JP2006193465A - 新規な含フッ素エポキシ化合物、およびその重合体 - Google Patents

新規な含フッ素エポキシ化合物、およびその重合体 Download PDF

Info

Publication number
JP2006193465A
JP2006193465A JP2005006025A JP2005006025A JP2006193465A JP 2006193465 A JP2006193465 A JP 2006193465A JP 2005006025 A JP2005006025 A JP 2005006025A JP 2005006025 A JP2005006025 A JP 2005006025A JP 2006193465 A JP2006193465 A JP 2006193465A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
polymer
flask
formula
fluorine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005006025A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4604726B2 (ja
Inventor
Hiromasa Yamamoto
弘賢 山本
Ikuo Matsukura
郁生 松倉
Shinji Okada
伸治 岡田
Naoko Shirota
直子 代田
Yuichiro Ishibashi
雄一郎 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2005006025A priority Critical patent/JP4604726B2/ja
Publication of JP2006193465A publication Critical patent/JP2006193465A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4604726B2 publication Critical patent/JP4604726B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)
  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】重合体の原料等として有用な新規な含フッ素エポキシ化合物、および該含フッ素エポキシ化合物を重合させた、短波長光に対して高い透明性を有する重合体を提供する。
【解決手段】下式(1)で表される化合物(ただし、RF1およびRF2は、それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基を示す。)、式CF=CFCRF1F2OCFCF=CFで表される化合物をエポキシ化反応させる下式(1)で表される化合物の製造方法、該化合物を重合させた重合体。
【化1】
Figure 2006193465

【選択図】なし

Description

本発明は、短波長光に対して高い透明性を有する重合体、および該重合体の原料等として有用な新規な含フッ素エポキシ化合物に関する。
半導体等の製造工程に用いるフォトリソグラフィ(露光処理)において、フォトマスクやレチクル(以下、これらをマスクパターン面という。)への異物付着を防止するために、ペリクルが用いられる。ペリクルとは、透明薄膜が接着剤を介して枠体に設置されたマスクパターン面上に一定の距離をおいて装着される光学物品である。
半導体の配線や配線間隔が微細化するに伴い、フォトリソグラフィにおける露光光源に発振波長が200nm以下のエキシマレーザー光(たとえば、発振波長が193nmのArFエキシマレーザー光や発振波長が157nmのFエキシマレーザー光等。)の使用が検討されている。
該エキシマレーザー光を用いたフォトリソグラフィ用ペリクルの材料として、主鎖にエーテル性酸素原子を含み環構造を含まない含フッ素重合体(Q)が提案されている。含フッ素重合体(Q)としては、主鎖に式−OCFCF−で表される繰返し単位と式−CFO−で表される繰返し単位を含み、他の主鎖部分に環構造を含まない含フッ素重合体(Q1)が提案されている(特許文献1参照。)。含フッ素重合体(Q1)は、CF=CFを酸素と光酸化反応させて得られる(特許文献2参照。)。
特開2001−255643号公報 特表平04−505171号公報
含フッ素重合体(Q1)中の繰返し単位は、CF=CFの重合により形成されたモノマー単位ではなく、CF=CFの酸化分解により形成される単位であると考えられた。そして含フッ素重合体(Q1)中の繰返し単位の、割合および組み合せは限定されていた。また他の繰返し単位を含む含フッ素重合体(Q)を得ようとしても、原料となる化合物の入手が困難であり得られる含フッ素重合体(Q)の種類は限定されていた。
本発明は、以下の発明を提供する。
<1>:下式(1)で表される化合物(ただし、RF1およびRF2は、それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基を示す。)。
Figure 2006193465
<2>:下式(2)で表される化合物をエポキシ化反応させる式(1)で表される化合物の製造方法。
CF=CFCRF1F2OCFCF=CF (2)
<3>:式(1)で表される化合物を重合させた重合体。
<4>:重量平均分子量が500〜1000000である<3>の重合体。
本発明によれば、新規な含フッ素エポキシ化合物が提供される。本発明の含フッ素エポキシ化合物は、1分子内に2個のエポキシ構造を有する特徴的な化合物である。本発明の含フッ素エポキシ化合物を重合させた重合体は、重合体の主鎖にエーテル性酸素原子を含み、200nm以下の波長光に対して高い透明性を有する。
本明細書において、式(1)で表される化合物を化合物(1)とも記す。他の式で表される化合物においても同様に記す。また、式(A)で表わされるモノマー単位を単位(A)と記す。モノマー単位とは、モノマーの重合により形成されるモノマーに由来する最大の繰り返し単位を意味する。
本発明は、下記化合物(1)を提供する(ただし、RF1およびRF2は、前記と同じ意味を示す。以下同じ。)。
Figure 2006193465
F1およびRF2は、同一であっても異なっていてもよい。炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基であるRF1およびRF2としては、トリフルオロメチル基が好ましい。RF1およびRF2は、いずれもフッ素原子であるのが好ましい。
化合物(1)の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
Figure 2006193465
本発明の化合物(1)は、新規化合物である。化合物(1)は、下記化合物(2)をエポキシ化反応させて得られる。
CF=CFCRF1F2OCFCF=CF (2)
エポキシ化反応は、酸化剤の存在下に行うのが好ましい。酸化剤としては、有機系酸化剤(たとえば有機過酸化物等。)、無機系酸化剤(たとえば次亜塩素酸ソーダ、KHSO等。)が挙げられる。
反応の温度は、−10℃〜+10℃が好ましく、−5℃〜+5℃が特に好ましい。
反応の圧力は、0〜2MPa(ゲージ圧)が好ましく、0〜1MPa(ゲージ圧)が特に好ましい。
反応は、2相系反応で行うのが好ましく、相間移動触媒を用いた2相系反応で行うのが特に好ましい。相間移動触媒としては、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等が挙げられ、塩化トリオクチルメチルアンモニウムが好ましい。
化合物(2)は、HOCHCHCHCHOHと下記化合物(9)をエーテル化反応させて下記化合物(8)を得て、該化合物(8)を式R−COFで表される化合物とエステル化反応させて下記化合物(7)を得て、該化合物(7)をハロゲン化反応させて下記化合物(6)を得て、該化合物(6)をフッ素化反応させて下記化合物(5)を得て、該化合物(5)を熱分解反応させて下記化合物(4)を得て、該化合物(4)を熱分解反応させて下記化合物(3)を得て、該化合物(3)を脱ハロゲン化反応させる方法を用いて製造できる。
CH=CHCRX (9)
CH=CHCROCHCHCHCHOH (8)
CH=CHCROCHCHCHCHOC(O)R (7)
CHZCHZCROCHCHCHCHOC(O)R (6)
CFZCFZCRF1F2OCFCFCFCFOC(O)R (5)
CFZCFZCRF1F2OCFCFCFCOF (4)
CFZCFZCRF1F2OCFCF=CF (3)
CF=CFCRF1F2OCFCF=CF (2)
ただし、RおよびRは、それぞれRF1とRF2に対応する基であり、RはRF1と同一の基またはフッ素化反応によりRF1となる基であり、RはRF2と同一の基またはフッ素化反応によりRF2となる基である。RおよびRは、それぞれ水素原子または炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が好ましい。
Zは、塩素原子または臭素原子である。
は炭素数1〜20のペフルオロアルキル基または炭素数2〜20のエーテル性酸素原子を含むペルフルオロアルキル基である。
化合物(9)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
CH=CHCHCl、
CH=CHCHBr、
CH=CHCHI、
CH=CHCH(CH)Cl、
CH=CHC(CHCl、
CH=CHCH(C)Cl。
化合物(2)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2006193465
エーテル化反応、エステル化反応、ハロゲン化反応、フッ素化反応、エステル分解反応および脱ハロゲン化反応は、公知の方法にしたがって実施できる。
本発明の化合物(1)は、それぞれ分子中に2個の重合性のエポキシ構造を有する化合物である。化合物(1)を重合させることにより下記単位から選ばれる1種以上のモノマー単位を含む重合体(A)を得ることができる。
Figure 2006193465
化合物(1)の重合反応の種類は、特に限定されず、アニオン重合法、カチオン重合法等のイオン重合法、ラジカル重合法等が挙げられる。重合性が良好である観点から、アニオン重合法が好ましい。また重合反応の方法は、特に限定されず、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法等の方法が採用できる。
アニオン重合法で実施する場合には、アニオン開始剤の存在下に行うのが好ましい。アニオン開始剤としては、CsFが好ましい。
重合体(A)の重量平均分子量は、500〜1000000が好ましく、500〜500000が特に好ましく、500〜300000がとりわけ好ましい。
本発明の重合体は、屈折率が低く、透明性、撥水撥油性等に優れることから、光ファイバー材料(光ファイバーのコア材料およびクラッド材料。)、光導波路材料(光導路材料のコア材料およびクラッド材料。)、ペリクル材料、レンズ材料(眼鏡レンズ、光学レンズ、光学セルなど。)等の光学材料;素子(発光素子、太陽電池素子など。)封止材料、層間絶縁膜(半導体素子用、液晶表示体用、多層配線板用など。)、バッファーコート膜、パッシベーション膜、α線遮蔽膜、高密度実装基板用層間絶縁膜、高周波素子(RF回路素子、GaAs素子、InP素子など。)保護膜、ディスプレイ(PDP、LCD、CRT、LCDなど。)表面保護膜等の電子材料;モーター流体軸受装置における軸受部分等のオイルシール剤;注射器、水素吸蔵合金、バイオセンサー用測定チップ、通気性布帛等の表面改質剤、として有用である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下においては、Mを重量平均分子量、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法をGPC法、CClFCClFをR−113、ジクロロペンタフルオロプロパンをR−225、−CF(CF)O(CFF基を−Rf1基と、記す。また圧力は、特に表記しない限り、絶対圧で示す。
は、特開2000−74892号公報に記載のGPC法を用いて測定した。具体的には、R−225(旭硝子社製、商品名:アサヒクリンAK−225SECグレード1)/ヘキサフルオロイソプロピルアルコール(HFIP)の容量比が99/1である混合溶媒を移動相として用い、PLgel MIXED−Eカラム(ポリマーラボラトリーズ社製)を2本直列に連結して分析カラムとした。分子量測定用標準試料としてペルフルオロポリエーテルの5種を用いた。移動相流速を1.0mL/分、カラム温度を37℃とし、検出器としては蒸発光散乱検出器を用いた。
[例1(合成例)]化合物(21)の製造例
Figure 2006193465
(例1−1)化合物(81)の製造例
水浴下、フラスコにHO(CHOH(48.5g)を投入し、KOH(16.3g)を撹拌しながら投入した。撹拌を続けながら、CH=CHCHBr(32.0g)をフラスコに1.5時間かけて滴下した。さらに25℃で24時間撹拌してから静置して、有機相および水相に分離した2相分離液を得た。つぎに有機相と取り出し、さらに水相を塩酸(1mol/L)で酸性にしてからトルエン(50mL)で3回抽出したトルエン抽出液を得た。有機相とトルエン抽出液をあわせ、つぎに飽和食塩水(20mL)で3回洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥してから、エバポレータで濃縮して濃縮物を得た。濃縮物をNMRで分析した結果、標記化合物の生成を確認した(収率85.3%)。
(例1−2)化合物(71)の製造例
フラスコに、NaF(16.8g)、R−225(100g)および例1−1で得た化合物(81)(29.4g)を投入した。つぎに、フラスコの内温を0〜10℃に保持し、フラスコを撹拌しながら式Rf1−COFで表される化合物(110.8g)を4時間かけて滴下した。オートクレーブを25℃で4時間撹拌してから、フラスコの内温を15℃以下にして、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を投入して水溶液を得た。水溶液をR−225(200mL)で3回抽出して得た抽出液を、硫酸マグネシウムで乾燥してからエバポレータで濃縮して濃縮物を得た。濃縮物をNMRで分析した結果、標記化合物の生成を確認した(収率95.3%)。
(例1−3)化合物(61)の製造例
フラスコに、例1−2で得た化合物(71)(50.0g)とCCl(50mL)を投入した。つぎに、フラスコの内温を−15℃に保持して、フラスコに塩素ガスを2.27L/hで2時間導入した。フラスコに窒素ガスを2時間導入して塩素ガスを除いてから、フラスコの内溶液を濃縮して濃縮物を得た。濃縮物をNMRで分析した結果、標記化合物の生成を確認した(収率77%)。
(例1−4)化合物(51)の製造例
オートクレーブ(内容積500mL、ニッケル製)に、R−113(312g)を加えて25℃で撹拌した。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、および−10℃に保持した冷却器を直列に設置した。−10℃に保持した冷却器からは、凝縮液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。オートクレーブに窒素ガスを1時間導入した後、窒素ガスで20体積%に希釈したフッ素ガス(以下、20%フッ素ガスという。)を、10.8L/hで1時間導入した。
つぎに、オートクレーブに20%フッ素ガスを同じ流量で導入しながら、例1−3で得た化合物(61)(5g)をR−113(100g)に溶解した溶液を、4時間かけて注入した。オートクレーブの出口バルブを閉め、20%フッ素ガスを同じ流量で導入しながら、ベンゼン濃度が0.01g/mLであるR−113溶液(9mL)を25℃から40℃にまで加熱しながら注入した。つぎにオートクレーブのベンゼン注入口を閉め、圧力が0.20MPaになってからオートクレーブのフッ素ガス入り口バルブを閉めて、0.4時間撹拌を続けた。さらに同様の操作を2回繰り返した。ベンゼンの総注入量は0.21g、R−113の総注入量は21mLであった。
つぎに、オートクレーブに窒素ガスを1時間導入してフッ素ガスを除いてから、オートクレーブの内溶液をデカンテーションして反応粗液を得た。反応粗液を濃縮して得た濃縮物をNMRで分析した結果、標記化合物の生成を確認した(収率95%)。
(例1−5)化合物(41)の製造例
蒸留塔を備えたフラスコに、例1−4と同様の方法で得た濃縮物(144.1g)とKF粉末(2.1g)を投入した。フラスコを、100℃に加熱して4時間撹拌してから減圧すると、65℃/13.33kPa(絶対圧)の留分が得られた。留分をNMRで分析した結果、標記化合物の生成を確認した(収率63%)。
(例1−6)化合物(31)の製造例
フラスコに、例1−5で得た化合物(41)(23.9g)を投入し、さらに1質量%のフェノールフタレイン数滴を加えて撹拌すると、フラスコ内溶液が青色に呈色した。つぎに、フラスコを撹拌しながら、10質量%のNaOHを含むエタノール溶液をフラスコの内容液が赤色になるまで滴下した。
該内溶液を、エバポレーターで濃縮し、真空乾燥器(80℃)を用いて24時間乾燥した結果、CFClCFClCFO(CFCOONa(24.8g)を得た。つぎに、メタノール−ドライアイストラップ、液体窒素トラップを順に塔頂部に設置した蒸留塔を備えたフラスコに、CFClCFClCFO(CFCOONa(24.8g)を投入した。フラスコ内を減圧にし、250℃で6時間加熱すると、メタノール−ドライアイストラップと液体窒素トラップに留出液が溜まった。留出液をNMRで分析した結果、標記化合物の生成を確認した(収率87%)。
(例1−7)化合物(21)の製造例
還流液を捕集する容器を備えた還流コンデンサー、および滴下漏斗を備えたフラスコに、亜鉛(4.5g)およびジメチルホルムアミド(3mL)を入れた。つぎにフラスコ内を33.3kPa(絶対圧)に減圧して、フラスコの内温を70〜75℃に保持した。つづいて例1−6で得た化合物(21)(5.7g)をジメチルホルムアミド(27g)に溶解した溶液を、滴下漏斗からフラスコへゆっくりと滴下すると該容器に液体が留出した。留出が停止するまで捕集した液体(3.4g)をNMRで分析した結果、収率73%で標記化合物を得た。標記化合物の純度は74%であった。さらに液体を精留した結果、純度99%の標記化合物を得た。
化合物(21)の19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−72.1(4F)、−91.7(2F)、−104.9(2F)、−190.0(2F)。
[例2(参考例)]化合物(epo)の製造例
Figure 2006193465
還流コンデンサーを備えたフラスコに、12質量%の次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液(150mL)とアセトニトリル(25mL)を加えた。つづいて内温を0℃に保持しながら化合物(epo1)(16.3g)を加え、5時間撹拌した。つぎに塩化トリオクチルメチルアンモニウム10滴を加え、さらに0℃で17時間撹拌した。つぎに0℃のまま静置した。静置後、上相を抜き出し、下相を飽和重曹水で洗浄した。洗浄後、上相の飽和重曹水を抜き出した。続いて、減圧留去することにより化合物(epo)(1.03g)を得た。生成物をNMRで分析した結果、標記化合物の生成を確認した(収率3.3%)。
化合物(epo)の19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−81.3(2F)、−95.0(2F)、−182.4(2F)。
[例3(実施例)]化合物(11)の製造例
フラスコに、化合物(21)(70.0g)と(CFN(316.6g)を加えた。フラスコの内温を0℃保持しながら、12質量%の次亜塩素酸ソーダを含む水溶液(400g)と塩化トリオクチルメチルアンモニウム(0.50g)を加え2相系溶液を得た。
つぎにフラスコ内を4時間撹拌してから、フラスコを静置しフラスコ内溶液の上相を抜き出した。つづいてフラスコに12質量の%次亜塩素酸ソーダを含む水溶液(120g)と塩化トリオクチルメチルアンモニウム(0.10g)を加え、フラスコ内を1時間撹拌する操作を行った。さらに該操作を9回行った。
つづいてフラスコを静置し、フラスコ内溶液の下相の液を抜き出して飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄した。さらに減圧留去して粗生成物(51.5g)を得た。粗生成物を19F−NMRで分析した結果、下記化合物(11)の生成を確認した(収率60%)。粗生成物をさらに精留して高純度な化合物(11)を得た。
Figure 2006193465
化合物(11)の19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−68.9(4F)、−117.9(2F)、−128.5(2F)、−153.5(2F)。
[例4(実施例)]重合体(A)の製造例
耐圧反応器(ガラス製、内容積20mL)に、化合物(11)(5.6g)、CHO(CHCHO)CH(2g)、テトラヒドロフラン(4g)およびCsF(0.007g)を仕込んでから、反応器内を凍結脱気した。つぎに反応器の内温を−30℃に保持しながら24時間重合を行い、さらに内温を−10℃に保持しながら20時間重合を行った。反応器内容物を回収しその結果、グリース状の重合体(3.4g、以下、重合体(A)という。)を得た。
重合体(A)を19F−NMRを用いて解析した結果、化合物(11)のエポキシ構造に起因するフッ素原子のピークは完全に消失しており、重合体(A1)は下記単位(A11)、下記単位(A21)および下記単位(A31)を含む重合体であることを確認した。重合体(A)のMは1000であった。また、膜厚0.85μmの重合体(A)の193nmの波長光に対する透過率は、約90%であった。
Figure 2006193465
[例5(実施例)]化合物(11)と化合物(epo)の共重合反応による共重合体(A)の製造例
耐圧反応器(ガラス製、内容積20mL)に、化合物(11)(1.1g)、化合物(epo)(0.7g)、CHO(CHCHO)CH(0.3g)、テトラヒドロフラン(0.6g)、CsF(4.4mg)を仕込んでから反応器内を凍結脱気した。つぎに内温を−30℃に保持しながら24時間重合を行い、さらに内温を−10℃に保持しながら20時間重合を行った。反応器内容物を回収しその結果、グリース状の重合体(1.0g、以下、共重合体(A)という。)を得た。
共重合体(A)を19F−NMRを用いて解析した結果、化合物(11)および化合物(epo)のエポキシ構造に起因するフッ素原子のピークは完全に消失しており、共重合体(A)は単位(A11)、単位(A21)、単位(A31)および下記単位(Epo)を含む重合体であることを確認した。重合体(A)のMは1000であった。
Figure 2006193465
本発明の化合物は、重合性の化合物として有用である。本発明の化合物を重合させた重合体は、特に短波長光に対する透明性に優れることから、ペリクル材料等の光学材料として有用である。

Claims (4)

  1. 下式(1)で表される化合物(ただし、RF1およびRF2は、それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基を示す。)。
    Figure 2006193465
  2. 下式(2)で表される化合物をエポキシ化反応させることを特徴とする下式(1)で表される化合物の製造方法。
    CF=CFCRF1F2OCFCF=CF (2)
    Figure 2006193465
  3. 下式(1)で表される化合物を重合させた重合体。
    Figure 2006193465
  4. 重量平均分子量が500〜1000000である請求項3に記載の重合体。
JP2005006025A 2005-01-13 2005-01-13 新規な含フッ素エポキシ化合物、およびその重合体 Expired - Fee Related JP4604726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005006025A JP4604726B2 (ja) 2005-01-13 2005-01-13 新規な含フッ素エポキシ化合物、およびその重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005006025A JP4604726B2 (ja) 2005-01-13 2005-01-13 新規な含フッ素エポキシ化合物、およびその重合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006193465A true JP2006193465A (ja) 2006-07-27
JP4604726B2 JP4604726B2 (ja) 2011-01-05

Family

ID=36799816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005006025A Expired - Fee Related JP4604726B2 (ja) 2005-01-13 2005-01-13 新規な含フッ素エポキシ化合物、およびその重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4604726B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014017396A1 (ja) * 2012-07-24 2016-07-11 日本化薬株式会社 感光性樹脂組成物及び反射防止フィルム

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57176974A (en) * 1981-04-03 1982-10-30 Du Pont Perfluoroglycidyl ethers and precursor of same

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57176974A (en) * 1981-04-03 1982-10-30 Du Pont Perfluoroglycidyl ethers and precursor of same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014017396A1 (ja) * 2012-07-24 2016-07-11 日本化薬株式会社 感光性樹脂組成物及び反射防止フィルム
US10488558B2 (en) 2012-07-24 2019-11-26 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Photosensitive resin composition and antireflection film

Also Published As

Publication number Publication date
JP4604726B2 (ja) 2011-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7939682B2 (en) Fluorine-containing adamantane derivative, fluorine-containing adamantane derivative having polymerizable group, and resin composition containing same
US6448452B2 (en) Fluorine-containing diene, its production method and its polymer
US7790811B2 (en) Pellicle and novel fluoropolymer
US20060194936A1 (en) Novel fluorinated compound and fluoropolymer
JP5028735B2 (ja) 新規含フッ素化合物、その製造方法およびその重合体
US20050147897A1 (en) Ultraviolet transmitting fluoropolymer and pellicle comprising said polymer
JP2006241302A (ja) 新規な、ペルフルオロ(2−ビニル−1,3−ジオキソラン)構造を有する化合物および含フッ素重合体
JP4604726B2 (ja) 新規な含フッ素エポキシ化合物、およびその重合体
JP4696914B2 (ja) 新規な含フッ素ジオキソラン化合物、および新規な含フッ素重合体
JP4396525B2 (ja) 含フッ素化合物および含フッ素重合体
JPWO2005095471A1 (ja) 新規な含フッ素重合体、およびその製造方法
JP2006290779A (ja) 新規な、含フッ素化合物および含フッ素重合体
JP2006342075A (ja) 含フッ素ノルボルネニルエステル化合物、およびその重合体
JP4453300B2 (ja) 2,2,3,3,4,5−ヘキサフルオロ−2,3−ジヒドロフランおよび該モノマーを含む重合体
JP2006233140A (ja) 精製された含フッ素重合体の製造方法、ペリクルおよび露光処理方法
WO2020262548A1 (ja) 重合体、組成物、液状組成物、膨潤体、積層体、及び光学部材
JP4329572B2 (ja) 新規な含フッ素重合体
JP2006282619A (ja) 新規な、ペルフルオロ(2,2−ジビニル−1,3−ジオキソラン)構造を有する化合物および含フッ素重合体
JP2006282619A5 (ja)
JP2004102269A (ja) 紫外光透過性含フッ素重合体および該重合体からなるペリクル
JP2003156835A (ja) ペリクルおよび露光処理方法
JP2004115454A (ja) 含フッ素アリルエーテル化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100907

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100920

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 3

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees