JP2006194117A - 内燃機関の燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成によって、燃料噴射弁の先端部分を冷却すると共に噴射孔から噴射される燃料の霧化を良好ならしめる。
【解決手段】 内燃機関の燃焼室内に露出せしめられる部分11に噴射孔3を具備する燃料噴射弁において、噴射孔近傍の部分の熱を該噴射孔に噴射される燃料に伝導する熱伝導手段35,37を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】 内燃機関の燃焼室内に露出せしめられる部分11に噴射孔3を具備する燃料噴射弁において、噴射孔近傍の部分の熱を該噴射孔に噴射される燃料に伝導する熱伝導手段35,37を具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関の燃料噴射弁に関する。
内燃機関の燃料噴射弁の先端部分が燃焼室内に露出せしめられている場合、機関運転中、該燃料噴射弁の先端部分は高温に晒されることになる。ここで、燃料噴射弁の先端部分の温度が高温になってしまうと、その部分が劣化してしまったり、噴射孔周りにデポジットが付着してしまったりする。こうしたことを回避するためには、燃料噴射弁の先端部分を冷却すればよい。そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料噴射弁では、先端部分から後端部分に向かって延びるヒートパイプを該燃料噴射弁の外側に設け、このヒートパイプによって先端部分を冷却するようにしている。
ところで、内燃機関の燃料噴射弁には、上述したように、その先端部分を冷却するという要請の他に、噴射孔から噴射される燃料の霧化を良好ならしめるという要請もある。
そこで、本発明の目的は、簡単な構成によって、燃料噴射弁の先端部分を冷却すると共に噴射孔から噴射される燃料の霧化を良好ならしめることにある。
上記課題を解決するために、1番目の発明では、内燃機関の燃焼室内に露出せしめられる部分に噴射孔を具備する燃料噴射弁において、噴射孔近傍の部分の熱を該噴射孔に噴射される燃料に伝導する熱伝導手段を具備する。
2番目の発明では、1番目の発明において、上記熱伝導手段が、噴射孔近傍に配置される第1の部分と噴射孔へと続く燃料流路内に配置される第2の部分とを有する。
2番目の発明では、1番目の発明において、上記熱伝導手段が、噴射孔近傍に配置される第1の部分と噴射孔へと続く燃料流路内に配置される第2の部分とを有する。
3番目の発明では、2番目の発明において、上記第2の部分が当該燃料噴射弁内部の燃料通路内に配置されている。
4番目の発明では、2または3番目の発明において、上記熱伝導手段が熱伝導率が比較的大きい材料から作製された部材である。
5番目の発明では、4番目の発明において、上記熱伝導率が比較的大きい材料がアルミニウムである。
4番目の発明では、2または3番目の発明において、上記熱伝導手段が熱伝導率が比較的大きい材料から作製された部材である。
5番目の発明では、4番目の発明において、上記熱伝導率が比較的大きい材料がアルミニウムである。
6番目の発明では、2または3番目の発明において、上記熱伝導手段がヒートパイプである。
7番目の発明では、2〜6番目の発明のいずれか1つにおいて、アーマチャとコアとをさらに具備し、上記熱伝導手段がこれらアーマチャとコアとを貫通して延びる。
8番目の発明では、2〜6番目の発明のいずれか1つにおいて、上記第2の部分が当該燃料噴射弁の噴射孔に供給される燃料を分配するためのデリバリパイプ内に配置され或いは該デリバリパイプに隣接して配置されている。
7番目の発明では、2〜6番目の発明のいずれか1つにおいて、アーマチャとコアとをさらに具備し、上記熱伝導手段がこれらアーマチャとコアとを貫通して延びる。
8番目の発明では、2〜6番目の発明のいずれか1つにおいて、上記第2の部分が当該燃料噴射弁の噴射孔に供給される燃料を分配するためのデリバリパイプ内に配置され或いは該デリバリパイプに隣接して配置されている。
9番目の発明では、1番目の発明において、上記熱伝導手段が噴射孔近傍の部分の外側周りを通って噴射孔へと続く燃料通路へと延びる燃料通路である。
10番目の発明では、9番目の発明において、上記噴射孔近傍の部分の外側を通った燃料が当該燃料噴射弁の噴射孔に供給される燃料を分配するためのデリバリパイプを構成する壁の内部を通る。
10番目の発明では、9番目の発明において、上記噴射孔近傍の部分の外側を通った燃料が当該燃料噴射弁の噴射孔に供給される燃料を分配するためのデリバリパイプを構成する壁の内部を通る。
本発明によれば、熱伝導手段によって噴射孔近傍の部分の熱が該噴射孔に噴射される燃料に伝導させることから、噴射孔近傍の部分を冷却すると共にこの冷却によって奪った熱によって燃料が加熱される。したがって、簡単な構成によって、燃料噴射弁の先端部分が冷却されると共に噴射孔から噴射される燃料の霧化が良好なものとされる。
以下、図示した実施形態を参照して本発明を説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3、図8、および、図10(A)ならびに(B)において、下側を「先端」と称し、上側を「後端」と称す。
図1は、燃料を噴射するための燃料噴射弁であって、特に、内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射するタイプの燃料噴射弁を示している。したがって、図示した燃料噴射弁が内燃機関に搭載されたときには、その先端部分が燃焼室内に露出することになる。図1において、1は本体ハウジング、2は噴射孔、3はニードル弁、4はアーマチャ、5はスプリング、6はコア、7はソレノイド、8はパイプ、9はフィルタをそれぞれ示している。
図1は、燃料を噴射するための燃料噴射弁であって、特に、内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射するタイプの燃料噴射弁を示している。したがって、図示した燃料噴射弁が内燃機関に搭載されたときには、その先端部分が燃焼室内に露出することになる。図1において、1は本体ハウジング、2は噴射孔、3はニードル弁、4はアーマチャ、5はスプリング、6はコア、7はソレノイド、8はパイプ、9はフィルタをそれぞれ示している。
本体ハウジング1は、熱伝導率が比較的小さい材料から作製され、その内部に円筒形の空洞10を有する。ニードル弁3は、該空洞10内に配置されている。また、噴射孔2は本体ハウジング1の先端部分(すなわち、燃料噴射弁の先端部分)11に設けられている。また、アーマチャ4はニードル弁3の後端部分12に取り付けられている。スプリング5はアーマチャ4を先端側へと付勢し、したがって、噴射孔2を塞ぐ方向へニードル弁3を付勢している。
燃料噴射弁には、その後端部分に接続されているデリバリパイプ13からフィルタ9を介して燃料が供給される。デリバリパイプ13から燃料噴射弁に供給された燃料は、コア6およびアーマチャ4内に設けられた燃料通路を通り、ニードル弁3に設けられた孔14から本体ハウジング1の空洞内へ流れ込む。
ソレノイド7に電力が供給されると、磁力が発生し、その磁力によってアーマチャ4が後端側へと引っ張られる。これにより、ニードル弁3も後端側へと引っ張られることになり、その結果、噴射孔2が開かれ、本体ハウジング1の空洞10内に溜まっている燃料が噴射孔2から噴射される。一方、ソレノイド7への電力供給が停止されると、磁力の発生もなくなり、上述したように、アーマチャ4はスプリング5によって先端側へと付勢されているので、ニードル弁3はアーマチャ4を介してスプリング5によって先端側へと移動せしめられ、噴射孔2を閉鎖する。これにより、噴射孔2からの燃料噴射が停止される。
ところで、図示した実施形態では、本体ハウジング1の空洞10内には、熱を伝導するための手段として、熱伝導率が比較的大きい材料(例えば、アルミニウム)からなる部材(以下「熱伝導部材」という)15が配置されている。熱伝導部材15は、図2に示されているように、概ね、円環状の形状をしており、その先端部分16で先細りの形状となっている。したがって、熱伝導部材15は、その内部に円筒形の空洞17を有する。また、任意ではあるが、図示した実施形態では、熱伝導部材15の内壁面には、多数の窪み18が設けられている。このように多数の窪み18を熱伝導部材15の内壁面に設けることによって、熱伝導部材15の内壁面の表面積が大きくなる。
また、熱伝導部材15は、該熱伝導部材15が本体ハウジング1の空洞10内に配置されると、該熱伝導部材15の外壁面が本体ハウジング1の内壁面に接するような寸法となっている。そして、このとき、熱伝導部材15は、噴射孔2近傍の本体ハウジング1の部分11から後端に向かって延在することとなる。ここで、熱伝導部材15は本体ハウジング1の空洞10内に配置されており、該本体ハウジング1の空洞10は燃料を溜めておくものとして利用される空洞であることから、熱伝導部材15の後端部分19は噴射孔2よりも後端側において燃料流路内に位置することになる。
上述したように、図示した燃料噴射弁が内燃機関に搭載されたとき、該燃料噴射弁の先端部分、すなわち、噴射孔2近傍の部分11が燃焼室内に露出するので、内燃機関の運転中、噴射孔2近傍の部分11は燃焼室内の燃焼から発生する熱により加熱される。燃焼室内の燃焼温度は非常に高温であることから、噴射孔2近傍の部分11は非常に高い温度に晒されることになる。
ここで、図示した燃料噴射弁では、本体ハウジング1内に熱伝導部材15が配置されており、この熱伝導部材15は、噴射孔2近傍の部分11の熱を後端側へと伝導し、この熱をその後端部分19において燃料へと放出する。これにより、噴射孔2近傍の部分11が冷却されることになるので、その部分11が非常に高温になって劣化してしまうことや、噴射孔2周りの本体ハウジング1の外壁面にデポジットが堆積してしまうことが抑制される。そして、熱伝導部材15はその後端部分19から燃料へと熱を放出するので、燃料が加熱されることになる。一般的に、温度の高い燃料が噴射孔2から噴射されると、その霧化が良好なものとなるので、図示した燃料噴射弁から噴射された燃料は、良好に霧化されることになる。
また、上述した実施形態では、本体ハウジング1を熱伝導率が比較的小さい材料から作製されていることから、燃焼室内から本体ハウジング1を介して熱伝導部材15に直接伝達される熱量が少なく抑えられると共に、例えば、燃料噴射弁が内燃機関のシリンダヘッドに取り付けられている場合において、このシリンダヘッドから本体ハウジング1を介して噴射孔2近傍の部分11や熱伝導部材15へと伝達される熱量も少なく抑えられる。
なお、上述した図1に示されている実施形態では、熱伝導部材15と本体ハウジング1とは、熱伝導部材15の外壁面と本体ハウジング1の空洞10を画成している内壁面との間に隙間がないような寸法とされているが、熱伝導部材15や本体ハウジング1の熱膨張を吸収するために、これら熱伝導部材15の外壁面(特に、熱伝導部材15の後端側の領域の外壁面)と本体ハウジング1の空洞10を画成している内壁面との間に隙間が形成されるような寸法としてもよい。もちろん、この場合においても、熱伝導部材15の先端側の領域の外壁面は、本体ハウジング1の噴射孔2近傍の空洞10を画成している内壁面に接触しているようにする。
また、上述した実施形態では、概ね環状の熱伝導部材15を利用しているが、その代わりに、例えば、棒状の熱伝導部材15を(例えば、複数本)利用してもよい。
ところで、上述した実施形態では、熱伝導部材15の後端部分19は、アーマチャ4手前の本体ハウジング1の空洞10のところに位置している。しかしながら、熱伝導部材15をさらに燃料噴射弁の後端側へと延ばし、その後端部分19をより後端側の燃料流路内に位置させるようにしてもよい。図3は、こうした観点から構成された本発明の燃料噴射弁の1つの実施形態を示している。
図3に示した燃料噴射弁では、棒状の2本の熱伝導部材15が使用されている。各熱伝導部材15の先端部分20は、噴射孔2近傍の本体ハウジング1の部分11に接触せしめられている。そして、各熱伝導部材15は、噴射孔2近傍の本体ハウジング1の部分11から後端へ向かって、アーマチャ4およびコア6を貫通してデリバリパイプ13内へと延びている。熱伝導部材15がアーマチャ4およびコア6を貫通している様子は、図4(A)および(B)にそれぞれ示されている。
ここで、図4(A)は、図3のA−A線に沿ったコア6の断面図であり、図4(B)は、図3のB−B線に沿ったアーマチャ4の断面図である。図4(A)および(B)に示されているように、アーマチャ4およびコア6には、それぞれ、先端側の壁面のところから後端側の壁面までアーマチャ4およびコア6を貫通するように、その周壁面に断面半円形の一対の溝21が設けられている。
この実施形態の燃料噴射弁では、熱伝導部材15の後端部分19がデリバリパイプ13内に延びており、デリバリパイプ13内には多量の燃料が貯蔵されているため、熱伝導部材15から燃料への熱の伝導がより良好に行われる。したがって、噴射孔2近傍の本体ハウジング1の部分11をより良好に冷却することができる。また、この実施形態によれば、図1に示されている実施形態に比べ、熱伝導部材15の全長が長いため、熱伝導部材15の長さ方向における温度勾配を大きくすることができ、また、熱を燃料へ放出するところの熱伝導部材15の表面積が大きくなるので、噴射孔2近傍の本体ハウジング1の部分11に対する冷却効果がより向上する。
なお、上述した実施形態では、アーマチャ4およびコア6の周壁面に断面半円形の一対の溝21を設け、これら溝21のところに熱伝導部材15を通しているが、例えば、図5に示されているように、アーマチャ4およびコア6の内部に断面円形の一対の貫通穴22を設け、これら貫通穴22に熱伝導部材15を通すようにしてもよいし、図6に示されているように、アーマチャ4およびコア6を断面ほぼ三角形の部材として形成し、アーマチャ4およびコア6の平坦な面の脇に熱伝導部材15を通すようにしてもよい。
また、棒状の熱伝導部材15を使用するのではなく、例えば、図7に示されているように、円環状の熱伝導部材15を利用してもよい。この場合、円環状の熱伝導部材15は、噴射孔2近傍の本体ハウジング1の部分11からアーマチャ4およびコア6周りを包囲するようにして越えてデリバリパイプ13内まで延びる。
また、上述した実施形態では、熱伝導部材15の後端部分19をデリバリパイプ13内まで延ばしているが、図8に示されているように、熱伝導部材15の後端部分19をデリバリパイプ13の外壁面に沿って延在させるようにしてもよい。これによれば、熱伝導部材15を介して伝導せしめられる熱は、デリバリパイプ13の壁を介してデリバリパイプ13内の燃料に伝達されることになる。
また、上述した実施形態では、熱伝導率が大きい材料からなる熱伝導部材15を利用しているが、その代わりに、いわゆるヒートパイプを利用してもよい。なお、ヒートパイプは、公知であるので、詳細な説明は省略する。
次に、本発明の燃料噴射弁のさらに別の実施形態について説明する。この実施形態を図9に示した。図9において、30は燃料タンク、31はフィードポンプ、32はプレッシャレギュレータ、33は高圧ポンプ、34はパルセーションダンパー、13はデリバリパイプ、35は燃料噴射弁、36は流量調整弁、37は冷却部をそれぞれ示している。また、図9において、矢印線は、燃料の流れを示している。
燃料タンク30は、燃料を貯蔵している。また、フィードポンプ31および高圧ポンプ33は、共に、燃料を圧送するものであるが、その吐出圧は、フィードポンプ31よりも高圧ポンプ33のほうが高い。また、燃料噴射弁35は、図1〜図9を参照して説明した実施形態の燃料噴射弁と同じく、内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴射するようにその噴射孔近傍の部分が燃焼室内に露出するようにして内燃機関に搭載される燃料噴射弁である。
燃料タンク30内の燃料は、フィードポンプ31によってプレッシャレギュレータ32を介して高圧ポンプ33へと圧送される。プレッシャレギュレータ32は、高圧ポンプ33へ圧送される燃料の圧力が予め定められた圧力となるように高圧ポンプ33へ圧送される燃料の圧力を調整する。高圧ポンプ33から吐出される燃料は、パルセーションダンパー34を介してデリバリパイプ13へと送られる。パルセーションダンパー34は、燃料に発生する脈動を減衰させるためのものである。デリバリパイプ13に送られた燃料は、噴射用の燃料として、燃料噴射弁の噴射孔のところまで供給される。
また、高圧ポンプ33から燃料タンク30までリターン通路38が延びており、高圧ポンプ33からパルセーションダンパー34に送られなかった燃料は、このリターン通路38を通って燃料タンク30に戻される。また、プレッシャレギュレータ32から高圧ポンプ33に送られなかった燃料も、リターン通路38へ送られ、リターン通路38を介して燃料タンク30に戻される。
また、プレッシャレギュレータ32から出た燃料は、高圧ポンプ33に圧送されるだけでなく、流量調整弁36を介して冷却部37にも圧送される。流量調整弁36は、冷却部37に送られる燃料の流量を可変に調整するものであってもよいし、冷却部37に送られる燃料の流量を一定に維持するもの(例えば、オリフィス)であってもよい。このような流量調整弁36を利用することにより、冷却部37へ送られる燃料の流量が調整されるので、燃料噴射弁の噴射孔近傍の部分の冷却を所望通りに行うことができる。
冷却部37は、図10に示されているように、燃料噴射弁35の噴射孔2近傍の部分11を冷却するためのものである。すなわち、冷却部37は、燃料噴射弁35の本体ハウジング1の少なくとも先端部分11周りに取り付けられており、その内部に、燃料を通すための燃料通路39を有する。図10(B)および(C)に示されているように、噴射孔2近傍のところの冷却部37の燃料通路39内には、該燃料通路39を部分的に遮蔽する遮蔽板40が配置されている。遮蔽板40は、図10(C)を参照すると分かるように、噴射孔2近傍の本体ハウジング1の部分11周りの冷却部37の燃料通路39の後端側の領域を遮蔽するが、該燃料通路39の先端側の領域は遮蔽していない。燃料は、この遮蔽板40によって遮蔽されていない領域、すなわち、燃料噴射弁35のより先端側の部分周りを通って流れるようになっている。
冷却部37に送られた燃料は、上述したように形成された燃料通路39を通り、噴射孔2近傍の本体ハウジング1の部分11を冷却することになる。特に、この実施形態では、上述したように遮蔽板40が設けられていることにより、燃料噴射弁35のより先端側の部分を冷却することができ、冷却効率が向上する。
そして、冷却部37を通った燃料は、図9に示されているように、リターン通路38へ送られ、このリターン通路38を介して燃料タンク30に戻される。ここで、冷却部37を通った後に燃料タンク30に戻された燃料の温度は高くなっているので、こうした燃料が燃料タンク30に戻されることによって、燃料タンク30内の燃料の温度も高くなる。すなわち、この実施形態によれば、冷却部37に燃料を通すことによって、噴射孔2近傍の本体ハウジング1の部分11を冷却することができると共に、燃料噴射弁35の噴射孔2に送られる燃料の温度を上昇させることができる。
なお、この実施形態では、高圧ポンプ33から燃料タンク30へと延びるリターン通路38を利用して冷却部37から燃料タンク30へ燃料が戻され、したがって、冷却部37から燃料タンク30へ燃料を戻すためだけにリターン通路を設けていないので、その分だけ、部品点数を削減することができる。
また、この実施形態では、冷却部37へ燃料を送るためのポンプとして、高圧ポンプ33へ燃料を送るためのフィードポンプ31を利用しているが、冷却部37へ燃料を送るためだけの吐出圧が比較的低いポンプを利用してもよい。
また、図11に示されているように、プレッシャレギュレータ32から冷却部37へ向かう燃料通路の一部41と、冷却部37から燃料タンク30へ向かう燃料通路の一部42とをデリバリパイプ13を構成する壁43の内部を通るように設けてもよい。特に、図11に示されている実施形態では、プレッシャレギュレータ32から冷却部37へ向かう燃料通路の一部41と、冷却部37から燃料タンク30へ向かう燃料通路42の一部とは、噴射孔2へ供給されるべき燃料を貯留しているデリバリパイプ13の燃料通路44に沿って延在するように設けられている。これによれば、プレッシャレギュレータ32から冷却部37へ向かう燃料通路41や冷却部37から燃料タンク30へ向かう燃料通路42を提供するための配管を一部省略することができる。また、デリバリパイプ13内を通って冷却部37から燃料タンク30へ向かう燃料通路42を流れる燃料によって、デリバリパイプ13の燃料通路44内の燃料が加熱されることにもなる。
次に、本発明の燃料噴射弁のさらに別の実施形態について説明する。この実施形態を図12に示した。図12においても、30は燃料タンク、31はフィードポンプ、32はプレッシャレギュレータ、33は高圧ポンプ、34はパルセーションダンパー、13はデリバリパイプ、35は燃料噴射弁、37は冷却部をそれぞれ示している。そして、図12においても、矢印線は、燃料の流れを示している。また、この実施形態においても、冷却部37の構成は、図10に示されているものと同じである。
この実施形態では、燃料タンク30内の燃料は、フィードポンプ31によってプレッシャレギュレータ32を介して高圧ポンプ33へと圧送される。高圧ポンプ33から吐出される燃料は、パルセーションダンパー34を介してデリバリパイプ13へと送られる。デリバリパイプ13に送られた燃料は、噴射用の燃料として、燃料噴射弁35の噴射孔2のところまで供給される。また、高圧ポンプ33からパルセーションダンパー34に送られなかった燃料は、リターン通路38を通って燃料タンク30に戻される。
ところで、この実施形態では、プレッシャレギュレータ32から高圧ポンプ33に送られなかった燃料が冷却部37に送られる。冷却部37を通過した燃料は、リターン通路38に放出され、燃料タンク30に戻される。このように冷却部37に送られた燃料によって、燃料噴射弁35の噴射孔2近傍の本体ハウジング1の部分11が冷却されると共に、冷却部37を通った後に燃料タンク30に戻された燃料によって、燃料タンク30内の燃料の温度が高くされる。すなわち、この実施形態によっても、冷却部37に燃料を通すことによって、噴射孔2近傍の本体ハウジング1の部分11を冷却することができると共に、燃料噴射弁35の噴射孔2に送られる燃料の温度を上昇させることができる。
なお、この実施形態においても、高圧ポンプ33から燃料タンク30へと延びるリターン通路38を利用して冷却部37から燃料タンク30へ燃料が戻され、したがって、冷却部37から燃料タンク30へ燃料を戻すためだけにリターン通路を設けていないので、その分だけ、部品点数を削減することができる。
また、この実施形態においても、冷却部37へ燃料を送るためのポンプとして、高圧ポンプ33へ燃料を送るためのフィードポンプ31を利用しているが、冷却部37へ燃料を送るためだけの吐出圧が比較的低いポンプを利用してもよい。
また、この実施形態においても、図11に示されているように、プレッシャレギュレータ32から冷却部37へ向かう燃料通路の一部と、冷却部37から燃料タンク30へ向かう燃料通路の一部とをデリバリパイプ13を構成する壁の内部を通るように設けてもよい。
次に、本発明の燃料噴射弁のさらに別の実施形態について説明する。この実施形態を図13に示した。図13においても、30は燃料タンク、31はフィードポンプ、32はプレッシャレギュレータ2、33は高圧ポンプ、34はパルセーションダンパー、13はデリバリパイプ、37は冷却部をそれぞれ示している。
一方、図13においては、35aは筒内燃料噴射弁、35bはポート内燃料噴射弁をそれぞれ示している。ここで、筒内燃料噴射弁33aは、上述した実施形態の燃料噴射弁と同じく、燃焼室内に燃料を直接噴射することができるようにその先端部分を燃焼室内に露出せしめられるようにして内燃機関に搭載されたものである。一方、ポート内燃料噴射弁35bは、燃焼室に続く吸気ポート(あるいは、吸気管)内に燃料を噴射することができるように内燃機関に搭載されたものである。
また、この実施形態では、冷却部37は、筒内燃料噴射弁35aの噴射孔近傍の部分を冷却するために、筒内燃料噴射弁35bの本体ハウジングの少なくとも先端部分周りに取り付けられたものである。そして、冷却部37の構成は、図10に示されているものと同じである。
この実施形態では、燃料タンク30内の燃料は、フィードポンプ31によって高圧ポンプ33とポート内燃料噴射弁35bとに圧送される。高圧ポンプ33から吐出される燃料は、パルセーションダンパー34を介してデリバリパイプ13へと送られる。デリバリパイプ13に送られた燃料は、噴射用の燃料として、筒内燃料噴射弁35aの噴射孔のところまで供給される。また、高圧ポンプ33からパルセーションダンパー34に送られなかった燃料、および、筒内燃料噴射弁35aの噴射孔から燃焼室内に噴射されずに残った燃料は、リターン通路38を通って燃料タンク30に戻される。
一方、ポート内燃料噴射弁35bに送られた燃料は、吸気ポート(あるいは、吸気管)内に噴射されるのであるが、このように噴射されずに残った燃料は、プレッシャレギュレータ32を介して冷却部37に送られる。冷却部37を通過した燃料は、リターン通路38を通って燃料タンク30に戻される。このように冷却部37に送られた燃料によって、筒内燃料噴射弁35aの噴射孔近傍の本体ハウジングの部分が冷却されると共に、冷却部37を通った後に燃料タンク30に戻された燃料によって、燃料タンク30内の燃料の温度が高くなる。すなわち、この実施形態によっても、冷却部37に燃料を通すことによって、筒内燃料噴射弁35aの噴射孔近傍の本体ハウジングの部分を冷却することができると共に、筒内燃料噴射弁35aおよびポート内燃料噴射弁35bに送られる燃料の温度を上昇させることができる。
なお、この実施形態においても、図11に示されているように、プレッシャレギュレータ32から冷却部37へ向かう燃料通路の一部と、冷却部37から燃料タンク30へ向かう燃料通路の一部とをデリバリパイプ13を構成する壁の内部を通るように設けてもよい。
また、図9〜図12に示されている実施形態について共通して言えることではあるが、これら実施形態では、冷却部37を通過した燃料は、そのまま燃料噴射弁の噴射孔のところまで送られるのではなく、いったん、燃料タンク30に戻される。したがって、冷却部37を通過した燃料の温度がその中に蒸発燃料(ベーパ)が発生してしまうほど高温になったとしても、この燃料は、いったん、燃料タンク30に戻されて、その温度が低くなる。このため、ベーパを含んでいる燃料が燃料噴射弁の噴射孔2のところに供給されてしまうことが回避される。
また、熱伝導部材を備えた燃料噴射弁と、冷却部を備えた燃料噴射弁とを説明したが、燃料噴射弁が熱伝導部材と冷却部との両方を有していてもよい。
1 本体ハウジング
2 噴射孔
3 ニードル弁
4 アーマチャ
6 コア
13 デリバリパイプ
15 熱伝導部材
35 燃料噴射弁
35a 筒内燃料噴射弁
35b ポート内燃料噴射弁
37 冷却部
39 燃料通路
40 遮蔽板
2 噴射孔
3 ニードル弁
4 アーマチャ
6 コア
13 デリバリパイプ
15 熱伝導部材
35 燃料噴射弁
35a 筒内燃料噴射弁
35b ポート内燃料噴射弁
37 冷却部
39 燃料通路
40 遮蔽板
Claims (10)
- 内燃機関の燃焼室内に露出せしめられる部分に噴射孔を具備する燃料噴射弁において、噴射孔近傍の部分の熱を該噴射孔に噴射される燃料に伝導する熱伝導手段を具備することを特徴とする燃料噴射弁。
- 上記熱伝導手段が、噴射孔近傍に配置される第1の部分と噴射孔へと続く燃料流路内に配置される第2の部分とを有することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 上記第2の部分が当該燃料噴射弁内部の燃料通路内に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
- 上記熱伝導手段が熱伝導率が比較的大きい材料から作製された部材であることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料噴射弁。
- 上記熱伝導率が比較的大きい材料がアルミニウムであることを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射弁。
- 上記熱伝導手段がヒートパイプであることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料噴射弁。
- アーマチャとコアとをさらに具備し、上記熱伝導手段がこれらアーマチャとコアとを貫通して延びることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
- 上記第2の部分が当該燃料噴射弁の噴射孔に供給される燃料を分配するためのデリバリパイプ内に配置され或いは該デリバリパイプに隣接して配置されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
- 上記熱伝導手段が噴射孔近傍の部分の外側周りを通って噴射孔へと続く燃料通路へと延びる燃料通路であることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 上記噴射孔近傍の部分の外側を通った燃料が当該燃料噴射弁の噴射孔に供給される燃料を分配するためのデリバリパイプを構成する壁の内部を通ることを特徴とする請求項9に記載の燃料噴射弁。
Priority Applications (1)
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JP2005005008A JP2006194117A (ja) | 2005-01-12 | 2005-01-12 | 内燃機関の燃料噴射弁 |
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Publications (1)
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ID=36800403
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Cited By (1)
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JP2008261275A (ja) * | 2007-04-11 | 2008-10-30 | Nippon Soken Inc | 排ガス浄化装置 |
-
2005
- 2005-01-12 JP JP2005005008A patent/JP2006194117A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2008261275A (ja) * | 2007-04-11 | 2008-10-30 | Nippon Soken Inc | 排ガス浄化装置 |
JP4628392B2 (ja) * | 2007-04-11 | 2011-02-09 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 排ガス浄化装置 |
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