JP2006189525A - シミュレーション用人工腕 - Google Patents

Abstract

【課題】 肉体組織をリアルに表現するとともに軽量化する事によ可搬性を高める。
【解決手段】 疑似腕骨１を取り巻くその周囲に疑似筋肉組織２として繊維強化した熱可塑性エラストマー又は発泡ウレタン樹脂シートを巻き付け、この上に熱可塑性エラストマー又はシリコン樹脂製の人工血管３を配置し、人工血管３内に微小軸流モーターを挿入し、人工血管３上をウレタン樹脂４にて覆いその表面をウレタン樹脂又はシリコン樹脂でディッピング処理して疑似表皮５を形成する。
【選択図】図１

Description

本発明は注射・採血等のシミュレーション用人工腕に関するものである。

人体の感触に酷似した硬さの合成樹脂で本体を構成し、生ゴムや軟質シリコンゴム材などの非剛性材からなる静脈を模した管を嵌め込み、その外側に半透明、伸縮自在なゴム布等のシート材で外装してマジックテープによって定着し、静脈を模した該管を貯液槽とポンプに接続し電動機によって模擬血液を送出するようにしたものがある。

しかし、現実の血管は穿刺の際左右に移動して初心者ではその処置が容易でないのが通常である。しかし前記教習具では、静脈を溝の中に嵌め込んでいるので模擬血管は半ば固定状態となり穿刺シミュレーションの際静脈が定位置に有るから捉え易く現実感に乏しくリアルさに欠け教習効果が半減する。

感触の点でも腕全体が何れの部分も等しい硬さとなっているのでリアル感に乏しく、その上大型の電動機やポンプ等を備えているから軽量感がなく持ち運びが煩わしく、手軽に扱えない等の問題点があった。
実開昭５５−１７５１５２号公開公報

又、筋肉模擬体の硬さ、柔軟性、弾力性等を現実の肉体に模したゲル体で構成し、これを排出チューブが連設された袋に封入し、該ゲル体を介して導電性シートを対向配置する事により、該対向導電性シートを注射針によって貫通短絡したとき通電して報知手段が動作するように構成したものがある。

上記手段では穿刺位置を誤った場合、警報信号が出るが、幅の広い導電性シートを対向配置しているため穿刺によって報知信号を発生する領域が広く、ごく限られた特定の穿刺位置を把握できず、シミュレーション効果が十分とは言えない問題点がある。
登録実用新案 第３０３２０４９号

人体の注射部位を外観部分と、この対象部分に分け、該対象部分に中臀筋、神経、血管等の内部組織の模型を透明プラスティックによって埋設固定し、この部分を見ながら注射部位の適正位置を触診し、誤って注射場合はブザーやランプによって警報を発するようにしたものがある。
特開平１０−２６０６２７号公開公報

更に動物組織に模したもので何れの部位にも装着できるようにしたゲル状物からなる部材中に模擬血管を埋設したものがある。
特開平１１−１６７３４２号公開公報

従来の注射シミュレーションではシリコンチューブからなる疑似血管を設置した部分がゴム布で等で覆われており、穿刺の際の手応えが実際の場合と著しく異なり、また疑似血管の太さや深さも実際のそれとは異なり、練習用とは言え現実の肉体とは程遠く、また、採血練習ができるものも一部にあるが、筋肉の状態を十分に表現したものではない。他にも腕全体の形状や大きさも実際の人間の腕をリアルに表現したものとい言えず、腕の感触、肌触り、弾力性についても現実感に乏しい。

更に構成上の観点からは通常何れの場合でも使用される一般的な小型の電動機、ポンプ、貯液槽等を接続しているので大型化し、重量感があって、可搬性や汎用性に乏しいと言う問題がある。

無機質材料又は繊維強化複合材料からなる疑似腕骨の周囲を取り巻き、繊維強化した熱可塑性エラストマー或いは発泡ウレタン樹脂製の疑似筋肉組織を付設し、この上に熱可塑性エラストマー製又はシリコン製の人工血管を配置布設した後、該血管及び疑似筋肉組織をウレタン樹脂により覆って取り囲み稠密一体化し、更にその表面をウレタン樹脂又はシリコン樹脂でディッピング処理又は金型成形して成る。

人工血管内に微小軸流ポンプを挿入すると共に、該ポンプの回転をプログラム制御することで血流を定常流或いは脈流又は間欠流と成るようにしてなる。

人工腕に導電材からなる人工神経を埋設し、人工神経にスピーカーその他警報装置を接続して、穿刺位置が適正でないことを示すようにしたことを特徴とする請求項１記載のシミュレーション用人工腕。

疑似腕骨の周囲を覆って繊維強化した熱可塑性エラストマー又は発泡ウレタン樹脂からなる疑似筋肉組織を設けることにより、人体組織の弾力性と同様の触感や硬さを酷似させることができる。

筋肉組織上に配置した人工血管内に微小軸流モーターを挿入して血流を促すようにしたことにより軽量化でき飛躍的に可搬性と汎用性を高めることができる。

疑似腕骨を取り巻くその周囲に繊維強化した熱可塑性エラストマー製又は発泡ウレタン樹脂製の疑似筋肉組織を付設し、この上に熱可塑性エラストマー製又はシリコン製の人工血管を配置布設し、該血管上をウレタン樹脂にて覆いその表面をウレタン樹脂又はシリコン樹脂でディッピング処理して成る。

小型貯液槽に接続した人工血管にはプログラム制御によって流量を変化できる微小軸流モーターを挿入し、該貯液槽からの疑似血液を供給する。

例えば図１、図２に示すものは無機質材料のからなる疑似腕骨１、１の周囲に繊維強化した熱可塑性エラストマーからなる疑似筋肉組織２を巻き付けるなどして覆い、その上に熱可塑性エラストマー製の人工血管３を人間の腕内の血管配置に模した状態で配置布設した後、外側をウレタン樹脂４で覆って固定し、更にその表面をウレタン樹脂によりディッピング処理して疑似表皮５を形成し人工腕Ａを形成した場合を示す。

また、図示しないが前記同様に疑似腕骨として無機質材料を用いて形成し、その外側に発泡ウレタン樹脂からなる疑似筋肉組織を沿わせて設け、人工血管としてはシリコン樹脂製とし、その外側を実施例１と同様にウレタン樹脂で覆った後、最後にシリコン樹脂でディッピング処理することにより疑似表皮を形成するが、これにより前記例と変わらない人工腕が得られる。また疑似表皮の形成はディッピング法の他金型によることもある。

前記人工血管３内の疑似血液を流動させる手段としては該血管３内に最新の技術を駆使して実現される微小軸流モーター７を挿入して血流を起こさせることができる。尚、符号６は該モーターに通じるリード線である。

また、血流を起こさせる他の手段として図４に示すように異なる高さで吊り下げた二つの小型貯液槽９、１１を用いてそのヘッド差で血流を生じさせることもできる。この場合は特別の装置が要らず持ち運びも容易である。尚、符号８、１０は輸液チューブを夫々示す。

人工腕Ａには疑似血管の配置と異なる位置に、しかも該血管と重ならないようにランダムに複数の導体を埋設し、注射や採血の穿刺の際に誤って接触した時は通電して警報を出すようにして、大きく穿刺位置がずれていることを告知する。（特に図示せず）

人工腕Ａの人工血管３内に微小軸流モーター７を挿入することにより人工腕及びその附帯設備を含め著しく小型、軽量化が実現可能となり、看護実習の現場で注射シミュレーションや採血シミュレーションを手軽に幅広く実現できる。

また、人工血管内の微小軸流モーターをプログラム制御で駆動すれば疑似血液を定常流にしたり、或いは脈動流や間欠流とすることもでき、脈拍を捉え易い場合や微弱な場合の模擬実習にも適した教習具を提供できる。

シミュレーション用人工腕の一部切欠外観図 同上中央縦断面図 人工血管内に微小軸流モーターを挿入した例を示す拡大図 微小軸流モーターを挿入した人工腕の外観略図を示す。 同上他の血流発生手段を示す実施例の外観略図を示す。

符号の説明

Ａ 人工腕
１ 疑似腕骨
２ 疑似筋肉組織
３ 人工血管
４ ウレタン樹脂
５ 疑似表皮
６ リード線
７ 微小軸流モーター

Claims (5)

1. 無機質材料又は繊維強化複合材料からなる疑似腕骨の回りに疑似筋肉組織として繊維強化した熱可塑性エラストマー材又は発泡ウレタン樹脂材を沿わせて該疑似腕骨と密着一体化し、その上に熱可塑性エラストマー製又はシリコン製の人工血管を人の腕の血管配置に模して配置し、該人口血管をウレタン樹脂で覆って固定した後表面をウレタン樹脂或いはシリコン樹脂でデイッピング処理することにより疑似表皮を被覆形成したことを特徴とするシミュレーション用人工腕。
2. 金型にて疑似表皮を被覆形成したことを特徴とする請求項１記載のシミュレーション用人工腕。
3. 人工血管内に微小軸流ポンプを挿入したことを特徴とする請求項１記載のシミュレーション用人工腕。
4. 微小軸流ポンプの回転をプログラム制御することによって人工血管内の疑似血液を定常流或いは脈流又は間欠流とすることを特徴とする請求項３記載のシミュレーション用人工腕。
5. 人工腕に導電材からなる人工神経を埋設し、人工神経にスピーカーその他警報装置を接続して、穿刺位置が適正でないことを示すようにしたことを特徴とする請求項１記載のシミュレーション用人工腕。

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