JP2006188701A

JP2006188701A - トレッドキャップ組成物

Info

Publication number: JP2006188701A
Application number: JP2005379122A
Authority: JP
Inventors: Frank Schmitz; フランク・シュミッツ; Filomeno G Corvasce; フィロメノ・ジェナロ・コルヴァス; Claude Charles Jacoby; クロード・シャルル・ヤコビー
Original assignee: Goodyear Tire and Rubber Co
Current assignee: Goodyear Tire and Rubber Co
Priority date: 2004-12-30
Filing date: 2005-12-28
Publication date: 2006-07-20
Anticipated expiration: 2025-12-28
Also published as: BRPI0505539A; CN100436526C; EP1676882A1; CN1803902A; JP5259922B2

Abstract

【課題】向上した性能特性を有するトレッドキャップの提供。
【解決手段】トレッドキャップ組成物は、規定範囲の少なくとも１種の共役ジエン系エラストマーと強化充填剤、軟化剤油及びシランカップリングを含む成分を１３５℃〜１８０℃の温度において第１の混合物を形成し、続いて１３５℃未満の温度において第１の混合物と超高分子量ポリエチレン（“ＵＨＭＷＰＥ”）とを含む成分を混合して、これによりタイヤトレッドキャップ組成物を形成させる。
【選択図】なし

Description

本特許文書は、「トレッドキャップ組成物」という題名で２００４年１２月３０日に出願された米国仮特許出願第６０／６４０７８８号の出願日の利益を主張するものである。米国仮特許出願第６０／６４０７８８号の開示全体を、本特許書類で参考として援用する。

本発明は、トレッドキャップ組成物および生産物、より詳細には、１種以上の大型充填剤を含むトレッドキャップ組成物および生成物を対象とする。

向上した性能特性を提供するトレッドキャップの開発において、超高分子量ポリエチレンの大型充填剤およびカーボンブラック強化充填剤を含むトレッドキャップ配合物が提示されている。

そのような配合物は向上した性能特性を提供することができるが、これにより他の望ましい性質は損なわれる。例えば、組成物は、望ましくないコンパウンド剛性を有する可能性がある。さらに、他の性能特性が望ましいものに達していない可能性がある。したがって、改善されたトレッドキャップ配合物が必要とされている。

本発明の原理に従って、トレッドキャップ組成物は、共役ジエン系エラストマー；強化充填剤；鉱油または植物油軟化剤；シランカップリング剤；および超高分子量ポリエチレン（“ＵＨＭＷＰＥ”）を含む構成要素の組合わせに由来する組成物であることができる。

本発明の一観点は、トレッドキャップ組成物の製造方法を目的とする。該方法は、約１３５℃〜約１８０℃の温度において、１００ｐｈｒの少なくとも１種の共役ジエン系エラストマー；約３０〜約１３０ｐｈｒの少なくとも１種の強化充填剤；約２〜約５５ｐｈｒの少なくとも１種の軟化剤油、ここにおいて、該油軟化剤は、鉱油であって約３重量％未満のＰＣＡ含有量を有するもの、植物油、およびそれらの組合わせからなる群より選択される；ならびに、約４〜約２０ｐｈｒの少なくとも１種のシランカップリング剤を含む成分を混合し、これにより第１の混合物を形成させる工程を含む。該方法はさらに、続いて約１３５℃未満の温度において、該第１の混合物；および約２〜約５０ｐｈｒの超高分子量ポリエチレン（“ＵＨＭＷＰＥ”）を含む成分を混合し、これによりトレッドキャップ組成物を形成させる工程をを含む。

本発明の他の観点は、トレッドキャップ組成物、トレッドキャップ組成物から作成されるトレッドキャップ、およびそのようなトレッドキャップを含むタイヤを含む。
本発明の原理に従って、トレッドキャップ組成物は、共役ジエン系エラストマー；強化充填剤；鉱油などの軟化剤；シランカップリング剤；および超高分子量ポリエチレン（“ＵＨＭＷＰＥ”）を含む構成要素の組合わせに由来する組成物であることができる。本明細書中で使用する“超高分子量”という用語は、約５０００００以上の分子量を意味する。

共役ジエン系エラストマーは、任意の適切なエラストマーまたはエラストマーの組合わせであることができる。例としては、ポリブタジエンゴム（高シスおよび高ビニルを含む）、ポリイソプレン、天然ゴム、イソプレン−ブタジエンコポリマー、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、および溶液重合スチレン−ブタジエンゴム（低、中および高ビニル含有量のものを包含する）が挙げられる。共役ジエン系エラストマーは、オレフィン不飽和を含有する硫黄加硫性エラストマーであることができると有利である。

強化充填剤は、任意の適切な強化充填剤または充填剤の組合わせであることができる。例えば、充填剤としてはシリカおよび／またはカーボンブラックを挙げることができる。所望の場合、強化充填剤は、約３０〜約１３０ｐｈｒの量で存在することができる。

油軟化剤は、任意の適切な鉱油もしくは植物油軟化剤またはそのような油軟化剤の組合わせであることができる。鉱油系軟化剤の例としては、留出油からの芳香族系抽出物を処理した油（ＴＤＡＥ：treated distillate aromatic extract）、軽度抽出溶媒和物（ＭＥＳ：mild extraction solvate）油、および残油からの芳香族系特殊抽出物(special residual aromatic extract)（Ｓ−ＲＡＥ）が挙げられる。鉱油軟化剤は、約３重量％未満の多環式芳香族分（“ＰＣＡ”）含有量を有することができると有利である。また、所望の場合、軟化剤または軟化剤の組合わせは、約２〜約５５ｐｈｒの量で存在することができる。市販のＴＤＡＥ、ＭＥＳおよびＳ−ＲＡＥ油の例としては、H&R Wasag AGからのVivatec 500油（ＴＤＡＥ油）、ShellからのCatenex SNR油（留出油を溶媒で脱ワックスした重質パラフィン）（ＭＥＳ油）、およびJapan Energy Corp.からのNC140油（Ｓ−ＲＡＥ油）が挙げられる。

シランカップリング剤は、任意の適切な薬剤または薬剤の組合わせであることができる。例としては、ビス−３−（トリエトキシシリルプロピル）ジスルフィド（“ＴＥＳＰＤ”）、ビス−３−（トリエトキシシリルプロピル）テトラスルフィド（“ＴＥＳＰＴ”）、および／またはブロックトメルカプトシランが挙げられる。ブロックトメルカプトシラン、すなわちメルカプト基の水素原子が他の基で置換（封鎖）されたメルカプトシランは、GE SiliconesからのNXTまたはNXT-LoVの１種以上であると有利である。所望の場合、シランカップリング剤は約４〜約２０ｐｈｒの量で存在することができる。

ＵＨＭＷＰＥは、任意の適切なＵＨＭＷＰＥであることができる。所望の場合、ＵＨＭＷＰＥは、約１０〜約２００マイクロメートルの大きさ、約５０００００〜約１１００００００の分子量、約０．４ｇ／ｃｍ^３以上の標準嵩密度、および約０．２５ｇ／ｃｍ^３以下の低い嵩密度を有することができる。所望の場合、ＵＨＭＷＰＥは、約２〜約５０ｐｈｒ、有利には約５〜約１３ｐｈｒの量で存在することができる。また、所望の場合、ＵＨＭＷＰＥは、約５〜約５０ｐｈｒの量で、または約２〜約３ｐｈｒの量で存在することができる。適切なＵＨＭＷＰＥの一例はTicona CompanyからのGUR（登録商標）4120である。GUR（登録商標）4120は、Margolieの式（Ｍ＝５．３７・１０４［η］^１．４９、式中、ηの単位はｄｌ／ｇである）を用いて計算して５００００００ｇ／ｍｏｌの平均分子量を有する。

以下の実施例は、本発明のいくつかの観点をさらに例示するものである。しかしながら、本発明は実施例に限定されない。
この実施例では、一定量のＵＨＭＷＰＥと、場合によっては追加的量の鉱油軟化剤とを含むトレッドキャップ組成物を、これらの成分を含まないトレッドキャップ組成物と比較した。さらに、ＵＨＭＷＰＥを第１の非生産的（硬化を起こさない）混合段階中に加えたトレッドキャップ組成物を、続いての常温再練り段階でＵＨＭＷＰＥを加えたトレッドキャップ組成物と比較した。

表Ｉに関連して、試料Ａは対照試料であり、ＵＨＭＷＰＥまたは追加的な鉱油軟化剤は含まれていなかった。第１の非生産的混合段階において、成分を表Ｉに示す量で実験室用バンバリーミキサーに加え、約１６０℃の温度まで約４．５分間混合した。第２の非生産的混合段階では、第１の非生産的混合段階から得られた混合物を約１６０℃の温度まで約４．５分間混合した。

その後、ミキサーの内容物を約６００分間かけて約２３℃の温度まで冷却した。その後、生産的混合段階の成分を表Ｉに示す量で混合物に加え；それら成分を約１１０℃の温度まで約２分間混合した。

表Ｉに関連して、試料ＢおよびＤは、試料Ａと同一の処理パラメーターを用いて調製した。試料ＣおよびＥは、それら同じ処理パラメーターと、第３の非生産的混合段階を用いて調製した。この第３の混合段階は第２の混合段階の常温再練りで、成分を約１１０℃の温度まで約２分間混合するものであった。試料ＢおよびＤではＵＨＭＷＰＥを第１の非生産的混合段階中に加えたが、試料ＣおよびＥではＵＨＭＷＰＥを第３の非生産的混合段階中に加えた。また、試料ＤおよびＥには、追加的量（５ｐｈｒ）の鉱油軟化剤が含まれていた。

^１Budene 1207
^２SLR4630
^３６−ＰＰＤ（２．５ｐｈｒ）、精製パラフィンワックス（０．５ｐｈｒ）、およびマイクロクリスタリンワックス（１ｐｈｒ）
^４Vivatec 500
^５ステアリン酸
^６X-266S
^７GUR4120
^８Degussa VN-2タイプ（１２５ｍ^２／ｇ）
^９ＤＴＰＤ（混合アリール−ｐ−フェニレンジアミン）
^１０未処理フランス法
^１１CBS
^１２ジフェニルグアニジン

*Ring Modulus
表ＩＩに関連して、実験結果は、試料Ｂ〜Ｅが対照（試料Ａ）と比較して非常に良好な性能を示したことを示している。例えば、これらの試料（Ｂ〜Ｅ）に関するＧ’−３０℃およびｔａｎδ−２０℃のデータは対照と同程度であり、そのようなトレッドキャップが湿潤および／または冬季条件で良好な性能を示すであろうことを示している。同時に、試料Ｃ〜Ｅに関する硬度の値ならびに試料ＣおよびＥに関するムーニー粘度の値は比較的低いままであった。

本発明を態様の記載により例示し、例示的態様をかなり詳細に記載してきたが、添付の請求項の範囲をそのような詳細に制限または形はどうあれ限定することは、本発明の意図するところではない。追加的な利点および修正は、当業者なら容易にわかるであろう。したがって、本発明はその広範囲の観点において、具体的詳細、代表的装置および方法、ならびに示し記載した例示的実施例に限定されない。したがって、発明者らの全般的発明概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から逸脱することができる。

Claims

タイヤトレッドキャップ組成物の製造方法であって、１００重量部のゴムあたりの重量部（ｐｈｒ）に基づき、該方法が、
約１３５℃〜約１８０℃の温度において、
１００重量部の少なくとも１種の共役ジエン系エラストマーと、
約３０ｐｈｒ〜約１３０ｐｈｒの少なくとも１種の強化充填剤と、
鉱油であって約３重量％未満の多環式芳香族化合物（ＰＣＡ）含有量を有するもの、植物油、およびそれらの組合わせからなる群より選択される約２ｐｈｒ〜約５５ｐｈｒの少なくとも１種の軟化剤油と、
約４ｐｈｒ〜約２０ｐｈｒの少なくとも１種のシランカップリング剤とを含む成分
を混合して、これにより第１の混合物を形成させ；
続いて、約１３５℃未満の温度において、
該第１の混合物と、
約２ｐｈｒ〜約５０ｐｈｒの超高分子量ポリエチレン（“ＵＨＭＷＰＥ”）とを含む成分を混合して、これによりタイヤトレッドキャップ組成物を形成させる、
工程を含む、前記方法。
続いての混合工程のＵＨＭＷＰＥが約５ｐｈｒ〜約５０ｐｈｒの量で存在する、請求項１に記載の方法。
続いての混合工程のＵＨＭＷＰＥが約５ｐｈｒ〜約１３ｐｈｒの量で存在する、請求項１に記載の方法。