JP2006194385A - 動圧軸受装置 - Google Patents

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良一 中島
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Abstract

【課題】 動圧軸受装置における低コスト化を達成し、さらに、安定した回転性能を保つことを目的とする。
【解決手段】 動圧軸受装置1は、軸部2aとフランジ部2bとディスクハブ3とからなる回転部材Mと、軸部2aの外周に配置されたスリーブ状の部分を有す軸受部材7とからなる。これらの部材間に形成されるラジアル軸受隙間およびスラスト軸受隙間で生じる動圧作用で回転部材Mは回転自在に非接触支持される。このとき、軸部2aの外周面2a1に動圧発生部が形成され、軸受部材7の一端側端面は、スラスト軸受隙間に面し、動圧発生部を有するスラスト軸受面Bが型成形されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、動圧軸受装置に関するものである。この動圧軸受装置は、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等のスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイール、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用の軸受装置として好適である。
上記動圧軸受装置の一例として、ラジアル軸受隙間およびスラスト軸受隙間に生じた潤滑流体の動圧作用で軸部材をラジアル方向およびスラスト方向に非接触支持する動圧軸受装置を挙げることができる。この種の動圧軸受装置としては、軸受スリーブの内周面、および軸部材のフランジ部の両端面に対向する軸受スリーブの端面やハウジングの底面に、動圧発生手段としての動圧溝を形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−291648号公報
上述の動圧軸受装置は、軸部材の他、軸受スリーブや、軸受スリーブを収容するハウジング等の多くの部品で構成される。近年では、情報機器の低価格化に伴い、この種の動圧軸受装置に対するコスト低減の要求も益々厳しくなっており、この要請に応えるためにも、部品点数の削減や製作工程の見直し等により、さらなる低コスト化を図ることが急務となっている。
そこで本発明では、動圧軸受装置のさらなる低コスト化を達成することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明では、軸部を有する回転部材と、内周面を軸部の外周面に対向させた軸受部材と、軸部と軸受部材との間のラジアル軸受隙間に生じた流体の動圧作用で回転部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じた流体の動圧作用で回転部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを備えるものにおいて、軸部の外周面に動圧発生部が形成されると共に、軸受部材の一端開口が軸受部材と一体または別体の蓋部材により閉塞され、前記スラスト軸受隙間に面する軸受部材の一端側端面に、動圧発生部を有するスラスト軸受面が型成形されていることを特徴とする動圧軸受装置を提供する。
ここで、本発明でいう「動圧発生部」とは、軸受隙間に流体の動圧作用で圧力を発生させることができるものであれば特にその形態は問わず、例えばヘリングボーン状やスパイラル状等に配列された複数の動圧溝からなるもの、あるいは、軸受隙間を円周方向の一方または双方にくさび状に縮小させる複数の円弧面を有するもの等が含まれる。また、上記の流体(潤滑流体)としては、潤滑油(又は潤滑グリース)、磁性流体等の液体の他、エアー等の気体を用いることができる。
軸部の外周面に動圧発生部を形成する上記の解決手段と異なり、スリーブ状の部材の内周面に動圧発生部として例えば動圧溝を形成する場合、その成形方法の一例として、当該部材を焼結金属製とし、溝型を有するコアロッドを当該部材の内周に挿入した上で型内にて圧迫することにより、溝型をスリーブ状の部材の内周面に転写して動圧溝を形成する手法が知られている(例えば特開平11−182550号公報)。しかしながら、この方法ではスリーブ状の部材を収容すると共に、その一端開口部を閉塞する有底円筒状の部材(ハウジング)を別途準備し、かつ両者を接着や圧入等の手段で精度良く確実に固定する必要がある。従って、部品点数の増加および組立工程の煩雑化を招き、この点が動圧軸受装置の低コスト化を阻む一因となっている。
これに対し、本発明では、軸部材の軸部の外周面に動圧発生部を形成するので、例えば上記のスリーブ状の部材の内周面に動圧溝を形成する場合のように、動圧溝の加工性から、スリーブ状の部材とハウジングとを別部材とする必要はなく、両者を一体化した一部材(軸受部材)で構成することができる。この違いは、外形的には、従来品ではスリーブ状の部材と分離独立したハウジングに、スリーブ状の部材の一端開口部を閉塞する蓋部材が一体または別体に設けられていたのに対し、本発明品では前記軸受部材に当該蓋部材が一体または別体に設けられる点に現れる。このように従来の二部材(スリーブ状の部材およびハウジング)を一部材(軸受部材)に一体化することにより、部品点数の削減、および二部材同士の組み付け工程の省略を通じて、動圧軸受装置のさらなる低コスト化を図ることができる。
さらに本発明では、軸受部材の一端側端面に、動圧発生部を有するスラスト軸受面を型成形するので、軸受部材への動圧発生部の形成を能率よく行うことができ、この点からもさらなる低コスト化を図ることができる。この場合、軸受部材を、樹脂の射出成形品、MIM成形品、または金属のプレス成形品の何れかとすれば、軸受部材を型で成形し、かつこの型成形と同時に動圧発生部を有するスラスト軸受面(以下説明の便宜上、「第1のスラスト軸受面」と称す。)を形成することができるので、さらに能率的な動圧発生部の形成が可能となる。
軸部の外周面に形成される動圧発生部は、例えばプレス加工、転造加工、あるいは鍛造加工等のような材料の塑性変形を利用した加工方法にて成形可能である他、切削加工等の機械加工によっても成形可能である。
なお、動圧発生部は上記以外にも、軸部を構成する素材の表面に樹脂組成物を供給して形成することもできる。その形成方法としては、例えば樹脂組成物を細孔ノズルから微小液滴の状態で定着すべき素材の表面に着弾あるいは滴下させた後、これを硬化させて所定の動圧発生部を形成する方法、具体的には、インクジェット方式の印刷方法を挙げることができる。
上述の構成に加え、蓋部材、あるいは軸受部材の他端側の端面に、動圧発生部を有するスラスト軸受面(以下説明の便宜上、「第2のスラスト軸受面」と称す。)を型成形してもよい。このように第1のスラスト軸受面に加えて第2のスラスト軸受面を形成することにより、両軸受面とそれぞれ対向する二つのスラスト軸受隙間で生じる流体の動圧作用により、軸部材をスラスト両方向で非接触支持することができる。この第2のスラスト軸受面は型成形されるから、能率よく高精度に成形することができ、これによりさらなる低コスト化を図ることができる。この場合、蓋部材を、樹脂の射出成形品、MIM成形品、または金属のプレス成形品の何れかとすれば、蓋部材の型成形と同時に動圧発生部を有する第2のスラスト軸受面を成形することが可能となり、さらなる加工能率の向上が図られる。
なお、蓋部材は、軸受部材に別部材として圧入、接着等の手段により固定する他、軸受部材と一体化させることもできる。
上述の構成においては、回転部材は、例えば軸部材と、軸部材の外径側に張り出し、ロータマグネットの取り付け部を有するロータ部とで構成することができる。この場合、ロータ部のうち、少なくともロータマグネットとの対向部に磁性材料を配するのが望ましい。かかる構成によれば、モータの駆動時、ステータコイルとロータマグネット間に生じる磁束がロータ部を介して漏れ、磁力が損失することを防止することができ、モータの回転性能を向上させることができる。
前述のロータ部は、切削加工等の機械加工の他、プレス加工の塑性加工により成形することができる。低コスト化の観点からは、特にプレス加工でロータ部を成形するのが望ましい。
軸部材をロータ部に固定する方法としては、加締め、スポット溶接、接着、電着、蝋付け、Cクリップ止め、ネジ止め等を挙げることができる。
以上の構成からなる動圧軸受装置と、ロータマグネットと、ステータコイルとを有するモータは、上記情報機器用、特にハードディスク(HDD)等の磁気ディスク駆動装置用として好ましく使用することができる。
以上のように、本発明によれば、動圧軸受装置をより一層低コスト化することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。この情報機器用スピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、動圧軸受装置1と、動圧軸受装置1の軸部材2に取り付けられたロータ部としてのディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、ブラケット6を備えている。ステータコイル4はブラケット6の外周に取り付けられ、ロータマグネット5は、ディスクハブ3の内周に取り付けられている。ディスクハブ3は、その外周に磁気ディスク等のディスクDを一枚または複数枚保持する。ブラケット6の内周に動圧軸受装置1の軸受部材7が装着されている。ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間に発生する励磁力でロータマグネット5が回転し、それに伴ってディスクハブ3、さらには軸部材2が回転する。
図2に上記動圧軸受装置1の一例を示す。この動圧軸受装置1は、回転中心に軸部2aを有する軸部材2と、スリーブ状の部分を有し、軸部2aをその内周に挿入可能な軸受部材7と、軸受部材7の一端側開口を閉塞する蓋部材8と、軸受部材7の他端側に位置するシール部材9とを備えている。なお、説明の便宜上、蓋部材8の側を下方向、シール部材9の側を上方向として以下説明する。
軸部材2は、その上端に取り付けたディスクハブ3とで回転部材Mを構成する。この軸部材2は、例えばステンレス鋼等の金属材料で形成された軸部2aとフランジ部2bとで構成される。軸部2aとフランジ部2bは別部材とする他、一体形成することもできる。軸部2aの外周面2a1には、動圧発生部として例えばへリングボーン形状に配列された複数の動圧溝Abと、各動圧溝Abを区画形成する区画部Aaとを含むラジアル軸受面Aが軸方向に離隔して形成される。このような動圧発生部は、例えばプレス加工、転造加工、あるいは鍛造加工等のような材料の塑性変形を利用した加工方法にて形成可能である他、切削加工等の機械加工によっても形成可能である。
軸部2aの外周面に形成される動圧発生部は、上記のような加工により形成される以外にも、例えば、軸部2aの素材表面に樹脂組成物を供給することによって形成することもできる。本実施形態では、樹脂組成物の供給方法の一例として、流動状態のインク(樹脂組成物)をノズルから微小液滴の状態で吐出し、定着すべき軸部2aの外周面2a1に着弾させて動圧溝Abを区画形成する区画部Aaを印刷するインクジェット方式を採用し、軸部2aの外周面に動圧発生部を形成することとした。
図3は、インクジェット方式の印刷装置の概要を示すものである。図示のように、この印刷装置は、回転駆動される軸部材2の素材2a’(フランジ部に相当する部分の図示は省略している)の外周面2a1と対向させた一又は複数のノズルヘッド10と、ノズルヘッド10に対してその円周方向位置を異ならせて配置した、好ましくは図示のように素材2a’を挟んでノズルヘッド10と対向させて配置した硬化部11とを主要な構成要素とする。ノズルヘッド10には、微小液滴状態のインク12を吐出する複数のノズル14が軸方向に配設されている。インク12は、例えば光硬化性樹脂、好ましくは紫外線硬化樹脂をベース樹脂とする樹脂組成物であり、必要に応じて適当な割合で有機溶媒を配合したものが使用される。硬化部11は、樹脂組成物を硬化させるための光を照射する光源で、例えば紫外線ランプが使用される。
素材2a’を回転させながらノズルヘッド10を軸方向に往復スライドさせ、ノズル14からインク12を吐出することにより、インク12の微小液滴が素材2a’の外周面2a1の所定位置に着弾する。この微小液滴が多数集合することで、素材2a’の外周面2a1には動圧発生部として、例えばヘリングボーン形状に配列された動圧溝Abおよび動圧溝Abを区画形成する区画部Aaを有する動圧溝パターンが形成される。動圧溝パターンの印刷は軸部材2の回転に伴って徐々に円周方向に進行する形で行われ、印刷部分が硬化部11の対向領域に達すると、紫外線の照射を受けたインク12が重合反応を起こして順次硬化する。各ノズルからのインクの供給・停止を適宜切換えながら軸部材を1〜数十回転させて、軸部2aの全周に動圧溝パターンを形成する。このとき、ノズルヘッド10と硬化部11とは素材2a’を挟む対向位置に配置されているので、硬化部11から照射される紫外線は素材2a’に遮蔽され、ノズル14から吐出されるインク12には重合反応による硬化作用は及ばない。従って硬化したインク12によるノズル14の目詰まり等を防止して、効率よく動圧溝パターンを形成することができる。
インクの定着方式としては、上述のインクジェット方式のみならず、例えば電気泳動を利用してインクを誘導する方法、ノズルではなく、インク液面からインク液滴を飛ばすノズルレスタイプの液滴吐出方式(ノズルレスインクジェット方式)、マイクロピペットを介してインクを液滴の状態ではなく連続的に吐出する方式、あるいは定着面までの距離を短縮し、インクを吐出と同時に定着面に接触させる方式などを使用することもできる。
上記のように形成された動圧発生部(ラジアル軸受面A)では、上側のラジアル軸受面Aの動圧溝Abが軸方向中心mに対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。そのため、軸部材2の回転時、動圧溝Abによる潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は下側の対称形のラジアル軸受面Aに比べ上側のラジアル軸受面で相対的に大きくなる。フランジ部2bの両端面2b1、2b2は、動圧溝のない平坦面として形成される。
軸受部材7は、略円筒形状に形成される。図示例の軸受部材7は、スリーブ部7aとその上方のシール装着部7bとで構成される。スリーブ部7aの内周面7a1は、シール装着部7bの内周面7b1よりも小径で、軸部材2の二つのラジアル軸受面Aと対向する。シール装着部7bの下端外周は部分的に縮径形成され、この縮径部分の外周面7a3に後述する蓋部材8が嵌合固定される。スリーブ部7aの下側端面7a2には、図4に示すように、動圧発生部として例えばスパイラル形状に配列した複数の動圧溝7a5と、各動圧溝7a5を区画形成する区画部7a6とを含む第1のスラスト軸受面Bが形成される。
この軸受部材7は、軟質金属等の金属材料のプレス成形、樹脂材料の射出成形、あるいはMIM成形の何れかの手法で一体形成される。何れの成形法においても、成形型のスリーブ部7aの下側端面7a2を成形する部分に、第1のスラスト軸受面Bの動圧発生部の形状に対応した型を形成しておくことで、軸受部材7の型成形と同時に、第1のスラスト軸受面Bを成形することが可能となる。これにより、動圧発生部を安定した精度で加工することができるとともに、加工工数が減少し、サイクルタイムが短縮され、コスト低減が可能となる。
蓋部材8は、軸受部材7とは別体の有底略円筒状に形成される。この蓋部材8は、円筒状の側部8aと、側部8aの下端開口を封口する底部8bとを備え、図示例では側部8aと底部8bとを一体成形した場合を例示している。底部8bの上側端面8b1には、図5に示すように、動圧発生部として例えばスパイラル形状に配列した複数の動圧溝8b2と、各動圧溝8b2を区画形成する区画部8b3とを含む第2のスラスト軸受面Cが形成される。なお、側部8aと底部8bとは別体とすることもできる。
この蓋部材8は、上記軸受部材7と同様に、軟質金属等の金属材料のプレス成形、樹脂材料の射出成形、あるいはMIM成形の何れかの手法で一体形成される。何れの成形法においても、成形型の底部8bの上側端面8b1を成形する部分に、第2のスラスト軸受面Cの動圧発生部形状に対応した型を形成しておくことで、蓋部材8の型成形と同時に第2のスラスト軸受面Cを成形することが可能となり、さらなる低コスト化が達成される。
蓋部材8は、側部8aの内周面8a1を軸受部材7の縮径部外周面7a3に嵌合し、圧入、接着、溶着等の適宜の手段を施すことにより軸受部材7に固定される。この時、軸部材2のフランジ部2bは、軸受部材7のスリーブ部7aの下側端面7a2と蓋部材8の底部8bの上側端面8b1との間に空間に収容される。蓋部材8の側部8aの上側端面8a2は、軸受部材7のスリーブ部7aの外周に形成された肩面7a4と当接しており、これによって後述のスラスト軸受隙間が規定幅に管理される。
なお、軸受部材7と蓋部材8の材料選択は、求められる軸受特性に対応して適宜選択することができる。この時、蓋部材8と軸受部材7は、異種材料・同種材料の何れで形成しても構わない。
シール部材9は、金属材料や樹脂材料で環状に形成される。シール部材9は、この実施形態では、軸受部材7とは別体に形成され、軸受部材7のシール装着部7bの内周面7b1に圧入、接着、溶着等の手段で固定される。シール部材9の内周面9aは上方に向かうにつれてテーパ状に拡径しており、この内周面9aと、内周面9aに対向する軸部2aの外周面2a1との間には、上方に向かうにつれて半径方向寸法が漸次拡大する環状のシール空間Sが形成される。シール部材9で密封された動圧軸受装置1の内部空間には、潤滑流体としての潤滑油が注油され、動圧軸受装置1内が潤滑油で満たされる。この状態では、潤滑油の油面はシール空間Sの範囲内に維持される。部品点数の削減および組立工数の削減のため、シール部材9を軸受部材7と一体成形することもできる。
上記構成の動圧軸受装置1において、軸部材2が回転すると、軸部2aの外周面2a1に離隔形成されたラジアル軸受面Aは、それぞれ軸受部材7のスリーブ部7aの内周面7a1とラジアル軸受隙間を介して対向する。軸部材2の回転に伴い、各ラジアル軸受隙間に満たされた潤滑油が動圧作用を発生し、その圧力によって軸部材2がラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが形成される。
同様に軸受部材7の下側端面7a2に形成された第1のスラスト軸受面Bとフランジ部2bの上側端面2b1との間、および蓋部材8の上側端面8b1に形成された第2のスラスト軸受面Cとフランジ部2bの下側端面2b2との間にそれぞれスラスト軸受隙間が形成され、軸部材2の回転に伴い、両スラスト軸受隙間に満たされた潤滑油が動圧作用を発生し、その圧力によって軸部材2がスラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト両方向に回転自在に非接触支持する第1スラスト軸受部T1および第2スラスト軸受部T2が形成される。
なお、この動圧軸受装置1では、軸部材2の回転中は潤滑油が軸受部材7の底側に押し込まれるため、このままではスラスト軸受部T1、T2のスラスト軸受隙間での圧力が極端に高まり、これに起因して潤滑油中での気泡の発生や潤滑油の漏れ、あるいは振動の発生が懸念される。従って、各軸受隙間で生じる圧力をバランスさせるため、スラスト軸受部T1の外周付近とシール空間Sとを連通させる軸方向の循環路15aや径方向の循環路15bを形成するのが望ましい。なお、この実施形態では循環路15bをシール部材9の下側端面に形成する場合を例示しているが、これを軸受部材7の上側端面に形成することもできる。
本発明の動圧軸受装置1は、上述のように、従来のスリーブ状部材とハウジングとを軸受部材7として一体化した構造を有するので、部品点数の削減、および二部材同士の組み付け工程の省略を通じて、動圧軸受装置の低コスト化を図ることができる。さらに本発明では、軸受部材7や蓋部材8を樹脂の射出成形品、MIM成形品、または金属のプレス成形品の何れかとし、かつ軸受部材7に動圧発生部を有する第1のスラスト軸受面B、蓋部材8に同じく動圧発生部を有する第2のスラスト軸受面Cをそれぞれ形成するので、これらの部材7、8の型成形と同時に各スラスト軸受面B、Cを形成することができ、低コスト化を図ることかできる。
図1に示すように、本発明の動圧軸受装置1は、ブラケット6の内周に軸受部材7の外周面(さらに必要に応じて蓋部材8の外周面)を固定し、さらに軸部材2の上端にロータ部としてのディスクハブ3を装着することによってスピンドルモータに組み込まれる。ディスクハブ3は、略円盤形状をなすプレート部3aと、プレート部3aの外周に一体成形された円筒部3bとを備え、例えば加締め、溶接(スポット溶接等)、接着、電着、蝋付け、Cクリップ、ネジ止め等の手段により軸部材2の上端に固定される。
このディスクハブ3は、例えば樹脂材料を射出成形して形成することができる。このようにディスクハブ3を樹脂材料で製作した場合、ステータコイル4とロータマグネット5間に生じる磁束がディスクハブ3を介して漏れ、磁力損失を招くおそれがあるが、図2に示すように、強磁性体の金属材料からなる磁気シールド部材20を円筒部3bの内周面3b1とマグネット5との間に介在させれば、かかる問題を解消することができる。この磁気シールド部材20は、例えばインサート成形によってディスクハブ3と一体成形することもできる。なお、ディスクハブ3自体を強磁性体で製作した場合には、磁気シールド部材20は不要となる。
以上本発明の一実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、以下説明する動圧軸受装置においても好ましく用いることができる。なお、以下説明する実施形態において、図2に示す実施形態と同一機能を有する部材および要素には共通の参照番号を付して重複説明を省略する。
図6は、動圧軸受装置の他の実施形態を示すものである。この実施形態の動圧軸受装置30が、図2に示す実施形態と大きく異なる点は、図2に示す第2スラスト軸受部T2が軸受部材7の上側端面7e2と、これに対向するディスクハブ3におけるプレート部3aの下側端面3a1との間に形成されている点、およびシール空間Sが軸受部材7の上端外周面7e1とディスクハブ3の円筒部3bの内周面3b1とのに形成されている点にある。
この実施形態においても、軸受部材7は、従来のハウジングとスリーブ状の部材とを一体形成した形態を有する樹脂の射出成形品等である、かつ軸受部材7の下側端面7a2に第1のスラスト軸受面B、さらには軸受部材7の上側端面7e2に第2のスラスト軸受面Cがそれぞれ型成形されているので、図2に示す実施形態と同様に動圧軸受装置の低コスト化を図ることができる。
なお、以上に述べた各実施形態では、蓋部材8を軸受部材7とを別部材にしているが、これは組立上の都合によるものであり、例えば軸部材2のフランジ部2bを省略した軸受装置等のように、組立上特に不都合がない場合は、蓋部材8と軸受部材7とを一体成形することもできる。図7に示す動圧軸受装置40はその一例であり、軸部材2のフランジ部2bを省略したものである。この実施形態においても、軸受部材7の上側端面7e2にスラスト軸受面が型成形されている。なお、スラスト軸受部Tは、軸受部材7の上側端面7e2と、これに対向するディスクハブ3におけるプレート部3aの下側端面3a1との間に形成されているのみである。また、図示は省略しているが、軸受部材7には適宜の手段で上記の循環路を形成することもできる。
以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部T、T1、T2を構成する動圧軸受として、例えばへリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝からなる動圧発生部を用いた軸受を例示しているが、動圧発生部の構成はこれに限定されるものではない。ラジアル軸受部R1、R2として、例えば、円周方向複数箇所で、ラジアル軸受隙間を円周方向の一方又は双方にくさび状に縮小させた形状とした、いわゆる多円弧軸受、軸方向に延びた動圧溝を円周方向の複数箇所に形成した、いわゆるステップ軸受で構成することもできる。また、スラスト軸受部T、T1、T2として、例えばステップ状の動圧発生部、いわゆる波型状(ステップ型が波型になったもの)の動圧発生部を採用することもできる。
また、以上の説明では、ラジアル軸受部が軸方向二箇所に離隔して形成される場合を例示しているが、ラジアル軸受部の数は任意であり、軸方向の一箇所あるいは三箇所以上に形成することもできる。
さらに、以上の実施形態では、動圧軸受装置内に充満する流体として潤滑油を例示したが、それ以外にも各軸受隙間に動圧を発生させることができる流体、例えば磁性流体や、空気等の気体を使用することもできる。
本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンド ルモータの断面図である。 一実施形態に係る動圧軸受装置の断面図である。 インクジェット方式の印刷装置の概要図である。 軸受部材の下側端面を下方から見た図である。 蓋部材の上側端面を上方から見た図である。 他の実施形態に係る動圧軸受装置の断面図である。 他の実施形態に係る動圧軸受装置の断面図である。
符号の説明
1、30、40 動圧軸受装置
2 軸部材
2a 軸部
2b フランジ部
3 ディスクハブ
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
7 軸受部材
7a5 動圧溝
8 蓋部材
8b2 動圧溝
9 シール部材
20 磁気シールド部材
A ラジアル軸受面
Aa 区画部
Ab 動圧溝
B、C スラスト軸受面
M 回転部材
R1、R2 ラジアル軸受部
T1 第1スラスト軸受部
T2 第2スラスト軸受部
T スラスト軸受部
S シール空間

Claims (7)

  1. 軸部を有する回転部材と、内周面を軸部の外周面に対向させた軸受部材と、軸部と軸受部材との間のラジアル軸受隙間に生じた流体の動圧作用で回転部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じた流体の動圧作用で回転部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを備えるものにおいて、
    軸部の外周面に動圧発生部が形成されると共に、軸受部材の一端開口が軸受部材と一体または別体の蓋部材により閉塞され、前記スラスト軸受隙間に面する軸受部材の一端側端面に、動圧発生部を有するスラスト軸受面が型成形されていることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 蓋部材に、動圧発生部を有するスラスト軸受面を型成形した請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 軸受部材の他端側の端面に、動圧発生部を有するスラスト軸受面を型成形した請求項1記載の動圧軸受装置。
  4. 軸受部材が、樹脂の射出成形品、MIM成形品、または金属のプレス成形品の何れかである請求項1〜3何れか記載の動圧軸受装置。
  5. 蓋部材が、樹脂の射出成形品、MIM成形品、または金属のプレス成形品の何れかである請求項1〜4何れか記載の動圧軸受装置。
  6. 回転部材が、軸部と、軸部の外径側に張り出し、ロータマグネットの取り付け部を有するロータ部とを備え、ロータ部のうち、少なくともロータマグネットとの対向部に磁性材料を配した請求項1から5何れか記載の動圧軸受装置。
  7. 請求項1から6何れか記載の動圧軸受装置と、ロータマグネットと、ステータコイルとを有することを特徴とするモータ。
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