JP2006194534A - エジェクタサイクル - Google Patents

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Takuo Maehara
拓男 前原
Makoto Ikegami
真 池上
Hirotsugu Takeuchi
裕嗣 武内
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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
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Abstract

【課題】 エジェクタサイクルにおいて、オイルが蒸発器内部に溜まりことによる不具合、すなわち、冷凍能力の低下や圧縮機の焼きつきを防止する。
【解決手段】 蒸発器5で蒸発した気相冷媒がエジェクタ3に吸引されるエジェクタサイクルにおいて、蒸発器冷媒入口51を蒸発器冷媒出口52よりも上方に位置させる。これにより、蒸発器冷媒入口51と蒸発器冷媒出口52間のヘッド差によって圧損が少なくなるため、蒸発器5に流入したオイルは、蒸発器冷媒出口52側に向かってスムーズに流れやすくなる。したがって、蒸発器5内にオイルが停滞しにくくなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、流体を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する作動流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプであるエジェクタ(JIS Z 8126 番号2.1.2.3等参照)を有するエジェクタサイクルに関する。
従来のエジェクタサイクルは、液冷媒を蒸発器内部に溜めておき、圧縮機起動時に冷媒蒸発量を十分に確保してエジェクタの駆動流量や吸引流量の不足を防止するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−289536号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエジェクタサイクルは、液冷媒を蒸発器内部に溜めるようにしているため、運転中にオイルの流れが阻害されてオイルが蒸発器内部に溜まりやすくなる傾向にある。その結果、蒸発器内がオイルにより閉塞され、冷却運転が不能になって冷凍能力の低下を招くばかりでなく、圧縮機へのオイル循環量が低下することから圧縮機が焼きつく場合も考えられる。
本発明は上記点に鑑みて、エジェクタサイクルにおいて、オイルが蒸発器内部に溜まることによる不具合、すなわち、冷凍能力の低下や圧縮機の焼きつきを防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、オイルが混合された冷媒を吸入して冷媒を圧縮する圧縮機(1)と、圧縮機(1)にて圧縮された高圧冷媒を冷却する放熱器(2)と、放熱器(2)から流出した高圧冷媒をノズル部(3a)にて減圧加速し、ノズル部(3a)から噴射される高速冷媒流の巻き込み作用により気相冷媒を吸引するエジェクタ(3)と、エジェクタ(3)から流出する冷媒を気相と液相とに分離する気液分離器(4)と、気液分離器(4)から流出した液相冷媒を蒸発させる蒸発器(5)とを備え、蒸発器(5)で蒸発した気相冷媒がエジェクタ(3)に吸引されるエジェクタサイクルにおいて、蒸発器(5)の冷媒入口(51)が、蒸発器(5)の冷媒出口(52)よりも上方に位置することを特徴とする。
これによると、蒸発器の冷媒入口と冷媒出口間のヘッド差(高低差)によって圧損が少なくなるため、蒸発器に流入したオイルは、冷媒出口側に向かってスムーズに流れやすくなる。したがって、蒸発器内にオイルが停滞しにくくなり、冷凍能力の低下や圧縮機の焼きつきを防止することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のエジェクタサイクルにおいて、蒸発器(5)は、冷媒が液相または気液二相となる部位にて冷媒が持ち上げられ、冷媒が気相となる部位では冷媒の持ち上げがない構成であることを特徴とする。
これによると、蒸発器内の液相域または二相域においては液冷媒とオイルが溶解しており、気相域のようにオイルが単独で存在する場合よりもオイルが持ち上がりやすい。したがって、蒸発器に流入したオイルは、冷媒出口側に向かってスムーズに流れて蒸発器内に停滞しにくくなるため、冷凍能力の低下や圧縮機の焼きつきを防止することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載のエジェクタサイクルにおいて、蒸発器(5)の冷媒出口(52)は、蒸発器(5)における最も低い位置に配置されていることを特徴とする。
これによると、蒸発器の冷媒入口と冷媒出口間のヘッド差を大きくすることができるため、請求項1の発明の効果を確実に得ることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1に記載のエジェクタサイクルにおいて、蒸発器(5)の冷媒入口(51)は、蒸発器(5)における最も高い位置に配置され、蒸発器(5)の冷媒出口(52)は、蒸発器(5)における最も低い位置に配置されていることを特徴とする。
これによると、蒸発器の冷媒入口と冷媒出口間のヘッド差を最も大きくすることができるため、請求項1の発明の効果を一層確実に得ることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1または4に記載のエジェクタサイクルにおいて、蒸発器(5)は、蒸発器(5)内の全領域において冷媒およびオイルが上から下へ流れる構成であることを特徴とする。
これによると、蒸発器内部において冷媒およびオイルを持上げる部分がなく、常に下方向にオイルが流れるために蒸発器内にオイルが停滞しづらく、冷凍能力の低下や圧縮機の焼きつきを一層確実に防止することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1に記載のエジェクタサイクルにおいて、蒸発器(5)は、冷媒が気相となる部位で冷媒が持ち上げられる構成であり、冷媒が持ち上げられる部位での冷媒の流速が、オイルを持ち上げ可能な流速以上になるように設定されていることを特徴とする。
これによると、気相域でもオイルが持ち上げられて、蒸発器に流入したオイルは冷媒出口側に確実に流れるため、冷凍能力の低下や圧縮機の焼きつきを防止することができる。
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のエジェクタサイクルにおいて、冷媒が気液二相となる部位にて冷媒が持ち上げられるように、エジェクタ(3)と気液分離器(4)と蒸発器(5)の上下方向の位置関係が設定されていることを特徴とする。
ところで、エジェクタ、気液分離器、および蒸発器の位置関係によってはシステム性能(冷凍能力、COP等)を大幅に低下させるだけでなく、サイクルが成立しない負荷領域が出現することも考えられる。
これに対し、請求項7の発明によると、高い密度の液冷媒を持ち上げる場合よりも、冷媒を持ち上げるときの圧損が少なくなるため、システム性能の低下を防止し、システムの安定化を図ることができる。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載のエジェクタサイクルにおいて、気液分離器(4)の冷媒入口(41)が、エジェクタ(3)の冷媒出口(33)よりも上方に位置することを特徴とする。
これによると、エジェクタから流出する気液二相冷媒が気液分離器に向かって持ち上げられるため、請求項7と同様の効果を得ることができる。
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載のエジェクタサイクルにおいて、エジェクタ(3)の吸引流入口(32)が、蒸発器(5)の冷媒出口(52)よりも下方に位置し、蒸発器(5)の冷媒入口(51)が、気液分離器(4)の液冷媒出口(43)よりも下方に位置することを特徴とする。
ところで、蒸発器の冷媒出口とエジェクタの吸引流入口の間で冷媒の持ち上げが必要な場合は、蒸発器の冷媒出口にて高密度、高粘度のオイルが停滞し易くなり、そのオイルの影響によって圧損が増大する恐れがある。
これに対し、請求項9の発明によると、蒸発器の冷媒出口からエジェクタの吸引流入口に向かう冷媒は下方に向かって流れるため、オイルの影響による圧損増加を回避することができるとともに、気液分離器の液冷媒出口から蒸発器の冷媒入口に向かう冷媒も下方に向かって流れるため、液冷媒持ち上げによる圧損増加を回避することができる。
請求項10に記載の発明では、請求項7または8に記載のエジェクタサイクルにおいて、気液分離器(4)の液冷媒出口(43)と蒸発器(5)の冷媒入口(51)との間に、液相冷媒を二相化する減圧機構(6)を備え、蒸発器(5)の冷媒入口(51)が、気液分離器(4)の液冷媒出口(42)よりも上方に位置することを特徴とする。
これによると、蒸発器に向かって持ち上げられる冷媒は減圧機構によって二相化されているため、請求項7と同様の効果を得ることができる。
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載のエジェクタサイクルにおいて、エジェクタ(3)の吸引流入口(32)が、蒸発器(5)の冷媒出口(52)よりも下方に位置することを特徴とする。
これによると、蒸発器の冷媒出口からエジェクタの吸引流入口に向かう冷媒は下方に向かって流れるため、オイルの影響による圧損増加を回避することができる。
ところで、冷媒との相溶性が高いオイルを用いた場合に蒸発器内部のオイル溜まりが顕著になるため、請求項1ないし11の発明は、請求項12に記載の発明ように、冷媒との相溶性が高いオイルを用いるエジェクタサイクルに好適である。
請求項13に記載の発明のように、冷媒として、フロン系冷媒、HC系冷媒、二酸化炭素のいずれかを使用することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係るエジェクタサイクルの構成図、図2は図1のエジェクタサイクルにおける主要構成要素の配置位置を示す模式図である。
図1において、圧縮機1は冷媒を吸入圧縮するものであり、この圧縮機1で高圧状態となった冷媒は放熱器2に流入し、放熱器2は冷媒を空気と熱交換させて冷却する。因みに、冷媒には、圧縮機1の潤滑のためのオイルが混合されており、オイルは冷媒とともにサイクル内を流れるようになっている。
放熱器2で冷却された冷媒は、駆動流入口31からエジェクタ3に流入する。エジェクタ3に流入した冷媒は、エジェクタ3内部のノズル部3aで圧力エネルギが速度エネルギに変換される。この時、ノズル部3aから高速で噴出する作動流体の巻き込み作用によって、後述する蒸発器5にて蒸発した気相冷媒を吸引流入口32から吸引する。さらに、冷媒の通路面積が拡大していくディフューザ部3bで冷媒の膨張エネルギを圧力エネルギに変換し、エジェクタ3の冷媒流れ下流の圧縮機1の吸入圧を上昇させる。
エジェクタ冷媒出口33から流出した気液二相状態の冷媒は、分離器冷媒入口41から気液分離器4に流入する。気液分離器4では、流入した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して冷媒を蓄えており、分離された気相冷媒は気相冷媒出口42から流出した後、圧縮機1に吸引されて再び圧縮される。
一方、分離された液相冷媒は、液相冷媒出口43から流出した後、蒸発器冷媒入口51から蒸発器5に流入する。蒸発器5は、図示しないチューブやタンクによって蒸発器内冷媒通路53が形成され、蒸発器冷媒入口51から流入した液相冷媒は、蒸発器内冷媒通路53を流れる際に空気と熱交換して蒸発するようになっている。そして、蒸発した気相冷媒は蒸発器冷媒出口52から流出した後、吸引流入口32からエジェクタ3に吸引される。
次に、図2に基づいて、主要構成要素の設置時における位置関係について説明する。分離器冷媒入口41は、エジェクタ冷媒出口33よりも上方に位置し、エジェクタ3の吸引流入口32は、蒸発器冷媒出口52よりも下方に位置し、蒸発器冷媒入口51は、分離器液冷媒出口43よりも下方に位置している。
また、蒸発器5は、蒸発器冷媒入口51が蒸発器冷媒出口52よりも上方に位置し、且つ、蒸発器内冷媒通路53は蒸発器冷媒入口51から蒸発器冷媒出口52までヘッドが単調減少して、すなわち、蒸発器内冷媒通路53は連続的に下降して、冷媒の持ち上げがないフローパターンになっている。換言すると、蒸発器5内の全領域において冷媒が上から下へ流れる構成になっている。また、蒸発器冷媒入口51は蒸発器5における最も高い位置に配置され、蒸発器冷媒出口52は蒸発器5における最も低い位置に配置されている
上記構成において本実施形態の作動を説明する。圧縮機1が起動すると、気液分離器4から気相冷媒が圧縮機1に吸入され、圧縮された冷媒が放熱器2に吐出される。そして、放熱器2にて空気で冷却された冷媒は、エジェクタ3のノズル部3aに流入する。この時、冷媒は絞り部により通路面積を絞られることにより減圧膨張される。換言すると、圧力エネルギが速度エネルギに変換される。
ノズル部3aを通過した冷媒は噴出口から高速度で噴出する。この時、蒸発器5で気相となった冷媒が、高速度の噴出流により吸引流入口32から吸引される。噴出口から噴出した冷媒と吸引流入口32から吸引された気相冷媒は混合部で混合しながらディフューザ部3bへ流れる。そして、ディフューザ部3bで冷媒の動圧が静圧に変換されて気液分離器4へ流出する。
一方、エジェクタ3により蒸発器5内の冷媒が吸引されるため、蒸発器5には気液分離器4から液相冷媒が流入する。蒸発器5に流入した冷媒は空気から吸熱して蒸発する。
本実施形態では、蒸発器冷媒入口51が蒸発器冷媒出口52よりも上方に位置しているため、蒸発器冷媒入口51と蒸発器冷媒出口52との間のヘッド差によって圧損が少なくなり、蒸発器5に流入した冷媒およびオイルは、蒸発器冷媒出口52側に向かってスムーズに流れやすくなる。したがって、蒸発器5内にオイルが停滞しにくくなり、冷凍能力の低下や圧縮機1の焼きつきを防止することができる。しかも、蒸発器5内の全領域において冷媒が上から下へ流れる構成になっているため、蒸発器5内にオイルが停滞しづらく、冷凍能力の低下や圧縮機1の焼きつきを一層確実に防止することができる。
また、蒸発器冷媒入口51は蒸発器5における最も高い位置に配置され、蒸発器冷媒出口52は蒸発器5における最も低い位置に配置されているため、蒸発器5の冷媒入口と冷媒出口間のヘッド差を最も大きくすることができる。
また、分離器冷媒入口41がエジェクタ冷媒出口33よりも上方に位置し、気液二相の冷媒が持ち上げられるため、冷媒を持ち上げるときの圧損が少なくなる。
また、エジェクタ3の吸引流入口32が蒸発器冷媒出口52よりも下方に位置し、蒸発器冷媒出口52から吸引流入口32に向かう冷媒は下方に向かって流れるため、オイルの影響による圧損増加を回避することができる。
さらに、蒸発器冷媒入口51が分離器液冷媒出口43よりも下方に位置し、分離器液冷媒出口43から蒸発器冷媒入口51に向かう冷媒も下方に向かって流れるため、液冷媒持ち上げによる圧損増加を回避することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図3は第2実施形態に係るエジェクタサイクルの主要構成要素の配置位置を示す模式図である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、蒸発器内冷媒通路53は、蒸発器冷媒入口51から蒸発器冷媒出口52まで連続的に下降して、冷媒の持ち上げがないフローパターンになっているが、本実施形態では、蒸発器内冷媒通路53は、蒸発器冷媒入口51に近い位置で一旦上昇し、その後は、蒸発器冷媒出口52まで下降している。換言すると、蒸発器冷媒入口51に近い液相または二相域において冷媒を一度持ち上げ、冷媒が気相域となる部位では冷媒の持ち上げがないフローパターンとするものである。
これによると、蒸発器5内の液相域または二相域においては液冷媒とオイルが溶解しており、気相域のようにオイルが単独で存在する場合よりもオイルが持ち上がりやすい。したがって、蒸発器5に流入したオイルは、冷媒出口側に向かってスムーズに流れて蒸発器5内に停滞しにくくなるため、冷凍能力の低下や圧縮機1の焼きつきを防止することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図4は第3実施形態に係るエジェクタサイクルの主要構成要素の配置位置を示す模式図である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、蒸発器内冷媒通路53は、蒸発器冷媒入口51から蒸発器冷媒出口52まで連続的に下降して、冷媒の持ち上げがないようなフローパターンになっているが、本実施形態では、蒸発器内冷媒通路53は、蒸発器冷媒入口51から連続的に下降した後、蒸発器冷媒出口52に近い位置で上昇している。換言すると、蒸発器冷媒出口52に近い冷媒が気相となる部位で冷媒が持ち上げられるフローパターンとするものである。
ところで、エジェクタサイクルにおいては、回収可能なエネルギ量が少ない運転状態のとき、例えば、エジェクタサイクルを冷凍空調システムとして用いる場合において外気温が低いときや、車両の走行駆動源である内燃機関によって圧縮機1が駆動される場合において内燃機関がアイドリング状態のときには、エジェクタ3のポンプ機能が著しく低下してしまうため、蒸発器5から吸引される冷媒の吸引流量も低下して蒸発器5内に流入する液冷媒量が減少し、冷凍能力の低下を招く。
また、蒸発器5から吸引される吸引流量が減少すると、蒸発器5内での気相冷媒の過熱度が大きくなり、高粘度のオイルが蒸発器5の配管壁面に滞留しやすくなる。すなわち、吸引流の冷媒流速が著しく低下していることもあり、過熱ガス域でのオイル流速は非常に遅くなり、蒸発器5に流入するオイルの量との収支がとれずに蒸発器5内にオイルが滞留していく。このような状況が長時間続くと、蒸発器5内がオイルにより閉塞し冷却運転が不能になるばかりでなく、圧縮機1へのオイル循環量が低下することから圧縮機1が焼きつく場合も考えられる。
ここで、蒸発器5内の過熱ガス域となる部位でオイルが上方向に持ち上がる際に最低限必要な冷媒流速Ugは、式1により求められ、オイル密度、ガス密度、配管内径および重力加速度に影響されることが分かっている。
(式1)
Ug=〔G・dx・{(ρoil−ρg)/ρg}〕0.5
なお、G:重力加速度(m/sec)、ρoil:オイル密度(kg/m)、ρg:冷媒ガス密度(kg/m)、dx:状態xでの配管内径(m)である。
この知見より、蒸発器5出口付近に停滞したオイルが配管壁面に積層していくような状態を考えると、オイル停滞により気相冷媒の流路面積が局所的に小さくなり、冷媒流速が上昇する。その結果、オイル停滞部の冷媒流速がUg を超えると壁面に停滞していたオイルが一気に還流して流路面積が元の状態に戻る。このような現象を繰返して結果的にオイルを還流させることが可能であることが知見として得られている。但し、実現象としてはオイル粘性等の影響も受けると考えられる。
そこで、冷媒が気相となる部位で冷媒が持ち上げられる構成の本実施形態では、冷媒が持ち上げられる部位での冷媒の流速が、オイルを持ち上げ可能な流速Ug以上になるように、蒸発器5の仕様が設定されている。具体的には、冷媒が持ち上げられる部位の配管径を小さくすることで流速を増加させる等が考えられる。
これによると、冷媒が気相となる部位でもオイルが持ち上げられて、蒸発器5に流入したオイルは冷媒出口側に確実に流れるため、冷凍能力の低下や圧縮機1の焼きつきを防止することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。図5は第4実施形態に係るエジェクタサイクルの主要構成要素の配置位置を示す模式図である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、分離器液冷媒出口43と蒸発器冷媒入口51との間に、より詳細には、分離器液冷媒出口43に近接した位置に、液相冷媒を二相化する固定絞り6を設けている。また、蒸発器冷媒入口51は、分離器液冷媒出口43および絞り6よりも上方に位置している。これによると、蒸発器5に向かって持ち上げられる冷媒は絞り6によって二相化されているため、冷媒を持ち上げるときの圧損が少なくなる。
なお、気液分離器4と蒸発器5との間で冷媒が持ち上げられるため、分離器冷媒入口41をエジェクタ冷媒出口33よりも下方に位置させてもよい。
また、減圧機構としては、固定絞り6以外のものを用いることができ、可変絞り、レイアウト上の圧損等、液冷媒を減圧沸騰させて二相化する構造であれば、同等の効果をもたらす。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、エジェクタサイクルを循環する冷媒の種類について言及していないが、例えばフロン系冷媒、HC系冷媒、二酸化炭素等を、冷媒として使用することができる。また、オイルは、ポリアルキル基グリコール(PAG)系オイル、アルキル基ベンゼン系(AB)オイル、ポリビニールエーテル(PVE)系オイル又は鉱油等を使用することができる。そして、冷媒との相溶性が高いオイルを用いた場合に蒸発器5内部のオイル溜まりが顕著になるため、本発明は、冷媒との相溶性が高いオイルを用いるエジェクタサイクルに好適である。
本発明の第1実施形態に係るエジェクタサイクルの構成図である。 図1のエジェクタサイクルにおける主要構成要素の配置位置を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係るエジェクタサイクルの配置位置を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係るエジェクタサイクルの配置位置を示す模式図である。 本発明の第4実施形態に係るエジェクタサイクルの配置位置を示す模式図である。
符号の説明
1…圧縮機、2…放熱器、3…エジェクタ、3a…ノズル部、4…気液分離器、5…蒸発器、51…蒸発器冷媒入口、52…蒸発器冷媒出口。

Claims (13)

  1. オイルが混合された冷媒を吸入して冷媒を圧縮する圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)にて圧縮された高圧冷媒を冷却する放熱器(2)と、
    前記放熱器(2)から流出した高圧冷媒をノズル部(3a)にて減圧加速し、前記ノズル部(3a)から噴射される高速冷媒流の巻き込み作用により気相冷媒を吸引するエジェクタ(3)と、
    前記エジェクタ(3)から流出する冷媒を気相と液相とに分離する気液分離器(4)と、
    前記気液分離器(4)から流出した液相冷媒を蒸発させる蒸発器(5)とを備え、
    前記蒸発器(5)で蒸発した気相冷媒が前記エジェクタ(3)に吸引されるエジェクタサイクルにおいて、
    前記蒸発器(5)の冷媒入口(51)が、前記蒸発器(5)の冷媒出口(52)よりも上方に位置することを特徴とするエジェクタサイクル。
  2. 前記蒸発器(5)は、冷媒が液相または気液二相となる部位にて冷媒が持ち上げられ、冷媒が気相となる部位では冷媒の持ち上げがない構成であることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタサイクル。
  3. 前記蒸発器(5)の冷媒出口(52)は、前記蒸発器(5)における最も低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエジェクタサイクル。
  4. 前記蒸発器(5)の冷媒入口(51)は、前記蒸発器(5)における最も高い位置に配置され、
    前記蒸発器(5)の冷媒出口(52)は、前記蒸発器(5)における最も低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタサイクル。
  5. 前記蒸発器(5)は、前記蒸発器(5)内の全領域において冷媒およびオイルが上から下へ流れる構成であることを特徴とする請求項1または4に記載のエジェクタサイクル。
  6. 前記蒸発器(5)は、冷媒が気相となる部位で冷媒が持ち上げられる構成であり、
    冷媒が持ち上げられる部位での冷媒の流速が、オイルを持ち上げ可能な流速以上になるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタサイクル。
  7. 冷媒が気液二相となる部位にて冷媒が持ち上げられるように、前記エジェクタ(3)と前記気液分離器(4)と前記蒸発器(5)の上下方向の位置関係が設定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のエジェクタサイクル。
  8. 前記気液分離器(4)の冷媒入口(41)が、前記エジェクタ(3)の冷媒出口(33)よりも上方に位置することを特徴とする請求項7に記載のエジェクタサイクル。
  9. 前記エジェクタ(3)の吸引流入口(32)が、前記蒸発器(5)の冷媒出口(52)よりも下方に位置し、
    前記蒸発器(5)の冷媒入口(51)が、前記気液分離器(4)の液冷媒出口(43)よりも下方に位置することを特徴とする請求項8に記載のエジェクタサイクル。
  10. 前記気液分離器(4)の液冷媒出口(43)と前記蒸発器(5)の冷媒入口(51)との間に、液相冷媒を二相化する減圧機構(6)を備え、
    前記蒸発器(5)の冷媒入口(51)が、前記気液分離器(4)の液冷媒出口(42)よりも上方に位置することを特徴とする請求項7または8に記載のエジェクタサイクル。
  11. 前記エジェクタ(3)の吸引流入口(32)が、前記蒸発器(5)の冷媒出口(52)よりも下方に位置することを特徴とする請求項10に記載のエジェクタサイクル。
  12. 前記オイルは、前記冷媒との相溶性が高いことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載のエジェクタサイクル。
  13. 前記冷媒は、フロン系冷媒、HC系冷媒、二酸化炭素のいずれか1つであることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載のエジェクタサイクル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008075926A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Denso Corp エジェクタ式冷凍サイクル
WO2011105662A1 (ko) * 2010-02-25 2011-09-01 엘지전자 주식회사 칠러
JP2016028815A (ja) * 2015-10-14 2016-03-03 オリオン機械株式会社 圧縮空気除湿装置
JP2017075724A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 株式会社デンソー エジェクタ式冷凍サイクル

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