以下、本発明の一実施の形態の電気掃除機の構成を図面を参照して説明する。
図1において、1は掃除機本体で、この掃除機本体1は、内部に収容された電動送風機2の駆動にて生じる吸気風とともに吸い込んだ塵埃を図示しない集塵パックに集塵する電気掃除機である。この掃除機本体1は、電動送風機2を収容するケース体3を備え、このケース体3の前部には、電動送風機2の吸込側に連通する本体吸込口4が穿設されている。そして、掃除機本体1は、被掃除面としての床面上に水平に載置した状態で使用状態となる。
本体吸込口4には、可撓性を有し湾曲可能な細長略円筒状のホース体5が連通接続されている。また、このホース体5の先端には、電動送風機2の動作モードなどが選択可能な手元操作部6が設けられている。この手元操作部6には、電動送風機2などを複数の動作モードに設定する複数の設定ボタン7が設けられているとともに、掃除する際に作業者が把持する操作把持部8が基端側に向けて突設されている。
さらに、手元操作部6の先端には、伸縮可能な細長略円筒状の延長管9が着脱可能に連通接続されている。そして、この延長管9の先端には、例えば室内の床面の絨毯などの上に載置させて操作把持部8により操作され、絨毯などの上の塵埃を吸い込む吸込口体としての床ブラシ10が着脱可能に連通接続されている。そして、これらホース体5、手元操作部6、延長管9および床ブラシ10により、管部11が構成されている。
また、ケース体3は、上側を開口し掃除機本体1の下面となる下ケース15と、この下ケース15の後部上側に設けられた上ケース16と、この上ケース16の前側に設けられた蓋体17と、これら下ケース15と上ケース16および蓋体17との間に挟持されたバンパ18とを有している。そして、このケース体3は、これら下ケース15、上ケース16、蓋体17およびバンパ18などの取付部に図示しないパッキンなどが設けられ、電動送風機2の吸込側に対して気密性を有している。
下ケース15は、掃除機本体1の下面となるものであり、図3(a)ないし図5(b)に示すように、前側の床面に対向する下部に、前輪としての旋回輪21が回転自在かつ旋回可能に設けられているとともに、掃除機本体1の後部両側に、後輪としての従動輪22(一方のみ図示)が回転自在にそれぞれ設けられている。また、これら旋回輪21および従動輪22により、掃除機本体1が床面上を前後方向に走行可能となっている。さらに、この下ケース15には、延長管9の先端側の外周部に設けられた係止部23を係合させることで、電気掃除機を図8に示す収納状態とする図示しない係止凹部が設けられている。
また、上ケース16は、図3(a)ないし図5(b)に示すように、ケース体3内の後部に区画され電動送風機2を収容する図示しない電動送風機室の上部に位置するものであり、掃除機本体1を持ち上げる際に把持される略U字状の小ハンドル24が蓋体17に隣接して設けられ、かつ、電動送風機2などに図示しない商用交流電源から給電するための図示しない電源コードをケース体3内に巻き取り可能とする巻き取りボタン25が設けられている。
ここで、小ハンドル24は、ケース体3に対して前後方向に回動可能に設けられおり、前方に回動させた状態で略垂直に突出し、掃除機本体1を持ち上げ可能になるとともに、後方に回動させた状態で上ケース16に対して略平行となり、ケース体3から上方に突出することなく収納される。なお、この小ハンドル24は、必ずしも設けなくてもよい。
さらに、蓋体17は、ケース体3内の前部に区画され集塵パックを着脱可能に収容する図示しない集塵室の上部を開閉可能に覆うものであり、後部が上ケース16の前部にて回動可能に軸支されている。なお、集塵室は、電動送風機室の前側すなわち電動送風機2の吸込側に連通している。そして、蓋体17の前端部の下側には、この蓋体17を開閉する際に作業者が指を掛ける引掛け凹部26が設けられている。
また、バンパ18は、掃除機本体1が障害物などに衝突した際の内部への衝撃を緩和するものであり、例えば軟質の合成樹脂などで設けられ、ケース体3の前部の本体吸込口4の一側方からケース体3の後部を経由して本体吸込口4の他側方に亘って設けられている。さらに、掃除機本体1の後部となるバンパ18の後部には、図示しない排気口が設けられている。そして、このバンパ18の前部両側間には、ケース体3と別個に設けられた吸込口カバー31が取り付けられている。
この吸込口カバー31は、図2に示すように、本体吸込口4の周囲を覆い掃除機本体1の前端部となるもので、正面視で略四角形状に形成されたカバー本体32と、このカバー本体32の下部に突設され下ケース15の前方に位置する軸支部33とを有している。
カバー本体32は、バンパ18の前端部の両側間に略隙間なく取り付けられ、本体吸込口4に連通する連通口34が中央部に穿設され、かつ、蓋体17の引掛け凹部26に連続する横長の凹部35が上部に設けられている。
連通口34は、ホース体5の基端部に設けられこのホース体5を本体吸込口4に対して着脱可能とする略筒状の着脱部41が挿入される正面視略円形状の連通口部42と、この連通口部42の一側部に正面視略四角形状に切り欠き形成され着脱部41を着脱する着脱凹部43とを備えている。
連通口部42は、カバー本体32に前後方向に沿って穿設され、着脱部41の外周面を受ける内周面45を有し、かつ、後部が本体吸込口4に連通している。
また、着脱凹部43は、内周面45に連続する内側面47と、この内側面47の後部に位置し着脱部41の先端部を受ける着脱受面48とを有している。
内側面47には、着脱部41に設けられた図示しないクランプ部が着脱可能に嵌合する嵌合凹部51が設けられている。この嵌合凹部51は、掃除機本体1の前後方向に沿って長手状に形成されている。
また、着脱受面48は、掃除機本体1の幅方向すなわち左右方向に沿って形成されており、着脱部41に設けられた図示しない一対の接点金具が挿入される一対の挿入孔53が上下に離間されて穿設されている。なお、これら接点金具は、ホース体5内に螺旋状に配設された図示しない電線を介して手元操作部6の設定ボタン7、あるいは床ブラシ10に設けられた図示しない図示しない回転清掃体としての回転ブラシを回転させる電動機の制御部などに電気的に接続され、これら設定ボタン7の操作を掃除機本体1側に伝達するものである。
そして、これら挿入孔53は、内部に接点54が設けられ、かつ、着脱部41を連通口34に接続した状態で着脱部41の接点金具がそれぞれ接点54に電気的に接続されるようになっている。すなわち、カバー本体32は、接点54の周囲を覆っている。
ここで、接点54は、掃除機本体1内に収容され電動送風機2などの駆動を制御する制御手段55に電気的に接続されている。
一方、軸支部33は、図2に示すように、掃除機本体1の左右方向に沿って長手状に形成され、両端部がそれぞれ掃除機本体1の前端部の両側に位置しているとともに、図3(a)ないし図5(a)に示すように、下端部が下ケース15の下部よりも下側、かつ、旋回輪21の下端部よりも上側に位置している。すなわち、この軸支部33は、旋回輪21よりも前方に位置している。そして、この軸支部33の両端部には、掃除機本体1を持ち上げる際に作業者に把持されるハンドル56の両端部がそれぞれ前後方向に回動可能に軸支されている。
このハンドル56は、図1などに示すように、軸支部33の両端部に一端部がそれぞれ軸支され掃除機本体1の両側部にそれぞれ位置する一対のアーム部61と、これらアーム部61の他端部間を連結する把持部62とを備え、平面視で略U字状に形成されている。そして、このハンドル56は、図1および図4(a)に示すように、掃除機本体1に対して略垂直となるように前方に回動させることで使用状態となって掃除機本体1を各輪21,22が接地した水平状態から持ち上げ可能とするとともに管部11の延長管9を把持部62に凭せ掛けてこの管部11を保持可能とし、図3(a)に示すように掃除機本体1に沿わせるように後方に回動させることで収納状態となり、かつ、図5(a)に示すように前方に最大に回動させた状態で掃除機本体1の後部を下側として掃除機本体1を垂直状態に直立させて図8に示す状態として収納可能とするものである(スタンド収納状態)。
アーム部61は、図1などに示すように、軸支部33の両端部にそれぞれ回動可能に軸支される被軸支部65と、この被軸支部65の後部に対して上側に屈曲されるように連続したアーム本体部66と、これらアーム本体部66の後部に対して下側に屈曲されるように連続した屈曲部67とを有している。
各被軸支部65は、軸支部33と被軸支部65との間に設けられた回動規制部71により、ハンドル56を、例えば図3(a)ないし図5(a)に示す複数の所定の角度に保持可能とする。そして、このハンドル56の最大回動状態は、本体吸込口4の軸方向延長線である連通口34の軸方向延長線Lよりも上側、すなわち上ケース16側で回動規制された状態である。
ここで、回動規制部71は、図6に示すように、軸支部33の各端面33aに凹状に設けられた側面視円形状の受け部72と、この受け部72の底部の中心部から掃除機本体1の側方へとボス状に突出した突出軸73とをそれぞれ軸支部33側に備えるとともに、ハンドル56の被軸支部65に穿設され突出軸73が挿通される軸孔75と、この軸孔75の外周縁部から軸支部33の各端面33aに向けて突設され受け部72に嵌合する嵌合軸76と、この嵌合軸76に取り付けられた保持力設定部材としての弾性部材である板ばね77とをそれぞれハンドル56側に備えている。
受け部72は、内周面72aに嵌合凹部としてのクリック凹部81と、回動規制凸部としての突出リブ82とがそれぞれ設けられている。
クリック凹部81は、板ばね77の先端がそれぞれ嵌合することでハンドル56を所定の角度に保持するもので、例えば、図3(a)および図3(b)に示すように、ハンドル56を後方に倒して掃除機本体1に沿わせた状態で保持する部分であるクリック凹部81aと、図4(a)および図4(b)に示すように、ハンドル56を掃除機本体1に対して略垂直状態に起こした状態で保持する部分であるクリック凹部81bと、図5(a)および図5(b)に示すように、ハンドル56を掃除機本体1に対して前方に最大に回動させた状態で保持する部分であるクリック凹部81cとを有している。
さらに、これらクリック凹部81a,81b,81cは、受け部72の内周面72aから径方向に凸弧状に形成され、それぞれ受け部72の周方向に互いに所定の間隔で離間されている。
また、突出リブ82は、嵌合軸76の外周部の一部が当接することでハンドル56が図5に示す最大回動状態以上に回動しないようにするもので、例えば受け部72の中心に対して、クリック凹部81cからクリック凹部81aと反対側に約90°の位置に設けられ、内周面72aから中心軸方向に向けて突設されている。
さらに、突出軸73は、先端部が軸支部33の各端面33aよりも掃除機本体1の側方にそれぞれ突出している。そして、この突出軸73の中心部には、ハンドル56を軸支部33に一体的に固定するねじ83が螺合されている。
また、軸孔75は、被軸支部65のアーム本体部66と反対側の端部寄りの位置に穿設された丸孔であり、軸支部33と反対側すなわちハンドル56の外側の内周縁部に、掃除機本体1側に向けて段差状に縮径する段差部75a,75bが順次形成されている。そして、段差部75aには、ねじ83を覆う円板状のねじカバー84が嵌合し、段差部75bにはねじ83の頭部83aが嵌合する。
一方、嵌合軸76は、略円筒状の嵌合軸本体76aと、この嵌合軸本体76aの前部に設けられ板ばね77が嵌合する嵌合溝76bとを有している。
嵌合軸本体76aは、中心部が軸孔75に連通し、外径寸法が受け部72の内径寸法よりも若干小さく形成されている。そして、この嵌合軸本体76aの嵌合溝76bと反対側の外周部、すなわち嵌合軸本体76aの後部側は縮径されており、段差面76c,76cが中心軸方向に沿って形成されている。一方の段差面76cは、板ばね77がクリック凹部81cに嵌合した状態で突出リブ82に当接するものである。
また、嵌合溝76bは、図7に示すように、嵌合軸本体76aの先端面から軸方向に沿って切り込み形成されており、嵌合軸本体76aの前端部から中心軸方向に向けて切り欠き形成された突出開口部としてのスリット76dと、このスリット76dの底部の両端部から嵌合軸本体76aの周方向に沿って延びるようにそれぞれ切り込み形成された一対の湾曲部76e,76eとを備えている。
さらに、板ばね77は、例えば金属、あるいは弾力性を有する合成樹脂などで形成され、嵌合溝76bに取り付けられた状態でスリット76dから嵌合軸本体76aの外周面の前方に突出する凸弧状の突出係合部77aと、この突出係合部77aの両端部から延設され嵌合溝76bの湾曲部76e,76eに嵌合する一対の湾曲片77b,77bとを有している。
突出係合部77aは、各クリック凹部81a,81b,81cに係合可能であり、これらクリック凹部81a,81b,81cへの係合によりハンドル56を所定の回動角度で保持するものである。
また、湾曲片77b,77bは、嵌合溝76bの湾曲部76e,76eにそれぞれ先端側から挿入されることで、板ばね77を嵌合軸76に固定するものである。さらに、これら湾曲片77b,77bは、湾曲部76e,76eよりも長さ寸法が小さく形成されている。すなわち、湾曲片77b,77bは、湾曲部76e,76eに嵌合した状態で先端側と湾曲部76e,76eとの間に隙間85,85が形成されている。
そして、板ばね77は、その弾性係数および突出係合部77aのスリット76dからの突出量などにより、ハンドル56の回動の際の保持力を調整可能であり、本実施の形態では、この保持力が管部11の荷重よりも大きく、かつ、掃除機本体1の荷重よりも小さく設定されている。
さらに、各アーム本体部66は、掃除機本体1の両側部にそれぞれ位置するものであり、掃除機本体1の前後方向に沿って長手状に形成されている。
またさらに、各屈曲部67は、掃除機本体1の上側にそれぞれ位置しており、アーム本体部66と反対側の後部が把持部62に滑らかに連続している。また、これら屈曲部67は、それぞれ被軸支部65と略平行となるように設けられている。
そして、把持部62は、掃除機本体1の上側に位置して作業者により把持される部分であり、図3(a)に示すハンドル56の収納状態でケース体3の上ケース16の後部上側に下端部が当接するとともに、図5(a)および図8に示す最大回動状態で掃除機本体1の前端部より前方に突出し着脱部41に対して離間されている。また、この把持部62の上部の左右方向の中央部には、図10に示すように、掃除の最中、あるいは収納時などに一時的に延長管9を載置して保持可能な保持凹部88が設けられている。この保持凹部88は、延長管9の外周に沿うように凹弧面状に形成されている。
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
まず、蓋体17を後方に回動させて集塵室を開け、この集塵室に集塵パックを取り付けた後、蓋体17を前方に回動させて集塵室を閉塞する。
次いで、掃除機本体1の本体吸込口4に、ホース体5の着脱部41を接続する。このとき、着脱部41の接点金具が挿入孔53に挿入されてこれら接点金具が接点54に電気的に接続されるとともに、着脱部41のクランプ部が嵌合凹部51に嵌合してホース体5が掃除機本体1に対して抜け止めされる。
さらに、ホース体5の先端部に延長管9および床ブラシ10を順次接続した後、掃除機本体1から引き出した電源コードを商用交流電源に接続し、操作把持部8を把持して所定の設定ボタン7を操作することで、電動送風機2が所定の動作モードで駆動する。
そして、作業者は、操作把持部8を介して床ブラシ10を床面上で前後に走行させて床面上の塵埃を空気とともに吸い込む。
この塵埃とともに吸い込まれた空気は吸込風となり、延長管9、ホース体5、本体吸込口4を順次経由して集塵パックに流入し、この集塵パックを通過する際に塵埃が捕集される。
この後、吸込風は電動送風機2の吸込側に流入し、この電動送風機2を通過して排気風となり、排気口から掃除機本体1の外部へと排気される。
掃除作業中などに掃除機本体1を持ち上げる場合には、図4に示すように、ハンドル56を前方に回動させて把持部62を回動規制部71の垂直上方に位置させて使用状態とし、把持部62を把持して持ち上げ可能となる。
このとき、回転規制部71では、ハンドル56の回動により板ばね77の突出係合部77aも回動し、図9に示すように、クリック凹部81aとクリック凹部81bとの間の受け部72の内周面72aに内周面の縁部に突出係合部77a当接すると、この突出係合部77aに径方向の外力が加わり、突出係合部77aが両湾曲片77b,77b方向に開いて各湾曲片77b,77bがそれぞれ嵌合溝76bの湾曲部76e,76eの隙間85,85へと延びるように板ばね77が変形し、突出係合部77aが嵌合軸76の径方向に向けて各湾曲片77b,77bにより付勢された状態で受け部72の内周面に摺接する。そして、突出係合部77aがクリック凹部81bにまで回転すると、図4(b)に示すように、板ばね77の復帰変形により突出係合部77aが弾性的に復帰変形しクリック凹部81bに嵌合してハンドル56を所定の回動角度に保持する。
さらに、掃除の最中などに一時的に作業の手を止める場合、あるいは比較的広い場所に電気掃除機を収納する場合などには、図1および図10に示すように、床ブラシ10を床面上に載置した状態で管部11の延長管9をハンドル56の保持凹部88に載置する。このとき、ハンドル56の保持力が管部11の荷重すなわち重量よりも大きいため、ハンドル56が後方、あるいは前方に回動して倒れることがない。
また、ハンドル56を掃除機本体1に沿わせて収納する場合には、図3に示すように、ハンドル56を後方に回動させ、把持部62の下端部を上ケース16の後部上側に当接させて収納状態とする。このとき、回転規制部71は、上記動作と逆の動作によりハンドル56の回動角度を保持する。なお、この状態ではハンドル56の把持部62が掃除機本体1の上ケース16の上部に当接しているため、ハンドル56がこれ以上下側へと回動することはない。
さらに、掃除を終了する際には、設定ボタン7を操作して電動送風機2の駆動を停止させ、電源コードをコンセントから抜き取り巻き取りボタン25を操作して電源コードを掃除機本体1内に巻き取る。
そして、電気掃除機を収納する際には、ハンドル56の把持部62を上方に引き上げて旋回輪21を浮かせ、図8に示すように、後部を下側として掃除機本体1を垂直状態とするとともに、ホース体5を延長管9に巻きつけて係止部23を下ケース15の係止凹部に係止させてスタンド収納する。
このとき、回転規制部71では、図5(b)に示すように、突出係合部77aがクリック凹部81cに嵌合してハンドル56を所定の回動角度に保持する。
上述したように、上記一実施の形態によれば、ハンドル56を板ばね77の突出係合部77aとクリック凹部81a,81b,81cのそれぞれとの嵌合により所定の回動角度で掃除機本体1に保持し、この保持する力を管部11の荷重よりも大きくすることで、管部11を保持した状態でハンドル56が倒れることがないので、ハンドル56を管部11の保持に利用できるとともに、この保持する力を掃除機本体1の荷重よりも小さくすることで、掃除機本体1を持ち上げる際にはハンドル56が容易に回動して把持部62が掃除機本体1の前方に突出し、掃除機本体1を持ち運び易くできる。
特に、ハンドル56の被軸支部65を掃除機本体1の両側部に回動可能に軸支する上記一実施の形態では、ハンドル56の回動状態を保持するための壁部などを被軸支部65の前方などに設けることが容易でないため、板ばね77により回動角度を保持する構成とすることで、電気掃除機が必要以上に大型化することを防止できる。
また、ハンドル56に管部11を確実に保持できるので、掃除を一旦中止する際などに例えば管部を壁などに凭せ掛けて保持する従来の場合と比較して、管部11が倒れることを防止でき、手元操作部6などに衝撃を与えることをも防止できる。
さらに、延長管9の外周に沿った形状の保持凹部88をハンドル56に設けることにより、ハンドル56にて管部11を保持する際に、管部11がハンドル56の左右方向に滑動することなどをも防止でき、管部11を確実にハンドル56で保持できる。
そして、ハンドル56の回動の保持力を板ばね77により設定できるので、板ばね77の材質および形状などを選択することで、異なる重量の管部11などにも容易に対応できる。
また、段差面76cと突出リブ82との当接によりハンドル56が最大回動状態よりも回動することを容易かつ確実に防止できる。
さらに、ハンドル56のアーム部61を旋回輪21の前方にて掃除機本体1の両側にそれぞれ軸支することで、ハンドル56を後方に回動させて掃除機本体1に沿うように収納状態とした際に、ハンドル56のアーム部61が側面視で掃除機本体1の前部下側と後部上側の対角線上に略沿って位置するため、この収納状態でのハンドル56の掃除機本体1からの後方向および上方向への突出量を増加させることなくハンドル56の大きさを最大限に確保できる。
そして、ハンドル56の収納状態での掃除機本体1からの突出量を増加させないことで、ハンドル56の収納状態でこのハンドル56が邪魔になることがなく、さらに、ハンドル56の大きさを確保できることで、ハンドル56を前方に回動させた際に、各輪21,22の接地状態で把持部62が掃除機本体1の上方に大きく突出するので、作業者が腰を屈めることなく把持部62を容易に把持して掃除機本体1を持ち上げることができる。
また、電動送風機2の吸込側に対して気密性を有するケース体3とは別個の吸込口カバー31にてハンドル56のアーム部61を軸支することにより、例えば吸込口カバー31がケース体3に対して若干緩んでも電動送風機2の吸込風が漏れにくく、例えばケース体にハンドルを軸支する場合と比較して、電動送風機2の吸込風の漏れを防止するための構成などを設けることなく電動送風機2の吸込側に対する気密性を確保できるとともに、吸込風の漏れを防止するために掃除機本体1などの構成が複雑化して製造コストが増加したり掃除機本体1の重量が増加したりすることもない。
さらに、本体吸込口4および接点54のそれぞれの周囲を覆う吸込口カバー31を利用してハンドル56のアーム部61を軸支するので、このアーム部61の軸支用に新たな別部材を設ける必要がなく、部品点数が増加することを防止でき、製造コストを抑制できるとともに、吸込口カバー31を取り替えるだけでハンドル56の有無を設定でき、ハンドル56を設ける電気掃除機とハンドルを設けない電気掃除機とでケース体3の共通化が可能となり、ケース体3用の金型代などのコストをも抑制できる。
そして、本体吸込口4の軸方向延長線Lよりも上側でハンドル56を回動規制することにより、ハンドル56が全ての回動位置で着脱部41に干渉しないので、図4に示す収納状態から掃除機本体1を持ち上げる際に、着脱部41が邪魔にならずに作業性が向上する。
また、ハンドル56を収納状態と最大回動状態との間で複数の所定の角度に保持できることにより、ハンドル56を使用状態とした際に掃除機本体1が動いた場合、あるいはスタンド収納状態であっても、このハンドル56が収納状態に倒れてしまうことなどがなく、使い勝手が良好になる。
さらに、アーム部61の被軸支部65と屈曲部67とを互いに略平行に形成することで、図3に示すように、アーム部61を収納状態とすると、被軸支部65と屈曲部67とがそれぞれ床面に対して略平行な状態となり、掃除機本体1の前後方向に沿って位置するので、これら被軸支部65と屈曲部67とが掃除機本体1から必要以上に突出することがない。
なお、上記一実施の形態において、ハンドル56を吸込口カバー31に軸支する構造などは、任意に設定できる。
また、ハンドル56の回動角度は、収納状態と最大回動状態との間で任意に設定できる。
さらに、回動規制部71の構成は、上記構成に限定されるものではない。
そして、上記ハンドル56は、例えばサイクロン分離式の電気掃除機、あるいは充電式の電気掃除機などでも対応させて用いることができ、また、電気掃除機の構成の細部は、上記一実施の形態に限定されない。