、この復元時の急激な変位で不良品50Bが横方向に変位することによるが、これは、従来技術の振動付与機構と同じであるので、詳細な説明は省略する。
粒子落下手段20は、複数、図示の例では、3つの粒子落下板22A、22B、22Cから成り、隣り合う粒子落下板22Aと22B及び22Bと22Cとは、異なる傾斜角度を有している。上下の粒子落下板22Aと22Cとの傾斜角度は、選別すべき微小粒子50の質量にもよるが、1乃至4°程度であるのが好ましい。これらの粒子落下板の傾斜角度が1°よりも小さいと、微小粒子50の落下の初速度が与えられないし、4°よりも大きいと、良品と不良品との選別が困難となる。また、中間の粒子落下板22Bの傾斜角度は、微小粒子の落下速度を低下させることが目的であるので、0°付近又はマイナスの傾斜角度であってもよい。
図示の形態では、粒子落下板22Aは、略4°の傾斜角度を有し、粒子落下板22Bは、略0°の傾斜角度(水平状態)を有し、また粒子落下板22Cは、粒子落下板22Aと同じ略4°の傾斜角度を有する。これらの粒子落下板22A乃至22Cは、微小粒子50が順次これらの粒子落下板22A乃至22C上を順次落下するように連続して設けられている。
なお、図示の形態では、粒子落下板22Aと22Cとは同じ傾斜角度を有するが、異なる傾斜角度を有していてもよく、また粒子落下板22Bは、略0°の傾斜角度(水平状態)を有しているが、粒子落下板22A、22Cの傾斜角度よりも小さければ、0°よりも大きくても小さくてもよい。粒子落下板22Bの傾斜角度が0°よりも小さい(マイナスである)場合には、その傾斜角度は、微小粒子が粒子落下板22Bから粒子落下板22Cに移行することができるのを阻害することがない程度の値に設定される。
また、これらの複数の粒子落下板22A、22B及び22Cは、図3に示すように、微小粒子50が上流側の粒子落下板22A、22Bから下流側の粒子落下板22B、22Cに円滑に移行することができるように滑らかな継ぎ部23を介して連続しているのが好ましい。
微小粒子供給装置40は、粒子落下手段20の最上位の粒子落下板22Aの上縁から選別すべき微小粒子50を供給するが、その供給位置は、図1に示すように、粒子落下板22Aの上縁の全長ではなく、振動付与機構30側に寄った部分にあってこの局部的な位置から選別すべき微小粒子を供給する。
良品回収容器44は、微小粒子供給装置40の供給位置の下方に配置されて直線的に落下する良品50Aを受け入れ、不良品回収容器46は、微小粒子供給装置40の供給位置に対して振動付与機構30とは反対側にずれた位置に配置されて横方向に移動して落下する不良品50Bを受け入れる。
次に、本発明の微小粒子真球度選別機10の動作を述べると、選別すべき微小粒子50は、粒子供給装置40から粒子落下板22A乃至22Cに横振動付与機構30によって横振動が付与されている最上位の粒子落下板22Aの上縁に供給され、粒子落下板22Aの傾斜角度によって落下の初速度が与えられ、真球度規格を満足している真球度を有する微小粒子(良品)50Aと規格を満足していない真球度を有する微小粒子(不良品)50Bとは、この最上位の粒子落下板22A上で重力によって転動落下する際に、振動付与機構30によってある程度分離されながら粒子落下板22Bに到達する。
このようにして粒子落下板22Bに到達した微小粒子50は、その緩やかな傾斜角度によって落下速度が低下するので、振動付与機構30による横振動によって真球度が悪い不良品50Bは、振動付与機構30を有する側とは反対側に大きく横方向に変位する。
中間の粒子落下板22B上で大きく分離された良品50Aと不良品50Bとは、それぞれ分離されたまま最下位の粒子落下板22C上に到達し、その上を転動落下しながら、それぞれ良品回収容器44及び不良品回収容器46に入る。
真球度の悪い不良品50Bが真球度のよい良品50Aから分離される原理は、不良品50Bは粒子落下板22上を滑らかに転動しないため、横振動の影響を強く受けて横方向に大きく変位するためであり、この傾向は、傾斜角度が緩やかで落下速度が低い粒子落下板22B上で顕著になる。
良品50Aと不良品50Bとの分離状態が図2(B)に特に詳細に記載されており、同図に示すように、微小粒子50は、特に、傾斜角度の緩やかな粒子落下板22B上では他の粒子落下板22A、22B上でよりも良品50Aと不良品50Bとが大きく分離されているのが解る。従って、微小粒子の供給速度を高めて落下中に不良品50Bが迷走することがあっても、この緩やかな粒子落下板22B上で不良品50Bが確実に良品50Aから分離されて良品50Aが不良品50Bを押し流すことがなく、良品50A中に不良品50Bが混入することがない。
また、粒子落下板22Aと22Bの間及び粒子落下板22Bと22Cとの間は、滑らかな継ぎ部23で連続しているので、これらの傾斜角度の異なる粒子落下板の間を移動する際に微小粒子50に加わる衝撃力を低減し、微小粒子の突発的な移動や破損を防止することができる。
本発明の微小粒子真球度選別機は、異な傾斜角度を有する複数の粒子落下板のうち傾斜角度が緩やかな粒子落下板で良品と良品とが大きく分離されるので、高い粒子供給速度で微小粒子を供給して不良品が迷走することがあっても、不良品が良品にの混入することがなく、微小粒子の真球度選別作業に有益に利用することができる。
本発明に係わる微小粒子の真球度選別機の概略斜視図である。 図1の微小粒子の真球度選別機の動作を説明し、同図(A)は、その側面図、同図(B)は、上面図である。 隣り合う粒子落下板の連続部分の拡大断面図である。 従来技術による微小粒子の真球度選別機の概略斜視図である。 図4の微小粒子の真球度選別機の動作を説明し、同図(A)は、その側面図、同図(B)は、上面図である。
符号の説明
10 微小粒子真球度選別機
20 粒子落下手段
22 粒子落下板
22A乃至22C 傾斜角度が異なる複数の粒子落下板
23 継ぎ部
30 振動付与機構
32 振動付与アーム
34 偏心クランク軸
40 微小粒子供給装置
44 良品回収容器
46 不良品回収容器
50 微小粒子
50A 良品
50B 不良品

Claims (3)

  1. 選別すべき微小粒子を上方から下方に落下させる粒子落下板から成る粒子落下手段と前記粒子落下板に横方向の振動を付与して前記微小粒子を真球度に応じて選別する振動付与機構とを備えた微小粒子の真球度選別機において、前記粒子落下手段は、複数の粒子落下板から成り、隣り合う粒子落下板は、異なる傾斜角度を有することを特徴とする微小粒子の真球度選別機。
  2. 請求項1に記載の微小粒子の真球度選別機であって、前記複数の粒子落下板は、同じ傾斜角度の2つの粒子落下板と前記2つの粒子落下板の間に配置され前記2つの粒子落下板の傾斜角度よりも小さな傾斜角度を有する1つの粒子落下板とから成っていることを特徴とする微小粒子の真球度選別機。
  3. 請求項1又は2に記載の微小粒子の真球度選別機であって、前記複数の粒子落下板は、滑らかな継ぎ部を介して連続していることを特徴とする微小粒子の真球度選別機。

































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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102393232B1 (ko) * 2021-11-26 2022-05-02 한국지질자원연구원 계단식 건식 선별장치

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