JP2006188702A - 建築基体コーティング用塗料の製造におけるvdfベースポリマーの水性分散体の使用 - Google Patents
建築基体コーティング用塗料の製造におけるvdfベースポリマーの水性分散体の使用 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】
式: A-Rf-B (I)(ここで、A = -O-CFX-COOM; B = -CFX-COOM; (ここで、X = F, CF3、M = NH4, アルカリ金属, Hを有する);Rfは、(I)の数平均分子量が600〜800の範囲にある、直鎖のもしく分枝したパーフルオロアルキル鎖、または(パー)フルオロポリエーテル鎖である)の2官能性界面活性剤を含む、0.260〜0.3μmの間の平均粒子サイズを有するVDFベースポリマーの水性分散体の、基体コーティング用塗料の製造のための使用。
【選択図】なし
Description
一般的に、PVDFベース塗料組成物は、顔料、樹脂(一般的にアクリル樹脂)、および種々の添加剤を含み、水もしく特定の溶媒中で配合される場合は液状の形態で、または粉末の形態で使われる。
特に、塗料の製造において商業的に使われるサーフロン(商標) Slllを用いるこれらのドロップ-イン(drop-in)VDFベース分散体が利用できる必要性が感じられた。ドロップ-インによって、VDFベース分散体は、上記のようなコーティングの耐久性および光沢ならびに凝塊の実質的な形成を意味してはならない分散体の製造方法と同じ性能を実質的に与えなければならないということを意味する。実際、ポリマー凝塊の形成は生成物の喪失を意味し、反応器の清掃を行なうために工程の中断を要求するので、工業的な点から、明らかな欠点を生じるであろう。
さらに、新しい分散体の界面活性剤は、先行技術の界面活性剤と比較して、クレイへの改善された吸着、すなわちクレイへのより高い吸着係数を有するものであることが望まれた。
A-Rf-B (I)
(ここで、
A = -O-CFX-COOM;
B = -CFX-COOM;
X = F, CF3;
M = NH4, アルカリ金属, H;
Rfは:
- 直鎖のまたは分枝したパーフルオロアルキル鎖;または
- (パー)フルオロポリエーテル鎖である)
の2官能性界面活性剤の存在下に、VDF乳化重合により得られる、0.260〜0.3μmの平均粒子サイズを有する、VDFベースポリマーの水性分散体の、高性能な基体コーティング用塗料を製造するための使用である。
好ましいRfは(パー)フルオロポリエーテル鎖である。
Rfが(パー)フルオロポリエーテル鎖であるとき、Rfは、鎖に沿って統計的に分布する、次の:
a) -(C3F6O)-;
b) -(CF2CF2O)-;
c) -(CFL0O)- (ここで、L0 = -F, -CF3);
d) -(CF2(CF2)z'CF2O)- (ここで、z'は整数1または2である);
e) -(CH2CF2CF2O)-
の1以上から選択される繰り返し単位を含む(パー)フルオロポリエーテル鎖を表わす。
1) -(CF2O)a-(CF2CF2O)b-
(式中、aおよびbは以下で定義されるとおりであり;単位(CF2O)および(CF2CF2O)の両方が存在するとき、b/aは両端を含んで0.3〜10の間であり、aは0でない整数であるか;または2つの単位の1つ、好ましくはインデックスaを有するものが存在しなくてもよい);
2) -(CF2-(CF2)z'-CF2O)b'-
(式中、z'は1または2の整数であり;b'は以下で定義されるとおりである);
3) -(C3F6O)r-(C2F4O)b-(CFL0O)t-
(式中、r、b、tは以下で定義されるとおりであり;3つの単位全てが存在するとき、r/b = 0.5〜2.0、(r+b)/t = 10〜30、bおよびtは0でない整数であるか;または3つの単位の1つもしくは2つ、好ましくはインデックスbを有するものが存在しなくてもよく;L0は上記で定義されたとおりである);
(式中、r、tは以下で定義されるとおりであり;
R'fは1〜4の炭素原子のフルオロアルキレン基であり;
L0は上記のとおりである);
5) -(CF2CF2CH2O)q'-R'f-O-(CH2CF2CF2O)q'-
(式中、R'fは上記の定義のとおりであり;
q'は以下の定義のとおりである);
6) -(C3F6O)r-OCF2-R'f-CF2O-(C3F6O)r-
(式中、R'fは上記の定義のとおりであり;
rは以下の定義のとおりである);
上記の式において、-(C3F6O)-は、式:-(CF(CF3)CF2O)-および/または-(CF2-CF(CF3)O)-の単位を表わすことができ;a、b、b'、q'、r、tは、Rfが、上記式(I)の界面活性剤の数平均分子量を与えるような数平均分子量値を示すような整数である。
Rfが(パー)フルオロポリエーテルである一般式(I)の界面活性剤は、先行技術の周知方法により得られ、例えばここに参考文献として組み込まれる次の特許:US 3,665,041、US 2,242,218、US 3,715,378およびヨーロッパ特許239,123を参照。
式(I)の官能化フルオロポリエーテルは、例えば特許EP 148,482、US 3,810,874による対応エステルの加水分解またはヒドロキシ官能基の酸化によって得ることができる。
本発明の分散体は、式(I)の界面活性剤の混合物を含むこともできる。
本発明の分散体は、式(I)のものとは異なる他のフッ素化界面活性剤を、例えばVDFベースポリマー重量に対して0.0001〜0.1重量%の量で、一般的には式(I)の界面活性剤の全量に対して20重量%よりも多くない量で、任意に含むこともできる。フッ素化ポリマーの重合に一般的に使用されるクラスに属する該界面活性剤の存在は、使用量が少ないので、分散体により環境を損ねることはない。
T(C3F6O)n0(CFXO)m0CF2COOM (II)
(式中、TはClまたはパーフルオロアルコキシド基;CkF2k+1O(ここで、k = 1〜3の整数、任意に1つのF原子は1つのCl原子で置き換えられていてもよい)であることができ;
n0は1〜6の範囲の整数であり、m0は0〜6の整数であり;
MおよびXは上記のとおりである);
CF3(CF2)n1COOM (III)
(式中、n1は4〜12の範囲の整数であり;
Mは上記のとおりである);
F-(CF2-CF2)n2-CH2-CH2-SO3M (IV)
(式中、Mは上記のとおりであり;
n2は2〜5の範囲の整数である)。
上記VDFコポリマーは、一般的に0.1〜10重量%の間の量のコモノマーを含む。VDFホモポリマー(PVDF)が好ましい。
a) 重合反応器中に、式(I)の2官能性界面活性剤の溶液を、界面活性剤の濃度が反応媒体のリッター当り0.05〜20 g、好ましくは反応媒体のリッター当り0.1〜5 gであるような量で供給すること;
b) 任意に、この段階で加えられた式(I)の界面活性剤は、既に上記で述べたように、式(I)の界面活性剤とは異なる、上記の量のフッ素化界面活性剤によって部分的に代用され、該任意の界面活性剤は、好ましくは式(II)〜(IV)のそれらから選択される;
c) 重合反応器へ反応媒体を供給し、反応器を脱気し、反応器に1以上のフッ素化モノマー、任意に連鎖移動剤、任意に安定剤を添加すること;
d) 重合開始剤および重合の間、任意にモノマーおよび/またはコモノマー、開始剤、移動剤の追加量を添加すること;
f) ポリマーラテックスを反応器から排出すること。
排出されたラテックスは、所望の用途(粉末塗料、溶剤塗料、水性塗料)により、先行技術で公知の通常の後処理に付される。
例えば、排出された分散体は、ポリマー粉末を得るために凝固されるか、または例えば、非イオン性界面活性剤の存在下での加熱もしくは限外濾過によって行なわれる濃縮に付される。
本発明のVDFベースポリマー分散体は、凝塊の実質的な形成なしに、上記の方法で得ることができる。一般的に、凝塊は5%、より好ましくは3.5%(初期のモノマーの重量に対する凝固された粒子のパーゼンテージで定義される)より低い。
さらに、本発明のVDFベースポリマー分散体が、塗料の製造において商業的に使用されるサーフロン(商標) S111を用いたものと同等であることは、予期しなかった結果であった。
本出願人により、本発明のVDFベース分散体が、実質的に同じ性能、特にコーティング耐久性およびコーティング光沢において同じ性能を与えることが実際に見出された。さらに、粘着性、耐溶剤性(MEK ダブルストローク)、耐衝撃性、硬度、柔軟性も、サーフロン(商標) S111を含む分散体の場合と本発明の分散体の場合とは、実質的に同じオーダーである。
製造方法においても、本発明の分散体は、これらの製造が実質的に凝塊の形成を示さないので、同じ性能を与える。
さらに、本発明の分散体は、サーフロン(商標) S111界面活性剤で得られる分散体で今日使用されている、凝集、洗浄および乾燥のような工業的後処理に付されることが適切である。
それゆえ、本発明のVDFベース分散体は、サーフロン界面活性剤を使用する現行の分散体と実質的同等である。
さらに、本出願人により、本発明の分散性界面活性剤は、先行技術の界面活性剤と比較してクレイへの改善された吸着、すなわち、それらはクレイへのより高い吸着係数を有することが見出された。
本発明の分散体は、金属基体コーティング用として使用されることが好ましい。
本発明のさらなる課題は、本発明のVDFベースポリマー分散体を用いた水性塗料、粉末塗料、溶剤塗料である。これらの塗料は、顔料、アクリル樹脂(例えばアクリロイド(Acryloid) B44)のようなフィルム化樹脂、増粘剤(例えばベントン(Bentone) SD3のようなクレイ)のような添加剤を含むこともできる。
塗料中のVDFベースポリマーの含量は、一般的に20〜40重量%の間である。溶剤ベース塗料中の溶剤の含量は、45〜60重量%の範囲である。
本発明の塗料および分散体から得られるコーティングは、金属板、金属コイル、型材およびその他の既に形成された金属骨組みのような金属基体にあるのが好ましい。
一般的に、本発明の塗料で塗装後のこれらの基体は、VDFベースポリマーの連続フィルムの形成を保証することができる温度で、熱的に処理される。
本発明のさらなる課題は、上記で定義された塗料から得られるコーティングをその表面上に含む建築用金属基体、好ましくはコイルに基づく製品である。
該コーティングは、先行技術で公知の適用方法、例えば粉末コーティング、吹付け塗装またはコイルコーティングを用いて、金属基体の表面に該塗料を適用することによって得られる。コイルコーティングの方法は、自動高速系のローラーにより、金属コイル上へ本塗料を塗り、次いで250〜270℃までの温度での連続オーブン中での熱処理を行なうことからなる。
本発明は、以下の実施例により説明されるが、それらは、単に本発明を示すためだけのものであって、限定するためのものでない。
− 平均粒子直径の測定
平均粒子直径は、Brookhaven 相関計2030 ATモデルおよびスペクトラ−フィジックス(Spectra-Physics)によって514.5 nmの波長を有するアルゴンレーザー光源を備えたレーザー光散乱に基づく装置、特に光子相関分光法により測定される。測定に付されるラテックス試料は、0.2 μmのミリポアフィルターで濾過された水で適当に希釈される。散乱測定は、室温、90°の角度で行なわれる。
反応器から排出されたラテックスのポリマー含量は、約2 gのラテックスを105℃で1時間乾燥することにより評価される。ラテックスの乾燥生成物含量は、式:
乾燥生成物 % = (乾燥後の重量/ラテックス初期重量) × 100
− コーティング特性
コーティング特性は、ASTMおよびAAMA法により評価される。これらの方法は、当分野でポリマーコーティングの性質の評価で使用されるものである。
− クレイへの吸着
測定は、OECD 106法により行なわれた。
実施例1
撹拌機を備えた7.5リッターのステンレス鋼の水平反応器に、5.375 gの脱イオン水、および式(I)(M = NH4, X = F, A = -O-CFX-COOM; B = -CFX-COOM; Rfはクラス1)の構造および738の数平均分子量を有する)の2官能性フッ素化界面活性剤の水溶液を、反応器の水相での濃度が0.84 g/lであるような量で加える。
次いで、50〜60℃の間の融点を有するパラフィン蝋4 gを加える。反応器を密封し、約2分間脱気し、撹拌下に100℃に加熱する。
反応器を122.5℃まで加熱し、次いで反応器圧力が46.5バールになるように、ビニリデンフルオライドの十分な量を反応器に供給する。ジ-tert-ブチルパーオキサイド(DTBP)21.5 gの添加で重合を誘発する。約15分間の誘導期間後、反応器圧力がゆっくり下がり、重合の開始を示す。
ビニリデンフルオライドが、反応器圧力を一定に維持するために連続的に加えられ、一方、反応器ジャケット中に水およびエチレングリコールを循環させることにより、温度は122.5℃に維持される。
モノマーの全量2.298 gの導入に必要な時間の約170分後、供給は停止される。収率を最適化するため、反応器圧力が約11バールに下がるまで重合を継続させる。この時点で、反応器を冷却し、未反応のビニリデンフルオライドを排気し、次いでラテックスを反応器から排出し、存在するかもしれない凝塊を除去するために80メッシュで濾過する。
ラテックスは、ポリマーの30.7重量%を含む。反応器は、重合の間に形成された存在するかもしれない凝塊を除去するために洗浄される。
濾過されたラテックスは、レーザー光散乱手法により分析され、0.271 μmの粒子直径の平均サイズを有することが分かる。
次いで、ラテックスは機械的撹拌により凝固され、凝固されたポリマーは、洗浄水の伝導度が2 μohm/cmに下がるまで、脱イオン水で数回洗浄される。湿ポリマーは、水分含量が0.15重量%より低くなるまで、対流式オーブン中60℃で乾燥される。
Kayeness Galaxy細管レオメーター(L/D = 15/1)を用いて、232℃、剪断速度100 s-1で測定されたポリマーの溶融粘度は32.0 kPである。
ポリマーの熱安定性は、乾燥された粉末のアルミニウム容器中、270℃で1時間の加熱後の色彩観察による美質により評価された。
式(I)(ここで、M = NH4, X = F, A = -O-CFX-COOM; B = -CFX-COOM; Rfは、その数平均分子量が659、700、738および764で、各々の重量比が2.5:1.88:1.62:1.00であるように選択されたクラス1)に属する)の界面活性剤の混合物から形成される2官能性パーフルオロポリエーテル界面活性剤を、反応器の水相での界面活性剤の全濃度が1.12 g/lを有するような量で使用して、PVDFを製造するために、実施例1の方法が用いられた。
全反応時間は166分であった。そして、得られたラテックスの濃度は30.3重量%である。
凝塊によるポリマーの喪失は3.2%であった。そして、濾過後に測定された粒子の平均半径は0.267μmである。
凝集および洗浄後、ポリマーの熱的安定性が、アルミニウム容器中、270℃で1時間の加熱後の色彩観察による美質により評価された。
EP 816 397により、VDF重合が、パーフルオロポリエーテルのマイクロエマルジョンおよび単官能性界面活性剤の存在下、以下に記載された操作に従って行なわれる。
撹拌装置を備えたガラス反応器中で、緩和な撹拌下にNaOH 4.83 gを脱イオン水32.83 gに溶解する。得られた溶液に、
1) 数平均分子量434を有し、700より大きい分子量を有するフラクションを含まず、600〜700の間の分子量を有するフラクションを9重量%含む式:
CF3O(CF2-CF(CF3)O)m'(CF2O)n'CF2COOH
の酸53.35 g、
2) 式:
CF3O(CF2-CF(CF3)O)m'(CF2O)n'CF3
(ここで、数平均分子量 = 760を有し、m'/n' = 20である)
のガルデン(Galden)(登録商標)10 g
を加える。
続いて、界面活性剤38.4 gを含む、調製されたマイクロエマルジョン50 mlが、50 rpmで作動する撹拌子を備え、水16 Lを含む21 Lの水平反応器中に導入される。
反応器は125℃まで加熱され、次いで、ガス状のVDFの供給により49バールの相対圧力にされる。
ジ-tert-ブチルパーオキサイド55 gの供給に続いて、反応が開始し、このようにして、49バールの相対圧力を一定に維持するように、VDFが絶えず供給される。モノマーが28 g反応した後、連鎖移動剤としてHCFC-123の62 gが供給される。
モノマーが56 g反応した後、合成温度を100℃にし、この温度で反応を続ける。予め定められた量の4.800 gに相当するモノマーが反応した後、反応を停止する。全重合時間は486分である。
ラテックス中のポリマー濃度は250 g/ラテックスLである。
エマルジョンを形成するラテックス粒子の数は、コールターナノサイザー(coulter nanosizer)によって測定される。
平均粒子直径は100 nmの結果となる。
式(I)(ここで、M = NH4, X = F, A = -O-CFX-COOM; B = -CFX-COOM; Rfはクラス1)の構造であるが、数平均分子量870を有する)の2官能性界面活性剤を用いることにより、実施例1の方法が繰り返された。
実施例1および2で定義された範囲、すなわち0.6〜1.2 g/Lの界面活性剤の濃度を与えるように、界面活性剤の量が使用された。
これら全ての場合で、0.1〜0.11μmの範囲の平均サイズ、すなわち、本発明で定義された範囲外の大きさを有する粒子を含むラテックスが得られた。
さらに、得られたラテックスは、小さい粒子の高濃度に因る高い粘性となり、本質的に不安定となる。このことは、ペイント塗料を製造するための有意な量の粉末を得ることを妨害する。
それゆえ、該界面活性剤は、高性能のペイント塗料に適した化合物の合成には適さないようであった。
実施例5
実施例1で得られたポリマーが、金属基体(クロム鍍金されたアルミニウム)に適用される塗料を得るために、以下に記載された方法により配合される。そして、そのコーティングはAAMA2605 ♯法により特徴付けられた。
塗装組成物は、PVDFに次の成分:
成分 phr(phr = PVDF100部当りの部数)
PVDF 100
アクリル樹脂 42.8
(アクリロイド B44)
イソホロン 204
二酸化チタン 77
(Ti 純粋 R960)
PVDF/アクリル樹脂比 = 70/30
を混合することにより製造される。
サンドミルによって、均一の分散体になるまで、顔料がアクリル樹脂、アクリロイド B44中に分散される。
該分散体に、PVDF粉末の選択された量、ついで溶剤が加えられる。その系は、高速ディスパーザー(disperser)で約15分間およびRed Devil型ミルで15時間さらに均質化される。
次いで、クロム鍍金アルミニウム板のロッド(rod)(ロッド ♯480)に塗料が塗られる。
そのフィルムをストーブ中に置き、249℃のピーク温度で120秒間維持し、次の表1に示された試験を使って特徴付けが行なわれる。
実質的に7〜13の炭素原子の鎖長を有する、パーフッ素化単官能性カルボキシレートの混合物から形成される先行技術の界面活性剤(サーフロン(商標) S111)を使用する以外は、実施例1のようにして製造されたPVDF粉末が、金属基体(クロム鍍金アルミニウム)に適用される塗料を得るために配合され、AAMA 2605♯法により特徴付けられる。
配合物は、実施例5に記載された方法により、PVDFに次の成分:
成分 phr(phr = PVDF100部当りの部数)
PVDF 100
アクリル樹脂 42.8
(アクリロイド B44)
イソホロン 204
二酸化チタン 77
(Ti 純粋 R960)
PVDF/アクリル樹脂比 = 70/30
を混合することにより製造される。
表1のデータと表2のデータを比較することにより、本発明の分散体から得られたフィルムは、先行技術の界面活性剤を含むPVDF分散体から得られたフィルムと同じ良好な性質を実質的に示す結果が得られる。
実施例1で得られたポリマーが、実施例5に記載された方法に従って、金属基体(クロム鍍金アルミニウム)へ適用される塗料を得るために配合され、AAMA 2605 ♯法により特徴付けられる。
配合物は、PVDFに次の成分:
成分 phr(phr = PVDF100部当りの部数)
PVDF 100
アクリル樹脂(アクリロイド B44) 43.8
イソホロン 235
シェパード青 ♯3(顔料) 42.5
ベントン(Bentone) SD3(増粘剤) 1.3
PVDF/アクリル樹脂比 = 70/30
を混合することにより製造される。
次いで、クロム鍍金アルミニウム板のロッド(ロッド ♯480)に塗料が適用される。そのフィルムをストーブ中に置き、249℃のピーク温度で120秒間維持し、次の表3に示された試験を使って特徴付けが行なわれる。
実施例6(比較)の界面活性剤を使用する以外は、実施例1のようにして製造されたPVDF粉末が、金属基体(クロム鍍金アルミニウム)に適用される塗料を得るために、実施例5に記載された方法により配合され、AAMA 2605♯法により特徴付けられる。
配合物は、PVDFに次の成分:
成分 phr(phr = PVDF100部当りの部数)
PVDF 100
アクリル樹脂(アクリロイド B44) 43.8
イソホロン 235
シェパード青 ♯3 42.5
ベントン SD3 1.3
PVDF/アクリル樹脂比 = 70/30
を混合することにより製造される。
表3のデータと表4のデータを比較することにより、本発明の分散体から得られたフィルムは、先行技術の界面活性剤を含むPVDF分散体から得られたフィルムと同じ良好な性質を実質的に示す結果が得られる。
実施例9
実施例5および6(比較)の白色配合物を使用して得られた二つの試料が促進老化に付され、次の試験:
− 耐蝕性試験(QCT試験および塩霧チェンバー−4,000時間曝露)
− QUV試験(UVB-313ランプ;サイクル:70℃でUVランプ8時間、次いで50℃で濃縮4時間−5,000時間)
− 促進キセノンランプ試験(5,000時間)
を用いて品質管理の商業規格で比較が行われた。
全ての試料は、異なる曝露時間で起こり得るふくれ作用、層剥離、色彩変化および光沢変化を見るための試験が行われた。
本発明により調製された試料は、ふくれ作用および/または層剥離を示さなかったので、湿気および塩霧(4,000時間)に対して、抵抗性を示した。特に、腐蝕に対する抵抗性は、先行技術により調製されたものと同等の結果であった。
図3〜4に、曝露時間による白色塗料の光沢変化(光沢保持)が、市販の製品のものおよび標準試料のものと比較して示される。
図1〜4の試験から、本発明による製品は、サーフロンベース分散体を使用した先行技術のものと実質的に等しい時間における光沢および色彩の変化を示すので、先行技術による製品と同じ性能を実質的に示す結果となる。
実施例7および8(比較)の青配合物で得られた二つの試料は、品質管理の商業規格と比較した促進老化に付された。
パネルは:
− 耐蝕性試験(QCT試験および塩霧チェンバー−4,000時間曝露)
− QUV試験(UVB-313ランプ;サイクル:70℃でUVランプ8時間、次いで50℃で濃縮4時間−5,000時間)
− 促進キセノンランプ試験(5,000時間)
に曝された。
全ての試料は、異なる曝露時間で起こり得るふくれ作用、層剥離、色彩変化および光沢変化を見るための試験が行われた。
本発明により調製された試料は、ふくれ作用および/または層剥離を示さなかったので、湿気および塩霧(4,000時間)に対して、抵抗性を示した。特に、腐蝕に対する抵抗性は、先行技術により調製されたものと同等の結果であった。
図7〜8に、曝露時間による青色塗料の光沢変化(光沢保持)が、市販の製品のものおよび標準試料のものと比較して示される。
図5〜8の試験から、本発明による製品は、先行技術のものと実質的に等しい時間における光沢および色彩の変化を示すので、先行技術による製品と同じ性能を実質的に示す結果となる。
実施例11
式(I)のパーフルオロポリエーテル(PFPE)を有し、738の数平均分子量を有する2官能性界面活性剤ならびに8個の炭素原子、C7F15COONH4(430の分子量)を有するパーフッ素化カルボキシ界面活性剤(PFC)のクレイへの吸着が測定された。
測定は、異なる組成物を有する土試料に対して、OECD 106法による界面活性剤の種々の濃度で行われた。
土試料は、
土1:クレイ質土
土2:砂質土
土3:沖積クレイ質土
該測定を用いて、吸着等温線がプロットされ、それから表5に示された吸着定数Koc値が計算された。
Koc値が高ければ高いほど、土への吸着は強い。これは、土に接触したとき、界面活性剤のより低い移動度(mobility)を意味する。
このことは、本発明のパーフルオロポリエーテル2官能性界面活性剤の土への低い移動度の界面活性剤(クラス1)としての分類を意味する、一方、先行技術の界面活性剤は、土への中程度の移動度(クラス3)を有する結果である。
それゆえ、本発明の界面活性剤は、クレイに吸着させることにより、排水から容易に取り除くことができ、そして土に偶然接触した場合、それは低い移動能を示す。したがって、それは、限定された土および水への汚染能をもって地中へ取り込まれことになる。
Claims (19)
A-Rf-B (I)
(式中、
A = -O-CFX-COOM;
B = -CFX-COOM;
X = F, CF3;
M = NH4, アルカリ金属, H;
Rfは:
- 直鎖のまたは分枝したパーフルオロアルキル鎖;または
- (パー)フルオロポリエーテル鎖である)
の2官能性界面活性剤の存在下に、VDF乳化重合により得られる、0.260〜0.3μmの間の平均粒子サイズを有する、VDFベースポリマーの水性分散体の、基体コーティング用塗料の製造のための使用。
a) -(C3F6O)-;
b) -(CF2CF2O)-;
c) -(CFL0O)- (ここで、L0 = -F, -CF3);
d) -(CF2(CF2)z'CF2O)- (ここで、z'は整数1または2である);
e) -(CH2CF2CF2O)-
の1以上から選択される繰り返し単位を含む(パー)フルオロポリエーテル鎖を表わす、請求項2に記載の使用。
1) -(CF2O)a-(CF2CF2O)b-
(式中、aおよびbは以下で定義されるとおりである;単位(CF2O)および(CF2CF2O)の両方が存在するとき、b/aは両端を含んで0.3〜10の間であり、aは0でない整数であるか;または2つの単位の1つ、好ましくはインデックスaを有するものが存在しなくてもよい);
2) -(CF2-(CF2)z'-CF2O)b'-
(式中、z'は1または2の整数であり;b'は以下で定義されるとおりである);
3) -(C3F6O)r-(C2F4O)b-(CFL0O)t-
(式中、r、b、tは以下で定義されるとおりであり;3つの単位が全て存在するとき、r/b = 0.5〜2.0、(r+b)/t = 10〜30、bおよびtは0でない整数であるか;または3つの単位の1つもしくは2つ、好ましくはインデックスbを有するものが存在しなくてもよく;
L0は上記で定義されたとおりである);
4) -(OC3F6)r-(CFL0O)t-OCF2-R'f-CF2O-(C3F6O)r-(CFL0O)t-
(式中、r、tは以下で定義されるとおりであり;
R'fは1〜4の炭素原子のフルオロアルキレン基であり;
L0は上記のとおりである);
5) -(CF2CF2CH2O)q'-R'f-O-(CH2CF2CF2O)q'-
(式中、R'fは上記の定義のとおりであり;
q'は以下の定義のとおりである);
6) -(C3F6O)r-OCF2-R'f-CF2O-(C3F6O)r-
(式中、R'fは上記の定義のとおりであり;
rは以下の定義のとおりである);
上記の式において、-(C3F6O)-は、式:-(CF(CF3)CF2O)-および/または-(CF2-CF(CF3)O)-の単位を表わすことができ;a、b、b'、q'、r、tは、Rfが上記式(I)の界面活性剤の数平均分子量を与えるような数平均分子量値を示すような整数である
の1つを有する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の使用。
T(C3F6O)n0(CFXO)m0CF2COOM (II)
(式中、TはClまたはパーフルオロアルコキシド基;CkF2k+1O(ここで、k = 1〜3の整数、任意に1つのF原子は1つのCl原子で置き換えられていてもよい)であることができ;
n0は1〜6の範囲の整数であり、m0は0〜6の整数であり;
MおよびXは上記のとおりである);
CF3(CF2)n1COOM (III)
(式中、n1は4〜12の範囲の整数であり;Mは上記のとおりである);
F-(CF2-CF2)n2-CH2-CH2-SO3M (IV)
(式中、Mは上記のとおりであり;n2は2〜5の範囲の整数である)
から選択される、請求項8に記載の使用。
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