JP2006194723A - 加振力同定方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

加振力同定方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】実働時の加振力が作用する点に加振器を装着できない場合であっても、精度良く実働時の加振力を同定し得る方法を提供する。
【解決手段】実働時に構造物(15)に可動部品によって加振力が作用するときに応答測定点で振動応答を測定する手順1と、可動部品を除いた状態の構造物に加振器を装着しこの加振器を用いて予め知り得る加振力を作用させたときにも前記答測定点を含んだ応答測定点で振動応答を測定し、この測定された振動応答のデータと前記予め知り得る加振力とに基づいて可動部品による加振力が作用する位置より振動応答点までの振動伝達特性を得る手順2と、この手順2によって得られる振動伝達特性の逆行列と、手順1によって測定される振動応答のデータとに基づいて、実働時に可動部品によって作用する加振力を推定する手順3とを含む加振力同定方法において、加振器を装着する位置のうち少なくとも一つを、可動部品による実働時の加振力が実際に作用しない任意の位置とする。
【選択図】図3

Description

この発明は、加振力同定方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
可動部品を有する自動車用エンジンなどの機械構造物において、その可動部品の運動により構造物に加振力が作用する場合に、その可動部品が構造物に対して衝突するなどの衝撃的な入力によって構造物の振動や騒音が誘起される。これらの加振力の周波数特性と、構造の振動伝達特性の両者を理解することによって、どの加振力がどの周波数において寄与が高いかなどを解明することは、振動や騒音の改善を行う上で極めて重要である。
そこで、従来から比較的周波数が低い範囲においては、機構解析などによって、力の釣り合い式を逐次積分で求めることで、可動部品による加振力の推定を行うなどのアプローチが取られてきた。
しかしながら、解析すべき周波数が高周波に及んだり、衝突のような非線形現象ではその推定精度が十分でなかった。
一方、推定精度向上のために、3次元の高精度モデルを作成したり解析する方法があるが、この方法では時間を要するわりに精度の向上が現時点では望めないため、実験的なアプローチが学会で報告されている。例えば、特許文献1では、実働時の振動応答は、実働時に可動部品によって作用する加振力と、この加振力の作用する位置より応答測定点までの振動伝達特性をかけ合わせることで求めることができることを表現した式を出発点として、マトリックスで表現されているその振動伝達特性の逆行列を、前記式の両辺に掛け合わせることで、実働時の加振力を推定(同定)している。
この特許文献1の技術内容を説明すると、図10は、V型エンジンの軸受102に作用する加振力Fを求める場合を示す。この場合、シリンダブロック100には、軸受102やベアリングビーム103によってクランク軸101が保持され、クランク軸101には、ピストン106、コンロッド107が装着されている。そして、図示しない燃焼室の燃焼加振力がピストン106、コンロッド107、クランク軸101からなる可動部品を介して軸受101へと伝達される。
シリンダブロック100は、ガスケット110を介して装着されるシリンダヘッド111やオイルパン104、105と共に箱構造を構成し、この箱構造の構造物によって燃焼加振力等を受け止めている。
図11は、実働時の加振力の推定方法をモデルで表している。上記実働時の軸受加振力Fを求める場合には、実際に加振力Fが発生している位置に加振器を装着し、その加振力Fの作用する位置より応答測定点までの振動伝達特性116を求める。そして、その求めた振動伝達特性116の逆行列を、実働時に求めた振動応答115に掛け合わせることによって実働時の軸受加振力Fを算出(推定)する。
エンジンを運転すると、実際にはクランク軸受入力以外の複数の入力が存在するため、これらをもう少し概念図として定式化したのが、図12と図13である。シリンダブロック相当の構造体117に作用する実働時の加振力119が、その作用点120に加わるときに振動応答118が発生する。具体的には図12に示したように実働時に構造体117の3つの異なる点にそれぞれ加振力f1、f2、f3が作用しているとして、その各加振力の作用する点と加振力の作用する点以外の2つ点で実測される構造体の振動加速度をd21/dt2、d22/dt2、d23/dt2、d24/dt2、d25/dt2としたとき、運動方程式は次のように表される。
Figure 2006194723
ここで、行列で表されている振動伝達特性の要素hjiは、
ji=(j点に生じる振動加速度)/(i点の加振力)…(補1)
の式で定義される値(イナータンス)である。なお、構造体の各点における変位は三次元でつまりx、y、zの各方向に生じるのであるが、上記(1)式はx方向のみで代表させている。
上記(1)式の振動伝達特性[hji]を求めることができれば、上記(1)式の両辺に振動伝達特性[hji]の逆行列を掛けることによって、つまり次式により実働時の加振力f1、f2、f3を求める(推定)ことができる。
Figure 2006194723
このため、特許文献1では、図13に示したように、実働時の加振力f1、f2、f3が実際に作用する位置に加振器を装着し予め分かっている加振力F1、F2、F3を作用させて図12と同じ5つの応答測定点で振動加速度d21/dt2)、d22/dt2、d23/dt2、d24/dt2、d25/dt2を測定する。
この加振時には次の運動方程式が成立する。
Figure 2006194723
従って、この(3)式を解けば振動伝達特性[hji]が求まるので、後はこの求めた振動伝達特性[hji]の逆行列を上記の(2)式に代入して実働時の加振力f1、f2、f3を求めている。
大槻、他2名,「パワートレイン振動予測に対するFE−実験ハイブリッドモデル化開発」 ,社団法人自動車技術会 ,1999年,学術講演会前刷集9934825 ,p.13−16
ところで、特許文献1による方法にあっては、同定できる実働時の加振力に制約があった。
これについて説明すると、実働時の加振力が作用する点より応答測定点までの振動伝達特性を、慣性質量タイプのミニ加振器を用いて測定するのが一般的であるところ、ミニ加振器と言えども40〜50mmの寸法があるため、構造体に加振器を装着できない部位が存在する。例えば、動弁機構を駆動するチェーンの張力調整器(テンショナー)からの加振力を同定する場合、張力調整器とチェーンケースとの間に隙間が無いために、ミニ加振器を装着できない。そこで、例えばチェーンケースに小さな加工孔を設けてこの加工孔に加振用のイクステンションを取り付け、この加振用イクステンションを介して加振を行うことが考えられる。
この場合に、チェーンケース剛性の影響が元々小さい場合は良いが、高周波になると孔を開けたことによるチェーンケース剛性の低下の影響を無視できなくなり、そんぶん振動伝達特性の演算精度が悪くなり、加振力の同定精度が低下してしまう。
動弁機構からの入力(加振力)も同様である。例えば樹脂カバー等に孔をあけて加振用のイクステンションを用いて加振を行い振動伝達特性を得ることになるので、樹脂カバーの剛性の低下を無視できなくなる高周波域で振動伝達特性の演算精度が悪くなり、加振力の同定精度が低下する。
また、特許文献1の技術では、扱っている加振力をクランク軸周りやピストンに限定することによって、扱わなかった加振力は、想定した入力に含まれる形となっているため、大括りな同定しかできない。そこで、実際に加振力が入力すると思われる点を全て考慮に入れていくと、エンジンでも70〜80もの加振力を取り扱う必要が発生する。これは、振動伝達特性を測定する際に装着する加振器の位置が70〜80ヶ所あることをも意味する。一般的に実働時のデータを用いて加振力を同定する場合には、その加振自由度の最低2〜3倍の応答測定点が必要であるといわれているため、加振力の数を80、応答測定点の数を80×2、つまり80×160とすると、測定すべき振動伝達特性の数は12800にもなってしまう。さらに、ミニ加振器は加振力も小さいため、信号処理における平均化処理のためにサンプル回数を多くする必要があることや、同時に測定できる信号処理装置のチャンネル数にも制約があるため、この規模の加振実験の測定に要する期間は2〜3ヶ月に及ぶことになる。その間、加振器の着脱には何度もエンジンの分解組立が必要となることから、ネジ部(特に塑性域締め)の結合特性を一定に保つのが難しい。
そこで本発明は、実働時の加振力が作用する点に加振器を装着できない場合であっても、精度良く実働時の加振力を同定し得る方法を提供することを目的とする。
本発明は、実働時に構造物に可動部品によって加振力が作用するときに応答測定点で振動応答を測定する手順1と、前記可動部品を除いた状態の構造物に加振器を装着しこの加振器を用いて予め知り得る加振力を作用させたときにも前記応答測定点を含んだ応答測定点で振動応答を測定し、この測定された振動応答のデータと前記予め知り得る加振力とに基づいて前記可動部品による加振力が作用する位置より振動応答点までの振動伝達特性を得る手順2と、この手順2によって得られる振動伝達特性の逆行列と、前記手順1によって測定される振動応答のデータとに基づいて、前記実働時に可動部品によって作用する加振力を推定する手順3とを含む加振力同定方法において、前記加振器を装着する位置のうち少なくとも一つを、前記可動部品による実働時の加振力が実際に作用しない任意の位置とする。
また、本発明は、実働時に構造物に可動部品によって加振力が作用するときに応答測定点で振動応答を測定する手順1と、前記可動部品を除いた状態の構造物に加振器を装着しこの加振器を用いて予め知り得る加振力を作用させたときにも前記応答測定点で振動応答を測定し、この測定された振動応答のデータと前記予め知り得る加振力とに基づいて前記可動部品による加振力が作用する位置より振動応答点までの振動伝達特性を得る手順2と、この手順2によって得られる振動伝達特性の逆行列と、前記手順1によって測定される振動応答のデータとに基づいて、前記実働時に可動部品によって作用する加振力を推定する手順3とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記加振器を装着する位置のうち少なくとも一つを、前記可動部品による実働時の加振力が実際に作用しない位置とする。
本発明によれば、実働時に構造物に可動部品によって加振力が作用するときに応答測定点で振動応答を測定する手順1と、前記可動部品を除いた状態の構造物に加振器を装着しこの加振器を用いて予め知り得る加振力を作用させたときにも前記応答測定点を含んだ応答測定点で振動応答を測定し、この測定された振動応答のデータと前記予め知り得る加振力とに基づいて前記可動部品による加振力が作用する位置より振動応答点までの振動伝達特性を得る手順2と、この手順2によって得られる振動伝達特性の逆行列と、前記手順1によって測定される振動応答のデータとに基づいて、前記実働時に可動部品によって作用する加振力を推定する手順3とを含む加振力同定方法において、または実働時に構造物に可動部品によって加振力が作用するときに応答測定点で振動応答を測定する手順1と、前記可動部品を除いた状態の構造物に加振器を装着しこの加振器を用いて予め知り得る加振力を作用させたときにも前記応答測定点で振動応答を測定し、この測定された振動応答のデータと前記予め知り得る加振力とに基づいて前記可動部品による加振力が作用する位置より振動応答点までの振動伝達特性を得る手順2と、この手順2によって得られる振動伝達特性の逆行列と、前記手順1によって測定される振動応答のデータとに基づいて、前記実働時に可動部品によって作用する加振力を推定する手順3とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記加振器を装着する位置のうち少なくとも一つを、前記可動部品による実働時の加振力が実際に作用しない任意の位置とするので、実働時の加振力が作用する位置に加振器を装着できない場合においても、その加振器を装着できない位置に作用する実働時の加振力を含めて精度良く実働時の加振力を推定(同定)することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明をV型エンジンに適用して加振実験を行う際の概略構成図である。
加振実験は、エンジンを分解して図示しないクランク軸やピストン、コンロッドなどの可動部品を抜き取った上で、元通りに組み立て直したエンジンに対して実行する。なお、図1には可動部品を除いた静的な構造体の主要な部品(シリンダブロック11、シリンダヘッド12、13、オイルパン14)を分解した状態で示している。
1は力変換器(ロードセル)で、一端は加振用のスティンガー2の前端に装着され、他端はシリンダブロック11に装着されている。
スティンガー2の後端には動電型の加振器3が装着されている。この加振器3は計測・解析装置7からの指令を受けるドライバー9によって駆動され、スティンガー2を介してシリンダブロック11に対し任意の加振力を加えることができるようになっている。この加振器3により加えられる加振力は上記の力変換器1により検出される。
ここでは、動電型の加振器3を装着している場合で説明するが、これに限られるものでなく、ハンマリングなど他の方法で加振を行うようにしてもかまわない。
シリンダブロック11、シリンダヘッド12、13、オイルパン14を主要な部品とする上記の構造体には、加振器3により予め知り得る加振力を加えた際の構造体の振動応答を検出するため複数の応答測定点が設定され、この各応答測定点に振動加速度ピックアップ5がそれぞれ装着されている。ここで、10を始めとする無数の●印は加速度ピックアップ5の装着位置(つまり応答測定点)を示している。複数の加速度ピックアップ5の装着位置は、実働時の加振力を推定(同定)したい対象周波数範囲内にある主要モードを把握できるような空間分解能で振動を計測できるように設定する。
上記力変換器1により検出される加振力と、振動加速度ピックアップ5により検出される振動加速度とは、それぞれセンサーケーブル4,6を介して計測・解析装置7に入力され、この計測・解析装置7では信号ケーブル8を介してドライバー9に駆動信号を出力するほか、これら入力信号に基づいて振動伝達特性(=振動加速度/加振力)を演算する。
一方、加振実験とは別に、上記のように可動部品を除いていない実際のエンジンをエンジンダイナモメーター上に搭載して、実際にエンジンにトルクを発生させたとき(実働時)の振動測定を同じ応答測定点で行う。この振動測定にも、上記の加速度ピックアップ5及び計測・解析装置7を用いる。通常、エンジンでは、燃焼加振力を始め、クランク軸受からの入力、動弁機構からの入力、動弁機構の駆動装置からの入力、オイルポンプからの入力、ウォータポンプからの入力など数多くの加振力が発生しており、同定したい実働時の加振力の数は70〜80個に及ぶ。実動時に測定されるデータに平均化処理を施しても誤差の影響を受ける場合には、求める加振力の数よりも応答測定点の数を多めにして最小自乗法で求めるため、応答測定点の数を80以上にすることが望ましい。
さて、このようにして加振実験により得られる振動伝達特性と、実働時に得られる実機振動(振動加速度)とから、計測・解析装置7において実動時の加振力の同定を行う。 実際の演算内容を図2、図3を参照しながら説明する。
図2は第1実施形態の実働時の振動特性を、図3は加振時の振動伝達特性を説明するための概念図である。
Hで記した構造体15は一般的な構造物のイメージを表すものであって、今までの説明で言うところのエンジンに対応する。
今、理解を簡便にするために、図2最上段に示したように実動時の加振力18を3種類に限定してf1、f2、f3とする。これら加振力f1、f2、f3は作用点17に常に一定方向に作用する。また、構造物の5つの異なる応答測定点における振動応答16(振動加速度)をd24/dt2、d25/dt2、d26/dt2、d27/dt2、d28/dt2で示している。
このとき、次の運動方程式が成立する。
Figure 2006194723
また、加振実験によって、構造物の振動伝達特性を得る。この場合、従来方法(特許文献1)とは異なり、図3下段に示したように実働時の加振力が作用する3つの点20に加振器を装着するのではなく、F1で示したように、エンジン表面で加振を実行しやすい位置を加振し、実働時の加振力が作用する点の振動を含んで、構造物の振動加速度(d21/dt2、d22/dt2、d23/dt2、d24/dt2、d25/dt2、d26/dt2、d27/dt2、d28/dt2)を測定することによって、モーダルデータ(モード質量、モード剛性、モード減衰、モードベクトルの総称)を抽出する。そして、モードベクトルを用いることで、次のように任意の位置間の振動伝達特性を推定できる。
Figure 2006194723
ただし、実際には実験できる対象周波数範囲が限定されるため、この対象周波数範囲の下限より小さい周波数範囲と対象周波数範囲の上限を超える周波数範囲からの影響を考慮して、次式のような補正を加えることによって、振動伝達特性を推定することもある。
Figure 2006194723
(5)式、(6)式左辺の値(以下、「hハットji」という。)はi点加振時のj点応答で、(5)式、(6)式によればN自由度のモードの重ね合わせで振動伝達特性をモードベクトルより再合成できることを表している。また、hにつけたハットは推定値であることを表す。
ここで、(5)式、(6)式右辺において、φri、φrjはr次のモードベクトル、mr、cr、krはr次のモード質量、モード減衰、モード剛性、ωは角振動数(=2πf)、Ωrはr次モードの不減衰固有角振動数、βrはω/Ωr、ζrはr次のモードの減衰比(=Cr/Ccr、Ccr:モード臨界減衰定数)、Krはkr/(φriφrj)である。pはp次のモードを、nはn次のモードを表している。
従って、これら(5)式、(6)式を用いて得られる振動伝達特性、つまり図3左上に示した振動伝達特性[hハットji]を用いると、上記(4)式のように、実働時の振動加速度d24/dt2〜d28/dt2は、実働時の加振力f1、f2、f3と、この振動伝達特性[hハットji]との乗算で求めることが可能である。後は、従来方法と同様に、求めたい実働時の加振力f1、f2、f3は、振動伝達特性[hハットji]の逆行列である[hハットji-1と実働時の振動加速度d24/dt2〜d28/dt2とから求めることができる。
なお、加振実験時における加振位置として、実働時の加振力が作用する点を選択できるならもちろんその位置を用いることは問題ない。むしろ、その点に関しては、実働時加振力作用点の振動特性を用いることが可能となり振動伝達特性の演算精度の向上が図れる。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態(請求項1に記載の発明)によれば、実働時に構造体(構造物)に可動部品によって加振力f1、f2、f3が作用するときに応答測定点で振動応答を測定する手順1と、可動部品を除いた状態の構造物に加振器を装着しこの加振器を用いて予め知り得る加振力F1を作用させたときにも前記応答測定点を含んだ応答測定点で振動応答を測定し、この測定された振動応答のデータ(振動加速度)d21/dt2、d22/dt2、d23/dt2、d24/dt2、d25/dt2、d26/dt2、d27/dt2、d28/dt2と予め知り得る加振力F1とに基づいて可動部品による加振力が作用する位置より振動応答点までの振動伝達特性[hハットji]を得る手順2と、この手順2によって得られる振動伝達特性[hハットji]の逆行列と、手順1によって測定される振動応答のデータ(振動加速度)d24/dt2〜d28/dt2とに基づいて、実働時に可動部品によって作用する加振力f1、f2、f3を推定する手順3とを含む加振力同定方法において、前記加振器を装着する位置のうち少なくとも一つは、可動部品による実働時の加振力が実際に作用しない位置であるので、実働時の加振力が作用する位置に加振器を装着できない場合においても、その加振器を装着できない位置に作用する実働時の加振力f3を含めて精度良く実働時の加振力f1、f2、f3を推定(同定)することができる。
本実施形態(請求項2に記載の発明)によれば、手順2で得る振動伝達特性[hハットji]を、(5)式に示したように構造物のモードベクトルφri、φrj(振動モード)をモード次数1よりNまでについて総和することで(つまり重ね合わせで)求めるので、加振器の装着自由度が飛躍的に増大すると共に、構造物の振動モードが励起できるに十分な加振器の数で良いため、加振点の数も大幅に低減でき解析時間を短縮できる。
本実施形態(請求項10に記載の発明)によれば、手順1、手順2及び手順3を一つの計測・解析装置によって行わせるので、実働時の振動応答のデータや振動伝達関数を求めるのに必要となるデータを一元管理・処理できるばかりか、自動演算を容易に行わせることができる。
図4、図5は第2実施形態で、図3の手法で求めた振動伝達特性を示している。
図中には複数の線が記述されているが、これは採用モード数の違いである。ここで、採用モードは対象周波数範囲内のモードと対象周波数範囲外のモードとからなっており、採用モード数とは対象周波数範囲内にあるモードの数(最低モード数)と対象周波数範囲外のモードの数との合計である。
図4と図5とでは、同一の加振力F1(図3参照)を作用させた点より異なる応答測定点までの振動伝達特性のレベルを表しており、採用モードを3、6、10、13と変化させたとき、図4のように振動伝達特性の変化が少ない応答測定点と、図5のように振動伝達特性の変化が大きい点とが存在する。なお、採用モード数を変えることは上記(6)式においてpやnを変えることを意味し、これによって(6)式左辺のhハットjiが変化する。このhハットjiの対数表示(底を10とする)が図4、図5の縦軸の値である。
図5では、特に反共振点のバラツキが大きく、この反共振点も含んだ振動伝達特性[hハットji]を用いて実働時の加振力を求めたときには図6破線に示すように実働時の加振力の同定精度が低下してしまう。
そこで、第2実施形態では、まず求めたい実働時の加振力の個数より少し多めの応答測定点についてモーダルデータを取得した後に、採用モード数を変化(増加)させ、推定した振動伝達特性の変化が小さい応答測定点を採用し、推定した振動伝達特性の変化が大きい応答測定点を捨てるプロセス(取捨選択プロセス)を持ち込むようにする。
これによって、図6一点鎖線に示すように実働時の加振力の推定(同定)精度を飛躍的に向上できる。ここで、図6において実線は実測値である。
このように、第2実施形態(請求項4に記載の発明)によれば、手順2の振動伝達特性を得る際に、採用モード数を変化させたときに手順2の振動伝達特性の変化が少ない応答測定点を用いるので、採用モード数を変化させたときに振動伝達特性の変化が大きい応答測定点を用いる場合より加振力の推定精度を格段に向上できる。
図7は第3実施形態で、本発明の方法による効果を検証するため簡略な構造物での解析例を示している。
この構造物つまり図7(a)に示すようなT字型の構造物において縦壁の中央に縦壁に対して直交する方向に作用する加振力(模擬的に加振器を装着して、実際に入る入力を作りだしている。)をf1とし、そのf1の作用する点より縦壁左端中央に位置するA点(応答測定点)までの振動伝達特性を図7(b)に、f1の作用する点より水平壁手前右端に位置するB点(応答測定点)までの振動伝達特性を図7(c)に示す。これらの振動伝達特性は、加振実験として縦壁左上端に作用させる加振力F1の加振によって求めたモードベクトルにより推定されるものである。
なお、図7(b)、図7(c)の縦軸は周波数応答関数(Frequency Response Function)とも表現する。
図7(b)、図7(c)をみれば、応答測定点がB点であるときの採用モードの違いによる振動伝達特性の変化のほうが、応答測定点がA点であるときの採用モードの違いによる振動伝達特性の変化よりも大きくなっている。これより、振動伝達特性を推定する際に、様々な振動モードの節との関係などより、周波数応答関数(振動伝達関数)を上手く推定できる応答測定点(つまりA点)と、うまく推定できない応答測定点(つまりB点)とが発生することがわかる。
そこで、第3実施形態では、基準のデータ(例えば、その時点で測定可能な最大のモード数を用いて求めた振動伝達特性など)に対して、この基準のデータを得たときの採用モードと異なる採用モード数のときの振動伝達特性の乖離の程度を判定するため、次式のPを新たに導入する。
Figure 2006194723
ここで、周波数応答関数FRFに付したAは基準のデータのときの、これに対して周波数応答関数FRFに付したBは基準のデータと異なる採用モード数のときの値であることを意味させている。
上記(7)式左辺第2項は、基準のデータのときの周波数応答関数FRFAの逆数と、基準のデータと異なる採用モード数のときの周波数応答関数FRFBの逆数との差の絶対値を基準のデータのときの周波数応答関数FRFAの逆数で割り、その割った値を対象周波数範囲の最低の角振動数ω1より、対象周波数範囲の最大の角振動数ωNまで総和して対象周波数範囲内に存在するデータ個数であるNで除して平均値を算出し、1からのその平均値を差し引いた値であるので、Pは応答測定点に関して対象周波数範囲内の平均的な乖離度合いを表す。
例えば、Pが100%ということは、基準のデータと異なる採用モード数のときの振動伝達特性が基準のデータのときの振動伝達特性と一致することを意味する。Pが負の値となる場合は、基準のデータのときの振動伝達特性に対して、基準のデータと異なる採用モード数のときの振動伝達特性が、基準のデータのときの振動伝達特性より大きい側に2倍よりも大きく乖離していることを意味する。
具体的に、図7(b)に示したA点までの振動伝達特性を上記(7)式に導入して計算すると、Pは94%になり、このときの加振力のレベルは図7(d)破線に示したように、全ての応答計測点(図7(d)の黒丸の点は全部で15ある)での振動伝達特性を用いて求めたとき(一点鎖線参照)よりも、真の加振力(実線参照)に近づいている。これに対して図7(c)に示したB点までの振動伝達特性を上記(7)式に導入して計算したときPは−50%になり、このときの加振力レベルは図7(d)二点鎖線に示したように、真の加振力(実線参照)から大きく離れてしまっている(図7(a)に示す加振力f1の推定度が低下している)。従って、少なくともPが負の値を採る応答測定点であるB点は、加振力f1の推定(同定)には排除すべきであることがわかる。このように上記(7)式のPを用いると、加振力f1の推定に排除すべき応答測定点であるか否かが定量的に明らかになる。
ただし、このように応答測定点であるA点やB点までの振動伝達特性を用いてPを計算し、この計算したPとゼロ(所定値)を比較し、Pが負(所定値未満)となるときにはそのPの計算に用いたB点を応答測定点から排除するとするのは一つの考え方であり、他の考え方としては、Pの目標値(例えば80%)を定めておき、Pがこの目標値未満となる応答測定点を排除することが考えられる。
第3実施形態(請求項5に記載の発明)によれば、手順2の振動伝達特性の変化が少ないか否かを応答測定点に関して対象周波数範囲内の平均的な乖離度合いを表す値であるPに基づいて判定するので、応答測定点として自動的に選別させることが可能となり、専門家による判断を不要とすることができる。
上記(7)式のPは、応答測定点に関して対象周波数範囲内の平均的な乖離度合いを表す値であったが、これに変えて次式を用いてもかまわない(第5実施形態)。
Figure 2006194723
この(8)式のEによれば、各周波数(各角振動数)ごとの誤差を算出できる。従って、特定の周波数(角振動数)が基準のデータのときより特別に乖離しているかどうかを判断するためには(8)式が必要となり、この(8)式によればデータの分散がどうなっているかを解析できる。また、特段に悪い振動伝達特性を有する応答測定点を排除することで、加振力の同定精度が向上する。
具体的には、応答測定点までの振動伝達特性を用いてEを計算し、この計算したEと所定値を比較し、Eが所定値以上となる応答測定点を排除する。この場合に所定値は理想的には0%であるが、実際には適合により定める(例えば50%)。
ここで、上記(7)式、(8)式のように周波数応答関数FRFの逆数を採用しているのは、反共振点を中心にした付近でPやEの値が大きくなるようにするためである。
このように、第5実施形態(請求項7に記載の発明)によれば、基準のデータのときの周波数応答関数FRFAの逆数と、基準のデータと異なる採用モード数のときの周波数応答関数FRFBの逆数との差の絶対値を基準のデータのときの周波数応答関数FRFAの逆数で割った値(E)を対象周波数範囲内の個々の角振動数毎の誤差として算出するので、特定の角振動数(周波数)での品質チェックが可能となる。
また、第5実施形態(請求項8に記載の発明)によれば、その角振動数毎の誤差が大きい場合にその大きな誤差を有する周波数応答関数FRFBを排除するので、品質の悪い周波数応答関数を含めて加振力を推定する場合よりも加振力の推定精度が向上する。
図8は第4実施形態の実働時の振動特性を、図9は加振時の振動伝達特性を説明するための概念図である。
第4実施形態は、実働時の加振力が作用する位置に加振器を装着できない場合に相反性を利用して構造体の振動伝達特性を求める方法である。
具体的に説明すると、図8に示したように実働時に3つの加振力f1、f2、f3が作用する場合に、加振実験時に図9のように2つの加振力f1、f2が作用したと同じ位置に予め知り得る加振力F1、F2を作用させることができるものの、加振力f3が作用する位置には加振器を装着することができない、従って加振力F3を作用させることできないとする。
このようなときには、まず実働時にd21/dt2、d22/dt2、d24/dt2、d25/dt2を計測することで次式が成立する。
Figure 2006194723
この場合に、加振実験時にf3の作用する位置に加振力F3を作用させることができないと、振動伝達特性[hji]のうちh13、h23、h43、h53を求めることができない。
しかしながら、相反性の定理より、h31=h13、h32=h23、h34=h43、h35=h53であるので、h13、h23、h43、h53に代えてh31、h32、h34、h35を用いることができ、従って、上記(9)式は次式のように書き直すことができる。なお、求める加振力の数以上に応答点を設定できればよいので、図9では4箇所としているだけである。
Figure 2006194723
そこで、第4実施形態では、加振実験時に図9に示したように加振器により加振力F
1、F2、F4、F5を作用させ、このときf3の作用する点を含んだ5つ応答測定点に発生する振動加速度d21/dt2、d22/dt2、d23/dt2、d24/dt2、d25/dt2を測定し、次式により、h11、h21、h41、h51、h12、h22、h42、h52、h31、h32、h34、h35を算出し、(10)式の振動伝達特性[hji]を決定する。
11=(d21/dt2)/F1…(11a)
21=(d22/dt2)/F1…(11b)
41=(d24/dt2)/F1…(11c)
51=(d21/dt2)/F1…(11d)
12=(d22/dt2)/F2…(11e)
22=(d22/dt2)/F2…(11f)
42=(d22/dt2)/F2…(11g)
52=(d22/dt2)/F2…(11h)
31=(d21/dt2)/F1…(11i)
32=(d22/dt2)/F2…(11j)
34=(d24/dt2)/F4…(11k)
35=(d25/dt2)/F5…(11l)
このように、第4実施形態(請求項9に記載の発明)によれば、可動部品による加振力f3が作用する位置に加振器を装着できないとき、その位置での振動応答のデータを採用せず、かつ加振器を装着できなかった位置の数以上の加振器を可動部品による加振力が作用しない任意の位置に装着して手順2の振動伝達特性を求めるので、実働時の加振力が作用する点に加振器を装着できないために、その駆動点周波数特性が測定できなくても、それを代用する精度の高い振動伝達特性を入手することが可能となり、精度よく実働時の加振力を推定することができる。
実施形態では、方法で説明したが、実働時に構造物に可動部品によって加振力が作用するときに応答測定点で振動応答を測定する手順1と、前記可動部品を除いた状態の構造物に加振器を装着しこの加振器を用いて予め知り得る加振力を作用させたときにも前記応答測定点で振動応答を測定し、この測定された振動応答のデータと前記予め知り得る加振力とに基づいて前記可動部品による加振力が作用する位置より振動応答点までの振動伝達特性を得る手順2と、この手順2によって得られる振動伝達特性の逆行列と、前記手順1によって測定される振動応答のデータとに基づいて、前記実働時に可動部品によって作用する加振力を推定する手順3とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記加振器を装着する位置のうち少なくとも一つを、前記可動部品による実働時の加振力が実際に作用しない位置とすることもできる(請求項11に記載の発明)。
本発明をV型エンジンに適用して加振実験を行う場合の第1実施形態の概略構成図。 第1実施形態の実働時の振動特性の概念図。 第1実施形態の加振時の振動伝達特性の概念図。 第2実施形態の振動伝達特性レベルの特性図。 第2実施形態の振動伝達特性レベルの特性図。 第2実施形態の加振力レベルの特性図。 第3実施形態のT字型構造物の斜視図。 第3実施形態の入力点f1からA点までの振動伝達特性レベルの特性図。 第3実施形態の入力点f1からB点までの振動伝達特性レベルの特性図。 第3実施形態の加振力レベルの特性図。 第4実施形態の実働時の振動特性の概念図。 第4実施形態の加振時の振動伝達特性の概念図。 従来の加振力の同定方法を説明するための概略構成図。 従来の加振力の同定方法を説明するための概念図。 従来の実働時の振動特性の概念図。 従来例の加振時の振動伝達特性の概念図。
符号の説明
1 力変換器
3 加振器
5 加速度ピックアップ
7 計測・解析装置
11 シリンダブロック(構造物)

Claims (20)

  1. 実働時に構造物に可動部品によって加振力が作用するときに応答測定点で振動応答を測定する手順1、
    前記可動部品を除いた状態の構造物に加振器を装着しこの加振器を用いて予め知り得る加振力を作用させたときにも前記応答測定点を含んだ応答測定点で振動応答を測定し、この測定された振動応答のデータと前記予め知り得る加振力とに基づいて前記可動部品による加振力が作用する位置より振動応答点までの振動伝達特性を得る手順2、
    この手順2によって得られる振動伝達特性の逆行列と、前記手順1によって測定される振動応答のデータとに基づいて、前記実働時に可動部品によって作用する加振力を推定する手順3
    を含む加振力同定方法において、
    前記加振器を装着する位置のうち少なくとも一つを、前記可動部品による実働時の加振力が実際に作用しない任意の位置とすることを特徴とする加振力同定方法。
  2. 前記手順2で得る振動伝達特性を構造物の振動モードの重ね合わせで求めることを特徴とする請求項1に記載の加振力同定方法。
  3. 前記手順2で得る振動伝達特性を、相反性を利用して求めることを特徴とする請求項1に記載の加振力同定方法。
  4. 前記手順2の振動伝達特性を得る際に、採用モード数を変化させたときに前記手順2の振動伝達特性の変化が少ない応答測定点を用いることを特徴とする請求項2に記載の加振力同定方法。
  5. 前記手順2の振動伝達特性の変化が少ないか否かを前記応答測定点に関して対象周波数範囲内の平均的な乖離度合いを表す値に基づいて判定することを特徴とする請求項4に記載の加振力同定方法。
  6. 前記対象周波数範囲内の平均的な乖離度合いを表す値は、基準のデータのときの周波数応答関数の逆数と、基準のデータと異なる採用モード数のときの周波数応答関数の逆数との差の絶対値を基準のデータのときの周波数応答関数の逆数で割り、その割った値を対象周波数範囲内の最低の角振動数より対象周波数範囲内の最大の角振動数まで総和し、その総和を対象周波数範囲内に存在するデータ個数で除して平均値を算出し、1からその平均値を差し引いた値であることを特徴とする請求項5に記載の加振力同定方法。
  7. 基準のデータのときの周波数応答関数の逆数と、基準のデータと異なる採用モード数のときの周波数応答関数の逆数との差の絶対値を基準のデータのときの周波数応答関数の逆数で割った値を対象周波数範囲内の個々の角振動数毎の誤差として算出することを特徴とする請求項6に記載の加振力同定方法。
  8. 前記角振動数毎の誤差が大きい場合にその大きな誤差を有する周波数応答関数を排除することを特徴とする請求項7に記載の加振力同定方法。
  9. 前記可動部品による加振力が作用する位置に加振器を装着できないとき、その位置での振動応答のデータを採用せず、かつ加振器を装着できなかった位置の数以上の加振器を前記可動部品による加振力が作用しない任意の位置に装着して前記手順2の振動伝達特性を求めることを特徴とする請求項3に記載の加振力同定方法。
  10. 前記手順1、手順2及び手順3を一つの計測・解析装置によって行わせることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の加振力同定方法。
  11. 実働時に構造物に可動部品によって加振力が作用するときに応答測定点で振動応答を測定する手順1、
    前記可動部品を除いた状態の構造物に加振器を装着しこの加振器を用いて予め知り得る加振力を作用させたときにも前記応答測定点で振動応答を測定し、この測定された振動応答のデータと前記予め知り得る加振力とに基づいて前記可動部品による加振力が作用する位置より振動応答点までの振動伝達特性を得る手順2、
    この手順2によって得られる振動伝達特性の逆行列と、前記手順1によって測定される振動応答のデータとに基づいて、前記実働時に可動部品によって作用する加振力を推定する手順3
    を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
    前記加振器を装着する位置のうち少なくとも一つは、前記可動部品による実働時の加振力が実際に作用しない位置であることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. 前記手順2で得る振動伝達特性を構造物の振動モードの重ね合わせで求めることを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  13. 前記手順2で得る振動伝達特性を、相反性を利用して求めることを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  14. 前記手順2の振動伝達特性を得る際に、採用モード数を変化させたときに前記手順2の振動伝達特性の変化が少ない応答測定点を用いることを特徴とする請求項12に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  15. 前記手順2の振動伝達特性の変化が少ないか否かを前記応答測定点に関して対象周波数範囲内の平均的な乖離度合いを表す値に基づいて判定することを特徴とする請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  16. 前記対象周波数範囲内の平均的な乖離度合いを表す値は、基準のデータのときの周波数応答関数の逆数と、基準のデータと異なる採用モード数のときの周波数応答関数の逆数との差の絶対値を基準のデータのときの周波数応答関数の逆数で割り、その割った値を対象周波数範囲内の最低の角振動数より対象周波数範囲内の最大の角振動数まで総和し、その総和を対象周波数範囲内に存在するデータ個数で除して平均値を算出し、1からその平均値を差し引いた値であることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  17. 基準のデータのときの周波数応答関数の逆数と、基準のデータと異なる採用モード数のときの周波数応答関数の逆数との差の絶対値を基準のデータのときの周波数応答関数の逆数で割った値を対象周波数範囲内の個々の角振動数毎の誤差として算出することを特徴とする請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  18. 前記角振動数毎の誤差が大きい場合にその大きな誤差を有する周波数応答関数を排除することを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  19. 前記可動部品による加振力が作用する位置に加振器を装着できないとき、その位置での振動応答のデータを採用せず、かつ加振器を装着できなかった位置の数以上の加振器を前記可動部品による加振力が作用しない任意の位置に装着して前記手順2の振動伝達特性を求めることを特徴とする請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  20. 前記手順1、手順2及び手順3を一つの計測・解析装置によって行わせることを特徴とする請求項11から19までのいずれか一つに記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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