JP2006191892A - ゼラチンを含まないグミ様食品及びそれをセンターとするコーティング製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、ゼラチンの不使用を達成しつつ、粘度が高くなりすぎず、液切れが良いなどの製造過程における加工適性が優れ、固化した時には硬さや保形性に優れ、食べた時に好ましい食感や歯応えを有したグミ様食品を得ること、そして該グミ様食品についてコーティング作業のような二次加工を施すことが可能であり、そしてコーティング作業の実施によりグミ様食品をセンターとしたコーティング製品を開発することにある。
【解決手段】ゼラチン以外のゲル化剤、糖アルコール類及び/又はトレハロース、酒石酸塩からなり、試験法Aによって定義される硬さ試験での歪み率10%時の測定値が300gf以上となる、ゼラチンを含まないグミ様食品とすることにより、係る課題を解決するグミ様食品が得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゲル化剤としてゼラチンを用いることなく、保形性が良く、短期間で好ましい硬さに固化し、そのまま食べるだけでなく、コーティングセンターとしても利用することが可能な、ゼラチンを含まないグミ様食品と、それをセンターとして用いてその周囲を食品素材でコーティングしたコーティング製品に関する。
グミやグミゼリーは、通常のゼリーと比べて水分が少なく、製品重量全体の約20%程度あるいはそれ以下の水準まで水分を減少させた処方となることが多く、噛んだ時にゴムの様な特有の食感を有すること、直ぐには呑み込まれずに比較的長い時間口腔内に存在しその食感を楽しむことができること、などの特徴を有した嗜好食品であり、近年では児童の顎の骨の健全な発育のために物を噛むことが大変有効であるとの知見もあり、主にデザートやお菓子として、年齢、性別を問わず広く普及している。
このようなグミやグミゼリーの甘味料には、砂糖、ブドウ糖、水飴、異性化糖等が広く使用されてきたが、これらは水分が多い通常のゼリーに比べて糖度が高く、しかも水分が少ない硬めの食感になるので、直ぐには呑み込まれずに口腔内に比較的長い時間存在し、歯の表面に唾液と共に押し付けられることから、やがて、虫歯を生成しやすいと云う、従来の甘味料の欠点が指摘されるに至っている。
この欠点を解消するために最も注目されたのは、従来の糖類に近い性質及び構造を有する、ソルビトール、マルチトール、キシリトール等に代表される各種糖アルコールであり、従来型のグミやグミゼリーの改善のためその使用が検討され、例えば、固形分中に、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、還元澱粉加水分解物、還元キシロオリゴ糖、パラチニット、還元分岐オリゴ糖から成る群から選ばれる1種又は2種以上の糖アルコール80〜96重量%、ゼラチン3〜19重量%、ペパーミント、スペアミント、メントールから成る群から選ばれる1種又は2種以上のミント系フレーバー0.1〜2重量%、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、アジピン酸、乳酸、酢酸、食酢から成る群から選ばれる1種又は2種以上の有機酸0.1〜5重量%を含有することを特徴とする無糖グミゼリーについて開示された文献がある(特許文献1)。
一方、嗜好性の多様化により様々な嗜好食品が開発されている中で、種々の食品の周囲を糖類や糖アルコールでコーティングしたコーティング食品が、コーティングセンターの保護機能や安定性を高めること、見た目が良いこと、噛んだ時にパリパリとした好ましい食感を有して砕けていくこと、などの特徴を有していることから、新しい嗜好性食品としての地位を確立している。
そして、グミ様食品に対しても、それをコーティングセンターとして用い、その周囲にコーティングを形成させた新しい食品の開発が検討されており、ゼラチン質固形食品に該固形食品全体を覆う糖衣層を形成させた後、これを加温することを特徴とする糖衣固形食品の製造方法について開示された文献がある(特許文献2)。
特開平6−70704号公報 特開2002−165569号公報
このように、多様な嗜好性が求められる一方で、多くの消費者は食品の物性や品質を改善するために使用される添加物の存在にも高い関心を持っている。そのような中、現在市販されているグミの多くは、独特の食感と適度な硬さを持たせるために、ゼラチンが特に好まれて使用されている。
しかしながら、牛、豚、鶏、魚由来のものが大部分を占めるゼラチンは、動物系食品素材に対するアレルギー症状を持つ人には適さず、国や地域によっては宗教上の禁忌とされているため、そのような場合に使用制限を受けてしまうこと、さらに近年では牛のBSE問題などもあり、ゼラチンの使用を控える傾向が強まっており、ゼラチンを用いない代替法が望まれている。
また、従来の甘味料に代わって糖アルコールを主成分とするグミを調製した場合、グミの原料として最も適したゲル化剤であるゼラチンを用いたとしても、完成したグミは硬さや保形性の点で十分なものとは言えず、例えばそのようなグミをセンターとしてコーティングするなど、グミに二次加工を施すことは容易ではなかった。
また、単に硬いグミ様食品を得ようとして大量にゲル化剤を使用しても、粘度が高くなりすぎて攪拌や原料の調合が困難になることや、原料溶液の調製段階で容器に付着し易くなり歩留まりが減少することや、高粘度化により流動性が低下し、モールドする際の操作性が悪くなることや、大量のゲル化剤の添加により味質が劣るなどの問題点が生じ易く、製造時の操作性や最終製品の味質を考慮すると、グミ様食品で硬さや保形性を求めることは非常に困難とされていた。
本発明の課題とするところは、グミ様食品の調製に当たり、この分野では非常に困難とされていたゼラチンの不使用を達成しつつ、粘度が高くなりすぎず、液切れが良いなどの製造過程における加工適性が優れ、固化した時には硬さや保形性に優れ、食べた時に好ましい食感や歯応えを有したグミ様食品を得ること、そして該グミ様食品についてコーティング作業のような二次加工を施すことが可能であり、そしてコーティング作業の実施によりグミ様食品をセンターとしたコーティング製品を開発することにある。
本発明者によると、糖アルコール類及び/又はトレハロース、ゼラチン以外のゲル化剤、酒石酸塩の構成からなる原料を用いてグミ様食品を調製することで、ゼラチン不使用であること、食べた時に好ましい食感を有すること、二次加工を施すことが可能な硬さや保形性を有すること、さらに製造時の操作性が良く、短時間で一定の硬さを有するようになるなど、様々な好ましい特徴を有するグミ様食品とすることが可能となった。また、この様にして調製されたグミ様食品は、糖衣に代表されるコーティングのセンターの素材として使用することも可能であり、従来は非常に困難であると思われた、グミ様食品をセンターとするコーティング製品の調製も可能となった。以下に本発明についてその詳細を説明する。
即ち、本発明の第一は、ゼラチン以外のゲル化剤、糖アルコール類及び/又はトレハロース、酒石酸塩からなり、試験法Aによって定義される硬さ試験での歪み率10%時の測定値が300gf以上となる、ゼラチンを含まないグミ様食品である。
本発明の第二は、固形物換算で、70.0〜99.0重量%の糖アルコール類及び/又はトレハロースと、0.001〜5.0重量%の酒石酸塩を含有する、第一に記載のグミ様食品である。
本発明の第三は、固形物換算で、0.1〜15.0重量%の、酒石酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩を含有する、第一又は第二に記載のグミ様食品である。
本発明の第四は、第一〜第三の何れか一つに記載のグミ様食品をセンターとし、その周囲を食品素材でコーティングしてなるコーティング製品である。
本発明に係る上記第一から第三の何れか一つに記載のグミ様食品を好適に製造する手段の一つとして、ゼラチン以外のゲル化剤、糖アルコール類及び/又はトレハロース、酒石酸塩からなる、固形分濃度75重量%以上の水溶液を調製し、該水溶液をスターチモールドによって固化し、固化物をスターチモールドから取り出して、さらに5〜35℃の環境下で静置させて熟成させる、グミ様食品の製造方法がある。
本発明に係る上記第四に記載のコーティング製品を好適に製造する手段の一つとして、第一〜第三の何れか一つに記載のグミ様食品をセンターとし、その周囲を食品素材でコーティングされるようコーティング形成操作を実施する、コーティング製品の製造方法がある。
本発明によって得られるグミ様食品とは、グミ様食品の形成に於いて一般的に使用されるゼラチンを用いることなく調製され、従来にない高い硬度、それに伴う好ましい食感や性質を有するものであり、さらにそれをコーティング用のセンターとして利用し、コーティングされたグミ様食品とすることも可能である。
本発明で調製されるグミ様食品は、甘味料成分として糖アルコール類を用いて調製することが出来るため、グミ様食品の調製に使用されるその他の原料中に糖類が含まれないような材質を用いれば、シュガーレスのグミ様食品とすることも可能である。また、コーティングに用いる材質についても、糖アルコール類を用いて処方するシュガーレスコーティングを採用した場合には、コーティングされたグミ様食品全体をシュガーレス化することも可能である。なお、本発明で言うシュガーレスとは、実質的に糖類を含まない物の他に、栄養表示基準(平成8年5月20日厚生省告示第146号)で示される範囲を充足するものも含まれる。
本発明で云うグミ様食品とは、ゼラチンを配合して形成される従来のグミと同様、噛むことができて、噛んだ時には硬いゴム様の食感で、適度な歯応えを有し、さらにその特有の食感と歯応えによってもたらされる噛み心地が口腔内で一定期間持続するため、直ぐには呑み込まれずに比較的長い時間口腔内でその食感を楽しむことができるなどの特徴を有した食品又は医薬品を指す。
本発明に係るグミ様食品の調製で使用される原料としては、良好な味や非う蝕性もしくは低う蝕性、グミ様食品とした際の良好な食感等から糖アルコール類及び/又はトレハロースが選択され、糖アルコール類についてはマルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、還元麦芽糖水飴、還元澱粉糖化物、還元パラチノース等が例示され、これら糖アルコール類やトレハロースは単独又は2種以上を組合せて使用することも可能であり、その品質は、何れも食品、食品添加物品、医薬品添加物品、日本薬局方品として販売されている程度のもので十分であり、それらの形態も、粉末状、結晶状、含蜜結晶状、顆粒状、スラリー状、液状、シロップ状、ブロック状など、状態の如何を問わず使用することができる。
グミ様食品とする時に、表面に微細結晶が析出しにくくなり、内部に濁り感の少ない半透明の美しい仕上がりとなり易く、適度な硬さや滑らかさを有し易く、このような滑らかな仕上がりとなることでコーティングなどの二次加工にも適し易くなることなどから、上述の糖アルコール類及び/又はトレハロースは、それらを組合せて使用することが、更に好ましい実施態様と言える。その組合せは、上述した糖アルコール類及び/又はトレハロースであれば、それらの中から任意の組合せが採用可能であるが、好ましい例としてはマルチトールと各種糖アルコール類及び/又はトレハロースとの組合せ、あるいはソルビトールと各種糖アルコール類及び/又はトレハロースとの組合せであり、特に好ましい例としてはマルチトールとソルビトールとの組合せが挙げられる。
本発明に用いるゲル化剤の種類は、ゼラチン以外のゲル形成能を有する素材であれば、単独であっても任意に組合せて使用しても良く、カラギーナン、寒天、タマリンド、ペクチン、アラビアガム、ヒドロキシメチルセルロース、プルラン、ローカストビーンガム、グアガム、カラヤガム、ジェランガム、カードラン、トラガントガム、アラビノガラクタンなどを単独もしくは組合せて使用することができ、それらの性状、由来、種類は特に問われない。これらの中でも、製造時の操作性、固化性の容易さ、仕上がったグミ様食品の食感、硬さ、保形性などから、カラギーナン単独あるいはカラギーナンとその他のゲル化剤との併用が好ましく、併用の好ましい例としては、カラギーナンとグアガムや寒天等との併用が挙げられる。
本発明に用いられる酒石酸塩は、塩の形状であればL−酒石酸、D−酒石酸、それらのラセミ化合物、メソ酒石酸など、何れの立体構造の塩でもよく、それらは単独で用いても組合せて使用しても良い。これら酒石酸塩は、粉末状、水溶液状の何れの状態であっても好適に使用することができる。塩の種類については、通常の有機酸の対イオンとなり得る塩であれば特段の制限は無く、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、その他の各種金属塩などが挙げられるが、グミ製造時の操作性、その際製品中に発生する結晶析出の制御し易さ、固化性の容易さ、仕上がったグミ様食品の食感、硬さ、保形性などから、酒石酸二ナトリウム、酒石酸カリウムナトリウム(ロッシェル塩)、酒石酸水素カリウムの各酒石酸塩の使用が好ましく、これらの中でもカリウム塩を有した酒石酸カリウムナトリウムや酒石酸水素カリウムが更に好ましく、酒石酸カリウムナトリウムが最も好ましい酒石酸塩として例示できる。
本発明に係るゼラチンを含まないグミ様食品の主原料としては、糖アルコール類及び/又はトレハロース、ゲル化剤、酒石酸塩が挙げられ、最終的に得られる製品の固形分中に含まれるこれらの各種原料の含有量については、本発明に係る効果が好適に現れることから、以下の範囲とすることが好ましい。
本発明に係るグミ様食品中に含まれる糖アルコール類及び/又はトレハロースの含有量は、固形物換算で70.0〜99.0重量%、更に好ましくは80.0〜98.0重%、最も好ましくは90.0〜97.0重量%である。
本発明に係るグミ様食品中に含まれるゲル化剤の含有量は、固形物換算で0.1〜10.0重量%、更に好ましくは0.5〜7.0重量%、最も好ましくは1.0〜5.0重量%である。この範囲を超えて使用する場合、原料溶液の粘度が増加したり、加工時の操作性が低下したり、最終製品としたときの味質が低下する恐れがある。
本発明に係るグミ様食品中に含まれる酒石酸塩の含有量は、固形物換算で0.001〜5.0重量%、更に好ましくは0.01〜3.0重量%であり、特に好ましくは0.05〜1.0重量%であり、最も好ましくは0.08〜0.5重量%である。この範囲を超えて使用する場合、グミ様食品中で結晶発生の制御が困難になり、、加工時の操作性が低下したり、最終製品としたときの味質や噛み心地が低下する恐れがある。
酒石酸塩は酸味料として使用されることもあるが、本発明では、グミ様食品とする際の製造時の操作性、その際製品中に発生する結晶析出の制御し易さ、固化性の容易さ、仕上がったグミ様食品の食感、硬さ、保形性などの種々の効果が発現しさえすれば良いので、本発明で要求される酒石酸塩の好ましい添加量としては、グミ様食品を口にしたときに実質的に酸味を知覚することができる水準よりも低い添加量で十分である。
本発明に係るゼラチンを含まないグミ様食品の製造は、糖アルコール類及び/又はトレハロースとゲル化剤を含有した水溶液を調製して煮詰めた後、酒石酸塩を加えるか、糖アルコール類及び/又はトレハロースとゲル化剤と酒石酸塩を同時に溶解して水溶液を調製し、それを煮詰めても良い。このように、糖アルコール類及び/又はトレハロース、ゲル化剤、酒石酸塩の添加時期に特に制限は無く、最終的にこれら三成分を含有する水溶液としたものを調製し、必要であればそれを所定濃度まで加温したり煮詰めたりして、グミ原料溶液を調製すれば良い。
グミ形成を有利に進めるには、上記グミ原料溶液の固形分濃度は75〜98重量%とすることが好ましく、更に好ましくは80〜95重量%、特に好ましくは85〜93重量%、最も好ましくは90±2重量%の範囲である。
上記の通りに調製されたグミ原料溶液は、澱粉の上に、適当量を滴下し、そのまま固化するまで放置する、いわゆるスターチモールド法を採用することが好ましいが、本発明に係るゼラチンを含まないグミ様食品の形成に於いては、スターチモールド法に限らず、その他の公知の固化方法も任意に採用可能である。
グミ原料溶液の固化方法としてスターチモールド法を採用する場合、スターチモールドに使用する澱粉の種類に特段の制限は無く、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、米澱粉、大麦、小麦、ライ麦など各種麦類澱粉、サゴ澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉など各種芋類澱粉、くず澱粉、わらび澱粉、ハス澱粉、ヒシ澱粉等その他穀類や植物類を由来とする各種澱粉が使用可能である。
スターチモールドでは、均一に敷き詰められたスターチ表面に、球形、俵型、小豆型などの型枠を用いて窪みを作り、そこにグミ原料溶液を流し込み、流し込んだグミ原料溶液が見えなくなるまでスターチを上から静かに振り掛け、一定温度で静置することで、流し込んだグミ原料溶液の冷却とスターチへの水分移行により、滑らかな形状を維持しつつ、好適な硬さに固化する。
スターチモールドを行う際の条件としては、グミ原料溶液が好適な硬さを有するまで固化すれば特に制限はないが、仕上がり後のグミの品質を考慮して、スターチモールド時の処理温度は、20〜70℃で実施することが好ましく、更に好ましくは40〜65℃、特に好ましくは50〜60℃で実施され、要する時間は1〜120時間程度で十分である。
本発明に係るグミ様食品をさらに好適に調製するためには、スターチモールドにより固化した後、固化物を取り出して、さらに熟成工程を設けることが好ましい。熟成工程の条件は、取り出したグミ様食品をそのままの形状で、恒温層などの中で一定期間静置しておけば良く、熟成時の温度としては5〜35℃、好ましくは15〜30℃、特に好ましくは20〜25℃であり、熟成に要する時間は1〜120時間、好ましくは12〜96時間、特に好ましくは48〜72時間である。
グミ様食品を更に効率的に、好適な硬さに固化させるには、40〜65℃好ましくは50〜60℃の環境下でスターチモールドを48時間実施し、次いで、グミ様食品をスターチ内から取り出して、15〜30℃好ましくは20〜25℃の環境下に48時間グミ様食品を静置し、熟成させればよい。
本発明のグミ様食品は、ゼラチンを使用せず、糖アルコール類及び/又はトレハロースを甘味料の主体として使用しているにも関わらず、食感、硬さ、保形性などの点に優れ、コーティングなどの二次加工にも耐えうる十分な保形性、強度、硬度を有しているが、その具体的な値は、以下に示す試験法Aによって明らかにされる。
試験法Aでは、測定対象サンプルを試料台に設置し、対象サンプルが一定の歪み率となるまでプランジャーで上部から押し込み、その時の押し込みに要する荷重の大きさでグミ様食品の硬さを測定した。なお、対象サンプルの歪み率とは、対象サンプルに進入したプランジャーの押込み距離を、試料台に設置された対象サンプルの底面から対象サンプル頂上部までの高さで割った値で表され、本発明内ではその数字を百分率で表記される。例えば、高さが10mmの対象サンプルに対し歪み率が10%の場合、プランジャーの押込み距離は1mmとなる。本発明では、この試験法Aの測定によって、定められた歪み率に対する荷重が一定値以上ものが、コーティングのセンターなどの二次加工にも耐えうる好適な硬さを有したグミ様食品であると判断した。
試験法Aに用いた装置及び解析ソフトとしては以下の方法が採用できる。
クリープメータ(型番:RE−33005−1、RE−33005−2、株式会社山電製)
サンプル厚さ計(型番:HC−3305−01、株式会社山電製)
荷重センサー(2kgfロードセル、型番:LC−3305−2K、株式会社山電製)
円柱型プランジャー(型番:No.3、φ16)
解析用ソフトウェア(破断強度解析 BAS-3305W Ver.1.0004)
本発明に係るグミ様食品の硬度について、上記装置による試験法Aの測定を行った場合、歪み率に対する荷重の大きさで表すと、歪み率が10%となるのに要する荷重が、300gf以上、好ましくは600gf以上、更に好ましくは900gf以上、特に好ましくは1200gf以上、最も好ましくは1400gf以上となる硬度を有することを特徴としたグミ様食品である。
試験法Aによる測定で、歪み率が10%となるのに要する荷重が300gf以上であれば、好ましい食感を有するものと評価され、600gf以上であれば、コーティング加工にも十分耐え得る硬さと好ましい食感を有するものと評価され、900gf以上であればコーティング加工及び食感の点でより好ましく、1200gf以上であればコーティング加工及び食感の点で特に好ましく、1400gf以上であればコーティング加工及び食感の点で最も好ましく、優れた結果をもたらすものとして評価される。
一方、試験法Aによる測定で、歪み率が10%時の荷重が200gf未満であれば、コーティング加工時に形が崩れ易くコーティングが実施できない可能性があり、食感においても歯応えが少なく物足りなさを感じ易いため、好ましいものではないと評価され、100gf未満では、コーティング加工時にセンターであるグミ様食品が原型を維持することが困難で加工適性を有さず、食感においても歯応えがより感じ難くくなるため、特に好ましいものでないと評価される。
本発明に係るグミ様食品には、上記で例示した原料組成物以外に、本発明の実施を妨げない範囲であれば、グミ様食品を食べた時の爽快感、甘味感、風味付けなどの目的で、種々の高甘味度甘味料、糖類、フレーバー類、酸味料類、有機酸類、調味料類、アミノ酸類、色素類、着色料類、澱粉、加工澱粉、果汁類、野菜汁類、エキス類の他、ビタミン類、ミネラル類、補酵素群、イソフラボン、キチン、キトサン、DHAやEPAに代表される高度不飽和脂肪酸類、などのサプリメント類を添加しても良い。
有機酸やアミノ酸でその例を挙げれば、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、フマル酸、アジピン酸、乳酸、酢酸、マレイン酸、コハク酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒアルロン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、リシン、ヒドロキシリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、アラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリンや、それらの塩などが使用可能である。これらの中でも好ましいのはクエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アスコルビン酸及びそれらの塩であり、特に好ましいのは、クエン酸及びその塩であり、最も好ましいのはクエン酸とクエン酸ナトリウムの併用である。これら、有機酸やアミノ酸の添加量は、本発明の実施を妨げない限り、風味付けの程度に応じた範囲で適宜選択可能であるが、例えばグミ様食品とした時の固形物換算では、0.1〜15.0重量%、好ましくは0.3〜10.0重量%、更に好ましくは0.5〜5.0重量%、特に好ましくは1.0〜3.0重量%である。有機酸と有機酸塩を併用して使用する場合、それらの比率は固形物換算で10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5、更に好ましくは3:1〜1:2である。クエン酸とクエン酸ナトリウムを併用して使用する場合の比率は、固形物換算で10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5、更に好ましくは3:1〜1:2、特に好ましくは2:1〜1.5:1である。
高甘味度甘味料でその例を挙げれば、アスパルテーム、グリチルリチン、サッカリン、ステビオシド、レバウシド、ズルチン、アリテーム、アセスルファムK、スクラロース等が挙げられる。
フレーバーでその例を挙げれば、ペパーミント、スペアミント、メントールなどのミント系フレーバー、フルーツフレーバー、バニラフレーバーなどを添加することができる。
本発明に係るゼラチンを含まないグミ様食品は、糖アルコール類及び/又はトレハロースを甘味料の主体とし、ゼラチンを使用しないという条件であるにも関わらず、食感、硬さ、保形性などの点に優れ、コーティングのセンターとして利用可能な加工適性をも備えており、実際にコーティングなどの二次加工により、グミ様食品としての食感とコーティング部分の食感を同時に味わうことが可能な、コーティング製品の調製も可能である。
従来のグミがコーティングセンターとして適していなかったのは、センターとして取り扱うには軟らく、コーティングの形成工程でセンターが変形し易い、コーティングがきれいに仕上がらない、コーティング製品の形状が均一にならないなど、コーティング加工を施すための適性を有していなかったことが挙げられる。また、従来のゼラチンを主体とするグミをセンターとしてコーティングしても、コーティング部分からセンターへの水分移行によりグミが膨潤したためと考えられるが、コーティングの形成過程やコーティング終了後に、コーティングが割れ易いという問題もあった。
本発明に係るグミ様食品は、上述の通り、酒石酸塩類を含有させることによってコーティングセンターとして利用可能な、一定以上の硬さと保形性を有するようになると同時に、被膜的な効果によってセンターへの水分移行が抑制されると考えられ、コーティングの形成前後において、センターの膨潤によるコーティングのひび割れが生じ難く、コーティング層が安定的に形成されていることが認められる。また、本発明に係るグミ様食品は、モールド時に比較的短期間で均一に固化し、凹凸が少なく滑らかな表面を維持した形状となりやすいため、センター表面にコーティング液が均一に拡散し、コーティング液の乾燥に時間差が生じにくく、結果として均一な厚さのコーティングがセンター表面に満遍なく形成され、好ましい形状のコーティング製品を形成することを可能にしていると考えられる。
本発明でいうコーティング製品とは、センターや芯剤と呼ばれる基剤に対して、その表面に食品素材が被覆された食品や医薬品などの物質を指す。コーティング部分の原料に用いられる食品素材として糖類や糖アルコールが用いられる場合、これら被覆部を総称して糖衣、糖衣層、コーティング、コーティング層などと呼ばれ、被覆部が糖アルコールなどのシュガーレス素材で形成された場合にはシュガーレスコーティングと称されることもある。
コーティングには大きく分けて二種類あり、一つはコーティング部分が比較的軟らかくフォンダンの様な食感を有するソフトコーティングと、もう一つはコーティング部分が硬質化し、噛んだ時にパリパリやカリカリとしたクランチ性を有した食感が得られるようなハードコーティングがある。なお、ソフトコーティングはソフト糖衣や軟質糖衣と呼ばれることがあり、ハードコーティングは硬質コーティングや硬質糖衣、ハード糖衣と呼ばれることがある。それらがシュガーレス素材で構成された場合は、それらの語句にシュガーレスという語句がつけられ、ハードコーティングの場合は、シュガーレスハードコーティングと呼ばれる。本発明に係るグミ様食品はこれらのコーティングの種類を問わず、コーティング用のセンターとして使用することができる。
本発明に係るコーティング製品を形成させる手段としては、コーティング層形成用の回転パンや全自動糖衣機などの装置を用いても良く、製造方法としては一般的なコーティング方法が採用できる。即ち、本発明によって得られたゼラチンを含まないグミ様食品は、ガムやタブレットをセンターとした時とほぼ同一の方法でコーティングすることが可能である。
コーティング層を形成させる方法としては、コーティング液をセンター表面に塗布し、必要に応じて粉末を掛けるかもしくは何も掛けずに、コーティング液が固化するまで乾燥を行い、その後、所望の厚さのコーティング層が形成されるまで、コーティング液の塗布と乾燥を繰返す方法や、コーティング液の塗布と乾燥を同時に行い、その際、必要に応じて粉末を掛けるかもしくは何も掛けずに、所望の厚さのコーティング層を形成させる方法などがある。
本発明に係るコーティング製品を製造するにあたり、最外層をハードコーティングとする場合、センターに対して通常のハードコーティングの製造方法を実施しても良いが、最初はソフトコーティングを実施して所望の厚さのソフトコーティング層を形成した後、ハードコーティングの製造方法を実施しても良い。また、その逆にハードコーティング処理を行った後、ソフトコーティング処理を行っても良い。更には、ソフトコーティングとハードコーティングを交互に繰り返し実施しても良い。
コーティングに用いられる材質は、センターとして用いたシュガーレスグミの表面にコーティングが形成可能な食品素材であれば特に制限はない。食品素材の好適な例としては、砂糖、乳糖、パラチノース(登録商標)、トレハロース、果糖、グルコースなどの糖類や、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、還元パラチノース、還元麦芽糖水飴、セロビイトール、キシロビイトール、マルトトリイトールなどの糖アルコールが挙げられる。
コーティング部に適用できる材質は上述の通りであるが、上述の食品素材の中でも、コーティング部の製造の容易さ、安定性、ハードコーティングとした時のパリパリとしたクランチ性のある好ましい食感など、コーティングの製法及び物性の好ましさから、マルチトール、キシリトール、還元パラチノース、エリスリトール、マンニトール、砂糖、トレハロースによるコーティングが好ましいコーティング材料といえる。また、これらの中でもコーティング部の食感や味質が特に優れていること、コーティング部の低カロリー化や、う蝕に対する影響を減少させること、等の特徴が付与できることから、マルチトール、キシリトール、還元パラチノース、マンニトールが更に好ましいコーティング材料として挙げられ、それらの中で総合的に最も好ましいのはマルチトールとキシリトールである。
上述したコーティング部の原料について、非糖質系の素材を使用すれば、シュガーレスコーティングとすることが可能であり、併せてセンターであるグミ様食品もシュガーレス素材で構成されていれば、コーティング製品全体がシュガーレスとなった、食品や医薬品とすることが可能となる。
コーティングの形成に使用されるコーティング液(糖衣液と呼ばれることもある)の組成や品質は、センター表面にコーティング層が形成される程度のものであればよい。
本発明に係るグミ様食品をセンターに用いて得られるコーティング製品を製造するに際し、上記糖類や糖アルコール類と一緒に、コーティングの形成を妨げない範囲で、一般的なコーティング用途に使用される各種結合剤や添加剤を使用することができ、例えば、カラギーナン、寒天、タマリンド、ペクチン、アラビアガム、ヒドロキシメチルセルロース、プルラン、ローカストビーンガム、グアガム、カラヤガム、ジェランガム、カードラン、トラガントガム、アラビノガラクタンなどの各種増粘多糖類、タルク、カオリン、卵殻カルシウム、貝殻カルシウム、ニ酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ミルクカルシウムなどの各種懸濁基剤、酸化澱粉、酸処理澱粉、デキストリンや分岐デキストリン及びそれらの水素化物などの糖衣補強剤、その他、各種有機酸類、各種アミノ酸類、各種調味料類、各種着色料類、各種色素類、各種ビタミン類、各種高甘味度甘味料類や、コーティングの艶出しに油脂、ろう、乳化剤などを配合することなども可能である。
この様にして得られる本発明に係るコーティング製品は、ハードコーティングやソフトコーティングに由来するコーティング部分の食感と、センター部分にあるグミ様食品の独特の食感を同時に楽しむことができるため、極めて嗜好性の高い食品とすることができる。
以下、実施例を交えて、本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
グミ様食品の原料は以下の表1に示す配合割合で使用した。
スターチモールドの準備
木製の箱(内壁サイズ、縦:350mm、横:250mm、高さ:35mm)に、コーンスターチ(日本食品化工株式会社製)をすりきり一杯になるまで敷き詰めた。そこに、小豆型の型枠(縦:12.5mm、横:8.0mm、高さ:10.0mm)を用いて、型枠全体がスターチ内にちょうど埋まるまで押し込み、スターチ表面に型枠と同型の穴を作成し、これをスターチモールドとした。
実施例1
グミ様食品の調製(その1)
糖アルコールとしてソルビトール(商品名:ソルビットLTSP、PT Sorini Towa Berlian Corporation製)56.35gと含蜜結晶タイプのマルチトール(商品名:アマルティMR50、東和化成工業株式会社製)25.00gを用い、ゲル化剤としてカラギーナン(商品名:ソアギーナMW451、MRCポリサッカライド株式会社製)2.35g、グアガム(商品名:NEWGELIN G−100、中央フーズマテリアル株式会社製)0.07g、寒天(商品名:伊那寒天S−7、伊那食品工業株式会社製)0.14gを用い、そこに水40gと、酸味料としてクエン酸三ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製)0.60gを加えて加熱し、固形成分を完全に溶解させ、更に固形分濃度が90重量%になるまで煮詰めた。次いで、酒石酸塩として酒石酸カリウムナトリウム四水和物(試薬特級、シグマアルドリッチジャパン株式会社製)の10%水溶液を1.00g(酒石酸カリウムナトリウムの固形物重量:0.075g)、酸味料としてクエン酸(昭和化工株式会社製)の50%水溶液を2.00g(クエン酸の固形物重量:1.00g)をそれぞれ添加し、十分に混合し、グミ原料液を調製した。
調製したグミ原料液を、スターチモールドの型枠が満たされるまで分注し、その上にスターチを振り掛け、そのまま60℃に調整した恒温層の中で2日間乾燥した。乾燥後、スターチモールドから固化物を取り出し、さらに25℃の恒温層の中で2日間静置し、グミ様食品(実施品1)を得た。
実施例2
グミ様食品の調製(その2)
実施例1に記載された方法で、ゲル化剤として使用するカラギーナンの配合量を2.28gに変更し、グアガムと寒天は添加せず、マルチトールの添加量を26.23gに変更し、ソルビトールの添加量を56.00gに変更し、クエン酸及びクエン酸三ナトリウムを添加しなかった他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品2)を得た。
実施例3
グミ様食品の調製(その3)
実施例1に記載された方法で、ゲル化剤として使用するカラギーナンの添加量を2.28gに変更し、グアガムと寒天は添加せず、マルチトールの添加量を26.23gに変更し、ソルビトールの添加量を56.00gに変更した他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品3)を得た。
実施例4
グミ様食品の調製(その4)
実施例1に記載された方法で、酒石酸塩として酒石酸カリウムナトリウムに代わって、酒石酸水素カリウム(試薬SAJ特級、シグマアルドリッチジャパン株式会社製)0.074gを用いた他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品4)を得た。
実施例5
グミ様食品の調製(その5)
実施例1に記載された方法で、酒石酸塩として酒石酸カリウムナトリウムに代わって、酒石酸二ナトリウム二水和物(試薬特級、和光純薬株式会社製)の10%水溶液0.88g(酒石酸二ナトリウムの固形物重量:0.074g)を用いた他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品5)を得た。
実施例6
グミ様食品の調製(その6)
実施例1に記載された方法で、カラギーナンの添加量を1.70gに変更し、寒天の添加量を0.10gに変更し、グアガムの添加量を0.05gに変更し、使用する糖アルコールとその添加量を、マルチトール56.30g、還元澱粉糖化物(商品名:アマミール、東和化成工業株式会社製)49.60g(還元澱粉糖化物の固形分重量:34.72g)とし、ソルビトールは使用せず、クエン酸三ナトリウムの添加量を0.43gに変更した他は、実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品6)を得た。
実施例7
グミ様食品の調製(その7)
実施例1に記載された方法で、使用する糖アルコールとその添加量を、ソルビトール81.35gとし、マルチトールは使用しなかった他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品7)を得た。
実施例8
グミ様食品の調製(その8)
実施例1に記載された方法で、酒石酸塩として使用する酒石酸カリウムナトリウム四水和物の10%水溶液の添加量を0.4g(酒石酸カリウムナトリウムの固形物重量:0.030g)に変更した他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品8)を得た。
実施例9
グミ様食品の調製(その9)
実施例1に記載された方法で、酒石酸塩として使用する酒石酸カリウムナトリウム四水和物の10%水溶液の添加量を2.0g(酒石酸カリウムナトリウムの固形物重量:0.149g)に変更した他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品9)を得た。
実施例10
グミ様食品の調製(その10)
実施例1に記載された方法で、カラギーナンの添加量を1.70gに変更し、寒天の添加量を0.10gに変更し、グアガムの添加量を0.05gに変更し、使用する糖アルコールとその添加量を、マルチトールについては含蜜結晶タイプのマルチトールに代わって高純度結晶タイプの結晶マルチトール(商品名:レシス、東和化成工業株式会社製)を64.80gとし、ソルビトールについては配合量を16.55gに変更し、クエン酸三ナトリウムの添加量を0.43gに変更した他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品10)を得た。
実施例11
グミ様食品の調製(その11)
実施例1に記載された方法で、使用する糖アルコールとその添加量を、マルチトール25.00g、ソルビトール0.35g、ラクチトール一水和物(商品名:ミルヘン、東和化成工業株式会社製)58.60g(ラクチトールの固形物重量:56.00g)とした他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品11)を得た。
実施例12
グミ様食品の調製(その12)
実施例1に記載された方法で、使用する糖アルコールとその添加量を、マルチトール41.50g、ソルビトール0.35g、還元パラチノース(商品名:パラチニットPN(登録商標)、新三井製糖株式会社製)43.70g(還元パラチノースの固形物重量:41.50g)とした他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品12)を得た。
実施例13
グミ様食品の調製(その13)
実施例1に記載された方法で、使用する糖アルコールとその添加量を、マルチトール25.00g、ソルビトール0.35g、キシリトール(商品名:キシリット、東和化成工業株式会社製)56.00gとした他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品13)を得た。
実施例14
グミ様食品の調製(その14)
実施例1に記載された方法で、マルチトール56.00g、ソルビトール0.35g、エリスリトール(商品名:エリスリトール、三菱化学フーズ株式会社製)25.00gとした他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品14)を得た。
実施例15
グミ様食品の調製(その15)
実施例1に記載された方法で、使用する糖質の種類とその添加量を、トレハロース二水和物(商品名:トレハ、株式会社林原商事製)40.00g(トレハロースの固形物重量:36.00g)、ソルビトール45.35gとし、マルチトールを使用しなかった他は実施例1と同一の方法で、グミ様食品(実施品15)を得た。
比較例1
グミ様食品の調製(その16)
実施例1に記載された方法で、酒石酸塩を添加しなかった他は実施例1と同一の方法で、組成物(比較品1)を得た。
比較例2
グミ様食品の調製(その17)
実施例1に記載された方法で、酒石酸塩として使用した酒石酸カリウムナトリウムに代わって、酒石酸(試薬特級、ナカライテスク株式会社製)の10%水溶液0.74g(酒石酸の固形物重量:0.074g)を添加した他は実施例1と同一の方法で、組成物(比較品2)を得た。
比較例3
グミ様食品の調製(その18)
実施例1に記載された方法で、酒石酸塩として使用した酒石酸カリウムナトリウムに代わって、リンゴ酸ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製)の10%水溶液1.0g(リンゴ酸ナトリウムの固形物重量:0.10g)を添加した他は実施例1と同一の方法で、組成物(比較品3)を得た。
比較例4
グミ様食品の調製(その19)
実施例1に記載された方法で、酒石酸塩として使用した酒石酸カリウムナトリウムに代わって、アスコルビン酸ナトリウム(東和化成工業株式会社製)の10%水溶液1.0g(アスコルビン酸ナトリウムの固形物重量:0.10g)を添加した他は実施例1と同一の方法で、組成物(比較品4)を得た。
比較例5
グミ様食品の調製(その20)
実施例1に記載された方法で、酒石酸塩及びクエン酸を使用しなかった他は実施例1と同一の方法で、組成物(比較品5)を得た。
Figure 2006191892
Figure 2006191892
グミ様食品の成形性
実施例及び比較例で調製される各々のグミ様食品について、加工適性を評価した。加工適正とは、グミ様食品を調製する段階での各原料の溶解性や、原料溶液の攪拌の容易さ、スターチモールドへの流し込み易さ、スターチモールド後のグミ様食品として使用できる硬さになるまでに要する期間の短さで評価する。
スターチモールド後のグミ様食品として使用できる硬さになるまでに要する期間の短さの評価は、スターチモールドの状態から96時間経過した時点でのグミ様食品の硬さについて、96時間経過後の硬さとして評価し、◎:十分な硬さを有し、手で押しても変形しない、○:十分な硬さを有し、手で持っても殆ど変形しない、×:柔らかく、手で持つと変形する、以上の基準で評価した。
グミ様食品の食感
実施例及び比較例で調製される各々のグミ様食品について、噛んだ時のグミとしての食感を訓練された専門のパネリストにより評価した。評価は、◎:噛んだ時に歯応えがあり、噛んでも殆ど歯つきしない、○:噛んだ時に歯応えがあり、噛んでも歯つきが少ない、×:噛んだときに歯応えがない、以上の基準で評価した。
グミ様食品のコーティングセンターとしての適性
実施例及び比較例で調製される各々のグミ様食品について、コーティングのセンターとしての加工適性を有するか否かについて、試験法Aによって求められる硬さ試験の測定を行った。試験法Aによる測定では、歪み率が10%となるのに要する荷重が、gfの単位で測定され、その数値が高い物ほど硬いということができる。
試験法Aによるグミ様食品の硬さ測定
実施例及び比較例で調製された、縦:12.5mm、横:8.0mm、高さ:10.0mmのグミ様食品を5個づつ用意し、それらをレオメーターにより対象サンプルの中心部を鉛直方向に、サンプル高さの10%までプランジャーを侵入させる方法(プランジャーの押込み距離:1mmに相当)で押込み強度測定を行い、グミ様食品の硬さを評価し、その平均値を求めた。測定装置及び測定条件は以下の通りである。
○測定装置
クリープメーター(型番:RE−33005−1、RE−33005−2、株式会社山電製)
サンプル厚さ計(型番:HC−3305−01、株式会社山電製)
荷重センサー(2kgfロードセル、型番:LC−3305−2K、株式会社山電製)
円柱型プランジャー(型番:No.3、φ16)
解析用ソフトウェア(破断強度解析 BAS-3305W Ver.1.0004)
○測定条件
格納ピッチ0.01秒
プランジャー進入速度0.5mm/sec
測定歪み率10%
Figure 2006191892
Figure 2006191892
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実施例16
グミ様食品をセンターとしたコーティング製品の調製(その1)
実施例1で調製したグミ様食品(実施品1)をコーティングのセンターとして用いて、以下に示す工程でコーティング操作を行い、グミ様食品をセンターとしたコーティング食品の調製を行った。
初めに、キシリトール(商品名:キシリット、東和化成工業株式会社製)25.0重量部と、固形分濃度70重量%の還元澱粉糖化物(商品名:PO−20、東和化成工業株式会社製)50.0重量部に水25.0重量部を加え、固形分濃度60重量%まで濃縮し、液温25℃のコーティング溶液Aを調製した。
コーティングセンター300gを糖衣パン(装置名:16DS、菊水製作所製)に入れ、糖衣パンを回転させながらコーティング溶液Aを3.0g添加し、次いで10.0gのキシリトール粉末(商品名:キシリット微粉、東和化成工業株式会社製)を添加し、送風しながらセンター表面が乾燥するまで送風乾燥し、コーティング溶液Aの塗布から送風乾燥までを1サイクルとして、コーティング前のセンターの重量300gに対し、その37%に相当する重量のコーティング層が形成されるまで、上述のサイクルを繰り返し実施し、コーティング品(その1)を得た。
次いで、キシリトール(商品名:キシリット、東和化成工業株式会社製)66.0重量部と、粉末還元澱粉糖化物(商品名:PO−10、東和化成工業株式会社製)2.0重量部、アラビアガム(試薬特級、関東化学株式会社製)3.0重量部、に水29.0重量部を加え、固形分濃度71重量%まで濃縮し、液温60℃のコーティング溶液Bを調製した。
上記コーティング品(その1)を引き続き糖衣パンに入れ、糖衣パンを回転させながらコーティング溶液Bを4.0g添加し、次いで送風しながらセンター表面が乾燥するまで送風乾燥し、コーティング溶液Bの塗布から送風乾燥までを1サイクルとして、コーティング前のセンターの重量300gに対し、その43%に相当する重量のコーティング層が形成されるまで、上述のサイクルを繰り返し実施し、コーティング品(その2)を得た。
上記コーティング品(その2)に、艶出し剤としてカルナバワックス(商品名:ポリッシングワックス103、フロイント産業株式会社製)を0.16g添加し、最終的にコーティング前のセンター重量300gに対して、その80%に相当する重量のコーティング層が形成された、キシリトールを主成分としてコーティングされたグミ様食品を得た。
本発明で得られたキシリトールコーティングされたグミ様食品は、噛んだ時に冷涼感と爽やかな甘味を有し、パリパリとした好ましいクランチ性を伴って砕けると同時に、グミの硬いゴム様の食感も味わえることから、2種類の異なる食感を楽しむことができた。また、コーティング層は平滑性に優れ、割れにくい特徴を有していた。
実施例17
グミ様食品をセンターとしたコーティング製品の調製(その2)
コーティングに使用する素材を以下の通り変更した他は、同一の装置にて以下の通りコーティングを実施した。コーティングのセンターには、グミ様食品(実施品4)を使用した。
初めに、還元麦芽糖水飴(商品名:アマルティシロップ、東和化成工業株式会社製)75.0重量部と、粉末還元澱粉糖化物(商品名:PO−10、東和化成工業株式会社製)7.0重量部、コーティング補強剤(商品名:コーティングパウダーKP−1、東和化成工業株式会社製)3.0重量部、に水15.0重量部を加え、固形分濃度66.3重量%まで濃縮し、液温25℃のコーティング溶液Cを調製した。
次に、マルチトール粉末(商品名:レシス微粉、東和化成工業株式会社製)70.0重量部、コーティング補強剤(商品名:コーティングパウダーKP−1、東和化成工業株式会社製)8.0重量部、アスコルビン酸(商品名:VC−300、東和化成工業株式会社製)20.0重量部、フルーツフレーバー(商品名:レモンパウダーフレーバー、長岡香料株式会社製)2.0重量部を均等に混合した粉末物Dを調製した。
コーティングセンター300gを実施例16で用いたものと同じ糖衣パンに入れ、糖衣パンを回転させながらコーティング溶液Cを3.0g添加し、次いで12.0gの粉末物Dを添加し、送風しながらセンター表面が乾燥するまで送風乾燥し、コーティング溶液Cの塗布から送風乾燥までを1サイクルとして、コーティング前のセンターの重量300gに対し、その37%に相当する重量のコーティング層が形成されるまで、上述のサイクルを繰り返し実施し、コーティング品(その3)を得た。
次いで、マルチトール(商品名:レシス、東和化成工業株式会社製)65.0重量部と、コーティング補強剤(商品名:コーティングパウダーKP−1、東和化成工業株式会社製)3.0重量部、に水32.0重量部を加え、固形分濃度68重量%まで濃縮し、液温50℃のコーティング溶液Dを調製した。
上記コーティング品(その3)を引き続き糖衣パンに入れ、糖衣パンを回転させながらコーティング溶液Dを4.0g添加し、次いで送風しながらセンター表面が乾燥するまで送風乾燥し、コーティング溶液Dの塗布から送風乾燥までを1サイクルとして、コーティング前のセンターの重量300gに対し、その43%に相当する重量のコーティング層が形成されるまで、上述のサイクルを繰り返し実施し、コーティング品(その4)を得た。
上記コーティング品(その4)に、艶出し剤としてカルナバワックスを0.16g添加し、最終的にコーティング前のセンター重量300gに対して、その80%に相当する重量のコーティング層が形成された、マルチトールを主成分としてコーティングされたグミ様食品を得た。
本発明で得られたマルチトールコーティングされたグミ様食品は、噛んだ時に爽やかな甘味を有し、パリパリとした感覚が特に強く、非常に好ましいクランチ性を伴って砕けると同時に、グミの硬いゴム様の食感も味わえることから、2種類の異なる食感を楽しむことができた。また、コーティング層は平滑性に優れ、割れにくい特徴を有していた。
実施例18
グミ様食品をセンターとしたコーティング製品の調製(その3)
コーティングに使用する素材を以下の通り変更した他は、同一の装置にて以下の通りコーティングを実施した。コーティングのセンターには、グミ様食品(実施品1)を使用した。
初めに、コーティング補強剤(商品名:コーティングパウダーKP−1、東和化成工業株式会社製)3.0重量部、水20.0重量部を加え加熱溶解させた後、砂糖(商品名:グラニュー糖、大日本明治製糖株式会社製)32.0重量部と、固形分濃度70重量%の還元澱粉糖化物(商品名:PO−40、東和化成工業株式会社製)45.0重量部を加え、固形分濃度62重量%まで濃縮し、液温25℃のコーティング溶液Eを調製した。
コーティングセンター300gを糖衣パンに入れ、糖衣パンを回転させながらコーティング溶液Eを3g添加し、次いで10gの粉糖(商品名:POWDER SUGAR、株式会社徳倉商会製)を添加し、送風しながらセンター表面が乾燥するまで送風乾燥し、コーティング溶液Eの塗布から送風乾燥までを1サイクルとして、コーティング前のセンターの重量300gに対し、その37%に相当する重量のコーティング層が形成されるまで、上述のサイクルを繰り返し実施し、コーティング品(その5)を得た。
次いで、コーティング補強剤(商品名:コーティングパウダーKP−1、東和化成工業株式会社製)3.0重量部に水31.0重量部を加え、加熱溶解させた後、砂糖(商品名:グラニュー糖、大日本明治製糖株式会社製)66.0重量部を加え、固形分濃度69重量%まで濃縮し、液温50℃のコーティング溶液Fを調製した。
上記コーティング品(その5)を引き続き糖衣パンに入れ、糖衣パンを回転させながらコーティング溶液Fを4g添加し、次いで送風しながらセンター表面が乾燥するまで送風乾燥し、コーティング溶液Fの塗布から送風乾燥までを1サイクルとして、コーティング前のセンターの重量300gに対し、その43%に相当する重量のコーティング層が形成されるまで、上述のサイクルを繰り返し実施し、コーティング品(その6)を得た。
上記コーティング品(その6)に、艶出し剤としてカルナバワックスを0.2g添加し、最終的にコーティング前のセンター重量300gに対して、その80%に相当する重量のコーティング層が形成された、砂糖を主成分としてコーティングされたグミ様食品を得た。
本発明で得られた砂糖コーティングされたグミ様食品は、噛んだ時に強い甘味を有し、パリパリとした好ましいクランチ性を伴って砕けると同時に、グミの硬いゴム様の食感も味わえることから、2種類の異なる食感を楽しむことができた。また、コーティング層は平滑性に優れ、割れにくい特徴を有していた。
実施例19
グミ様食品をセンターとしたコーティング製品の調製(その4)
コーティングに使用する素材を以下の通り変更した他は、同一の装置にて以下の通りコーティングを実施した。コーティングのセンターには、グミ様食品(実施品1)を使用した。
初めに、還元パラチノース(商品名:パラチニットPN、新三井製糖株式会社製)25.0重量部と、固形分濃度70重量%の還元澱粉糖化物(商品名:PO−30、東和化成工業株式会社製)50.0重量部、水25.0重量部を加え、固形分濃度60重量%まで濃縮し、液温50℃のコーティング溶液Gを調製した。
コーティングセンター300gを糖衣パンに入れ、糖衣パンを回転させながらコーティング溶液Gを3g添加し、次いで10gの還元パラチノース粉末(商品名:パラチニットPNP、新三井製糖株式会社製)を添加し、送風しながらセンター表面が乾燥するまで送風乾燥し、コーティング溶液Gの塗布から送風乾燥までを1サイクルとして、コーティング前のセンターの重量300gに対し、その37%に相当する重量のコーティング層が形成されるまで、上述のサイクルを繰り返し実施し、コーティング品(その7)を得た。
次いで、還元パラチノース(商品名:パラチニットPN、新三井製糖株式会社製)50.0重量部と、粉末還元澱粉糖化物(商品名:PO−10、東和化成工業株式会社製)2.0重量部と、アラビアガム(商品名:試薬特級、関東化学株式会社製)4.0重量部に水44.0重量部を加え、固形分濃度56重量%まで濃縮し、液温60℃のコーティング溶液Hを調製した。
上記コーティング品(その7)を引き続き糖衣パンに入れ、糖衣パンを回転させながらコーティング溶液Hを4g添加し、次いで送風しながらセンター表面が乾燥するまで送風乾燥し、コーティング溶液Hの塗布から送風乾燥までを1サイクルとして、コーティング前のセンターの重量300gに対し、その43%に相当する重量のコーティング層が形成されるまで、上述のサイクルを繰り返し実施し、コーティング品(その8)を得た。
上記コーティング品(その8)に、艶出し剤としてカルナバワックスを0.2g添加し、最終的にコーティング前のセンター重量300gに対して、平均でその80%に相当する重量のコーティング層が形成された、還元パラチノースを主成分としてコーティングされたグミ様食品を得た。
本発明で得られた還元パラチノースコーティングされたグミ様食品は、噛んだ時に適度な甘味を有し、パリパリとした好ましいクランチ性を伴って砕けると同時に、グミの硬いゴム様の食感も味わえることから、2種類の異なる食感を楽しむことができた。また、コーティング層は平滑性に優れ、割れにくい特徴を有していた。
実施例20
グミ様食品をセンターとしたコーティング製品の調製(その5)
コーティングに使用する素材を以下の通り変更した他は、同一の装置にて以下の通りコーティングを実施した。コーティングのセンターには、グミ様食品(実施品1)を使用した。
初めに、トレハロース二水和物(商品名:トレハ、株式会社林原商事製)25.0重量部と、固形分濃度70重量%の還元澱粉糖化物(商品名:PO−30、東和化成工業株式会社製)50.0重量部、水25.0重量部を加え、固形分濃度60重量%まで濃縮し、液温50℃のコーティング溶液Iを調製した。
コーティングセンター300gを糖衣パンに入れ、糖衣パンを回転させながらコーティング溶液Iを3g添加し、次いで10gのトレハロース粉末(商品名:トレハ微粉、株式会社林原商事製)を添加し、送風しながらセンター表面が乾燥するまで送風乾燥し、コーティング溶液Iの塗布から送風乾燥までを1サイクルとして、コーティング前のセンターの重量300gに対し、その37%に相当する重量のコーティング層が形成されるまで、上述のサイクルを繰り返し実施し、コーティング品(その9)を得た。
次いで、トレハロース(商品名:トレハ、株式会社林原商事製)50.0重量部と、粉末還元澱粉糖化物(商品名:PO−10、東和化成工業株式会社製)2.0重量部と、アラビアガム(商品名:試薬特級、関東化学株式会社製)4.0重量部に水44.0重量部を加え、固形分濃度56重量%まで濃縮し、液温60℃のコーティング溶液Jを調製した。
上記コーティング品(その9)を引き続き糖衣パンに入れ、糖衣パンを回転させながらコーティング溶液Jを4g添加し、次いで送風しながらセンター表面が乾燥するまで送風乾燥し、コーティング溶液Jの塗布から送風乾燥までを1サイクルとして、コーティング前のセンターの重量300gに対し、その43%に相当する重量のコーティング層が形成されるまで、上述のサイクルを繰り返し実施し、コーティング品(その10)を得た。
上記コーティング品(その10)に、艶出し剤としてカルナバワックスを0.2g添加し、最終的にコーティング前のセンター重量300gに対して、平均でその80%に相当する重量のコーティング層が形成された、トレハロースを主成分としてコーティングされたグミ様食品を得た。
本発明で得られたトレハロースコーティングされたグミ様食品は、噛んだ時に適度な甘味を有し、パリパリとした好ましいクランチ性を伴って砕けると同時に、グミの硬いゴム様の食感も味わえることから、2種類の異なる食感を楽しむことができた。また、コーティング層は平滑性に優れ、割れにくい特徴を有していた。
実施例21
グミ様食品をセンターとしたコーティング製品の調製(その6)
コーティングに使用する素材を以下の通り変更した他は、同一の装置にて以下の通りコーティングを実施した。コーティングのセンターには、グミ様食品(実施品1)を使用した。
初めに、マンニトール(商品名:マリンクリスタル、東和化成工業株式会社製)20.0重量部と、コーティング補強剤(商品名:コーティングパウダーKP−1、東和化成工業株式会社製)2.0重量部と、粉末還元澱粉糖化物(商品名:PO−10、東和化成工業株式会社製)1.0重量部、水77.0重量部を加え、固形分濃度23重量%まで濃縮し、液温25℃のコーティング溶液Kを調製した。
コーティングセンター500gを全自動コーティングパン(装置名:HC−LABO、フロイント産業株式会社製)に入れ、コーティングパンを回転させながらコーティング溶液Kを連続的に6g/minの流速で連続噴霧し、同時に送風乾燥し、コーティング前のセンターの重量500gに対し、50%に相当する重量のコーティング層が形成されるまで、上述を繰り返し実施し、コーティング品(その11)を得た。
上記コーティング品(その11)に、艶出し剤としてカルナバワックスを0.2g添加し、最終的にコーティング前のセンター重量500gに対して、その50%に相当する重量のコーティング層が形成された、マンニトールを主成分としてコーティングされたグミ様食品を得た。
本発明で得られたマンニトールコーティングされたグミ様食品は、噛んだ時にほどよい冷涼感と甘味を有し、パリパリとした好ましいクランチ性を伴って砕けると同時に、グミの硬いゴム様の食感も味わえることから、2種類の異なる食感を楽しむことができた。また、コーティング層は平滑性に優れ、割れにくい特徴を有していた。
比較例6
グミ様食品をセンターとしたコーティング製品の調製(その7)
比較例1で調製された組成物(比較品1)をセンターとした他は、実施例16に記載された方法と同一の方法で、グミ様食品へのコーティングを実施したが、糖衣パン内に入れたセンターにコーティング溶液Aを塗布してまもなくすると、センター同士の結着が生じたり、センターの形が崩れるなどし、コーティング溶液とセンターが一体化して、センター表面にコーティング層を形成させることが不可能であった。
比較例7
グミ様食品をセンターとしたコーティング製品の調製(その8)
比較例2で調製された組成物(比較品2)をセンターとした他は、実施例17に記載された方法と同一の方法で、グミ様食品へのコーティングを実施したが、糖衣パン内に入れたセンターにコーティング溶液Cを塗布してまもなくすると、センター同士の結着が生じたり、センターの形が崩れるなどし、コーティング溶液とセンターが一体化して、センター表面にコーティング層を形成させることが不可能であった。
比較例8
グミ様食品をセンターとしたコーティング製品の調製(その9)
比較例5で調製された組成物(比較品5)をセンターとした他は、実施例16に記載された方法と同一の方法で、グミ様食品へのコーティングを実施したが、糖衣パン内に入れたセンターにコーティング溶液Aを塗布してまもなくすると、センター同士の結着が生じたり、センターの形が崩れるなどし、コーティング溶液とセンターが一体化して、センター表面にコーティング層を形成させることが不可能であった。

Claims (4)

  1. ゼラチン以外のゲル化剤、糖アルコール類及び/又はトレハロース、酒石酸塩からなり、試験法Aによって定義される硬さ試験での歪み率10%時の測定値が300gf以上となる、ゼラチンを含まないグミ様食品。
  2. 固形物換算で、70.0〜99.0重量%の糖アルコール類及び/又はトレハロースと、0.001〜5.0重量%の酒石酸塩を含有する、請求項1に記載のグミ様食品。
  3. 固形物換算で、0.1〜15.0重量%の酒石酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩を含有する、請求項1又は2に記載のグミ様食品。
  4. 請求項1〜3の何れか一つに記載のグミ様食品をセンターとし、その周囲を食品素材でコーティングしてなるコーティング製品。


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KR20220082413A (ko) * 2020-12-10 2022-06-17 대상 주식회사 젤라틴 무첨가 젤리 조성물 및 이의 제조방법

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