JP2006189152A - 混合ガスの均一化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】末端を有するガス容器、例えば略円柱状のガスボンベなどのガス容器内で、混合ガスの当該各ガス成分を効率的、かつ、短時間で均一化する新規方法の提供。
【解決手段】本発明に係る混合ガス調製方法は、複数のガス成分から成る混合ガスの当該各ガス成分を、末端を有するガス容器内で、均一化する方法において、当該ガス容器の外側表面に温度勾配を付与することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、末端を有するガス容器、例えば略円柱状のガスボンベなどのガス容器内で、混合ガスの当該各ガス成分を均一化する方法に関する。より詳しくは、ガス容器内に充填した混合ガスの各成分を効率的、かつ、短時間で均一化する方法に関する。
電子材料ガス、工業ガス及び医療ガスの分野では、種々の目的に応じた混合ガスが利用されている。
混合ガスを簡易に調製する方法のひとつとして、混合ガスを使用する現場において、混合ガスの各ガス成分をそれぞれ個別に流量制御して流通し、それらを合流させることによって所望のガス組成を有する混合ガスをその場で調製する方法がある。この方法によれば、予め混合されたガスボンベを使用することなしに、使用現場において容易に混合ガスを製造することができる。
しかしながら、特に、半導体製造工程で使用される電子材料ガスについては、当該ガスの反応性が高いために、当該ガスを使用する上での危険性を低減することを目的として、不活性ガスなどによって電子材料ガスが希釈された混合ガスを使用する場合がある。そのような目的では、上述したような、ガスを使用する現場において混合ガスを調製するのではなく、反応性の高い電子材料ガスを予め不活性ガスなどによって希釈充填された混合ガスボンベが必要とされる。
ガスボンベ内に混合ガスを調製する従来の方法は、以下の2種類に大別することができる。第1の方法は、混合ガスの各ガス成分をそれぞれ個別に流量制御して流通し、それらを合流させることによって所望のガス組成を有する混合ガスを調製しながら、混合ガスをボンベに充填する方法である。しかし、電子材料ガスとして要求される混合ガスは、1MPaを超えるような所謂高圧ガスである場合が多く、高圧ガスを調製する場合には、流量制御機器の耐久圧力範囲が1MPa未満であることが多いために、流量制御機器を用いて、一旦1MPa以下の圧力で混合調製した後、その混合ガスを次の操作で昇圧調製する必要がある。そのため、この方法では、ガス充填用ラインに、コンプレッサなどの新たな設備機器が必要となるため、以下に示す第2の方法を適用する場合が多い。
第2の方法は、最初に第一の成分ガスをボンベに充填し、続いて、第二、場合によっては、第三、第四の成分ガスをボンベに順次充填していくことによって所望のガス組成の混合ガスを最終的に調製する方法である。この方法では、各ガス成分をボンベに充填する量は、ガスの充填圧力又は充填重量を測定して制御される方法が適用されている。この方法では、充填される各ガス成分の供給源として、例えば、10〜20MPa程度の高圧ガスボンベを使用することにより、コンプレッサなどの特別な設備機器を設けることなく、所望の混合ガスを容易に調製することが可能となる。しかしながら、先に述べた第1の方法では、ガスの均一化は、ガスボンベへの充填前にほとんど完了することができると考えられるが、この第2の方法では、ガスボンベ内に充填された各成分ガスは混合状態が不完全であり、直ちに均一化することが極めて困難である場合が多い。そのため、ガスを充填した後に、ガスを混合する操作工程が別途必要となる。ガスボンベに充填された混合ガスを均一化する操作としては、ガスボンベを回転させるための専用のガスボンベ回転機を用いて、数10分から数時間程度の時間をかけてガスボンベ本体を回転させて、ボンベ内のガスを混合・均一化する手法が従来から一般的に広く適用されている。あるいは、回転機などの特別な機器を使用しない方法としては、数日から数週間の長時間にわたり、単に放置することによってボンベ内のガスを混合・均一化する手法も選択されているのが現状である。
そして、ガスの混合工程の後、ガスボンベ内に均一化された混合ガスは、要求されている精度に対応して、混合ガス組成や含有不純物濃度を分析された上で出荷されている。
なお、特開平2001−248791号公報(特許文献1)は、ガスを充填中のボンベを冷却することによって温度上昇を制御し、簡単な操作で所定量のガスをボンベに充填することができるボンベ冷却機能付充填装置を開示する。特許文献1に記載の発明の課題は充填時の断熱圧縮により発生する温度上昇を抑制することであり、かつ、当該冷却装置は、ガスボンベ全体を冷却するものである。したがって、以下に説明するように、特許文献1に記載の発明は、本願発明に係る方法とは、これらの点で相違する。
また、特開平2003−65495号公報(特許文献2)は、水素、ヘリウムなどの分子量が小さいガスの混合比が比較的少ない混合ガスを、精度良く充填する混合ガスの充填方法及び装置を開示する。特許文献2に記載の発明の課題解決手段は、分子量が小さいガスの混合比が比較的少ない混合ガスを精度良く充填するために、分子量の小さいガスを圧力充填方式により所定量充填した後に、分子量が比較的大きなガスを重量充填方式により充填することであり、本願発明に係る方法の構成とは、本質的に相違する。
特開平2001−248791号公報 特開平2003−65495号公報
ところで、半導体製造工程においては、生産効率を向上する目的で、使用基板の大型化が進み、最新の半導体製造工場では300mmサイズの大型シリコンウエハが使われ始めている。シリコンウエハの大型化に対応して、CVD(化学気相蒸着)装置やエッチング装置等の半導体製造装置の大型化が進められている。さらに、半導体製造装置の大型化に伴って、成膜用ガス、洗浄用ガス又はエッチングガスの使用量が急激に増加し、従来から用いられてきた10Lや47Lサイズの一般的なガスボンベを用いてガス供給を行うと、ボンベ交換頻度が極端に多くなってしまい、生産効率の低下に繋がってしまう。そこで、近年、ガスボンベの交換頻度を低下させて、かつ、大量のガス供給を可能にすることを目的として、従来ではほとんど用いられることがなかった100Lを超えるサイズの大型ガス容器や、47Lサイズの一般的なサイズのガスボンベを数本から数10本の単位で束ねて金属製の枠で囲うようにし、各ガスボンベをガス配管で連結した所謂カードルなどが必要とされるケースが急激に増加している。さらに、集積回路の微細化と高集積化に伴って、使用される混合ガスの濃度や含有不純物濃度に対する要求精度もさらに高まってきている。
上述のように、反応性の高い電子材料ガスなどを予め不活性ガスによって希釈充填された混合ガスボンベが必要とされ、かつ、ガスの大量供給が可能な大型のガス容器やカードルにおいて混合ガスを調製しなければならない場合に、ガスの混合操作が、現実に非常に大きな問題となってきている。
特に、混合ガスの濃度や含有不純物濃度に対する厳しい要求を満足するためには、混合ガスの各ガス成分を確実に均一化した後に、要求される精度に対応して、混合ガス組成や含有不純物濃度を分析評価した上で出荷する必要がある。また、調製した混合ガスが均一化する前にガス分析を行ってしまうと、その後、ガス組成が経時的に変化してしまうことになるため、分析値の精度が著しく低下してしまうという問題を未然に防止しなければならない。
上述のように、混合ガスの調製方法として、最初に第一の成分ガスをボンベに充填し、続いて、第二、場合によっては、第三、第四の成分ガスをボンベに順次充填して所望のガス組成の混合ガスを調製する方法を用いる場合には、ガスを充填した後に混合する操作が必要となる。しかしながら、ガスの容器が100Lを超えるような大型容器やカードルである場合には、これらを回転させることが可能な回転機を製作しようとすると、巨大で複雑な構造となるため多額の設備コストを要してしまう。一方、回転機などの設備を使用せずに、単に長期間放置することによって混合する手法を適用しようとする場合、容器の容量が大きいために、成分ガスが均一化するまでに必要な時間は、一般的な47Lサイズの容器を使用する場合に比べて極端に大きくなるという問題が生じる。また、混合ガス調製後の均一化までの期間が長くなることは、混合ガスの生産性の低下に直結する。
したがって、本発明は、特に大型の容器内やカードルにおいて、混合ガスの各ガス成分を効率よく短時間で均一化する新規方法を開発して、混合ガスの生産性を飛躍的に向上させる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特に大型の容器内やカードルにおいて、混合ガスを短時間で確実に、効率よく均一化する方法を初めて開発した。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1]複数のガス成分から成る混合ガスの当該各ガス成分を、末端を有するガス容器内で、均一化する方法であって、当該ガス容器の外側表面に温度勾配を付与することを特徴とする前記方法。
[2]前記ガス容器の末端又は末端付近を加温することによって、当該ガス容器の外側表面に温度勾配を付与することを特徴とする前記[1]に記載の方法。
[3]前記ガス容器の末端又は末端付近を加温する手段が、当該ガス容器の周囲の気温より高温の液体を用いることを特徴とする前記[2]に記載の方法。
[4]前記ガス容器の末端又は末端付近を冷却することによって、当該ガス容器の外側表面に温度勾配を付与することを特徴とする前記[1]に記載の方法。
[5]前記ガス容器の末端又は末端付近を冷却する手段が、当該ガス容器の周囲の気温より低温の液体を用いることを特徴とする前記[4]に記載の方法。
[6]前記ガス容器の末端又は末端付近を加温又は冷却するために用いる液体を流動させることを特徴とする前記[3]又は[5]に記載の方法。
[7]前記ガス容器の末端又は末端付近を加温又は冷却するために用いる液体を流動させる手段が、当該液体を周期的又は断続的に揺動することを特徴とする前記[6]に記載の方法。
[8]前記ガス容器の末端又は末端付近の外側表面を加温又は冷却するために用いる液体の温度と、当該ガス容器の周囲の気温との差が、10℃以上であることを特徴とする前記[3]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]前記混合ガスの各ガス成分の均一化の完了を検知する手段が、時間計測及び/又はガス組成分析を利用することを特徴とする前記[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]前記ガス容器が、ガス配管で連結された複数の略円柱状のボンベの集合体である前記[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11]前記ガス容器の容量が100L以上である前記[1]〜[10]のいずれかに記載の方法。
[12]前記混合ガスの最小分子量成分と最大分子量成分の分子量の差が5以上であることを特徴とする前記[1]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13]前記混合ガスの圧力が1MPa以上であることを特徴とする前記[1]〜[12]のいずれかに記載の方法。
[14]前記混合ガスの1成分がフッ素ガスであることを特徴とする前記[1]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15]前記[1]〜[14]のいずれかに記載の方法を使用して製造された混合ガス充填ガス容器。
以上説明したように、本発明の方法を用いれば、ガスボンベなどに充填される混合ガスの各ガス成分を効率よく均一化することが可能である。
特に、大型の容器内やカードルにおいて、混合ガスの各ガス成分を短時間で確実に、かつ、効率よく均一化することが可能である。
以下、本発明に係る混合ガスの調製方法について詳しく説明する。
本発明の方法は、容器内に複数のガス成分から成る混合ガスを調製する方法であって、当該ガス容器の外側表面に温度勾配を付与することを特徴とする混合ガスの各ガス成分の均一化方法である。
従来技術である、最初に第一の成分ガスを充填し、続いて、第二、場合によっては第三、第四などの成分ガスをボンベに順次充填して所望のガス組成の混合ガスを調製する方法では、上述のように、ガスの混合状態が不十分であるため、混合工程をその後に行う必要がある。本発明の方法では、ガス容器の外側表面に温度勾配を付与することによって、当該ガス容器内で混合ガスの熱対流運動を強制的に発生させることが可能となり、熱対流に伴う撹拌作用によって、混合ガスの各ガス成分の混合が促進される。本発明に係る混合ガス調製方法を用いた場合、均一化に至るまでに要する時間は、当該本発明方法を用いずに単に放置する操作、すなわち、ガス分子の拡散のみの作用によって混合ガスの均一化を行う場合に比較して、著しく短縮されることが判明した。
ガス容器の外側表面に温度勾配を付与する方法としては、当該ガス容器の一部を加温あるいは冷却する方法を選択することができる。例えば、容器の一部を加温しながら、他の部分を冷却するなど、任意の方法を適用することが可能である。また、混合ガスの熱対流運動を効率的に発生させるためには、当該ガス容器の末端又は末端付近を加温又は冷却することが好ましい。さらに、当該ガス容器の末端又は末端付近を加温又は冷却する手段として、当該ガス容器の周囲の気温より高温又は低温の液体を用いる方法を選択するのが好ましい。熱媒又は冷媒として熱伝導効率の良好な液体を用いる方法では、気体を用いる方法に比べてより短時間で混合ガスの均一化が可能となるためである。
また、当該ガス容器の末端又は末端付近をより効率的に加温又は冷却するためには、熱媒又は冷媒として用いる液体を強制的に流動することが好ましい。当該液体を流動する手段としては、当該液体の入った浴槽を傾斜させたり又は浴槽内に撹拌機器を設置して撹拌したりするなど任意の方法によって当該液体を周期的又は断続的に揺動する方法が好ましい。あるいは、当該ガス容器本体を周期的又は断続的に揺動することによって、当該液体を流動する方法を選択してもよい。
また、ガス容器の外側表面に付与する温度勾配、すなわち最高温度部位の温度と最低温度部位の温度との間の温度差は、熱対流運動をより活発にするために、大きければ大きいほど有効であると考えられる。しかしながら、容器を極度に加温又は冷却する操作は、容器材質の劣化を引き起こすなどの新たな問題が生じる危険があるため、当該ガス容器の外側表面に付与する温度勾配、つまり当該ガス容器の周囲の外気温度と加温又は冷却する液体との温度差は、5℃〜25℃とすることが好ましく、10℃〜15℃がさらに好ましい。5℃未満の温度勾配では、混合ガスの熱対流運動を十分に活発化するためには十分ではないため、5℃以上の温度勾配を付与することによって、混合ガスの熱対流運動を活発化して、強制的に混合ガスを撹拌して、短時間で均一化することが可能となる。また、25℃以上の温度差では、容器材質の劣化を引き起こすなどの問題が生じる可能性がるので、あまり好ましくない。
混合ガス各ガス成分の均一化の完了を検知する手段としては、当該ガス容器の外側表面に温度勾配を付与した状態での、充填後経過時間を計測する方法が適している。この方法を適用する場合には、混合ガスが均一化するまでに必要な時間を、予め実験的に確認しておくことが必要である。また、ガス組成分析を行って、混合ガスの均一化プロセスの完了を検知する方法を適用することも好ましい。ガス組成分析を行う場合には、各ガス成分の混合が完全に終了し均一化したことを確認するために、混合ガスの各ガス組成が経時的に変化しないことを確認する手法を適用することがさらに好ましい。
特に、47Lサイズの一般的なサイズのガスボンベを数本から数10本の単位で束ねて金属製の枠で囲うようにし、各ガスボンベをガス配管で連結した所謂カードルである場合や、あるいは、当該ガス容器の容量が100L以上の大型容器である場合には、混合ガスの調製方法として、本発明の方法が適している。一般的に広く使用されている10L又は47Lサイズのガスボンベである場合には、従来から適用されているような回転機器を使用した混合方法を適用することが容易であるが、回転機器を利用してカードルや100Lを超えるような大型容器を回転させる操作は、実際上、極めて困難である。
さらに、混合ガスの各ガス成分における最小分子量のガスと最大分子量のガスとの間の分子量の差が5以上である場合には、混合ガス各ガス成分の均一化方法として、本発明の方法が適している。例えば、分子量が28の窒素ガスと分子量が38のフッ素ガスを混合しようとした場合、最低分子量のガスと最高分子量のガスとの間の分子量の差は10である。このような場合では、本発明に係る混合ガス調製方法を用いた場合に完全混合に至るまでに要する時間は、本発明の方法を用いずに単に放置する操作によって、すなわち、ガス分子の拡散のみによって混合ガスの完全混合を行おうとした場合に比較して著しく短縮される。一方、例えば、分子量が28の窒素ガスと分子量が32の酸素ガスを混合しようとした場合、分子量の差は4である。このような場合では、本発明に係る混合ガス調製方法を用いた場合に完全混合に至るまでに要する時間は、本発明の方法を用いずに単に放置する操作によって混合ガスの均一化を行おうとした場合に比較して、それほど短縮されない。
さらに、混合ガスの圧力が1MPa以上である場合には、混合ガスの各ガス成分の均一化方法として、本発明に係る方法が適している。ガス圧力が大きくなるほど、ガス分子の平均自由工程が短くなるため、拡散の進行が極端に遅くなる。そのために、混合ガスの各成分の均一化に要する時間が長くなることから、混合ガスの圧力が1MPaを超えるような高圧混合ガスの各成分を均一化する場合には、本発明に係る混合ガス調製方法を用いた場合に均一化に至るまでに要する時間は、本発明の方法を用いずに単に放置する操作によって、すなわち、ガス分子の拡散のみによって混合ガスの各ガス成分の均一化を行おうとした場合に比較して著しく短縮される。
さらに、本発明に係る方法は、混合ガスがフッ素ガスを含む場合に適している。フッ素ガスは、極めて支燃性が高いガスであるため、フッ素ガスの反応性を低減することを目的として、予め窒素ガスやヘリウムガスなどの不活性ガスによって希釈された状態でガス容器に充填される場合が一般的である。フッ素ガスのように極めて反応性の高いガスを充填した容器を、従来から用いられている回転機器を用いて回転する操作は、ガス容器の振動や衝撃に起因するガス漏洩事故等の危険性を有しているため好ましくない。フッ素ガスのような反応性の高いガスを含む混合ガスの各ガス成分を均一化するためには、ガス容器に振動や衝撃を与えない本発明に係る方法が最も適しているといえる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
100Lサイズのガスボンベ容器に、第一の成分ガスとしてフッ素ガスを充填し、続いて、第二の成分ガスとして窒素ガスを充填して、混合ガスを調製した。窒素ガス中のフッ素ガスの濃度が20体積%、全圧が2MPaとなるように、各ガス成分の充填圧力を制御した。
室温が約25℃に制御された環境下で、ガスの充填後直ちに、当該ガス容器の底部を温水に浸して約30℃に加温した。ガス充填後における混合ガス中のフッ素ガス濃度の経時変化を追跡した結果を以下の表1に示す。混合ガス中のフッ素ガス濃度は、当該ガス容器上部の弁より一部抜き出した混合ガスをヨウ化カリウム水溶液に通ガスしてサンプリングした上で、濃度既知のチオ硫酸ナトリウム水溶液による滴定によって濃度分析した。
表1より、充填後1時間経過した時点では混合状態が僅かに不十分であるが、充填後5時間経過した時点では、混合ガス中のフッ素ガス濃度が安定して、完全混合された状態に到達していると考えられる。すなわち、100Lサイズの容器の一部を加温して、温度勾配を約5℃に設定した場合には、5時間以内に均一化することが可能であることがわかった。
実施例2
当該ガス容器の底部を温水に浸して加温した温度を約35℃とした以外は、実施例1と同じ方法により、ガス充填後における混合ガス中のフッ素ガス濃度の経時変化を追跡した。その結果を表1に示す。
表1より、充填後1時間を経過した時点においても、混合ガス中のフッ素ガス濃度が安定して、完全混合された状態に到達していると考えられる。すなわち、100Lサイズの容器の一部を加温して、温度勾配を約10℃に設定した場合には、1時間以内に均一化することが可能であることがわかった。
実施例3
当該容器の底部を冷水に浸して冷却し、その温度を約15℃とした以外は、実施例1と同じ方法により、ガス充填後における混合ガス中のフッ素ガス濃度の経時変化を追跡した。その結果を表1に示す。
表1より、充填後1時間を経過した時点においても、混合ガス中のフッ素ガス濃度が安定して、完全混合された状態に到達していると考えられる。すなわち、100Lサイズの容器の一部を冷却して、温度勾配を約10℃に設定した場合には、1時間以内に均一化することが可能であることがわかった。
比較例1
室温が約25℃に制御された環境下でガス容器を放置した以外は、実施例1と同じ方法により、ガス充填後における混合ガス中のフッ素ガス濃度の経時変化を追跡した。その結果を表1に示す。
表1から、充填後120時間を経過した時点においても混合状態が不十分であり、充填後240時間を経過した時点で、はじめて混合ガス中のフッ素ガス濃度が安定して、完全混合された状態に到達していると考えられる。すなわち、100Lサイズの容器では、混合ガスの調製方法として従来の放置する方法を採用した場合には、均一化するまでに極めて長時間(5日間以上)の混合時間が必要であることがわかった。
Figure 2006189152

Claims (15)

  1. 複数のガス成分から成る混合ガスの当該各ガス成分を、末端を有するガス容器内で、均一化する方法であって、当該ガス容器の外側表面に温度勾配を付与することを特徴とする前記方法。
  2. 前記ガス容器の末端又は末端付近を加温することによって、当該ガス容器の外側表面に温度勾配を付与することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ガス容器の末端又は末端付近を加温する手段が、当該ガス容器の周囲の気温より高温の液体を用いることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ガス容器の末端又は末端付近を冷却することによって、当該ガス容器の外側表面に温度勾配を付与することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ガス容器の末端又は末端付近を冷却する手段が、当該ガス容器の周囲の気温より低温の液体を用いることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ガス容器の末端又は末端付近を加温又は冷却するために用いる液体を流動させることを特徴とする、請求項3又は5に記載の方法。
  7. 前記ガス容器の末端又は末端付近を加温又は冷却するために用いる液体を流動させる手段が、当該液体を周期的又は断続的に揺動することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ガス容器の末端又は末端付近の外側表面を加温又は冷却するために用いる液体の温度と、当該ガス容器の周囲の気温との差が、10℃以上であることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記混合ガスの各ガス成分の均一化の完了を検知する手段が、時間計測及び/又はガス組成分析を利用することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ガス容器が、ガス配管で連結された複数の略円柱状のボンベの集合体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記ガス容器の容量が100L以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記混合ガスの最小分子量成分と最大分子量成分の分子量の差が5以上であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記混合ガスの圧力が1MPa以上であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記混合ガスの1成分がフッ素ガスであることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法を使用して製造された混合ガス充填ガス容器。
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