JP2006196346A - 燃料電池用灯油燃料気化装置 - Google Patents

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康朗 山中
Hirofumi Kokubu
洋文 國分
Sakae Chijiiwa
榮 千々岩
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Abstract

【課題】灯油の突沸の発生を防止して、気化させた灯油の送出流量を安定化し得、燃料電池の円滑な運転に貢献し得る燃料電池用灯油燃料気化装置を提供する。
【解決手段】部分気化器3の灯油供給管3a内に、灯油の流速を増加させ且つ乱流を発生させるために複数本のワイヤ27aを縒ることによって構成した芯材27Aからなる灯油流れ変更手段27を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、灯油を燃料とする燃料電池に適用される燃料電池用灯油燃料気化装置に関するものである。
一般に、燃料電池は、水の電気分解とは逆に水素と酸素を結合させて、その時に発生する電気と熱を取り出すものであり、その発電効率の高さや環境への適合性から、家庭用燃料電池コージェネレーションシステムや燃料電池自動車としての開発が盛んに行われているが、そうした燃料電池の燃料となる水素は、ナフサ、灯油等の石油系燃料や都市ガス等を改質器で改質して製造される。
特に、灯油を燃料とする燃料電池では、灯油を気化させてから改質器の改質触媒層に導く必要があるが、灯油の場合、気化温度が低すぎると灯油が全部蒸発しきらずに改質触媒を傷める虞がある一方、気化温度が高すぎると灯油が熱分解して炭化し燃料供給管に詰りが生ずる虞があるため、こうしたトラブルの発生を回避することが実用化には不可欠となる。
従来においては、前述の如きトラブルの発生を回避するために、エジェクタを使用し、過熱した改質用水蒸気に灯油を混合することにより、水蒸気の熱を用いて安全な温度域で灯油を完全に気化させるようにしたものがある。(例えば、特許文献1参照。)
特開2002−53305号公報
しかしながら、前述の如くエジェクタを使用して過熱した改質用水蒸気に灯油を混合するのでは、部分負荷時のように、燃料としての灯油の流量が減少し、少ない量の灯油がエジェクタから噴霧されるような場合、灯油が液状のままボタ落ちしてしまい、うまく蒸発させることができなくなり、この結果、使用できる負荷範囲が限定されるという問題を有していた。
このため、エジェクタ等を使用することなく、全ての負荷範囲に亘って灯油を所望の気化温度で確実に気化させることができ、信頼性の向上並びにシステム全体としての発電効率の向上に貢献し得る燃料電池用灯油燃料気化装置の開発が進められている。
図4〜図6は本発明者等によって開発が進められている燃料電池用灯油燃料気化装置を含んだ燃料電池システムの一例を示すものであって、図中、1は改質器、2は改質器1から排出される排ガスの熱により改質水を蒸発させて水蒸気を発生させ更に約350[℃]程度に過熱する水蒸発・過熱器、3は前記排ガスの熱により原燃料としての灯油を部分気化させる部分気化器、4は部分気化器3で部分的に気化された灯油に水蒸発・過熱器2からの過熱蒸気を混合させることにより、灯油を完全に気化させ改質原燃料として改質器1へ導く混合ヘッダ、5は改質器1で改質した改質ガスをプロセス冷却水で所要温度(およそ200〜250[℃]前後)に温度降下させCOとH2OをCO2とH2に変換する低温シフトコンバータ、6は低温シフトコンバータ5を通過した改質ガスをプロセス冷却水で冷却し酸化反応によってCOを除去する選択酸化CO除去器、7は選択酸化CO除去器6を通過した改質ガスを加湿する加湿器、8はカソード8aとアノード8bを有する固体高分子型の燃料電池である。
又、2aは改質器1から排出される排ガスの熱により改質水を予熱して水蒸発・過熱器2へ導く給水予熱器、9は改質器1へ供給する原燃料並びに改質熱源燃料としての灯油の脱硫を行う脱硫器である。
更に又、10は燃料電池8から交流電力を取り出すインバータ、11はカソード8aから排出される水の排熱を回収してコージェネ用給水を温める排熱回収器、12は燃料電池8を冷却して温度上昇した冷却水の熱を利用して前記排熱回収器11で温められたコージェネ用給水を更に加熱し温水を得るための熱交換器、13は燃料電池8を冷却して温度上昇した冷却水を必要に応じて冷却するラジエータ、14はカソード8aから排出される水に含まれる排気を分離する気水分離器、14’は気水分離器14で排気が分離された水並びに給水が貯留される水タンクである。
ここで、前記改質器1と、その改質器関連機器としての給水予熱器2a、水蒸発・過熱器2、部分気化器3、混合ヘッダ4、低温シフトコンバータ5、及び選択酸化CO除去器6は、図5に示す如く、燃料改質装置として一つのユニットにまとめてあり、該ユニットに対し、内筒15aと外筒15bとの間に真空の断熱層15cが形成される真空断熱容器15を被せて覆うようにしてある。
図5及び図6に示す例の場合、前記真空断熱容器15の内筒15a自体を改質器1の一部として利用するようにし、該内筒15aの内部における中心部に、燃焼器16から噴射される燃焼ガスが流通する炉筒17を配置すると共に、該炉筒17と前記内筒15aとの間に燃焼ガスの流路18を形成し、該流路18内に、内部に改質触媒(図示せず)が装填され原料ガスを流通させてその改質を行うための複数(図6の例では六本)の改質管19を並設し、改質器1を構成するようにしてある。尚、前記改質管19は、内管19aと外管19bとからなる二重管構造としてあり、原料ガスを内管19aと外管19bとの間に形成される外側の空間内に充填した改質触媒層を上昇させて前記燃焼ガスと熱交換させて水素リッチガスに改質した後、その上端で折り返して内管19aの内側の空間内を下降させるようにしてある。
前記改質器1の炉筒17は、燃料処理装置底板20から立設されたベース内筒21の上端部に連結配置してあり、燃料処理装置底板20の外周端縁から立ち上がる長さの短いベース外筒22の上端部に対し、前記真空断熱容器15の下端部を図示していないボルト・ナット等の締結手段により着脱自在となるよう気密に接続し、前記燃料処理装置底板20とベース内筒21とベース外筒22と真空断熱容器15の内筒15aとで画成され且つ前記燃焼ガスの流路18に連通する筒状の空間23内に、前記改質器1の改質器関連機器としての給水予熱器2a、水蒸発・過熱器2、部分気化器3、混合ヘッダ4、低温シフトコンバータ5、及び選択酸化CO除去器6を配設するようにしてある。
前記ベース内筒21の内部には、前記燃焼器16へ空気を供給するための空気流路24を形成すると共に、前記燃焼器16へアノードオフガスを供給するためのアノードオフガス供給流路25を形成し、又、前記燃焼器16には、改質熱源燃料としての灯油を灯油供給管26から供給するようにしてあり、これにより、前記アノードオフガスだけでは改質器1で不足する熱量を、前記改質熱源燃料としての灯油で賄うことができる。
一方、図5に示す如く、前記部分気化器3は、灯油の完全気化温度(およそ300[℃]前後)より低い所要温度(およそ200〜250[℃]前後)に制御される改質器関連機器としての低温シフトコンバータ5の外側に、所要の伝熱面積を有する灯油供給管3aを配設することにより形成し、改質器1から排出され流路18を経て筒状の空間23内を流れる排ガスと灯油とを熱交換させることにより、灯油を部分的に気化させるようにしてある。尚、前記低温シフトコンバータ5の外側ではなくその内側に所要の伝熱面積を有する灯油供給管3aを配設して部分気化器3を形成し、改質器1から排出され且つ灯油の完全気化温度より低い所要温度に制御される改質ガスと灯油とを熱交換させることにより、灯油を部分的に気化させるようにすることも可能である。
又、前記選択酸化CO除去器6と低温シフトコンバータ5の内部には、図5に示す如く、プロセス冷却水を通過させて気化させ、その気化熱により選択酸化CO除去器6と低温シフトコンバータ5を冷却するようにし、該選択酸化CO除去器6と低温シフトコンバータ5を冷却した後のプロセス冷却水は、混合ヘッダ4において過熱蒸気と混合されて完全に気化された灯油と一緒に改質管19内へ導入するようにしてある。
次に、図4〜図6に示す燃料電池用灯油燃料気化装置の作用を説明する。
灯油は脱硫器9で脱硫された後、原燃料として部分気化器3へ導かれるが、図4〜図6に示す例の場合、該部分気化器3は、灯油の完全気化温度(およそ300[℃]前後)より低い所要温度(およそ200〜250[℃]前後)に制御される改質器関連機器としての低温シフトコンバータ5の外側に、所要の伝熱面積を有する灯油供給管3aを配設することにより形成してあるため、改質器1から排出され流路18を経て筒状の空間23内を流れる排ガスと灯油とが熱交換することにより、灯油が部分的に気化された状態となる。尚、前記低温シフトコンバータ5の外側ではなくその内側に所要の伝熱面積を有する灯油供給管3aを配設して部分気化器3を形成した場合には、改質器1から排出され且つ灯油の完全気化温度より低い所要温度に制御される改質ガスと灯油とが熱交換することにより、灯油が部分的に気化される形となる。
ここで、灯油の完全気化温度(およそ300[℃]前後)より低い所要温度(およそ200〜250[℃]前後)では、灯油はおよそ半分が蒸発するため、部分気化器3の灯油供給管3a内を高速で流れ、未蒸発分もミスト状となって混合ヘッダ4に導かれ、同時に、改質水は、給水予熱器2aにおいて改質器1から排出される排ガスの熱により予熱されて水蒸発・過熱器2へ導かれ、該水蒸発・過熱器2において、改質器1から排出される排ガスの熱により蒸発し更に約350[℃]程度に過熱され過熱蒸気となり、前記混合ヘッダ4へ導かれる。
前記混合ヘッダ4において、部分気化器3で部分的に気化された灯油は、気液二層流の状態で、水蒸発・過熱器2からの過熱蒸気と混合されることにより、完全に気化され、改質原燃料として改質器1へ導かれ、改質が行われる。尚、前記改質器1で改質された改質ガスは、低温シフトコンバータ5と選択酸化CO除去器6を通過した後、加湿器7を介して燃料電池8のアノード8bへ導かれると共に、空気が加湿器7を介して前記燃料電池8のカソード8aへ導かれ、発電が行われ、インバータ10により燃料電池8から交流電力が取り出され、又、前記アノード8bから排出され電力発生用として使い切られずに残ったアノードオフガスは、改質器1の燃焼器16へ導かれ燃料ガスとして再利用される一方、前記カソード8aから排出される水は、排熱回収器11でコージェネ用給水を温め、気水分離器14で排気が分離された後、給水が貯留される水タンク14’に集められ、選択酸化CO除去器6と低温シフトコンバータ5それぞれのプロセス冷却水、並びに改質水の一部として用いられる。
即ち、前記低温シフトコンバータ5の温度制御が正常に行われている限り、気化温度が低すぎて灯油が全部蒸発しきらずに改質触媒を傷めてしまうような心配は全くなくなる一方、気化温度が高すぎて灯油が熱分解して炭化し部分気化器3の灯油供給管3aに詰りが生じてしまうような心配も全くなくなるため、長期に亘って信頼性の高い運転を行うことが可能となる。
又、従来のようにエジェクタを使用して過熱した改質用水蒸気に灯油を混合するのとは異なり、部分負荷時に改質原燃料としての灯油の流量が減少したとしても、灯油は液状のままボタ落ちしてしまうことなく、混合ヘッダ4内に確実に噴霧され、うまく蒸発させることが可能となり、この結果、使用できる負荷範囲が限定されなくなる。
更に又、灯油の気化に必要な熱は全て、改質器1から排出される排ガス或いは改質ガスの熱を回収することで賄われ、電気ヒータ等の外部の熱源を使用しないため、発電効率の高いシステムになる。
こうして、エジェクタ等を使用することなく、全ての負荷範囲に亘って灯油を所望の気化温度で確実に気化させることができ、信頼性の向上並びにシステム全体としての発電効率の向上に貢献し得る。
一方、改質熱源燃料としての灯油に関しても、改質原燃料としての灯油と同様に部分的に気化させて、改質器1の燃焼器16へ供給するよう構成すれば、燃焼器16として設計の容易な気化式バーナを適用でき、より実用的な燃料電池発電システムを構築することが可能となる。
しかしながら、前述の如き燃料電池用灯油燃料気化装置を含んだ燃料電池システムの場合、起動時には、制御上、先ず改質器1の温度をおよそ400[℃]程度まで高める必要があるため、それに伴って低温シフトコンバータ5の温度が通常運転時より高くなると共に、部分気化器3の灯油供給管3aの温度も高くなり、該灯油供給管3aの上流側における、灯油が部分気化される前の液相部分において、灯油が沸点以上の温度に過熱され突然沸騰をおこす現象、即ち突沸が発生しやすくなるという問題が生じることが、本発明者等の研究によって新たに確認された。
ここで、不連続な沸騰は、灯油の供給圧力を大きく変動させてしまい、気化させた灯油の送出流量を不安定にするため、燃料改質装置の出口での改質ガス量の瞬間的な欠乏によって燃料電池8が運転不能状態に陥ることがあり、又、特に固体高分子型の燃料電池8の場合は、過渡的なCO濃度上昇によって電池スタックにダメージを与える虞もあった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、灯油の突沸の発生を防止して、気化させた灯油の送出流量を安定化し得、燃料電池の円滑な運転に貢献し得る燃料電池用灯油燃料気化装置を提供しようとするものである。
本発明は、灯油の完全気化温度より低い所要温度に制御される改質器関連機器の外側に、所要の伝熱面積を有する灯油供給管を配設して形成され、灯油を部分的に気化させる部分気化器と、
該部分気化器で部分的に気化された灯油に過熱蒸気を混合させることにより、灯油を完全に気化させ改質原燃料として改質器へ導く混合ヘッダと
を備えた燃料電池用灯油燃料気化装置であって、
灯油供給管内に、灯油の流速を増加させ且つ乱流を発生させる灯油流れ変更手段を設けたことを特徴とする燃料電池用灯油燃料気化装置にかかるものである。
又、本発明は、灯油の完全気化温度より低い所要温度に制御される改質器関連機器の内側に、所要の伝熱面積を有する灯油供給管を配設して形成され、灯油を部分的に気化させる部分気化器と、
該部分気化器で部分的に気化された灯油に過熱蒸気を混合させることにより、灯油を完全に気化させ改質原燃料として改質器へ導く混合ヘッダと
を備えた燃料電池用灯油燃料気化装置であって、
灯油供給管内に、灯油の流速を増加させ且つ乱流を発生させる灯油流れ変更手段を設けたことを特徴とする燃料電池用灯油燃料気化装置にかかるものである。
前記燃料電池用灯油燃料気化装置においては、灯油流れ変更手段を、灯油供給管内に挿入される芯材によって構成することができ、又、芯材を、複数本のワイヤを縒ることによって構成することができる。
更に、前記燃料電池用灯油燃料気化装置においては、改質器関連機器が、改質器で改質した改質ガスをおよそ200〜250[℃]前後に温度降下させCOとH2OをCO2とH2に変換する低温シフトコンバータであるようにすることができる。
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
起動時には、制御上、先ず改質器の温度をおよそ400[℃]程度まで高める必要があるため、それに伴って低温シフトコンバータの温度が通常運転時より高くなると共に、部分気化器の灯油供給管の温度も高くなり、該灯油供給管の上流側における、灯油が部分気化される前の液相部分において、灯油が沸点以上の温度に過熱され突然沸騰をおこす現象、即ち突沸が発生しやすくなるのであるが、このように灯油が突沸を起すのは、灯油供給管の内径が比較的大きく、その内部を流れる灯油の流速が極めて遅く、乱れがほとんどないことが原因であり、このため、灯油供給管の管径を小さくすることも有効であると考えられるが、灯油の気化に必要な伝熱面積を確保する観点からは、灯油供給管の管径を小さくすることは困難となる。
しかしながら、本発明のように、灯油流れ変更手段を灯油供給管内に設ければ、該灯油供給管の管径を小さくするのとは異なり、灯油供給管の伝熱面積を減少させることなく、灯油の流速を増加させ且つ乱流を発生させることが可能となり、更に、灯油供給管内の液体灯油保有量が低減され、気液二層流部分では流路抵抗が増大し、灯油の気化がスムーズになり、改質器への気化灯油の安定供給が広い温度範囲で可能となる。
この結果、灯油の供給圧力の変動が小さくなり、気化させた灯油の送出流量が安定するため、燃料改質装置の出口で改質ガス量が瞬間的に欠乏することがなく、燃料電池が運転不能状態に陥ってしまうようなことがなくなり、又、固体高分子型の燃料電池の場合であっても、過渡的なCO濃度上昇が避けられ、電池スタックにダメージを与える心配もない。
又、灯油流れ変更手段として、複数本のワイヤを縒ることによって構成した芯材を灯油供給管内に挿入配置するようにすれば、施工を容易に行うことが可能となり、大きな利点となる。
本発明の請求項1〜5記載の燃料電池用灯油燃料気化装置によれば、灯油の突沸の発生を防止して、気化させた灯油の送出流量を安定化し得、燃料電池の円滑な運転に貢献し得るという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図4〜図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図4〜図6に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1及び図2に示す如く、部分気化器3の灯油供給管3a内に、灯油の流速を増加させ且つ乱流を発生させる灯油流れ変更手段27を設けた点にある。
本図示例の場合、前記灯油流れ変更手段27は、灯油供給管3a内に挿入される芯材27Aによって構成し、該芯材27Aは、複数本(図1及び図2の例では三本)のワイヤ27aを縒ることによって構成してある。
尚、前記ワイヤ27aを縒ることによって構成した芯材27Aは、図5に示す燃料改質装置の外部から燃料処理装置底板20を貫通して燃料改質装置の内部に延びるように混合ヘッダ4に接続される灯油供給管3aの内部に、その全長に亘って挿入配置するようにしてある。
又、部分気化器3は、図5に示す如く、灯油の完全気化温度(およそ300[℃]前後)より低い所要温度(およそ200〜250[℃]前後)に制御される改質器関連機器としての低温シフトコンバータ5の外側に、所要の伝熱面積を有する灯油供給管3aを配設することにより形成し、改質器1から排出され流路18を経て筒状の空間23内を流れる排ガスと灯油とを熱交換させることにより、灯油を部分的に気化させるようにしてあるが、前記低温シフトコンバータ5の外側ではなくその内側に所要の伝熱面積を有する灯油供給管3aを配設して部分気化器3を形成し、改質器1から排出され且つ灯油の完全気化温度より低い所要温度に制御される改質ガスと灯油とを熱交換させることにより、灯油を部分的に気化させるようにすることも可能である。
次に、上記図示例の作用を説明する。
起動時には、制御上、先ず改質器1の温度をおよそ400[℃]程度まで高める必要があるため、それに伴って低温シフトコンバータ5の温度が通常運転時より高くなると共に、部分気化器3の灯油供給管3aの温度も高くなり、該灯油供給管3aの上流側における、灯油が部分気化される前の液相部分において、灯油が沸点以上の温度に過熱され突然沸騰をおこす現象、即ち突沸が発生しやすくなるのであるが、このように灯油が突沸を起すのは、灯油供給管3aの内径が比較的大きく、その内部を流れる灯油の流速が極めて遅く、乱れがほとんどないことが原因であり、このため、灯油供給管3aの管径を小さくすることも有効であると考えられるが、灯油の気化に必要な伝熱面積を確保する観点からは、灯油供給管3aの管径を小さくすることは困難となる。
しかしながら、本図示例のように、複数本(図1及び図2の例では三本)のワイヤ27aを縒ることによって構成した灯油流れ変更手段27としての芯材27Aを灯油供給管3a内に挿入配置すれば、該灯油供給管3aの管径を小さくするのとは異なり、灯油供給管3aの伝熱面積を減少させることなく、灯油の流速を増加させ且つ乱流を発生させることが可能となり、更に、灯油供給管3a内の液体灯油保有量が低減され、気液二層流部分では流路抵抗が増大し、灯油の気化がスムーズになり、改質器1への気化灯油の安定供給が広い温度範囲で可能となる。
この結果、灯油の供給圧力の変動が小さくなり、気化させた灯油の送出流量が安定するため、燃料改質装置の出口で改質ガス量が瞬間的に欠乏することがなく、燃料電池8が運転不能状態に陥ってしまうようなことがなくなり、又、固体高分子型の燃料電池8の場合であっても、過渡的なCO濃度上昇が避けられ、電池スタックにダメージを与える心配もない。
又、本図示例の場合、複数本のワイヤ27aを縒ることによって構成した灯油流れ変更手段27としての芯材27Aを灯油供給管3a内に挿入配置するだけで、施工が容易に行えることも一つの大きな利点となる。
尚、実機において、外径がφDo=φ4[mm]で内径がφDi=φ2[mm]の灯油供給管3a内に、三本のワイヤ27aを縒ることによって外径がφd=φ1[mm]程度となるように構成した芯材27Aを挿入した場合と、挿入しない場合とで実際に比較試験を行ったところ、芯材27Aを挿入しない場合には、図3(b)に示す如く、起動後の灯油供給圧力が大きく変動しているのに対し、芯材27Aを挿入した場合には、図3(a)に示す如く、起動後の灯油供給圧力の変動が小さくなったことが確認された。
こうして、灯油の突沸の発生を防止して、気化させた灯油の送出流量を安定化し得、燃料電池の円滑な運転に貢献し得る。
一方、改質熱源燃料としての灯油を燃焼器16へ供給する灯油供給管26(図5参照)に関しても、改質原燃料としての灯油が流通する灯油供給管3aと同様に、灯油流れ変更手段27としての複数本のワイヤ27aからなる芯材27Aを挿入配置するよう構成すれば、気化させた灯油を安定して燃焼器16に供給できることから、該燃焼器16での燃焼が安定し、より実用的な燃料電池発電システムの構築に役立つこととなる。
尚、本発明の燃料電池用灯油燃料気化装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例における灯油供給管を示す断面図である。 図1のII−II断面図である。 (a)は本発明を実施する形態の一例における起動後の灯油供給管内の灯油供給圧力と灯油流量とを示す線図、(b)は従来例における起動後の灯油供給管内の灯油供給圧力と灯油流量とを示す線図である。 本発明者等によって開発が進められている燃料電池システムの一例を示す全体系統図である。 図4に示される燃料電池システムの一例における改質器及び改質器関連機器を一つのユニットにまとめた燃料改質装置を示す側断面図である。 図5のVI−VI断面図である。
符号の説明
1 改質器
3 部分気化器
3a 灯油供給管
4 混合ヘッダ
5 低温シフトコンバータ(改質器関連機器)
8 燃料電池
8a カソード
8b アノード
27 灯油流れ変更手段
27A 芯材
27a ワイヤ

Claims (5)

  1. 灯油の完全気化温度より低い所要温度に制御される改質器関連機器の外側に、所要の伝熱面積を有する灯油供給管を配設して形成され、灯油を部分的に気化させる部分気化器と、
    該部分気化器で部分的に気化された灯油に過熱蒸気を混合させることにより、灯油を完全に気化させ改質原燃料として改質器へ導く混合ヘッダと
    を備えた燃料電池用灯油燃料気化装置であって、
    灯油供給管内に、灯油の流速を増加させ且つ乱流を発生させる灯油流れ変更手段を設けたことを特徴とする燃料電池用灯油燃料気化装置。
  2. 灯油の完全気化温度より低い所要温度に制御される改質器関連機器の内側に、所要の伝熱面積を有する灯油供給管を配設して形成され、灯油を部分的に気化させる部分気化器と、
    該部分気化器で部分的に気化された灯油に過熱蒸気を混合させることにより、灯油を完全に気化させ改質原燃料として改質器へ導く混合ヘッダと
    を備えた燃料電池用灯油燃料気化装置であって、
    灯油供給管内に、灯油の流速を増加させ且つ乱流を発生させる灯油流れ変更手段を設けたことを特徴とする燃料電池用灯油燃料気化装置。
  3. 灯油流れ変更手段を、灯油供給管内に挿入される芯材によって構成した請求項1又は2記載の燃料電池用灯油燃料気化装置。
  4. 芯材を、複数本のワイヤを縒ることによって構成した請求項3記載の燃料電池用灯油燃料気化装置。
  5. 改質器関連機器が、改質器で改質した改質ガスをおよそ200〜250[℃]前後に温度降下させCOとH2OをCO2とH2に変換する低温シフトコンバータである請求項1〜4いずれかに記載の燃料電池用灯油燃料気化装置。
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