JP2006188590A - 脂肪酸エステルの製造方法および製造装置 - Google Patents

脂肪酸エステルの製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料から代替燃料として用いることが可能な脂肪酸エステルを効率よく連続的に製造することが可能な脂肪酸エステルの製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で一次反応を行わせた後の反応液から、一次反応工程で生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去した後、低沸点成分を除去した反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせる。
また、一次反応工程で生成した低沸点成分を除去せずに、一次反応液を冷却した後、再び反応(二次反応)を行わせる。
【選択図】図1

Description

本願発明は、脂肪酸エステルの製造方法および製造装置に関し、詳しくは、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料から脂肪酸エステルを製造するための脂肪酸エステルの製造方法および製造装置に関する。
近年、例えば天ぷら油などの植物性食用廃油を軽油代替燃料に再生する方法が開発されており、そのための装置も数多く存在している。その中でも、油脂原料とアルコールを、アルコールが超臨界状態となる雰囲気において反応させることにより、油脂類に含まれるトリグリセリドをエステル交換反応に付して脂肪酸のアルキルエステルを製造する方法がある(特許文献1,2参照)。
しかしながら、特許文献1の方法の場合、トリグリセリドから直接に脂肪酸のアルキルエステルが生成する割合は必ずしも十分に高くはなく、反応率を向上させるため、種々の触媒を使用することが検討されているのが実情である。
また、特許文献2の方法の場合、トリグリセリドを一旦、加水分解して脂肪酸に変換してから脂肪酸アルキルエステルに変換する手法が述べられているが、加水分解して脂肪酸に変換する効率や脂肪酸が脂肪酸アルキルエステルへ変換する効率は必ずしも高くなく、油種や油脂の由来によっては変換率が低くなってしまうのが実情である。
すなわち、特許文献1および特許文献2の方法のみでは脂肪酸アルキルエステルの規格のひとつであるEU規格で定められた品質を満足することが困難であるという問題点がある。
特開2001−31991号公報 国際公開第03/106604号パンフレット
本願発明は、上記課題を解決するものであり、アルカリ触媒を使用せず、かつ、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料から、脂肪酸エステルを効率よく製造することが可能な脂肪酸エステルの製造方法および製造装置を提供することを課題とする。さらに、得られる脂肪酸エステルを軽油代替燃料として使用することが可能な品質にまで精製することが可能な脂肪酸エステルの製造方法および製造装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)の脂肪酸エステルの製造方法は、
遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件でエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる一次反応工程と、
前記一次反応工程で反応させた反応液から、一次反応工程で生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去する低沸点成分除去工程と、
前記低沸点成分除去工程で水分が除去された反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応工程と
を具備することを特徴としている。
また、本願発明(請求項2)の脂肪酸エステルの製造方法は、
遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件でエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる一次反応工程と、
前記一次反応工程で反応させた反応液を100℃以下の温度にまで冷却する冷却工程と、前記冷却工程で100℃以下の温度にまで冷却された反応液を、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応工程とを具備することを特徴としている。
また、請求項3の脂肪酸エステルの製造方法は、請求項1または2記載の脂肪酸エステルの製造方法において、前記脂肪酸原料が、植物油、動物油、植物油または動物油の廃油からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来するものであることを特徴としている。
また、請求項4の脂肪酸エステルの製造方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造方法において、前記脂肪酸原料中の遊離脂肪酸の割合が70重量%以上であることを特徴としている。
また、本願発明(請求項5)の脂肪酸エステルの製造装置は、
遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件でエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる一次反応部と、
前記一次反応部で反応させた反応液から、一次反応部で生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去する低沸点成分除去部と、
前記低沸点成分除去部で低沸点成分が除去された反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応部と
を具備することを特徴としている。
また、本願発明(請求項6)の脂肪酸エステルの製造装置は、
遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件でエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる一次反応部と、
前記一次反応部で反応させた反応液を100℃以下の温度にまで冷却する冷却部と、
前記冷却部で100℃以下の温度にまで冷却された反応液を、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応部と
を具備することを特徴としている。
また、請求項7の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項5または6記載の脂肪酸エステルの製造装置において、前記一次反応部、または、前記一次反応部および前記二次反応部が、アルコールが超臨界状態となる条件で、前記脂肪酸原料または前記一次反応後の反応液とアルコールの混合流体を相互溶解させて通過させることにより連続的にエステル化反応を行わせる管型反応器であることを特徴としている。
また、請求項8の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項7記載の脂肪酸エステルの製造装置において、前記管型反応器に供給されるアルコールをその臨界温度以下の温度に予熱するアルコール予熱器を備えていることを特徴としている。
また、請求項9の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項5〜7のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置において、前記脂肪酸原料を予熱する脂肪酸原料予熱器と、アルコールを臨界温度以下の温度に予熱するアルコール予熱器と、脂肪酸原料予熱器およびアルコール予熱器において予熱された脂肪酸原料とアルコールを液相状態で混合させながらアルコールが超臨界状態となる反応温度にまで昇温する混合昇温器を備えていることを特徴としている。
また、請求項10の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項5〜9のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置において、前記二次反応部で反応させた後の反応液を液液分離して、アルコールとグリセリンを主たる成分とする軽液と、脂肪酸エステルと高沸点不純物を含む重液とに分離する分離手段を具備することを特徴としている。
また、請求項11の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項10記載の脂肪酸エステルの製造装置において、前記分離手段が、二次反応部で反応させた後の反応液を機械的に前記軽液と前記重液とに分離する機械的分離手段であることを特徴としている。
また、請求項12の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項10または11記載の脂肪酸エステルの製造装置において、前記液液分離後の重液を蒸留して、前記分離手段において分離しきれずに残存するアルコールおよび水を主たる成分とする低沸点成分と、脂肪酸エステルを主たる成分とする中沸点成分と、高沸点不純物を含む高沸点成分とに分離する重液蒸留手段を具備することを特徴としている。
また、請求項13の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項12記載の脂肪酸エステルの製造装置において、前記液液分離後の重液を蒸留することにより得られる前記脂肪酸エステルを主たる成分とする中沸点成分に少量含まれる脂肪酸を、アルカリ水溶液との中和反応により分離除去する脂肪酸除去手段と、少量残るアルカリ分を洗浄して除去するアルカリ除去手段を具備することを特徴としている。
また、請求項14の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項13に記載の脂肪酸エステルの製造装置において、
前記脂肪酸除去手段により脂肪酸を除去した後の脂肪酸エステルに含まれる水分を主とする低沸点成分を蒸留により除去する低沸点成分除去手段を備えていることを特徴としている。
また、請求項15の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項10〜14のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置において、前記液液分離後の軽液を蒸留して、アルコールと水分とグリセリンに分離する軽液蒸留手段を備えていることを特徴としている。
また、請求項16の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項15記載の脂肪酸エステルの製造装置において、前記軽液蒸留手段により分離されたアルコールを回収するアルコール回収手段および前記軽液蒸留手段により分離されたグリセリンを回収するグリセリン回収手段を備えていることを特徴としている。
また、請求項17の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項7〜16のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置において、前記管型反応器内における液空間速度が0.3〜0.03[1/min]の範囲にあることを特徴としている。
また、請求項18の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項9〜17のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置において、
前記脂肪酸原料予熱器および混合昇温器の温度条件および圧力条件が、
温度:200〜350℃
圧力:15〜25MPa
の範囲にあることを特徴としている。
また、請求項19の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項5〜18のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置において、前記アルコールとして、炭素数が1〜5の低級アルコールが用いられることを特徴としている。
また、請求項20の脂肪酸エステルの製造装置は、請求項5〜19のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置において、燃料として用いられる脂肪酸エステルを製造するために用いられるものであることを特徴としている。
本願発明(請求項1)の脂肪酸エステルの製造方法は、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で一次反応を行わせた後の反応液から、一次反応工程で生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去した後、低沸点成分を除去した反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせるようにしているので、アルカリ触媒を使用せず、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料から、脂肪酸エステルを極めて効率よく製造することが可能になる。
なお、本願発明(請求項1)の脂肪酸エステルの製造方法のように、一次反応工程の後に、一次反応工程で生成した低沸点成分を除去するようにした場合、水分やアルコールなどの低沸点不純物が除去されるため、製品の品質をコントロールできる範囲が広がるため好ましい。
なお、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料は、市場で調達することが可能であり、また、油脂類を主成分とする油脂原料を加水分解することによっても得ることが可能である。
なお、油脂原料を加水分解して遊離脂肪酸を生成させる方法としては、例えば、以下に説明するような公知の種々の方法を用いることが可能である。
(1)酸またはアルカリ性の化学物質を触媒として用いて、バッチ式または連続式の攪拌混合装置によって油脂の加水分解反応を行わせる方法。
(2)反応の選択性が高い触媒機能を有する酵素を用いて、バッチ式または連続式の攪拌混合装置によって油脂の加水分解反応を行わせる方法。
(3)油脂に乳化剤を添加し、酵素を含む水溶液に乳化剤の膜で覆われた油脂を微細な油滴として分散させることにより、効率よく加水分解を行わせる方法。
(4)リパーゼなどのタンパク質酵素を用いて油脂の加水分解を行わせる方法。
なお、上記の一次反応工程では、エステル化反応が必ずしも充分に進行せず、得られる脂肪酸エステルも、品質が不十分で、例えば、脂肪酸アルキルエステルの規格のひとつであるEU規格で定められた品質を満足することは困難である。
しかし、本願請求項1の脂肪酸エステルの製造方法においては、一次反応工程で反応させた反応液から、一次反応工程で生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去した後、低沸点成分を除去した反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる条件で再びエステル化反応を行わせるようにしているので、例えば、代替燃料として用いることが可能な、高品質の脂肪酸エステルを効率よく製造することができる。
また、本願発明において、一次反応および二次反応の温度条件を、250〜350℃の範囲としたのは、反応部の温度が250℃未満の場合、無触媒でのエステル化反応が十分に生起する温度にするために、再加熱を行うことが必要となり好ましくないこと、反応部の温度が350℃を超えると、実装置では熱源の確保が困難になり、設備コストの著しい増大を招くことから好ましくなく、また、脂肪酸の種類によっては熱分解を起こすため好ましくないことによる。
また、一次反応および二次反応の圧力条件を、15〜25MPaの範囲としたのは、圧力が15MPa未満になると次の工程でのエステル化反応が不十分になり、25MPaを超えると設備コストの著しい増大を招くことから望ましくないことによる。
また、本願発明(請求項2)の脂肪酸エステルの製造方法は、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件でエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる一次反応工程と、一次反応工程で反応させた反応液を100℃以下の温度にまで冷却する冷却工程と、冷却工程で100℃以下の温度にまで冷却された反応液を、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応工程とを備えているので、アルカリ触媒を使用せず、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料から、脂肪酸エステルを効率よく製造することが可能になる。
なお、一次反応工程の反応液を100℃以下に冷却した後、再びアルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で二次反応を行わせた場合にエステル化反応が進行する理由は必ずしも明確になっていないが、二次反応の昇温開始温度と反応温度との差が大きくなると、昇温過程で反応溶媒であるアルコールと原料油脂の接触状態に劇的な変化が生じ、その結果、反応が促進されることによるものと推察される。
また、本願発明の脂肪酸エステルの製造方法を用いることにより、請求項3のように、植物油、動物油、植物油または動物油の廃油からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する脂肪酸原料から、効率よく脂肪酸エステルを製造することができるようになる。
なお、植物油としては、菜種油、大豆油、パーム油、アマニ油、ヒマワリ油、ごま油、トウモロコシ油などが、動物油としては、魚油、牛油、豚油などが、それぞれ例示される。
また、請求項4の脂肪酸エステルの製造方法のように、脂肪酸原料中の遊離脂肪酸の割合を70重量%以上とすることにより、脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料から代替燃料として用いることが可能な脂肪酸エステルを効率よく製造することが可能になり、特に有意義である。
また、本願発明(請求項5)の脂肪酸エステルの製造装置は、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件でエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる一次反応部と、一次反応部で反応させた反応液から、一次反応部で生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去する低沸点成分除去部と、低沸点成分除去部で低沸点成分が除去された反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応部とを備えており、かかる脂肪酸エステルの製造装置を用いることにより、本願請求項1の脂肪酸エステルの製造方法を確実に実施して、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料から脂肪酸エステルを効率よく製造することが可能になる。
また、請求項6の脂肪酸エステルの製造装置は、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件でエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる一次反応部と、一次反応部で反応させた反応液を100℃以下の温度にまで冷却する冷却部と、冷却部で100℃以下の温度にまで冷却された反応液を、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応部とを備えているので、本願請求項2の脂肪酸エステルの製造方法を確実に実施して、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料から脂肪酸エステルを効率よく製造することが可能になる。
また、請求項7の脂肪酸エステルの製造装置は、一次反応部、または、一次反応部および二次反応部に、アルコールが超臨界状態となる条件で、脂肪酸原料または一次反応後の反応液とアルコールの混合流体を相互溶解させて通過させることにより連続的にエステル化反応を行わせる管型反応器を用いるようにしているので、脂肪酸原料または一次反応後の反応液とアルコールを連続的に効率よく相互溶解させ、反応させることが可能になる。したがって、請求項7の脂肪酸エステルの製造装置を用いることにより、本願請求項1〜4の脂肪酸エステルの製造方法を確実に実施して、効率よく、経済的に脂肪酸エステルを製造することが可能になる。
すなわち、脂肪酸原料または一次反応後の反応液とアルコール(例えばメタノール)の混合流体を高温、高圧にして、超臨界状態(温度240℃以上、圧力8MPa以上)にすると、メタノールは超臨界状態のメタノールとなる。この超臨界メタノールは、分子が気体のように激しく動く一方、液体に匹敵する高い分子密度を有する電気的反応性の高い流体であり、高温の加溶媒分解やメチル化反応が高速に進行するという特徴を備えている。したがって、請求項7のように、管型反応器を用い、脂肪酸原料または一次反応後の反応液とアルコール(例えばメタノール)の混合流体を超臨界領域の温度および圧力下に、該管型反応器の内部を通過させることにより、脂肪酸とアルコールを連続的に極めて効率よく反応させることが可能になり、効率よく、経済的に脂肪酸エステルを製造することが可能になる。
なお、管型反応器とは、コイル状、ジャバラ状などの種々の形態の管状の反応器を意味する広い概念であり、その具体的な構造に特別の制約はない。
また、反応器の伝熱部には内周面に溝、凸凹、突起などを設けることにより、管内外の伝熱が促進されるように構成された種々の伝熱促進管を使用することも可能である。
さらに、管型反応器内にインラインミキサーなどを配設して、脂肪酸原料とアルコールを十分に混合させた状態で溶媒を超臨界流体状態にすることにより、超臨界状態のアルコールと液状の脂肪酸原料を効率よく相互溶解させて、エステル化反応をさらに促進させることが可能である。
また、請求項8の脂肪酸エステルの製造装置のように、請求項7記載の脂肪酸エステルの製造装置において、管型反応器に供給されるアルコールをその臨界温度以下の温度に予熱するアルコール予熱器を備えた構成とすることにより、管型反応器に供給される流体の主要部をなすアルコールを効率よく予熱して、管型反応器の小型化を図ることが可能になる。なお、アルコールをその臨界温度以下の温度に予熱するようにしているのは、臨界温度以下の温度に予熱することによりアルコールを液相状態に保つことが可能になり、同じく液相状態の脂肪酸原料との混合分散を良好ならしめることが可能になり、その後の昇温過程における相互溶解とエステル化反応を促進させることが可能になることによる。
また、請求項9の脂肪酸エステルの製造装置のように、脂肪酸原料を予熱する脂肪酸原料予熱器と、アルコールを臨界温度以下の温度に予熱するアルコール予熱器と、脂肪酸原料予熱器およびアルコール予熱器において予熱された脂肪酸原料とアルコールを液相状態で混合させながらアルコールが超臨界状態となる反応温度にまで昇温する混合昇温器を備えた構成とすることにより、管型反応器に供給される流体全体を効率よく予熱して、管型反応器の小型化を図ることが可能になる。
すなわち、この請求項9の脂肪酸エステルの製造装置のように、脂肪酸原料予熱器およびアルコール予熱器で脂肪酸原料とアルコールを個別に予熱した後、混合昇温器内にて液相状態で混合させながらアルコールが超臨界状態となる反応温度にまで昇温することにより、脂肪酸原料予熱器で脂肪酸原料中にいくらか含まれるトリグリセリドの遊離脂肪酸への分解が促進され、混合昇温器で、液相状態の脂肪酸原料と、臨界温度以下の温度に予熱された液相状態のアルコールが混合されることにより、その後の昇温過程において相互溶解とエステル化反応が促進されることになり、十分な反応効率を確保して、管型反応器の小型化を図ることが可能になる。
なお、脂肪酸原料とアルコールを液相状態で混合させるための混合昇温器としては、例えば、インラインミキサーを備えた管型の混合昇温器を用いる構成などが例示される。
また、請求項10の脂肪酸エステルの製造装置のように、二次反応部で反応させた後の反応液を液液分離して、アルコールとグリセリンを主たる成分とする軽液と、脂肪酸エステルと高沸点不純物を含む重液とに分離する分離手段を備えた構成とすることにより、上記軽液と重液を分離して、脂肪酸エステルの生成を効率よく行うことが可能になる。
また、請求項11の脂肪酸エステルの製造装置のように、分離手段として、二次反応部で反応させた後の反応液を機械的に軽液と重液とに分離する機械的分離手段を用いることにより、容易かつ確実に軽液と重液を分離して、脂肪酸エステルの生成を効率よく行うことが可能になる。
なお、機械的分離手段とは、遠心分離器のように比重差を利用した分離器などを意味する概念であり、具体的な機器形式に特別の制約はない。
また、請求項12の脂肪酸エステルの製造装置のように、液液分離後の重液を蒸留して、上記の分離手段において分離しきれずに残存するアルコールおよび水を主たる成分とする低沸点成分と、脂肪酸エステルを主たる成分とする中沸点成分と、高沸点不純物を含む高沸点成分とに分離する重液蒸留手段を備えた構成とすることにより、重液をアルコールおよび水を主たる成分とする低沸点成分と、脂肪酸エステルを主たる成分とする中沸点成分(目的成分)と、高沸点不純物を含む高沸点成分とに分離することが可能になる。
また、請求項13の脂肪酸エステルの製造装置のように、液液分離後の重液を蒸留することにより得られる脂肪酸エステルを主たる成分とする中沸点成分に少量含まれる脂肪酸を、アルカリ水溶液との中和反応により分離除去する脂肪酸除去手段と、少量残るアルカリ分を洗浄して除去するアルカリ除去手段とを備えた構成とすることにより、少ない消費エネルギーで、高品質の脂肪酸エステルを効率よく製造することが可能になる。
また、請求項14の脂肪酸エステルの製造装置のように、脂肪酸除去手段により脂肪酸を除去した後の脂肪酸エステルに含まれる水分を主とする低沸点成分を蒸留により除去する低沸点成分除去手段を備えた構成とすることにより、水分などの低沸点成分の含有量の少ない、高純度の脂肪酸エステルを得ることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることが可能になる。
また、請求項15の脂肪酸エステルの製造装置のように、液液分離後の軽液を蒸留して、アルコールと水分とグリセリンに分離する軽液蒸留手段を備えた構成とすることにより、軽液をアルコールと水分とグリセリンの各成分に分離することが可能になり、有効成分の分離回収を行うことが可能になる。
なお、軽液蒸留手段(蒸留方法)としては、例えば、充填塔、フラッシュ蒸留塔、薄膜型蒸留塔などを用いて蒸留を行う方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、請求項16の脂肪酸エステルの製造装置のように、軽液蒸留手段により分離されたアルコールを回収するアルコール回収手段および軽液蒸留手段により分離されたグリセリンを回収するグリセリン回収手段を備えた構成とすることにより、純度の高いアルコールおよびグリセリンを回収することが可能になる。
さらに、回収したアルコールをエステル化反応にリサイクル使用することにより、薬剤コストの低減を図ることが可能になる。
また、回収されるグリセリンについても、アルカリなどの触媒を含まず純度の高いグリセリンを回収することができるため、補助燃料や粗グリセリンとしての再利用が容易になる。
また、請求項17の脂肪酸エステルの製造装置のように、管型反応器内における液空間速度を0.3〜0.03[1/min]の範囲とすることにより、エステル化反応を十分に行わせることが可能になる。この液空間速度は脂肪酸原料の状態などによって調整することが望ましい。
なお、管型反応器内の液空間速度を0.3〜0.03[1/min]とすることが好ましいのは、液空間速度が0.03[1/min]未満では反応時間が長くなり過ぎて、脂肪酸の種類によっては熱による分解を起こす可能性が高くなり、また、0.3[1/min]を超えると反応時間が短くなり、充分なエステル化反応が行われなくなることによる。
また、請求項18の脂肪酸エステルの製造装置のように、脂肪酸原料予熱器および混合昇温器における温度条件および圧力条件を、温度:200〜350℃、圧力:15〜25MPaの範囲とすることにより、管型反応器に供給される流体を管型反応器における反応条件に対応するように予熱して、管型反応器の小型化を図ることが可能になる。
なお、脂肪酸原料を、脂肪酸原料予熱器において上記条件で予熱するようにした場合、混合昇温器への供給の準備が行われるだけでなく、通常は含まれている水分により油脂類の加水分解が起こり、主成分であるグリセリド類が脂肪酸に分解されるため、エステル化反応を促進させることが可能になる。
また、請求項19の脂肪酸エステルの製造装置のように、アルコールとして、炭素数が1〜5の低級アルコールを用いることにより、実用可能な温度条件、圧力条件でアルコールを超臨界状態にすることが可能になり、本願発明を実効あらしめることができる。
なお、炭素数が1〜5の低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールなどが例示される。
また、請求項20の脂肪酸エステルの製造装置は、燃料として用いられる脂肪酸エステルを製造するために用いられるものであり、その脂肪酸エステルの製造装置を使用することにより、アルカリ触媒を使用せず、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料(例えば、植物油、動物油、植物油または動物油の廃油からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する脂肪酸原料)から、効率よく燃料(軽油代替燃料)として用いられる脂肪酸エステルを製造することが可能になる。
以下、本願発明の実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は溶媒となるアルコールと脂肪酸原料を混合、予熱する混合手段M、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料とアルコールをエステル化反応させる一次反応部A1、一次反応部A1で反応させた反応液から、一次反応部で生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去する低沸点成分除去部Lなどを示す図である。
図2は低沸点成分除去部Lで水分が除去された反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応部A2と、二次反応部A2においてエステル化反応を行わせた後の反応液を液液分離して、軽液と重液を機械的に分離する液液分離手段(分離手段)Bなどを示す図である。
図3は液液分離手段Bにより分離された軽液を蒸留してアルコールとグリセリンを回収する軽液蒸留手段Cなどを示す図である。
また、図4は、液液分離手段B(図2)により分離された重液を蒸留して低沸点成分と、高沸点成分に分離する重液蒸留手段D、重液蒸留手段Dにより分離した低沸点成分中に含まれる脂肪酸を中和反応により分離除去する脂肪酸除去手段E、脂肪酸除去手段Eにより脂肪酸を分離した脂肪酸エステルを主成分とする液に水を添加して、アルカリを除去するアルカリ除去手段Sと、脂肪酸エステルを主成分とする液に含まれる水分を主とする低沸点成分を蒸留により除去する低沸点成分除去手段Fなどを示す図である。
図1〜図4に示すように、本願発明の脂肪酸エステルの製造装置は、
1)遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料とアルコール(溶媒)を液体状態で混合する混合手段M(図1)と、混合手段Mで混合された混合流体を、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で通過させることにより、連続的にエステル化反応を行わせる一次反応部A1(図1)と、
2)一次反応部A1で反応させた、一次反応部で生成した水分や余剰のアルコールなどの低沸点成分を含む反応液から、水分やアルコールなどの低沸点成分を除去する低沸点成分除去部Lと、
3)低沸点成分除去部Lで水分が除去された反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応部A2(図2)と、
4)一次反応部A1と二次反応部A2で反応させた反応液を液液分離して、アルコールとグリセリンを主たる成分とする軽液と脂肪酸エステル、および高沸点不純物を含む重液を機械的に分離する液液分離手段B(図2)と、
5)液液分離手段Bにより分離された軽液を蒸留してアルコールとグリセリンを回収する軽液蒸留手段(アルコール・グリセリン回収手段)C(図3)と、
6)液液分離手段Bにより分離された重液を蒸留して、脂肪酸エステルを主たる成分とする低沸点成分と、高沸点不純物を含む高沸点成分に分離する重液蒸留手段D(図4)と、
7)重液蒸留手段Dにより分離した低沸点成分中に含まれる少量の脂肪酸を中和反応により分離除去する脂肪酸除去手段E(図4)と、
8)脂肪酸除去手段Eにより脂肪酸を分離した脂肪酸エステルを主成分とする液に水を添加して、アルカリを除去するアルカリ除去手段S(図4)と、
9)アルカリ除去手段Sによりアルカリを除去した後の脂肪酸エステルを主成分とする液中に少量含まれる水分を主とする低沸点成分を蒸留により除去する低沸点成分除去手段F(図4)を備えている。
この脂肪酸エステルの製造装置において用いられる混合手段Mとしては、乳化用の高機能なインラインミキサーを用いてアルコール溶媒中に油脂を微細な油滴として分散させる方法などが例示される。
また、一次反応部A1(図1)は、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料を貯める脂肪酸原料タンク1から供給される脂肪酸原料を予熱する脂肪酸原料予熱器3a、アルコール(メタノール)タンク2から供給されるアルコールを臨界温度以下の温度に予熱するアルコール予熱器3b、脂肪酸原料とアルコールの混合流体を通過させることにより連続的に一次エステル化反応を行わせる管型反応器4とを備えている。
なお、アルコール予熱器3bは、撹拌機構(この実施例ではインラインミキサー(図示せず))を備えており、脂肪酸原料予熱器3aにおいて予熱された脂肪酸原料とアルコールを液相状態で混合させながらアルコールが超臨界状態となる反応温度にまで昇温する混合昇温器としても機能させることができるように構成されている。
なお、管型反応器4は、所定の長さの管をつづら折り状に曲折させた管型の反応器本体4aと、脂肪酸原料とアルコールの混合流体(原料流体)をアルコールの超臨界領域の所定の温度および圧力に達するまで加熱昇温し、またはその温度および圧力に保持するためのヒータ4bを備えている。ヒータ4bの形式は熱媒や高圧スチームを利用した2重管式加熱形式や電気ヒータ形式など種々の形式のものを用いることが可能であり、その構成に特別の制約はない。
また、管型反応器4の出口側(詳しくは、アルコール予熱器3bの出口側)には冷却部5が設けられている。この冷却部5を設けることにより、さらに適切な出口温度の制御が可能になる。なお、冷却部5の有無および冷却部を設ける場合の具体的な構成には特別の制約はない。
また、低沸点成分除去部Lは、減圧システム36と、減圧システム6により所定の温度、圧力に調節された反応液から低沸点成分をフラッシュ蒸発させるフラッシュタンク37と、ヒータ38とを備えており、この低沸点成分除去部Lにおいて、一次反応部A1で生成した水分や余剰のアルコールなどの低沸点成分が除去される。
また、二次反応部A2は、一次反応部A1での一次反応により生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去した反応液と、アルコール(メタノール)タンク2から供給されるアルコールを、液相状態で混合させながらアルコールが超臨界状態となる反応温度にまで昇温する二次反応用混合昇温器43aと、上記反応液とアルコールの混合流体を通過させることにより連続的に二次エステル化反応を行わせる二次反応用管型反応器44と、熱回収機45とを備えている。
二次反応用管型反応器44は、所定の長さの管をつづら折り状に曲折させた管型の反応器本体44aと、脂肪酸原料とアルコールの混合流体(原料流体)をアルコールの超臨界領域の所定の温度および圧力に達するまで加熱昇温し、またはその温度および圧力に保持するためのヒータ44bを備えている。ヒータ44bの形式は熱媒や高圧スチームを利用した2重管式加熱形式や電気ヒータ形式など種々の形式のものを用いることが可能であり、その構成に特別の制約はない。
また、分離手段Bは、二次反応部A2により二次エステル化反応を行わせた反応液を液液分離によって、アルコールとグリセリンを主たる成分とする軽液と、脂肪酸エステルおよび高沸点不純物を主たる成分とする重液とを分離する機能を果たすものであり、この分離手段Bは、図2に示すように、減圧システム6、バッファタンク7を経て供給される反応液を機械的に液液分離する液液分離器11およびその周辺機器から構成されている。なお、この液液分離器11としては、遠心分離型の分離器や、遠心分離型以外の、機械分離式の種々の分離器を用いることが可能である。
また、液液分離器11(図2)によって分離された軽液からアルコールとグリセリンを回収するアルコール、グリセリン回収手段(軽液蒸留手段)C(図3)は、バッファタンク12から供給されるアルコール、グリセリン、水を含む軽液を予熱する予熱器13aと、予熱された軽液を蒸留してアルコールとグリセリンと水に分離する蒸留塔13と、留分であるアルコールの蒸気を凝縮させるコンデンサ14とを備えている。
また、重液蒸留手段Dは、液液分離器11において分離された脂肪酸エステルおよび高沸点不純物を含む重液から、液液分離器11で分離しきれずに残存するアルコールおよび水を主たる成分とする低沸点成分と、脂肪酸エステルを主成分とする中沸点成分と、高沸点不純物を含む高沸点成分とに分離する機能を果たすものであり、図4に示すように、液液分離器11の重液出口側に配設されたバッファタンク21と、バッファタンク21より供給される重液を蒸留する重液蒸留器22と、重液蒸留器22から留出した脂肪酸エステルおよびグリセリン(液液分離で分離しきれずに重液に混入したグリセリン)を凝縮させるコンデンサ23とを備えている。なお、コンデンサ23の下流側には、コールドトラップ24が配設されている。
なお、重液蒸留器22としては、薄膜降下式のヒータおよび蒸発缶からなる薄膜降下式蒸留器が用いられており、この重液蒸留器22において、低沸点成分、脂肪酸エステルおよびグリセリン(中沸点成分)が留分として留出し、未反応物や重合物(高沸点不純物)が釜残として分離される。
そして、重液蒸留器22において留出した脂肪酸エステルおよびグリセリンがコンデンサ23で凝縮するとともに、低沸点成分がコールドトラップ24において凝縮することにより、脂肪酸エステルおよびグリセリンと、低沸点成分との分離が行われる。
なお、重液蒸留器22は、上述のような薄膜降下式のヒータおよび蒸発缶からなるものに限らず、種々の型式のものを用いることが可能である。
また、脂肪酸除去手段Eは、コンデンサ23で凝縮した脂肪酸エステルを主成分とする中沸点成分に含まれる低沸点成分の一部を構成する少量の脂肪酸を、中和反応により分離除去する機能を果たすものであり、図4に示すように、コンデンサ23で凝縮した脂肪酸エステルを主成分とする中沸点成分を送液するライン中にアルカリをライン添加するアルカリ添加機構部25aと、中和反応を行わせるとともに、反応により生成する脂肪酸石鹸を機械的に分離する分離器25を備えている。なお、分離器25としては、遠心分離型の分離器や、遠心分離型以外の、機械分離式の種々の分離器を用いることが可能である。
なお、この実施形態の脂肪酸エステルの製造装置においては、重液蒸留手段Dの主要部が減圧下で運転されるように構成されており、そのための真空吸引手段29としては、ガスエゼクタ付きの封水真空ポンプが用いられている。ただし、真空吸引手段29の型式に特別の制約はなく、他の型式のものを用いることも可能である。
また、アルカリ除去手段Sは、脂肪酸除去手段Eを構成する分離器25により脂肪酸を分離した脂肪酸エステルを主成分とする液に含まれるアルカリを除去するものであり、洗浄用の水(洗浄液)を添加した後、分離器30でアルカリを含む水分を分離して除去することができるように構成されている。
また、低沸点成分除去手段Fは、アルカリ除去手段Sでアルカリが除去された脂肪酸エステルに少量含まれる水分を主成分とする低沸点成分を溜出させて低沸点成分を除去する機能を果たすものであり、図4に示すように、分離器25を出た脂肪酸エステルを主成分とする液を受け入れるバッファタンク26と、ヒータ27aと、ヒータ27aで加熱された脂肪酸エステルと少量の低沸点成分を含む液をフラッシュ蒸発させて、低沸点成分を除去するフラッシュタンク27と、低沸点成分の蒸気を凝縮させる凝縮器28とを備えている。
そして、この低沸点成分除去手段Fにより、低沸点成分が除去されることにより高純度の脂肪酸エステルが回収されることになる。
以下に本願発明の実施例を示して本願発明の特徴をさらに具体的に説明する。
上述のように構成された脂肪酸エステルの製造装置を用いて、脂肪酸原料を、以下の条件で処理した。
(1)脂肪酸原料の性状
脂肪酸含有率: 約90〜92重量%
中性油含有率: 約6〜9重量%
水分含有率 : 約1〜2重量%
(2)アルコール(溶媒)の種類
工業用メタノール(水分0.2%以下)
(3)一次反応条件
反応温度 :300℃
反応圧力 :20〜22MPa
液空間速度 :約0.05〜0.07[1/min]
溶媒添加率 :脂肪酸原料の約1.0〜1.5重量倍
(4)二次反応条件
反応温度 :250℃
反応圧力 :20〜22MPa
液空間速度 :約0.1〜0.2[1/min]
溶媒添加率 :脂肪酸原料の約0.5〜1.0重量倍
(5)各反応液の組成(分析結果)
一次反応液および二次反応液の組成を表1に示す。
Figure 2006188590
そして、二次反応液から溶媒であるメタノールと副生物であるグリセリンを除去し、水分を留去するとともに、高沸点不純物を除去して回収した脂肪酸エステルについて、ガスクロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィー・質量分析法などによる分析を行った。
回収した脂肪酸エステルの組成(分析結果)
パルミチン酸エステル : 10.6%
オレイン酸エステル : 39.5%
ステアリン酸エステル : 3.6%
リノール酸エステル : 34.0%
リノレン酸エステル : 3.1%
その他脂肪酸エステル化物 : 2.6%
グリセリン : 0.02%
水分 : 0.03%
その他 : 残り
回収した脂肪酸エステルの物性(分析結果)
密度(15℃) : 0.8839g/cm3
動粘度(50℃) : 3.735mm2/s
引火点 : 165℃
目詰まり点 : −4℃
流動点 : −2.5℃
硫黄分 : <0.01%
残留炭素分 : 0.01%
10%残油残留炭素分 : 0.21%
灰分 : 0.002%
セタン指数 : 59.5
総発熱量 : 39890J/g
曇り点 : −3℃
銅板腐食 : 1a
検出された脂肪酸エステルの脂肪酸種は、上記のように、主にパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸であり、その他、脂肪酸種を同定することができない脂肪酸エステル化物も一部存在しており、蒸留操作を行うことで、最終的に代替燃料として有効な成分(脂肪酸エステル化物以外の燃料として有効な物質も含む)を約98%の割合で含有する液体を回収できることが確認された。
また、上記の分析結果から、エステル化反応は十分に進行しており、脂肪酸エステル化物以外の物質はグリセリンと、微量水分と、その他、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステルであることが確認された。
また、回収された脂肪酸エステルについて調べた上記物性から、上記実施例1の方法により得られる脂肪酸エステルが軽油代替燃料として使用することが可能なものであることが確認された。
上記実施例1により、脂肪酸を主たる成分とする脂肪酸原料から、目的とする軽油代替燃料として使用することが可能な品質を有する脂肪酸エステルを効率よく製造することが可能であることが確認された。
また、回収されたメタノールについても分析を行い、リサイクル使用が可能な品質のものであることを確認した。
食用油の精製工程から排出される油を原料とした脂肪酸原料を上記実施例1の場合に準じる条件で処理した。
(1)脂肪酸原料の性状
脂肪酸含有率 : 約75〜83重量%
中性油含有率 : 約16〜24重量%
水分含有率 : 約0.8〜2重量%
(2)アルコール(溶媒)の種類
工業用メタノール(水分0.2%以下)
(3)一次反応条件
反応温度 :320℃
反応圧力 :20〜22MPa
液空間速度 :約0.05〜0.07[1/min]
溶媒添加率 :脂肪酸原料の約1.0〜1.5重量倍
(4)二次反応条件
反応温度 :300℃
反応圧力 :20〜22MPa
液空間速度 :約0.05〜0.07[1/min]
溶媒添加率 :脂肪酸原料の約0.5〜1.5重量倍
(5)各反応液の組成(分析結果)
一次反応液および二次反応液の組成を表2に示す。
Figure 2006188590
そして、反応液から溶媒であるメタノールと副生物であるグリセリンを除去し、水分を留去するとともに、高沸点不純物を除去して回収した脂肪酸エステルについて、ガスクロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィー・質量分析法などによる分析を行った。
回収した脂肪酸エステルの組成(分析結果)
パルミチン酸エステル : 6.5%
オレイン酸エステル : 51.5%
ステアリン酸エステル : 3.0%
リノール酸エステル : 17.8%
リノレン酸エステル : 3.5%
その他脂肪酸エステル化物 : 4.0%
グリセリン : 0.02%
水 分 : 0.02%
その他 : 残り
回収した脂肪酸エステルの性状(分析結果)
密度(15℃) : 0.8843g/cm3
動粘度(50℃) : 3.760mm2/s
引火点 : 163℃
目詰まり点 : −3℃
流動点 : −2.5℃
硫黄分 : <0.01%
残留炭素分 : 0.02%
10%残油残留炭素分 : 0.20%
灰分 : 0.002%
セタン指数 : 59.8
総発熱量 : 39830J/g
曇り点 : −2℃
銅板腐食 : 1a
上記の条件で、食用油の精製工程から排出される油を原料とした脂肪酸油(脂肪酸70重量%以上)を処理した結果、上記実施例1の場合とほぼ同等の結果が得られることが確認された。回収されたメタノールについても分析を行い、リサイクル使用が可能な品質のものであることを確認した。
なお、上記実施例1および2では、アルコールとしてメタノールを用いているが、炭素数が2〜5の他の低級アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールなどを用いることも可能である。
図1〜4に示す脂肪酸エステルの製造装置のうち、減圧システム36、フラッシュタンク37、ヒータ38などからなる低沸点成分除去部Lを備えていない構成の脂肪酸エステルの製造装置を用いて、本願請求項2の発明にかかる脂肪酸エステルの製造方法、すなわち、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、一次反応部A1において、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で一次反応(エステル化反応)を行わせた後、冷却手段により、反応液を100℃以下の温度(この実施例では35℃)にまで冷却し、冷却された反応液を、二次反応部A2において、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で二次反応(エステル化反応)を行わせる方法を実施することにより、脂肪酸エステルを製造した。
なお、この方法において、反応液を100℃以下の温度にまで冷却するための冷却手段としては、脂肪酸原料や溶媒との熱交換、熱媒油による熱回収などの種々の構成のものを用いることが可能である。
また、この実施例3では、脂肪酸原料としては、上記実施例1の場合と同じ原料を用いた。また、反応条件は以下の通りである。
(1)脂肪酸原料の性状
脂肪酸含有率: 約90〜92重量%
中性油含有率: 約6〜9重量%
水分含有率 : 約1〜2重量%
(2)アルコール(溶媒)の種類
工業用メタノール(水分0.2%以下)
(3)一次反応条件
反応温度 : 300℃
反応圧力 : 18〜23MPa
液空間速度 : 約0.05〜0.1[1/min]
溶媒添加率 : 脂肪酸原料の約 1.0〜1.2重量倍
(4)二次反応条件
反応温度 : 300℃
反応圧力 : 18〜23MPa
液空間速度 : 約0.05〜0.2[1/min]
溶媒添加率 : 脂肪酸原料の約 1.0〜1.2重量倍
(5)各反応液の組成
一次反応液および二次反応液の組成を分析した結果、実施例1とほぼ同様のメチルエステル化物への転換率が得られることを確認した。
そして、二次反応液から溶媒であるメタノールと副生物であるグリセリンを除去し、水分を留去するとともに、高沸点不純物を除去して回収した脂肪酸エステルについて、ガスクロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィー・質量分析法などによる分析を行った。
回収した脂肪酸エステルの組成(分析結果)
パルミチン酸エステル : 9.4%
オレイン酸エステル : 36.5%
ステアリン酸エステル : 2.9%
リノール酸エステル : 32.3%
リノレン酸エステル : 2.6%
その他脂肪酸エステル化物 : 2.9%
グリセリン : 0.02%
水分 : 0.05%
その他 : 残り
検出された脂肪酸エステルの脂肪酸種は、上記のように、主にパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸であり、その他、脂肪酸種を同定することができない脂肪酸エステル化物も一部存在しており、蒸留操作を行うことで最終的に、実施例1と同様に、最終的に代替燃料として有効な成分(脂肪酸エステル化物以外の燃料として有効な物質も含む)を約98%の割合で含有する液体を回収できることが確認された。
また、上記の分析結果から、エステル化反応は十分に進行しており、脂肪酸エステル化物以外の物質はグリセリンと、微量水分と、その他、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステルであることが確認された。
また、回収された脂肪酸エステルについて調べた上記物性から、上記実施例3の方法により得られる脂肪酸エステルが軽油代替燃料として使用することが可能なものであることが確認された。
上記実施例3により、脂肪酸を主たる成分とする脂肪酸原料から、目的とする軽油代替燃料として使用することが可能な品質を有する脂肪酸エステルを効率よく製造することが可能であることが確認された。
また、回収されたメタノールについても分析を行い、リサイクル使用が可能な品質のものであることを確認した。
なお、実施例3のように、一次反応工程で生成した低沸点成分を除去せずに、一次反応液を冷却した後、再び反応(二次反応)を行わせることによっても、反応を促進することが可能であるが、上記実施例1および2の脂肪酸エステルの製造方法のように、一次反応工程の後に、一次反応工程で生成した低沸点成分を除去するようにした場合、水分やアルコールなどの低沸点不純物が除去されるため、製品の品質をコントロールできる範囲を拡げることが可能になる点において、一次反応工程で生成した低沸点成分を除去した後、二次反応を行わせる方法のほうが好ましい。
以下の(1)および(2)の方法で脂肪酸エステルを製造し、一次反応における反応の進行状態と、二次反応における反応の進行状態を調べた。
(1)上記実施例1の方法に準じる方法で、一次反応後に、一次反応液から低沸点成分(メタノール、水分)を除去した後、アルコールを添加し、再び二次反応を行わせる方法(本願請求項1の脂肪酸エステルの製造方法)。
(2)上記実施例3の方法に準じる方法で、一次反応液から低沸点成分(メタノール、水分)を除去せずに、常温付近(この実施例4では35℃)まで冷却した後、再び昇温して二次反応を行う方法(本願請求項2の脂肪酸エステルの製造方法)。
なお、一次反応および二次反応の進行状態は、メチルエステル化率(原料中の脂肪酸が脂肪酸メチルエステルになる割合)と、酸価とを測定することにより行った。
上記(1)の方法における一次反応および二次反応の進行状態を図5に示す。
また、上記(2)の方法における一次反応の進行状態を図6に示し、二次反応の進行状態を図7に示す。
図5に示すように、一次反応後に、一次反応液から低沸点成分を除去した後、アルコールを添加し、再び二次反応を行わせる上記(1)の方法(実施例1の方法に準じる方法)の場合の、一次反応後におけるメチルエステル化率は70〜75%であった。また、一次反応後の反応液の酸価を測定したところ、酸価の値は約9〜11であった。
また、二次反応後におけるメチルエステル化率は80〜85%であった。さらに、二次反応後の反応液の酸価を測定したところ、酸価の値は約2〜3であった。
図5に示す反応の進行状態および酸価の値から、一次反応液から低沸点成分を除去した後、アルコールを添加し、二次反応を行わせることにより、メチルエステル化反応が促進されることが確認された。
メチルエステル化反応系中に、副生する水が存在するとメチルエステル化反応が阻害されることは一般に知られており、上記の結果は、一次反応後に低沸点成分である水分を除去した後、再びアルコール(メタノール)を添加して二次反応を行わせることにより、メチルエステル化反応が促進されたものである。
図6に示すように、一次反応液から低沸点成分(メタノール、水分)を除去せずに、常温付近まで冷却した後、再び昇温して二次反応を行わせる上記(2)の方法の場合、一次反応後におけるメチルエステル化率は70〜75%であった。また、一次反応後の反応液の酸価を測定したところ、酸価の値は約9〜11であった。
また、図7に示すように、二次反応後におけるメチルエステル化率は75〜80%であった。また、二次反応後の反応液の酸価を測定したところ、酸価の値は約3〜5であった。
図7に示す反応の進行状態および酸価の値から、一次反応液から低沸点成分(メタノール、水分)を除去せずに、常温付近まで冷却した後、再び昇温して二次反応を行わせるようにした場合にも、メチルエステル化反応が促進されることが確認された。
なお、上記(2)の場合においてメチルエステル化反応が促進されるのは、二次反応工程の昇温開始温度と二次反応の反応温度との差が大きい場合、昇温過程で反応溶媒であるアルコールと一次反応後の反応液の接触状態に劇的な変化が生じ、その結果、メチルエステル化反応が促進されるものと推測される。
なお、上記実施例1および3では脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料(実施例1)から脂肪酸エステルを製造する場合、上記実施例2では食用油の精製工程から排出される油を原料とした脂肪酸原料から脂肪酸エステルを製造する場合を例にとって説明したが、その他の植物油、動物油、それらの廃油などを粗脂肪酸化した脂肪酸原料を処理することも可能である。
本願発明はさらにその他の点においても上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、一次反応部、二次反応部、低沸点成分除去部、予熱器、および混合昇温器などの温度条件や圧力条件、一次反応部が管型反応器である場合における液空間速度などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように本願発明においては、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で一次反応を行わせた後の反応液から、一次反応工程で生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去した後、低沸点成分を除去した反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせるようにしているので、アルカリ触媒を使用することなく、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料から、脂肪酸エステルを効率よく製造することが可能になる。
また、一次反応工程で生成した低沸点成分を除去せずに、一次反応液を冷却した後、再び反応(二次反応)を行わせることによっても、反応を促進することが可能で、効率よく脂肪酸エステルを製造することが可能になる。
したがって、本願発明は、植物油、動物油、植物油または動物油の廃油からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する脂肪酸原料から、軽油代替燃料として使用することが可能な品質を有する脂肪酸エステルを製造する分野などに広く適用することが可能である。
溶媒となるアルコールと脂肪酸原料を混合、予熱する混合手段M、遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料とアルコールをエステル化反応させる一次反応部A1、一次反応部A1で反応させた反応液から、一次反応工程で生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去する低沸点成分除去部Lなどを示す図である。 低沸点成分除去部Lで水分が除去された反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応部A2と、二次反応部A2においてエステル化反応を行わせた後の反応液を液液分離して、軽液と重液を機械的に分離する液液分離手段(分離手段)Bなどを示す図である。 液液分離手段Bにより分離された軽液を蒸留してアルコールとグリセリンを回収する軽液蒸留手段Cなどを示す図である。 液液分離手段B(図2)により分離された重液を蒸留して低沸点成分と、高沸点成分に分離する重液蒸留手段D、重液蒸留手段Dにより分離した低沸点成分中に含まれる脂肪酸を中和反応により分離除去する脂肪酸除去手段E、脂肪酸除去手段Eにより脂肪酸を分離した脂肪酸エステルを主成分とする液に水を添加して、アルカリを除去するアルカリ除去手段Sと、脂肪酸エステルを主成分とする液に含まれる水分を主とする低沸点成分を蒸留により除去する低沸点成分除去手段Fなどを示す図である。 一次反応後に、一次反応液から低沸点成分(メタノール、水分)を除去した後、アルコールを添加し、再び二次反応を行わせる方法における、一次反応および二次反応の進行状態を示す図である。 一次反応液から低沸点成分(メタノール、水分)を除去せずに、常温付近まで冷却した後、再び昇温して二次反応を行う方法における一次反応の進行状態を示す図である。 一次反応液から低沸点成分(メタノール、水分)を除去せずに、常温付近まで冷却した後、再び昇温して二次反応を行う方法における二次反応の進行状態を示す図である。
符号の説明
A1 一次反応部
A2 二次反応部
B 液液分離手段(分離手段)
C 軽液蒸留手段
D 重液蒸留手段
E 脂肪酸除去手段
F 低沸点成分除去手段
M 混合手段
S アルカリ除去手段
L 低沸点成分除去部
1 脂肪酸原料タンク
2 アルコール(メタノール)タンク
3a 脂肪酸原料予熱器
3b アルコール予熱器
4 管型反応器
4a 反応器本体
4b ヒータ
5 冷却部
6 減圧システム
7 バッファタンク
11 液液分離器
12 バッファタンク
13 蒸留塔
13a 予熱器
14 コンデンサ
21 バッファタンク
22 重液蒸留器
23 コンデンサ
24 コールドトラップ
25 分離器
25a アルカリ添加機構部
26 バッファタンク
27 フラッシュタンク
27a ヒータ
28 凝縮器
29 真空吸引手段
30 分離器
36 減圧システム
37 フラッシュタンク
38 ヒータ
43a 二次反応用混合昇温器
44 二次反応用管型反応器
44a 反応器本体
44b ヒータ
45 熱回収機

Claims (20)

  1. 遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件でエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる一次反応工程と、
    前記一次反応工程で反応させた反応液から、一次反応工程で生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去する低沸点成分除去工程と、
    前記低沸点成分除去工程で低沸点成分が除去された反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応工程と
    を具備することを特徴とする脂肪酸エステルの製造方法。
  2. 遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件でエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる一次反応工程と、
    前記一次反応工程で反応させた反応液を100℃以下の温度にまで冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程で100℃以下の温度にまで冷却された反応液を、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応工程と
    を具備することを特徴とする脂肪酸エステルの製造方法。
  3. 前記脂肪酸原料が、植物油、動物油、植物油または動物油の廃油からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来するものであることを特徴とする請求項1または2記載の脂肪酸エステルの製造方法。
  4. 前記脂肪酸原料中の遊離脂肪酸の割合が70重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造方法。
  5. 遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件でエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる一次反応部と、
    前記一次反応部で反応させた反応液から、一次反応部で生成した水分および余剰のアルコールを含む低沸点成分を除去する低沸点成分除去部と、
    前記低沸点成分除去部で低沸点成分が除去された反応液にアルコールを添加し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応部と
    を具備することを特徴とする脂肪酸エステルの製造装置。
  6. 遊離脂肪酸を主成分とする脂肪酸原料と、アルコールとを混合し、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件でエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる一次反応部と、
    前記一次反応部で反応させた反応液を100℃以下の温度にまで冷却する冷却部と、
    前記冷却部で100℃以下の温度にまで冷却された反応液を、アルコールが超臨界状態となる、温度:250〜350℃、圧力:15〜25MPaの条件で再びエステル化反応を行わせて脂肪酸エステルを生成させる二次反応部と
    を具備することを特徴とする脂肪酸エステルの製造装置。
  7. 前記一次反応部、または、前記一次反応部および前記二次反応部が、アルコールが超臨界状態となる条件で、前記脂肪酸原料または前記一次反応後の反応液とアルコールの混合流体を相互溶解させて通過させることにより連続的にエステル化反応を行わせる管型反応器であることを特徴とする請求項5または6記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  8. 前記管型反応器に供給されるアルコールをその臨界温度以下の温度に予熱するアルコール予熱器を備えていることを特徴とする請求項7記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  9. 前記脂肪酸原料を予熱する脂肪酸原料予熱器と、アルコールを臨界温度以下の温度に予熱するアルコール予熱器と、脂肪酸原料予熱器およびアルコール予熱器において予熱された脂肪酸原料とアルコールを液相状態で混合させながらアルコールが超臨界状態となる反応温度にまで昇温する混合昇温器を備えていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  10. 前記二次反応部で反応させた後の反応液を液液分離して、アルコールとグリセリンを主たる成分とする軽液と、脂肪酸エステルと高沸点不純物を含む重液とに分離する分離手段を具備することを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  11. 前記分離手段が、二次反応部で反応させた後の反応液を機械的に前記軽液と前記重液とに分離する機械的分離手段であることを特徴とする請求項10記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  12. 前記液液分離後の重液を蒸留して、前記分離手段において分離しきれずに残存するアルコールおよび水を主たる成分とする低沸点成分と、脂肪酸エステルを主たる成分とする中沸点成分と、高沸点不純物を含む高沸点成分とに分離する重液蒸留手段を具備することを特徴とする請求項10または11記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  13. 前記液液分離後の重液を蒸留することにより得られる前記脂肪酸エステルを主たる成分とする中沸点成分に少量含まれる脂肪酸を、アルカリ水溶液との中和反応により分離除去する脂肪酸除去手段と、少量残るアルカリ分を洗浄して除去するアルカリ除去手段を具備することを特徴とする請求項12記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  14. 前記脂肪酸除去手段により脂肪酸を除去した後の脂肪酸エステルに含まれる水分を主とする低沸点成分を蒸留により除去する低沸点成分除去手段を備えていることを特徴とする請求項13に記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  15. 前記液液分離後の軽液を蒸留して、アルコールと水分とグリセリンに分離する軽液蒸留手段を備えていることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  16. 前記軽液蒸留手段により分離されたアルコールを回収するアルコール回収手段および前記軽液蒸留手段により分離されたグリセリンを回収するグリセリン回収手段を備えていることを特徴とする請求項15記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  17. 前記管型反応器内における液空間速度が0.3〜0.03[1/min]の範囲にあることを特徴とする請求項7〜16のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  18. 前記脂肪酸原料予熱器および混合昇温器の温度条件および圧力条件が、
    温度:200〜350℃
    圧力:15〜25MPa
    の範囲にあることを特徴とする請求項9〜17のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  19. 前記アルコールとして、炭素数が1〜5の低級アルコールが用いられることを特徴とする請求項5〜18のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置。
  20. 燃料として用いられる脂肪酸エステルを製造するために用いられるものであることを特徴とする請求項5〜19のいずれかに記載の脂肪酸エステルの製造装置。
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