JP2006191713A - 直流変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】主スイッチをゼロ電圧スイッチングさせることにより低ノイズで高効率で小型化を図る。
【解決手段】直流電源Vdc1の両端に接続されたトランスTの1次巻線5aとスイッチQ1との直列回路と、1次巻線の両端に接続されたスイッチQ2とクランプコンデンサC3との直列回路と、1次巻線に並列に接続された可飽和リアクトルSL1と、2次巻線5bの電圧を整流する整流回路D1,D2の整流出力を平滑する平滑回路L1,C4と、Q1がオン時に2次巻線に発生する電圧をダイオードD5で整流してコンデンサC5に電力を蓄え、Q2がオン時にC5に蓄えられた電力をC3に供給する電力供給源と、Q1とQ2とを交互にオン/オフさせると共に、Q2がオン時にC3の電力によりSL1を飽和させてQ2の電流が増大した時にQ2をオフさせてQ1をゼロ電圧スイッチングさせる制御手段1とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低ノイズで高効率、小型なDC/DCコンバータ等の直流変換装置に関するものである。
図7は従来の直流変換装置の回路構成図である(特許文献1)。図7に示す直流変換装置において、直流電源Vdc1の両端にはトランスTの1次巻線5a(巻数n1)とMOSFET(電界効果トランジスタ)からなるスイッチQ1(主スイッチ)との直列回路が接続されている。スイッチQ1の両端にはダイオードD3とコンデンサC1とが並列に接続されている。
トランスTの1次巻線5aの一端とスイッチQ1の一端との接続点にはMOSFETからなるスイッチQ2(補助スイッチ)の一端が接続され、スイッチQ2の他端はクランプコンデンサC3を介して直流電源Vdc1の正極に接続されている。なお、スイッチQ2の他端はクランプコンデンサC3を介して直流電源Vdc1の負極に接続されていてもよい。
クランプコンデンサC3の両端には、スイッチQ1がオン時に電力を蓄えるとともにスイッチQ1がオフ時に蓄えられた電力をクランプコンデンサC3に供給する電流源からなる電力供給源Idc1が接続されている。
スイッチQ2の両端にはダイオードD4が並列に接続されている。スイッチQ1,Q2は、共にオフとなる期間(デッドタイム)を有し、制御回路10のPWM制御により交互にオン/オフする。
トランスTの1次巻線5aの両端には、可飽和リアクトルSL1が接続されている。この可飽和リアクトルSL1は、トランスTのコアの飽和特性を用いている。可飽和リアクトルSL1には、大きさの等しい交流電流が流れるため、磁束は、図10に示すB−Hカーブ上のゼロを中心にして、第1象限と第3象限とに等しく増減する。
しかし、回路には損失を伴うため、磁束は完全に対称とはならず、第1象限が主体となる。また、コンデンサC1を短時間で放電し、電圧をゼロとする必要から、可飽和リアクトルSL1またはトランスTの励磁インダクタンスを低くして、励磁電流を多くしている。
また、図10に示すように一定の正磁界Hに対して磁束B(正確にはBは磁束密度であり、磁束φ=B・Sで、Sはコアの断面積であるが、ここではS=1とし、φ=Bとした。)がBmで飽和し、一定の負磁界Hに対して磁束Bが−Bmで飽和するようになっている。磁界Hは電流iの大きさに比例して発生する。この可飽和リアクトルSL1では、B−Hカーブ上を磁束BがBa→Bb→Bc→Bd→Be→Bf→Bgと移動し、磁束の動作範囲が広範囲となっている。B−Hカーブ上のBa−Bb間及びBf−Bg間は飽和状態である。
トランスTのコアには、1次巻線5aとこの巻線に対して同相の2次巻線5b(巻数n2)とが巻回されており、2次巻線5bの一端はダイオードD1に接続され、ダイオードD1と平滑リアクトルL1の一端との接続点と2次巻線5bの他端とはダイオードD2に接続されており、ダイオードD1とダイオードD2とで整流回路を構成している。平滑リアクトルL1の他端と2次巻線5bの他端とは平滑コンデンサC4に接続されている。この平滑コンデンサC4は平滑リアクトルL1の電圧を平滑して直流出力を負荷RLに出力する。
制御回路10は、スイッチQ1とスイッチQ2とを交互にオン/オフ制御し、負荷RLの出力電圧が基準電圧以上となったときに、スイッチQ1に印加されるパルスのオン幅を狭くし、スイッチQ2に印加されるパルスのオン幅を広くするように制御する。すなわち、負荷RLの出力電圧が基準電圧以上となったときに、スイッチQ1のパルスのオン幅を狭くすることで、出力電圧を一定電圧に制御するようになっている。
また、制御回路10は、スイッチQ2の電流Q2iが増大した時刻にスイッチQ2をオフさせた後、スイッチQ1をオンさせる。制御回路10は、スイッチQ1をターンオンするときに、スイッチQ1の電圧がスイッチQ1と並列に接続されたコンデンサC1と可飽和リアクトルSL1の飽和インダクタンスとの共振によりゼロ電圧となった時から所定期間中にスイッチQ1をオンさせる。
次にこのように構成された図7に示す直流変換装置の動作を図8、図9及び図11に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。図8は従来の直流変換装置の各部における信号のタイミングチャートである。図9は従来の直流変換装置のスイッチQ1のターンオン時の各部における信号の詳細を示すタイミングチャートである。図10は従来の直流変換装置に設けられたトランスのB−H特性を示す図である。図11は従来の直流変換装置に設けられた可飽和リアクトルの電流のタイミングチャートである。
なお、図8及び図9では、スイッチQ1の両端間の電圧Q1v、スイッチQ1に流れる電流Q1i、スイッチQ2の両端間の電圧Q2v、スイッチQ2に流れる電流Q2i、電力供給源Idc1に流れる電流Idc1i、可飽和リアクトルSL1に流れる電流SL1iを示している。
まず、時刻t(時刻t11〜t12に対応)において、スイッチQ1をオンさせると、Vdcl→5a→Q1→Vdc1で電流が流れる。また、この時刻に、トランスTの2次巻線5bにも電圧が発生し、5b→D1→L1→C4→5bで電流が流れる。また、スイッチQ1をオンさせた時に、可飽和リアクトルSL1にも電流SL1iが流れて、可飽和リアクトルSL1にエネルギーが蓄えられる。
電流SL1iは、図11に示すように、時刻tで電流値a(負値)、時刻tbで電流値b(負値)、時刻t13で電流値c(ゼロ)、時刻tで電流値d(正値)へと変化していく。図10に示すB−Hカーブ上では、磁束は、Ba→Bb→Bc→Bdへと変化していく。なお、図10に示すBa〜Bgと図11に示すa〜gとは対応している。
次に、時刻tにおいて、スイッチQ1をオフさせると、可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーによりコンデンサC1が充電される。このとき、可飽和リアクトルSL1のインダクタンスとコンデンサC1とにより電圧共振が形成されて、スイッチQ1の電圧Q1vが急激に上昇する。また、L1→C4→D2→L1で電流が流れて、平滑コンデンサC4を介して負荷RLに電流を供給する。
そして、コンデンサC1の電位がクランプコンデンサC3の電位と同電位となったとき、可飽和リアクトルSL1のエネルギーの放出により、ダイオードD4が導通し、ダイオード電流が流れて、クランプコンデンサC3が充電されていく。また、このとき、スイッチQ2をオンさせることにより、スイッチQ2は、ゼロ電圧スイッチとなる。なお、電流SL1iは、時刻tから時刻t20において、電流値d(正値)から電流値e(ゼロ)に変化する。図10に示すB−Hカーブ上では、磁束は、Bd→Beへと変化する。
また、可飽和リアクトルSL1のエネルギーの放出と同時に、電力供給源Idc1からのエネルギーがクランプコンデンサC3に供給され、クランプコンデンサC3が充電されていく。即ち、クランプコンデンサC3には、電力供給源Idc1からのエネルギーと可飽和リアクトルSL1からのエネルギーとが加え合わせられる。そして、可飽和リアクトルSL1のエネルギーの放出と電力供給源Idc1からのエネルギーの放出とが終了すると、クランプコンデンサC3の充電は停止する。
次に、時刻t20〜時刻tにおいて、クランプコンデンサC3に蓄えられたエネルギーは、C3→Q2→SL1→C3に流れて、可飽和リアクトルSLlの磁束をリセットする。可飽和リアクトルSLlに並列に接続されたトランスTも同様に磁束が変化する。
この場合、時刻t20〜時刻tにおいては、クランプコンデンサC3に蓄えられたエネルギーが可飽和リアクトルSL1に帰還されるので、可飽和リアクトルSL1に流れる電流SL1iは、図11に示すように負値となる。即ち、電流SL1iは、時刻t20〜時刻t2aにおいては、電流値e(ゼロ)から電流値f(負値)に変化する。図10に示すB−Hカーブ上では、磁束は、Be→Bfへと変化していく。なお、時刻tから時刻t20における面積Sと時刻t20〜時刻t2aにおける面積Sとは等しい。この面積SはクランプコンデンサC3に蓄えられた可飽和リアクトルSL1のエネルギーに相当する。
次に、電流SL1iは、時刻t2a〜時刻tにおいては、電流値f(負値)から電流値g(負値)に変化する。図10に示すB−Hカーブ上では、磁束は、Bf→Bgへと変化していく。時刻t2a〜時刻tにおける面積は、クランプコンデンサC3に蓄えられた電力供給源Idc1のエネルギーに相当する。
即ち、クランプコンデンサC3に蓄えられたエネルギーは、可飽和リアクトルSL1のエネルギーと電力供給源Idc1のエネルギーとを合わせたものであるため、電流SL1iは、リセット時に電力供給源Idc1から供給されるエネルギー分だけ多くなるので、磁束は第3象限に移動して、飽和領域(Bf−Bg)に達し、電流SL1iが増大し、時刻t(時刻tも同様)で最大となる。電流SL1iは、スイッチQ2のオン期間の終了間際で増大しており、可飽和リアクトルSL1の飽和時の電流である。
また、この時刻tには、スイッチQ2の電流Q2iも最大となる。この時刻に、スイッチQ2をオフさせることにより、コンデンサC1の放電は急峻になり、短時間でゼロとなる。このとき、スイッチQ1をオンさせることにより、スイッチQ1はゼロ電圧スイッチを達成できる。
特開2004−147361号公報
このように、従来の直流変換装置にあっては、トランスTの1次側に電力供給源を設けて、この電力供給源の電力により可飽和リアクトルSL1を飽和させて、スイッチQ1のゼロ電圧スイッチングを実現していた。
しかし、従来の1次側に設けた電力供給源の場合には、電力供給源の電力が小さいと、スイッチQ2がオフした後にスイッチQ1のボトム電圧がゼロ電圧まで到達しないため、スイッチQ1のゼロ電圧スイッチングが困難となる。このため、トランスTの1次側以外の箇所に電力供給源を設けて、この電力供給源の電力を適切な量に調整することにより可飽和リアクトルSL1を飽和させて、スイッチQ1のゼロ電圧スイッチングを実現することが望まれていた。
また、トランスTの2次側の整流回路を構成する整流素子にはリカバリ時間が存在するため、整流素子がオフになるとき、逆電流が流れる。この逆電流が消滅する時の電流の時間的な変化(di/dt)は、非常に高いため、トランス、配線のインダクタンスによりスパイク電圧が発生する。このスパイク電圧は、整流素子を逆バイアスする方向に発生するため、抵抗とコンデンサとからなるCRアブソーバを整流素子に並列に接続して、スパイク電圧を抑制していた。しかし、CRアブソーバにより損失を生じる。
本発明は、トランスの1次側以外の箇所に設けた電力供給源から適切な電力をクランプコンデンサに供給して可飽和リアクトルを飽和させて、主スイッチをゼロ電圧スイッチングさせることにより、低ノイズで高効率で小型化を図ることができる直流変換装置を提供することにある。
本発明は前記課題を解決するために以下の手段を採用した。請求項1の発明は、直流電源の両端に接続され、トランスの1次巻線と第1スイッチとが直列に接続された第1直列回路と、前記第1スイッチの両端又は前記1次巻線の両端に接続され、第2スイッチとクランプコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、前記トランスの1次巻線に並列に接続された可飽和リアクトルと、前記トランスの2次巻線に発生する電圧を整流する整流回路と、前記整流回路の整流出力を平滑する平滑回路と、前記第1スイッチがオン時に前記トランスの2次巻線に発生する電圧をダイオードで整流してコンデンサに電力を蓄え、前記第2スイッチがオン時に前記コンデンサに蓄えられた電力を前記クランプコンデンサに供給する電力供給源と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとを交互にオン/オフさせると共に、前記第2スイッチがオン時に前記クランプコンデンサの電力により前記可飽和リアクトルを飽和させて前記第2スイッチの電流が増大した時に前記第2スイッチをオフさせることにより前記第1スイッチをゼロ電圧スイッチングさせる制御手段とを有することを特徴とする。
請求項2の発明は、直流電源の両端に接続され、トランスの1次巻線と第1スイッチとが直列に接続された第1直列回路と、前記第1スイッチの両端又は前記1次巻線の両端に接続され、第2スイッチとクランプコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、前記トランスの1次巻線又は2次巻線に並列に接続された可飽和リアクトルと、前記トランスの1次巻線と疎結合された2次巻線に発生する電圧を整流する整流回路と、前記整流回路の整流出力を平滑する平滑コンデンサと、前記トランスの1次巻線と密結合され且つ前記2次巻線に直列に接続され、前記1次巻線及び2次巻線間のリーケージインダクタンスに蓄えられたエネルギーを前記第1スイッチがオフ時に前記平滑コンデンサに帰還する前記トランスの帰還巻線と、前記第1スイッチがオン時に前記トランスの帰還巻線に発生する電圧をダイオードで整流してコンデンサに電力を蓄え、前記第2スイッチがオン時に前記コンデンサに蓄えられた電力を前記クランプコンデンサに供給する電力供給源と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとを交互にオン/オフさせると共に、前記第2スイッチがオン時に前記クランプコンデンサの電力により前記可飽和リアクトルを飽和させて前記第2スイッチの電流が増大した時に前記第2スイッチをオフさせることにより前記第1スイッチをゼロ電圧スイッチングさせる制御手段とを有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の直流変換装置において、前記第2スイッチがオンしている期間中にオンし、前記コンデンサに蓄えられた電力を前記トランスを介して前記クランプコンデンサに供給する第3スイッチを有することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3記載の直流変換装置において、前記制御手段は、前記第2スイッチがオフした後に前記第1スイッチのボトム電圧を検出するボトム検出手段と、このボトム検出手段で検出されたボトム電圧がゼロ電圧になるようにパルスオン幅を制御したパルス信号を生成し、該パルス信号を前記第3スイッチに出力するパルス幅制御手段とを有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の直流変換装置において、前記整流回路を構成する整流素子のリカバリ時に、リカバリによるエネルギーを前記コンデンサに吸収させる第2ダイオードを有することを特徴とする。
本発明によれば、トランスの1次巻線に可飽和リアクトルを並列に接続し、電力供給源は、第1スイッチがオン時にトランスの2次巻線に発生する電圧をダイオードで整流してコンデンサに電力を蓄え、第2スイッチがオン時にコンデンサに蓄えられた電力をクランプコンデンサに供給し、制御手段は、クランプコンデンサの電力により可飽和リアクトルを飽和させて第2スイッチの電流が増大した時に第2スイッチをオフさせることにより第1スイッチをゼロ電圧スイッチングさせる。従って、スイッチのゼロ電圧スイッチングを達成でき、共振作用により電圧の立ち上がり、立下りも緩やかとなり、低ノイズで高効率なスイッチング電源装置を構成できる。
また、制御手段において、ボトム検出手段は、第2スイッチがオフした後に第1スイッチのボトム電圧を検出し、パルス幅制御手段は、検出されたボトム電圧がゼロ電圧になるようにパルスオン幅を制御したパルス信号を生成し、該パルス信号を第3スイッチに出力するので、第1スイッチのボトム電圧がゼロ電圧になった後に、第1スイッチをオンさせることで、第1スイッチのゼロ電圧スイッチを実現することができる。
以下、本発明の直流変換装置の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態の直流変換装置は、第1スイッチ(主スイッチ)がオンした時にトランスの2次巻線を介して直接に負荷に電力を供給し、このとき蓄えられたトランスの励磁エネルギーをクランプコンデンサに蓄え、第1スイッチがオフした時に第2スイッチ(補助スイッチ)をオンすることにより、トランスのコアのB−Hカーブの第1、第3象限を使い、かつ、トランスの励磁エネルギーの不足分を電力供給源から補うことにより、B−Hカーブの出発点を第3象限の下端にすると共に、トランスの1次巻線に可飽和リアクトルを並列に接続することにより、第2スイッチのオン期間の終了間際で可飽和リアクトルを飽和させ、電流を増大させることにより、第2スイッチのオフ時の逆電圧の発生を急峻とし、第1スイッチをゼロ電圧スイッチング(ZVS)動作させるものである。電力供給源としては、第1スイッチがオン時にトランスの2次巻線に発生する電圧をダイオードで整流して、コンデンサに蓄えたエネルギーを用いることを特徴とする。
図1は実施例1の直流変換装置の回路構成図である。図1に示す直流変換装置は、図7に示す直流変換装置に対して、トランスTの1次側が略同一構成であり、トランスTの2次側の構成が異なる。
なお、1次巻線5aの一端とクランプコンデンサC3の一端とに接続されたリアクトルL2は、例えば、1次巻線5aと2次巻線5bとの間のリーケージインダクタンスからなる。
2次巻線5bの一端(●側)は、ダイオードD2のカソードと平滑リアクトルL1の一端とダイオードD5のアノードに接続され、平滑リアクトルL1の他端は平滑コンデンサC4の一端に接続されている。2次巻線5bの他端は、ダイオードD1のカソードとダイオードD6のアノードと第3スイッチとしてのMOSFETからなるスイッチQ3の一端(ソース)に接続され、ダイオードD1のアノードは、ダイオードD2のアノードと平滑コンデンサC4の他端とコンデンサC5の一端に接続されている。ダイオードD5のカソードは、コンデンサC5の他端とダイオードD6のカソードとスイッチQ3の他端(ドレイン)に接続されている。
ダイオードD6は、スイッチQ3のドレイン−ソースの両端に接続されている。このダイオードD6は、ダイオードD1のリカバリ時におけるスパイク電圧によるエネルギーをコンデンサC5に吸収することでスパイク電圧を抑制するために設けられている。即ち、ダイオードD1のリカバリ時にはD2→5b→D1→D2とリカバリ電流が流れるが、D2→5b→D6→C5→D2と電流を流すことでダイオードD1のリカバリ時のスパイク電圧を抑制する。
制御手段1は、制御回路10、ボトム検出回路13、比較器15、PWMコンパレータ17を有している。制御手段1は、本発明の制御手段に対応する。制御回路10は、クランプコンデンサC3の電力により可飽和リアクトルSL1を飽和させてスイッチQ2の電流が増大した時にスイッチQ2をオフさせることによりスイッチQ1をゼロ電圧スイッチングさせる。
ボトム検出手段としてのボトム検出回路13は、スイッチQ2がオフした後に、スイッチQ1の電圧が低下していくときのボトム電圧(最小電圧)を検出する。比較器15は、ボトム検出回路13で検出されたボトム電圧をゼロ電圧と比較し、その差電圧を出力する。
パルス幅変調器であるPWMコンパレータ17は、制御回路10からスイッチQ2をオン/オフ制御するための制御信号を入力するとともに、比較器15から差電圧信号を入力する。PWMコンパレータ17は、スイッチQ2がオンしている期間中に、比較器15からの差電圧に基づき、ボトム電圧がゼロ電圧になるようにパルスオン幅を制御したパルス信号を生成し、該パルス信号をスイッチQ3のゲートに出力する。比較器15とPWMコンパレータ17とでパルス幅制御手段を構成している。
次に、このように構成された実施例1の直流変換装置の動作を図2に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図2において、Q1vはスイッチQ1のドレイン−ソース間電圧、Q1iはスイッチQ1のドレイン電流、Q2iはスイッチQ2のドレイン電流、SL1iは可飽和リアクトルSL1に流れる電流、Q3vはスイッチQ3のドレイン−ソース間電圧、Q3iはスイッチQ3のドレイン電流、Q1gはスイッチQ1のゲート電圧信号、Q2gはスイッチQ2のゲート電圧信号、Q3gはスイッチQ3のゲート電圧信号を示している。
まず、時刻t直前において、スイッチQ2がターンオフすると、可飽和リアクトルSL1の飽和インダクタンスとコンデンサC1とにより共振し、スイッチQ1の電圧Q1vが低下していく。スイッチQ1の電圧Q1vがゼロ電圧でスイッチQ1をオンすると、スイッチQ1のゼロ電圧スイッチが実現される。スイッチQ1のゼロ電圧スイッチの詳細は、後述する。
次に、時刻tにおいて、スイッチQ1がオンすると、Vdc1→L2→5a→Q1→Vdc1と電流Q1iが流れる。このとき、トランスTの2次巻線5bにも電圧が発生するため、5b→L1→C4→D1→5bと電流が流れて、負荷RLに電力が供給される。このとき、平滑リアクトルL1にエネルギーが蓄えられる。
また、スイッチQ1をオンさせた時に、可飽和リアクトルSL1にも電流SL1iが流れて、可飽和リアクトルSL1にエネルギーが蓄えられる。電流SL1iは、図11に示すように、時刻tで電流値a(負値)、時刻tbで電流値b(負値)、時刻t13で電流値c(ゼロ)、時刻tで電流値d(正値)へと変化していく。
また、スイッチQ1がオンしているとき(例えば時刻t〜t)、2次巻線5bに発生する電圧を、ダイオードD5で整流し、コンデンサC5に電力を蓄える。ダイオードD5とコンデンサC5とで電力供給源を構成している。コンデンサC5の電圧は、入力電圧(Vdc1)に比例した電圧であり、スイッチQ1のオン比率が50%以下である場合には、スイッチQ2がオン時に発生する電圧より高い。
次に、時刻t直前において、スイッチQ1がターンオフすると、可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーにより電流が流れてコンデンサC1が充電される。このとき、可飽和リアクトルSL1の飽和インダクタンスとコンデンサC1とにより共振し、スイッチQ1の電圧Q1vが上昇する。
そして、スイッチQ1の電位がクランプコンデンサC3の電位と同電位となったとき、ダイオードD4が導通して、クランプコンデンサC3が充電されていく。即ち、可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーは、ダイオードD4を介してクランプコンデンサC3に供給される。
即ち、時刻tにおいて、スイッチQ1がオフし、スイッチQ2をオンさせることにより、スイッチQ2は、ゼロ電圧スイッチとなる。また、トランスTの2次巻線5bの電圧は、逆電圧となるため、平滑リアクトルL1に蓄えられたエネルギーにより、L1→C4→D2→L1と電流が流れて、引き続き負荷RLに電力が供給される。
次に、スイッチQ2がオンしている期間中(例えば時刻t〜t)の時刻t21〜t22に、スイッチQ3をオンさせると、C5→Q3→5b→D2→C5の経路で電流Q3iが流れてエネルギーが放出される(ダイオードD2は負荷電流が流れているため、導通状態。)。このエネルギーにより、トランスTの1次巻線5aに5a→Q2→C3→L2→5aと電流が流れる。即ち、可飽和リアクトルSL1のエネルギーの放出と同時に、トランスTの2次側のコンデンサC5からのエネルギーがクランプコンデンサC3に供給され、クランプコンデンサC3が充電されていく。
次に、クランプコンデンサC3に蓄えられたエネルギーは、C3→Q2→SL1→L2→C3に流れて、可飽和リアクトルSLlの磁束をリセットする。この場合、クランプコンデンサC3に蓄えられたエネルギーが可飽和リアクトルSL1に帰還されるので、可飽和リアクトルSL1に流れる電流SL1iは、図11に示すように負値となる。
即ち、電流SL1iは、リセット時にトランスTの2次側のコンデンサC5から供給されるエネルギー分だけ多くなるので、磁束は第3象限に移動して、飽和領域(Bf−Bg)に達し、電流SL1iが増大し、時刻t(時刻tも同様)で最大となる。電流SL1iは、スイッチQ2のオン期間の終了間際で増大しており、可飽和リアクトルSL1の飽和時の電流である。また、時刻tにはスイッチQ2の電流Q2iも最大となる。この時刻にスイッチQ2をオフさせることにより、コンデンサC1の放電は急峻になり、短時間でゼロとなる。このとき、スイッチQ1をオンさせることによりスイッチQ1はゼロ電圧スイッチを達成できる。
このように、クランプコンデンサC3に蓄えられた電力により、可飽和リアクトルSL1が飽和し、共振電流を作成する。クランプコンデンサC3に蓄えられる電力は、スイッチQ3のオン時間が長いほど多くなる。このため、共振電流は、スイッチQ3のオン時間により制御することができる。したがって、このオン時間を制御することにより、共振電流を適切化して、スイッチQ1をゼロ電圧スイッチングさせることができる。
図2に示すように、スイッチQ2がオンしている期間中(ゲート電圧信号Q2gがHレベルの期間中)に、スイッチQ3をオンし(例えば、時刻t21〜t22)、スイッチQ2に電流Q2iが流れ、クランプコンデンサC3を充電していることがわかる(図2のA部)。
(ゼロ電圧スイッチの動作説明)
次に、スイッチQ1のゼロ電圧スイッチの動作を図3及び図4を参照しながら説明する。
まず、時刻tの直前に、スイッチQ2がオフすると、スイッチQ1の電圧Q1vが低下していき、図3(a)に示すように、ゼロ電圧よりも大きいボトム電圧Bt1に達する。あるいは、図4(a)に示すように、ゼロ電圧よりも小さいボトム電圧Bt2に達する。
ボトム検出回路13は、ボトム電圧Bt1又はボトム電圧Bt2を検出する。比較器15は、ボトム検出回路13で検出されたボトム電圧Bt1又はボトム電圧Bt2をゼロ電圧と比較し、その差電圧を出力する。差電圧は、Bt1又は−Bt2となる。
PWMコンパレータ17は、比較器15からの差電圧に基づき、ボトム電圧がゼロ電圧になるようにパルスオン幅を制御したパルス信号を生成する。例えば、図3(a)に示すように、差電圧がBt1である場合には、図3(b)に示すように、幅の広いパルスオン幅ton1を有する周期Tpのパルス信号を生成する。また、図4(a)に示すように、差電圧が負電圧−Bt2である場合には、図4(b)に示すように、幅の狭いパルスオン幅ton2を有する周期Tpのパルス信号を生成する。
そして、PWMコンパレータ17は、このパルス信号をスイッチQ3のゲートに出力することにより、スイッチQ3は、パルス信号のパルスオン幅だけオンする。このため、コンデンサC5に蓄えられたエネルギーの内、パルスオン幅の長さに比例したエネルギーが、クランプコンデンサC3に供給される。
このため、図3(a)に示すように、ボトム電圧Bt1がゼロ電圧よりも大きい場合には、図3(b)のパルスオン幅ton1のように、パルスオン幅を長くすることにより、コンデンサC5からクランプコンデンサC3に供給されるエネルギーが多くなるため、クランプコンデンサC3のエネルギーによりボトム電圧Bt1がさらに下がってゼロ電圧に近づく。
また、図4(a)に示すように、ボトム電圧Bt2がゼロ電圧よりも小さい場合には、図4(b)のパルスオン幅ton2のように、パルスオン幅を短くすることにより、コンデンサC5からクランプコンデンサC3に供給されるエネルギーが少なくなるため、クランプコンデンサC3のエネルギーによりボトム電圧Bt2がさらに上がってゼロ電圧に近づく。
このように、PWMコンパレータ17は、スイッチQ2がオンしている期間中に、比較器15からの差電圧に基づき、ボトム電圧がゼロ電圧になるようにパルスオン幅を制御したパルス信号を生成し、該パルス信号をスイッチQ3のゲートに出力するので、スイッチQ1のボトム電圧がゼロ電圧になった後に、スイッチQ1をオンさせることで、スイッチQ1のゼロ電圧スイッチを実現することができる。
また、ダイオードD1,D2にはリカバリ時間が存在するため、ダイオードD1,D2がオフになるとき、逆電流が流れる。この逆電流が消滅する時のdi/dtは、非常に高いため、トランスT、配線のインダクタンスによりスパイク電圧が発生する。このスパイク電圧は、ダイオードD5,D6を順バイアスする方向に発生するが、このスパイク電圧をダイオードD5,D6を介してコンデンサC5に吸収してクランプするため、スパイク電圧を抑制することができる。また、実施例1では、ダイオードD1,D2に並列に抵抗が接続されていないため、損失がなくスパイク電圧を抑制できる。
このように、実施例1の直流変換装置によれば、トランスTの1次巻線5aに可飽和リアクトルSL1を並列に接続し、電力供給源は、スイッチQ1がオン時にトランスTの2次巻線5bに発生する電圧をダイオードD5で整流してコンデンサC5に電力を蓄え、スイッチQ2がオン時にコンデンサC5に蓄えられた電力をトランスTを介してクランプコンデンサC3に供給し、制御回路10は、クランプコンデンサC3の電力により可飽和リアクトルSL1を飽和させてスイッチQ2の電流が増大した時にスイッチQ2をオフさせることによりスイッチQ1をゼロ電圧スイッチングさせる。
従って、ゼロ電圧スイッチングを達成でき、共振作用により電圧の立ち上がり、立下りも緩やかとなり、低ノイズで高効率なスイッチング電源装置を構成できる。また、コアの磁束利用率が向上し、平滑コンデンサC4のリップル電流が少ないため、装置を小型化できる。
図5は実施例2の直流変換装置の回路構成図である。図5において、トランスT1の1次側は、図1に示すトランスTの1次側の構成と略同一であるので、その部分の説明は省略する。
トランスT1は、1次巻線5aと、この1次巻線5aと疎結合で且つ同相電圧が発生するように巻回された2次巻線5bと、1次巻線5aと密結合で且つ逆相電圧が発生するように巻回された帰還巻線5c(巻数n3)とを有する。2次巻線5bの一端は、帰還巻線5cの一端に接続されている。
2次巻線5bの両端には可飽和リアクトルSL1が接続されている。なお、可飽和リアクトルSL1は、2次巻線5bの両端に代えて、図1に示すように1次巻線5aの両端に接続されていてもよい。この可飽和リアクトルSL1はトランスT1のコアの飽和特性を用いている。
トランスT1の2次巻線5bの一端と帰還巻線5cの一端との接続点は、スイッチQ3の一端(ソース)とダイオードD1のカソードとダイオードD6のアノードとに接続されている。トランスT1の2次巻線5bの他端(●側)は、平滑コンデンサC4の一端に接続されている。
帰還巻線5cの他端(●側)は、ダイオードD2のカソードとダイオードD5のアノードに接続されている。ダイオードD5のカソードとダイオードD6のカソードとスイッチQ3の他端(ドレイン)とは、コンデンサC5の一端に接続されている。ダイオードD1のアノードとダイオードD2のアノードとコンデンサC5の他端は、平滑コンデンサC4の他端に接続されている。
ダイオードD6は、スイッチQ3のドレイン−ソース間に接続されている。このダイオードD6は、ダイオードD1のリカバリ時におけるスパイク電圧によるエネルギーをコンデンサC5に吸収することでスパイク電圧を抑制するために設けられている。即ち、ダイオードD1のリカバリ時にはD2→5c→D1→D2とリカバリ電流が流れるが、D2→5c→D6→C5→D2と電流を流すことでダイオードD1のリカバリ時のスパイク電圧を抑制する。
なお、図5に示すその他の構成は、図1に示す実施例1の直流変換装置の構成と同一であるので、同一部分には同一符号を付し、その詳細は省略する。
(トランスの構成)
トランスT1の構成例を図6に示す。図6に示すトランスT1は、日の字型のコア30を有し、コア30のコア部30aには、1次巻線5aと帰還巻線5cとが近接して巻回されている。これにより、1次巻線5aと帰還巻線5c間にわずかなリーケージインダクタンスを持たせている。また、コア30にはパスコア30cとギャップ31が形成され、外周コアには2次巻線5bが巻回されている。即ち、パスコア30cにより、1次巻線5aと2次巻線5bを疎結合させることにより、リーケージインダクタンスを大きくしている。
また、外周コア上で且つ1次巻線5aと2次巻線5bとの間に、凹部30bが2箇所形成されている。この凹部30bにより、外周コアの磁路の一部の断面積が他の部分よりも狭くなり、その部分のみが飽和するので、コア損失を低減できる。また、この飽和する部分を可飽和リアクトルSL1として兼用している。また、このようなトランスT1を使用することにより、トランスと平滑リアクトル(図1のL1に対応)を一体化することができる。
次に、このように構成された実施例2の直流変換装置の動作を説明する。
まず、スイッチQ2がターンオフすると、可飽和リアクトルSL1の飽和インダクタンスとコンデンサC1とにより共振し、スイッチQ1の電圧Q1vが低下していく。そして、スイッチQ1の電圧Q1vがゼロ電圧でスイッチQ1をオンすると、スイッチQ1のゼロ電圧スイッチが実現される。
次に、スイッチQ1がオンすると、Vdc1→L2→5a→Q1→Vdc1と電流Q1iが流れる。この電流Q1iは時間とともに直線的に増加していく。
また、このとき、トランスT1の2次巻線5b及び帰還巻線5cにも電圧が発生するため、5b→C4→D1→5bと電流が流れて、負荷RLに電力が供給される。この電流は時間とともに直線的に増加していく。また、1次巻線5aと2次巻線5bとは、疎結合されているので、1次及び2次巻線間に大きなリーケージインダクタンスLr(図示せず)を有する。このため、リーケージインダクタンスLrには、Lr(Ir)/2のエネルギーが蓄えられる。IrはリーケージインダクタンスLrに流れる電流である。
また、スイッチQ1をオンさせた時に、可飽和リアクトルSL1にも電流SL1iが流れて、可飽和リアクトルSL1にエネルギーが蓄えられる。
また、スイッチQ1がオンしているとき、帰還巻線5cに発生する電圧を、ダイオードD5で整流し、コンデンサC5に電力を蓄える。ダイオードD5とコンデンサC5とで電力供給源を構成している。
次に、スイッチQ1がターンオフすると、1次巻線5aに蓄えられた励磁エネルギーにより電流が流れてコンデンサC1が充電される。このとき、1次巻線5aのインダクタンスとコンデンサC1とにより共振し、スイッチQ1の電圧Q1vが上昇する。
そして、スイッチQ1の電位がクランプコンデンサC3の電位と同電位となったとき、ダイオードD4が導通して、クランプコンデンサC3が充電されていく。即ち、1次巻線5aに蓄えられたエネルギーは、ダイオードD4を介してクランプコンデンサC3に供給される。
このとき、スイッチQ2をオンさせることにより、スイッチQ2は、ゼロ電圧スイッチとなる。また、トランスT1の2次巻線5bの電圧は、逆電圧となるため、リーケージインダクタンスLrに蓄えられたエネルギーにより、帰還巻線5cに電圧が発生し、5c→5b→C4→D2→5cと電流が流れ、エネルギーが平滑コンデンサC4に帰還されて、引き続き負荷RLに電力が供給される。
次に、スイッチQ2がオンしている期間中のある時刻に、スイッチQ3をオンさせると、C5→Q3→5c→D2→C5の経路で電流が流れてエネルギーが放出される(ダイオードD2は負荷電流が流れているため、導通状態。)。このエネルギーにより、トランスT1の1次巻線5aに5a→Q2(D4)→C3→5aと電流が流れる。即ち、1次巻線5aのエネルギーの放出と同時に、2次巻線側のコンデンサC5からのエネルギーがクランプコンデンサC3に供給され、クランプコンデンサC3が充電されていく。
次に、クランプコンデンサC3に蓄えられたエネルギーは、C3→Q2→5a→C3に流れて、2次巻線5bに並列に接続された可飽和リアクトルSLlの磁束をリセットする。
即ち、電流SL1iは、リセット時にトランスT1の2次側のコンデンサC5から供給されるエネルギー分だけ多くなるので、磁束は第3象限に移動して、飽和領域に達し、電流SL1iが増大し、最大となる。電流SL1iは、スイッチQ2のオン期間の終了間際で増大しており、可飽和リアクトルSL1の飽和時の電流である。また、スイッチQ2の電流Q2iも最大となり、この時刻にスイッチQ2をオフさせることにより、コンデンサC1の放電は急峻になり、短時間でゼロとなる。このとき、スイッチQ1をオンさせることによりスイッチQ1はゼロ電圧スイッチを達成できる。
このように実施例2の直流変換装置によれば、実施例1の直流変換装置の効果と同様な効果が得られる。また、ボトム検出回路13、比較器15、PWMコンパレータ17を有し、PWMコンパレータ17は、スイッチQ2がオンしている期間中に、比較器15からの差電圧に基づき、ボトム電圧がゼロ電圧になるようにパルスオン幅を制御したパルス信号を生成し、該パルス信号をスイッチQ3のゲートに出力するので、スイッチQ1のボトム電圧がゼロ電圧になった後に、スイッチQ1をオンさせることで、スイッチQ1のゼロ電圧スイッチを実現することができる。
実施例1の直流変換装置の回路構成図である。 実施例1の直流変換装置の各部における信号のタイミングチャートである。 スイッチQ1のゼロ電圧スイッチを達成するための説明図である。 スイッチQ1のゼロ電圧スイッチを達成するための説明図である。 実施例2の直流変換装置の回路構成図である。 実施例2の直流変換装置に設けられたトランスの構造図である。 従来の直流変換装置の回路構成図である。 従来の直流変換装置の各部における信号のタイミングチャートである。 従来の直流変換装置のスイッチQ1のターンオン時の各部における信号の詳細を示すタイミングチャートである。 従来の直流変換装置に設けられたトランスのB−H特性を示す図である。 従来の直流変換装置に設けられた可飽和リアクトルの電流のタイミングチャートである。
符号の説明
Vdc1 直流電源
Q1〜Q3 スイッチ
RL 負荷
SL1 可飽和リアクトル
L1,L2 リアクトル
C1,C5 コンデンサ
C3 クランプコンデンサ
C4 平滑コンデンサ
T,T1 トランス
D1〜D6 ダイオード
5a 1次巻線(n1)
5b 2次巻線(n2)
5c 帰還巻線(n3)
1 制御手段
10 制御回路
13 ボトム検出回路
15 比較器
17 PWMコンパレータ
30 コア
30a コア部
30b 凹部
31 ギャップ

Claims (5)

  1. 直流電源の両端に接続され、トランスの1次巻線と第1スイッチとが直列に接続された第1直列回路と、
    前記第1スイッチの両端又は前記1次巻線の両端に接続され、第2スイッチとクランプコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、
    前記トランスの1次巻線に並列に接続された可飽和リアクトルと、
    前記トランスの2次巻線に発生する電圧を整流する整流回路と、
    前記整流回路の整流出力を平滑する平滑回路と、
    前記第1スイッチがオン時に前記トランスの2次巻線に発生する電圧をダイオードで整流してコンデンサに電力を蓄え、前記第2スイッチがオン時に前記コンデンサに蓄えられた電力を前記クランプコンデンサに供給する電力供給源と、
    前記第1スイッチと前記第2スイッチとを交互にオン/オフさせると共に、前記第2スイッチがオン時に前記クランプコンデンサの電力により前記可飽和リアクトルを飽和させて前記第2スイッチの電流が増大した時に前記第2スイッチをオフさせることにより前記第1スイッチをゼロ電圧スイッチングさせる制御手段と、
    を有することを特徴とする直流変換装置。
  2. 直流電源の両端に接続され、トランスの1次巻線と第1スイッチとが直列に接続された第1直列回路と、
    前記第1スイッチの両端又は前記1次巻線の両端に接続され、第2スイッチとクランプコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、
    前記トランスの1次巻線又は2次巻線に並列に接続された可飽和リアクトルと、
    前記トランスの1次巻線と疎結合された2次巻線に発生する電圧を整流する整流回路と、
    前記整流回路の整流出力を平滑する平滑コンデンサと、
    前記トランスの1次巻線と密結合され且つ前記2次巻線に直列に接続され、前記1次巻線及び2次巻線間のリーケージインダクタンスに蓄えられたエネルギーを前記第1スイッチがオフ時に前記平滑コンデンサに帰還する前記トランスの帰還巻線と、
    前記第1スイッチがオン時に前記トランスの帰還巻線に発生する電圧をダイオードで整流してコンデンサに電力を蓄え、前記第2スイッチがオン時に前記コンデンサに蓄えられた電力を前記クランプコンデンサに供給する電力供給源と、
    前記第1スイッチと前記第2スイッチとを交互にオン/オフさせると共に、前記第2スイッチがオン時に前記クランプコンデンサの電力により前記可飽和リアクトルを飽和させて前記第2スイッチの電流が増大した時に前記第2スイッチをオフさせることにより前記第1スイッチをゼロ電圧スイッチングさせる制御手段と、
    を有することを特徴とする直流変換装置。
  3. 前記第2スイッチがオンしている期間中にオンし、前記コンデンサに蓄えられた電力を前記トランスを介して前記クランプコンデンサに供給する第3スイッチを有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の直流変換装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記第2スイッチがオフした後に前記第1スイッチのボトム電圧を検出するボトム検出手段と、
    このボトム検出手段で検出されたボトム電圧がゼロ電圧になるようにパルスオン幅を制御したパルス信号を生成し、該パルス信号を前記第3スイッチに出力するパルス幅制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項3記載の直流変換装置。
  5. 前記整流回路を構成する整流素子のリカバリ時に、リカバリによるエネルギーを前記コンデンサに吸収させる第2ダイオードを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の直流変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010225568A (ja) * 2009-02-26 2010-10-07 Sanken Electric Co Ltd 電流均衡化装置及びその方法、led照明器具、lcdb/lモジュール、lcd表示機器

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