JP2004223426A - 油分を含有する無機質材料の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】油分を含有する無機質材料から、油分を効率よく分離・抽出することが可能で、さらには、油分を脂肪酸エステル燃料にまで転換することが可能であるととともに、無機質材料の吸着能を回復させて再利用できるようにすることが可能な、油分を含有する無機質材料の処理方法を提供する。
【解決手段】油分を含有する無機質材料に低級アルコールを加え、温度:240〜350℃、圧力:5〜25MPa、時間:5〜60分の条件下に加圧加熱処理する。
また、低級アルコールが超臨界状態となる条件で加圧加熱処理する。
また、低級アルコールとして、一般式R−OHで表されるヒドロキシ化合物(炭素数1〜5)を用いる。
また、Rがメチル基又はエチル基である低級アルコールを用いる。
また、油分を含む無機質材料100質量部に対して、低級アルコールを10〜200質量部の割合で加える。
【選択図】 なし
【解決手段】油分を含有する無機質材料に低級アルコールを加え、温度:240〜350℃、圧力:5〜25MPa、時間:5〜60分の条件下に加圧加熱処理する。
また、低級アルコールが超臨界状態となる条件で加圧加熱処理する。
また、低級アルコールとして、一般式R−OHで表されるヒドロキシ化合物(炭素数1〜5)を用いる。
また、Rがメチル基又はエチル基である低級アルコールを用いる。
また、油分を含む無機質材料100質量部に対して、低級アルコールを10〜200質量部の割合で加える。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油脂類、脂質類、鉱物油などの油分を含有する無機質材料から油分を分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、油脂類、脂質類、鉱物油を製造するにあたっては、原料油を処理して不純物を除去した後、活性炭、ケイソウ土、活性白土(酸性白土)などの無機質材料(無機吸着剤)を用いて精製することにより、着色物質やその他の微量不純物を除去することが一般に行われている。
【0003】
このときに発生する油分の付着した無機質材料は、一部が建築骨材や堆肥製造時の発酵助剤などとして用いられているが、油分が含まれており、用途が制約されるとともに、機能にも劣るため、その大部分が有効に利用されていないのが実情である。
【0004】
かかる実情に鑑み、無機質材料に付着した油脂を分離回収する方法が提案されるに至っている(例えば、特許文献1参照)。
この方法は、油分を含有する無機質材料に、水を加えて、温度120〜300℃及び圧力0.2〜13.0MPaの条件下に加圧加熱処理して無機質材料から油分を分離するものであり、水を亜臨界状態とすることにより、無機質材料に付着含有されている油分を、無機質材料から分離して水蒸気相へと移行させた後、加圧加熱処理に用いた装置内で、又は該装置から取り出した後に、系の温度を100℃以下に下げることにより、水蒸気相を水相へと変化させ、この水相の上部に溜まる油分を液状又は固形状で分離回収するとともに、水相の下部に沈降物として存在する比重の大きい無機質材料を回収し、再使用できるようにしたものである。
【0005】
また、廃油を処理して軽油代替燃料に再生する方法も提案されている。この方法は、通常、アルカリ触媒(NaOH、KOH)を用いる、いわゆる化学法であり、この方法により、例えば油脂精製工程で発生する油脂を含有する無機質材料を処理した場合、トリグリセリドの形で存在する油脂を効率よく燃料化することが可能になる(例えば、特許文献2,特許文献3,特許文献4参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−263403号公報
【特許文献2】
特開平7−197047号公報
【特許文献3】
特開平7−310090号公報
【特許文献4】
特開平9−235573号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の方法では、無機質材料から油分を分離することはできるものの、油分が本来不純物を含む廃油のような場合には、分離回収される油分は特に用途がなく、助燃剤などとして用いるほかなく、回収される無機質材料を再利用することができたとしても、全体として回収される物質の価値は低く、処理に要するコストに見合わない場合が少なくないという問題点がある。
【0008】
また、特許文献2,3,4の方法では、トリグリセリドの形で存在する油脂を効率よく燃料化することができるが、脂肪酸は脂肪酸石けんになってしまうため、軽油代替燃料に再生することができず、収率が悪くなるという問題点がある。
したがって、原料となる油脂中に遊離の脂肪酸を多く含む場合は事前にこれを取り除く前処理が必要となる。
また、アルカリ触媒を使用すると、後工程として、水洗などのアルカリ分離・精製工程が必要となるため、工程が複雑化し、コストの増大を招くという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、油分を含有する無機質材料から、油分を効率よく分離することが可能で、さらには、油分を脂肪酸エステルを含む燃料にまで転換することが可能であるととともに、無機質材料の吸着能を回復させて再利用できるようにすることが可能な、油分を含有する無機質材料の処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明(請求項1)の油分を含有する無機質材料の処理方法は、
油分を含有する無機質材料を処理するための方法であって、
油分を含有する無機質材料に低級アルコールを加え、
温度:240〜350℃
圧力:5〜25MPa
時間:5〜60分
の条件下に加圧加熱処理して無機質材料から油分を分離すること
を特徴としている。
【0011】
油分を含有する無機質材料に低級アルコールを加え、温度:240〜350℃、圧力:5〜25MPa、時間:5〜60分の条件下に加圧加熱処理することにより、無機質材料が含有する油分を高効率で分離することが可能になるとともに、無機質材料の再利用を可能ならしめることが可能になる。
【0012】
また、請求項2の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記低級アルコールが超臨界状態となる条件で加圧加熱処理することにより、無機質材料から油分を分離するとともに、分離した油分を脂肪酸エステルに転換することを特徴としている。
【0013】
低級アルコールが超臨界状態となる条件で加圧加熱処理することにより、無機質材料から油分を分離するとともに、分離した油分を脂肪酸エステルに効率よく転換することが可能になり、無機質材料が含有する油分を効率よく分離するとともに、付加価値の高い物質に転換することが可能になる。なお、油分が転換された脂肪酸エステルは軽油代替燃料として利用することが可能である。
【0014】
また、請求項3の油分を含有する無機質材料の処理方法は、
前記低級アルコールが下記の一般式(1)
R−OH……(1)
で表される、炭素数が1〜5のヒドロキシ化合物であること
を特徴としている。
【0015】
低級アルコールとして、上記一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物を用いることにより、実用可能な温度条件、圧力条件で低級アルコールを超臨界状態にすることが可能になり、本発明を実効あらしめることができる。
【0016】
また、請求項4の油分を含有する無機質材料の処理方法は、上記式のRがメチル基又はエチル基であることを特徴としている。
【0017】
Rがメチル基又はエチル基である低級アルコールを用いることにより、さらに実用的な温度条件、圧力条件で低級アルコールを超臨界状態にすることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
【0018】
また、請求項5の油分を含有する無機質材料の処理方法は、油分を含む無機質材料100質量部に対して、低級アルコールを10〜200質量部の割合で加えることを特徴としている。
【0019】
油分を含む無機質材料100質量部に対して、低級アルコールを10〜200質量部の割合で加えることにより、無機質材料が含有する油分を確実にしかも高効率で分離することが可能になる。
【0020】
また、請求項6の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記油分が油脂類、脂質類又は鉱物油であることを特徴としている。
【0021】
本発明は、種々の油分を含有する無機質材料を処理する場合に広く適用することが可能であり、例えば、油分が油脂類、脂質類又は鉱物油である場合に好適にその分離を行うことが可能になる。
【0022】
また、請求項7の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記油分が廃食油、廃油脂であることを特徴としている。
【0023】
本発明の処理方法は、廃食油、廃油脂を含有する無機質材料を処理する場合にも適用することが可能であり、廃食油、廃油脂を含有する無機質材料は発生量が多いことから特に有意義である。
【0024】
また、請求項8の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記無機質材料が、油脂の精製に用いられた無機吸着剤であることを特徴としている。
【0025】
油脂の精製には無機吸着剤が用いられる場合が多いが、本発明は、油脂を含有する無機吸着剤を処理する場合にも適用することが可能である。
【0026】
また、請求項9の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記無機質材料が活性白土、活性炭、ケイソウ土、ベントナイト、シリカ系吸着剤、炭酸カルシウム又は酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の無機質材料であることを特徴としている。
【0027】
本発明は、無機質材料が、活性白土、活性炭、ケイソウ土、ベントナイト、シリカ系吸着剤、炭酸カルシウム又は酸化チタンから選ばれる少なくとも1種である場合に広く適用することが可能である。
【0028】
また、請求項10の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記加圧加熱処理後に無機質材料を分離した後の液を蒸留して、低級アルコールを含む低沸点成分と、脂肪酸エステルを含む高沸点成分を分離することを特徴としている。
【0029】
加圧加熱処理後に無機質材料を分離した後の液を蒸留することにより、低級アルコールを含む低沸点成分と、脂肪酸エステルを含む高沸点成分を効率よく分離することが可能になる。
なお、蒸留手段としては、充填塔、フラッシュ蒸留塔、薄膜型蒸留塔などを用いて蒸留を行う方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
また、請求項11の油分を含有する無機質材料の処理方法は、蒸留することにより分離された前記低級アルコールを含む低沸点成分を蒸留して低級アルコールを回収するアルコール回収手段を備えていることを特徴としている。
【0031】
低沸点成分を蒸留して低級アルコールを回収することにより、純度の高い低級アルコールを回収することが可能になり、かつ、この低級アルコールを油分の加圧加熱処理にリサイクル使用するようにした場合、薬剤コストを低減することが可能になる。なお、アルコール回収手段(蒸留方法)としては、例えば、充填塔、フラッシュ蒸留塔、薄膜型蒸留塔などを用いて蒸留を行う方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明では、油分を付着含有する無機質材料に、低級アルコールを加えて、
温度:240〜350℃
圧力:5〜25MPa
時間:5〜60分
の条件下に加圧加熱処理して、無機質材料から油分を分離する。なお、上記条件では、添加した低級アルコールは、上記の温度及び圧力下で超臨界状態(少なくとも亜臨界状態)になっている。
【0033】
本発明において、無機質材料に含有される「油分」としては、油脂類、脂質類又は鉱物油が例示される。
なお、油脂類は、食用油脂、非食用油脂のいずれでもよく、また、植物性油脂、動物性油脂のいずれであってもよい。
食用油脂としては、オリーブ油、ゴマ油、大豆油、ココナツ油、ピーナツ油、菜種油、綿実油、コーン油、ヒマワリ油、サフラワー油などの植物性油脂、ヘッド、ラード、魚油、鯨油などの動物性油脂が例示される。
また、非食用油脂としては、ヒマシ油、アマニ油などが例示される。
脂質としては、糖脂質、ロウ、リン脂質、ステロイド、カロチノイド、中性脂肪などが例示される。
また、鉱物油としては、石油等の鉱油などが例示される。
【0034】
また、本発明における油分を含有する無機質材料とは、油脂類、脂質類、鉱油などの調製工程や処理工程などにおいて排出される、油脂類、脂質類、鉱油などの油分を吸着した無機質材料などが例示される。
【0035】
また、無機質材料としては、活性白土(酸性白土)、活性炭、ケイソウ土、ベントナイト、シリカ系吸着剤などが例示されるがこれに限られるものではない。なお、活性白土は、色素などの吸着性に優れており、油脂の脱色処理などに広く用いられているものである。
【0036】
油分を含有する無機質材料から油分を分離するにあたっては、5〜25MPaの圧力条件下に、温度を240〜350℃の範囲とすることが望ましいが、これは、加圧加熱処理の温度が240℃未満の場合、添加したアルコールが超臨界状態にならず、充分な分離・抽出効果が得られない状態となり好ましくなく、また、加圧加熱処理の温度が350℃を超えると、実用化と装置の設計製作の観点から多大なコスト増大を招き、分離・抽出した油分が熱分解を起こすため好ましくない。
また、加圧加熱処理の圧力が5MPa〜25MPaの範囲を外れると、本発明の温度範囲(240〜350℃)で良好な処理を行うことができなくなるため、好ましくない。また、圧力が25MPaを超えると装置のコスト増大を招くため実用的ではない。
【0037】
加圧加熱処理を行う際の低級アルコールの添加量は、無機質材料に付着している油分の種類や量、無機質材料の種類などを考慮して調整することが好ましいが、一般的には、油分を含有する無機質材料100質量部に対して、低級アルコールを10〜200質量部の割合で加えることが望ましい。これは、低級アルコールの割合が10質量部未満になると無機質材料からの油分の分離・抽出効果が充分に得られず、200質量部を超えると反応後のアルコール再生処理にコストがかかり、エネルギーコストの増大を招くことによる。
なお、低級アルコールのさらに好ましい添加割合は、油分を含有する無機質材料100質量部に対して、100〜200質量部の割合である。
【0038】
また、本発明において、加圧加熱処理の時間は、5〜60分の範囲とすることが好ましい。これは、加圧加熱処理の時間が5分未満の場合、油分の分離・抽出効果が充分に得られず、また、その油分を脂肪酸エステル燃料にまで転換する効果も得られないこと、60分を超えると設備コストとエネルギーコストの増大を招く上、油分が熱分解により変性してしまうことによる。
【0039】
なお、加圧加熱処理に用いられる加圧加熱装置の構成などには特に制約はなく、油分を付着含有する無機質材料と低級アルコールの混合物を、温度:240〜350℃、圧力:5〜25MPa、時間:5〜60分の条件で加圧加熱処理することが可能な種々の装置を用いることが可能である。また、加圧加熱装置としては、内容物を十分に撹拌するための撹拌手段を備えたものを用いることが望ましい。
【0040】
また、加圧加熱処理操作、及びそれに続く油分と無機質材料の分離操作は、バッチ式で行ってもよく、また連続式で行ってもよい。なお、加熱加圧処理は、油分を含む無機質材料に低級アルコールを添加したスラリーを十分に撹拌しながら実施することが望ましい。
【0041】
本発明の処理方法においては、適切な温度、圧力及び反応時間を選択することにより、加圧加熱処理工程で、無機質材料に含有されている油分を分離するとともに、エステル化することが可能になる。
【0042】
加圧加熱処理が終了すると、反応後のスラリーは、無機質材料と、油分及び脂肪酸エステル化合物を主成分とする液相(エステル化合物含有液相(高沸点成分))と、上記のエステル化合物含有液相とは実質的に相互溶解しない、低級アルコールを含有する液相(アルコール含有液相(低沸点成分))を含むスラリーとなる。
【0043】
なお、このスラリー状の液体を静置すると、最下層が比重の大きい無機質材料、中間層が油分及び脂肪酸エステル化合物を主成分とする液相(エステル化合物含有液相(高沸点成分))、最上層が比重の小さい、低級アルコールを含有する液相(アルコール含有液相(低沸点成分))となる。
【0044】
本発明においては、加熱加圧処理後のスラリーは、通常、混合された状態で遠心分離器などの機械的な方法で固液分離を行うことにより、容易に、固形分である無機質材料と、液体であるエステル化合物含有液相及びアルコール含有液相の分離が行われる。
なお、分離された無機質材料は必要に応じて洗浄・乾燥・再生処理を行い、吸着剤などの用途にリサイクル使用される。
【0045】
それから、加圧加熱処理後に無機質材料を分離した後の分離液を蒸留することにより、低級アルコールや水分などを含む低沸点成分と、脂肪酸エステルと反応の副生物であるグリセリンを含む高沸点成分が分離される。
この高沸点成分は脂肪酸エステルを主成分としており、軽油代替燃料に使用することが可能である。また、この高沸点成分を蒸留して、不揮発成分などの高沸点不純物を除去することにより、さらに精製された脂肪酸エステルを得ることが可能になり、より付加価値の高い軽油代替燃料を得ることが可能になる。
【0046】
また、上記の低沸点成分、すなわち、低級アルコールを含有する液相(アルコール含有液相)を蒸留することにより、低級アルコールが回収される。この低級アルコールは、加圧加熱処理のために油分を含有する無機質材料に添加される低級アルコールとしてリサイクル使用することが可能である。
【0047】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
この実施例では、菜種油又は大豆油の製油工程から排出される油分を含有する活性白土(無機質材料)を以下の条件で処理し、油分及び活性白土を分離して回収する場合を例にとって説明する。
【0048】
(1)油分を含有する活性白土の性状
油分含有率 :40質量%
(活性白土:油分=60質量部:40質量部)
(2)活性白土に含有される油分の性状
脂肪酸含有率: 約0.5%
中性油含有率: 約96.5%
水分含有率 : 約 3%
(3)低級アルコール(溶媒)の種類
工業用メタノール
(4)低級アルコール(メタノール)の添加量
油分を含む無機質材料100質量部に対し、メタノール100質量部
(5)反応条件
反応温度 :300℃
反応圧力 :15〜22MPa
加圧加熱処理時間:30分
【0049】
そして、上記条件で加圧加熱処理を行った後、加熱加圧処理後の液を遠心分離器にかけて固液分離を行うことにより、固形分である無機質材料と、液相(エステル化合物含有液相及びアルコール(メタノール)含有液相)の分離を行った。そして、無機質材料をメタノールにより洗浄した。
【0050】
それから、分離したエステル化合物含有液相とアルコール含有液相と洗浄液(メタノール)を含む液を蒸留し、メタノールを含む低沸点成分と、脂肪酸エステルとグリセリンなどを含む高沸点成分を分離した。
次に、この高沸点成分を蒸留して、高沸点不純物(不揮発成分)を釜残として分離除去した。
【0051】
さらに、低沸点成分(メタノールを含有する液相(アルコール含有液相))と水分を蒸留し、メタノールを分離、回収した。
【0052】
高沸点不純物を除去して回収した脂肪酸エステルについて、ガスクロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィー・質量分析法による分析を行った。
【0053】
回収した脂肪酸エステルの組成(分析結果)
パルミチン酸エステル : 7.3%
ステアリン酸エステル : 2.9%
オレイン酸メチルエステル : 57.2%
リノール酸エステル : 23.4%
リノレン酸エステル : 5.7%
その他脂肪酸エステル化物 : 3.5%
【0054】
上記のように、検出された脂肪酸エステルの脂肪酸種は、主にパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸であり、その他、脂肪酸種を同定することができない脂肪酸エステル化物も一部存在しており、蒸留操作を行うことで純度の高い脂肪酸エステル化物を回収できることが確認された。
【0055】
また、上記の分析結果から、エステル化反応は十分に進行しており、脂肪酸エステル化物以外の物質はグリセリンと、微量水分と、未反応の中性油であることが確認された。
【0056】
また、蒸留して回収したメタノールをガスクロマトグラフィー法により分析したところ、高純度で、リサイクル使用が可能なメタノールを回収できることが確認された。
【0057】
さらに、メタノールにより洗浄した無機質材料の油分の含有量はごく微量で、付着しているメタノールを除去することにより、吸着剤としての再利用も可能であることが確認された。
【0058】
[実施例2]
脂肪酸の割合が50重量%以上である廃油が付着した活性白土を上記実施例1の場合に準じる条件で処理した。
【0059】
(1)油分を含有する活性白土の条件
油分含有率 :35質量%
(活性白土:油分=65質量部:35質量部)
(2)活性白土に含有される油分の性状
廃油(脂肪酸50重量%以上)
(3)低級アルコール(溶媒)の種類
メタノール
(4)低級アルコール(メタノール)の添加量
油分を含む無機質材料100質量部に対し、メタノール100質量部
(5)反応条件
反応温度 :300℃
反応圧力 :15〜22MPa
加圧加熱処理時間:20分
【0060】
その他の条件は上記実施例1の場合と同じである。
上記の条件で、廃油(廃油50重量%以上)が吸着された活性白土を処理した結果、上記実施例1の場合とほぼ同等の結果が得られることが確認された。
【0061】
また、回収されたメタノールについても、リサイクル使用が可能なものであることが確認されている。
【0062】
なお、上記実施例1及び2では、アルコールとしてメタノールを用いているが、炭素数が2〜5の他の低級アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールなどを用いることも可能である。
【0063】
さらに、上記実施例では菜種油又は大豆油を含有する無機質材料(実施例1)、及び脂肪酸を多量に含んだ油脂原料を含有する無機質材料(実施例2)を処理する場合を例にとって説明したが、その他の植物油、動物油、それらの廃油などを含有する無機質材料を処理することも可能である。
【0064】
本発明はさらにその他の点においても上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0065】
【発明の効果】
上述のように、本発明(請求項1)の油分を含有する無機質材料の処理方法は、油分を含有する無機質材料に低級アルコールを加え、温度:240〜350℃、圧力:5〜25MPa、時間:5〜60分の条件下に加圧加熱処理するようにしているので、無機質材料が含有する油分を高効率で分離することが可能になるとともに、無機質材料の再利用を可能ならしめることが可能になる。
【0066】
また、請求項2の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、低級アルコールが超臨界状態となる条件で加圧加熱処理するようにした場合、無機質材料から油分を分離・抽出するとともに、分離した油分を脂肪酸エステルに効率よく転換することが可能になり、無機質材料が含有する油分を効率よく分離するとともに、付加価値の高い物質に転換することが可能になる。なお、油分が転換された脂肪酸エステルは軽油代替燃料として利用することができる。
【0067】
また、請求項3の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、低級アルコールとして、一般式R−OHで表されるヒドロキシ化合物(炭素数1〜5)を用いるようにした場合、実用可能な温度条件、圧力条件で低級アルコールを超臨界状態にすることが可能になり、本発明を実効あらしめることができる。
【0068】
また、請求項4の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、Rがメチル基又はエチル基である低級アルコールを用いることにより、さらに実用的な温度条件、圧力条件で低級アルコールを超臨界状態にすることが可能になり、本発明をより実効あらしめることが可能になる。
【0069】
また、請求項5の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、油分を含む無機質材料100質量部に対して、低級アルコールを10〜200質量部の割合で加えるようにした場合、無機質材料が含有する油分を確実にしかも効率よく分離・抽出することができる。
【0070】
また、本発明は、種々の油分を含有する無機質材料を処理する場合に適用することが可能であり、例えば、請求項6のように、油分が油脂類、脂質類又は鉱物油であるような場合に好適にその分離・抽出を行うことが可能になる。
【0071】
また、本発明は、請求項7のように、廃食油、廃油脂を含有する無機質材料を処理する場合にも適用することが可能であり、廃食油、廃油脂を含有する無機質材料は発生量が多いことから特に有意義である。
【0072】
また、本発明は、請求項8のように、油脂の精製工程で多量に発生する、油脂分を含む無機吸着剤を処理する場合にも適用することが可能であり、有意義である。
【0073】
また、本発明の油分を含有する無機質材料の処理方法は、請求項9のように、無機質材料が、活性白土、活性炭、ケイソウ土、ベントナイト、シリカ系吸着剤、炭酸カルシウム又は酸化チタンから選ばれる少なくとも1種である場合に広く適用することが可能である。
【0074】
また、請求項10の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、加圧加熱処理後に無機質材料を分離した後の液を蒸留することにより、低級アルコールを含む低沸点成分と、脂肪酸エステルを含む高沸点成分を効率よく分離することが可能になる。
なお、蒸留手段として、フラッシュ蒸留手段を用いることにより、加圧加熱処理後の液の保有する温度と圧力を利用して蒸留することが可能になり、低沸点成分と高沸点成分を効率よく分離することが可能になる。
【0075】
また、請求項11の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、低沸点成分を蒸留して低級アルコールを回収することにより、純度の高い低級アルコールを回収することが可能になり、かつ、この低級アルコールを油分の加圧加熱処理にリサイクル使用するようにした場合、薬剤コストを低減することが可能になる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、油脂類、脂質類、鉱物油などの油分を含有する無機質材料から油分を分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、油脂類、脂質類、鉱物油を製造するにあたっては、原料油を処理して不純物を除去した後、活性炭、ケイソウ土、活性白土(酸性白土)などの無機質材料(無機吸着剤)を用いて精製することにより、着色物質やその他の微量不純物を除去することが一般に行われている。
【0003】
このときに発生する油分の付着した無機質材料は、一部が建築骨材や堆肥製造時の発酵助剤などとして用いられているが、油分が含まれており、用途が制約されるとともに、機能にも劣るため、その大部分が有効に利用されていないのが実情である。
【0004】
かかる実情に鑑み、無機質材料に付着した油脂を分離回収する方法が提案されるに至っている(例えば、特許文献1参照)。
この方法は、油分を含有する無機質材料に、水を加えて、温度120〜300℃及び圧力0.2〜13.0MPaの条件下に加圧加熱処理して無機質材料から油分を分離するものであり、水を亜臨界状態とすることにより、無機質材料に付着含有されている油分を、無機質材料から分離して水蒸気相へと移行させた後、加圧加熱処理に用いた装置内で、又は該装置から取り出した後に、系の温度を100℃以下に下げることにより、水蒸気相を水相へと変化させ、この水相の上部に溜まる油分を液状又は固形状で分離回収するとともに、水相の下部に沈降物として存在する比重の大きい無機質材料を回収し、再使用できるようにしたものである。
【0005】
また、廃油を処理して軽油代替燃料に再生する方法も提案されている。この方法は、通常、アルカリ触媒(NaOH、KOH)を用いる、いわゆる化学法であり、この方法により、例えば油脂精製工程で発生する油脂を含有する無機質材料を処理した場合、トリグリセリドの形で存在する油脂を効率よく燃料化することが可能になる(例えば、特許文献2,特許文献3,特許文献4参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−263403号公報
【特許文献2】
特開平7−197047号公報
【特許文献3】
特開平7−310090号公報
【特許文献4】
特開平9−235573号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の方法では、無機質材料から油分を分離することはできるものの、油分が本来不純物を含む廃油のような場合には、分離回収される油分は特に用途がなく、助燃剤などとして用いるほかなく、回収される無機質材料を再利用することができたとしても、全体として回収される物質の価値は低く、処理に要するコストに見合わない場合が少なくないという問題点がある。
【0008】
また、特許文献2,3,4の方法では、トリグリセリドの形で存在する油脂を効率よく燃料化することができるが、脂肪酸は脂肪酸石けんになってしまうため、軽油代替燃料に再生することができず、収率が悪くなるという問題点がある。
したがって、原料となる油脂中に遊離の脂肪酸を多く含む場合は事前にこれを取り除く前処理が必要となる。
また、アルカリ触媒を使用すると、後工程として、水洗などのアルカリ分離・精製工程が必要となるため、工程が複雑化し、コストの増大を招くという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、油分を含有する無機質材料から、油分を効率よく分離することが可能で、さらには、油分を脂肪酸エステルを含む燃料にまで転換することが可能であるととともに、無機質材料の吸着能を回復させて再利用できるようにすることが可能な、油分を含有する無機質材料の処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明(請求項1)の油分を含有する無機質材料の処理方法は、
油分を含有する無機質材料を処理するための方法であって、
油分を含有する無機質材料に低級アルコールを加え、
温度:240〜350℃
圧力:5〜25MPa
時間:5〜60分
の条件下に加圧加熱処理して無機質材料から油分を分離すること
を特徴としている。
【0011】
油分を含有する無機質材料に低級アルコールを加え、温度:240〜350℃、圧力:5〜25MPa、時間:5〜60分の条件下に加圧加熱処理することにより、無機質材料が含有する油分を高効率で分離することが可能になるとともに、無機質材料の再利用を可能ならしめることが可能になる。
【0012】
また、請求項2の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記低級アルコールが超臨界状態となる条件で加圧加熱処理することにより、無機質材料から油分を分離するとともに、分離した油分を脂肪酸エステルに転換することを特徴としている。
【0013】
低級アルコールが超臨界状態となる条件で加圧加熱処理することにより、無機質材料から油分を分離するとともに、分離した油分を脂肪酸エステルに効率よく転換することが可能になり、無機質材料が含有する油分を効率よく分離するとともに、付加価値の高い物質に転換することが可能になる。なお、油分が転換された脂肪酸エステルは軽油代替燃料として利用することが可能である。
【0014】
また、請求項3の油分を含有する無機質材料の処理方法は、
前記低級アルコールが下記の一般式(1)
R−OH……(1)
で表される、炭素数が1〜5のヒドロキシ化合物であること
を特徴としている。
【0015】
低級アルコールとして、上記一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物を用いることにより、実用可能な温度条件、圧力条件で低級アルコールを超臨界状態にすることが可能になり、本発明を実効あらしめることができる。
【0016】
また、請求項4の油分を含有する無機質材料の処理方法は、上記式のRがメチル基又はエチル基であることを特徴としている。
【0017】
Rがメチル基又はエチル基である低級アルコールを用いることにより、さらに実用的な温度条件、圧力条件で低級アルコールを超臨界状態にすることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
【0018】
また、請求項5の油分を含有する無機質材料の処理方法は、油分を含む無機質材料100質量部に対して、低級アルコールを10〜200質量部の割合で加えることを特徴としている。
【0019】
油分を含む無機質材料100質量部に対して、低級アルコールを10〜200質量部の割合で加えることにより、無機質材料が含有する油分を確実にしかも高効率で分離することが可能になる。
【0020】
また、請求項6の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記油分が油脂類、脂質類又は鉱物油であることを特徴としている。
【0021】
本発明は、種々の油分を含有する無機質材料を処理する場合に広く適用することが可能であり、例えば、油分が油脂類、脂質類又は鉱物油である場合に好適にその分離を行うことが可能になる。
【0022】
また、請求項7の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記油分が廃食油、廃油脂であることを特徴としている。
【0023】
本発明の処理方法は、廃食油、廃油脂を含有する無機質材料を処理する場合にも適用することが可能であり、廃食油、廃油脂を含有する無機質材料は発生量が多いことから特に有意義である。
【0024】
また、請求項8の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記無機質材料が、油脂の精製に用いられた無機吸着剤であることを特徴としている。
【0025】
油脂の精製には無機吸着剤が用いられる場合が多いが、本発明は、油脂を含有する無機吸着剤を処理する場合にも適用することが可能である。
【0026】
また、請求項9の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記無機質材料が活性白土、活性炭、ケイソウ土、ベントナイト、シリカ系吸着剤、炭酸カルシウム又は酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の無機質材料であることを特徴としている。
【0027】
本発明は、無機質材料が、活性白土、活性炭、ケイソウ土、ベントナイト、シリカ系吸着剤、炭酸カルシウム又は酸化チタンから選ばれる少なくとも1種である場合に広く適用することが可能である。
【0028】
また、請求項10の油分を含有する無機質材料の処理方法は、前記加圧加熱処理後に無機質材料を分離した後の液を蒸留して、低級アルコールを含む低沸点成分と、脂肪酸エステルを含む高沸点成分を分離することを特徴としている。
【0029】
加圧加熱処理後に無機質材料を分離した後の液を蒸留することにより、低級アルコールを含む低沸点成分と、脂肪酸エステルを含む高沸点成分を効率よく分離することが可能になる。
なお、蒸留手段としては、充填塔、フラッシュ蒸留塔、薄膜型蒸留塔などを用いて蒸留を行う方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
また、請求項11の油分を含有する無機質材料の処理方法は、蒸留することにより分離された前記低級アルコールを含む低沸点成分を蒸留して低級アルコールを回収するアルコール回収手段を備えていることを特徴としている。
【0031】
低沸点成分を蒸留して低級アルコールを回収することにより、純度の高い低級アルコールを回収することが可能になり、かつ、この低級アルコールを油分の加圧加熱処理にリサイクル使用するようにした場合、薬剤コストを低減することが可能になる。なお、アルコール回収手段(蒸留方法)としては、例えば、充填塔、フラッシュ蒸留塔、薄膜型蒸留塔などを用いて蒸留を行う方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明では、油分を付着含有する無機質材料に、低級アルコールを加えて、
温度:240〜350℃
圧力:5〜25MPa
時間:5〜60分
の条件下に加圧加熱処理して、無機質材料から油分を分離する。なお、上記条件では、添加した低級アルコールは、上記の温度及び圧力下で超臨界状態(少なくとも亜臨界状態)になっている。
【0033】
本発明において、無機質材料に含有される「油分」としては、油脂類、脂質類又は鉱物油が例示される。
なお、油脂類は、食用油脂、非食用油脂のいずれでもよく、また、植物性油脂、動物性油脂のいずれであってもよい。
食用油脂としては、オリーブ油、ゴマ油、大豆油、ココナツ油、ピーナツ油、菜種油、綿実油、コーン油、ヒマワリ油、サフラワー油などの植物性油脂、ヘッド、ラード、魚油、鯨油などの動物性油脂が例示される。
また、非食用油脂としては、ヒマシ油、アマニ油などが例示される。
脂質としては、糖脂質、ロウ、リン脂質、ステロイド、カロチノイド、中性脂肪などが例示される。
また、鉱物油としては、石油等の鉱油などが例示される。
【0034】
また、本発明における油分を含有する無機質材料とは、油脂類、脂質類、鉱油などの調製工程や処理工程などにおいて排出される、油脂類、脂質類、鉱油などの油分を吸着した無機質材料などが例示される。
【0035】
また、無機質材料としては、活性白土(酸性白土)、活性炭、ケイソウ土、ベントナイト、シリカ系吸着剤などが例示されるがこれに限られるものではない。なお、活性白土は、色素などの吸着性に優れており、油脂の脱色処理などに広く用いられているものである。
【0036】
油分を含有する無機質材料から油分を分離するにあたっては、5〜25MPaの圧力条件下に、温度を240〜350℃の範囲とすることが望ましいが、これは、加圧加熱処理の温度が240℃未満の場合、添加したアルコールが超臨界状態にならず、充分な分離・抽出効果が得られない状態となり好ましくなく、また、加圧加熱処理の温度が350℃を超えると、実用化と装置の設計製作の観点から多大なコスト増大を招き、分離・抽出した油分が熱分解を起こすため好ましくない。
また、加圧加熱処理の圧力が5MPa〜25MPaの範囲を外れると、本発明の温度範囲(240〜350℃)で良好な処理を行うことができなくなるため、好ましくない。また、圧力が25MPaを超えると装置のコスト増大を招くため実用的ではない。
【0037】
加圧加熱処理を行う際の低級アルコールの添加量は、無機質材料に付着している油分の種類や量、無機質材料の種類などを考慮して調整することが好ましいが、一般的には、油分を含有する無機質材料100質量部に対して、低級アルコールを10〜200質量部の割合で加えることが望ましい。これは、低級アルコールの割合が10質量部未満になると無機質材料からの油分の分離・抽出効果が充分に得られず、200質量部を超えると反応後のアルコール再生処理にコストがかかり、エネルギーコストの増大を招くことによる。
なお、低級アルコールのさらに好ましい添加割合は、油分を含有する無機質材料100質量部に対して、100〜200質量部の割合である。
【0038】
また、本発明において、加圧加熱処理の時間は、5〜60分の範囲とすることが好ましい。これは、加圧加熱処理の時間が5分未満の場合、油分の分離・抽出効果が充分に得られず、また、その油分を脂肪酸エステル燃料にまで転換する効果も得られないこと、60分を超えると設備コストとエネルギーコストの増大を招く上、油分が熱分解により変性してしまうことによる。
【0039】
なお、加圧加熱処理に用いられる加圧加熱装置の構成などには特に制約はなく、油分を付着含有する無機質材料と低級アルコールの混合物を、温度:240〜350℃、圧力:5〜25MPa、時間:5〜60分の条件で加圧加熱処理することが可能な種々の装置を用いることが可能である。また、加圧加熱装置としては、内容物を十分に撹拌するための撹拌手段を備えたものを用いることが望ましい。
【0040】
また、加圧加熱処理操作、及びそれに続く油分と無機質材料の分離操作は、バッチ式で行ってもよく、また連続式で行ってもよい。なお、加熱加圧処理は、油分を含む無機質材料に低級アルコールを添加したスラリーを十分に撹拌しながら実施することが望ましい。
【0041】
本発明の処理方法においては、適切な温度、圧力及び反応時間を選択することにより、加圧加熱処理工程で、無機質材料に含有されている油分を分離するとともに、エステル化することが可能になる。
【0042】
加圧加熱処理が終了すると、反応後のスラリーは、無機質材料と、油分及び脂肪酸エステル化合物を主成分とする液相(エステル化合物含有液相(高沸点成分))と、上記のエステル化合物含有液相とは実質的に相互溶解しない、低級アルコールを含有する液相(アルコール含有液相(低沸点成分))を含むスラリーとなる。
【0043】
なお、このスラリー状の液体を静置すると、最下層が比重の大きい無機質材料、中間層が油分及び脂肪酸エステル化合物を主成分とする液相(エステル化合物含有液相(高沸点成分))、最上層が比重の小さい、低級アルコールを含有する液相(アルコール含有液相(低沸点成分))となる。
【0044】
本発明においては、加熱加圧処理後のスラリーは、通常、混合された状態で遠心分離器などの機械的な方法で固液分離を行うことにより、容易に、固形分である無機質材料と、液体であるエステル化合物含有液相及びアルコール含有液相の分離が行われる。
なお、分離された無機質材料は必要に応じて洗浄・乾燥・再生処理を行い、吸着剤などの用途にリサイクル使用される。
【0045】
それから、加圧加熱処理後に無機質材料を分離した後の分離液を蒸留することにより、低級アルコールや水分などを含む低沸点成分と、脂肪酸エステルと反応の副生物であるグリセリンを含む高沸点成分が分離される。
この高沸点成分は脂肪酸エステルを主成分としており、軽油代替燃料に使用することが可能である。また、この高沸点成分を蒸留して、不揮発成分などの高沸点不純物を除去することにより、さらに精製された脂肪酸エステルを得ることが可能になり、より付加価値の高い軽油代替燃料を得ることが可能になる。
【0046】
また、上記の低沸点成分、すなわち、低級アルコールを含有する液相(アルコール含有液相)を蒸留することにより、低級アルコールが回収される。この低級アルコールは、加圧加熱処理のために油分を含有する無機質材料に添加される低級アルコールとしてリサイクル使用することが可能である。
【0047】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
この実施例では、菜種油又は大豆油の製油工程から排出される油分を含有する活性白土(無機質材料)を以下の条件で処理し、油分及び活性白土を分離して回収する場合を例にとって説明する。
【0048】
(1)油分を含有する活性白土の性状
油分含有率 :40質量%
(活性白土:油分=60質量部:40質量部)
(2)活性白土に含有される油分の性状
脂肪酸含有率: 約0.5%
中性油含有率: 約96.5%
水分含有率 : 約 3%
(3)低級アルコール(溶媒)の種類
工業用メタノール
(4)低級アルコール(メタノール)の添加量
油分を含む無機質材料100質量部に対し、メタノール100質量部
(5)反応条件
反応温度 :300℃
反応圧力 :15〜22MPa
加圧加熱処理時間:30分
【0049】
そして、上記条件で加圧加熱処理を行った後、加熱加圧処理後の液を遠心分離器にかけて固液分離を行うことにより、固形分である無機質材料と、液相(エステル化合物含有液相及びアルコール(メタノール)含有液相)の分離を行った。そして、無機質材料をメタノールにより洗浄した。
【0050】
それから、分離したエステル化合物含有液相とアルコール含有液相と洗浄液(メタノール)を含む液を蒸留し、メタノールを含む低沸点成分と、脂肪酸エステルとグリセリンなどを含む高沸点成分を分離した。
次に、この高沸点成分を蒸留して、高沸点不純物(不揮発成分)を釜残として分離除去した。
【0051】
さらに、低沸点成分(メタノールを含有する液相(アルコール含有液相))と水分を蒸留し、メタノールを分離、回収した。
【0052】
高沸点不純物を除去して回収した脂肪酸エステルについて、ガスクロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィー・質量分析法による分析を行った。
【0053】
回収した脂肪酸エステルの組成(分析結果)
パルミチン酸エステル : 7.3%
ステアリン酸エステル : 2.9%
オレイン酸メチルエステル : 57.2%
リノール酸エステル : 23.4%
リノレン酸エステル : 5.7%
その他脂肪酸エステル化物 : 3.5%
【0054】
上記のように、検出された脂肪酸エステルの脂肪酸種は、主にパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸であり、その他、脂肪酸種を同定することができない脂肪酸エステル化物も一部存在しており、蒸留操作を行うことで純度の高い脂肪酸エステル化物を回収できることが確認された。
【0055】
また、上記の分析結果から、エステル化反応は十分に進行しており、脂肪酸エステル化物以外の物質はグリセリンと、微量水分と、未反応の中性油であることが確認された。
【0056】
また、蒸留して回収したメタノールをガスクロマトグラフィー法により分析したところ、高純度で、リサイクル使用が可能なメタノールを回収できることが確認された。
【0057】
さらに、メタノールにより洗浄した無機質材料の油分の含有量はごく微量で、付着しているメタノールを除去することにより、吸着剤としての再利用も可能であることが確認された。
【0058】
[実施例2]
脂肪酸の割合が50重量%以上である廃油が付着した活性白土を上記実施例1の場合に準じる条件で処理した。
【0059】
(1)油分を含有する活性白土の条件
油分含有率 :35質量%
(活性白土:油分=65質量部:35質量部)
(2)活性白土に含有される油分の性状
廃油(脂肪酸50重量%以上)
(3)低級アルコール(溶媒)の種類
メタノール
(4)低級アルコール(メタノール)の添加量
油分を含む無機質材料100質量部に対し、メタノール100質量部
(5)反応条件
反応温度 :300℃
反応圧力 :15〜22MPa
加圧加熱処理時間:20分
【0060】
その他の条件は上記実施例1の場合と同じである。
上記の条件で、廃油(廃油50重量%以上)が吸着された活性白土を処理した結果、上記実施例1の場合とほぼ同等の結果が得られることが確認された。
【0061】
また、回収されたメタノールについても、リサイクル使用が可能なものであることが確認されている。
【0062】
なお、上記実施例1及び2では、アルコールとしてメタノールを用いているが、炭素数が2〜5の他の低級アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールなどを用いることも可能である。
【0063】
さらに、上記実施例では菜種油又は大豆油を含有する無機質材料(実施例1)、及び脂肪酸を多量に含んだ油脂原料を含有する無機質材料(実施例2)を処理する場合を例にとって説明したが、その他の植物油、動物油、それらの廃油などを含有する無機質材料を処理することも可能である。
【0064】
本発明はさらにその他の点においても上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0065】
【発明の効果】
上述のように、本発明(請求項1)の油分を含有する無機質材料の処理方法は、油分を含有する無機質材料に低級アルコールを加え、温度:240〜350℃、圧力:5〜25MPa、時間:5〜60分の条件下に加圧加熱処理するようにしているので、無機質材料が含有する油分を高効率で分離することが可能になるとともに、無機質材料の再利用を可能ならしめることが可能になる。
【0066】
また、請求項2の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、低級アルコールが超臨界状態となる条件で加圧加熱処理するようにした場合、無機質材料から油分を分離・抽出するとともに、分離した油分を脂肪酸エステルに効率よく転換することが可能になり、無機質材料が含有する油分を効率よく分離するとともに、付加価値の高い物質に転換することが可能になる。なお、油分が転換された脂肪酸エステルは軽油代替燃料として利用することができる。
【0067】
また、請求項3の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、低級アルコールとして、一般式R−OHで表されるヒドロキシ化合物(炭素数1〜5)を用いるようにした場合、実用可能な温度条件、圧力条件で低級アルコールを超臨界状態にすることが可能になり、本発明を実効あらしめることができる。
【0068】
また、請求項4の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、Rがメチル基又はエチル基である低級アルコールを用いることにより、さらに実用的な温度条件、圧力条件で低級アルコールを超臨界状態にすることが可能になり、本発明をより実効あらしめることが可能になる。
【0069】
また、請求項5の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、油分を含む無機質材料100質量部に対して、低級アルコールを10〜200質量部の割合で加えるようにした場合、無機質材料が含有する油分を確実にしかも効率よく分離・抽出することができる。
【0070】
また、本発明は、種々の油分を含有する無機質材料を処理する場合に適用することが可能であり、例えば、請求項6のように、油分が油脂類、脂質類又は鉱物油であるような場合に好適にその分離・抽出を行うことが可能になる。
【0071】
また、本発明は、請求項7のように、廃食油、廃油脂を含有する無機質材料を処理する場合にも適用することが可能であり、廃食油、廃油脂を含有する無機質材料は発生量が多いことから特に有意義である。
【0072】
また、本発明は、請求項8のように、油脂の精製工程で多量に発生する、油脂分を含む無機吸着剤を処理する場合にも適用することが可能であり、有意義である。
【0073】
また、本発明の油分を含有する無機質材料の処理方法は、請求項9のように、無機質材料が、活性白土、活性炭、ケイソウ土、ベントナイト、シリカ系吸着剤、炭酸カルシウム又は酸化チタンから選ばれる少なくとも1種である場合に広く適用することが可能である。
【0074】
また、請求項10の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、加圧加熱処理後に無機質材料を分離した後の液を蒸留することにより、低級アルコールを含む低沸点成分と、脂肪酸エステルを含む高沸点成分を効率よく分離することが可能になる。
なお、蒸留手段として、フラッシュ蒸留手段を用いることにより、加圧加熱処理後の液の保有する温度と圧力を利用して蒸留することが可能になり、低沸点成分と高沸点成分を効率よく分離することが可能になる。
【0075】
また、請求項11の油分を含有する無機質材料の処理方法のように、低沸点成分を蒸留して低級アルコールを回収することにより、純度の高い低級アルコールを回収することが可能になり、かつ、この低級アルコールを油分の加圧加熱処理にリサイクル使用するようにした場合、薬剤コストを低減することが可能になる。
Claims (11)
- 油分を含有する無機質材料を処理するための方法であって、
油分を含有する無機質材料に低級アルコールを加え、
温度:240〜350℃
圧力:5〜25MPa
時間:5〜60分
の条件下に加圧加熱処理して無機質材料から油分を分離すること
を特徴とする油分を含有する無機質材料の処理方法。 - 前記低級アルコールが超臨界状態となる条件で加圧加熱処理することにより、無機質材料から油分を分離するとともに、分離した油分を脂肪酸エステルに転換することを特徴とする請求項1記載の油分を含有する無機質材料の処理方法。
- 前記低級アルコールが下記の一般式(1)
R−OH……(1)
で表される、炭素数が1〜5のヒドロキシ化合物であること
を特徴とする請求項1又は2記載の油分を含有する無機質材料の処理方法。 - 上記式のRがメチル基又はエチル基であることを特徴とする請求項3記載の油分を含有する無機質材料の処理方法。
- 油分を含む無機質材料100質量部に対して、低級アルコールを10〜200質量部の割合で添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油分を含有する無機質材料の処理方法。
- 前記油分が油脂類、脂質類又は鉱物油であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の油分を含有する無機質材料の処理方法。
- 前記油分が廃食油、廃油脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の油分を含有する無機質材料の処理方法。
- 前記無機質材料が、油脂の精製に用いられた無機吸着剤であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の油分を含有する無機質材料の処理方法。
- 前記無機質材料が活性白土、活性炭、ケイソウ土、ベントナイト、シリカ系吸着剤、炭酸カルシウム又は酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の無機質材料であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の油分を含有する無機質材料の処理方法。
- 前記加圧加熱処理後に無機質材料を分離した後の液を蒸留して、低級アルコールを含む低沸点成分と、脂肪酸エステルを含む高沸点成分を分離することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の油分を含有する無機質材料の処理方法。
- 蒸留することにより分離された前記低級アルコールを含む低沸点成分を蒸留して低級アルコールを回収するアルコール回収手段を備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の油分を含有する無機質材料の処理方法。
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2003
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