JP2006200667A - 動圧軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軸部材に高精度かつ低コストで形成可能な動圧発生部を有する動圧軸受装置を提供する。
【解決手段】 動圧軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7の内周に固定された軸受スリーブ8と、軸受スリーブ8の内周に挿入された軸部材2とを有する。軸部材2は、軸受隙間を満たす潤滑流体の動圧作用により、少なくともラジアル方向に非接触支持される。このような動圧軸受装置1において、軸部材2の素材表面に樹脂組成物を供給し、硬化させ動圧発生部としてのラジアル軸受面Aを形成した。
【選択図】図2
【解決手段】 動圧軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7の内周に固定された軸受スリーブ8と、軸受スリーブ8の内周に挿入された軸部材2とを有する。軸部材2は、軸受隙間を満たす潤滑流体の動圧作用により、少なくともラジアル方向に非接触支持される。このような動圧軸受装置1において、軸部材2の素材表面に樹脂組成物を供給し、硬化させ動圧発生部としてのラジアル軸受面Aを形成した。
【選択図】図2
Description
本発明は、動圧軸受装置に関するものである。この動圧軸受装置は、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等のスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイール、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用の軸受装置として好適である。
上記動圧軸受装置の一例として、ラジアル軸受隙間およびスラスト軸受隙間に生じた流体の動圧作用で軸部材をラジアル方向およびスラスト方向に非接触支持する動圧軸受装置を挙げることができる。この種の動圧軸受装置としては、例えば印刷型を軸部材の外周面と接触させながら軸部材の回転に応じて移動させることにより、軸部材の外周に動圧溝以外の部分を樹脂組成物からなる耐食インクで印刷形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特公昭62−49351号公報
上記方法によれば、印刷型が軸部材の外周面と接触して移動するため、接触部での摩耗が生じやすく、量産時には印刷型の摩耗や変形等による印刷精度の低下が懸念される。さらにインク供給装置から供給された耐食インクは、印刷型を経て軸部材の外周面に到達し、さらにスキージにより圧迫されて軸部材外周面に定着するから、溝形成に関与しない余分な耐食インクが必要であり、高価な耐食インクの使用量が増して不経済である。また、製造方法の特性上、印刷型や印刷型を保持するための印刷用スクリーンが必要となり、さらには、印刷後にエッチング等による非印刷部の腐食およびインク除去が必要であることから、工程数が多くなり、これが低コスト化を阻む要因になる。
そこで本発明では、軸部材に高精度かつ低コストで形成可能な動圧発生部を有する動圧軸受装置を提供する。
前記目的を達成するため、本発明では、ハウジングと、ハウジングの内周に固定された軸受スリーブと、軸受スリーブの内周に挿入された軸部材と、潤滑流体の動圧作用によりラジアル軸受隙間に生じた圧力で軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、軸部材をスラスト方向に支持するスラスト軸受部と、軸部材の素材表面に供給した樹脂組成物を硬化させて形成され、軸受隙間に流体動圧を発生させる動圧発生部とを有することを特徴とする動圧軸受装置を提供する。
動圧発生部を軸部材に形成するに際し、素材表面に樹脂組成物を供給する方法としては、細孔ノズルから着弾あるいは滴下させ、これを硬化させる方法、例えばインクジェット法(以下、「インクジェット法等」という)を挙げることができる。
インクジェット法等による動圧発生部の形成方法では、予めプログラミングすることにより、任意の形状パターンを印刷することができ、かつインク(樹脂組成物)の吐出量を精密に制御することにより、形状パターンの各部を任意の厚さに形成することができる。従って、硬化したインク自体で高精度の動圧発生部を形成することができる。これにより、樹脂組成物により形成された動圧発生部を、エッチング等の腐食工程を経ることなくそのまま動圧軸受装置に組み込んで軸受面として使用することが可能となるため、動圧発生部の形成工程を大幅に簡略化できる。また、インクジェット法等による印刷は、軸部材に非接触の状態で行われるため、印刷型や印刷型を保持するための印刷用スクリーンは不要で、かつ軸部材の回転に応じて印刷型を移動させる機構も不要となるので、成形装置を簡略化できる。さらに、インクは、動圧発生部を形成するだけの使用量で足りるため、インクの使用量を低減できる。このように、動圧発生部の形成をインクジェット法等にすることで、動圧軸受装置の低コスト化を図ることができる。
従来方法のようにエッチング工程を経た場合、動圧発生部としての、例えば動圧溝を形成するインクはエッチング後完全に除去されるため、インク成分は残っていないが、本発明の上記軸部材では、このインクが除去されることなく残存した状態で使用される。この場合、理論上は、軸部材の樹脂組成物が、例えば軸受スリーブやハウジングのような軸受部材と摺動接触し、軸部材の素材は軸受部材と非接触となるから、素材に要求される特性として、耐摩耗性の重要度は低くなる。従って、軸部材の素材を選定する際の自由度を高めることができる。また、耐摩耗性を向上させるための熱処理が不要となるので、未熱処理の金属材料で軸部材を形成することができるため、係る材料コストを低減することができる。
上記のようなインクジェット法等による印刷では、軸部材の外周面および端面に樹脂組成物で動圧発生部を形成することができ、そのような軸部材を組み込んだ軸受装置は、軸部材をラジアル方向に非接触支持し、かつ、スラスト方向に接触支持または非接触支持する動圧軸受装置として好ましく提供することが可能である。
以上の構成を有する動圧軸受装置と、ロータマグネットと、ステータコイルとを有するモータは、上記情報機器用、例えばハードディスクドライブ(HDD)等の磁気ディスク駆動装置用のスピンドルモータ等として好ましく使用することができる。
以上のように、本発明によれば、素材表面に樹脂組成物を供給することで、軸部材に高精度かつ低コストで形成された動圧発生部を有する動圧軸受装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。この情報機器用スピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、動圧軸受装置1と、動圧軸受装置1の軸部材2に取り付けられたディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、ブラケット6とを備えている。ステータコイル4はブラケット6の外周に取り付けられ、ロータマグネット5は、ディスクハブ3の内周に取り付けられている。ディスクハブ3は、その外周に磁気ディスク等のディスクDを一枚または複数枚保持する。ブラケット6の内周に動圧軸受装置1のハウジング7が装着されている。ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間に発生する励磁力でロータマグネット5が回転し、それに伴ってディスクハブ3、軸部材2が回転する。
図2に上記動圧軸受装置1の一例を示す。この動圧軸受装置1は、回転中心に軸部2aを有する軸部材2と、略円筒状のハウジング7と、ハウジング7の内周面に固定され、軸部2aをその内周に挿入可能な円筒状の軸受スリーブ8と、ハウジング7の開口部に固定されたシール部9とを備えている。
軸部材2は、例えばステンレス鋼で形成される。軸部材2は、中実軸状の軸部2aとその一端に一体または別体に設けられたフランジ部2bとで構成され、本図示例では別体に形成されている。本実施形態において、軸部2aの外周面2a1には、ヘリングボーン形状に配列された動圧溝Abと、動圧溝Abを区画形成する凸状の区画部Aaとを含むラジアル軸受面Aが、軸方向に離隔して形成される。上側のラジアル軸受面Aでは、動圧溝Abが軸方向中心mに対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。そのため、軸部材2の回転時、動圧溝Abによる潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は下側の対称形のラジアル軸受面Aに比べ上側のラジアル軸受面Aで相対的に大きくなる。
さらにフランジ部2bの上側端面2b1および下側端面2b2には、例えばスパイラル形状に配列された動圧溝と、動圧溝を区画形成する区画部を有する、第1スラスト軸受面Bおよび第2スラスト軸受面Cが形成される。第1スラスト軸受面Bは、後述する軸受スリーブ8の下側端面8bと第1スラスト軸受隙間を介して対向する。また第2スラスト軸受面Cは、後述するハウジング7の底部7cの上側端面7c1と第2のスラスト軸受隙間を介して対向する。
軸受スリーブ8は、例えば焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする焼結金属に潤滑油(または潤滑グリース)を含浸させた含油焼結金属の多孔質体で円筒状に形成される。軸受スリーブ8の内周面8aには軸部材2が挿入されている。本実施形態において、軸受スリーブ8の内周面8aは平滑な円筒面として形成されており、ラジアル軸受隙間を介し、軸部材2の外周面2a1に形成されたラジアル軸受面Aと対向する。
ハウジング7は、両端を開口させた略円筒状の側部7bと底部7cとを構成部材とする。この実施形態において、側部7bと底部7cとは別部材であり、例えば側部7bは樹脂組成物の射出成形により成形され、底部7cは軟質金属のプレス成形により成形される。この底部7cを側部7bの下側開口部に接着・圧入またはこれを併用して取り付けることにより、一方の端部を封口した有底筒状のハウジング7が形成される。この他、ハウジング7の側部7bと底部7cとは、樹脂組成物や金属材料で一体成形することもできる。
シール部材9は、金属材料や樹脂材料で環状に形成される。シール部材9は、この実施形態では、ハウジング7とは別体に形成され、ハウジング7の側部7bの上端開口部7aに圧入、接着等の手段で固定される。シール部材9の内周面9aは上方に向かうにつれてテーパ状に拡径しており、この内周面9aと、内周面9aに対向する軸部2aの外周面2a1との間には、上方に向かうにつれて半径方向寸法が漸次拡大する環状のシール空間Sが形成される。シール部材9で密封された動圧軸受装置1の内部空間には、潤滑流体としての例えば潤滑油が注油され、動圧軸受装置1内が潤滑油で満たされる。この状態では、潤滑油の油面はシール空間Sの範囲内に維持される。部品点数の削減および組立工数の削減のため、シール部材9をハウジング7と一体形成することもできる。
上記構成の動圧軸受装置1において、軸部材2が回転すると、軸部2aの外周面2a1に離隔形成されたラジアル軸受面Aは、それぞれ軸受スリーブ8の内周面8aとラジアル軸受隙間を介して対向する。軸部材2の回転に伴い、各ラジアル軸受隙間に満たされた潤滑油が動圧作用を発生し、その圧力によって軸部材2がラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1のラジアル軸受部R1と第2のラジアル軸受部R2とが形成される。
また、軸部材2のフランジ部2bの上側端面2b1に形成された第1スラスト軸受面Bは、第1のスラスト軸受隙間を介して軸受スリーブ8の下側端面8bと対向し、フランジ部2bの下側端面2b2bに形成された第2スラスト軸受面Cは、第2のスラスト軸受隙間を介してハウジング7の底部7cの上側端面7c1と対向する。軸部材2の回転に伴い、両スラスト軸受隙間に満たされた潤滑油が動圧作用を発生し、その圧力によって軸部材2がスラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト両方向に回転自在に非接触支持する第1のスラスト軸受部T1および第2のスラスト軸受部T2が形成される。
なお、本実施形態に示す動圧軸受装置1では、何らかの理由で軸受の運転中にスラスト軸受隙間に満たされた潤滑油の圧力が極端に大きくなり、シール空間Sとの圧力差が生じる場合がある。かかる圧力差は、潤滑油内での気泡発生、およびこれに起因する潤滑油の漏れや振動発生を招く恐れがある。そこで、スラスト軸受隙間を外気に連通させるための循環路10が形成される。循環路10を設けることで、シール空間Sとスラスト軸受隙間との圧力をバランスさせることができ、圧力差による上記不具合を回避できる。循環路10は、軸受スリーブ8の外周に1本または複数本設けられた循環溝10aと、軸受スリーブ8の上側端面8cとシール部材9の下側端面9bとの間に設けられ、循環溝10aの上端からシール空間Sに抜ける半径方向溝10bからなる。なお、図2では、循環溝10aは、軸受スリーブ8の外周に形成される場合を例示しているが、この循環溝10aはハウジング7の側部7bの内周面に形成することもできる。また、半径方向溝10bは、シール部材9の下側端面9bに形成される場合を例示しているが、この半径方向溝10bは軸受スリーブ8の上側端面8cに形成することもできる。さらに、循環溝10aと半径方向溝10bの円周方向位置を一致させているが、循環溝10aと半径方向溝10bは、軸受スリーブ8の外周チャンファ8eとハウジング7の側部7bの内周面との間の環状空間を介して連通しているので、その円周方向位置を異ならせても構わない。
本発明において、軸部材2に動圧発生部を形成する方法として、素材表面に樹脂組成物を供給して形成する方法、例えばインクジェット法を採用した。図3は、軸部材2のうち、軸部2aの外周面2a1に動圧発生部を形成するインクジェット方式の印刷装置を例示したものである。図示するように、この印刷装置は、回転駆動される軸部2aの素材2a’の外周面2a1と対向させた一又は複数のノズルヘッド11と、ノズルヘッド11に対してその円周方向位置を異ならせて配置した、好ましくは図示のように素材2a’を挟んでノズルヘッド11と対向させて配置した硬化部15とを主要な構成要素とする。ノズルヘッド11には、微小液滴状態のインク12を吐出する複数のノズル14が軸方向に配設されている。インク12は、例えば光硬化性樹脂、好ましくは紫外線硬化樹脂をベース樹脂とする樹脂組成物であり、必要に応じて適当な割合で有機溶媒を配合したものが使用される。硬化部15は、樹脂組成物を硬化させるための光を照射する光源で、例えば紫外線ランプが使用される。
素材2a’を回転させながらノズルヘッド11を軸方向に往復スライドさせ、ノズル14からインク12を吐出することにより、インク12の微小液滴が素材2a’の外周面2a1の所定位置に着弾する。この微小液滴が多数集合することで、素材2a’の外周面2a1には、動圧発生部としての、例えばヘリングボーン形状に配列された動圧溝Ab、および動圧溝を区画形成する区画部Aaからなる動圧溝パターン(ラジアル軸受面A)が形成される。動圧溝パターンの印刷は軸部材2の回転に伴って徐々に円周方向に進行する形で行われ、印刷部分が硬化部15の対向領域に達すると、紫外線の照射を受けたインク12が重合反応を起こして順次硬化する。各ノズル14からのインク12の供給・停止を適宜切換えながら素材2a’を1〜数十回転させて、素材2a’の全周に動圧溝パターンが形成される。
インクジェット法による印刷では、各ノズル14でインク12の微小液滴の吐出量を制御することで印刷後のインク膜厚を印刷パターンの各部で精度良く管理することができる。従って、硬化したインク12(樹脂組成物)で必要な動圧溝Abの深さを確保することができ、これにより動圧発生部として形成された例えば動圧溝パターンを、エッチングや硬化インクの除去工程を経ることなく、そのままラジアル軸受面Aとして使用することが可能となる。従来では、軸部2aの外周面2a1への動圧溝パターン形成は、マスキング、エッチング(サンドブラストの場合もある)、マスキングの除去といった工程を経て行われているが、上述のように印刷した動圧溝パターンをそのまま軸受面として使用すれば、従来の製作手順に比べ工程数を削減できるため、大幅な低コスト化を図ることができる。この場合、理論上は、軸部2aの樹脂組成物が軸受スリーブ8と摺動接触し、軸部2aの素材2a’は軸受スリーブ8と非接触となるから、素材に要求される特性として、耐摩耗性の重要度は低くなる。従って、軸部2aの素材を選定する際の自由度を高めることができる。また、耐摩耗性を向上するための熱処理も不要となるので、未熱処理の金属材料で軸部2aを形成することができ、かかる材料コストを低減することができる。
図4は、図2に示す軸部材2のうち、フランジ部2bの上側端面2b1または下側端面2b2に動圧発生部を形成するインクジェット方式の印刷装置の概要を示すものである(下側端面2b2に形成する場合は上側端面2b1に形成する場合と上下の差以外は全くの同様であるので、以下説明は省略する。)。主要な構成要素は図1の印刷装置と同様であるが、異なる点としては、ノズルヘッド11および硬化部15が回転駆動される素材2b’の上側端面2b1と対向させて配置され、かつノズルヘッド11と硬化部15を上側端面2b1上で円周方向の位置を異ならせて配置した点である。
素材2b’を回転させながらノズルヘッド11を半径方向に往復スライドさせ、ノズル14からインク12を吐出することにより、インク12の微小液滴が素材2b’の上側端面2b1の所定位置に着弾する。この微小液滴が多数集合することで、素材2b’の上側端面2b1には、例えばスパイラル状をなす区画部が形成され、印刷されていない領域、すなわち動圧溝とで、動圧発生部としての動圧溝パターン(スラスト軸受面B)が形成される。動圧溝パターンの印刷はフランジ部2bの回転に伴って徐々に円周方向に進行する形で行われ、印刷部分が硬化部15の対向領域に達すると、紫外線の照射を受けたインク12が重合反応を起こして順次硬化する。各ノズル14からのインク12の供給・停止を適宜切換えながら軸部材を1〜数十回転させて、素材2b’の上側端面2b1の全周にわたって、動圧溝パターンを形成する。
なお、インクの定着方式としては、上述のインクジェット方式のみならず、例えば電気泳動を利用して液滴を誘導する方法、ノズルではなく、インク液面から液滴を飛ばすノズルレスタイプの液滴吐出方式、マイクロピペットを介してインクを液滴の状態ではなく連続的に素材の表面に吐出する方式、あるいは素材表面までの距離を短縮し、インクを吐出と同時に定着面に接触させる方式などを使用することもできる。また、インクジェット印刷機の印刷方法は、連続(コンティニュアス)式、オンデマンド式の何れでもよい。
以上、本発明の一実施形態を例示したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、以下示すような実施形態にも用いることができる。
図5に本発明の構成を有する動圧軸受装置の第2構成例を示す。ただし、上述の第1構成例と同様の構成を有するものについては、同一符号を付し、重複説明は省略する。この動圧軸受装置21が図2に示す第1構成例の動圧軸受装置1と大きく異なる点は、図5に示す第2のスラスト軸受部T2がハウジング7の上側端面7b1と、これに対向するディスクハブ3におけるプレート部3aの下側端面3a1との間に形成されている点、およびシール空間Sがハウジング7の上端外周面7b2とディスクハブ3の円筒部3bの内周面3b1との間に形成されている点にある。この図示例において、第2スラスト軸受面Cはハウジング7の上側端面7b1に形成されているが、ハウジング7を成形する成形型に、例えば動圧溝パターンに対応した溝型を形成しておくことで、型成形と同時に動圧溝パターンが形成される。
なお、以上の説明では、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部T1、T2として、へリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝を用いて動圧作用を発生させる場合を例示しているが、動圧発生部の構成はこれに限定されるものではなく、例えばラジアル軸受部R1、R2として、多円弧軸受、ステップ軸受、テーパ軸受、テーパ・フラット軸受等を使用することもでき、スラスト軸受部T1、T2として、ステップ・ポケット軸受、テーパ・ポケット軸受、テーパ・フラット軸受、ピボット軸受等を使用することもできる。例えばラジアル軸受部R1、R2を多円弧軸受で構成する場合、軸受スリーブ7内周のラジアル軸受面Aおよび軸部材2の外周面の何れか一方または双方が多円弧面で形成され、各円弧面とこれに対向する面との間の間のラジアル軸受隙間は、回転方向に縮小するくさび状の隙間となる。
また、以上の説明では、ラジアル軸受部を軸方向に2箇所設ける構成を示しているが、ラジアル軸受部の数は任意であり、軸方向の1箇所、あるいは3箇所以上に設けることもできる。
さらに、以上の実施形態では、動圧軸受装置1の内部に充満する流体(潤滑流体)として、潤滑油を例示したが、それ以外にも各軸受隙間に動圧を発生させることができる流体、例えば磁性流体や空気等の気体を使用することもできる。
1、21 動圧軸受装置
2 軸部材
2a 軸部
2b フランジ部
2a’、2b’ 素材
3 ディスクハブ
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
9 シール部材
11 ノズルヘッド
12 インク
15 硬化部
A ラジアル軸受面
B 第1スラスト軸受面
C 第2スラスト軸受面
Aa 区画部
Ab 動圧溝
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部
S シール空間
2 軸部材
2a 軸部
2b フランジ部
2a’、2b’ 素材
3 ディスクハブ
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
9 シール部材
11 ノズルヘッド
12 インク
15 硬化部
A ラジアル軸受面
B 第1スラスト軸受面
C 第2スラスト軸受面
Aa 区画部
Ab 動圧溝
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部
S シール空間
Claims (5)
- ハウジングと、
ハウジングの内周に固定された軸受スリーブと、
軸受スリーブの内周に挿入された軸部材と、
潤滑流体の動圧作用によりラジアル軸受隙間に生じた圧力で軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、
軸部材をスラスト方向に支持するスラスト軸受部と、
軸部材の素材表面に供給した樹脂組成物を硬化させて形成され、軸受隙間に流体動圧を発生させる動圧発生部とを有することを特徴とする動圧軸受装置。 - 動圧発生部が軸部材の外周面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
- スラスト軸受部が、潤滑流体の動圧作用によりスラスト軸受隙間に生じた圧力で軸部材をスラスト方向に非接触支持するものであり、
動圧発生部が軸部材の端面に形成されていることを特徴とする請求項2記載の動圧軸受装置。 - 動圧発生部が、樹脂組成物をノズルから着弾または滴下させた後、これを硬化させて形成されたことを特徴とする請求項1〜3何れか記載の動圧軸受装置。
- 請求項1〜4何れか記載の動圧軸受装置と、ロータマグネットと、ステータコイルとを有することを特徴とするモータ。
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